ピノキオ (1940ねん映画えいが)

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ピノキオ
Pinocchio
監督かんとく ベン・シャープスティーン
ハミルトン・ラスク
脚本きゃくほん テッド・シアーズ
オットー・イングランダー
ウェッブ・スミス
ウィリアム・コトレル
ジョゼフ・サボ
アードマン・ペナー
オーレリアス・バタグリア
製作せいさく ウォルト・ディズニー
出演しゅつえんしゃ ディッキー・ジョーンズ
クリフ・エドワーズ
音楽おんがく ネッド・ワシントン
リー・ハーライン
ポール・J・スミス
主題歌しゅだいか ほしねがいを
撮影さつえい ボブ・ブロートン
編集へんしゅう ロイド・L・リチャードソン
製作せいさく会社かいしゃ ウォルト・ディズニー・プロダクション
配給はいきゅう RKO
公開こうかい アメリカ合衆国の旗 1940ねん2がつ7にち
日本の旗 1952ねん5月17にち[1]
上映じょうえい時間じかん 88ふん
製作せいさくこく アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご 英語えいご
製作せいさく $2,600,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう $164,000,000
前作ぜんさく 白雪姫しらゆきひめ
つぎさく ファンタジア
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ピノキオ』(原題げんだいPinocchio)は、1940ねん2がつ7にち公開こうかいされたウォルト・ディズニー・プロダクションによる長編ちょうへんアニメーション映画えいが原作げんさくカルロ・コッローディさく童話どうわピノッキオの冒険ぼうけん』である。

概要がいよう[編集へんしゅう]

マジック・キングダムでのピノキオ

前作ぜんさく白雪姫しらゆきひめ』がだいヒットをしたのち、「ふたたおなじような映画えいがを」という依頼いらいがウォルトに多数たすうせられたがかれはそれを拒否きょひし、前作ぜんさくとはことなる冒険ぼうけん物語ものがたりである「ピノキオ」をえらんだ。

しかし、原作げんさく社会しゃかい風刺ふうし小説しょうせつであり、ピノキオは悪戯いたずらで、子供こどもっぽい性格せいかくがみられ、白雪姫しらゆきひめのようなはながなかったため、ゆめのある物語ものがたりにするのは容易よういではなかった。ウォルトはストーリーの制作せいさくすうげつなやみ、すでにアーティストたちは作業さぎょうはいっていたのにもかかわらず制作せいさく一時いちじ中断ちゅうだんする。そのあいだにピノキオは無邪気むじゃき性格せいかく変更へんこうされ、さらに原作げんさくではピノキオにハンマーをぶつけられすぐにんでしまうコオロギをピノキオの良心りょうしん、そしてストーリーテラーとしての役割やくわり重要じゅうようなキャラクター、ジミニー・クリケットとして登場とうじょうさせることになった。制作せいさく再開さいかいされたのちにも熟考じゅっこうかさね、2ねん歳月さいげつてついにテンポのよいゆめ希望きぼうにあふれた冒険ぼうけん物語ものがたり完成かんせいした。

前作ぜんさく白雪姫しらゆきひめ』のように莫大ばくだい制作せいさくけたが、公開こうかいされた当時とうじは(だい世界せかい大戦たいせんなかという世相せそうもあり)『ファンタジア同様どうようにヒットにはいたらず、会社かいしゃだい赤字あかじになり、さらにディズニーしゃ労働ろうどう条件じょうけん劣悪れつあくさからくるだい規模きぼ労働ろうどう争議そうぎあいまって、会社かいしゃ株式かぶしきが1かぶ25ドルから4ドルへとだい暴落ぼうらくして経営けいえい危機ききにさらされウォルトはだいピンチにおちいった。しかしげきちゅうジミニー・クリケットうたった『ほしねがいを(When You Wish Upon a Star)』はだい13かいアカデミーしょう歌曲かきょくしょう受賞じゅしょうし、アメリカン・フィルム・インスティチュートによる、「映画えいがにおける偉大いだいうた100せん」でもだい7はいるなど、古典こてんアニメーションの傑作けっさくとして今日きょうでもあいされつづけている。日本にっぽんでのセルビデオ出荷しゅっか本数ほんすうは100まんほん[2]

