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ロシアの自治じち管区かんく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
2008ねん3がつ現在げんざいのロシアの自治じち管区かんく
1. チュクチ自治じち管区かんく
2. ハンティ・マンシ自治じち管区かんく
3. ネネツ自治じち管区かんく
4. ヤマロ・ネネツ自治じち管区かんく

自治じち管区かんく(じちかんく、ロシア: aвтономный округ, 英語えいご: autonomous okrug)は、ロシア連邦れんぽう連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたい一種いっしゅ。また、しゅう地方ちほうなど一部いちぶ連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたいには、そのした地区ちくひとつに自治じち管区かんくがある場合ばあいもある。かく管区かんくでは、管区かんくめいとなっている少数しょうすう民族みんぞくによる自治じちおこなわれている。

一覧いちらん[編集へんしゅう]

2014ねん現在げんざい、ロシアには85の連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたいかれているが、そのうちの4つは自治じち管区かんくとなっている。

ロシアの「округ」(okrug, オークルグ)は地区ちく管区かんくなどとやくされ、ソ連それん時代じだい初期しょきに「しゅう」(oblast, オーブラスチ)や「地方ちほう」(krai, クライ)などのしたにあった地域ちいき区分くぶんである。ロシア連邦れんぽう大統領だいとうりょう全国ぜんこくを7つの地区ちくけて監督かんとくする「連邦れんぽう管区かんく」も「Федеральный округ」とオークルグのがつく。スラブ諸国しょこくでは、オクルグはぐん地域ちいきなどの地方自治体ちほうじちたいひろもちいられている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

少数しょうすう民族みんぞく管区かんくあるいは地区ちく自治じちするという形式けいしき地方ちほう組織そしきは、ソビエト連邦れんぽう初期しょき1920年代ねんだいに「民族みんぞく管区かんく」(national okrug)の誕生たんじょうし、1930年代ねんだいには各地かくち民族みんぞく管区かんくもうけられた。

きゅうソビエト連邦れんぽうおよびロシア・ソビエト連邦れんぽう社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこく(ロシアSFSR)では、ナーツィヤ(民族みんぞく)、ナロードノスチ(民族みんぞく)、プレーミャ(種族しゅぞく)という民族みんぞく集団しゅうだん規模きぼ自立じりつ階層かいそうおうじてさん段階だんかい民族みんぞく自治体じちたいがあり、段階だんかいがるにつれて自治じちけんちいさくなっていた[1]国民こくみん国家こっか形成けいせいできる規模きぼとまとまりの民族みんぞく(ナーツィヤ)による共和きょうわこく(ソビエト連邦れんぽう構成こうせい共和きょうわこく、SSR)や自治じち共和きょうわこく自治じちソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこく、ASSR)、国家こっかつにはいたらないまとまった民族みんぞく(ナロードノスチ)による自治じちしゅう(AO)、そして先住せんじゅうちいさな民族みんぞく(プレーミャ)による民族みんぞく管区かんくである。民族みんぞく管区かんくは、人口じんこうすくなく国語こくご形成けいせいするほどの自立じりつにはいたらない規模きぼの、北方ほっぽう少数しょうすう民族みんぞくなどの地域ちいきかれた。

また、かつてソビエト連邦れんぽう時代じだいは、「民族みんぞくロシアばん」とばれる連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたい存在そんざいし、ショルじん[2]ナナイじん[3]トファじん[4]ウリチじん[5]シャプスグじん[6]ヴェプスじんイジョラじんアバザじんひとしの「民族みんぞく」が存在そんざいしていたが、ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいから現在げんざいいたるまでに民族みんぞく消滅しょうめつしていった。

1977ねんのソビエト連邦れんぽう憲法けんぽう改正かいせいでは、自治じち強調きょうちょうするために「民族みんぞく管区かんく」から「自治じち管区かんく」(autonomous okrug)へと名称めいしょう変更へんこうしている。この憲法けんぽうでは、自治じち管区かんくは「しゅう」や「地方ちほう」といったレベルの地方ちほう組織そしき下部かぶにあるとされた。しかし、1990ねん12月15にち改定かいていソ連それん憲法けんぽうでは、自治じち管区かんくはソビエト連邦れんぽう構成こうせい共和きょうわこくロシア・ソビエト連邦れんぽう社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこくなど)の直下ちょっかにありしゅう地方ちほう同格どうかくとされた。ただし自治じち管区かんくは、かつてぞくしていたしゅう地方ちほう管轄かんかつにとどまった。

