ローマ数字すうじ

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ローマ数字すうじ(ローマすうじ)は、かずあらわ記号きごう一種いっしゅである。ラテン文字もじ一部いちぶもちい、たとえばアラビア数字すうじにおける 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 をそれぞれ I, II, III, IV, V, VI, VII, VIII, IX, X のように表記ひょうきする。I, V, X, L, C, D,M はそれぞれ 1, 5, 10, 50, 100, 500, 1000 をあらわす。i, v, x などと小文字こもじくこともある。現代げんだい一般いっぱんてき表記ひょうきほうでは、1以上いじょう4000まんかずあらわすことができる。

ローマ数字すうじのことをギリシャ数字すうじれいられるが、これはあやまりである。

表記ひょうきほう[編集へんしゅう]

古代こだいローマにおいて成立せいりつし、中世ちゅうせい後期こうきまでヨーロッパで一般いっぱんてきもちいられていた表記ひょうきほう。ただしこれを規定きていする公式こうしきな、あるいはひろられた標準ひょうじゅんとなる表記ひょうきほう存在そんざいしていない[ちゅう 1]。 16世紀せいきごろからはアラビア数字すうじでの表記ひょうき一般いっぱんてきになったが、特定とくてい場面ばめんにおいては現代げんだいでももちいられている。

十進法じっしんほうもとづいている。 かず10のべきごとに、つまり 1000のくらいりょう + 100のくらいりょう + 10のくらいりょう + 1のくらいりょう分解ぶんかいし、ひだりからこの順番じゅんばんくだす。このさい空位くういの0はかれることはない。ごとにことなる記号きごうもちいられるが、記号きごうわせのパターンは共通きょうつうである。

ローマ数字すうじ表記ひょうき方法ほうほう
ローマ数字すうじ I V X L C D M
アラビア数字すうじ 1 5 10 50 100 500 1000

それぞれのくらいりょうさら上記じょうき数字すうじ分解ぶんかいされ、おおきいじゅんならべてかれる。5未満みまんIかえしであらわされ、5以上いじょうVIをいくつかくわえるかたちあらわされる。(せんほう

また、ちいさいかずおおきいかずひだりくこともあり、この場合ばあいみぎからひだりげんずることを意味いみする。これを減算げんざんそくという。

ローマ数字すうじ表記ひょうき方法ほうほう減算げんざんそく
ローマ数字すうじ IV IX XL XC CD CM
アラビア数字すうじ 4 9 40 90 400 900

これらのかず減算げんざんそく使つかわず表現ひょうげんすることも可能かのうれい:4 を「IIII」、9を「VIIII」)だが、通常つうじょう減算げんざんそくもちいて表記ひょうきする。なお、減算げんざんそくもちいられるのは4 (40, 400) と9 (90, 900) をみじか表記ひょうきする場合ばあいだけであり、それ以外いがい使つかうことは通常つうじょうおこなわれない(例外れいがい#表記ひょうき参照さんしょうのこと)。つまり、8を「IIX」と表記ひょうきしたり、ごとの分離ぶんりやぶって45を「VL」、999を「IM」と表記ひょうきすることは基本きほんてきでないかたとされる。

以上いじょうまえると、1 から 9 とその 10 ばいと 100 ばい、および1000、2000、3000は以下いかのような表記ひょうきとなる。

表記ひょうきほうひょう
×1 ×10 ×100 ×1000
1 I X C M
2 II XX CC MM
3 III XXX CCC MMM
4 IV XL CD [ちゅう 2]
5 V L D
6 VI LX DC
7 VII LXX DCC
8 VIII LXXX DCCC
9 IX XC CM

これらをわせることで、1 から 3999 の表現ひょうげんできる。だがいいかえれば、(パターンをまもろうとすると)4000以上いじょう数値すうちあらわすことは不可能ふかのうである。また、0あらわ記号きごう存在そんざいしない。このため、 0 のはいけた数値すうち表記ひょうきせず、そのまま空位くういとする。