ほん作品さくひんには原作げんさく小説しょうせつとはことなる場面ばめんおおい。ゼペットとピノキオをみこむのが巨大きょだいなサメ(フカ)ではなくくじらであることや、ものをいうコオロギが洒落しゃれていない、ブルー・フェアリー(仙女せんにょ)の性格せいかくだけでなく、原作げんさくはかなり残酷ざんこくでするどい皮肉ひにくちていること、などがあげられる[3]

世界せかい各国かっこく公開こうかいねんについては、シンプル英文えいぶんばんPinocchio (1940 movie)」も参照さんしょう

ストーリー[編集へんしゅう]

ピノキオはおもちゃ職人しょくにんのゼペットがつくったあやつり人形にんぎょうである。子供こどものいないゼペットは、ピノキオが「自分じぶん子供こどもになりますように」とほしねがう。みな寝静ねしずまったころ、ブルー・フェアリーがあらわれてピノキオに生命せいめいさづけた。そして一部始終いちぶしじゅうていたコオロギのジミニー・クリケットを良心りょうしんやく任命にんめいし、「勇気ゆうきって正直しょうじきやさしい性格せいかくになれば人間にんげんになれる」といいのこし、えてった。

騒音そうおん目覚めざめたゼペットは、生命せいめいさずかったピノキオをだいよろこびし、翌日よくじつピノキオを学校がっこうおくす。しかし、世間せけんらずのピノキオは詐欺さぎきつねのJ・ワシントン・ファウルフェローと、その子分こぶんねこのギデオンの「スターのらし」の甘言かんげんせられ、きちんとことわるようにというジミニーの忠告ちゅうこくかず、ストロンボリ一座いちざばされてしまう。

いと人形にんぎょうということで一座いちざのスターになったピノキオだったが、なにらずいえかえろうとした途端とたんおこったストロンボリによってとりかごめられてしまう。そこへ最後さいごわかれをげにたジミニーと再会さいかいし、自分じぶんだまされていたことにづいて脱出だっしゅつこころみても、錠前じょうまえいていてまったくひらかずこまてる。そこへブルー・フェアリーがあらわれてピノキオをいただすが、ジミニーに本当ほんとうのことをうように忠告ちゅうこくされるも、うそをついたピノキオのはなびはじめてしまう。うそをついたことを反省はんせいしたピノキオと、かれにチャンスをあたえてしいとジミニーの説得せっとくもあり、ブルー・フェアリーの手助てだすけでピノキオはストロンボリ一座いちざしていえかえろうとする。

しかし、いえかえ途中とちゅうふたたびファウルフェローとギデオンにめられ、今度こんどは、あそびのしま「プレジャー・アイランド」へこうとさそわれ[注釈ちゅうしゃく 1]拉致らち同然どうぜんれてかれたピノキオは馬車ばしゃり、しまかう。そこではどんなわるいことでもゆるされるしまで、ピノキオはそこでごすうちにわるいことはたのしいと認識にんしきしてしまい、にわたっていつけをわすれてしまう。さらには散々さんざん心配しんぱいしたにもかかわらず、自分じぶん侮辱ぶじょくした悪童あくどうランプウィックをかばったかれを「親友しんゆう」とぶピノキオにとうとう愛想あいそきたジミニーはおこってかえろうとした矢先やさき、プレジャー・アイランドにいる子供こどもたちロバになっていき、最後さいごにはまちばされることをると、だいあわてでピノキオの救出きゅうしゅつかった。そのころランプウィックがまえでロバになってしまい、自身じしんにもロバのみみとしっぽがえてたため混乱こんらんしパニックになったピノキオは、もどってきたジミニーと一緒いっしょ危機一髪ききいっぱつでプレジャー・アイランドを脱出だっしゅつし、いえへとかえっていった。

