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さんきり

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さんきり
ゴビコノドン
地質ちしつ時代じだい
さんじょう - はく亜紀あき
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: さんきり Triconodonta
和名わみょう
さんきり[1]
トリコノドン[2]
  • アンフィレステス Amphilestidae
  • ユートリコノドン Eutriconodontidae
  • ジェホロデンス Jeholodentidae
  • ゴビコノドン Gobiconodontidae
  • Klameliidae
  • レペノマムス Repenomamidae
  • トリコノドン Triconodontidae

さんきり(さんすいしもく、Triconodonta)は、中生代ちゅうせいだいさかえた哺乳類ほにゅうるい絶滅ぜつめつ分類ぶんるいぐんさんじょう後期こうきからはく亜紀あきにかけて生息せいそく学名がくめいは、その臼歯きゅうし形状けいじょうから、「みっつのおかきり)のある」より。おもに(昆虫こんちゅうしょくふくむ)肉食にくしょくのグループで、当時とうじとしては比較的ひかくてき大型おおがたのものも存在そんざいした。別名べつめいトリコノドン[2]さんおかるいさん突起とっきるいやくされることもあった[3]近年きんねんではべつ系統けいとうモルガヌコドンるいのぞいたグループをエウトリコノドン[4](Euriconodonta)またはさんきりるい[5]とすることもある[6]

概要がいよう

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さんきりるいは、中生代ちゅうせいだいにおける代表だいひょうてき哺乳類ほにゅうるいのグループのひとつである。大半たいはん夜行やこうせいしょくむしせい小型こがた動物どうぶつおもであったとおもわれるが、例外れいがいてきに、当時とうじ哺乳類ほにゅうるいとしては比較的ひかくてき大型おおがた捕食ほしょくしゃ輩出はいしゅつしている。ゴビコノドンるいなかには1mをえるものもあり、また、幼体ようたいとはいえ恐竜きょうりゅう捕食ほしょくしていた。満州まんしゅう発見はっけんされたレペノマムス化石かせき腹部ふくぶには、消化しょうか途中とちゅうプシッタコサウルス幼体ようたいがおさめられていた。夜行やこうせい動物どうぶつでは1mちかくというおおきさにたっするのはむずかしいとされており、かれらは昼間ひるま行動こうどうしていたのではないかといわれる[7]

こうして恐竜きょうりゅう支配しはいにおいてある程度ていど成功せいこうおさめたさんきりであったが、はく亜紀あきまつまでに絶滅ぜつめつしてしまっている。しかしすではく亜紀あき前期ぜんきにはエオマイアなどの獣類じゅうるいあらわれ、かれらのニッチをめていった。

形態けいたい

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臼歯きゅうしには大小だいしょうみっつの咬頭直線ちょくせんじょうならんでいる。このうち中央ちゅうおうのものがおおきく前後ぜんごのものがちいさくなっており、漢字かんじやまようかたちである。上顎じょうがく臼歯きゅうししもあご臼歯きゅうし外側そとがわおさまり、ハサミのよう作用さようする。[8]これは初期しょき哺乳ほにゅうがたるいであるモルガヌコドンなどにもられる形態けいたいである。オズボーンによれば、この咬頭のうち前後ぜんごちいさなものが、上顎じょうがくのものは外側そとがわしもあごのものはうちしたがわ移動いどうし、三角形さんかっけいしたものが相称そうしょうるいたいきりるい)。この段階だんかいではまだ咬頭はたがいにあいず、すれちがこと食物しょくもつを剪断している。[9]そこからひろし獣類じゅうるい段階だんかいにおいて、しもあご臼歯きゅうし後部こうぶ遠心えんしん)にしが形成けいせいはじめる。そして、獣類じゅうるいにおいてあらたにみっつの咬頭が形成けいせいされトリボスフェニック(tribosphenic) がた臼歯きゅうし進化しんかしたとされる。これは、「コープ・オズボーンのさん結節けっせつせつ」と[10]。ただし、このせつには発生はっせいがく生物せいぶつがくからあい同性どうせいなどのてん反論はんろんがある[11][12]

かたたい相称そうしょうるい初期しょき獣類じゅうるいおもわせる進歩しんぽてき形態けいたいせるが、腰帯こしおびいま初期しょき哺乳ほにゅうがたるいちか形態けいたいめているものも存在そんざいする。そのため、このグループのたん系統けいとうせいについてはいまだに論議ろんぎがされている。[6]

