預金よきん

預金よきん（よきん、英えい: deposit）とは、銀行ぎんこうが貸出かしだしや手形てがた買取かいとりの際さいに発生はっせいさせた、銀行ぎんこうに対たいする借かり手てや手形てがたの売うり手て名義めいぎの債権さいけんの記録きろくのこと。すべての預金よきんは銀行ぎんこうが貸出かしだしや手形てがた買取かいとりの際さいに、借かり手てや手形てがたの売うり手ての銀行ぎんこう口座こうざにその金額きんがくを記入きにゅうすることによって創造そうぞうされ、振込ふりこみや口座こうざ振替ふりかえといった形かたちで決済けっさい手段しゅだんとして用もちいられ、返済へんさいによって消滅しょうめつする。このような預金よきんから必要ひつように応おうじて引ひき出だされた現金げんきんが市し中ちゅう（銀行ぎんこう業ぎょうシステムの外部がいぶ）で流通りゅうつうする。また、政府せいふ支出ししゅつによって預金よきんが創造そうぞうされ、納税のうぜいによって消滅しょうめつする。

金融きんゆう機関きかんに金銭きんせんを消費しょうひ寄託きたく（同種どうしゅ同どう量りょうのものの返還へんかんを約やくしてする寄託きたく、期限きげんの定さだめがない場合ばあいにいつでも返還へんかんを請求せいきゅうできる点てんで消費しょうひ貸借たいしゃくと異ことなる）すること、または、寄託きたくされた金銭きんせんのこと。

概要がいよう

寄託きたくの態様たいようによって、当座とうざ預金よきん、普通ふつう預金よきん、定期ていき預金よきんなどがある。本質ほんしつ的てきには預金よきん者しゃは金融きんゆう機関きかんに金銭きんせんを貸かしたことになる。預金よきん者しゃの要求ようきゅうがあればいつでも払出はらいだしに応おうじる流動りゅうどう性せい預金よきん（要求ようきゅう払はらい預金よきん）と定さだめられた預入よにゅう期間きかん満了まんりょうまで払出はらいだしに応おうじない定期ていき性せい預金よきんに大別たいべつされる。

日本にっぽんの預金よきん制度せいど

預金よきんと貯金ちょきんの区別くべつ

日本にっぽんでは法令ほうれい上じょう、取とり扱あつかう金融きんゆう機関きかんに応おうじて預金よきんと貯金ちょきんという語かたりとの使つかい分わけがなされるが、性質せいしつは同おなじである。もともとは、貯蓄ちょちくを目的もくてきとするものを貯金ちょきん、決済けっさいを目的もくてきとするものを預金よきんと呼よんでいたといわれ、預金よきんのほうがより広ひろい意味合いみあいを持もつが現在げんざいでは同義どうぎに扱あつかわれている。

預金よきん

預金よきんを取とり扱あつかうのは、銀行ぎんこう、信用金庫しんようきんこ、信用組合しんようくみあい、労働ろうどう金庫きんこ、信用しんよう事業じぎょうを行おこなう農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあいなどの預貯金よちょきん取扱とりあつかい金融きんゆう機関きかんである。このほか、日本銀行にっぽんぎんこうもまた預金よきんの受入うけいれを行おこなう（日銀にちぎんは、金融きんゆう機関きかんと、日本にっぽん政府せいふのみから）。

貯金ちょきん

預貯金よちょきん取扱とりあつかい金融きんゆう機関きかんのうち農協のうきょう・信しん農のう連れん（JAバンク）や漁協ぎょきょう・信しん漁りょう連れん（JFマリンバンク）においては預金よきんではなく貯金ちょきんと呼称こしょうする。2007年ねん10月1日にちに日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃが分社ぶんしゃ化か・民営みんえい化かされて発足ほっそくしたゆうちょ銀行ぎんこうは郵便ゆうびん貯金ちょきんの一部いちぶ業務ぎょうむを継承けいしょうしている経緯けいいを踏ふまえ、法令ほうれい上じょうは預金よきんであるものの、取引とりひき上じょうは従来じゅうらい通どおり貯金ちょきんと呼称こしょうする。

口座こうざの種類しゅるい

詳細しょうさいは「口座こうざ」を参照さんしょう

総合そうごう口座こうざ

一般いっぱんに、一いち冊さつの通帳つうちょうに普通ふつう預金よきんとともに定期ていき預金よきんを預あづけ入いれられるようになっていて、払はらい戻もどしや自動じどう振替ふりかえの請求せいきゅうによって普通ふつう預金よきんの残高ざんだかが不足ふそくした際さいに、それらの定期ていき預金よきんを担保たんぽに自動的じどうてきに貸かし付つけが行おこなわれて支払しはらいが受うけられる（当座とうざ貸越かしこしという）。貸越かしこし利用りよう期間きかん中ちゅうは担保たんぽとしているそれぞれの預金よきん利率りりつにプラスして貸越かしこし利息りそくが発生はっせいする。貸越かしこし利息りそくの精算せいさんは1年ねんに2回かい（2月がつと8月がつが多おおい）精算せいさんする形かたちを取とっている。

金融きんゆう機関きかんごとに、

• 1支店してんで1取引とりひきのケース
• すべての支店してんの取引とりひきの中なかでいずれか支店してんのみ総合そうごう口座こうざの利用りようが可能かのうで、一ひとつの金融きんゆう機関きかん全体ぜんたいで1冊さつのみとする金融きんゆう機関きかん
• 冊子さっしとしては1支店してんで何なん冊さつでも取引とりひき可能かのうだが、定期ていき預金よきんの組くみ込こみや当座とうざ貸越かしこしは1取引とりひきまでとする金融きんゆう機関きかん

など、個々ここの金融きんゆう機関きかんによって取とり扱あつかいが異ことなる。貯蓄ちょちく預金よきんが一体いったいになっている総合そうごう口座こうざ通帳つうちょうを発行はっこうする場合ばあいは、すべて一体いったいになった冊子さっしを複数ふくすう取引とりひきができる場合ばあいもある（実際じっさいに総合そうごう口座こうざの扱あつかいとなるのは1冊さつで、残のこる冊子さっしは単たんに普通ふつう預金よきんと貯蓄ちょちく預金よきんを合冊がっさつにしただけの状態じょうたいでの利用りようとなる）。例外れいがい的てきに、店舗てんぽ統合とうごうで、統合とうごう先さきに元々もともと総合そうごう口座こうざの取引とりひきがあり、廃止はいし店てんでも総合そうごう口座こうざ取引とりひきがある場合ばあいは、例外れいがい的てきに2つの総合そうごう口座こうざを利用りようできる場合ばあいもある（普通ふつう預金よきんと定期ていき預金よきんをパージして総合そうごう口座こうざ扱あつかいにしないよう要請ようせいされる場合ばあいもある）

貸付かしつけの返済へんさいは、その普通ふつう預金よきん口座こうざへの入金にゅうきんで自動的じどうてきに行おこなわれる。

金融きんゆう機関きかんによっては、自動じどう融資ゆうしが設定せっていされることを理由りゆうに、未成年みせいねん者しゃの総合そうごう口座こうざ開設かいせつを認みとめていない場合ばあいがあり、その場合ばあい、普通ふつう預金よきん専用せんよう通帳つうちょうによる口座こうざ開設かいせつとなる。

なお、ゆうちょ銀行ぎんこうの「総合そうごう口座こうざ（通帳つうちょう）」は、振替ふりかえ機能きのうを具備ぐびした通常つうじょう貯金ちょきんや通常つうじょう貯蓄ちょちく貯金ちょきんのことをさすため、他たの金融きんゆう機関きかんが一般いっぱん的てきに行おこなわれるものとは、概念がいねんが異ことなるため、使つかい分わけに注意ちゅういが必要ひつよう。また、通常つうじょう貯金ちょきんのみを利用りようする場合ばあいであっても、通常つうじょう貯金ちょきんとして使つかわれる通帳つうちょうは、総合そうごう口座こうざ通帳つうちょうと称しょうする。ただし、一般いっぱんの金融きんゆう機関きかんのように、通常つうじょう貯金ちょきんと定額ていがく貯金ちょきんのように区別くべつする必要ひつようがあることにも注意ちゅういを要ようする。

振替ふりかえ口座こうざ

ゆうちょ銀行ぎんこうの決済けっさい専用せんようの口座こうざ。預金よきん保険ほけん法ほうに定さだめる決済けっさい性せい預金よきん。

預金よきんの種類しゅるい

普通ふつう預金よきん

自由じゆうに預あづけ入いれ、払はらい戻もどしができる預金よきん口座こうざで、銀行ぎんこう取引とりひきの基本きほんとなる預金よきん商品しょうひんである。

日本にっぽんでは当あたり前まえであるが、要求ようきゅう払ばらい決済けっさい用よう口座こうざとして金利きんりが付ふされるものは世界せかい的てきには珍めずらしい存在そんざいであり、米国べいこくでは貯蓄ちょちく貸付かしつけ組合くみあいのNOW勘定かんじょう口座こうざがこれに近似きんじしている。

