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福祉ふくし国家こっかろん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
OECD各国かっこく社会しゃかいてき支出ししゅつ私的してき社会しゃかい支出ししゅつ公的こうてき社会しゃかい支出ししゅつ)のたいGDP[1]

福祉ふくし国家こっか(ふくしこっか えい: welfare state)は、国家こっか機能きのう安全あんぜん保障ほしょう治安ちあん維持いじなどに限定げんてい自由じゆう主義しゅぎ国家こっかろん)するのではなく、社会しゃかい保障ほしょう制度せいど整備せいびつうじて国民こくみん生活せいかつ安定あんていはかること。広義こうぎには財政ざいせい政策せいさく雇用こよう政策せいさくふくめる場合ばあいもある。

一般いっぱん国民こくみん福祉ふくし増進ぞうしん国家こっか目標もくひょうとし、相当そうとう程度ていど福祉ふくし実現じつげんしている現代げんだい国家こっかをいい[2]政治せいじてきには民主みんしゅ主義しゅぎを、経済けいざいてきには混合こんごう経済けいざい体制たいせい[3]

福祉ふくし国家こっか」のかたりは、1928ねんスウェーデン社会しゃかい大臣だいじんグスタフ・メッレル(Gustav Möller)が選挙せんきょパンフレットでもちいたほか、英語えいごけんではイギリスウィリアム・テンプルが『市民しみん聖職せいしょくしゃ』(1941ねん)のなかで言及げんきゅうしている[4]とくだい世界せかい大戦たいせんなかにはイギリスが、連合れんごうこくを「福祉ふくし国家こっか」、枢軸すうじくこくを「戦争せんそう国家こっか」(えい:Warfare State)と政治せいじ宣伝せんでんした。

福祉ふくし国家こっかろん(ふくしこっかろん)は、福祉ふくし国家こっか形成けいせい発展はってん変容へんよう要因よういんかんする研究けんきゅうのこと。オイルショック以後いごの「福祉ふくし国家こっか危機きき」にたいする各国かっこく対応たいおう一様いちようでなかったことから、福祉ふくし国家こっか多様たようせい意識いしきされるようになり、福祉ふくし国家こっかろん発展はってんする契機けいきになった。とくイエスタ・エスピン=アンデルセン福祉ふくし国家こっかわるあたらしい概念がいねんとして福祉ふくしレジームろん提起ていきし、社会しゃかい保障ほしょう政策せいさく特徴とくちょうやグローバルへの対応たいおう多様たようせい政治せいじてきイニシアティブや経済けいざいレジームとの連関れんかんろんじた。

歴史れきし

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イギリスの社会しゃかい学者がくしゃリチャード・ティトマスは、だい世界せかい大戦たいせん福祉ふくし国家こっか研究けんきゅうにおいて各国かっこく制度せいどてきちがいに注目ちゅうもくし、福祉ふくし国家こっかを、①残余ざんよてき救貧きゅうひんてき)モデル、②産業さんぎょうてき業績ぎょうせき達成たっせいモデル、③制度せいどてきさい配分はいぶんモデルというみっつに分類ぶんるいすることを提唱ていしょうした。①の残余ざんよてき福祉ふくし国家こっかとは、家族かぞくあるいは市場いちばがうまく機能きのうしなかったときにのみ、国家こっか福祉ふくし責任せきにんけるというモデルである。②は経済けいざい成長せいちょう優先ゆうせんするモデルで、そのために社会しゃかい福祉ふくし存在そんざいするし、経済けいざい成長せいちょうすれば社会しゃかい福祉ふくし充実じゅうじつするとする。③の制度せいどてきさい分配ぶんぱい福祉ふくし国家こっか社会しゃかい厚生こうせいにとって重要じゅうようなすべての分配ぶんぱい領域りょういき福祉ふくし責任せきにんひろげるモデルである。この分類ぶんるいでは、①がもっと市場いちばてきで、③がもっと公的こうてき介入かいにゅうおおきいことになり、アメリカなどが①、ドイツフランスが②、北欧ほくおうなどが③にあたるとかんがえてよい。[5]

福祉ふくし国家こっか思想しそう萌芽ほうが

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福祉ふくし国家こっか思想しそうそのものは18世紀せいきのイギリスや、ドイツ絶対ぜったい主義しゅぎ国家こっかのなかで形成けいせいされたものであり、自由じゆう主義しゅぎ立脚りっきゃくするろんとしてはジョン・スチュアート・ミルトーマス・ヒル・グリーンらによって、絶対ぜったい主義しゅぎ立脚りっきゃくするろんとしてはクリスティアン・ヴォルフによりろんじられた。ドイツにおいてはヴォルフが提唱ていしょうするところの福祉ふくし助成じょせい理念りねんによって、啓蒙けいもう絶対ぜったい君主くんしゅ領主りょうしゅ)により統治とうちされだかけんてきほどこされるところの警察けいさつ国家こっかにおける「福祉ふくし国家こっか」(Wohlfahrtsstaat)てき側面そくめんす。イマヌエル・カントはこの絶対ぜったい主義しゅぎにおける福祉ふくし国家こっかてき側面そくめんについて「福祉ふくし絶対ぜったい主義しゅぎ」(Wohlfahrtsabsolutismus)と表現ひょうげんし、国家こっか依存いぞんするのではなく公共こうきょうせい依存いぞんした福祉ふくし提唱ていしょうした[6]

