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牧口まきぐち雄二ゆうじ

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まきぐち ゆうじ
牧口まきぐち雄二ゆうじ
生年月日せいねんがっぴ (1936-06-29) 1936年ねん6月29日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ (2021-12-05) 2021年ねん12月5日にち（85歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち 東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し板橋いたばし区く（現げん・東京とうきょう都と板橋いたばし区く）
職業しょくぎょう テレビ・映画えいが監督かんとく・プロデューサー
活動かつどう期間きかん 1975年ねん - 1996年ねん
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牧口まきぐち 雄二ゆうじ (まきぐち ゆうじ、1936年ねん6月29日にち - 2021年ねん12月5日にち[1]) は、日本にっぽんのテレビ・映画えいが監督かんとく、プロデューサー。東京とうきょう都と板橋いたばし区く出身しゅっしん[2]。

来歴らいれき[編集へんしゅう]

東京とうきょう都立とりつ九きゅう段だん高等こうとう学校がっこうを経へて慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく文学部ぶんがくぶを卒業そつぎょう後ご、1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）に東映とうえい株式会社かぶしきがいしゃに入社にゅうしゃ。以来いらい、京都きょうとに在住ざいじゅうし、東映とうえい京都きょうとで山下やました耕作こうさく・中島なかじま貞夫さだお作品さくひんの助監督じょかんとくを経へる。

1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）に東映とうえいポルノ『玉たま割わり人じんゆき』で監督かんとくデビュー[2]。『玉たま割わり人じんゆき』を当時とうじの東映とうえい社長しゃちょう・岡田おかだ茂しげるから、叙情じょじょうとエログロの合あわせ、その技わざを高たかく評価ひょうかされ[3][4]、以降いこう『五月ごがつみどりのかまきり夫人ふじんの告白こくはく』などの監督かんとく作品さくひんを発表はっぴょうした[4][5][6]。

1977年ねんの鰐淵わにぶち晴子はるこ主演しゅえんの話題わだい作さく『らしゃめん』を最後さいごに劇場げきじょう映画えいがを離はなれ、テレビドラマ「暴あばれん坊ぼう将軍しょうぐん」シリーズ、「柳生やぎゅう一族いちぞくの陰謀いんぼう」「影かげの軍団ぐんだん」シリーズ、「長ちょう七郎しちろう江戸えど日記にっき」などのプロデューサー・監督かんとく業ぎょうを中心ちゅうしんに活動かつどう。

1996年ねん（平成へいせい8年ねん）に東映とうえいを定年ていねん退社たいしゃ後ご、同社どうしゃのTV作品さくひんなどを手てがけた後のち、映像えいぞう業界ぎょうかいから退しりぞいている[7]。

2021年ねん12月5日にち、老衰ろうすいのため死去しきょ。85歳さい没ぼつ[8]。

人物じんぶつ　[編集へんしゅう]

カルトプリンス　[編集へんしゅう]

『玉たま割わり人じんゆき』シリーズを始はじめ、企画きかく本田ほんだ達男たつお、 シナリオ志村しむら正浩まさひろの男おとこを殺ころしまくる尼寺あまでらを舞台ぶたいにラストに圧倒的あっとうてきな映像えいぞう美びを見みせる『女おんな獄門ごくもん帖じょう 引ひき裂さかれた尼僧にそう』、明治めいじ時代じだいの毒婦どくふ・高橋たかはしお伝でんを主役しゅやくに和製わせい『俺おれたちに明日あしたはない』ともいえる青春せいしゅん犯罪はんざいドラマとなった『毒婦どくふお伝でんと首切くびきり浅あさ』[独自どくじ研究けんきゅう?]。

海外かいがいの好事家こうずかに注目ちゅうもくされ、フランスで日本にっぽんより先さきにDVD化かされた『徳川とくがわ女おんな刑罰けいばつ絵巻えまき 牛うし裂さきの刑けい』など、再さい評価ひょうかが高たかまり名画めいが座ざで何なん度どもリバイバル公開こうかいされた。[7][5]

2015年ねんまでに『広島ひろしま仁義じんぎ 人質ひとじち奪回だっかい作戦さくせん』以外いがいの作品さくひんがDVD化か[7]、2017年ねんには全ぜん作品さくひんがDVD化かされた。

牧口まきぐちが残のこした映画えいが9本ほんの音楽おんがくを担当たんとうしたのは、渡辺わたなべ岳夫たけおである。2020年ねんには、CINEMA－MAXレーベルから『徳川とくがわ女おんな刑罰けいばつ絵巻えまき　牛うし裂さきの刑けい』『女おんな獄門ごくもん帖じょう　引ひき裂さかれた尼僧にそう』のサウンドトラックが発売はつばいされる。