また、整数せいすう小数しょうすう一貫いっかんしておらず、整数せいすう十進法じっしんほうしんほう)である一方いっぽう小数しょうすうにはじゅう二進法にしんほう適用てきようされ、1/12や1/144小数しょうすうつくられている。

小数しょうすうは、3/12 (= 1/4)が「てん3つ」、6/12 (= 1/2)が「S」、9/12 (= 3/4)が「Sにてん3つ」として、ろく一旦いったんがる方法ほうほう表記ひょうきされている。

ローマ数字すうじならかたれい[編集へんしゅう]

12 = 10 × 1 + 1 × 2
  = X + II
  = XII

24 = 10 × 2 + (−1 + 5)
  = XX + IV
  = XXIV

42 = (−10 + 50) + 1 × 2
  = XL + II
  = XLII

49 = (−10 + 50) + (−1 + 10)
  = XL + IX
  = XLIX

89 = 50 + 10 × 3 + (−1 + 10)
  = L + XXX + IX
  = LXXXIX

299 = 100 × 2 + (−10 + 100) + (−1 + 10)
  = CC + XC + IX
  = CCXCIX

302 = 100 × 3 + (10 × 0) + 1 × 2
  = CCC + + II
  = CCCII

493 = (−100 + 500) + (−10 + 100) + 1 × 3
  = CD + XC + III
  = CDXCIII

1960 = 1000 × 1 + (−100 + 1000) + 50 + 10 + (1 × 0)
  = M + CM + L + X
  = MCMLX

3999 = 1000 × 3 + (−100 + 1000) + (−10 + 100) + (−1 + 10)
  = MMM + CM + XC + IX
  = MMMCMXCIX

なお、手書てがきでは、大文字おおもじのローマ数字すうじ上下じょうげセリフをつなげてくことがおおい。「V」は上部じょうぶのセリフをつなぎ、ぎゃく三角形さんかっけい(▽)のようになる。小文字こもじではセリフをかない。

時計とけい文字もじばんでの表記ひょうき[編集へんしゅう]

時計とけい文字もじばん伝統でんとうてきに4を「IIII」と表記ひょうきすることがおおい。その由来ゆらいには下記かきのように様々さまざませつとなえられているが定説ていせつはない。なお、9通常つうじょう表記ひょうきの「IX」の場合ばあいおおい。また、4通常つうじょう表記ひょうきの「IV」と表記ひょうきしている時計とけい存在そんざいしており、この表記ひょうき方法ほうほう絶対ぜったいてきものではない(同様どうように、9を「VIIII」と表記ひょうきしている時計とけい存在そんざいする)。

  • ローマ神話しんわ最高さいこうしんユピテル (IVPITER) の最初さいしょの2文字もじかさなるのをけるため。
  • 4を「IV」とくと「VI」と見分みわけにくいため。
  • IIII」ならば「I」という刻印こくいんを4かいせば文字もじばん文字もじつくれるが、「IV」だと専用せんようかた必要ひつようになる。
  • 専用せんよう文字もじ使つかうのは、ちょうどあいだが4時間じかんおきになる VX だけのほうがいい。
  • IIII」にすれば左側ひだりがわの「VIII」と文字数もじすうい、見栄みばえがよい。
  • 特定とくてい有力ゆうりょくなローマの時計とけい製造せいぞうしゃが「IIII」といた時計とけいつくったため、製造せいぞうしゃもそれにならった。
  • ルイ14せいが、文字もじばんに「IV」をもちいることをきんじた。
  • シャルル4せいが、「IV」をもちいることをきんじた。

表記ひょうき[編集へんしゅう]

古代こだいローマのセミスコイン。12あらわS文字もじ刻印こくいんされている。
  • 減算げんざん文字もじ複数ふくすうならべる。(れい)8 = IIX,80 = XXC
  • 500 に「D」を使つかわない。(れい)1611 = MCCCCCCXI
  • 減算げんざんおこなわない。(れい)1495 = MCCCCLXXXXV
  • 任意にんい自然しぜんすう nたいし、10nあらわ文字もじまえに、5m10n − 2 (m = 0, 1) 以下いかあらわ文字もじ使つかう。(れい)490 = -10 + 500 = XD
  • 簡略かんりゃく表記ひょうきMicrosoft Excel の ROMAN 関数かんすうで「書式しょしき4」を使用しよう。(れい)999 = IM