マーシャルの市民しみんけんろん

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20世紀せいき福祉ふくし国家こっか思想しそうでは、トマス・ハンフリー・マーシャル市民しみんけんろん有名ゆうめいである。かれは、近代きんだい社会しゃかいでは市民しみんてき基本きほんけん人身じんしん自由じゆう言論げんろん自由じゆう思想しそう良心りょうしん自由じゆう財産ざいさんけん)、政治せいじてき基本きほんけん参政さんせいけん)、社会しゃかいてき基本きほんけん生存せいぞんけん社会しゃかいけん)が段階だんかいてき成立せいりつしていくとろんじた[7]

ベヴァリッジ報告ほうこくしょ

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1941ねんベヴァリッジ報告ほうこくしょにおいては、以下いかを「5つのあく」とし、国家こっかによる社会しゃかい保障ほしょう制度せいど(Social Security)を整備せいびすることでこれに対抗たいこうし、それが不可能ふかのう場合ばあいそなえて公的こうてき扶助ふじょもうけるとした[8]

  1. 窮乏きゅうぼう(want)
  2. 疾病しっぺい(disease)
  3. 無知むち(ignorance)
  4. 不潔ふけつ(squalor)
  5. 怠惰たいだ(idleness)

ベヴァリッジの目指めざすものは「完全かんぜん平等びょうどう」ではなく、あくまでも最低さいてい限度げんどナショナル・ミニマム)の保証ほしょうであった(#自由じゆう主義しゅぎてき福祉ふくしレジーム[8]

欧州おうしゅう社会しゃかい憲章けんしょう

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欧州おうしゅう評議ひょうぎかい国家こっか国際こくさい関係かんけい安定あんてい目的もくてき創設そうせつされたが、世界せかい人権じんけん宣言せんげんもとめるほう支配しはい基本きほんてき人権じんけんのさらなる普及ふきゅう人間にんげん安全あんぜん保障ほしょう観点かんてんから、欧州おうしゅう人権じんけん条約じょうやく補完ほかんする欧州おうしゅう社会しゃかい憲章けんしょうを1961ねん採択さいたくした。2012ねん時点じてんでの加盟かめいこく北欧ほくおうフランスイタリアトルコふくめた27ヵ国かこくにとどまるが、選択せんたく議定ぎていしょふく障害しょうがいしゃ権利けんり条約じょうやく欧州おうしゅう連合れんごう規模きぼ批准ひじゅんなどに影響えいきょうあたえている。

福祉ふくし国家こっか展開てんかい

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福祉ふくし国家こっか成立せいりつ

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欧米おうべい諸国しょこくでは、16世紀せいき以来いらい救貧きゅうひんほうだっして、20世紀せいき初頭しょとうごろから、国民こくみん権利けんりとしての所得しょとく保障ほしょう社会しゃかいサービスが給付きゅうふされるようになった。制度せいどてき拡大かくだいとしては、19世紀せいきまつ労災ろうさい保険ほけん制度せいど、1930年代ねんだいから1940年代ねんだい老齢ろうれい年金ねんきん制度せいど、さらに失業しつぎょう給付きゅうふ制度せいど家族かぞく手当てあて、という具合ぐあい段階だんかいてき整備せいびされている。また、対象たいしょうしゃ範囲はんいについては、イギリスやスウェーデンなどではナショナル・ミニマムもとづく均一きんいつ給付きゅうふ大陸たいりくヨーロッパ諸国しょこくでは職域しょくいきごとの社会しゃかい保険ほけん制度せいど、アメリカでは黒人こくじん労働ろうどうしゃ排除はいじょ、というように多様たよう展開てんかいられた[9]

福祉ふくし国家こっか発展はってん

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戦後せんご福祉ふくし国家こっか分岐ぶんき

だい世界せかい大戦たいせん高度こうど経済けいざい成長せいちょうのなかで、先進せんしん各国かっこく社会しゃかい保障ほしょう充実じゅうじつはかった。そのなかで、福祉ふくし政策せいさく対象たいしょう範囲はんい困窮こんきゅうそう限定げんていするか中間なかまそうまでひろげるか、また、福祉ふくし政策せいさく雇用こよう政策せいさく連関れんかんさせるかか、という分岐ぶんきられた(みぎ[10]

イギリスの福祉ふくしではだい世界せかい大戦たいせん直後ちょくご社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎてき方向ほうこう政策せいさく展開てんかいされ、ベヴァリッジ報告ほうこくしょでは社会しゃかい保障ほしょう制度せいど構想こうそう提言ていげんされた。そう選挙せんきょ労働党ろうどうとう大勝たいしょうしたことでこの構想こうそう実現じつげんされることになり、国民こくみん保健ほけんサービス国民こくみん保険ほけん英語えいごばんといった制度せいど整備せいびされ、ゆりかごから墓場はかばまでばれることとなった。

日本にっぽんれいげると、以下いかのような福祉ふくし政策せいさく拡充かくじゅう実施じっしされた[11]

福祉ふくし国家こっか危機きき

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1973ねんと1979ねんオイルショックがね高度こうど成長せいちょう終焉しゅうえんすると、それまでの福祉ふくし政策せいさく拡充かくじゅう原資げんしとなっていた税収ぜいしゅうみ、1981ねん経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)が『福祉ふくし国家こっか危機きき』とだいする報告ほうこくしょ公開こうかい[12]するなど、そのまりが喧伝けんでんされるようになった。また、グローバル進展しんてんによる資本しほん海外かいがいへの逃避とうひからつなめるため、先進せんしん各国かっこくは、社会しゃかい保障ほしょう最小限さいしょうげんめる「さい底辺ていへんへの競争きょうそう」にてられるとされた[13]。また、だつ工業こうぎょうは、均質きんしつてきブルーカラー労働ろうどうしゃ中心ちゅうしんとした製造せいぞうぎょうから、多種たしゅ多様たようホワイトカラー中心ちゅうしんとするサービス産業さんぎょう産業さんぎょう構造こうぞう推移すいいすることによって、労働ろうどう運動うんどう弱体じゃくたいまねき、福祉ふくし政策せいさく後退こうたいつながるとされた[14]