助監督じょかんとく時代じだいは、石井いしい輝男てるおのエログロ映画えいが、異常いじょう性愛せいあい路線ろせんには批判ひはん的てきであったが、その現場げんば経験けいけんを誰だれよりも活いかした後継こうけい者しゃといえる[4]。

頭あたまの回転かいてんの速はやさ、育そだちの良よさとは異ことなる独特どくとくの世界せかい観かんを持もち、日本にっぽん映画えいが界かいの中なかでもひときわ異彩いさいを放はなった監督かんとくとして「カルトプリンス」とも呼よばれ、コアな根強ねづよいファンがいる[要よう出典しゅってん]。

牧口まきぐちイズム[編集へんしゅう]

学生がくせい時代じだいは、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく時代じだいまで日本にっぽん文学ぶんがく、江戸川えどがわ乱歩らんぽや夢野ゆめの久作きゅうさく、竹久たけひさ夢ゆめ二になどに傾倒けいとうし、映画えいが界かいではアンダーグラウンドの「エロ・グロ・ナンセンス」と「純粋じゅんすいで美うつくしいファッショナブル」の正せい反対はんたいな映像えいぞう世界せかいを組くみ合あわせて類るい稀まれなる牧口まきぐちイズムの独特どくとくの世界せかい観かんを展開てんかいして映画えいが業界ぎょうかいを驚愕きょうがくさせる[要よう出典しゅってん]。

その反面はんめん、私生活しせいかつは文学ぶんがく少年しょうねんのまま成長せいちょうしたかの様ような生真面目きまじめさがあり、地味じみで温厚おんこう、物静ものしずかな性格せいかくであった。気取きどらず高たかぶらないその性格せいかくから俳優はいゆう・女優じょゆうからの人気にんきは高たかかった[要よう出典しゅってん]。

映画えいが界かいでの親交しんこう　[編集へんしゅう]

特とくに川谷かわたに拓三たくぞうとは助監督じょかんとく時代じだいから親交しんこうが厚あつく、川谷かわたにが俳優はいゆうとして人気にんきが出でだした頃ころに牧口まきぐちも監督かんとく昇進しょうしんしたが、超ちょう低てい予算よさんのデビュー作さく『玉たま割わり人じんゆき』に、川谷かわたには牧口まきぐちのためにノーギャラで出演しゅつえんをしたというエピソードがある。また、そのくだりは、『知しってるつもり?!』（1997年ねん12月14日にち放送ほうそう）で54歳さいで他界たかいした川谷かわたに拓三たくぞうの生涯しょうがいが紹介しょうかいされた時ときに牧口まきぐち本人ほんにんがテレビのインタビューで語かたっている[出典しゅってん無効むこう]。 助監督じょかんとく時代じだいは、鈴木すずき則のり文ぶん、中島なかじま貞夫さだおと一緒いっしょに、山下やました耕作こうさく監督かんとくの1963年ねんのリメイク版ばん、萬屋よろずや錦之介きんのすけ主演しゅえん『関せきの弥わたる太ふとっぺ』で将軍しょうぐんと呼よばれた山下やました耕作こうさく監督かんとくを盛もり立だてたという。[9]

佐藤さとう蛾が次郎じろうの起用きようも多おおく、『暴あばれん坊ぼう将軍しょうぐん』でゲスト出演しゅつえんした蛾が次じ郎ろうのシーンに凝こり過すぎて、主役しゅやくである松平まつだいら健けんを待またせて「主役しゅやくは誰だれなんだ」と怒おこらせてしまったり、『柳生やぎゅう一族いちぞくの陰謀いんぼう』の九州きゅうしゅうロケでは、蛾が次じ郎ろうの出番でばんに力ちからを入いれて、山村やまむら聡さとしをほったらかしにし、現場げんばで進行しんこう主任しゅにんとやり合あうこともあったと映画えいが監督かんとくの後輩こうはいである土橋どばし亨とおるが語かたっている。[10]

プライベート　[編集へんしゅう]