キャッシュカードの発行はっこうが可能かのうで、自動じどう取引とりひき装置そうち（ATM）を利用りようした預あづけ入いれ、払はらい戻もどし、振込ふりこみなどの取引とりひきができる。

当座とうざ預金よきんと並ならび、振込ふりこみ金きんの受入うけいれ、各種かくしゅ公共こうきょう料金りょうきんや代金だいきん、クレジットカードなどの口座こうざ自動じどう振替ふりかえを契約けいやくでき、給与きゅうよ、年金ねんきん、配当はいとう金きんの受取うけとりに指定していできるなど、決済けっさい口座こうざとしても大おおきな役割やくわりを担になう。

毎日まいにちの最終さいしゅう残高ざんだかに対たいし利息りそくがつき、概おおむね6か月げつ毎ごとに支払しはらわれるものの（住じゅう信しんSBIネット銀行ぎんこうのように毎月まいつき付づけ利りの場合ばあいもある）、自由じゆうに預あづけ入いれ、払はらい戻もどしができる流動りゅうどう性せい、また自動じどう振替ふりかえや受取うけとりなどの各種かくしゅ決済けっさいを取とり扱あつかうため、定期ていき性せいの預金よきんに比くらべ低ひくい利率りりつとなっている。

このほか、一部いちぶの銀行ぎんこうにおいては一般いっぱんの普通ふつう預金よきんと別べつに、次つぎに挙あげるような特典とくてんの組くみ合あわされた普通ふつう預金よきんが取とり扱あつかわれている。なお特典とくてん利用りようには一定いっていの条件じょうけんがある。

戦前せんぜんは貯蓄ちょちく銀行ぎんこうの商品しょうひんであり、普通ふつう銀行ぎんこうには類似るいじ商品しょうひんとして「特別とくべつ当座とうざ預金よきん」が存在そんざいした。戦時せんじ中ちゅう、ほとんどの貯蓄ちょちく銀行ぎんこうは普通ふつう銀行ぎんこうに合併がっぺいされた結果けっか、普通ふつう銀行ぎんこうが貯蓄ちょちく銀行ぎんこう業務ぎょうむを兼業けんぎょうすることとなったため、商品しょうひん内容ないようが重複じゅうふくする両者りょうしゃを戦後せんご整理せいり統合とうごうした。

決済けっさい用よう普通ふつう預金よきん

無利息むりそく特約とくやく付づけの普通ふつう預金よきん。預入よにゅうした金融きんゆう機関きかんが経営けいえい破綻はたんした場合ばあいも、当座とうざ預金よきん同様どうように全額ぜんがく保護ほごされる。その他たの商品しょうひん性せいは一般いっぱんの普通ふつう預金よきんと同様どうようである。

2005年ねん4月がつより、民間みんかん金融きんゆう機関きかんの普通ふつう預金よきんにもペイオフが解禁かいきん（金融きんゆう機関きかんが破綻はたんした場合ばあい、預金よきん保険ほけんの対象たいしょうが一いち預金よきん者しゃにつき元本がんぽん1,000万まん円えんとその利息りそく分ぶんに限かぎられる）されたが、あわせて、決済けっさいサービス（振込ふりこみ金きんの受入うけいれ、自動じどう振替ふりかえ等とう）を提供ていきょうし、いつでも払はらい戻もどしが可能かのうで、かつ無利息むりそくである預金よきんを「決済けっさい用よう預金よきん」とし、これについては恒久こうきゅう的てきに全額ぜんがくを保護ほごすることが預金よきん保険ほけん法ほうで定さだめられた。決済けっさい用よう普通ふつう預金よきんはこの条件じょうけんを満みたす普通ふつう預金よきんとして取扱とりあつかいが開始かいしされた。

総合そうごう口座こうざの普通ふつう預金よきんも「決済けっさい用よう普通ふつう預金よきん」にできるが、その総合そうごう口座こうざの担保たんぽ定期ていき預金よきんなどは「決済けっさい用よう預金よきん」に該当がいとうせず、全額ぜんがく保護ほごの対象たいしょう外がいとなる。

当座とうざ預金よきん（当座とうざ勘定かんじょう、英えい: checking account）

一般いっぱんに預金よきん者しゃ（消費しょうひ者しゃ、事業じぎょう者しゃ、法人ほうじん）が手形てがたや小切手こぎっての支払しはらいを決済けっさいするための口座こうざで、日本にっぽんにおいては法令ほうれいにより、無利息むりそくと定さだめられている。また、開設かいせつ手数料てすうりょうを定さだめる（その逆ぎゃくも）金融きんゆう機関きかんもある。払はらい戻もど請求せいきゅうは原則げんそく、小切手こぎってまたは手形てがたで行おこなう。

預金よきん保険ほけん法ほうによる「決済けっさい用よう預金よきん」であり、預入よにゅうした金融きんゆう機関きかんが破綻はたんした場合ばあいも全額ぜんがく保護ほごされる。

口座こうざ開設かいせつには当座とうざ勘定かんじょうの契約けいやくが伴ともない、当該とうがい金融きんゆう機関きかんの審査しんさを経へることが必要ひつようである。これは、手形てがたや小切手こぎっては現金げんきん同様どうようの経済けいざい価値かちを持もつ証券しょうけんであり、振出ふりだし人じんにその決済けっさい責任せきにんを担にないうる経済けいざい的てきな信用しんようが求もとめられるからである。

一般いっぱん的てきに大手おおて優良ゆうりょう企業きぎょうが事業じぎょうに使用しようする当座とうざ勘定かんじょうであれば当該とうがい金融きんゆう機関きかんは、取引とりひき状じょう況きょうを審査しんさする事ことにより当座とうざ勘定かんじょう開設かいせつは可能かのうとされる。一方いっぽう、個人こじんでの開設かいせつは近年きんねんの日本にっぽんにおいては審査しんさが厳きびしく後述こうじゅつのマル専せん口座こうざなどの例外れいがいを除のぞきほぼ不可能ふかのうである。これは、小切手こぎっての発行はっこうにより当該とうがい金融きんゆう機関きかんに多おおくの事務じむ的てき労力ろうりょくを必要ひつようとする事情じじょうから経済けいざい的てきな信用しんようだけではなく特別とくべつな理由りゆうが無ない場合ばあいには発行はっこうを受うけ付つけないためでもあると同時どうじに、日本にっぽんにおいては資金しきん決済けっさいの手段しゅだんとしてクレジットカードの利用りよう・口座こうざ振替ふりかえ・口座こうざ振込ふりこみ・自動じどう引落など小切手こぎって・手形てがたを介かいする必要ひつようの無ない決済けっさい手段しゅだんが充実じゅうじつしている事ことによるものである。

預金よきん口座こうざの残高ざんだかを越こえる支払しはらい請求せいきゅうがあった場合ばあい、契約けいやくした極度きょくど額がくの範囲はんいで金融きんゆう機関きかんが不足ふそく額がくを貸かし付つけて支払しはらう契約けいやくを結むすべる（当座とうざ貸越かしこし）。また、借かり入いれしている金額きんがくがゼロになるまでの間あいだは当座とうざ貸越かしこし利息りそくが別途べっと発生はっせいする。預金よきん者しゃはあらかじめ、保証ほしょう契約けいやくを結むすぶか、他たの預金よきんや債券さいけん等とうを貸かし付つけの担保たんぽとして差さし入いれる。

このほか、消費しょうひ者しゃがカードローンや割賦かっぷ金きんの返済へんさいを行おこなうための専用せんよう口座こうざ（マル専せん口座こうざともいう）も、決済けっさい用ようの口座こうざである当座とうざ預金よきんとして開設かいせつされることがある。

金融きんゆう機関きかんにより、通帳つうちょうやキャッシュカードが発行はっこうされないケースもある。その場合ばあいは、入金にゅうきん帳ちょう(口座こうざ店てんでの窓口まどぐちで入金にゅうきんの際さいに使用しようする帳票ちょうひょう)や当座とうざ勘定かんじょう入金にゅうきん帳ちょう・入金にゅうきん専用せんよう通帳つうちょう(口座こうざ店てん以外いがいの店舗てんぽの窓口まどぐちや、ATMでの入金にゅうきんに対応たいおうした通帳つうちょうだが、出金しゅっきんの記録きろくや振込ふりこみ等とうの他ほかの方法ほうほうで入金にゅうきんがあった場合ばあいの記録きろくが表示ひょうじされない)を発行はっこうするケースもある。