1979ねん5がつ、イギリスではマーガレット・サッチャー首相しゅしょうとなり、ケインズがた福祉ふくし国家こっか抜本ばっぽんてき改革かいかく着手ちゃくしゅした(サッチャリズム[15])。アメリカでは1980ねん大統領だいとうりょうとなったロナルド・レーガンは、「ケインズ主義しゅぎ福祉ふくし国家こっか」の解体かいたい着手ちゃくしゅした(レーガノミクス[15])。「ちいさな政府せいふ」をスローガンに、規制きせい緩和かんわ徹底てってい減税げんぜい予算よさん削減さくげん労働ろうどう組合くみあいへの攻撃こうげきなど、しん自由じゆう主義しゅぎてき政策せいさくだい規模きぼっていった[15]日本にっぽんでは小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう政権せいけんが、べいえいに20ねんおくれるかたちで「ケインズがた福祉ふくし企業きぎょうモデル」の打破だはんだ[15]

日本にっぽんれいげると、以下いかのような福祉ふくし政策せいさく見直みなおしが実施じっしされた[16]

  • 老人ろうじん保健ほけんほう制定せいていによる老人ろうじん医療いりょう無料むりょう廃止はいし(1982ねん
  • 健康けんこう保険ほけんほう改正かいせいによって保険ほけんしゃ本人ほんにん医療いりょうに10%の自己じこ負担ふたん導入どうにゅう(1984ねん
  • 基礎きそ年金ねんきん制度せいど導入どうにゅうによって国庫こっこ負担ふたん基礎きそ年金ねんきん部分ぶぶん限定げんてい(1986ねん
  • 老齢ろうれい厚生こうせい年金ねんきん支給しきゅう開始かいし年齢ねんれいを60さいから65さいげ(1994ねん

初期しょき福祉ふくし国家こっかろん

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初期しょき福祉ふくし国家こっかろんでは、福祉ふくし国家こっか発展はってん単線たんせんてき規定きていする独立どくりつ変数へんすう研究けんきゅう対象たいしょうとなった。フリードリヒ・ハイエクは、福祉ふくし国家こっか拡大かくだい世代せだいあいだ格差かくさ拡大かくだいさせることを指摘してきしている[17]

産業さんぎょう主義しゅぎ理論りろん

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ハロルド・ウィレンスキーは、64ヵ国かこく社会しゃかい保障ほしょう支出ししゅつたい国民総生産こくみんそうせいさん差異さい説明せつめいする独立どくりつ変数へんすうとしては経済けいざい水準すいじゅんもっと重要じゅうようであり、また人口じんこう高齢こうれい非常ひじょう重要じゅうようである一方いっぽうイデオロギー政治せいじ体制たいせい差異さい説明せつめい変数へんすうとして有意ゆういではない、と指摘してきしている。このため、ウィレンスキーは、経済けいざい成長せいちょうにともなって福祉ふくし国家こっか発展はってんするという収斂しゅうれんろん代表だいひょうてき論者ろんしゃ做された[18]。ただし、ウィレンスキーは、分析ぶんせき対象たいしょうをOECDの加盟かめいこく限定げんていした場合ばあいは、政治せいじてき変数へんすう有効ゆうこうになることも指摘してきしている[19]

権力けんりょく資源しげん動員どういんろん

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ウォルター・コルピらは、福祉ふくし国家こっか規模きぼかく階級かいきゅう政治せいじてき影響えいきょうりょくのバランスによって規定きていされるものとかんがえた。すなわち、労働ろうどうしゃ階級かいきゅう左派さは政党せいとうつうじて自己じこ政治せいじてきリソースを活用かつようし、経営けいえいしゃ対抗たいこうしうる政治せいじシステム構築こうちくする(「権力けんりょく資源しげん投資とうし」)ことに成功せいこうするかかが、福祉ふくし国家こっか規模きぼ左右さゆうする。さらに、福祉ふくし国家こっかそのものが、労働ろうどうしゃ相互そうご対立たいりつ緩和かんわ連帯れんたいうながすというてんで、労働ろうどうしゃ階級かいきゅう権力けんりょく資源しげんとなると主張しゅちょうした[20]

福祉ふくしレジームろん

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こうしたなかで1990ねんデンマーク社会しゃかい学者がくしゃエスピン=アンデルセン提起ていきした福祉ふくしレジームろんは、福祉ふくし国家こっか研究けんきゅう画期的かっきてき業績ぎょうせきとなった[21]

かれは、先進せんしん各国かっこくだつ商品しょうひん階層かいそうという指標しひょうもちいてクラスターした。すなわち、だつ商品しょうひんとは、疾病しっぺいよわいなどの理由りゆう労働ろうどう市場いちば離脱りだつしたひと生活せいかつ維持いじできるかかの指標しひょうであり、給付きゅうふ水準すいじゅん受給じゅきゅう資格しかくによって計測けいそくされる。また、階層かいそうとは、各人かくじん階層かいそう職種しょくしゅおうじた給付きゅうふおこなわれた結果けっか格差かくさ固定こていされているかかの指標しひょう。たとえば職域しょくいきべつ保険ほけん制度せいどでは階層かいそう度合どあいがたかい。