ローマ数字すうじはもともと厳密げんみつ規則きそく定義ていぎされたものではなく、とく減算げんざんそくかんしては様々さまざま表記ひょうきられる。当初とうしょ減算げんざんそく存在そんざいしなかったため、4 を「IIII」、9 を「VIIII」といていた。「The Forme of Cury」(14世紀せいき著名ちょめい英語えいご料理りょうり解説かいせつしょ)は 4 = IIII、9 = IX表記ひょうきしている一方いっぽうで「IV」と表記ひょうきした箇所かしょもある。

ほかに、80 = R、2000 = Zとする表記ひょうきもある。また、12 = S112 = などとする分数ぶんすう記号きごうもあった。

4000以上いじょうおおきな数字すうじ[編集へんしゅう]

前述ぜんじゅつとおり、4000以上いじょう数値すうち表記ひょうきは、パターンにしたがった通常つうじょう方法ほうほうでは不可能ふかのうであり、1 から 3999 の数値すうちまでしか表記ひょうきできない。現代げんだいではあまり使用しようされないが、4000以上いじょう表記ひょうき下記かき方法ほうほうによっておこなう。

かさ表記ひょうき

1000 をあらわすのに「M」ではなく「」または「CIↃ」をもちいる場合ばあいもある。5000 を「」または「IↃↃ」、10000 を「」または「CCIↃↃ」であらわしたれいもある。同様どうようにして 50000 は「」または「IↃↃↃ」、100000 は「」または「CCCIↃↃↃ」となる。

基本きほん数字すうじ C|Ɔ (M) = 1,000 CC|ƆƆ = 10,000 CCC|ƆƆƆ = 100,000
+ |Ɔ (D) = 00500 C|Ɔ|Ɔ (MD) = 1,500 CC|ƆƆ|Ɔ = 10,500 CCC|ƆƆƆ|Ɔ = 100,500
+ |ƆƆ = 05,000 - CC|ƆƆ|ƆƆ = 15,000 CCC|ƆƆƆ|ƆƆ = 105,000
+ |ƆƆƆ = 50,000 - - CCC|ƆƆƆ|ƆƆƆ = 150,000
つなぎ表記ひょうき
通常つうじょうのローマ数字すうじうえせん付加ふかすることで、1,000 ばい表現ひょうげんする。またじゅうじょうせんでは 1,000,000 ばいとなる。すなわちnじゅううえせん1,000n (1,000のnばいあらわす。
  • 4,000 = IV = MV
  • 5,300 = VCCC
  • 6,723 = VIDCCXXIII = VMDCCXXIII
  • 9,999 = IXCMXCIX = MXCMXCIX
  • 51,200 = LICC
  • 99,999 = XCIXCMXCIX
  • 500,000 = DI
  • 921,600 = CIXXIDC
  • 3,000,000 = III
  • 9,125,334 = IXCCXXVCCCXXXIV
  • 91,200,937 = XCICCCMXXXVII
  • 235,002,011 = CCXXXVIIXI
前後ぜんごたてせん付加ふかすることで、さらに 100 ばい都合つごう 100,000 ばい)をあらわす。
  • 800,000 = |VIII|
  • 1,040,000 = |X|XL (= 10 × 1,000 × 100 + (-10 + 50) × 1,000) = IXL (= 1 × 1,000,000 + (-10 + 50) × 1,000)

用途ようと[編集へんしゅう]

東京競馬場とうきょうけいばじょうターフビジョン

現在げんざい、ローマ数字すうじじょすうあきら番号ばんごう、ページ番号ばんごう文章ぶんしょう脚注きゃくちゅう番号ばんごうなどに使つかうことがおおいが、酸化さんかどう(II)など一部いちぶ例外れいがいがある[2]

