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伴ばん淳あつし三郎さぶろう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ばん じゅんざぶろう
伴ばん 淳あつし三郎さぶろう
伴 淳三郎
「アジャパー」のポーズをとる伴ばん淳あつし三郎さぶろう（1954年ねん）
本名ほんみょう 鈴木すずき 寛定ひろさだ
すずき ひろさだ
生年月日せいねんがっぴ (1908-01-10) 1908年ねん1月がつ10日とおか
没ぼつ年月日ねんがっぴ (1981-10-26) 1981年ねん10月26日にち（73歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・山形やまがた県けん米沢よねざわ市し
民族みんぞく 日本人にっぽんじん
職業しょくぎょう 俳優はいゆう、コメディアン
活動かつどう期間きかん 1927年ねん - 1981年ねん
配偶はいぐう者しゃ あり
著名ちょめいな家族かぞく 山本やまもと康かん一郎いちろう（息子むすこ）
主おもな作品さくひん
映画えいが
『伝つて七なな捕物とりもの帳ちょう』シリーズ
『駅前えきまえシリーズ』
『飢餓きが海峡かいきょう』
『どですかでん』
テレビドラマ
『寺内てらうち貫太郎かんたろう一家いっか』
『いちばん星ほし』
『ムー』
『ムー一族いちぞく』
 
受賞じゅしょう
毎日まいにち映画えいがコンクール
男優だんゆう助演じょえん賞しょう
1965年ねん『飢餓きが海峡かいきょう』
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伴ばん 淳あつし三郎さぶろう（ばん じゅんざぶろう、1908年ねん〈明治めいじ41年ねん〉1月がつ10日とおか - 1981年ねん〈昭和しょうわ56年ねん〉10月26日にち）は、昭和しょうわ期きのコメディアン、俳優はいゆう。本名ほんみょうは鈴木すずき 寛定ひろさだ（すずき ひろさだ）、愛称あいしょうは「バンジュン」。息子むすこはスタイリストの山本やまもと康かん一郎いちろう（1961年ねん生うまれ）。

来歴らいれき・人物じんぶつ

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出生しゅっしょう

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山形やまがた県けん米沢よねざわ市しに南画なんが家いえの鈴木すずき蘭らん涯と、妻つまフクの息子むすことして生うまれる。父ちちについて山形やまがたと東京とうきょうを行おこなったり来きたりするが、5歳さいのときから山形やまがた市し小姓こしょう町まちで育そだつ。

山形やまがた市立しりつ第だい一いち尋常じんじょう小学校しょうがっこう卒業そつぎょう後ご、熊谷くまがや市しの兄あにの家いえに寄宿きしゅくして高等こうとう小学校しょうがっこうに通かよっていたが、兄あにとの折おり合あいが悪わるく家出いえでし、東京とうきょうに出でる。そこで、母方ははかたの叔父おじで新派しんぱ劇げきの河合かわい武雄たけおの番頭ばんがしらをしていた斎藤さいとう好こう三さん郎ろうを頼たより、「文芸ぶんげい協会きょうかい」出身しゅっしんの新劇しんげき俳優はいゆう、東儀とうき鉄笛てってきの付つき人びととなり、彼かれが主演しゅえんした映画えいがに出演しゅつえんする。その後ご、正則せいそく英語えいご学校がっこうに通かよっていたが、俳優はいゆうへの思おもいを断たち切きれず、東儀とうきが所長しょちょうをしていた「新劇しんげき研究所けんきゅうじょ」の研究けんきゅう生せいに応募おうぼするが落第らくだい。東京とうきょう市し内うちを回まわっていた「中川なかがわ竹たけ三さん一座いちざ」に入はいる。その後ご、いくつかの劇団げきだんに入はいるが、映画えいがにも取とり組くんでいる「明石あかし潮うしお一座いちざ」に入はいり、駕が籠かごかき役やくなどで映画えいが出演しゅつえんする。

俳優はいゆうとしての活動かつどう・戦前せんぜん

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1927年ねん、日活にっかつ大将軍だいしょうぐん撮影さつえい所しょに大部屋おおべや俳優はいゆうとして入はいる。しばらく、端役はやくでの出演しゅつえんが続つづいたが、1929年ねん、渡辺わたなべ邦男くにお監督かんとくの『竜巻たつまき長屋ながや』に大役たいやくをもらう。以後いご、渡辺わたなべ監督かんとくに喜劇きげき俳優はいゆうとして重用じゅうようされる。