ところが、いえかえるとかりがついておらず、ゼペットはおろかねこフィガロ金魚きんぎょのクレオもいなくなっていた。二人ふたり途方とほうにくれていると、そらからいちまい手紙てがみちてくる[注釈ちゅうしゃく 2]。ジミニーがげると、そこにはおどろくべきことかれていた。いつまでってもかえってないピノキオを心配しんぱいしてさがしにったゼペットが、ふねうみかけた矢先やさきクジラ王様おうさま・モンストロにまれてしまっていたのだ。
ピノキオとジミニーはうみき、ゼペットを救出きゅうしゅつしようと尻尾しっぽいししばけてむも自身じしんもモンストロにまれ、はらうちでゼペットとの再会さいかいたす。ピノキオにロバのみみ尻尾しっぽえていたことにおどろくゼペットだが、なにわずにやさしくいた。ふねにあったイカダたピノキオは知恵ちえ勇気ゆうきはらうちこし、ゼペットといっしょにモンストロのはらうちから脱出だっしゅつすることに成功せいこうするが、おこったモンストロにいかけられることになる。イカダがこわれてもピノキオは力尽ちからつきかけたゼペットをかば必死ひっし岩場いわばまでおよぐも、モンストロは執拗しつよういかけてる。そこでたまたままった岩場いわば隙間すきまみ、つづけてモンストロもまたいきおいよくんだが、それを最後さいご生死せいし不明ふめいとなる。
みず飛沫しぶきによってうん浜辺はまべげられたゼペットたちと、かさをクッションにしたジミニーはかろうじて生還せいかんするが、ピノキオはくだけたいわまれ、波打なみうぎわにうつせでたおれているところをジミニーに発見はっけんされるも、すでいきえてしまっていた。

んでしまったピノキオをまえに、ゼペットとジミニーたちかなしみにれていた。そこへブルー・フェアリーがあらわれ、ピノキオは勇気ゆうきある行動こうどうたたえられる。そして彼女かのじょちからかえらせるとともに本当ほんとう人間にんげん子供こども姿すがたえた。ましたピノキオは、ゼペットとよろこびをかちった。ジミニーがそとそらほしかいれいうと、胸元むなもと良心りょうしんあかしである金色きんいろバッジあらわれ、ジミニーは感激かんげきひたった。

キャラクター[編集へんしゅう]