ローマ数字すうじ歴史れきし[編集へんしゅう]

古代こだいローマひと元々もともと農耕のうこう民族みんぞくだった。ひつじかずかぞえるのにぼうきざれた。しがらみから1ひきずつヤギくたびにきざを1つずつやしていった。3ひきのヤギがくと「III」とあらわし、4ひきのヤギがくと3ほんきざよこにもう1ほんきざやして「IIII」とした。5ひきのヤギがくと、4ほんきざみぎにこのときだけ「V」ときざんだ(∧ときざんだひつじいもいた)。このときのぼうについたきざは「IIIIV」となる。6ひきのヤギがくと、きざ模様もようは「IIIIVI」、7ひきくと「IIIIVII」となる。9ひきつぎのヤギがくと「IIIIVIIII」のみぎに「X」というしるしきざんだ。ぼう模様もようは「IIIIVIIIIX」となる。31ひきのヤギは「IIIIVIIIIXIIIIVIIIIXIIIIVIIIIXI」とあらわす。このようにきざんだのは、夕方ゆうがたにヤギが1ひきずつもどってきたときに記号きごうの1つ1つがヤギ1ひきずつに対応たいおうしていたほうが便利べんりだったためである。ヤギがもどると、記号きごうゆびはしから1個いっこ1個いっこたどっていった。最後さいごのヤギがもどるときに指先ゆびさき最後さいご記号きごうにふれていれば、ヤギは全部ぜんぶ無事ぶじもどったことになる。50ひきのヤギはN、+または⊥であらわした。100ひきは*であらわした。これらの記号きごうはローマのそばのエトルリアじん使つかった。エトルリアのほうが文明ぶんめいさかえていたので、そちらからローマにつたわった可能かのうせいもある。1000は○のなかじゅうれた記号きごうあらわした。

よくわれる「X」は「V」を2つかさねていたもの、あるいは「V」は「X」のうえ半分はんぶんというせつは、あやまりとはれないがかくたる根拠こんきょもないようである。

やがて時代じだいくだり、ひつじ以外いがいのものもかぞえるようになると、31はたんに「XXXI」とくようになった。5はしばらく「V」と「∧」が混在こんざいして使つかわれた。50は当初とうしょNИKΨぷさい、などとき、しばらく「⊥」かそれに模様もよう使つかったが、アルファベットつたわると混同こんどうして「L」となった。100は*だけでなくЖHなどといたが、*がしだいにはなれて「>|<」や「⊃|⊂」になり、よく使つかかずなので簡略かんりゃくになり、「C」や「⊃」ときそのままのこった(ラテン語らてんごの"centum=100"が起源きげんというせつもある)。500は最初さいしょ、1000をあらわす「⊂|⊃」からひだりの⊂をはずし、「|⊃」といた。やがて2つの記号きごうがくっつき、「D」となった。「D」のなかよこぼうがついて「D」や「Ð」ともいた。1000は○にじゅう記号きごう省略しょうりゃくされて「⊂|⊃」となった。「∞」といたれいもある。これが全部ぜんぶくっついたのが「Φふぁい」に記号きごうである。これがべつ変形へんけいをしじょうだけがくっついて「m」にかたちになり、アルファベットがつたわると自然しぜんと「M」とかれるようにもなった(ラテン語らてんごの"mille=1000"からも考慮こうりょされている)。そのため、1000はいまでも2つの表記ひょうきほう混在こんざいしている。

5000以上いじょうかずは100と1000の字体じたいから自然しぜんまった。ただし、「きょう」を上下じょうげぎゃくいたかたちX)で1000000 (100まん)あらわしたこともある。

古代こだいローマ共和きょうわこく時代じだい算盤そろばんでは、記号きごううえよこぼういて1000ばいあらわしたものもある。この方法ほうほうでは、10000は「X」のうえよこぼうを1ほんいたものであらわされる。100000 (10まん) や1000000 (100まん) は「C」や「M」のうえよこぼうを1ほんいてあらわした。たとえば10000は「X」となる。