1931年ねん、東京とうきょうに戻もどり、曾我廼家そがのや五ご九きゅう郎ろう一座いちざに入はいり、清川きよかわ虹にじ子こらと活動かつどうするが、1934年ねん、大だい都と映画えいがに入はいり、主役しゅやく級きゅうとして活躍かつやく。極東きょくとう映画えいがを経へて、1937年ねん、日活にっかつで親したしかった永田ながた雅一まさいちが所長しょちょうを務つとめる新興しんこうキネマ京都きょうと撮影さつえい所しょに入社にゅうしゃし、忍術にんじゅつ映画えいがなどで活躍かつやくする。

1939年ねん、新興しんこうキネマ演芸えんげい部ぶがあきれたぼういずなどの吉本興業よしもとこうぎょうの人気にんきタレントを大量たいりょうに引ひき抜ぬいたときも暗躍あんやくする。ところが、引ひき抜ぬきの工作こうさくに奔走ほんそうする際さい、伴ともは狙ねらう相手あいての名前なまえを書かき並ならべたメモ帳ちょうを円えんタクの中なかに置おき忘わすれてしまうという大だい失態しったいを演えんじ、事ことの重大じゅうだいさに自殺じさつまで考かんがえたという。しかし、伴ともが降おりた後のち、その円えんタクを拾ひろったのが歌手かしゅの灰はい田でん勝彦かつひこで、灰はい田でんは拾ひろったメモ帳ちょうを何なにも言いわずに伴ともに送おくり届とどけ、事こと無なきを得えて以来いらい、伴ともは灰はい田でんに頭あたまが上あがらなかったという。

1940年ねん、「化ばけ猫ねこ女優じょゆう」こと鈴木すずき澄子すみこらとハワイ、サンフランシスコ巡業じゅんぎょうを行おこない、帰国きこく後ご、秋田あきた實みのるの応援おうえんで小夜さよ福子ふくこらと劇団げきだんを結成けっせいするがほどなく解散かいさん。小ちいさな軽演劇けいえんげきの一座いちざの座長ざちょうとして終戦しゅうせんを迎むかえる。ただし、徴兵ちょうへいの召集令状しょうしゅうれいじょうは受うけ取とっていたが、徴兵ちょうへい検査けんさにはきれいに化粧けしょう、女装じょそうで出でかけていき、その格好かっこうを見みた検査けんさ係官かかりかんが憤慨ふんがい、検査けんさ場じょうから追おい出だされ、さらに検査けんさ直前ちょくぜんには醤油じょうゆを大量たいりょうに（一升瓶いっしょうびん1本ほん分ぶん）飲のみ、「肝臓かんぞう病びょう」を装よそおって徴兵ちょうへいを逃のがれている。[要よう出典しゅってん]

俳優はいゆうとしての活動かつどう・戦後せんご

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戦後せんごは清川きよかわ虹にじ子こ、笠置かさぎシヅ子しづこらと浅草あさくさで活動かつどうし、美空みそらひばりの売出うりだしを図はかるが失敗しっぱいする。

1951年ねん頃ころから当時とうじ同棲どうせい中ちゅうの清川きよかわ虹にじ子この仲介ちゅうかいにより新しん東宝とうほうの斎藤さいとう寅次郎とらじろう監督かんとくの一家いっかに入はいって、本格ほんかく的てきに映画えいがに復帰ふっきする[1]。1951年ねん、斎藤さいとう寅次郎とらじろう監督かんとく、高田たかだ浩ひろし吉きち主演しゅえんの『吃ども七なな捕物とりもの帖じょう・一番いちばん手柄てがら』に出演しゅつえんした折おり、「アジャジャーにしてパーでございます」が大だいウケし、それを短みじかくした「アジャパー」が大だい流行りゅうこうとなる。

1953年ねんには、主役しゅやく映画えいが『アジャパー天国てんごく』が斎藤さいとう寅次郎とらじろう監督かんとくで作つくられるにいたり、「バンジュン」の愛称あいしょうで主演しゅえん映画えいがが次々つぎつぎと封切ふうぎられる売うれっ子こスターとなる[2]。

1955年ねんからは松竹しょうちくで、花菱はなびしアチャコと共演きょうえんの『二等兵にとうへい物語ものがたり』シリーズ、1958年ねんからは森繁もりしげ久彌ひさや、フランキふらんきー堺さかいと共演きょうえんの『駅前えきまえシリーズ』が大だいヒットした。

伴ともは珍ちん演えんじ怪かい演えんじをする「珍優ちんゆう」とも言いわれ[3][4]、喜劇きげき俳優はいゆうとして活躍かつやくする一方いっぽう、1964年ねん、内田吐夢うちだとむ監督かんとく、水上みずかみ勉つとむ原作げんさくの『飢餓きが海峡かいきょう』の老ろう刑事けいじの演技えんぎで毎日まいにち映画えいがコンクール男優だんゆう助演じょえん賞しょうを受賞じゅしょうするなど、シリアスな演技えんぎにも独特どくとくな味あじわいを見みせた。同どう映画えいがに出演しゅつえんした際さいには監督かんとくの内田うちだから徹底的てっていてきにしごかれ、自信じしんを喪失そうしつしてしまい、落おち込こんだ表情ひょうじょうになりがちだった。しかし、実みのところそれが内田うちだの狙ねらいであった。結果けっか的てきにも、伴ともはいわゆる「枯かれた演技えんぎ」を成なし遂とげることになった。