以上いじょう2つの指標しひょう西側にしがわ先進せんしん諸国しょこく分析ぶんせきした結果けっか自由じゆう主義しゅぎてき福祉ふくし国家こっかアメリカイギリスなどアングロサクソン諸国しょこく)、保守ほしゅ主義しゅぎてき福祉ふくし国家こっか大陸たいりくヨーロッパ)、社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎてき福祉ふくし国家こっか北欧ほくおう)の3類型るいけい析出せきしゅつし、福祉ふくし国家こっか発展はってんは1つではないとろんじた[21]当初とうしょ日本にっぽん前記ぜんき3つのいずれの要素ようそふく混合こんごうがたとされ、その大陸たいりくヨーロッパがたちかいとされた。

また、福祉ふくし国家こっか形成けいせいする政治せいじてきイニシアティブについて、1つの階級かいきゅうではなく、階級かいきゅうあいだ連合れんごう重視じゅうしした。たとえば、スウェーデンでは社会民主労働党しゃかいみんしゅろうどうとう中央ちゅうおうとうとの連合れんごう形成けいせい成功せいこうし、さらにあかみどり連合れんごう解消かいしょう普遍ふへん主義しゅぎてき社会しゃかい保障ほしょう政策せいさくホワイトカラーそうからの支持しじ調達ちょうたつした。その一方いっぽうで、オーストリアでは、労働ろうどう運動うんどう一定いってい勢力せいりょく保持ほじしていたものの、左派さは政党せいとう農民のうみん政党せいとうとの連携れんけい失敗しっぱいして孤立こりつした。さらに、経済けいざいレジーム(とく雇用こよう)と福祉ふくしレジームとの関係かんけい注目ちゅうもくし、グローバルへの適応てきおうについては一般いっぱんてき自由じゆう主義しゅぎ社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎすぐれているとした。その研究けんきゅうによりつぎのように分類ぶんるいされなおした[* 1]

かくレジームの比較ひかく

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福祉ふくしレジーム 社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎ 自由じゆう主義しゅぎ 保守ほしゅ主義しゅぎ
モデル国家こっか[22] スウェーデンデンマーク アメリカイギリス ドイツイタリア
モデル国家こっかぐん きたヨーロッパ諸国しょこく アングロ・サクソン諸国しょこく 大陸たいりくヨーロッパ諸国しょこく
だつ商品しょうひん[23] 高位こうい 低位ていい 高位こうい
階層かいそう[23] 低位ていい 高位こうい 高位こうい
だつ家族かぞく[23] 高位こうい 中位ちゅうい 低位ていい
しゅたる政策せいさく目標もくひょう[24] 所得しょとく平等びょうどうおよび雇用こよう拡大かくだい 租税そぜい軽減けいげんおよび雇用こよう拡大かくだい 所得しょとく平等びょうどうおよび租税そぜい軽減けいげん
犠牲ぎせいとなる政策せいさく目標もくひょう[24] 租税そぜい軽減けいげん 所得しょとく平等びょうどう 雇用こよう拡大かくだい
しゅたる福祉ふくし供給きょうきゅうげん[21][23] 政府せいふ 市場いちば 家族かぞく
典型てんけいてき福祉ふくし政策せいさく サービス給付きゅうふ 減税げんぜい 所得しょとく移転いてん
所得しょとく移転いてん形態けいたい 制度せいどてき 残余ざんよてき 補完ほかんてき
社会しゃかいてき統合とうごう触媒しょくばい 労働ろうどう組合くみあい なし(市場いちば 宗教しゅうきょう団体だんたい
優位ゆうい政党せいとう 社民党しゃみんとう リベラル政党せいとう キリスト教きりすときょう民主みんしゅ主義しゅぎ政党せいとう
支配しはいてきイデオロギー ネオ・コーポラティズム ネオ・リベラリズム コーポラティズム
社会しゃかいてき市場いちば経済けいざい
企業きぎょう競争きょうそう 完全かんぜん雇用こようのため)だい企業きぎょう優先ゆうせん だい企業きぎょう自営業じえいぎょう対等たいとう 世襲せしゅう維持いじのため)自営業じえいぎょう優先ゆうせん
労働ろうどう市場いちば規制きせい どういち労働ろうどうどういち賃金ちんぎん 原則げんそくとしてなし だい企業きぎょう公務員こうむいん優遇ゆうぐう早期そうき退職たいしょく勧奨かんしょう
賃金ちんぎん硬直こうちょくせい 上方かみがた硬直こうちょくせいおよび下方かほう硬直こうちょくせい なし 下方かほう硬直こうちょくせい
雇用こようのフレキシヴィリティ[21] 高位こうい 最高さいこう 低位ていい
典型てんけいてき景気けいき対策たいさく 福祉ふくし部門ぶもん公務員こうむいん増員ぞういん 政策せいさく金利きんり 公共こうきょう事業じぎょう
公務員こうむいんのイメージ おんな仕事しごと、パートタイム あくてい賃金ちんぎん かみ意識いしき優遇ゆうぐう
労働ろうどう参加さんかりつ 最高さいこう 高位こうい 低位ていい
だつ商品しょうひん階層かいそう
だつ商品しょうひんスコア

(1980ねん[25]

階層かいそう属性ぞくせい累積るいせき集計しゅうけいスコア

(1980ねん[26]

