つ

平仮名ひらがな
文字もじ	つ
字源じげん	州しゅうの草くさ書体しょたい
JIS X 0213	1-4-36
Unicode	U+3064
片仮名かたかな
文字もじ	ツ
字源じげん	州しゅうの省略形しょうりゃくけい
JIS X 0213	1-5-36
Unicode	U+30C4
言語げんご
言語げんご	ja, ain
ロろーマ字まじ
ヘボン式しき	TSU
訓令くんれい式しき	TU
JIS X 4063	tu, tsu
アイヌ語ご	ZTU, TSU
発音はつおん
IPA	t͡sɯ̹̈
種別しゅべつ
音おと	清音せいおん

つ、ツは、仮名かめいの1つである。1モーラを形成けいせいする。五十音ごじゅうおん図ずにおいて第だい4行ぎょう第だい3段だん（た行こうう段だん）に位置いちする。日本語にほんごの音節おんせつの1つであり、清音せいおんの他ほか、濁音だくおん（づ、ヅ）を持もつ。または、促音そくおんの表記ひょうきに用もちいられ、この場合ばあいには一般いっぱんに「っ」「ッ」のように小ちいさく書かかれる。促音そくおんは単独たんどくで音節おんせつを構成こうせいしない。

概要がいよう

「つ」の筆順ひつじゅん

「ツ」の筆順ひつじゅん

• 現代げんだい標準ひょうじゅん語ごの音韻おんいん:
  1. 1子音しいんと1母音ぼいん「う」から成なる音おと。子音しいんは、次つぎの通とおり。
     • 清音せいおん 「つ」: 舌したを上うえ歯茎はぐきに付つけて、離はなすときに、狭せまい隙間すきまを作つくって摩擦まさつした音おとを出だす無声むせい歯茎はぐき破やぶ擦ず音おと。
     • 濁音だくおん 「づ」: 語頭ごとうや促音そくおん・撥音はつおんの後のちにおいては舌したを上うえ歯茎はぐきに付つけて、離はなすときに、狭せまい隙間すきまを作つくって摩擦まさつした音おとを出だす有ゆう声ごえ歯茎はぐき破やぶ擦ず音おと。語かたり中ちゅうでは舌したの先さきを上うえ歯茎はぐきに付つけずに近付ちかづけて、隙間すきまから声こえを摩擦まさつさせて通とおすときに出でる有ゆう声ごえ歯茎はぐき摩擦音まさつおん、すなわち「す」の子音しいんの有声音ゆうせいおんである。それら2つの「づ」の発音はつおんは、一般いっぱんに日本語にほんごの話者わしゃにはほとんどき分きわけられず、意味いみ上じょうの差異さいはない。「づ」は「ず」と同おなじ発音はつおんであり、現代げんだい標準ひょうじゅん語ごでは「づ」と「ず」を音おとの上うえで区別くべつしない（四よっつ仮名がな）。現代げんだい仮名遣かなづかいでは、一部いちぶの例外れいがいを除のぞいて「づ」で書かかれてきたものを全すべて「ず」で書かく。
  2. 促音そくおん「っ」：普通ふつうは次つぎの音おとの子音しいんの構かまえで1モーラをなすもの。例たとえば破裂はれつ音おんや破やぶ擦ず音おとであれば閉鎖へいさが持続じぞくされたままの状態じょうたいであり、摩擦音まさつおんであれば隙間すきまが形成けいせいされたまま摩擦まさつが持続じぞくした状態じょうたいである。つまり、長子ちょうし音おんの前半ぜんはん部分ぶぶんを1つの音おとの単位たんい、モーラとして切きり取とったものである。音おとが続つづかない場合ばあいには、前まえの母音ぼいんの構かまえ、またはそれから口くちをいくらか閉とじた形かたちで息いきを止とめる。
• 五十音ごじゅうおん順じゅん: 第だい18位い。
• いろは順じゅん: 第だい19位い。「そ」の次つぎ。「ね」の前まえ。
• 平仮名ひらがな「つ」の字形じけい: 「州しゅう」または「川かわ」の草体そうたい、略体りゃくたいからと考かんがえられる
• 片仮名かたかな「ツ」の字形じけい: 「州しゅう」の略体りゃくたいまたは「川かわ」からと考かんがえられる
• ロろーマ字まじ
  • つ: tsu 。訓令くんれい式しきおよびコンピューターのロろーマ字まじ入力にゅうりょくでは tu
  • づ: zu。訓令くんれい式しきおよびコンピュータのロろーマ字まじ入力にゅうりょくではduおよび改造かいぞう候補こうほ
  • っ: 後続こうぞくの子音しいん字じを重かさねて書かく。ただし、cが後続こうぞくする場合ばあいには、tcとすることがある。子音しいん字じが後続こうぞくしない場合ばあいの書かき方かたは原則げんそくないが「あっ」など強調きょうちょうする場合ばあいなどはある。その場合ばあい、コンピュータではxtu, xtsuなどと入力にゅうりょくされる

