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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
平仮名ひらがな
文字もじ
字源じげん ころもくさ書体しょたい
JIS X 0213 1-4-8
Unicode U+3048
片仮名かたかな
文字もじ
字源じげん こうつくり
JIS X 0213 1-5-8
Unicode U+30A8
言語げんご
言語げんご ja, ain
マ字まじ
ヘボンしき E
訓令くんれいしき E
JIS X 4063 e
アイヌ E
発音はつおん
IPA
種別しゅべつ
おと 清音せいおん

は、日本語にほんご音節おんせつの1つであり、仮名かめいの1つである。1モーラ形成けいせいする。五十音ごじゅうおんにおいてだい1ぎょうだい4だんくだりだん)に位置いちする。現代げんだい仮名遣かなづかいではだい8ぎょうだい4だんくだりだん)を空欄くうらんとしない場合ばあい、そこにさいする[1]現代げんだい仮名遣かなづかいで使用しようしないだい10ぎょうだい4だんくだりだん)のえられることがあり、その場合ばあいそこにもさいする。

概要がいよう

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「え」の筆順ひつじゅん
「エ」の筆順ひつじゅん

発音はつおん歴史れきし

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現在げんざい五十音ごじゅうおんで、くだりくだりくだりだんにはいずれも「え」がかれているが、ふるくは「e」「ye」「we」が区別くべつされており、万葉仮名まんようがな初期しょき平仮名ひらがな[4]片仮名かたかな[5][6]では区別くべつされていた。また「あめつちのうた」に「え」が2かい登場とうじょうするのも「e」と「ye」を区別くべつしていた可能かのうせいがある[7]

10世紀せいき中頃なかごろに「e」と「ye」の区別くべつ消滅しょうめつし、ともに「ye」と発音はつおんした[8]。また、10世紀せいきまつにはかたりちゅうの「へ」がくだりの「ゑ」に変化へんかした(ぎょうてんよびおん[9]。11世紀せいき以降いこう「え」と「ゑ」の区別くべつうしなわれていき、13世紀せいき以降いこう完全かんぜん区別くべつがなくなり、おなじく「ye」と発音はつおんした[10]

江戸えど時代じだい以降いこう発音はつおんが「ye」から「e」に変化へんかした。しかし規範きはんてきには「ye」がただしいとするかんがえは相当そうとうおそくまでのこったようであり、19世紀せいきくだりさとし悉曇しったんしゃく』(1815ねん)や中野なかのやなぎのこきょう大槻おおつき玄幹げんかん西にしおんはつほろ』(1826ねん)でもまだ「ye」としている[11]

初期しょき平仮名ひらがな片仮名かたかなにおけるけのれい
e ye we
平仮名ひらがな 𛀁
片仮名かたかな 𛀀

くだりの「え」の仮名かめい

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発音はつおんこうべたように、くだりくだりの「え」は10世紀せいき前半ぜんはんまで発音はつおん区別くべつがあったが、現在げんざい区別くべつされない。江戸えど時代じだい両者りょうしゃ古代こだいことなるおとだったという研究けんきゅうこり、白井しらいひろしかげ音韻おんいんかり用例ようれい』(1860年刊ねんかん)ではあたらしい仮名かめい創作そうさくしてきわけている[12]。このようなきわけは明治めいじ初年しょねん五十音ごじゅうおんまでがれた。その明治めいじ20年代ねんだいまで文典ぶんてんるいでは両者りょうしゃきわけることがあった[13]