れいCCX[ちゅう 3] = 210000 (21まん)

数字すうじ上部じょうぶぶんに「 ̄」・左右さゆうに「|」をそれぞれつけて10まんばいあらわすこともあった(うえ左右さゆうせんをくっつけて表記ひょうきすることもおおい)。たとえば10(X)を10まんばいしたかず=1000000 (100まん) は、「X」と表記ひょうきする。

れい

  • |MCLII| XXXVII CCXXXII[ちゅう 4] = 115237232 (1おく1523まん7232)
  • |MMCCCXXII| LXXI CCXXXVIII[ちゅう 5] = 232271238 (2おく3227まん1238)

その文明ぶんめいとの接触せっしょくによりわった表記ひょうきほうあらわれた。1世紀せいきプリニウス著書ちょしょ博物はくぶつ』で83000を「LXXXIII.M[ちゅう 6]」と表記ひょうきした。83.1000 (83の1000ばい) というかたである。おな文書ぶんしょちゅうに、XCII.M [ちゅう 7](92000)、VM [ちゅう 8](5000) という表記ひょうきもある。この乗算じょうざんそくはしばらく使つかわれたようである。1299ねん作成さくせいされた『おうフィリップ4せい財宝ざいほう帳簿ちょうぼ』では、5316を「VmIIIcXVI[ちゅう 9]」とあらわした。かん数字すうじかたによくている。ただしこれらの乗算じょうざんそく現在げんざい使つかわれない。

1000をえるかず表記ひょうきほう混乱こんらんがあるのは一般人いっぱんじん巨大きょだいかずあつか機会きかいがなかったためとかんがえられる。

その[編集へんしゅう]

  • Microsoft ExcelROMANという関数かんすうは 0 から 3999 までのかずをローマ数字すうじ変換へんかんする。範囲はんいがいかずではエラー「#VALUE!」が表示ひょうじされる。なお、0の場合ばあいはエラーでなく空文字くうもじれつかえす。
  • 英語えいご100 ドルさつを「C-bill」や「C-note」とぶのはローマ数字すうじの C に由来ゆらいする[よう出典しゅってん]

文字もじコードにおけるローマ数字すうじ[編集へんしゅう]

基本きほんてきには通常つうじょうラテン文字もじならべてローマ数字すうじ表現ひょうげんする。Unicode 以前いぜんから欧米おうべい一般いっぱんてき使用しようされている ISO/IEC 8859 などの文字もじコードは、ローマ数字すうじ専用せんよう符号ふごうっていない。

JIS規格きかく[編集へんしゅう]

日本にっぽんもちいられる文字もじコードとしても、JIS X 0208 にはローマ数字すうじ専用せんよう符号ふごう定義ていぎされていない。これを拡張かくちょうした Microsoftコードページ932 (CP932) や MacJapanese などにおいて、いわゆる機種きしゅ依存いぞん文字もじとして定義ていぎされており、って JIS X 0213 にもれられた。CP932 にあるのは大文字おおもじ I から X と小文字こもじ i から x の合成ごうせいみ 20 (1 から 10 に相当そうとう)、MacJapanese にあるのは 大文字おおもじ I から XV と小文字こもじ i から xv の合成ごうせいみ 30 (1 から 15 に相当そうとう)、JIS X 0213 は大文字おおもじ I から XII と小文字こもじ i から xii の合成ごうせいみ 24 (1 から 12 に相当そうとう) である。これらはたてきの組版くみはんさいたて中横なかよこ容易ようい実現じつげんするためにもちいられ(一般いっぱん組版くみはんルールでローマ数字すうじたてちゅうよこである)、おおくのフォントで全角ぜんかく文字もじとしてデザインされる。

Unicode[編集へんしゅう]