貯蓄ちょちく預金よきん

残高ざんだかに基準きじゅん額がくを設もうけ、最終さいしゅう残高ざんだかが基準きじゅん額がくに達たっした日ひについて普通ふつう預金よきんより高たかい利率りりつを適用てきようする出だし入いれ自由じゆうの預金よきん。個人こじんのみが口座こうざ開設かいせつできる。振込ふりこみ口座こうざに指定していできるが、口座こうざ振替ふりかえや給与きゅうよ、年金ねんきん、配当はいとう金きん等とうの受取うけとりには指定していできない。その他たの商品しょうひん性せいは、おおむね普通ふつう預金よきんと同おなじである。一部いちぶの金融きんゆう機関きかんにおいては上記じょうきに加くわえ、下回したまわった日ひについて普通ふつう預金よきんよりも低ひくい金利きんりを適用てきようする、月つき毎ごとに無料むりょうで払戻はらいもどせる回数かいすうに制限せいげんを設もうけるなどの定さだめを置おいている。

1992年ねんの一斉いっせい発売はつばい開始かいし時じ、基準きじゅん額がくは20万まん円えん型がたと40万まん円えん型がたの2種類しゅるいだったが、金融きんゆう自由じゆう化かの進展しんてんにより多様たよう化かと集約しゅうやく化かとを経へた現在げんざいでは、おおむね10万まん円えんとなっている（ほかに20万まん円えんとする静岡銀行しずおかぎんこう、30万まん円えん型がたを併あわせて取扱とりあつかう一部いちぶの労働ろうどう金庫きんこ、50万まん円えんとする三井住友銀行みついすみともぎんこうなど）。

このほか、1か月げつ複利ふくりとする金融きんゆう機関きかん（みずほ銀行ぎんこう、三井住友銀行みついすみともぎんこうなど）、より有利ゆうりな2段階だんかい以上いじょうの基準きじゅん額がくを定さだめる金融きんゆう機関きかん、デビットカード取引とりひきのできる金融きんゆう機関きかん、その後ごの政府せいふのゼロ金利きんり政策せいさくを受うけ、基準きじゅん額がくごとの金利きんり階層かいそう差さをつけない利率りりつを提示ていじする金融きんゆう機関きかん（もしくは普通ふつう預金よきんと同おなじ利率りりつとする場合ばあいも多おおい）、新規しんき口座こうざ開設かいせつを中止ちゅうしする銀行ぎんこう（りそな銀行ぎんこう、三井住友銀行みついすみともぎんこうなど）もあるなど、事業じぎょう者しゃごとに特性とくせいの違ちがいが大おおきい商品しょうひんである。

JAバンクでも、貯蓄ちょちく貯金ちょきんとして扱あつかう組合くみあいがある（かつてのキャラクターであるちょきんぎょは、このプロモーションを行おこなうために当初とうしょは登場とうじょうしていた）。

ゆうちょ銀行ぎんこうにおいては、通常つうじょう貯蓄ちょちく貯金ちょきんが相当そうとうする商品しょうひんとなる（こちらも、通常つうじょう貯金ちょきん同様どうよう、振替ふりかえ口座こうざ機能きのうの有無うむで、振込ふりこみ受うけ入いれの可否かひが分わかれる。ただし、通帳つうちょう冊子さっしは通常つうじょう貯蓄ちょちく貯金ちょきん通帳つうちょうとされ、総合そうごう口座こうざ通帳つうちょうとは別べつのものが発行はっこうされる）。

新あらたな形態けいたいの銀行ぎんこうに分類ぶんるいされる銀行ぎんこうで開設かいせつ可能かのうな銀行ぎんこうはみんなの銀行ぎんこうのみ（普通ふつう預金よきん口座こうざに付帯ふたい）。

定期ていき預金よきん

満期まんき日びまたは据置すえおき期間きかんを設定せっていし、満期まんき日びまで、または据置すえおき期間きかん中ちゅうの払はらい戻もどをしない条件じょうけんで一定いっていの金額きんがくを預あづけ入いれる預金よきん。決済けっさいや手元てもと資金しきん管理かんりの基本きほんである普通ふつう預金よきんに対たいし、貯蓄ちょちくや中期ちゅうき運用うんようの基本きほんとなる預金よきん商品しょうひんである。金融きんゆう機関きかんにおいて、期間きかん内ない流動りゅうどうの少すくない資金しきんとして貸付かしつけや運用うんようが行おこなわれることに対応たいおうし、期間きかんに応おうじ普通ふつう預金よきんよりも高たかい利率りりつが付ふされる。戦前せんぜんの貯蓄ちょちく銀行ぎんこうでは据置すえおき貯金ちょきんと呼よばれていた。

商品しょうひん性せいの区別くべつとしては、次つぎの点てんが挙あげられる。

1. 預入よにゅう期間きかんの長短ちょうたん（1か月げつから10年ねん。一般いっぱんに長期ちょうきほど高利こうり率りつであるが、市場いちば金利きんり情勢じょうせいにより逆転ぎゃくてんもある）
2. 単利たんり、複利ふくりの別べつ
3. 預入よにゅう金額きんがくによる金利きんり階層かいそうの別べつ
4. 満期まんき日びのみの設定せってい型がたか、据置すえおき期間きかん設定せってい型がた（期日きじつ指定してい定期ていき預金よきん、6か月げつ据置すえおき型がた定期ていき預金よきん）か
5. 固定こてい金利きんり、変動へんどう金利きんりの別べつ
6. 自動じどう継続けいぞくの有無うむ
7. 運用うんようについての特約とくやくの有無うむ

中なかでもデリバティブを組くみ込こみ為替かわせや金利きんり変動へんどうに対応たいおうして払はらい戻もどし通貨つうかや満期まんき等とうが変かわるものを仕組しくみ預金よきんと呼よぶ。

積立つみたて預金よきん・積立つみたて定期ていき預金よきん

おおむね、定期ていき預金よきんを毎月まいつき（あるいは一定いっていの期間きかんごと）の一定いってい期日きじつに預入よにゅう（自動じどう振替ふりかえ）する契約けいやく。次つぎのような方式ほうしきがあり、金融きんゆう機関きかんごとに名称めいしょうが違ちがっている。

• 目標もくひょう日びを定さだめ、その日ひを満期まんき日びとする（満期まんき日びのそろった）定期ていき預金よきんを預入よにゅうの都度つど作成さくせいしていく方式ほうしき。
• 取とりまとめ日びを設もうけ、その日ひを満期まんき日びとする定期ていき預金よきんを預入よにゅうの都度つど作成さくせいし、取とりまとめ日びに、より高金利こうきんりの長期ちょうき、大口おおぐちの定期ていき預金よきんに取とりまとめる方式ほうしき。
• 自動じどう振替ふりかえにより、預入よにゅうの都度つど、期日きじつ指定してい定期ていき預金よきんを作成さくせいしていく方式ほうしき。

おもに消費しょうひ者しゃ向むけの商品しょうひんであるが、事業じぎょう者しゃ、法人ほうじん向むけに取とり扱あつかう金融きんゆう機関きかんもある。

定期ていき積せき金きん

顧客こきゃくが6か月げつから5年ねんまでの一定いっていの期間きかん、月つき毎ごとに掛金かけきんを払込はらいこみ、満期まんき日びに掛金かけきんに給付きゅうふ補ほてん金きん（利息りそく）を加くわえた給付きゅうふ金きんが支払しはらわれる契約けいやく。

1回かいの預入よにゅうが1件けん1件けん独立どくりつした定期ていき預金よきんとなる積立つみたて預金よきんや積立つみたて定期ていき預金よきんとは、制度せいど上うえ次じの点てんが異ことなる。

• 契約けいやく時じに必かならず月々つきづきの掛かけ込こみ額がくと満期まんきの給付きゅうふ額がく、掛かけ込こみ期間きかんが定さだめられる。設定せっていには毎月まいつきの希望きぼう掛かけ込こみ額がくから給付きゅうふ金きんを算出さんしゅつする方法ほうほう、逆ぎゃくに満期まんき時じの希望きぼう給付きゅうふ金きんから毎月まいつきの掛かけ込こみ額がくを算出さんしゅつする方法ほうほうのどちらも利用りようでき、このほか初回しょかい・特定とくてい月がつの掛かけ込こみを増額ぞうがくするなどの取とり扱あつかいもある。
• 1回かい目めから最後さいごの掛かけ込こみまでが一律いちりつの固定こてい利回りまわりとなる。期日きじつに先立さきだち掛かけ込こみが行おこなわれた場合ばあいの利息りそく（先払さきばらい割引わりびき金きん）は満期まんき日びに精算せいさんされ、掛かけ込こみが期日きじつに遅おくれた場合ばあいは満期まんき日びが繰く下さがる。
• 訪問ほうもん集金しゅうきんを前提ぜんていとした商品しょうひんであり、利回りまわりは定期ていき預金よきんより低ひくめとなっている。なお、店頭てんとう払はらえ、振替ふりかえ払はらいなども利用りようできる。
• 証書しょうしょや掛かけ込こみ帳ちょうは契約けいやくの都度つど、1契約けいやくにつき1冊さつが契約けいやく内容ないようを明示めいじして発行はっこうされる。

