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じゅうあし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
じゅうあし
生息せいそく年代ねんだい: 40.00–23.00 Ma
アルシノイテリウム想像そうぞう
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか
絶滅ぜつめつ化石かせき
地質ちしつ時代じだい
やく4,000まん- やく2,300まんねんまえ
新生代しんせいだいふるだい三紀みきはじめしん後期こうき前半ぜんはんバートニアン]- ややしん末期まっきチャッティアン])
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
つな : ししつな Theria
下綱しもつな : しんじゅう下綱しもつな Eutheria
上目うわめ : アフリカじゅう上目うわめ Afrotheria
階級かいきゅうなし : 整理せいり[1]きん蹄類 Paenungulata
: じゅうあし Embrithopoda
学名がくめい
ordo Embrithopoda
Andrews, 1906
和名わみょう
じゅうあし
英名えいめい
order Embrithopoda
下位かい分類ぶんるいぐん
画像がぞう-1

じゅうあし(じゅうきゃく もく、学名がくめいordo Embrithopoda)は、かつてアフロ・ユーラシア大陸たいりく[2]生息せいそくしていた植物しょくぶつしょくせいゆう哺乳類ほにゅうるいいち分類ぶんるいぐん(1)。

概要がいよう[編集へんしゅう]

現世げんせいしゅえばサイのような形態けいたいをしたなかまである。やく4,000まんねんまえ新生代しんせいだいはじめしん後期こうき前半ぜんはんバートニアン])のアフリカ大陸たいりくあらわれ、やがてユーラシア大陸たいりくにも分布ぶんぷひろげた。 かれらは2,000まんねん以上いじょうあいだにわたり繁栄はんえいしたが、やく2,300まんねんまえややしん末期まっきチャッティアン])をさかい地上ちじょうから姿すがたした。

しんじゅう下綱しもつなのうちの、中生代ちゅうせいだいはく亜紀あきのアフリカ大陸たいりく系統けいとう発生はっせいしたアフリカじゅう上目うわめぞくし、さらにそのなかの、きん蹄類として総括そうかつされるゆう哺乳類ほにゅうるいひとつである。 アルシノイテリウムとフィナコロフスの 2構成こうせいされる。

比較的ひかくてきよくられているたねとして、アルシノイテリウムぞくげることができる。 ひるがえしてえば、それ以外いがい一般いっぱんてきられているたねい。

発見はっけん[編集へんしゅう]

じゅうあし化石かせきは、1970年代ねんだいまではエジプトファイユーム地方ちほう以外いがいから発見はっけんされることがかった。 そのため、アフリカ大陸たいりく固有こゆう絶滅ぜつめつ哺乳類ほにゅうるいかんがえられてきた。

しかし、1980年代ねんだいはいると、モンゴルトルコルーマニアからも発見はっけんされ、ユーラシア大陸たいりくにもひろ分布ぶんぷしていたことがあきらかとなった。 そのも、きたアフリカリビアおなじくサブサハラ・アフリカエチオピアアンゴラアラビア半島はんとうオマーン、および、中国ちゅうごく発見はっけんリストにくわえられている。

生物せいぶつてき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

形質けいしつ[編集へんしゅう]

じゅうあしは、ほねふと頑丈がんじょうおおきな体躯たいくと、みじかくはあるがはしらのようにがっしりとした四肢ししつ、重量じゅうりょうかんのある動物どうぶつであった。

このグループにぞくするすべてのたねがそうであったわけではないが、代表だいひょうしゅであるアルシノイテリウムぞくなどは、頭部とうぶ、その上方かみがた巨大きょだいかくそなえていて、非常ひじょう印象いんしょうてきである。 外観がいかん現生げんなまサイにかなりていたにちがいない。 ただし、両者りょうしゃあいだ進化しんか系統けいとうじょう類縁るいえんせい[3]すべては収斂しゅうれん進化しんかによる結果けっかてき相似そうじである。 角質かくしつケラチン)でできているサイのそれとはことなり、かれらのかく骨質こっしつであった。 すなわち、体毛たいもう角質かくしつ伸張しんちょう変化へんかして形成けいせいされたサイのかくとはまった異質いしつな、頭蓋骨ずがいこつ自体じたい伸張しんちょうによる形成けいせいが、じゅうあしかく特筆とくひつすべき形質けいしつひとつである。

