(Translated by https://www.hiragana.jp/)
無声歯茎破擦音 - Wikipedia コンテンツにスキップ

無声むせい歯茎はぐきやぶおと

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

無声むせい歯茎はぐきやぶおと(むせい・しけい・はさつおん、えい: Voiceless alveolar affricate)は、舌尖ぜっせんあるいは舌端ぜったんのすぐうしろの歯槽しそうつつみ歯肉はにくせん)にたいして使つかって発音はつおんされるやぶおと一種いっしゅである。この用語ようご単一たんいつおとではなく、おとのクラスをしている。知覚ちかくてき顕著けんちょがあるいくつかの種類しゅるい存在そんざいする。

この記事きじではまえの2つについてろんじる。

日本語にほんごの「」の子音しいんである。舌端ぜったんうえ歯茎はぐきにあてたあと、いきしながらしたはなし、その瞬間しゅんかんにできる舌先したさき歯茎はぐきあいだにできるすきいき摩擦まさつしょうじさせることによるやぶおと無声音むせいおん

無声むせい歯茎はぐきこすやぶおと

[編集へんしゅう]
無声むせい歯茎はぐきこすやぶおと
ts
IPA番号ばんごう 103 132
エンコーディング
エンティティ (decimal) ʦ
Unicode (hex) U+02A6
X-SAMPA ts
音声おんせいサンプル
noicon

無声むせい歯茎はぐきこすやぶおとは、一部いちぶ音声おんせい言語げんご使つかわれる子音しいん一種いっしゅである。このおと国際こくさい音声おんせい記号きごうにおいて、⟨t͡s⟩ または ⟨t͜s⟩ を使つかって転写てんしゃされる(以前いぜんは t と s のごうʦ⟩ または ⟨ƾ⟩ を使つかっていた)。無声むせい歯茎はぐきやぶおとは、ドイツカシミールパシュトーロシアポーランドセルビア・クロアチアといったそのほとんどのスラブといったおおくのインド・ヨーロッパ語族ごぞく存在そんざいし、ジョージア日本語にほんご官話かんわ広東かんとんなどそのおおくの言語げんごにも存在そんざいする。エスペラントイドインターリングアといった一部いちぶ国際こくさい補助ほじょもこのおとふくむ。

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

無声むせい歯茎はぐきこすやぶおと特徴とくちょう:

  • 調音ちょうおん方法ほうほうこす摩擦まさつであり、これはまず完全かんぜん気流きりゅうめて、つぎした使つかって気流きりゅうするどえんかわせて高周波こうしゅうはすうらんりゅうしょうじさせることによってされることを意味いみする。
  • このやぶおと閉鎖へいさ要素ようそ舌端ぜったん歯茎はぐきであり、これは歯槽しそうつつみ位置いち舌端ぜったん使つかって調音ちょうおんされることを意味いみする。簡潔かんけつにするため、このやぶおとこすやぶおと要素ようそから通常つうじょう名前なまえけられる。
  • 摩擦まさつ要素ようそにはすくなくとも3つの特異とくいてき変種へんしゅ存在そんざいする:
    • 歯音しおんした舌端ぜったん歯茎はぐき—(通常つうじょう "" とばれる)。これは、上前うわまえ非常ひじょう接近せっきんした舌端ぜったん使つかい、舌尖ぜっせん下前したまえうしろにかれた状態じょうたい調音ちょうおんされることを意味いみする。この[s]変種へんしゅにおけるスーおん(hissing)効果こうか非常ひじょうつよ[1]
    • 後方こうほうしていない歯茎はぐき—。これは、歯槽しそうつつみ位置いち舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったん使つかって調音ちょうおんされることを意味いみする。
    • 後方こうほうした歯茎はぐき—。これは、歯槽しそうつつみのわずかに後方こうほう舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったん使つかって調音ちょうおんされることを意味いみする。音響おんきょう学的がくてきには、[ʃ] または舌端ぜったんおん [ʂ]ちかい。
  • 発声はっせい無声むせいであり、これは声帯せいたい振動しんどうともなわずにされることを意味いみする。いくつかの言語げんごでは、声帯せいたい積極せっきょくてき分離ぶんりしているため、つね無声むせいである。言語げんごでは声帯せいたいゆるんでいるため、隣接りんせつするおと影響えいきょうによりゆうごえすることがある。
  • くちおんであり、これは空気くうきくちだけからけることができることを意味いみする。
  • ちゅうせんおんであり、これはした側面そくめんではなく、中央ちゅうおう沿って気流きりゅうみちびくことによってされることを意味いみする。
  • 気流きりゅう機構きこう肺臓はいぞうてきであり、これは、ほとんどのおと同様どうように、はい横隔膜おうかくまくだけで空気くうきすことによって調音ちょうおんされることを意味いみする。

無声むせい歯茎はぐきこすやぶおと

[編集へんしゅう]
無声むせい歯茎はぐきこすやぶおと
tɹ̝̊
tθしーた̠
tθしーた͇

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]
  • 調音ちょうおん方法ほうほうやぶであり、これははじめに気流きりゅう完全かんぜんさまたげ、つぎ調音ちょうおん位置いち狭窄きょうさくされたりゅうとおって空気くうきながれることができるようにする(これによってらんりゅうしょうじる)ことでされることを意味いみする。
  • 調音ちょうおん部位ぶい歯茎はぐきであり、これは舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったんのいずれかを使つかって歯槽しそうつつみ歯茎はぐき)の位置いち調音ちょうおんされることを意味いみする(それぞれ、「舌尖ぜっせん- 」および「舌端ぜったん- 」とばれる)。
  • 発声はっせい無声むせいであり、これは声帯せいたい振動しんどうともなわずにされることを意味いみする。いくつかの言語げんごでは、声帯せいたい積極せっきょくてき分離ぶんりしているため、つね無声むせいである。言語げんごでは声帯せいたいゆるんでいるため、隣接りんせつするおと影響えいきょうによりゆうごえすることがある。
  • くちおんであり、これは空気くうきくちだけからけることができることを意味いみする。
  • ちゅうせんおんであり、これはした側面そくめんではなく、中央ちゅうおう沿って気流きりゅうみちびくことによってされることを意味いみする。
  • 気流きりゅう機構きこう肺臓はいぞうてきであり、これは、ほとんどのおと同様どうように、はい横隔膜おうかくまくだけで空気くうきすことによって調音ちょうおんされることを意味いみする。

存在そんざい

[編集へんしゅう]
言語げんご 単語たんご IPA 意味いみ 注記ちゅうき
英語えいご 一般いっぱん米語べいご[2] tree [tɹ̝̊ʷɪi̯] '' つよぜいのある、音節おんせつ開始かいし配列はいれつ /tr/音声おんせいてき実現じつげん; より一般いっぱんてきには後部こうぶ歯茎はぐきおん [t̠ɹ̠̊˔][2]
容認ようにん発音はつおん[2]
イタリア シチリア[3] straniero [stɹ̝̊äˈnjɛɾo] '外国がいこくの' 舌尖ぜっせんおん配列はいれつ /tr/地域ちいきてきげん実態じったいわりに配列はいれつ [tɹ̝̊] または [tɹ̝] かもしれない[4]

言語げんごれい

[編集へんしゅう]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ Puppel, Nawrocka-Fisiak & Krassowska (1977:149), cited in Ladefoged & Maddieson (1996:154)
  2. ^ a b c Gimson (2014), pp. 177, 186–188, 192.
  3. ^ Canepari (1992), p. 64.
  4. ^ Canepari (1992), pp. 64–65.

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]