消費しょうひ者しゃ、事業じぎょう者しゃ、法人ほうじんが広ひろく募集ぼしゅう対象たいしょうとされる。特とくに信用金庫しんようきんこ、信用組合しんようくみあいの主力しゅりょく商品しょうひんである。不動ふどう貯蓄ちょちく銀行ぎんこうの牧野まきの元次もとつぐ郎ろうが考案こうあん。預金よきんと違ちがい双務そうむ的てきな契約けいやくであるが、預金よきんと同視どうしされる。

譲渡じょうと性せい預金よきん

他人たにんに譲渡じょうと可能かのうな定期ていき預金よきん。

通知つうち預金よきん

おおむね1週間しゅうかんから1か月げつ未満みまんの期間きかんの預あづけ入いれに適てきした預金よきん。通常つうじょう、7日間にちかんの据置すえおき期間きかんが定さだめられ、それ以降いこうの希望きぼう日びの2日にち前まえまでに予告よこく（通知つうち）して払はらい戻もどす。銀行ぎんこう間あいだ短期たんき資金しきん市場いちば等とうにおける運用うんように対応たいおうし、おおむね普通ふつう預金よきんと1か月げつ定期ていき預金よきんとの中間ちゅうかんの金利きんりが付ふされる。一般いっぱん的てきな通知つうち預金よきんは、制度せいどや金利きんり水準すいじゅん上じょう、法人ほうじんによるまとまった資金しきんの利用りようが多おおい。

三井住友銀行みついすみともぎんこう（旧きゅうさくら銀行ぎんこう）の「Can」は個人こじん向むけの通知つうち預金よきんであり、ATMおよびテレホンバンキング・インターネットバンキング（SMBCダイレクト）による口座こうざ開設かいせつ・預入よにゅう・解約かいやくが可能かのうな商品しょうひんだったが、2006年ねん3月がつに貯蓄ちょちく預金よきんと共ともに新規しんき口座こうざ開設かいせつを停止ていしした。

納税のうぜい準備じゅんび預金よきん

納税のうぜいに充あてる資金しきんを預あづけ入いれる預金よきん。納税のうぜい資金しきんの計画けいかく的てきな貯蓄ちょちく、および本ほん預金よきんからの口座こうざ振替ふりかえによる納税のうぜいを推奨すいしょうするため、預金よきん利息りそくは非課税ひかぜい。随時ずいじ預あづけ入いれが可能かのう。金融きんゆう機関きかんによっては現金げんきん自動じどう預あづけ払ばらい機き(ATM)での預あづけ入いれも対応たいおうしている。ただし、払はらえ戻もどは納税のうぜい時じに限かぎられる（金融きんゆう機関きかんによっては、納税のうぜい準備じゅんび預金よきん口座こうざを開設かいせつした取扱とりあつかい店てんでしか納税のうぜい資金しきんを引ひき出だせない場合ばあいもある）。

金融きんゆう機関きかんによっては、納税のうぜい準備じゅんび預金よきんの取扱とりあつかいを行おこなっていない場合ばあいもある。

自治体じちたいにより、例れいとして、国民こくみん健康けんこう保険ほけんの保険ほけん料りょうが税金ぜいきん扱あつかいになる場合ばあいとならない場合ばあいとがあるなど、納税のうぜい準備じゅんび預金よきんでの口座こうざ振替ふりかえによる納付のうふが可能かのうな場合ばあいと不可能ふかのうな場合ばあいとがある（金融きんゆう機関きかん窓口まどぐちでの納付のうふについては後述こうじゅつ）。

一方いっぽうで、入金にゅうきんのための利用りようであっても、通常つうじょうは、キャッシュカードの発行はっこうはできない。

全ぜん銀ぎんシステムに接続せつぞくされていない場合ばあいがほとんどであるため、振込ふりこみ入金にゅうきんは通常つうじょうでは不可能ふかのうだが、ごくまれに「その他た」に預金よきん科目かもくがある金融きんゆう機関きかんからの振込ふりこみができる場合ばあいもある。ただし、国税庁こくぜいちょうや自治体じちたい等とうからの還付かんぷ等ひとしがある場合ばあいは、納税のうぜい準備じゅんび預金よきんに入金にゅうきんできる場合ばあいもある。

納税のうぜい目的もくてき以外いがいの払はらい戻もどしをした場合ばあい、預金よきん利息りそくが20.315%（法人ほうじんの預金よきん者しゃは15.315%）の税率ぜいりつで課税かぜいされる。このため、例れいとして、上述じょうじゅつの国民こくみん健康けんこう保険ほけんの保険ほけん料りょうが税金ぜいきん扱あつかいとされない自治体じちたいの保険ほけん料りょうの決済けっさいに納税のうぜい準備じゅんび預金よきんの残高ざんだかを充当じゅうとうした場合ばあいは、利息りそくは課税かぜい扱あつかいとなる。

一般いっぱんの通帳つうちょうの見開みひらきページに表示ひょうじされる「印紙いんし税ぜい申告しんこく納付のうふにつき○○税務署ぜいむしょ承認しょうにん済ずみ」は、納税のうぜい準備じゅんび預金よきん通帳つうちょうに関かんしては、印紙いんし税法ぜいほう第だい5条じょうの但ただし書がきにある通帳つうちょうへの印紙いんし税ぜい課税かぜいに関かんする例外れいがい規定きていが適用てきようされるため、「租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほう第だい92条じょう該当がいとう通帳つうちょう」という表示ひょうじとなる。よって、金融きんゆう機関きかんに対たいする同どう通帳つうちょうへの印紙いんし税ぜいは非課税ひかぜいとなる。

別段べつだん預金よきん

銀行ぎんこう業務ぎょうむに該当がいとうしない預金よきん。雑ざつ預金よきんともいう。以下いかの物ものが該当がいとうする。

• 一時いちじ保管ほかん金きん（預金よきん者しゃの払出はらいだし指示しじ後ご、実際じっさいに受うけ取とるまでに営業えいぎょう日びをまたいだ場合ばあい等とう）
• 出資しゅっし振込ふりこみ資金しきん等とう
• 宝たからくじ当とうせん金きんの管理かんり口座こうざ（みずほ銀行ぎんこう）
• 永年えいねん使つかわれないため，休眠きゅうみん口座こうざになった顧客こきゃくの預金よきん。

非ひ居住きょじゅう者しゃ円えん預金よきん

日本にっぽんに居住きょじゅうしていない個人こじんや法人ほうじん向むけの円えん預金よきん。

外貨がいか預金よきん

円えん以外いがいの通貨つうかの預金よきん。

預金よきんの安全あんぜん確保かくほ（詐取さしゅ防止ぼうし）

預金よきん通帳つうちょうやキャッシュカードを盗難とうなんや亡失ぼうしつにより失うしなった場合ばあい、第三者だいさんしゃに不正ふせいな払ばらい戻もどが行おこなわれ詐取さしゅされるおそれがある（過誤かご払ばらい）。通帳つうちょうは印鑑いんかん照合しょうごうにより、またキャッシュカードの場合ばあいは暗証あんしょう番号ばんごう照合しょうごうにより預金よきん者しゃの真正しんせいを確たしかめるが、印影いんえいの電子でんし的てき複写ふくしゃによる偽造ぎぞうや暗証あんしょうの盗用とうよう等とう、さらにはキャッシュカードの磁気じきエンコードの盗ぬすめ取どによる偽造ぎぞう（スキミング）による被害ひがいが発生はっせいし、さまざまな対策たいさくが講こうじられるようになっている。

不正ふせいな払ばらい戻もどに対たいする銀行ぎんこう側がわの賠償ばいしょう責任せきにんについては、2005年ねん2月がつ28日にちに東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょで二ふたつの訴うったえに対たいして全まったく逆ぎゃくの判決はんけつが下くだった。1998年ねんに不正ふせい引ひき出だしに遭あった被害ひがい者しゃに対たいしては、「印影いんえいが一致いっちしていた」という理由りゆうで銀行ぎんこう側がわに賠償ばいしょう責任せきにんがないとしたが、2002年ねんに不正ふせい引ひき出だしに遭あった被害ひがい者しゃに対たいしては、「当時とうじは不正ふせい払はらえ戻もど事件じけんが多発たはつしており、伝票でんぴょうの氏名しめいに誤字ごじがあり、払はらえ戻もど額がくも高額こうがくだった」という理由りゆうで銀行ぎんこう側がわの賠償ばいしょう責任せきにんを認みとめた。2000年ねんまでに発生はっせいした事件じけんについては銀行ぎんこうに手落ておちがない限かぎり免責めんせきを認みとめたが、以後いごは犯罪はんざい技術ぎじゅつの向上こうじょうに鑑かんがみ、不審ふしんな事例じれいには印鑑いんかん照合しょうごう以外いがいに本人ほんにん確認かくにんの手段しゅだんを講こうじる責任せきにんを加重かじゅうする判断はんだんが出でている。