保守ほしゅ主義しゅぎ 自由じゆう主義しゅぎ 社会しゃかい主義しゅぎ
オーストラリアの旗 オーストラリア 13.0 0 10 4
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 13.8 0 12 0
ニュージーランドの旗 ニュージーランド 17.1 2 2 4
カナダの旗 カナダ 22.0 2 12 4
アイルランドの旗 アイルランド 23.3 4 2 2
イギリスの旗 イギリス 24.1 0 6 4
イタリアの旗 イタリア 24.1 8 6 0
日本の旗 日本にっぽん 27.1 4 10 2
フランスの旗 フランス 27.5 8 8 2
ドイツの旗 ドイツ 27.7 8 6 4
 フィンランド 29.2 6 4 6
スイスの旗 スイス 29.8 0 12 4
 オーストリア 31.1 8 4 2
ベルギーの旗 ベルギー 32.4 8 4 4
オランダの旗 オランダ 32.4 4 8 6
 デンマーク 38.1 2 6 8
 ノルウェー 38.3 4 0 8
 スウェーデン 39.1 0 0 8

社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎてき福祉ふくしレジーム

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北欧ほくおうモデル(ノルディックモデル)ともばれる。スウェーデンノルウェーデンマークなどがある[21]政府せいふによる所得しょとく比例ひれい業績ぎょうせき評価ひょうかモデル)と所得しょとく移転いてん制度せいどてきモデル)のわせが特徴とくちょう社会しゃかい保障ほしょう給付きゅうふ政府せいふによる普遍ふへん主義しゅぎてきなもので、労働ろうどう政策せいさくあわせて労働ろうどうしゃ保護ほご最大限さいだいげんである。経済けいざい政策せいさくでは政労せいろう使協調きょうちょうコーポラティズム)にもとづいて実施じっしされ、場合ばあいによってはどういち労働ろうどうどういち賃金ちんぎんによりよわ企業きぎょう淘汰とうたすすめる(レーン=メイドナー・モデル)。それと同時どうじ職業しょくぎょう訓練くんれん紹介しょうかいなどの積極せっきょくてき労働ろうどう市場いちば政策せいさくつうじて労働ろうどうりょく需給じゅきゅうギャップの解消かいしょうつとめ、社会しゃかい保障ほしょう支出ししゅつをコントロールする。したがって雇用こよう流動りゅうどうせいたかい。

これらのことから企業きぎょう競争きょうそうりょくたかくなり、グローバリズムへの適応てきおうりょくたかいとわれる。しかし、その過程かていにおいて競争きょうそうりょくだい企業きぎょうのみがのこりやすいために、しばしば税収ぜいしゅうなどで特定とくてい企業きぎょう依存いぞんすることになり、業績ぎょうせき悪化あっかがダイレクトに国家こっか予算よさん影響えいきょうおよぼすことがある。

自由じゆう主義しゅぎてき福祉ふくしレジーム

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アングロサクソン・モデルともばれる。アメリカ[21]イギリス[27]カナダ[21]スイス[28]オーストラリア[21]日本にっぽんちゅう[28])などがある。市場いちばによる所得しょとく比例ひれい業績ぎょうせき評価ひょうかモデル)と政府せいふによる最低さいてい保障ほしょう残余ざんよてきモデル)のわせが特徴とくちょう[21]

ベヴァリッジ報告ほうこくしょでは以下いかを「5つのあく」とし、国家こっかによる社会しゃかい保険ほけん制度せいど整備せいびすることでこれに対抗たいこうし、それが不可能ふかのう場合ばあいそなえて公的こうてき扶助ふじょもうけるとした[8]

  1. 窮乏きゅうぼう(want)
  2. 疾病しっぺい(disease)
  3. 無知むち(ignorance)
  4. 不潔ふけつ(squalor)
  5. 怠惰たいだ(idleness)

政府せいふによる社会しゃかい保障ほしょう給付きゅうふ底辺ていへんそうたいする社会しゃかいてきスティグマをともなった選別せんべつ主義しゅぎてきなもの、もしくは中流ちゅうりゅう階級かいきゅうのニーズにこたえられないてい水準すいじゅんなものである。よって、社会しゃかい保障ほしょうおも個人こじん民間みんかん保険ほけんなどから調達ちょうたつし、政府せいふ福祉ふくしビジネスの環境かんきょうととのえることが役目やくめとなっている。また、労働ろうどう政策せいさく労働ろうどうしゃ社会しゃかい保障ほしょう最低限さいていげんである。したがって雇用こよう流動りゅうどうせいたかい。そのため所得しょとく格差かくさ拡大かくだいするが、グローバリズムへの適応てきおうりょくたかいといわれる。

保守ほしゅ主義しゅぎてき福祉ふくしレジーム

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大陸たいりくヨーロッパ・モデル(コンチネンタルモデル)ともばれる。ドイツ[21]フランス[21]ベルギー[28]などである。職域しょくいき組合くみあい企業きぎょう福祉ふくしなどによる所得しょとく比例ひれい業績ぎょうせき評価ひょうかモデル)と政府せいふによる最低さいてい保障ほしょう残余ざんよてきモデル)のわせが特徴とくちょう社会しゃかい保障ほしょう補完ほかんせい原理げんり基調きちょうとし、家族かぞく中心ちゅうしんとする血縁けつえん、コーポラティズム、国家こっか主義しゅぎ強要きょうようする。労働ろうどうしゃ保護ほご労働ろうどう組合くみあい恩恵おんけいおよかぎりにおいて高度こうどである。そのためインサイダー(端的たんてきには正社員せいしゃいん男性だんせい)とアウトサイダーの社会しゃかいてき分断ぶんだん(デュアリズム)がしょうじ、がいして失業しつぎょうりつたかい。また、職業しょくぎょう福利ふくり厚生こうせい一体化いったいかしていることとあいまって、雇用こよう流動りゅうどうせい阻害そがいするといわれる。このレジーム固執こしつするかぎり、グローバリズムのまえには袋小路ふくろこうじになり経済けいざいパフォーマンスが低下ていかするとされる。