分類ぶんるい

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初期しょき分類ぶんるいにおいては、形状けいじょうなどからさんきりエオゾストロドンなどをふくみ、哺乳類ほにゅうるい最初さいしょから存在そんざいするだいグループとされてきた。しかし、研究けんきゅうすすむにつれこの系統けいとうであると指摘してきされ[13]初期しょきのグループがはずされて(狭義きょうぎ哺乳類ほにゅうるいなか分類ぶんるいしなおされた[6]

おもぞく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 日本にっぽん哺乳類ほにゅうるい学会がっかい しゅめい標本ひょうほん検討けんとう委員いいんかい 目名めな問題もんだい検討けんとう作業さぎょう部会ぶかい哺乳類ほにゅうるい高次こうじ分類ぶんるいぐんおよび分類ぶんるい階級かいきゅう日本語にほんご名称めいしょう提案ていあんについて」『哺乳類ほにゅうるい科学かがくだい43かん 2ごう日本にっぽん哺乳類ほにゅうるい学会がっかい、2003ねん、127-134ぺーじ
  2. ^ a b 遠藤えんどう秀紀ひでき佐々木ささき基樹もとき哺乳類ほにゅうるい分類ぶんるいにおける高次こうじぐん和名わみょうについて」『日本にっぽん野生やせい動物どうぶつ学会がっかいだい6かん 2ごう日本にっぽん野生やせい動物どうぶつ学会がっかい、2001ねん、45-53ぺーじ
  3. ^ すみほんせい哺乳類ほにゅうるい日本語にほんご分類ぶんるいぐんめいとく目名めな取扱とりあつかいについて 文部省もんぶしょうの“目安めやす”にどう対応たいおうするか」『哺乳類ほにゅうるい科学かがくだい40かん 1ごう日本にっぽん哺乳類ほにゅうるい学会がっかい、2000ねん、83-99ぺーじ
  4. ^ 本川ほんがわ雅治まさはる哺乳類ほにゅうるい」、日本にっぽん進化しんか学会がっかい へん進化しんかがく辞典じてん共立きょうりつ出版しゅっぱん、2012ねん、408-411ぺーじ
  5. ^ 西岡にしおかたすく一郎いちろう楠橋くすばしただし高井たかい正成まさしげ哺乳類ほにゅうるい化石かせき記録きろくはく亜紀あき/だい三紀みき境界きょうかい前後ぜんこうにおける初期しょき進化しんか」『哺乳類ほにゅうるい科学かがくだい60かん 2ごう日本にっぽん哺乳類ほにゅうるい学会がっかい、2020ねん、251-267ぺーじ
  6. ^ a b c 哺乳類ほにゅうるい進化しんか』 39ぺーじ
  7. ^ 恐竜きょうりゅうvsほ乳類にゅうるい 1おく5せんまんねんたたかい』 170 - 175ぺーじ
  8. ^ ゆうぶくろるいみち』 121ぺーじ
  9. ^ ゆうぶくろるいみち』 122ぺーじ
  10. ^ ゆうぶくろるいみち』 124ぺーじ
  11. ^ ゆうぶくろるいみち』 127 - 130ぺーじ
  12. ^ 哺乳類ほにゅうるい進化しんか』 53ぺーじ
  13. ^ Rowe, 1988

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 遠藤えんどう秀紀ひでき哺乳類ほにゅうるい進化しんか東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2002ねん、39,53ぺーじISBN 978-4-13-060182-5 
  • 冨田とみた幸光ゆきみつ絶滅ぜつめつ哺乳類ほにゅうるい図鑑ずかん伊藤いとうへいゆう岡本おかもと泰子やすこ丸善まるぜん、2002ねん、28ぺーじISBN 4-621-04943-7 
  • 瀬戸口せとぐちれつゆうぶくろるいみち : アジア起源きげんかぶてんせん新樹あらきしゃ、2006ねん、121 - 130ぺーじISBN 4-7875-8549-5 
  • NHK「恐竜きょうりゅう」プロジェクト(高間たかま大介だいすけ植田うえだ和貴かずたかへん恐竜きょうりゅうvsほ乳類にゅうるい 1おく5せんまんねんたたかい』小林こばやしかいつぎ 監修かんしゅうダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2006ねん、170-175ぺーじISBN 4-478-86054-8 

外部がいぶリンク

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