ピノキオ(Pinocchio)
ほんさく主人公しゅじんこう。ゼペットがつくったあやつり人形にんぎょうおとこ。ブルー・フェアリーによっていのちあたえられて様々さまざま冒険ぼうけんをする。純粋じゅんすい無邪気むじゃきだが、好奇心こうきしん旺盛おうせいかつ世間せけんらずでひとうたがうことをらないため、ファウルフェローたちにだまされることもあった。ジミニーやブルー・フェアリーのおしえをけながらあらゆる経験けいけんみ、善悪ぜんあく判断はんだん常識じょうしきにつけ成長せいちょうしていく。自分じぶんつくったゼペットを「おとうさん」としたっている。モンストロからゼペットをかばって死亡しぼうするが、本当ほんとうただしくやさしいになったため、ブルーフェアリーのちから人間にんげんとなってかえる。一人称いちにんしょうは「ぼく」。
実写じっしゃばんではファウルフェローのさそいにすぐらず、学校がっこうったり[注釈ちゅうしゃく 3]プレジャーアイランドれてかれたさいわるたち姿すがたて、「おとうさんにこんなしょにいることられたらかなしむだろうな」とむなど原作げんさくくらべ、善悪ぜんあく区別くべつがつく賢明けんめいさをち、モンストロから脱出だっしゅつしたのちぬことなく、いつのにか人間にんげんになっていた。
ジミニー・クリケット(Jiminy Cricket)
ほんさくのもう一人ひとり主人公しゅじんこう。ゼペットのいえにもぐりこんだ貧乏びんぼうコオロギほんさくストーリーテラーつとめる。当初とうしょはつぎはぎだらけの貧乏びんぼうくさ格好かっこうだったが、ブルー・フェアリーからタキシードふう上着うわぎシルクハットかさネクタイ革靴かわぐつあたえられて以降いこうはその格好かっこうとおしている。文字もじとおくをとき黒縁くろぶちはなメガネをかける。
その真面目まじめ性格せいかくわれてブルー・フェアリーにピノキオの良心りょうしんまかされる。たびたび忠告ちゅうこく約束やくそくをすぐにわすれるピノキオに苛立いらだちながらも、かれなにかあるとすぐたすけにたりはげますなどピノキオをまさしくみちび信頼しんらい関係かんけいきずく。一方いっぽうでピノキオが学校がっこう遅刻ちこくしてしまったり、ファウルフェローのうたパレードだとおもおどしたり、人形にんぎょうのダンスにとれるなどいい加減かげんいちめんもある。ピノキオが人間にんげんになってかえったのち功績こうせきみとめられて『公式こうしき良心りょうしん』としめされたあかしバッジをもらった。うた口笛くちぶえ上手じょうずで、主題歌しゅだいかの『ほしねがいを』はジミニーとおな声優せいゆううたっている。のディズニー映画えいがにもよく脇役わきやく登場とうじょうする。
ゼペットじいさん(Mister Geppetto)
ピノキオのみのおや人形にんぎょう職人しょくにんでもあるしんやさしいおもちゃ主人しゅじん。おもちゃのほかにもからくり時計とけいオルゴールなどもつくっている。ねこのフィガロと金魚きんぎょのクレオをっている。眼鏡めがねをかけてくちひげをはやしている。ピノキオを人間にんげん子供こどもおなじように学校がっこうかよわせる。登校とうこう初日しょにち綺麗きれいふくせて、リンゴをわたして教師きょうしにあげるようアドバイスしたが、登校とうこう途中とちゅうでピノキオはファウルフェローにだまされてかえってなくなり、あめよるでもピノキオをさがまわった。ついにはとおくへたびてピノキオをさがすがクジラのモンストロにまれてしまう。それからはモンストロのなか生活せいかつしており、かれ捕食ほしょくしたさかなってなにとかえをしのいでいた。モンストロのなかでピノキオに再会さいかいするも脱出だっしゅつとき、イカダをモンストロにこわされ、おぼれそうになっている自分じぶんたすけたピノキオが事故じこ死亡しぼうし、ショックをけるもブルー・フェアリーにより人間にんげんとしてかえったことってよろこんだ。なお、本人ほんにんがジミニーの存在そんざい最後さいごまでることはなく会話かいわするシーンはない[注釈ちゅうしゃく 4]が『ハウス・オブ・マウス』ではピノキオとおなせきかれ顔合かおあわせしており、『キングダムハーツ』シリーズでは顔見知かおみしりのようでかれ会話かいわするシーンがあり、実写じっしゃばんのラストでもモンストロから脱出だっしゅつするさいはじめてジミニーの姿すがたている。
女神めがみ/ブルー・フェアリー(The Blue Fairy)
ゼペットのねがいでピノキオにいのちんだ金髪きんぱつ妖精ようせい普段ふだんやさしいが、ピノキオのウソやジミニーの怠慢たいまんけっして見逃みのがさないきびしさでみずかあやまちを自覚じかくするようにみちびくこともある。エピローグではピノキオとジミニーの努力どりょくみとめ、ピノキオを人間にんげんえ、ジミニーにはもっと名誉めいよあるきむバッジさづけた。