家族かぞく主義しゅぎてき福祉ふくしレジーム

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南欧なんおうひがしアジアモデルともわれる。イタリア代表だいひょうてき。ほかにスペインポルトガルギリシャ日本にっぽんちゅう)、大韓民国だいかんみんこく台湾たいわんである。福祉ふくし施策しさく貧弱ひんじゃく福祉ふくしビジネスも発達はったつなため、高齢こうれいしゃ失業しつぎょう子育こそだなどについて家族かぞく責任せきにんつべきとする家族かぞく主義しゅぎ特徴とくちょう家族かぞく過度かど負担ふたんをかけるため少子化しょうしか弊害へいがい深刻しんこくするとの意見いけんがある。

福祉ふくし国家こっか再編さいへん政治せいじ

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社会しゃかい支出ししゅつたいGDP推移すいい[29]

制度せいどてき持続じぞく

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福祉ふくしレジームろんは、福祉ふくし国家こっか発展はってんにおける労働ろうどう組合くみあい社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎ政党せいとう(あるいは社民しゃみん政党せいとう競合きょうごうするカトリック政党せいとう)の主導しゅどうせい重視じゅうししている。しかし、ポール・ピアソンは、マーガレット・サッチャー政権せいけんのイギリスで労組ろうそ弱体じゃくたい進展しんてんし、アメリカではもともと労組ろうそ脆弱ぜいじゃくであるにもかかわらず、その両国りょうこくですら1980年代ねんだいではしん自由じゆう主義しゅぎ主張しゅちょうするほどには社会しゃかい保障ほしょう削減さくげん成功せいこうしなかったことを指摘してきしている。これは、社会しゃかい保障ほしょう制度せいどが1確立かくりつすると利益りえき集団しゅうだんのネットワークが構築こうちくされて社会しゃかい保障ほしょう削減さくげんたいする抵抗ていこうしょうじ、また、受給じゅきゅうしゃ反発はんぱつおそれる政治せいじ福祉ふくし政策せいさく縮減しゅくげん忌避きひするためである[23]。よって、福祉ふくし国家こっか形成けいせいでは経済けいざいレジームや政治せいじてき党派とうはせいなどのマクロ要因よういん重要じゅうよう福祉ふくしレジームろん)であったが、福祉ふくし国家こっか縮減しゅくげんでは非難ひなん回避かいひ戦略せんりゃく成否せいひ重要じゅうようになる、とピアソンはろんじている。具体ぐたいてきには、

  • 非難ひなんおおきい争点そうてんはずすように課題かだい設定せっていする。
  • 損失そんしつともな政策せいさくたいして積極せっきょくてき意味いみづけをあたえる。
  • 損失そんしつともな政策せいさくたいして代償だいしょう政策せいさく実施じっしする。
  • 政策せいさく決定けっていしゃ可視かしせい低下ていかさせる(政策せいさく決定けってい官僚かんりょう諮問しもん機関きかん地方自治体ちほうじちたいゆだねる、など)。
  • 政策せいさく効果こうか可視かしせい低下ていかさせる(施行しこう先送さきおくりや段階だんかいてき施行しこう、など)
  • 利害りがいことなる集団しゅうだんあいだ対立たいりつあおることで非難ひなん矛先ほこさきかないようにする。
  • 超党派ちょうとうは合意ごうい形成けいせいして政策せいさく実行じっこうする。

などがげられる[30]

あたらしい福祉ふくし圧力あつりょく

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グローバルは、各国かっこくで「さい底辺ていへんへの競争きょうそう」を惹起じゃっきするというてんで、福祉ふくし政策せいさく縮減しゅくげんうながすと一般いっぱんてきろんじられている。しかし、ジェフリー・ギャレットは、グローバルによって社会しゃかい流動りゅうどうせいし、あたらしいリスクしょうじる結果けっか福祉ふくし政策せいさくつうじてとみとリスクをさい分配ぶんぱいすることが政府せいふ期待きたいされるようになると反論はんろんした。

また、だつ工業こうぎょうについては、組織そしき労働ろうどう解体かいたいうながすことによって、福祉ふくし政策せいさく縮減しゅくげんのハードルががると一般いっぱんてきろんじられている。しかし、トービン・アイヴァーセンは、製造せいぞうぎょうられた職域しょくいきてき福祉ふくし解体かいたいによって、より包括ほうかつてき社会しゃかい保障ほしょう構築こうちく政府せいふ期待きたいされるようになる可能かのうせい言及げんきゅうしている[31]

日本にっぽん福祉ふくし国家こっかぞう

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日本にっぽん福祉ふくしレジームについて、厚生こうせい労働ろうどう白書はくしょでは「エスピン=アンデルセンは、日本にっぽん現状げんじょう福祉ふくしシステムは、保守ほしゅ主義しゅぎ中心ちゅうしんとしながらも自由じゆう主義しゅぎてきなシステムを混合こんごうして構成こうせいされている」とべられている(福祉ふくし供給きょうきゅう主体しゅたい)[21]

日本にっぽん経済けいざい政策せいさくをめぐる議論ぎろんなかで、福祉ふくし国家こっかぞう明示めいじてき議論ぎろんのぼることはすくない。

社会しゃかい学者がくしゃさかりさん和夫かずおが、「経済けいざい成長せいちょう不可能ふかのうなのか」をい、社会しゃかい保障ほしょう投資とうしることを提唱ていしょうしている[32]

