北条ほうじょう師し時じ

凡例はんれい 北条ほうじょう 師し時じ
絵本えほん鎌倉かまくら北条ほうじょう九きゅう代だい記き
時代じだい	鎌倉かまくら時代ときよ後期こうき
生誕せいたん	建治けんじ元年がんねん（1275年ねん）
死没しぼつ	応おう長ちょう元年がんねん9月22日にち（1311年ねん11月3日にち）
改名かいめい	師し時じ、道みち覚さとし
別名べつめい	武蔵むさし四郎しろう→西にし殿どの師し時じ
官位かんい	従したがえ五ご位い下か左近さこん将監しょうげん、右みぎ馬ば権けん頭あたま、従したがえ五ご位い上じょう、正せい五ご位い下か相模さがみ守もり、従したがえ四よん位い下した
幕府ばくふ	鎌倉かまくら幕府ばくふ小しょう侍さむらい所しょ別当べっとう、評定ひょうじょう衆しゅ、3番ばん引付ひきつけ頭あたま人じん、執奏しっそう、第だい10代執権しっけん
主君しゅくん	久明ひさあき親王しんのう→守まもり邦くに親王しんのう
氏族しぞく	北条ほうじょう氏し（宗そう政まさし流りゅう）
父母ちちはは	父ちち：北条ほうじょう宗そう政まさし、母はは：北条ほうじょう政まさし村むらの娘むすめ 養父ようふ：北条ほうじょう時宗じしゅう
兄弟きょうだい	師し時じ、時とき信しんじ、政助まさすけ、万寿まんす、女子じょし（北条ほうじょう貞時さだとき正室せいしつ）
妻つま	正室せいしつ：北条ほうじょう貞時さだときの娘むすめ
子こ	時どき茂しげる、貞さだ規ぶんまわし、石川いしかわ宗景むねかげ妻つま

北条ほうじょう 師し時じ（ほうじょう もろとき）は、鎌倉かまくら時代ときよ後期こうきの北条ほうじょう氏しの一門いちもん。鎌倉かまくら幕府ばくふ第だい10代執権しっけん（在職ざいしょく：正安まさやす3年ねん8月がつ22日にち（1301年ねん9月24日にち） - 応おう長ちょう元年がんねん9月22日にち（1311年ねん11月3日にち））。

生涯しょうがい

父ちちは第だい8代だい執権しっけん・北条ほうじょう時宗じしゅうの同母どうぼ弟おとうとである北条ほうじょう宗はじめ政せい。母ははは第だい7代だい執権しっけん・北条ほうじょう政まさし村むらの娘むすめ。父ちちの死後しごに伯父おじ・時宗じしゅうの猶子ゆうしとなる。

永えい仁ひとし元年がんねん（1293年ねん）、19歳さいで5月がつ30日にちに評定ひょうじょう衆しゅ、6月5日にちに三さん番ばん引付ひきつけ頭あたま人じん、10月がつ20日はつかに執奏しっそう、12月20日にちに従したがえ五ご位い上じょうと、鎌倉かまくら政権せいけんの中枢ちゅうすうに抜擢ばってきされる。従兄弟いとこである執権しっけん・北条ほうじょう貞時さだときが平頼綱たいらのよりつなを永えい仁ひとしの鎌倉かまくら大だい地震じしんに乗じょうじて誅殺ちゅうさつして実権じっけんを取とり戻もどした平ひら禅門ぜんもんの乱らんの直後ちょくごである。引付ひきつけ衆しゅを経へずに評定ひょうじょう衆しゅとなるのは、得とく宗むね家いえ一門いちもんと赤橋あかいばし家かの嫡男ちゃくなんのみに許ゆるされる特権とっけんとされる。これにより師し時じは北条ほうじょう氏し庶流というより得とく宗むね家いえの一員いちいんと見みなされていたとされる。またそれが平ひら禅門ぜんもんの乱らんの直後ちょくごであり、また父ちち宗そう政まさしを凌しのぐ要職ようしょくであることから、単たんに家格かかくだけではなく、兄弟きょうだいの居いない貞時さだときが、自分じぶんにとって一番いちばん近ちかい血縁けつえんである師し時じや、もう一人ひとりの従兄弟いとこである北条ほうじょう宗方むなかたを政権せいけんの中枢ちゅうすうに引ひき上あげることによって、周まわりを固かためようとしたとも見みられている。

正安まさやす3年ねん（1301年ねん）8月がつ、貞時さだときの出家しゅっけに伴ともない執権しっけんに就任しゅうにん。貞時さだときの嫡男ちゃくなんである北条ほうじょう高だか時じ（後ごの14代だい執権しっけん）が成人せいじんするまでの中継なかつぎ役やくとして期待きたいされたが、幕政ばくせいの実権じっけんは貞時さだときに握にぎられていた。尚なお、補佐ほさ役やくの連署れんしょには母方ははかたの伯父おじである北条ほうじょう時じ村むらが任にんじられている。

貞時さだときの死しの1ヶ月かげつ前まえである応おう長ちょう元年がんねん（1311年ねん）9月がつ22日にちに出家しゅっけし、同日どうじつに死去しきょした。享年きょうねん37。評定ひょうじょう中ちゅうにその座ざでそのまま死去しきょしたと伝つたわる。また『北条ほうじょう九きゅう代だい記き』には嘉よしみ元もとの乱らんにおいて時とき村むらが殺害さつがいされた後のちに殺害さつがいされた北条ほうじょう宗方むなかたの亡霊ぼうれいに苛さいなまれて亡なくなったとしている。

経歴けいれき

• 弘安ひろやす7年ねん（1284年ねん）、10歳さいで小しょう侍さむらい所しょ別当べっとう
• 弘安ひろやす8年ねん（1285年ねん）、11歳さいで左近さこん将監しょうげん・従したがえ五ご位い下かに叙爵じょしゃく
• 永えい仁ひとし元年がんねん（1293年ねん）5月がつ30日にち、評定ひょうじょう衆しゅ、6月5日にち、三さん番ばん引付ひきつけ頭あたま人じん、10月がつ20日はつか、執奏しっそう、12月20日にち、従したがえ五ご位い上じょう（19歳さい）
• 永えい仁ひとし2年ねん（1294年ねん）1月がつ30日にち、右みぎ馬ば権けん頭あたま
• 永えい仁ひとし5年ねん（1297年ねん）7月がつ、二に番ばん引付ひきつけ頭あたま人じん（23歳さい）
• 正安まさやす1年ねん（1299年ねん）2月がつ27日にち、正せい五ご位い下か（25歳さい）
• 正安まさやす3年ねん（1301年ねん）8月がつ22日にち、執権しっけん。9月27日にち、相模さがみ守もりに遷任（27歳さい）
• 嘉よしみ元もと2年ねん（1304年ねん）従したがえ四よん位い下か
• 応おう長ちょう元年がんねん（1311年ねん）9月がつ21日にち、出家しゅっけ。道みち覚さとしと号ごうす。9月22日にち、卒去そっきょ。享年きょうねん37。

参考さんこう文献ぶんけん

• 永井ながい晋すすむ『金沢かなざわ貞さだ顕あらわ』吉川弘文館よしかわこうぶんかん〈人物じんぶつ叢書そうしょ〉、2003年ねん。ISBN 4-642-05228-3。 
• 細川ほそかわ重男しげお『鎌倉かまくら政権せいけん得とく宗むね専制せんせい論ろん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2000年ねん。