J・ワシントン・ファウルフェロー("Honest" John Worthington Foulfellow)
キツネの詐欺さぎで、ピノキオをだましてストロンボリやコーチマンのもととどける。ボロボロだがスーツやマント、ハットを着用ちゃくようしており、葉巻はまきう。作中さくちゅうでは正直しょうじきジョン(オネスト・ジョン、きゅうばんでは正直しょうじきしゃのジョン)と自称じしょうするが、前述ぜんじゅつ詐欺さぎとおだいうそつきである。
ギデオン(Gideon)
ファウルフェローの相棒あいぼうのネコ。かなりのドジ。ファウルフェローより体格たいかくちいさく子供こどものようだが、おなじく葉巻はまきったりビールをんでいる。しかしアルコールにはよわいせいか、さけむとしゃっくりがまらなくなる。台詞せりふはない。
ランプウィック(Lampwick)/ランピー[注釈ちゅうしゃく 5]
なまもの悪童あくどう一人称いちにんしょうは「おれ」。プレジャーアイランドでピノキオと仲良なかよくなり、わるいことはたのしいとかれおしえるが、自分じぶんがロバにわっていくのにづいて狂乱きょうらん状態じょうたいになりながらピノキオにすがるも、なすすべもなく完全かんぜんなロバになってしまった。かれがロバに変化へんかするのたりにしたことでピノキオはみずからのあやまちにづくことになる。
ストロンボリ(Stromboli)
人形にんぎょう一座いちざ親方おやかた肥満ひまんたいで、ラテンけいあたま禿げており、もみあげとながくろかみ特徴とくちょうてき。よくうたうたったりおどったりと陽気ようきだが、そのいとは裏腹うらはら性格せいかく強欲ごうよくかつ冷酷れいこくいとなしでうご人形にんぎょうのピノキオを使つかって世界中せかいじゅうまわもうけようとしたが、ピノキオがゼペットのいえかえろうとすることにおこって、ピノキオをとりかごにめる。ようみになったらたきぎにしようとするなど人形にんぎょう愛情あいじょうがなく、うまをこき使つかう。その、いつものようにうたうたうのに夢中むちゅうで、ピノキオたちが脱走だっそうしたことにづかなかった。実写じっしゃばんでは悪事あくじがバレてつかまった。
コーチマン(The Coachman)
馬車ばしゃなりはいがいつもこわかおをしている。なまもの子供こどもたちをあま言葉ことばたくみにだましてプレジャーアイランド[注釈ちゅうしゃく 6]というゆう園地えんちかせ、きなことをやっていいという場所ばしょなので依然いぜんとして悪事あくじをさせロバにしてばす悪徳あくとく業者ぎょうしゃ[注釈ちゅうしゃく 7]である。作中さくちゅうでは馬車ばしゃばれる。なぜロバにされるかは不明ふめいだが、ロバは英語えいごでDonkeyといい、そのもうひとつの意味いみなまけや間抜まぬけのことを意味いみすることからている。
フィガロ(Figaro)
ゼペットのねこくろねこだがあし靴下くつしたいたようにしろく、かおとおなか尻尾しっぽさきしろい。まだ完全かんぜん大人おとなではなく、からだちいさくイタズラきで小生意気こなまいき部分ぶぶんがある。ぬしのゼペットのことは大好だいすきで、ゼペットの愛情あいじょうがピノキオばかりにそそがれるため、しばしばきもちをいて意地悪いじわるをしているが、ピノキオがんでしまったときふかかなしむなど実際じっさいには家族かぞくとしてなしている。クレオのアプローチにも嫌々いやいや態度たいどるが彼女かのじょべようとはせず、ガラスしでかるめて彼女かのじょよろこばしたり、ピノキオが人間にんげんとしてかえったとき金魚鉢きんぎょばちんで彼女かのじょにキスするなどきらっている様子ようすはない。じつミニーマウスねこでもあり、まえから登場とうじょうしていた。
クレオ(Cleo)
ゼペットのっている金魚きんぎょ。フィガロに好意こういてきかれにキスしてもらうとよろこびをあらわす。からだちいさいがとしはクレオのほううえらしく、ゼペットがかけたすき夕食ゆうしょくをつまみいしようとしたフィガロをたしなめている。
モンストロ(Monstro)
クジラの王様おうさま非常ひじょう攻撃こうげきてき性格せいかくで、まええるものすべ獲物えものだとなすほど作品さくひんちゅうのキャラクターでは最大さいだいで、ピノキオをさがすゼペットのふねをいとも簡単かんたんほどおおきさである。ピノキオをんだのち腹中ふくちゅうをされ、けむりれずかれらをす。それからもおこってかれらをまわすが、そのすえいわかべ洞窟どうくつまれ、当然とうぜん自分じぶんれずに激突げきとつし、生死せいし不明ふめいのままうみしずんでいった。