福祉ふくし支出ししゅつ

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経済けいざいりょく福祉ふくし支出ししゅつについては、ほとん相関そうかん関係かんけいはない[33]

OECD諸国しょこく福祉ふくし支出ししゅつ(2001ねん) [34] OECD[35]UNDP[36]による
くに 福祉ふくし支出ししゅつ
(% of GDP)
教育きょういくのぞ
福祉ふくし支出ししゅつ
(% of GDP)
教育きょういくふく
一人ひとりあたりGDP
(PPP US$)
デンマークの旗 デンマーク 29.2 37.9 $29,000
スウェーデンの旗 スウェーデン 28.9 38.2 $24,180
フランスの旗 フランス 28.5 34.9 $23,990
ドイツの旗 ドイツ 27.4 33.2 $25,350
ベルギーの旗 ベルギー 27.2 32.7 $25,520
スイスの旗 スイス 26.4 31.6 $28,100
オーストリアの旗 オーストリア 26.0 32.4 $26,730
フィンランドの旗 フィンランド 24.8 32.3 $24,430
オランダの旗 オランダ 24.3 27.3 $27,190
イタリアの旗 イタリア 24.4 28.6 $24,670
ギリシャの旗 ギリシャ 24.3 28.4 $17,440
ノルウェーの旗 ノルウェー 23.9 33.2 $29,620
ポーランドの旗 ポーランド 23.0 N/A $9,450
イギリスの旗 イギリス 21.8 25.9 $24,160
ポルトガルの旗 ポルトガル 21.1 25.5 $18,150
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク 20.8 N/A $53,780
チェコの旗 チェコ 20.1 N/A $14,720
ハンガリーの旗 ハンガリー 20.1 N/A $12,340
アイスランドの旗 アイスランド 19.8 23.2 $29,990
スペインの旗 スペイン 19.6 25.3 $20,150
ニュージーランドの旗 ニュージーランド 18.5 25.8 $19,160
オーストラリアの旗 オーストラリア 18.0 22.5 $25,370
スロバキアの旗 スロバキア 17.9 N/A $11,960
カナダの旗 カナダ 17.8 23.1 $27,130
日本の旗 日本にっぽん 16.9 18.6 $25,130
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 14.8 19.4 $36,000
アイルランドの旗 アイルランド 13.8 18.5 $32,410
メキシコの旗 メキシコ 11.8 N/A $8,430
大韓民国の旗 韓国かんこく 6.1 11.0 $15,090

貧困ひんこんたいする影響えいきょう

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多数たすう国々くにぐにでは、課税かぜい方式ほうしき変革へんかくとみさい分配ぶんぱいによって貧困ひんこん減少げんしょうさせられるとの経験けいけんてきエビデンスがあり、それらの福祉ふくし国家こっかではみな国内こくないそう生産せいさん(GDP)の50%以上いじょう福祉ふくしとうじている[よう検証けんしょう][37][38]多数たすう福祉ふくし国家こっかでは、福祉ふくしプログラムを適用てきようする前後ぜんご大幅おおはば貧困ひんこんりつ相対そうたいてき貧困ひんこんりつ)が改善かいぜんされている。

国家こっか 絶対ぜったいてき貧困ひんこんせん (1960–1991)
(米国べいこく平均へいきん世帯せたい収入しゅうにゅうがくの40%で線引せんひき)[37]
相対そうたいてき貧困ひんこんせん

(1970–1997)[38]

福祉ふくし適用てきようまえ 福祉ふくし適用てきよう 福祉ふくし適用てきようまえ 福祉ふくし適用てきよう
スウェーデンの旗 スウェーデン 23.7 5.8 14.8 4.8
ノルウェーの旗 ノルウェー 9.2 1.7 12.4 4.0
オランダの旗 オランダ 22.1 7.3 18.5 11.5
フィンランドの旗 フィンランド 11.9 3.7 12.4 3.1
デンマークの旗 デンマーク 26.4 5.9 17.4 4.8
ドイツの旗 ドイツ 15.2 4.3 9.7 5.1
スイスの旗 スイス 12.5 3.8 10.9 9.1
カナダの旗 カナダ 22.5 6.5 17.1 11.9
フランスの旗 フランス 36.1 9.8 21.8 6.1
ベルギーの旗 ベルギー 26.8 6.0 19.5 4.1
オーストラリアの旗 オーストラリア 23.3 11.9 16.2 9.2
イギリスの旗 イギリス 16.8 8.7 16.4 8.2
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 21.0 11.7 17.2 15.1
イタリアの旗 イタリア 30.7 14.3 19.7 9.1

数値すうちれい

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国名こくめい 政府せいふおおきさ 財政ざいせい収支しゅうし 格差かくさジニ係数けいすう 貧困ひんこんりつ相対そうたいてき貧困ひんこんりつ 経済けいざい成長せいちょうりつ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 14.7% △2.8% 0.367 14.8% 3.0%
ドイツの旗 ドイツ 27.4% △2.7% 0.277 9.8% 1.2%
 スウェーデン 29.8% 1.4% 0.243 5.3% 2.6%
日本の旗 日本にっぽん 16.9% △6.7% 0.314 15.3% 1.4%

ちゅう政府せいふおおきさ:2001ねん社会しゃかいてき支出ししゅつのGDPにめる割合わりあい 格差かくさ:2001ねん 貧困ひんこんりつ:2000ねん 財政ざいせい収支しゅうし経済けいざい成長せいちょうりつ:2001ねん (出所しゅっしょ)OECDの資料しりょうによる[39]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ なお、ここでの「保守ほしゅ」「リベラル」のかたりはヨーロッパでの語義ごぎしたがっており、アメリカでは語義ごぎぎゃくになっていることに注意ちゅうい必要ひつようである。