Unicode は、JIS X 0213 などとの互換ごかんせいのために上述じょうじゅつ合成ごうせいみローマ数字すうじ収録しゅうろくしたうえ、その延長えんちょうとして Ⅼ, Ⅽ, Ⅾ, Ⅿ, ⅼ, ⅽ, ⅾ, ⅿ[ちゅう 10]、また通常つうじょうのラテン文字もじにない Ↄ, ↄ, ↀ, ↁ, ↂ, ↇ, ↈ, ↅ, ↆ [ちゅう 11]定義ていぎしている。これらは U+2160 から U+2188 までの符号ふごう位置いちてられている。(Unicode 7.0.0 時点じてん)〈登録とうろく領域りょういき〉Number Form(数字すうじじゅんじるもの)

機械きかい処理しょり注意ちゅういてん[編集へんしゅう]

ラテン文字もじ共通きょうつう符号ふごうもちいるため、「I」「V」「X」「L」「C」「D」「M」が機械きかい処理しょりさいにアルファベットそのものをあらわしているのか、数字すうじの「1」「5」「10」「50」「100」「500」「1000」をあらわしているのか解釈かいしゃくあやま場合ばあいがある。

符号ふごう位置いち[編集へんしゅう]

Unicode存在そんざいしないMacJapaneseのローマ数字すうじ (XIII, XIV, XV, xiii, xiv, xv) は、Unicodeの私用しよう領域りょういきApple独自どくじ定義ていぎした制御せいぎょ文字もじうしろにくみ文字もじ構成こうせいする文字もじつづけることであらわされる[3]

JIS X 0213Microsoftコードページ932・MacJapanese・Unicodeにあるローマ数字すうじ
大文字おおもじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 小文字こもんじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 備考びこう
U+2160 1-13-21 &#x2160;
&#8544;
U+2170 1-12-21 &#x2170;
&#8560;
ローマ数字すうじ1
U+2161 1-13-22 &#x2161;
&#8545;
U+2171 1-12-22 &#x2171;
&#8561;
ローマ数字すうじ2
U+2162 1-13-23 &#x2162;
&#8546;
U+2172 1-12-23 &#x2172;
&#8562;
ローマ数字すうじ3
U+2163 1-13-24 &#x2163;
&#8547;
U+2173 1-12-24 &#x2173;
&#8563;
ローマ数字すうじ4
U+2164 1-13-25 &#x2164;
&#8548;
U+2174 1-12-25 &#x2174;
&#8564;
ローマ数字すうじ5
U+2165 1-13-26 &#x2165;
&#8549;
U+2175 1-12-26 &#x2175;
&#8565;
ローマ数字すうじ6
U+2166 1-13-27 &#x2166;
&#8550;
U+2176 1-12-27 &#x2176;
&#8566;
ローマ数字すうじ7
U+2167 1-13-28 &#x2167;
&#8551;
U+2177 1-12-28 &#x2177;
&#8567;
ローマ数字すうじ8
U+2168 1-13-29 &#x2168;
&#8552;
U+2178 1-12-29 &#x2178;
&#8568;
ローマ数字すうじ9
U+2169 1-13-30 &#x2169;
&#8553;
U+2179 1-12-30 &#x2179;
&#8569;
ローマ数字すうじ10
JIS X 0213やMacJapanese・Unicodeにあるローマ数字すうじ
大文字おおもじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 小文字こもんじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 備考びこう
U+216A 1-13-31 &#x216A;
&#8554;
U+217A 1-12-31 &#x217A;
&#8570;
ローマ数字すうじ11
U+216B 1-13-55 &#x216B;
&#8555;
U+217B 1-12-32 &#x217B;
&#8571;
ローマ数字すうじ12
Unicodeにあるローマ数字すうじ
大文字おおもじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 小文字こもんじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 備考びこう
U+216C &#x216C;
&#8556;
U+217C &#x217C;
&#8572;
ローマ数字すうじ50
U+216D &#x216D;
&#8557;
U+217D &#x217D;
&#8573;
ローマ数字すうじ100
U+216E &#x216E;
&#8558;
U+217E &#x217E;
&#8574;
ローマ数字すうじ500
U+216F &#x216F;
&#8559;
U+217F &#x217F;
&#8575;
ローマ数字すうじ1000
U+2183 &#x2183;
&#8579;
U+2184 &#x2184;
&#8580;
ローマ数字すうじぎゃく100
記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
U+2180 &#x2180;
&#8576;
ローマ数字すうじ1000 C D
U+2181 &#x2181;
&#8577;
ローマ数字すうじ5000
U+2182 &#x2182;
&#8578;
ローマ数字すうじ10000
U+2187 &#x2187;
&#8583;
ローマ数字すうじ50000
U+2188 &#x2188;
&#8584;
ローマ数字すうじ100000
U+2185 &#x2185;
&#8581;
ローマ数字すうじ6 LATE FORM
U+2186 &#x2186;
&#8582;
ローマ数字すうじ50 EARLY FORM
Unicodeにないが、MacJapaneseにあるローマ数字すうじ
記号きごう再現さいげん MacJapanese 記号きごう再現さいげん MacJapanese 名称めいしょう
XIII 0x85AB xiii 0x85BF ローマ数字すうじ13
XIV 0x85AC xiv 0x85C0 ローマ数字すうじ14
XV 0x85AD xv 0x85C1 ローマ数字すうじ15