アルシノイテリウムの頭部とうぶにある、並列へいれつした2ほん巨大きょだいかく[4]なな前方ぜんぽうけてそうとうな威圧いあつかんをもってしている。 ただし、かく内部ないぶ空洞くうどうとなっており、おおきさのわりには軽量けいりょう構造こうぞうたいである。換言かんげんすれば、そのような構造こうぞうがあったからこそ、ここまでの巨大きょだい可能かのうであった。 また、表面ひょうめん確認かくにんされるみぞ血管けっかん痕跡こんせきかんがえられ、このことから、かく皮膚ひふ組織そしきおおわれていた可能かのうせいたかい。

画像がぞう-1(みぎ参照さんしょう:アルシノイテリウム・ジッテリ(Arsinoitherium zitteli )の頭骨とうこつ化石かせき標本ひょうほん(フランスはパリ国立こくりつ自然しぜん博物館はくぶつかん 所蔵しょぞう)。

からだ皮膚ひふ現生げんなまゾウのそれにて、分厚ぶあつく、そしてほぼであったと推定すいていされる。

はいくぶん原始げんしてきであり、また、その形状けいじょうから植物しょくぶつしょくせいであったことがかる。 かれらの生息せいそくとして推定すいていされるのは、平坦へいたん地形ちけいみず豊富ほうふにあり比較的ひかくてきけた森林地帯しんりんちたい、すなわち、熱帯ねったいおよび亜熱帯あねったい地域ちいきマングローブ温帯おんたい地域ちいきその沼沢しょうたくである。

系統けいとう分類ぶんるい[編集へんしゅう]

じゅうあしは、アフリカじゅう上目うわめ下位かい区分くぶんひとつであるところのきん蹄類ぞくしている。 このグループはいわたぬき(イワダヌキ)の祖先そせん基底きていとして発生はっせいしたたん系統けいとうぐんであり、いわたぬきじゅうあし、そして、テティス獣類じゅうるい(テティテリア、de:Tethytheria)のたばねられるちょうはな(ゾウ)・海牛うみうし(ジュゴン)・たばばしら(デスモスティルス)をわせた 5構成こうせいされている。

じゅうあしは、いわたぬきから最初さいしょ分化ぶんかしたとするのがもっと有力ゆうりょくせつである。 テティス獣類じゅうるいは、じゅうあしがた発見はっけん理論りろんてき動物どうぶつしゅ)を仲立なかだちに、いわたぬきがたとつながっている可能かのうせいたかい。 しかし、じゅうあしこそがこのグループのもっとちか系統けいとうであるとするせつ、あるいは、いわたぬきはじまる系統けいとうとはけてかんがえるべきとのせつ無視むしすべきではない。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 分類ぶんるいがくうえ整理せいり階級かいきゅう
  2. ^ 正確せいかくには、島嶼とうしょ(とうしょ ぶ)をのぞいた大陸たいりく本体ほんたい地政学ちせいがくでいうところの世界せかいとう
  3. ^ サイは、はく亜紀あきローラシア大陸たいりく起源きげんローラシアじゅう上目うわめぞくし、蹄目(ウマ)- さい(サイ)- サイ分類ぶんるいされる動物どうぶつである。
  4. ^ 正確せいかくえば、眼窩がんか真上まうえにもいちついぶりのかくがある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • T. S. Kemp: The Origin & Evolution of Mammals. Oxford University Press, Oxford 2005. ISBN 0198507615

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]