伴ともは「浅草あさくさサンバカーニバル」を発案はつあんしたり[5]、募金ぼきん運動うんどうで知しられる「あゆみの箱はこ」の提唱ていしょう者しゃでもある[6]。また関西かんさい出身しゅっしんでないのに「関西かんさい喜劇きげき人じん協会きょうかい」の会長かいちょうを務つとめたり、若わかき時代じだいの渥美あつみ清きよしや生田いくた悦子えつこをイビリ倒たおしていた[7]。また稲川いながわ会かいの稲川いながわ聖きよし城じょうの庇護ひごを受うけており、雑誌ざっし記者きしゃが稲川いながわの自宅じたくを訪たずねた際さいに遊あそびに来きている伴ばん淳あつし三郎さぶろうの姿すがたを幾度いくども目撃もくげきされている[8]

1978年ねん、紫綬褒章しじゅほうしょうを受章じゅしょう。1981年ねん10月26日にち、伴ともは食道しょくどう静脈じょうみゃく瘤こぶ破裂はれつにより73歳さいで死去しきょした。枕元まくらもとには伴とものかつての妻つまの清川きよかわがおり、伴ともを看病かんびょうし喪主もしゅも清川きよかわが務つとめた。伴ともの遺作いさくは死去しきょ後ごの11月3日にちから放送ほうそうが開始かいしされた連続れんぞくテレビドラマ『ひまわりの歌うた』であった。墓所はかしょは米沢よねざわ市し極楽寺ごくらくじ。

主おもな出演しゅつえん作品さくひん

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映画えいが

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『飢餓きが海峡かいきょう』（1965年ねん）

テレビ番組ばんぐみ・テレビドラマ

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コマーシャル

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著書ちょしょ

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  • 『伴ばん淳あつし放浪ほうろう記き』しなの出版しゅっぱん、1967年ねん10月がつ15日にち。NDLJP:2515185。 
    • 『伴ばん淳あつし放浪ほうろう記き―伝記でんき・伴ばん淳あつし三郎さぶろう』「伝記でんき叢書そうしょ288」大空おおぞら社しゃ、1998年ねん2月がつ。ISBN 978-4756804990
  • 『伴ばん淳あつし好色こうしょく放浪ほうろう記き 人格じんかくの磨みがき方かた、教おしえます』光文社こうぶんしゃ カッパ・ブックス、1972年ねん
  • 『伴ばん淳あつしのアジャパアー 人生じんせい 芸道げいどう・色道しきどう50年ねん』徳間書店とくましょてん、1975年ねん

伝記でんき

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出典しゅってん

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 小林こばやし信彦のぶひこ『地獄じごくの観光かんこう船せん コラム101』集英社しゅうえいしゃ、1981年ねん、p.234。
  2. ^ 瀬川せかわ昌治しょうじ『乾杯かんぱい!ごきげん映画えいが人生じんせい』清流せいりゅう出版しゅっぱん、2007年ねん、pp.65-67。
  3. ^ 『乾杯かんぱい!ごきげん映画えいが人生じんせい』p.67。
  4. ^ 小林こばやし信彦のぶひこ『日本にっぽんの喜劇きげき人じん』新潮しんちょう文庫ぶんこ、1982年ねん、p.72．
  5. ^ 「なぜ、浅草あさくさとサンバ？」 浅草あさくさサンバカーニバル公式こうしきサイト内うち
  6. ^ 「あゆみの箱はことは?」　社団しゃだん法人ほうじんあゆみの箱はこ公式こうしきホームページ内うち
  7. ^ 小林こばやし信彦のぶひこ『おかしな男おとこ 渥美あつみ清きよし』新潮しんちょう文庫ぶんこ、2003年ねん、pp.68,76-77。
  8. ^ 大下おおした英治えいじ『首領しゅりょう　昭和しょうわ闇やみの支配しはい者しゃ』大和やまと書房しょぼう
  9. ^ 全日本ぜんにほんCM協議きょうぎ会かい 編へん『CM25年ねん史し』講談社こうだんしゃ、1978年ねん1月がつ15日にち、170 - 171頁ぺーじ。NDLJP:12025175/90。 

外部がいぶリンク

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  • 括弧かっこ内ないは作品さくひん年度ねんどを示しめす、授賞じゅしょう式しきの年としは翌年よくねん（2月がつ）
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