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しんほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

しんほう(ごしんほう、えい:quinary)とは、5そこ(てい)とし、そこおよびそのべき基準きじゅんにしてかずあらわ方法ほうほうである。

記数きすうほう[編集へんしゅう]

しん記数きすうほうとは、5 をそことする位取くらいど記数きすうほうである。慣用かんようしたがい、通常つうじょうアラビア数字すうじじゅう進数しんすうとし、しん記数きすうほう表記ひょうき括弧かっこおよび下付かふの 5 であらわす。しん記数きすうほうあらわされたかず進数しんすうぶ。

表記ひょうきには 0, 1, 2, 3, 4 の 5 数字すうじもちい、を 10、ろくを 11、ななを 12…と表記ひょうきする。しんほうではいちけたはいかず4までであり、いちけたはいかずが5までなのはろくしんほうである。みぎはしあるいは小数点しょうすうてんで 1 のけたあらわす。数字すうじ意味いみするかずは、ひだりに 1 けたずれると 5 ばいになり、みぎに 1 けたずれると 1/5 になる。(14)5 という表記ひょうきにおいて、ひだりの「1」はあらわし、みぎの「4」はよんあらわし、わせてきゅうあらわす。

しん表記ひょうき整数せいすうは、以下いかのような数値すうちになる。

  • (20)5 = 10 (2×51)
  • (32)5 = 17 (3×51 + 2)
  • (100)5 = 25 (1×52)
  • (121)5 = 36 (1×52 + 2×51 + 1)
  • (224)5 = 64 (2×52 + 2×51 + 4)
  • (311)5 = 81 (3×52 + 1×51 + 1)
  • (400)5 = 100 (4×52)
  • (1000)5 = 125 (1×53)
  • (1331)5 = 216 (1×53 + 3×52 + 3×51 + 1)
  • (10000)5 = 625 (1×54)
  • (13000)5 = 1000 (1×54 + 3×53)
  • (20141)5 = 1296 (2×54 + 0×53 + 1×52 + 4×51 + 1)
  • (30234)5 = 1944 (3×54 + 0×53 + 2×52 + 3×51 + 4)

実際じっさいにはしん記数きすうほうもちいられることはすくない。しかし、のNすすむほう内部ないぶしん記数きすうほうふくまれることはある。たとえば、そろばんローマ数字すうじ純粋じゅんすい十進法じっしんほうではなく、じゅうけたじょうがりするので、しんほうという。ローマ数字すうじでは I が 1、V が 5、X が 10(10)、L が 50(10) である。8 は VIII とき、70(10) は LXX とく。

同様どうように、マヤ文明ぶんめい数字すうじ十進法じっしんほうであるが、しん記数きすうほう補助ほじょてきふくんでいる。貝殻かいがら模様もようが0、てんが 1、よこぼうが 5 をあらわし、これらをわせて 1 から J(20) (= 19(10)) までの数字すうじや、10(20) (= 20(10))以降いこう数字すうじつくる。

かくけたが4の倍数ばいすうとなるかずは4の倍数ばいすうになる。

5が奇数きすうなので、かくけた偶数ぐうすうになるかずすべ偶数ぐうすうである。


小数しょうすう除算じょざん[編集へんしゅう]

しんほう因数いんすう5だけなので、5でしかれない。いちけた整数せいすう単位たんい分数ぶんすうにすると、すべ循環じゅんかん小数しょうすうになる。じゅう分割ぶんかつしん表記ひょうきで1/20)も因数いんすう2と5なのでれず、循環じゅんかん小数しょうすうになる。

単位たんい分数ぶんすう小数しょうすう換算かんさん
除数じょすう素因数そいんすう分解ぶんかい しん分数ぶんすう しん小数しょうすう じゅうしん小数しょうすう じゅうしん分数ぶんすう
2 1/2 0.2222… 0.5 1/2
3 1/3 0.1313… 0.3333… 1/3
22 1/4 0.1111… 0.25 1/4
10 1/10 0.1 0.2 1/5
2×3 1/11 0.0404… 0.1666… 1/6
2×10 1/20 0.0222… 0.1 1/10

単位たんい分数ぶんすう素因数そいんすう分解ぶんかいしん表記ひょうき

計算けいさんひょう[編集へんしゅう]

加算かさんひょう
+ 0 1 2 3 4
0 0 1 2 3 4
1 1 2 3 4 10
2 2 3 4 10 11
3 3 4 10 11 12
4 4 10 11 12 13
乗算じょうざんひょう
× 0 1 2 3 4
0 0 0 0 0 0
1 0 1 2 3 4
2 0 2 4 11 13
3 0 3 11 14 22
4 0 4 13 22 31

命数めいすうほう[編集へんしゅう]

しん命数めいすうほうとは、5 をそことする命数めいすうほうである。

数詞すうし[編集へんしゅう]

しんほうへんゆびかず由来ゆらいする。しかし、しんほうけたじょうがりするので、しんほうかぞえるならゆびほんではなくよんほんりる(いちけたよんまでしかはいらない)。

以降いこう数詞すうしも、ろくは「いち」、ななは「」というようにろくからきゅうまでは「いちからよんまでをくわえた数詞すうし」として表現ひょうげんされ、じゅうは「」、じゅういちは「いち」、じゅうは「」…というように「Mばい + R」としてかぞえる。そして、じゅうさんは「よんさん」、じゅうよんは「よんよん」とて、そのつぎじょうであるじゅうあたらしい数詞すうし命名めいめいされ、以降いこうさんじょうであるひゃくじゅうなどべきすうあたらしい数詞すうし命名めいめいされる。

自然しぜん言語げんごしん命数めいすうほう数詞すうしつものはすくない。完全かんぜんしんほうオーストラリアのグマチ[1] (Gumatj) でのみ見出みいだされている[2]以下いかにグマチ数詞すうししめす。

進数しんすう じゅう進数しんすう 数詞すうし
1 1 wanggany
2 2 marrma
3 3 lurrkun
4 4 dambumiriw
10 5 wanggany rulu
20 10 marrma rulu
30 15 lurrkun rulu
40 20 dambumiriw rulu
100 25 dambumirri rulu
200 50 marrma dambumirri rulu
300 75 lurrkun dambumirri rulu
400 100 dambumiriw dambumirri rulu
1000 125 dambumirri dambumirri rulu
10000 625 dambumirri dambumirri dambumirri rulu

しんほうふく十進法じっしんほうウォロフクメールしんほうふく十進法じっしんほうナワトルられる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ Gordon, Raymond G., Jr., ed. (2005), “Gumatj”, Ethnologue: Languages of the World (15 ed.), http://www.ethnologue.com/show_language.asp?code=gnn 2008ねん3がつ12にち閲覧えつらん 
  2. ^ Harris, John (1982), Hargrave, Susanne, ed., “Facts and fallacies of aboriginal number systems”, Work Papers of SIL-AAB Series B 8: 153-181, オリジナルの2007ねん8がつ31にち時点じてんにおけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20070831202737/http://www1.aiatsis.gov.au/exhibitions/e_access/serial/m0029743_v_a.pdf 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]