出典しゅってん

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  1. ^ OECD Social Expenditure Statistics (Report). OECD. 2011. doi:10.1787/socx-data-en
  2. ^ 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) コトバンク. 2018ねん10がつ17にち閲覧えつらん
  3. ^ 百科ひゃっか事典じてんマイペディア コトバンク. 2018ねん10がつ17にち閲覧えつらん
  4. ^ 新川しんかわ 2004, p. 166.
  5. ^ 真野まの俊樹としき入門にゅうもん 医療いりょう政策せいさく中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃかん、2012ねん、94ぺーじ
  6. ^ 大竹おおたけ堀口ほりぐち、2003ねん
  7. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 175–176.
  8. ^ a b c 平岡ひらおか公一こういち社会しゃかい福祉ふくしがく有斐閣ゆうひかく、2011ねん12月、113-119ぺーじISBN 9784641053762 
  9. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 167–168.
  10. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 168–172.
  11. ^ 富永とみなが、2001ねん、186-187ぺーじ
  12. ^ OECD, The Welfare State in Crisis, Paris: OECD, 1981.
  13. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 80–81.
  14. ^ 新川しんかわ 2004, p. 207.
  15. ^ a b c d 山田やまだひさの「市場いちば主義しゅぎ3.0」 「市場いちば主義しゅぎ1.0」がもたらした可逆かぎゃくてき変化へんか サッチャー、レーガン、小泉こいずみ改革かいかく意味いみダイヤモンド・オンライン 2012ねん7がつ18にち
  16. ^ 富永とみなが、2001ねん、190-193ぺーじ
  17. ^ 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃへん経済けいざいがく巨人きょじん 危機ききたたかう-達人たつじん先人せんじん知恵ちえ日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ日経にっけいビジネス人文じんぶん〉、2012ねん、67ぺーじ
  18. ^ 新川しんかわ 2004, p. 175.
  19. ^ 佐藤さとう、1994ねん
  20. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 180–181.
  21. ^ a b c d e f g h i j k l "Chapt.4 「福祉ふくしレジーム」から社会しゃかい保障ほしょう福祉ふくし国家こっかかんがえる". 平成へいせい24年版ねんばん厚生こうせい労働ろうどう白書はくしょ (Report). 厚生こうせい労働ろうどうしょう. 2012.
  22. ^ エスピン=アンデルセン 2000, p. 129.
  23. ^ a b c d e 新川しんかわ 2004, p. 188.
  24. ^ a b 新川しんかわ 2004, pp. 209–210.
  25. ^ エスピン=アンデルセン 2001, p. 57.
  26. ^ エスピン=アンデルセン 2001, p. 82.
  27. ^ Esping-Andersen 1990; Ferragina and Seeleib-Kaiser, 2011
  28. ^ a b c Esping-Andersen 1990, p. 71.
  29. ^ OECDの「Social Expenditure Database」[1]による。なお、国立こくりつ社会しゃかい保障ほしょう人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょ社会しゃかい保障ほしょう費用ひよう統計とうけい平成へいせい22年度ねんど)』の「おも用語ようご解説かいせつ」にしたがって、公的こうてき社会しゃかい支出ししゅつ(public)と義務ぎむてき私的してき社会しゃかい支出ししゅつ(mandatory private)の合計ごうけい算出さんしゅつしている。
  30. ^ 新川しんかわ敏光としみつ 『日本にっぽんがた福祉ふくしレジームの発展はってん変容へんよう』 ミネルみねるァ書房ぁしょぼう〈シリーズ・現代げんだい福祉ふくし国家こっか〉、2005ねんISBN 9784623043941。257ぺーじ
  31. ^ 新川しんかわ 2004, pp. 207–208.
  32. ^ さかりさん和夫かずお(2011)『経済けいざい成長せいちょう不可能ふかのうなのか』中公新書ちゅうこうしんしょだい5しょうおよびだい6しょう
  33. ^ Atkinson, A. B. (1995). Incomes and the Welfare State. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 0-521-55796-8 
  34. ^ Barr, N. (2004). Economics of the welfare state. New York: Oxford University Press (USA).
  35. ^ Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) (2001ねん). “Welfare Expenditure Report” (Microsoft Excel Workbook). OECD. http://www.oecd.org/dataoecd/56/37/31613113.xls 
  36. ^ United Nations Development Programme (UNDP) (2003). “Human Development Indicators”. Human Development Report 2003. New York: Oxford University Press for the UNDP. http://hdr.undp.org/reports/global/2003/pdf/hdr03_HDI.pdf 
  37. ^ a b Kenworthy, L. (1999). Do social-welfare policies reduce poverty? A cross-national assessment. Social Forces, 77(3), 1119-1139.
  38. ^ a b Bradley, D., Huber, E., Moller, S., Nielson, F. & Stephens, J. D. (2003). Determinants of relative poverty in advanced capitalist democracies. American Sociological Review, 68(3), 22-51.
  39. ^ 神野かみの直彦なおひこ<巻頭かんとうごと>社会しゃかい福祉ふくし今日きょうてき課題かだい」『人間にんげん福祉ふくしがく研究けんきゅうだい2かんだい1ごう関西学院大学かんせいがくいんだいがく人間にんげん福祉ふくし学部がくぶ研究けんきゅうかい、2009ねん11月、3-5ぺーじCRID 1050282812777417984hdl:10236/3483ISSN 18832741 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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