現在げんざい、不正ふせいな払ばらい戻もどから預金よきんを防衛ぼうえいするために、次つぎのような手段しゅだんが肝要かんようである。

• 通帳つうちょうと届出とどけでの印章いんしょうを同一どういつの場所ばしょに保管ほかんするのは避さける。
• 現在げんざい通帳つうちょうに副ふく印鑑いんかんの表示ひょうじがある場合ばあいには、取とり除のぞく（ゆうちょ銀行ぎんこうなどのように、副ふく印鑑いんかん票ひょうを外はずすのに窓口まどぐちでの手続てつづきが必要ひつような場合ばあいには利用りよう者しゃ自身じしんで取とり除のぞいてはいけない）。
• 特とくに、高額こうがくの預金よきん口座こうざや担保たんぽ預金よきんの預入よにゅうがある総合そうごう口座こうざでは、キャッシュカードやインターネット取引とりひきによる一いち日にち当あたり払はらえ戻もど限度げんど額がくを低ひくめに設定せっていする。欧州おうしゅうにおける限度げんど額がくに鑑かんがみれば、10万まん円えん程度ていどとなる（金融きんゆう庁ちょう海外かいがい調査ちょうさ報告ほうこく (PDF) ※より）。
• キャッシュカードには誕生たんじょう日び、住所じゅうしょ番地ばんち、電話でんわ番号ばんごう等とう、第三者だいさんしゃに推測すいそくされやすい暗証あんしょう番号ばんごうを用もちいない。
• 暗証あんしょう番号ばんごうを他者たしゃに告つげて払はらえ戻もどを依頼いらいすることは避さける。
• 暗証あんしょう番号ばんごうやパスワードをカード類るいに書かき留とめることは絶対ぜったいに避さける。またメモ書がきして保管ほかんすることもできるだけ避さける。
• 自動じどう機きによる払はらい戻もどを必要ひつようとしない預金よきん者しゃは、キャッシュカードの申込もうしこみを行おこなわない。
• 生体せいたい認証にんしょうサービスを利用りようする。
• おれおれ詐欺さぎ（振ふり込こめ詐欺さぎ）や架空かくう請求せいきゅう詐欺さぎの多発たはつを認識にんしきし、電話でんわ指示しじ等とうによる不用意ふよういな振込ふりこみは絶対ぜったいに行おこなわない。警察官けいさつかんが家族かぞくに対たいし示談じだん（和解わかい契約けいやく）の斡旋あっせん（あっせん）や和解わかい金きんの支払しはらい要請ようせいを行おこなうことはない（警察庁けいさつちょうウェブサイト～いわゆる「オレオレ詐欺さぎ（恐喝きょうかつ）」事件じけんにご注意ちゅうい!）。

取引とりひき開始かいし時じおよび取引とりひき開始かいし後ごの厳格げんかく化か

近年きんねんは、特殊とくしゅ詐欺さぎなど、犯罪はんざい目的もくてき・悪用あくよう目的もくてきに銀行ぎんこう口座こうざを開設かいせつする事例じれいが多おおくなっており、その影響えいきょうで、次第しだいに新規しんき口座こうざ開設かいせつの基準きじゅんが厳きびしくなってきている。

貯金ちょきんのケースについても、民営みんえい化か後ごに個人こじん名義めいぎでの通常つうじょう貯金ちょきんなどの通帳つうちょう冊数さっすうの制限せいげんがなくなったゆうちょ銀行ぎんこうについても、2012年ねん以降いこうは、相応そうおうの事情じじょうがない場合ばあいは、原則げんそく新規しんきの貯金ちょきん預入よにゅうは1科目かもく1冊さつまでとすることを明言めいげんしており、以降いこうは、流動りゅうどう性せい貯金ちょきんに関かんしては、通常つうじょう貯金ちょきん、通常つうじょう貯蓄ちょちく貯金ちょきん、振替ふりかえ口座こうざの各かく1取引とりひきに原則げんそく限定げんていされている。

また、暴力団ぼうりょくだんなど反はん社会しゃかい的てき勢力せいりょくによる資金しきん洗浄せんじょうに利用りようされる事ことを防ふせぐため、あるいは、貧困ひんこんビジネスに関連かんれんして、囲がこい屋やによる無料むりょう低額ていがく宿泊しゅくはく所しょへの入居にゅうきょ者しゃ名義めいぎの口座こうざを不正ふせい開設かいせつし、当該とうがい団体だんたいにより着服ちゃくふくされるのを防ふせぐ目的もくてきもあることから、犯罪はんざいによる収益しゅうえきの移転いてん防止ぼうしに関かんする法律ほうりつの改正かいせいにより、反はん社会しゃかい的てき勢力せいりょくではないことの表明ひょうめい・確約かくやくをしなければ口座こうざ開設かいせつできない。改正かいせい前まえからの取引とりひきについても、随時ずいじ、窓口まどぐちでの取引とりひきや他たの手続てつづきの際さいに、書面しょめんで確約かくやくや取引とりひき目的もくてきや職業しょくぎょうの申告しんこくを行おこなうことで確認かくにんを行おこなうケースもみられる。

既存きそんの暴力団ぼうりょくだん関係かんけい者しゃが開設かいせつした銀行ぎんこう口座こうざについては、2017年ねん7月がつ、暴力団ぼうりょくだん員いんによる不当ふとうな行為こういの防止ぼうし等とうに関かんする法律ほうりつの暴力団ぼうりょくだん排除はいじょ条項じょうこうに基もとづく解約かいやくを有効ゆうこうとした判決はんけつが最高裁判所さいこうさいばんしょで確定かくてい。読売新聞よみうりしんぶんの調査ちょうさによれば、2018年ねん5月がつまでに59行ぎょう約やく1300件けんの銀行ぎんこう口座こうざが解約かいやくされている。これらの口座こうざの中なかには、暴排条項じょうこうが適用てきようされる以前いぜんのものに対たいして遡及そきゅう適用てきようしたものも含ふくまれる。

更さらに、事務じむコスト・口座こうざ維持いじコストや名寄なよせなどの預金よきん管理かんり経費けいひの引ひき締しめ（特とくに世界せかい金融きんゆう危機きき (2007年ねん-)以降いこう）という要因よういんがあり、口座こうざ開設かいせつ時じの届出とどけで内容ないように虚偽きょぎ事項じこうがあることが判明はんめいした場合ばあい、または、口座こうざ開設かいせつ時じの提出ていしゅつ資料しりょうが真正しんせいでないことが判明はんめいしたとき、口座こうざ開設かいせつ申込もうしこみ時じに行いった表明ひょうめい・確約かくやくに関かんして虚偽きょぎ申告しんこくしたことが判明はんめいした場合ばあい、預金よきん口座こうざを解約かいやくされ、預金よきんを銀行ぎんこうから引ひき取とりにいかなければならなくなる。地方銀行ちほうぎんこうや第だい二に地方銀行ちほうぎんこうでは、営業えいぎょうエリア外がいの顧客こきゃくを対象たいしょうとして顧客こきゃく確保かくほを目的もくてきとしたインターネット上じょうの支店してんでさえも開設かいせつ渋しぶりが多おおくなっている。これに対たいして反はん社会しゃかい勢力せいりょくの中なかには名前なまえを変かえるために結婚けっこんと離婚りこんを繰くり返かえす者ものもいるという。

その他た、景気けいき低迷ていめいや信用しんよう不安ふあんによって引ひき起おこされた預金よきん減少げんしょうによる口座こうざ管理かんり経費けいひの問題もんだいから、りそな銀行ぎんこうが一定いってい期間きかん利用りようされていない口座こうざに対たいして管理かんり手数料てすうりょうを徴収ちょうしゅうしたり、大手おおて都市とし銀行ぎんこうやネット銀行ぎんこうでも優遇ゆうぐうプログラムの引ひき締しめ（例れいとして、時間じかん外がい手数料てすうりょうやコンビニATM手数料てすうりょうなどの毎月まいつきの無料むりょう回数かいすうの制限せいげん）など、新あらたな負担ふたんを強しいられる状況じょうきょうも発生はっせいしている。犯罪はんざい収益しゅうえき移転いてん防止ぼうし法ほうの策定さくてい以後いご、キャッシュカードは転送てんそう不要ふようの本人ほんにん限定げんてい受取うけとり郵便ゆうびん（特定とくてい事項じこう伝達でんたつ型がた）で届とどけられており、犯罪はんざい目的もくてきで口座こうざ開設かいせつをするのが大変たいへん困難こんなんな仕組しくみになっている。