こえ出演しゅつえん[編集へんしゅう]

役名やくめい 原語げんごばん声優せいゆう 日本語にほんご
1959ねん公開こうかいばん 1983ねん公開こうかいばん
追加ついか録音ろくおん部分ぶぶん
ポニーバンダイはん
ピノキオ ディッキー・ジョーンズ 佐々木ささき清和きよかず
うた宮下みやしたただし
初沢はつざわ
つじ治樹はるき
後藤ごとう真寿美ますみ
ジミニー・クリケット クリフ・エドワーズ ぼう三郎さぶろう
うた宮本みやもとただし
肝付きもつき兼太かねた
うた田村たむらしげる
江原えばらただし
うた田村たむらしげる
ゼペットじいさん クリスチャン・ラブ さん津田つだけん 熊倉くまくら一雄かずお 内田うちだみのる
女神めがみ イヴリン・ヴェナブル 松田まつだトシ 一城かずきみゆまれ 小沢おざわ寿美恵すみえ
正直しょうじきジョン ウォルター・キャトレット さんしょう小勝こかつ 山田やまだ康雄やすお せき時男ときお
ギデオン メル・ブランク 原語げんご音声おんせい流用りゅうよう
ランプウィック フランキー・ダーロ はたけ 新井あらい昌和まさかず
内田うちだたかしきち
牛山うしやましげる
ストロンボリ チャールズ・ジューデルス 中村なかむらあきら 大塚おおつか周夫ちかお 遠藤えんどうただし
コーチマン 古今ここんていこん 辻村つじむら真人まさと 金尾かなお哲夫てつお
オランダむすめ人形にんぎょう パトリシア・ページ 和田わだ京子きょうこ 一城かずきみゆまれ
フランスむすめ人形にんぎょう 富沢とみざわ志満しま
ロシアむすめ人形にんぎょう 依田よだみどり
けんか小屋こやこえ クラレンス・ナッシュ かじ哲也てつや
ゆう園地えんち ドン・ブロディ
スチュアート・ブキャナン
ジョン・マクリーシュ
野坂のさかあきら みねめぐみけん
さわりつお
山崎やまざき哲也てつや
岡田おかだ吉弘よしひろ
金尾かなお哲夫てつお
牛山うしやましげる
アレキサンダー ディッキー・ジョーンズ 宮川みやがわ陽介ようすけ 下川しもかわ久美子くみこ
どものこえ バージニア・デイビス
ダル・マッケノン
村上むらかみ雅俊まさとし
あきはらたかし
黒田くろだ将人まさと
小山こやま友成ともなり
牛山うしやましげる
フィガロ クラレンス・ナッシュ 原語げんご音声おんせい流用りゅうよう
モンストロ サール・レイブンズクロフト
  • 1959年版ねんばんによる公開こうかい:1959ねん大映だいえい)、1972ねん(ブエナ・ビスタ)
    • この日本語にほんごばんは「白雪姫しらゆきひめ」(1958ねん)と同時どうじ録音ろくおんされている[4]
  • 1983年版ねんばんによる公開こうかい:1983ねん東宝とうほう
    • 1993ねんにWOWOWで公開こうかい当時とうじえで放送ほうそうされている。
  • ポニーバンダイはん: 1984ねん発売はつばいされたVHSレーザーディスク収録しゅうろく

1995ねん以降いこう、ディズニーから発売はつばいされているソフト(VHS・DVD・BDとう)には、1983ねん公開こうかいばん一部いちぶ追加ついか録音ろくおん[5]おこなったものが収録しゅうろく

スタッフ[編集へんしゅう]

映像えいぞう制作せいさく[編集へんしゅう]

製作せいさく ウォルト・ディズニー
原作げんさく カルロ・コッローディ
脚本きゃくほん テッド・シアーズオットー・イングランダーウェッブ・スミスウィリアム・コトレルジョゼフ・サボアードマン・ペナーオーレリアス・バタグリア
音楽おんがく ネッド・ワシントンリー・ハーラインポール・J・スミス
キャラクター・デザイン ジョー・グラントアルバート・ハータージョン・P・ミラーキャンベル・グラントマーティン・プロヴェンセンジョン・ウォルブリッジ
イメージボード ドン・クリステンセン
作画さくが監督かんとく フランク・トーマスミルト・カールアート・バビットウォード・キンボールエリック・ラーソンフレッド・ムーアビル・ティトラウォルフガング・ライザーマン
レイアウトチャック チャールズ・フィリッピヒュー・ヘネシーケンドール・オコーナーテレル・スタップソー・パットナムマクラーレン・スチュワートアル・ジンネンブルース・ブッシュマンアーサー・ハイネマンチャールズ・ペイザント
原画げんが レス・クラークチャールズ・オーガスト・ニコルズジャック・キャンベルバーニー・ウルフドン・ダグラディドン・ラスクノーマン・テイトジョン・ブラッドベリーリン・カープアート・パーマー
ジョシュア・メダードン・トービンロバート・マーシュジョージ・ローリージョン・マクマナスドン・パターソンプレストン・ブレアマーヴィン・ウッドワードヒュー・フレイザー、ジョン・エリオット
ウォルト・ケリーケン・オブライエン
オリー・ジョンストンジョン・ラウンズベリー
美術びじゅつ監督かんとく ケン・アンダーソンディック・ケルシージョン・ハブリー
背景はいけい クロード・コーツマール・コックスエド・スターレイ・ハッファイン
仕上しあげ マーセリット・ガーナー
撮影さつえい ボブ・ブロートン
録音ろくおん ウィリアム・E・ギャリティ
音響おんきょう効果こうか ジム・マクドナルド
編集へんしゅう ロイド・L・リチャードソン
助監督じょかんとく フォード・ビービルー・デブニージム・ハンドレグラハム・ヘイドマイク・ホロボッフラリー・ランズバーグ
キャラクター彫刻ちょうこく制作せいさく ワウ・チャン
コンセプトデザイン グスタフ・テングレン
J・ワシントン・ファウルフェロー、ギデオン担当たんとう演出えんしゅつ ノーム・ファーガソンT・ヒー
演出えんしゅつ ビル・ロバーツジャック・キニーウィルフレッド・ジャクソン
監督かんとく ベン・シャープスティーンハミルトン・ラスク
彩色さいしきプロセス テクニカラー
録音ろくおんプロセス RCA
制作せいさく ウォルト・ディズニー・プロダクション
配給はいきゅう RKO

