レッドブル・X2010

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
レッドブル・X2010
レッドブル・X2010の展示てんじ模型もけい(2012ねん東京とうきょうオートサロン
概要がいよう
設計せっけい統括とうかつ 山内やまうち一典かずのり
デザイン エイドリアン・ニューウェイ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 1めい
ボディタイプ レーシングカー
エンジン位置いち ミッドシップ
駆動くどう方式ほうしき こう駆動くどう
パワートレイン
エンジン Vがた6気筒きとうちょくツインターボ 3,000cc
最高さいこう出力しゅつりょく 1,106.0 kW (1,503.7 PS) / 15,000rpm
最大さいだいトルク 714.1 N⋅m (72.8 kgf⋅m) / 12,000rpm
変速へんそく 7そくセミAT
サスペンション
まえ フルアクティブライド・サスペンション
のち フルアクティブライド・サスペンション
車両しゃりょう寸法すんぽう
全長ぜんちょう 4,750mm
全幅ぜんぷく 2,180mm
ぜんこう 980mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 615kg(そう)/545kg(いぬい
その
トレッド フロント:1,850mm
リア:1,780mm
系譜けいふ
後継こうけい レッドブル X2011 プロトタイプ
テンプレートを表示ひょうじ

レッドブル X2010 (Red Bull X2010) は、ゲームソフト「グランツーリスモシリーズ」に登場とうじょうする架空かくうレーシングカーである。開発かいはつにF1コンストラクターのレッドブル・レーシング、レーシングドライバーのセバスチャン・ベッテル協力きょうりょくしている。

派生はせい車両しゃりょうとしてX2011X2014X2019存在そんざいし、グランツーリスモ6の発売はつばい以後いごはこれらとX2010を総称そうしょうして「Xシリーズ」としてカテゴライズされることとなった。ほんこうではX2010以外いがい派生はせい車両しゃりょうについても記載きさいする。

コンセプト[編集へんしゅう]

元々もともと名称めいしょうは「RedBull X1」だったが、グランツーリスモ5のゲームデータがバージョン1.05にアップデートされて以降いこう現在げんざい名称めいしょう変更へんこうされた。「レギュレーションのわくにとらわれない、地上ちじょう最速さいそくのレーシングカー」とはどのようなものか、という構想こうそうかたちにした車両しゃりょうであり、山内やまうち一典かずのり筆頭ひっとうとしたグランツーリスモシリーズのスタッフと、レッドブル・レーシングがタッグをんでされた。採用さいようされている技術ぎじゅつ大半たいはん実際じっさいにF1でも採用さいようされ、のちにレギュレーションで禁止きんしされたものである。

当初とうしょはフロントホイールまでをカウルでおおった形状けいじょうでイメージされ、1500 PSを発生はっせいするVがた6気筒きとうちょくツインターボエンジンによって、最高さいこう速度そくど400km/hオーバーを達成たっせいするというものであった。その、レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイ発案はつあんにより、かつてCan-Am活躍かつやくしたレーシングカーであるシャパラル・2Jや、1978ねんのF1マシンであるブラバム・BT46Bもちいられていた「ファン・カー」のシステムを応用おうようすることが決定けってい車体しゃたい後部こうぶ中央ちゅうおうもうけられたファンを使用しようし、強制きょうせいてき車体しゃたい下部かぶ空気くうきして気圧きあつげることにより、速度そくどいき関係かんけいなく強力きょうりょくなダウンフォースを発生はっせいする。同時どうじに、4りんすべてをカウルとスパッツでおおって空気くうき抵抗ていこうらし、リアディフューザーとリアウィングの形状けいじょう改良かいりょうくわえたことにより、最高さいこう速度そくど500km/h、最大さいだいよこ加速かそくGは8.25Gと、初期しょき構想こうそうくらべて大幅おおはば性能せいのうアップをげた。

このマシンのテストドライブおよびシェイクダウンは、F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルが担当たんとうした。ベッテルはこのマシンの性能せいのうについて「ニュルブルクリンクはじめてまわったとき、F1カーより20~30びょうちかはやいタイムがいきなりた」「とてもトリッキーなくるまだが、一度いちど理解りかいしてしまえばすごたのしくはしれる」とコメントし、ニュルブルクリンクGPコースを1ふん4びょう853で周回しゅうかいするタイムを記録きろくした。[1]

バリエーション[編集へんしゅう]

レッドブル X2010 S.ベッテル[編集へんしゅう]