1990ねん段階だんかいで、ロシア・ソビエト連邦れんぽう社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこくうちには10の自治じち管区かんくがあった。2000年代ねんだいはいってからの地方ちほう改革かいかく自治じち管区かんく周囲しゅういしゅう地方ちほうへの統合とうごうすすみ、独立どくりつした連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたいとしての地位ちいうしなほか地方ちほうなど連邦れんぽう構成こうせい主体しゅたいいち地区ちくとなるものがえた。のこった自治じち管区かんくにも、周囲しゅういしゅうとの統合とうごう計画けいかくがある。以下いかげるものは1990ねん時点じてんでの自治じち管区かんくとそのぞくするしゅう地方ちほう、カッコない2008ねん現在げんざい状態じょうたいである。

人口じんこう動静どうせい[編集へんしゅう]

自治じち管区かんくはた
自治じち管区かんく紋章もんしょう
自治じち管区かんく
現存げんそんする自治じち管区かんく太字ふとじ表示ひょうじ
地域ちいき区分くぶん 基幹きかん民族みんぞく 人口じんこう
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基幹きかん民族みんぞく
(2002ねん
基幹きかん民族みんぞく言語げんご系統けいとう 基幹きかん民族みんぞくおも宗教しゅうきょう 人口じんこう
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民族みんぞく
シアじん
(2002ねん
そう人口じんこう(2002ねん
アガ・ブリヤート自治管区の旗 アガ・ブリヤート自治じち管区かんく
(Аги́нский-Буря́тский, Агын Буряадай, Aga Buryatia)
アジア ブリヤートじん 62.5 % モンゴル諸語しょご チベット仏教ぶっきょうシャーマニズム 35.1 % 72,213
チュクチ自治管区の旗 チュクチ自治じち管区かんく
(Чуко́тский, Чукоткакэн, Chukotka)
アジア チュクチじん 23.4 % シベリア諸語しょご シャーマニズム正教会せいきょうかい 51.9 % 53,824
エヴェンキ自治管区の旗 エヴェンキ自治じち管区かんく
(Эвенки́йский, Эведы, Evenkia)
アジア エヴェンキじん 21.5 % ツングース諸語しょご シャーマニズム正教会せいきょうかいチベット仏教ぶっきょう 61.9 % 17,697
ハンティ・マンシ自治管区の旗 ハンティ・マンシ自治じち管区かんく
ユグラ
(Ха́нты-Манси́йский, Khanty–Mansi)
(Югра́, Yugra)
アジア ハンティじんマンシじん 1.9 %[7] フィン・ウゴル 正教会せいきょうかいシャーマニズム 66.1 % 1,432,817
コリャーク自治管区の旗 コリャーク自治じち管区かんく
(Коря́кский, Чав’чываокруг, Koryakia)
アジア コリャークじん 26.7 % シベリア諸語しょご 正教会せいきょうかいシャーマニズム 50.5 % 25,157
ネネツ自治管区の旗 ネネツ自治じち管区かんく
(Не́нецкий, Ненёцие, Nenetsia)
ヨーロッパ ネネツじん 18.7 % サモエード諸語しょご 正教会せいきょうかいシャーマニズム 62.4 % 41,546
コミ・ペルミャク自治管区の旗 コミ・ペルミャク自治じち管区かんく
(Ко́ми-Пермя́цкий, Перым-Коми, Permyakia)
ヨーロッパ コミじん 59.0 % フィン・ウゴル 正教会せいきょうかいシャーマニズム 38.2 % 136,076
タイミル自治管区の旗 タイミル自治じち管区かんく
ドルガン・ネネツ自治じち管区かんく
(Таймы́рский, Taymyria)
(Долга́но-Не́нецкий, Dolgan-Nenets)
アジア ドルガンじんネネツじん 21.5 %[8] テュルク諸語しょご,サモエード諸語しょご 正教会せいきょうかいシャーマニズム 58.6 % 39,786
ウスチオルダ・ブリヤート自治管区の旗 ウスチオルダ・ブリヤート自治じち管区かんく
(Усть-Орды́нский Буря́тский, Усть-Ордын Буряадай, Ust-Orda Buryatia)
アジア ブリヤートじん 39.6 % モンゴル諸語しょご チベット仏教ぶっきょうシャーマニズム 54,4 % 135,327
ヤマロ・ネネツ自治管区の旗 ヤマロ・ネネツ自治じち管区かんく
(Яма́ло-Нене́цкий, Ямалы-Ненёцие, Yamalia)
アジア ネネツじん 5.2 % サモエード諸語しょご 正教会せいきょうかいシャーマニズム 58.8 % 507,006

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]