なお、犯罪はんざい目的もくてきで口座こうざ開設かいせつした事ことが事後じご的てきに明あきらかになった場合ばあいは口座こうざ凍結とうけつ、財産ざいさん没収ぼっしゅうが可能かのうである。これについては、犯罪はんざい防止ぼうしには一定いっていの効果こうかが出でているとされているが、一方いっぽうで、犯罪はんざいとは無関係むかんけいの口座こうざが誤あやまって凍結とうけつされ、生活せいかつ費ひが引ひき出だせなくなったとの苦情くじょうが、預金保険機構よきんほけんきこうなどに多数たすう寄よせられている。凍結とうけつに際さいして第だい三さん社しゃが審査しんさするシステムが無ないことも問題もんだい視しされている。

預金よきんへの課税かぜい

日本にっぽんでは預金よきんの利子りし（金利きんり）には、原則げんそくとして、2013年ねん1月がつ以降いこうは一律いちりつ20.315%の税ぜい（所得しょとく税ぜい及および復興ふっこう特別とくべつ所得しょとく税ぜい15.315%、住民じゅうみん税ぜい5%）が源泉げんせん徴収ちょうしゅう等ひとしされている（源泉げんせん分離ぶんり課税かぜい）。但ただし、2016年ねん1月がつ以後いご法人ほうじんに対たいする住民じゅうみん税ぜい（利子りし割わり）は廃止はいしとなった。

なお、預金よきん者しゃが身体しんたい障害しょうがい者しゃ、遺族いぞく基礎きそ年金ねんきん等ひとしの受給じゅきゅう者しゃなど所定しょていの条件じょうけんを満みたす個人こじんの場合ばあい、少額しょうがく貯蓄ちょちく非課税ひかぜい制度せいど（マル優まるゆう）を利用りようすることによって、元本がんぽん350万まん円えんまでの利子りしを非課税ひかぜいにすることができる。また、財形ざいけい貯蓄ちょちくのうち財形ざいけい住宅じゅうたく貯蓄ちょちくと財形ざいけい年金ねんきん貯蓄ちょちくも、原則げんそくとして元利がんり550万まん円えんまでの利子りしなら非課税ひかぜいとされる。

国税こくぜい、都道府県とどうふけん税ぜい、市し(区く)町村ちょうそん税ぜいの納付のうふ資金しきんの預金よきんに用もちいられる納税のうぜい準備じゅんび預金よきんは、税金ぜいきん納付のうふの用途ようとで金融きんゆう機関きかん窓口まどぐちでの引出ないしは自動じどう引落による納付のうふを行おこなった場合ばあいに限かぎり、利子りしについては課税かぜいされない。法人ほうじんの預金よきん者しゃの場合ばあいは目的もくてき外がい引出ひきだしで課税かぜいになったとしても、法人ほうじん税ぜい上うえ所得しょとく税額ぜいがく控除こうじょの適用てきようにより非課税ひかぜいと同様どうような効果こうかが得えられる。

併あわせて、印紙いんし税法ぜいほう第だい5条じょうに規定きていされる預金よきん通帳つうちょうなどに対たいしてなされる課税かぜい文書ぶんしょに関かんする特例とくれいが適用てきようされ、これに伴ともなって、同どう科目かもくの通帳つうちょう冊子さっしに対たいしては租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほう第だい92条じょうの適用てきよう対象たいしょうとなるため、預金よきん利息りそくに対たいする所得しょとく税ぜいと住民じゅうみん税ぜいだけでなく、通帳つうちょうに対たいする印紙いんし税ぜいも非課税ひかぜいとなる。

さらに、当座とうざ預金よきんの利子りしのうち年利ねんり1％を超こえない部分ぶぶんも非課税ひかぜいとなっているが、臨時りんじ金利きんり調整ちょうせい法ほうという法律ほうりつにより利子りしを付つけることができないことになっている。

預金よきんに関かんする統計とうけい

主要しゅような統計とうけいには以下いかのものがある。

• 総務そうむ省しょう統計とうけい局きょく『家計調査かけいちょうさ』…一定いっていの統計とうけい上じょうの抽出ちゅうしゅつ方法ほうほうに基もとづき選定せんていされた全国ぜんこく約やく9,000世帯せたいの方々かたがたを対象たいしょうとして，家計かけいの収入しゅうにゅう・支出ししゅつ，貯蓄ちょちく・負債ふさいなどを毎月まいつき調査ちょうさ。
• 厚生こうせい労働省ろうどうしょう『国民こくみん生活せいかつ基礎きそ調査ちょうさ』…世帯せたいの所得しょとくなどについて。
• 金融きんゆう広報こうほう中央ちゅうおう委員いいん会かい『家計かけいの金融きんゆう行動こうどうに関かんする世論せろん調査ちょうさ』…「二に人にん以上いじょう世帯せたい」を「訪問ほうもんと郵送ゆうそうの複ふく合あい・選択せんたく式しきの調査ちょうさ」により、「単身たんしん世帯せたい」を「インターネットモニター調査ちょうさ」により、それぞれ別々べつべつに実施じっしし、公表こうひょう資料しりょうを掲載けいさい。

各種かくしゅ世帯せたいの貯蓄ちょちく分布ぶんぷ状じょう況きょう

総務そうむ省しょう統計とうけい局きょくから2018年ねん5月18日にちに発表はっぴょうされた『家計調査かけいちょうさ』2017年ねん調査ちょうさ、I 貯蓄ちょちくの状況じょうきょう>1 概況がいきょう>(2) 貯蓄ちょちく現在げんざい高だかが平均へいきん値ち（1,812万まん円えん）を下回したまわる世帯せたいが約やく3分ぶんの2を占しめるによると。

2人ふたり以上いじょうの世帯せたいについて貯蓄ちょちく現在げんざい高だか階級かいきゅう別べつの世帯せたい分布ぶんぷをみると、平均へいきん値ね（1,812万まん円えん）を下回したまわる世帯せたいが67.0％（前年ぜんねん67.7％）と約やく3分ぶんの2を占しめており，貯蓄ちょちく現在げんざい高だかの低ひくい階級かいきゅうに偏かたよった分布ぶんぷとなっている。

2人ふたり以上いじょうの世帯せたいでは、「100万まん円えん未満みまん」が10.0％で標準ひょうじゅん級きゅう間隔かんかく100万まん円えんでの最さい頻しき値ね、「100～200万まん円えん未満みまん」が5.3％、「200～300万まん円えん未満みまん」が5.2％、「300～400万まん円えん未満みまん」が4.6％、「400～500万まん円えん未満みまん」が4.6％、「500～600万まん円えん未満みまん」が4.1％、「600～700万まん円えん未満みまん」が4.3％、「700～800万まん円えん未満みまん」が3.7％、「800～900万まん円えん未満みまん」が3.5％、「900～1,000万まん円えん未満みまん」が3.1％、「1,000～1,200万まん円えん未満みまん」が5.6％で貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを含ふくめた中央ちゅうおう値ちと貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを除のぞいた中央ちゅうおう値ちを含ふくむ、「1,200～1,400万まん円えん未満みまん」が4.7％、「1,400～1,600万まん円えん未満みまん」が4.1％、「1,600～1,800万まん円えん未満みまん」が3.2％、「1,800～2,000万まん円えん未満みまん」が3.1％で平均へいきん値ちを含ふくむ、「2,000～2,500万まん円えん未満みまん」が6.3％、「2,500～3,000万まん円えん未満みまん」が5.0％、「3,000～4,000万まん円えん未満みまん」が6.9％、「4,000万まん円えん以上いじょう」が11.8％で階級かいきゅう間隔かんかく最さい頻しき値ねとなっている。

2人ふたり以上いじょうの世帯せたいで貯蓄ちょちく保有ほゆう世帯せたいの中央ちゅうおう値ち（所得しょとくを低ひくいものから高たかいものへと順じゅんに並ならべて2等分とうぶんする境界きょうかい値ち）は1,074万まん円えんであり、貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを含ふくめた中央ちゅうおう値ち（参考さんこう値ち）は1,016万まん円えん。平均へいきん値ち1,812万まん円えん、平均へいきん貯蓄ちょちく現在げんざい高たか以下いかの割合わりあいは67.0％（前年ぜんねん67.7％）となっている。