レッドブルのフォーミュラ1カーと同様どうようのペイントがほどこされたモデル。スペシャルイベント「セバスチャン・ベッテル Xチャレンジ」でのオールブロンズ獲得かくとく、もしくはBスペックモードでのレベル35到達とうたつ入手にゅうしゅできる。
トランスミッションのカスタマイズに制限せいげんがあり、バージョン1.05以前いぜんはギア調整ちょうせいができなかった。バージョン1.06以降いこうではファイナルギアのみ調整ちょうせい可能かのう
2011ねん10月9にちF1日本にっぽんGPにて、ベッテルが2ねん連続れんぞくF1チャンピオンに決定けっていしたのを記念きねんし、2011ねん10がつ9にちから同月どうげつ17にちまでグランツーリスモ5のオンラインサービスにログインしたユーザー全員ぜんいんにプレゼントされた[2]
『グランツーリスモ6』では最初さいしょからディーラーで販売はんばいされている。『グランツーリスモSPORT』には登場とうじょうしない。

レッドブル X2010[編集へんしゅう]

ぜん20しょく。スペシャルイベント「セバスチャン・ベッテル Xチャレンジ」でのオールシルバー獲得かくとく入手にゅうしゅできる(いろはランダム)。ディーラーでも購入こうにゅうできるが、購入こうにゅう可能かのうレベルは上限じょうげんの40、価格かかく保有ほゆう可能かのうなクレジットの上限じょうげんであるCr.20おく欧米おうべいばんでは2000まん)に設定せっていされている。
『グランツーリスモ6』では最初さいしょからディーラーで販売はんばいされており、価格かかくもCr.6おく値下ねさげされた。またゼッケンが削除さくじょされ、このくるまのみ2011ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけんでタイヤサプライヤーがピレリに変更へんこうされた関係かんけいか、ステッカーがブリヂストンからピレリにえられている(ベッテルばんとプロトタイプはブリヂストンのまま)。『グランツーリスモSPORT』には登場とうじょうしない。

レッドブル X2010 プロトタイプ[編集へんしゅう]

いろつやしのブラック。仕様しようおよ性能せいのうはX2010と同一どういつ。スペシャルイベント「セバスチャン・ベッテル Xチャレンジ」でのオールゴールド獲得かくとく入手にゅうしゅできる。
『グランツーリスモ6』では最初さいしょからディーラーで販売はんばいされている。『グランツーリスモSPORT』には登場とうじょうしない。

レッドブル X2011 プロトタイプ[編集へんしゅう]

2011ねん10がつ18にち発売はつばい有料ゆうりょうDLC「レーシングカー・パック」に収録しゅうろくされた、X2010の進化しんかばん位置いちづけられるマシン[3]
スペックはX2010からほぼ変更へんこうされていないが、ファンの改良かいりょうによって最高さいこう出力しゅつりょくは1650ps(1657馬力ばりき)とわずかに向上こうじょうした。くわえて車体しゃたい各部かくぶのエアロパーツの形状けいじょう最適さいてきすることで空気くうき抵抗ていこうらし、最高さいこうそく向上こうじょうはかっている。この結果けっか最高さいこう速度そくどは515km/hほどへげられた。
いろはブラック。ホイールカバーにえがかれたロゴはF1のタイヤサプライヤーにわせて、X2010のブリヂストンからピレリ変更へんこうされた。
『グランツーリスモ6』では最初さいしょからディーラーで販売はんばいされており、価格かかくもCr.6おく値下ねさげされた。『グランツーリスモSPORT』には登場とうじょうしない。

レッドブル X2010 5G[編集へんしゅう]

2012ねん10がつから12がつにかけておこなわれた、5ジャンルのTVゲームの日本一にっぽんいちプレイヤーを決定けっていする大会たいかい「RedBull 5G」において使用しようされたモデル。
X2010をベースに、エンジンのデチューンやエアロパーツの面積めんせき拡大かくだい、サスペンション形式けいしき変更へんこう(ベースしゃのフルアクティブからパッシブに変更へんこう)といったモディファイがほどこされている。また、ファンシステムも動作どうさ停止ていしとされている。
のちに予選よせん参加さんかしゃ限定げんていで、オンラインイベントの賞品しょうひんとして入手にゅうしゅできた。このくるまのみ唯一ゆいいつカラー変更へんこうができる。
『グランツーリスモ6』以降いこうには登場とうじょうしない。

レッドブル X2014 ジュニア[編集へんしゅう]