プライベートでは、妻つまと二に人にん暮くらし。東映とうえいの新人しんじん女優じょゆうであった佐藤さとう美鈴みすず<江頭えがしら美鈴みすず(現げん本名ほんみょう)>を見み染ぞめ、子こどもに恵めぐまれなかった夫婦ふうふは娘むすめの様ように寵愛ちょうあいし、佐藤さとうが都内とないから仕事しごとで京都きょうとに来くる時ときには、自作じさく出演しゅつえんではなくても京都きょうと駅えきまで送おくり迎むかえをし、自宅じたくに住すみ込こませるなどとても面倒めんどう見みが良よかったのは東映とうえい撮影さつえい所内しょないでも有名ゆうめいな話はなしであった。女優じょゆう業ぎょうではなく普通ふつうの生活せいかつをして欲ほしいと監督かんとくらしからぬ発言はつげんは、「自分じぶんの娘むすめのように心配しんぱいしてくれていたから」とのちにインタビューでも佐藤さとうが語かたっている。[11]

早はやくに愛妻あいさいを癌がんで亡なくし、失意しついの中なか、自身じしんも癌がんに罹患りかんしたが、晩年ばんねんはひとり旅たびをするなど、のんびりと本来ほんらいの牧口まきぐちらしい生活せいかつをしていた。

映画えいが[編集へんしゅう]

監督かんとく[編集へんしゅう]

助監督じょかんとく[編集へんしゅう]

脚本きゃくほん[編集へんしゅう]

  • らしゃめん (1977年ねん)

出演しゅつえん[編集へんしゅう]

テレビドラマ[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 「カルトプリンス」映画えいが監督かんとくの牧口まきぐち雄二ゆうじさん死去しきょ　85歳さい　「暴あばれん坊ぼう将軍しょうぐん」「影かげの軍団ぐんだん」なども手掛てがける スポーツニッポン 2021年ねん12月がつ10日とおか 2021年ねん12月11日にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 『日本にっぽん映画えいがテレビ監督かんとく全集ぜんしゅう』キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、1988年ねん、368-369頁ぺーじ。 
  3. ^ 松田まつだ政男まさお「和製わせいB級きゅう映画えいがの周辺しゅうへん」『月刊げっかんシナリオ』日本にっぽんシナリオ作家さっか協会きょうかい、1975年ねん6月がつ、14-21頁ぺーじ。 
  4. ^ a b c 『鮮烈せんれつ!アナーキー日本にっぽん映画えいが史し 1959-1979』洋よう泉いずみ社しゃ〈映画えいが秘宝ひほうEX〉、2012年ねん、200-201頁ぺーじ。ISBN 4-86248-918-4。 
  5. ^ a b エロ・グロ・純情じゅんじょう 東映とうえいカルトプリンス 牧口まきぐち雄二ゆうじの世界せかい／ラピュタ阿佐ヶ谷あさがや、第だい8回かい「玉たま割わり人じんゆき」 忘わすれられない名画めいが ～昭和しょうわの名作めいさく映画えいがを語かたる
  6. ^ 復活ふっかつ！東映とうえいニューポルノのDeepな世界せかい／ラピュタ阿佐ケ谷あさがや、「『玉たま割わり人じんゆき』の世界せかい」『映画えいが秘宝ひほう』、洋よう泉いずみ社しゃ、2010年ねん6月がつ、83頁ぺーじ。 
  7. ^ a b c 『別冊べっさつ映画えいが秘宝ひほう 90年代ねんだい狂くるい咲ざきVシネマ地獄じごく』、洋よう泉いずみ社しゃ、2014年ねん10月がつ26日にち、240-241頁ぺーじ、ISBN 978-4800305046。 
  8. ^ “「カルトプリンス」映画えいが監督かんとくの牧口まきぐち雄二ゆうじさん死去しきょ　85歳さい　「暴あばれん坊ぼう将軍しょうぐん」「影かげの軍団ぐんだん」なども手掛てがける”. スポニチアネックス. (2021年ねん12月10日にち). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/12/10/kiji/20211210s00041000368000c.html 2021年ねん12月がつ10日とおか閲覧えつらん。 
  9. ^ 映画えいが秘宝ひほう中島なかじま貞夫さだお監督かんとくインタビュー
  10. ^ 映画えいが秘宝ひほう2022年ねん3月がつ
  11. ^ 映画えいが秘宝ひほう2022年ねん3月がつ号ごう

参考さんこう書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 女おんな獄門ごくもん帖じょう 引ひき裂さかれた尼僧にそう (ワイズ出版しゅっぱん、筒井つつい武文たけふみ / 多田ただ 功いさお)
  • 悪あく趣味しゅみ邦画ほうが劇場げきじょう (洋よう泉いずみ社しゃ)
  • 映画えいが秘宝ひほう2022年ねん3月がつ号ごう～追悼ついとう・牧口まきぐち雄二ゆうじ（双葉社ふたばしゃ）

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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