日本語にほんごばん制作せいさく[編集へんしゅう]

≪1959年版ねんばん

そう指揮しき ジャック・カッティング
台本だいほん 田村たむら幸彦さちひこ
訳詞やくし音楽おんがく監督かんとく 三木みきにわとりろう
編集へんしゅう 上田うえだ忠雄ただお
録音ろくおん 国際こくさいラジオセンター
コーラス ダークダックス
服部はっとりリズム・シスターズ

≪1983年版ねんばん

そう指揮しき ブレイク・トッド
翻訳ほんやく演出えんしゅつ 金田かねだ文夫ふみお
訳詞やくし 島村しまむら
音楽おんがく演出えんしゅつ 多田ただ則彦のりひこ
歌唱かしょう指導しどう 川田かわた正子まさこ
協力きょうりょく テアトル・エコー
音楽おんがく協力きょうりょく コロムビアレコード
録音ろくおん 東亜とうあ映像えいぞう録音ろくおん株式会社かぶしきがいしゃ
コーラス ミュージック・クリエイション

≪ポニー・バンダイばん

こえ出演しゅつえん協力きょうりょく 劇団昴げきだんすばる
翻訳ほんやく トランスグローバル

キャラクターとしてのピノキオ[編集へんしゅう]

原作げんさくにおけるピノキオ(ピノッキオ)にかんしては『ピノッキオの冒険ぼうけん参照さんしょう

テレビでの放送ほうそう[編集へんしゅう]

出演しゅつえん作品さくひん[編集へんしゅう]

挿入歌そうにゅうか[編集へんしゅう]

  • ほしねがいを(When You Wish Upon a Star)うた田村たむらしげる
  • リトル・ウッドゥン・ヘッド(Little Wooden Head)うた熊倉くまくら一雄かずお
  • こまったときには口笛くちぶえを(Give a Little Whistle)うた田村たむらしげる、つじ治樹はるき
  • ハイ・ディドゥル・ディー・ディー(Hi-Diddle-Dee-Dee)うた山田やまだ康雄やすお
  • もういとはいらない(I've Got No Strings)うたつじ治樹はるき

2003ねん6がつ6にち発売はつばいの『ピノキオ -スペシャル・エディション-』DVDのPRソングとして『ほしねがいを』を矢沢やざわ永吉えいきちがカバーしたものが使用しようされた。

小説しょうせつ[編集へんしゅう]

  • ちょ:ジーナ・インゴリア/やく橘高きったか弓枝ゆみえ『ピノキオ』偕成社かいせいしゃ、1998ねん12月1にちISBN 4037912007 

絵本えほん[編集へんしゅう]

  • わけ手島てじまゆうかい/シュン斎藤さいとう山口やまぐち俊和としかず片山かたやま径子みちこ『ピノキオ』講談社こうだんしゃ〈ディズニー名作めいさく童話どうわかん⑤〉、1987ねん12がつ10日とおかISBN 4061942557 
  • わけもりはるな『ピノキオ』講談社こうだんしゃ〈ディズニーおはなし絵本えほんかん③〉、2002ねん3がつ20日はつかISBN 4062714639 

メディアソフト[編集へんしゅう]

MovieNEX[編集へんしゅう]

日本にっぽんで2017ねん6がつ21にちウォルト・ディズニー・ジャパンからBlu-ray DiscDVD、デジタルコピー(スマートフォンタブレット端末たんまつで、本編ほんぺん映像えいぞうることができるサービス)、MovieNEXワールドがセットになったMovieNEXが発売はつばいされた[6]

ボーナス・コンテンツ[編集へんしゅう]