Xシリーズのみならず、フォーミュラカーそのものの運転うんてんしたしむためのモデルとして開発かいはつされた入門にゅうもんしゃけマシン。
200 PSを発生はっせいする2.0 L 直列ちょくれつ4気筒きとう自然しぜん吸気きゅうきエンジンを搭載とうさいし、最高さいこう速度そくどおさえることで操縦そうじゅうせい重視じゅうししている。外観がいかんはX2011から吸気きゅうきファンとキャノピーをはらったようなカウルをち、フロントのライトまわりやリアウィング周辺しゅうへん形状けいじょう、スパッツにおおわれた4りん本家ほんけXシリーズを踏襲とうしゅうしている。
『グランツーリスモSPORT』では2018ねん3がつのアップデートで収録しゅうろくされた。

レッドブル X2014 スタンダード[編集へんしゅう]

ファンをたない究極きゅうきょくのベンチュリーカーとして開発かいはつされたマシン。
800 PSを発生はっせいする2.0 L Vがた6気筒きとうターボエンジンを搭載とうさいする。吸気きゅうきファンは存在そんざいしないが、ダウンフォースをたかめるために巨大きょだい整流せいりゅうばんいたるところに装着そうちゃくされている。
『グランツーリスモSPORT』では2018ねん3がつのアップデートで収録しゅうろくされた。くるまじゅうが90kgおもくなり、2018ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけんのレギュレーションにちかい650kgとなっている。また、『FIA-GT選手権せんしゅけん 2018 ワールドファイナル』の決勝けっしょうレースでもこのくるま使用しようされた。

レッドブル X2014 ファンカー[編集へんしゅう]

Xシリーズファンカーの2014ねんモデル。
1200 PSを発生はっせいする3.0 L Vがた6気筒きとうターボエンジンを搭載とうさい。X2011と比較ひかくして最高さいこう出力しゅつりょくおさえられているが、ボディの部品ぶひん点数てんすうらすことで空気くうき抵抗ていこう低減ていげん[4]、コーナリング性能せいのう向上こうじょうはかっている。
なお、X2011まではホイールカバーにF1のタイヤサプライヤーであるブリヂストンもしくはピレリのロゴがえがかれていたが、X2014は全車ぜんしゃにおいてホイールカバーにはなにえがかれていない[5]
X2014シリーズでは唯一ゆいいつ、『グランツーリスモSPORT』に登場とうじょうしない。

レッドブル X2019 Competition[編集へんしゅう]

2019ねん6がつの『グランツーリスモSPORT』のアップデートで収録しゅうろくされた[6]、Xシリーズの2019ねんがたモデル。X2014 スタンダードをベースに『FIA-GT選手権せんしゅけん ネイションズカップ』けのモディファイをほどこしたマシンであり、Xシリーズはつ競技きょうぎようモデルとして開発かいはつされた。
エンジンは3.0 L Vがた12気筒きとう自然しぜん吸気きゅうきエンジンにかわそうされ、エアロパーツ各部かくぶ形状けいじょう変更へんこうによりダウンフォースがおさえられたほか、トランスミッションも一般いっぱんてきなシーケンシャルへ変更へんこうされた。これらの改良かいりょうによってベース車両しゃりょうのトリッキーさをおさえ、マイルドであつかいやすい車両しゃりょう特性とくせいとなっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ レッドブル X2010 プロトタイプの全貌ぜんぼう公開こうかい[リンクれ] - グランツーリスモ・ドットコム - ニュース (2010ねん10がつ28にち) 2011ねん10がつ12にち閲覧えつらん.
  2. ^ ベッテルのワールドチャンピオン記念きねんイベントおよびプレゼント企画きかくのおらせ - グランツーリスモ・ドットコム - ニュース (2011ねん10がつ9にち) 2011ねん10がつ12にち閲覧えつらん.
  3. ^ レーシングカー・パック - グランツーリスモ・ドットコム - 製品せいひん情報じょうほう - グランツーリスモ5 - ダウンロードコンテンツ (2011ねん10がつ11にち) 2011ねん10がつ12にち閲覧えつらん.
  4. ^ 「レッドブルXチャレンジ」を完全かんぜん公開こうかい - NEWS - グランツーリスモ・ドットコム
  5. ^ 挙動きょどうモデルの共同きょうどう開発かいはつおこなった横浜よこはまゴムとの関係かんけいによるものとおもわれる
  6. ^ 2019ねん3がつの「ワールドツアー2019 パリ」で先行せんこう披露ひろうされたが、このときくるまめいが「レッドブル X2014 Competition」となっており、トランスミッションもX2014 スタンダードと同一どういつのシームレスシフトが搭載とうさいされていた。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]