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ かたではなくかたについては以下いか事例じれい参考さんこうになる――著作ちょさくけんほう (アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく)においてローマ数字すうじによる発行はっこうねん表示ひょうじ有効ゆうこうなものであるとされていて、不正ふせいなローマ数字すうじ著作ちょさくけん表示ひょうじ無効むこうしうる[1]。このさい下記かきのようなかたルールに合致がっちしているかどうかは問題もんだいとされない。
  2. ^ くわしくは#4000以上いじょうおおきな数字すうじ参照さんしょう
  3. ^ = [{(100 × 2) + 10} × 1000] = 210 × 1000 = 210000 (21まん)
  4. ^ = [{1000 + 100 + 50 + (1 × 2)} × 100000] + [{(10 × 3) + 5 + (1 × 2)} × 1000] + {(100 × 2) + (10 × 3) + (1 × 2)} = 1152 × 100000 + 37 × 1000 + 232 = 115200000 (1おく1520まん) + 37000 + 232 = 115237232 (1おく1523まん7232)
  5. ^ = [{(1000 × 2) + (100 × 3) + (10 × 2) + (1 × 2)} × 100000] + (((50 + (10 × 2)) + 1) × 1000) + [(100 × 2) + (10 × 3) + {5 + (1 × 3)}] = 2322 × 100000 + 71 × 1000 + 238 = 232200000 (2おく3220まん) + 71000 + 238 = 232271238 (2おく3227まん1238)
  6. ^ = [{50 + (10 × 3)} × 1000] = 83 × 1000 = 83000
  7. ^ = [{(100 − 10) + 2} × 1000] = 92 × 1000 = 92000
  8. ^ = 5 × 1000 = 5000
  9. ^ = [(5 × 1000) + {(1 × 3) × 100} + (10 + 5 + 1)] = 5000 + 300 + 16 = 5316
  10. ^ 大文字おおもじ〕U+216C, 216D, 216E, 216F〔小文字こもじ〕U+217C, 217D, 217E, 217F
  11. ^ (ひだりからじゅんに) U+2183, 2184, 2180, 2181, 2182, 2187, 2188, 2185, 2186

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Hayes, David P.. “Guide to Roman Numerals”. Copyright Registration and Renewal Information Chart and Web Site. 2021ねん11月29にち閲覧えつらん
  2. ^ 比留間ひるま直和なおかず (2012ねん10がつ1にち). “いつ使つかう?ローマ数字すうじ - ことばマガジン”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル. 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ. 2021ねん11月29にち閲覧えつらん
  3. ^ UnicodeコンソーシアムにあるMac OS Japaneseとの変換へんかんテーブル

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]