    例れい：あった = atta、あっち = atti / atchi / acchi

• 点字てんじ:
  • つ:

    

  • っ:

    

• 通話つうわ表ひょう: 「つるかめのツ」
• モールス信号しんごう: ・－－・
• 手旗てばた信号しんごう：12→3

• 発音はつおん: つ

つ に関かかわる諸しょ事項じこう

• 「つ」は破やぶ擦ず音おとであるため、「ち」と共ともにタ行ぎょうの他ほかの音おととの子音しいんの差さが大おおきいといえる。「た」「て」「と」に近ちかい子音しいんで発音はつおんするとすれば破裂はれつ音おん [tu] になるが、純粋じゅんすいな日本語にほんごにはもはや存在そんざいしない音おとであり、対応たいおうする仮名かめいもないが、外来がいらい語ご等とうの表現ひょうげんとしては用もちいられる。この場合ばあい、「とぅ」「トゥ」と表記ひょうきされることが多おおい。
• 上代じょうだいの「つ」は舌先したさきの破裂はれつ音おんを子音しいんとする [tu]であったと考かんがえられるが、室町むろまち時代ときよ末すえには摩擦音まさつおんを伴ともなう [tsu] に転てんじていた。現在げんざいもごく一部いちぶの方言ほうげんに [tu] の発音はつおんが残のこる。
• 上代じょうだいに「つ」は格かく助詞じょしとして用もちいられ、現代げんだいにもまつげや天てんつ神かみ・国くにつ神しんといった複合語ふくごうごの一部いちぶとして残のこる。つ (格かく助詞じょし)も参照さんしょう。
• 主おもに外来がいらい語ごに当あてはめるために、あ行くだりの文字もじを後続こうぞくさせて、つの子音しいん[ts]と他たの母音ぼいんをあわせた音おとを表あらわす。このとき、後続こうぞくするあ行くだりの文字もじは拗音ようおん同様どうよう、一般いっぱんに小ちいさく書かく。例れい：ツァラトストラ、ツェルニー、カンツォーネ、エリツィン等ひとし。例外れいがいとして、「おとっつぁん」など日本語にほんごでの用法ようほうもある。
• 「つ」は1から9までの漠然ばくぜんとした助数詞じょすうしとして用もちいられる。
• かなで日本にっぽん最短さいたんとなる駅えきの名なは「津つ（つ、Tsu）」である。
• 日本にっぽん式しきの天気てんき記号きごうでは「ツヨシ（強つよし）」の略りゃくとして、雨あめ強つよし、雪ゆき強つよし、雷かみなり強つよしの3つに用もちいられる。
• ㋡（ツを○で囲かこんだもの、マルツ）は、郵便ゆうびんにおいて不在ふざいのために局きょくに持もち帰かえって留置りゅうちされる郵便ゆうびん物ぶつの意味いみで用もちいられる。不在ふざい「通知つうち」のツ。
• 同おなじく「㋡」あるいは「ツ」は、Unicode（ユニコード）に対応たいおうした海外かいがいのチャットでしばしばスマイリーとして使つかわれる。この場合ばあい、1、2画かく目めが両目りょうめ、3画かく目めが微笑ほほえんだ口元くちもとを表あらわしている。「¯\_(ツ)_/¯」は肩かたをすくめたポーズを表あらわす。
• 横書よこがきの電子でんし掲示板けいじばんやTwitter上うえでは、その右側みぎがわの何なにかを差さし出だすなどの動作どうさをしている手ての形かたちを「つ」の一文字ひともじで表現ひょうげんすることがある。例たとえば、「つ お茶ちゃ」の文字もじで、お茶ちゃを差さし出だす手てを意味いみする。この場合ばあいの「つ」は、欧米おうべいで「㋡」がスマイリーを表現ひょうげんする場合ばあいと同様どうように、文字もじの意味いみと関係かんけいがないアスキーアートの用法ようほうである。

関連かんれん項目こうもく

• っ
• づ
• ツ゜
• 四よっつ仮名がな
• ツ部ぶ
• Wikipedia:索引さくいん つ