え にかかわるしょ事項じこう

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  • 外来がいらいの「イェ」は「エ」と表記ひょうきすることがおおい:エルサレム(イェルサレム)、エリツィン(イェリツィン)など。
    • ぎゃく日本語にほんごの「え」をマ字まじでyeと表記ひょうきすることもある(えんYen、恵比寿えびすYebisuなど)。これは、発音はつおんこうにある「規範きはんてきには『ye』がただしいとするかんがえは相当そうとうおそくまでのこった」ことに由来ゆらいするものがほとんどである。
  • 現代げんだい仮名遣かなづかで「え」とかれるものは、歴史れきしてき仮名遣かなづかでは「え」、「」およびちゅうの「へ」のさん種類しゅるいがある。ただし、助詞じょしの「」は現代げんだい仮名遣かなづかいでも「へ」とく。
  • だんのあとに「」がかれた場合ばあいには、えだん長音ちょうおん発音はつおんすることがおおい。『現代げんだい仮名遣かなづかい』では「えい」について、『エれつ長音ちょうおんとして発音はつおんされるか,エイ,ケイなどのように発音はつおんされるかにかかわらず,エれつ仮名かめいに「い」をえてく』としるしている。
    • れい:「成形せいけい」=せいけい→セーケー、「先生せんせい」 =せんせい→センセー
    • ただし、これについては地方ちほう個人こじんおおきく、普段ふだん「エー」と発音はつおんするひとでも、ゆっくりした発音はつおんでは「エイ」となりがちである。さかなエイ長音ちょうおんにならないことがおおい。楽曲がっきょくではえだんのあとに「い」がかれた場合ばあいはほとんど「い」と発音はつおんされる。
  • 現代げんだい仮名遣かなづかいではえだん長音ちょうおんは「え」とき、例外れいがいてきに「い」とくとされている。実際じっさいには、「え」とくのは「ねえさん(ねえさん)」「ええ」(返事へんじ)「へえ」(感嘆かんたん)くらいしかなく、例外れいがいほうおおい。
  • 「イェ」「ウェ」「ヴェ」「シェ」「ジェ」「チェ」「ツェ」「フェ」のように「ぇ」をちいさくいた場合ばあいは、拗音ようおんおなじように直前ちょくぜん文字もじわせて1つのおと構成こうせいする。すなわち、まえ文字もじわせて1モーラを形成けいせいする。基本きほんてきまえ文字もじ母音ぼいんをなくして子音しいんだけにするか母音ぼいん半母音はんぼいんして、それに/e/をわせたおとあらわす。
    • ただし、語彙ごいによっては「ぇ」がちいさくいてあってもだいきしたのと同様どうよう発音はつおんになることがある。「ハイウェイ」を「ハイウエー」のように発音はつおんするなど。
    • ぞくだん仮名かめいのあとに使つかわれることがある(「へぇ」など)。この場合ばあいだいきしたのと同様どうよう長音ちょうおんとなり、単独たんどくで1モーラを構成こうせいする。
  • なお、「え?」というのは、よくききとれなかったのでもう一度いちどってしい場合ばあい。またはよくわからないものをたときにおもわずはっせられる場合ばあいがある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 明治めいじ初期しょきにはおこなあらわ仮名かめい存在そんざいした。
  2. ^ 万葉仮名まんようがな国史こくしだい辞典じてん日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん|ジャパンナレッジ (japanknowledge.com) 2021ねん7がつ25にち閲覧えつらん
  3. ^ 万葉仮名まんようがな国史こくしだい辞典じてん日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん|ジャパンナレッジ (japanknowledge.com) 2021ねん7がつ25にち閲覧えつらん
  4. ^ 日本語にほんご世界せかい3:平仮名ひらがな」『大辞林だいじりん特別とくべつページ』、三省堂さんせいどうhttp://daijirin.dual-d.net/extra/hiragana.html 
  5. ^ 日本語にほんご世界せかい4:片仮名かたかな」『大辞林だいじりん特別とくべつページ』、三省堂さんせいどうhttp://daijirin.dual-d.net/extra/katakana.html 
  6. ^ 築島つきしま(1977) p.85
  7. ^ 馬渕まぶち出雲いずも(1999) p.52
  8. ^ 築島つきしま(1977) pp.18-19
  9. ^ 築島つきしま(1986) p.13
  10. ^ 築島つきしま(1986) p.14,21
  11. ^ 日本語にほんごがく研究けんきゅう事典じてん明治めいじ書院しょいん、2007ねん、349ぺーじISBN 4625603064 
  12. ^ 馬渕まぶち(1994) pp.90-96
  13. ^ 馬渕まぶち(1994) pp.17-24

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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