2人ふたり以上いじょうの世帯せたいのうち勤労きんろう者しゃ世帯せたいでは、「100万まん円えん未満みまん」が11.8％で標準ひょうじゅん級きゅう間隔かんかく100万まん円えんと階級かいきゅうごとの最さい頻しき値ね、「100～200万まん円えん未満みまん」が6.9％、「200～300万まん円えん未満みまん」が6.5％、「300～400万まん円えん未満みまん」が6.3％、「400～500万まん円えん未満みまん」が6.1％、「500～600万まん円えん未満みまん」が4.9％、「600～700万まん円えん未満みまん」が4.9％で、「700～800万まん円えん未満みまん」が4.4％で貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを含ふくめた中央ちゅうおう値ちと貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを除のぞいた中央ちゅうおう値ちを含ふくむ、「800～900万まん円えん未満みまん」が4.1％、「900～1,000万まん円えん未満みまん」が3.6％、「1,000～1,200万まん円えん未満みまん」が5.2％、「1,200～1,400万まん円えん未満みまん」が5.2％で平均へいきん値ちを含ふくむ、「1,400～1,600万まん円えん未満みまん」が4.0％、「1,600～1,800万まん円えん未満みまん」が2.7％、「1,800～2,000万まん円えん未満みまん」が3.1％、「2,000～2,500万まん円えん未満みまん」が5.3％、「2,500～3,000万まん円えん未満みまん」が3.9％、「3,000～4,000万まん円えん未満みまん」が4.4％、「4,000万まん円えん以上いじょう」が6.7％となっている。

2人ふたり以上いじょうの世帯せたいのうち勤労きんろう者しゃ世帯せたいで貯蓄ちょちく保有ほゆう世帯せたいの中央ちゅうおう値ちは792万まん円えんであり、貯蓄ちょちく「0」世帯せたいを含ふくめた中央ちゅうおう値ち（参考さんこう値ち）は743万まん円えん。平均へいきん値ち1,327万まん円えんとなっている。

※図ずI-1-3 貯蓄ちょちく現在げんざい高だか階級かいきゅう別べつ世帯せたい分布ぶんぷ－2017 年ねん－

日本銀行にっぽんぎんこう金融きんゆう広報こうほう中央ちゅうおう委員いいん会かい総務そうむ省しょう統計とうけい局きょくから発表はっぴょうされた『家計かけいの金融きんゆう行動こうどうに関かんする世論せろん調査ちょうさ』2017年ねん調査ちょうさ、「家計かけいの金融きんゆう行動こうどうに関かんする世論せろん調査ちょうさ」[二に人にん以上いじょう世帯せたい調査ちょうさ](2017年ねん) 、「家計かけいの金融きんゆう行動こうどうに関かんする世論せろん調査ちょうさ」[単身たんしん世帯せたい調査ちょうさ](2017年ねん)によると、「二に人にん以上いじょう世帯せたい」調査ちょうさ>【BOX1】平均へいきん値ちと中央ちゅうおう値ち。金融きんゆう資産しさん保有ほゆう額がくの平均へいきん値ちは1,151万まん円えんであったが、保有ほゆう世帯せたい（金額きんがく無む回答かいとうの249世帯せたいを除のぞく）が2,345世帯せたい、非ひ保有ほゆう世帯せたい（保有ほゆう額がく＝0万まん円えんとみなす）が1,177世帯せたいであり、全ぜん世帯せたい（金額きんがく無む回答かいとうの249世帯せたいを除のぞく3,522世帯せたい）のうち約やく7割わりが平均へいきん値ちよりも保有ほゆう額がくが少すくなくなった。金融きんゆう資産しさん保有ほゆう額がくの中央ちゅうおう値ちは380万まん円えんとなっている。

「単身たんしん世帯せたい」調査ちょうさ>【BOX2】平均へいきん値ちと中央ちゅうおう値ち。金融きんゆう資産しさん保有ほゆう額がくの平均へいきん値ちは942万まん円えんであったが、保有ほゆう世帯せたい（金額きんがく無む回答かいとうの22世帯せたいを除のぞく）が1,318世帯せたい、非ひ保有ほゆう世帯せたい（保有ほゆう額がく＝0万まん円えんとみなす）が1,160世帯せたいであり、全ぜん世帯せたい（金額きんがく無む回答かいとうの22世帯せたいを除のぞく2,478世帯せたい）のうち8割わり弱じゃくが平均へいきん値ちよりも保有ほゆう額がくが少すくなくなった。金融きんゆう資産しさん保有ほゆう額がくの中央ちゅうおう値ちは32万まん円えんとなっている。

アメリカの預金よきん制度せいど

取扱とりあつかい金融きんゆう機関きかん

預金よきん取扱とりあつかい金融きんゆう機関きかんには、商業しょうぎょう銀行ぎんこう（commercial bank）、 貯蓄ちょちく金融きんゆう機関きかん（savings association、thrift institution）、信用組合しんようくみあい（credit union）の3種しゅがある。そのほかにも、産業さんぎょう融資ゆうし会社かいしゃ（industrial loan company）や信託しんたく会社かいしゃ（trust company）もある。また、連邦れんぽう準備じゅんび銀行ぎんこうもまた加盟かめい金融きんゆう機関きかんからの預金よきんの受入うけいれを行おこなう。

預金よきん種類しゅるい

一般いっぱん的てきな預金よきん口座こうざの種類しゅるいを挙あげる。

当座とうざ預金よきん（checking account）

庶民しょみんから超ちょう巨きょ大だい企業きぎょうまで、決済けっさい及および生活せいかつ・営業えいぎょう資金しきんの主しゅたるプール手段しゅだんとして欠かかせず、個人こじんや小規模しょうきぼ企業きぎょうでは当座とうざ預金よきん口座こうざしか持もっていない場合ばあいも多おおい。無利息むりそく～低率ていりつの月つきごとの利息りそくが付つき、引出ひきだし・入金にゅうきんともに無む制限せいげん。伝統でんとう的てきに小切手こぎって決済けっさいを主体しゅたいとしており、個人こじん・企業きぎょうを問とわず運転うんてん免許めんきょ証しょうや市しの発行はっこうするビジネスライセンスと社会しゃかい保障ほしょう番号ばんごう（SSN）や納税のうぜい者しゃ番号ばんごう（TIA）を持参じさんすれば特とくに審査しんさなどなしで開設かいせつでき、その場ばで仮かりの小切手こぎって帳ちょうもくれる。口座こうざ開設かいせつ時じの最低さいてい入金にゅうきん額がくや、最低さいてい残高ざんだか（これを下回したまわるとその月つき度どに$5～10程度ていどの口座こうざ維持いじ料金りょうきんを課かする）を定さだめている銀行ぎんこうが多おおい。毎月まいつきの取引とりひきの履歴りれきを記録きろくした取引とりひき明細めいさい書しょ（bank statement）が翌月よくげつ、送おくられて来くる。

原則げんそく、当座とうざ貸越かしこしはせず、もし残高ざんだか以上いじょうの取立とりたて（小切手こぎってや手形てがた）があった場合ばあい一時いちじ的てきに残高ざんだかが負まけになるが、その営業えいぎょう日びの終了しゅうりょうまでに残高ざんだかが正まさにならなければ支払しはらい請求せいきゅう証券しょうけん（小切手こぎってや手形てがた）は不渡ふわたりとなり請求せいきゅう者しゃに返却へんきゃくされ一時いちじ的てきに引ひき出だされた資金しきんも戻もどされるが、残高ざんだか不足ふそく（overdraft）の罰金ばっきん（$30程度ていど）が当該とうがい口座こうざに課かされる。通常つうじょう、取立とりたて側がわも自分じぶんの銀行ぎんこうを通つうじて取とり立たてるが、不渡ふわたりになった証券しょうけんごとに取立とりたて者しゃ（口座こうざ保持ほじ者しゃ）から$10～30程度ていどの不渡ふわたり手数料てすうりょうが徴収ちょうしゅうされ、取立とりたて者しゃはこの手数料てすうりょうを最終さいしゅう的てきに証券しょうけんの振出ふりだし者しゃ（不渡ふわたりを生しょうじた側がわ）に負担ふたんを求もとめるので、資金しきん不足ふそくで不渡ふわたりを出だすと二に重じゅうの罰金ばっきん負担ふたんが生しょうじる。この罰金ばっきん負担ふたんとそれに関かかわる面倒めんどうを軽減けいげんする名目めいもくで、もし残高ざんだか不足ふそくが生しょうじると口座こうざ保有ほゆう者しゃの名義めいぎのその銀行ぎんこう傘下さんかのクレジットカードから自動的じどうてきに$100単位たんいで資金しきんを融通ゆうずうする「Overdraft Protection」契約けいやくもあるが、この融通ゆうずう資金しきんはキャッシングと同おなじ扱あつかいになり、クレジットカードの口座こうざにかなり高率こうりつの利息りそくが即座そくざに課かせられるだけでなく、やはり1回かい$30程度ていどの「取引とりひき手数料てすうりょう」が課かされる（取立とりたて側がわには無害むがい）。

