現在げんざい時制じせい

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現在げんざい時制じせい(げんざいじせい)とは、言語げんご現在げんざい行為こうい現象げんしょう状態じょうたいとう表現ひょうげんする時制じせいもちいられる範囲はんい言語げんごによりことなる。一般いっぱんには過去かこ時制じせいおよび未来みらい時制じせい対立たいりつするが、この区別くべつ言語げんごによっておおきくことなる。

瞬間しゅんかんてき行為こういあらわ動詞どうし完結かんけつしょう動詞どうし)については、現実げんじつには「現在げんざい」はありない(遂行すいこう動詞どうしのぞく)。このような動詞どうし現在げんざいがたは、反復はんぷく習慣しゅうかんあらわすのが普通ふつうである。

また、たとえば英語えいごでは現在げんざいにおける継続けいぞく進行しんこうあらわすのに現在げんざい進行しんこうがた現在げんざい時制じせい進行しんこうしょうわせた形式けいしき現在げんざい進行しんこう時制じせいともばれる)をもちいる。日本語にほんごでも「・・・ている」という現在進行形げんざいしんこうけいもちいられ、反復はんぷく習慣しゅうかん表現ひょうげんふくめこれがもちいられる(場合ばあいにより完了かんりょう結果けっかどう形式けいしきあらわす)。しかし世界せかいてきには進行しんこうがたがない言語げんごおおく、これらでは単純たんじゅん現在げんざいがた継続けいぞく進行しんこうをもあらわす。

一方いっぽう未来みらい表現ひょうげんするのにも未来みらい時制じせいでなく現在げんざい時制じせいもちいる言語げんごおおく、この場合ばあい過去かこ時制じせいばれる。たとえば日本語にほんごでも確定かくていてき未来みらいあらわすのには単純たんじゅん現在げんざいがたもちいられる。英語えいごドイツでは未来みらいがたという形式けいしきはあるが、助動詞じょどうしもちいる形式けいしきであり、また現在げんざいがたでも確定かくていてき未来みらい表現ひょうげんできるので、基本きほんてきには過去かこ時制じせいである。

一部いちぶには独立どくりつ未来みらい時制じせいがある一方いっぽう現在げんざい過去かこ区別くべつがない言語げんごたとえばケチュア、ユカギール)もあり、この場合ばあい未来みらい時制じせいばれる。

ロシアなどのスラヴには、動詞どうし継続けいぞくてきなことをしめ完了かんりょうたい完結かんけつしょう)と、いちかいかぎりまたは瞬間しゅんかんてきなことをしめ完了かんりょうたい完結かんけつしょう)との区別くべつがある。このうち完了かんりょうたいには未来みらいがたがなく、完了かんりょうたい現在げんざいは(現在げんざいではなく)未来みらいのことをあらわす。

言語げんごによっては、現在げんざいからごくちか未来みらいまたは過去かこ近接きんせつ未来みらい近接きんせつ過去かこ)にも現在げんざい時制じせいもちいた慣用かんようてき表現ひょうげん使つかう。たとえば英語えいごでは近接きんせつ未来みらいを、be going to+不定ふてい、または現在進行形げんざいしんこうけいおなじbe+現在げんざい分詞ぶんしあらわす。フランス語ふらんすごでも動詞どうしく」「る」をもちいた近接きんせつ未来みらい近接きんせつ過去かこ表現ひょうげんがある。

時制じせいのない言語げんごたとえば中国ちゅうごくインドネシアなど)では副詞ふくし文脈ぶんみゃくにより時間じかん表現ひょうげんされ、これらのない表現ひょうげん一般いっぱん現在げんざいあらわすとかんがえられる。

文学ぶんがく現在げんざい時制じせい[編集へんしゅう]

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