  • ミュージック・プロジェクト:ほしねがいを
    • 制作せいさく過程かてい
    • 完成かんせいばんミュージック・クリップ
  • 製作せいさく舞台裏ぶたいうら:おもしろとうのシーン
  • ウォルトがかたるピノキオ
  • しあわせウサギのオズワルド/かわいそうなパパ
  • ソング・セレクション(英語えいごばん
    • ぼしねがいを
    • ♪リトル・ウッドゥン・ヘッド
    • こまったときには口笛くちぶえ
    • ♪ハイ・ディドゥル・ディー・ディー
    • ♪もういとはいらない
  • ほしねがいを』うた矢沢やざわ永吉えいきち
  • 音声おんせい解説かいせつ  レナード・マルティン、エリック・ゴールドバーグ、J.B.カウフマン
  • クラシック・ボーナス・フィーチャー
    • 『ピノキオ』の誕生たんじょう秘話ひわ
    • 公開こうかいシーン
      • イントロダクション
      • おじいさんのはなし
      • クジラのおはらうち
      • もうひとつのエンディング
    • スウェットボックス
    • おもちゃ職員しょくいんむかしいま
    • うごきの研究けんきゅう
    • パブリシティ
      • オリジナルばん劇場げきじょう予告編よこくへん(1940ねん
      • 劇場げきじょう予告編よこくへん(1984ねん
      • 劇場げきじょう予告編よこくへん(1992ねん
    • ミュージック・クリップ
    • アニメーターたちの挑戦ちょうせん
    • ストーリーボードと完成かんせいばん比較ひかく

リメイク[編集へんしゅう]

2021ねんロバート・ゼメキス監督かんとく[7]トム・ハンクス主演しゅえん実写じっしゃ映画えいがされた[8]。2022ねん9がつ公開こうかい

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 理由りゆうはファウルフェローいわく「きみ病気びょうきだからゆう園地えんちって元気げんきになるといい」とのこと。このときピノキオはいえかえろうとするが、強引ごういんせられた。
  2. ^ このとき手紙てがみとした小鳥ことりほしからあらわれたことと、ブルー・フェアリーが登場とうじょうするシーンとおなBGM使つかわれていることから、手紙てがみ彼女かのじょによっておくられたものだとかる。
  3. ^ しかし、その人形にんぎょうという理由りゆうされ、さそ原因げんいんとなった
  4. ^ 一応いちおう、「良心りょうしん」の存在そんざいはピノキオからかされている。
  5. ^ きゅうばんより
  6. ^ きゅうばんでは『ワクワクランド』または『しまゆう園地えんち』という名前なまえになっている。
  7. ^ ばすさいに、「おまえ名前なまえは?」と質問しつもんし、ロバのごえがするかどうかでめている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ えでのはつ公開こうかい1959ねん
  2. ^ 日経にっけいBPしゃ技術ぎじゅつ研究けんきゅう進化しんかするアニメ・ビジネス―世界せかいばたく日本にっぽんのアニメとキャラクター』日経にっけいBPしゃ、2000ねん、42ぺーじISBN 4-8222-2554-2
  3. ^ 大岡おおおかれい(『新訳しんやく・ピノッキオの冒険ぼうけん角川かどかわ文庫ぶんこ 2003ねん訳者やくしゃあとがきによる。
  4. ^ 1959ねん公開こうかい映画えいがパンフレット
  5. ^ ジプシー」「むしけら」「ちこぼれ」などの台詞せりふべつ言葉ことばえている。
  6. ^ ピノキオ|ブルーレイ・DVD・デジタル配信はいしん|ディズニー公式こうしき”. ディズニー公式こうしき. 2019ねん2がつ8にち閲覧えつらん
  7. ^ “ディズニー『ピノキオ』実写じっしゃばん監督かんとく脚本きゃくほんに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ロバート・ゼメキスが就任しゅうにん. THE RIVER. (2020ねん1がつ29にち). https://theriver.jp/pinocchio-zemeckis-determined/ 2021ねん9がつ21にち閲覧えつらん 
  8. ^ “ロバート・ゼメキス監督かんとくのディズニー実写じっしゃばん「ピノキオ」にトム・ハンクス”. 映画えいが.com. (2020ねん8がつ8にち). https://eiga.com/news/20200808/7/ 2021ねん9がつ21にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]