普通ふつう預金よきん（savings account）

その名なのとおり「普通ふつう」と言いうより「貯蓄ちょちく」口座こうざであり、月つき単位たんいで利息りそくが付つく。小切手こぎっては使つかえない。ほとんどの場合ばあい、引出ひきだし頻度ひんどの制限せいげん（例たとえば月つき5回かいまで、限度げんどを超こえた引出ひきだしは例たとえば1回かい$15程度ていどの罰金ばっきんが課かせられる、入金にゅうきんは無む制限せいげん）があり、従したがって決済けっさいに用もちいられることは少すくない。口座こうざ開設かいせつ時じの最低さいてい入金にゅうきん額がくや、最低さいてい残高ざんだか（これを下回したまわるとその月つき度どに$5～10程度ていどの口座こうざ維持いじ料金りょうきんを課かする）を定さだめている銀行ぎんこうが多おおい。日本にっぽんと違ちがい「通帳つうちょう（Pass Book）」がないのが普通ふつうであり、代かわりに毎月まいつきの取引とりひき明細めいさい書しょが送おくられて来くる。

定期ていき預金よきん（time deposit）や譲渡じょうと性せい預金よきん（certificate of deposit; CD）

3か月げつ～5年ねん程度ていどの期間きかんの固定こてい利息りそくを約束やくそくする。最低さいてい資金しきん額がくや満期まんき前まえの引出ひきだし（解約かいやく）の違約いやく金きんがある。以前いぜんはその名なのとおり「預金よきん証書しょうしょ」を発行はっこうしていた。

付帯ふたいサービス

ATM

日本にっぽんと比くらべると簡素かんそな機能きのうのATMだが、多額たがくの現金げんきんを持もち歩あるく或あるいは決済けっさいに使用しようする習慣しゅうかんがないので現金げんきんの入にゅう出金しゅっきんは限定げんてい的てき（そもそも事故じこ防止ぼうしのために一いち日にちの引出ひきだし額がくが$200程度ていどの制限せいげんがあることが多おおい）で、代かわりに受取うけとり小切手こぎっての自動じどう入金にゅうきんなど日本にっぽんでは見みられない機能きのうを持もつ。

ATMは銀行ぎんこう店舗てんぽの外壁がいへきに設置せっちされることが多おおく（スーパーマーケット内ないなどにもある）、24時じ間あいだ使用しよう可能かのう（使用しよう時間じかんや曜日ようびによる手数料てすうりょうの有無うむ・多寡たかはないの普通ふつう）。

オンラインバンキング

紙かみの小切手こぎってと毎月まいつきの郵便ゆうびんによる取引とりひき明細めいさい書しょなど日本にっぽんから見みるとある意味いみ前ぜん近代きんだい的てきだったアメリカの消費しょうひ者しゃ向むけ銀行ぎんこうサービスは、21世紀せいきに入はいり経費けいひ節減せつげんを図はかる銀行ぎんこう側がわの事情じじょうが主体しゅたいとなってインターネットを使つかったオンライン化かが加速かそくされている。例たとえば、以前いぜんは毎月まいつき、無料むりょうで郵送ゆうそうされていた取引とりひき明細めいさい書しょは有料ゆうりょう（月つき$2～5）になり、ペーパーレスを推奨すいしょうというよりむしろ強制きょうせいしている。他方たほう、ITを使つかいこなす消費しょうひ者しゃ側がわの利便りべん性せいも向上こうじょうしており、例たとえばタブレットやスマートフォンなどでいつでも自分じぶんの預金よきん口座こうざにアクセスできることはもちろん、受うけ取とった小切手こぎってを銀行ぎんこうの店舗てんぽやATMのある場所ばしょに持参じさんせずともモバイルデバイスのカメラで写うつした小切手こぎっての映像えいぞうを専用せんようアプリで送信そうしんして取立とりたてにまわせるなどの機能きのう拡大かくだいが続つづいている。

公共こうきょう料金りょうきん（光熱こうねつ費ひ）、クレジットカード、家賃やちんの支払しはらいなども紙かみの小切手こぎっての郵送ゆうそうから銀行ぎんこう間あいだの直接ちょくせつ振替ふりかえによる支払しはらいにシフトしているが、20世紀せいきまでの銀行ぎんこう間あいだ直接ちょくせつ振替ふりかえによる支払しはらいシステムが未み成熟せいじゅくで少すくなからぬ事故じこが発生はっせいした記憶きおくからか、日本にっぽんのような請求せいきゅう金額きんがくの「自動じどう振替ふりかえ」ではなく、請求せいきゅう金額きんがくを消費しょうひ者しゃが確認かくにんして請求せいきゅう全額ぜんがく、最低さいてい支払しはらい額がく、或あるいは任意にんいの支払しはらい額がくのいずれかを明示めいじ的てきに指定していして振ふり替かえるやり方かたが主流しゅりゅうである。また「振替ふりかえ」とは言いっても支払しはらい者しゃと受取うけとり者しゃの銀行ぎんこう口座こうざ間あいだの直接ちょくせつ送金そうきんとは限かぎらず、実際じっさいには受取うけとり者しゃには銀行ぎんこうから小切手こぎってが郵送ゆうそうされることもある（特とくに受取うけとり者しゃが支払しはらい者しゃと同おなじ銀行ぎんこうに口座こうざを持もたない場合ばあい）。

ロックボックス

オンラインバンキングによる支払しはらいが急速きゅうそくに普及ふきゅうしているとは言いえ、従来じゅうらいの紙かみの小切手こぎっての郵送ゆうそうによる支払しはらいも、特とくに高齢こうれい者しゃや低てい所得しょとく者しゃなどのデジタルデバイドの敗者はいしゃを中心ちゅうしんに健在けんざいであり、例たとえば電力でんりょく会社かいしゃなどには毎月まいつき大量たいりょうの小切手こぎってが郵送ゆうそうされて来くる。ロックボックス（lockbox）サービスは銀行ぎんこうがこの支払しはらい処理しょりをアウトソーシングするもので、通常つうじょう、契約けいやく銀行ぎんこう支店してん近ちかくの郵便ゆうびん局きょくの私書箱ししょばこを小切手こぎっての指定してい郵送ゆうそう先さきとして、銀行ぎんこうが一いち日にち数すう回かいから十じゅう数すう回かい当該とうがい私書箱ししょばこから送金そうきん封筒ふうとうを回収かいしゅうして顧客こきゃく（消費しょうひ者しゃ側がわ）口座こうざと照合しょうごう後ご、会社かいしゃの当座とうざ預金よきん口座こうざに直接ちょくせつ入金にゅうきんし、入金にゅうきん処理しょりを引ひき受うけることにより、利用りよう会社かいしゃ側がわは支払しはらい小切手こぎっての受取うけとり・保管ほかん・入金にゅうきんの手間てまが省はぶけ、また小切手こぎっての紛失ふんしつや横領おうりょうなどの事故じこが防ふせげるというもの。処理しょり効率こうりつ化かのために機械きかい読取よみとり可能かのうな支払しはらいスリップを使つかうなど一定いっていのマスメリットが見込みこめる利用りよう者しゃ（公共こうきょう料金りょうきん、銀行ぎんこう、クレジットカード、大だい規模きぼアパート）などに利用りようが事実じじつ上じょう限かぎられる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 杉浦すぎうら宣彦のぶひこ、『海外かいがい調査ちょうさ報告ほうこく―預金よきん者しゃへの保障ほしょうのあり方かたと偽造ぎぞう予防よぼう策さくについて―』、金融きんゆう庁ちょう総務そうむ企画きかく局きょく、2005年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 根抵当ねていとう権けん
• 郵便ゆうびん貯金ちょきん
• 投資とうし信託しんたく
• ペイオフ
• 預金よきん保険ほけん
• 預金よきん通帳つうちょう
• 預金よきん封鎖ふうさ
• 現金げんきん預金よきん
• タンス預金よきん
• 取とり付つけ騒さわぎ
• 休眠きゅうみん口座こうざ
• 口座こうざ維持いじ手数料てすうりょう
• コア預金よきん
• 賃金ちんぎん
• 簿記ぼき検定けんてい
• 会計かいけい帳簿ちょうぼ
• 財務省ざいむしょう
• 国税庁こくぜいちょう

外部がいぶリンク

• 預金よきん口座こうざ等とうの不正ふせい利用りよう防止ぼうし法ほうの施行しこうについて（金融きんゆう庁ちょう）
• 犯罪はんざい収益しゅうえき移転いてん防止ぼうし法ほう 施行しこう令れい、規則きそく（警察庁けいさつちょう）
• 犯罪はんざいによる収益しゅうえきの移転いてん防止ぼうしに関かんする法律ほうりつ（総務そうむ省しょう）
• 統計とうけい局きょくホームページ/家計調査かけいちょうさ（統計とうけい局きょく）
• 国民こくみん生活せいかつ基礎きそ調査ちょうさ｜厚生こうせい労働省ろうどうしょう（厚生こうせい労働省ろうどうしょう）
• オンライン支払しはらい方法ほうほう
• 家計かけいの金融きんゆう行動こうどうに関かんする世論せろん調査ちょうさ ： 知しるぽると（金融きんゆう広報こうほう中央ちゅうおう委員いいん会かい）