自然しぜん種しゅ

自然しぜん種しゅ（英語えいご: Natural kind）は、哲学てつがくにおける概念がいねん。

分析ぶんせき哲学てつがくにおいては、人ひとに作つくり出だされたのではない、様々さまざまな点てんで相互そうごに類似るいじした人間にんげんの関心かんしんや概念がいねん、慣習かんしゅうから独立どくりつしているような事物じぶつは、しばしば自然しぜん種しゅと呼よばれている。この例れいとしては、素粒子そりゅうし、化学かがく元素げんそ、生物せいぶつ種しゅなどがある。

自然しぜん種しゅは、たいてい人工じんこう種しゅとは区別くべつされる。人工じんこう種しゅとは、分類ぶんるいする者ものの関心かんしんのみを反映はんえいし、分類ぶんるいされた対象たいしょうじたいの重要じゅうような性質せいしつはいっさい反映はんえいしていないようなもの（例たとえば「100ドル以下いかの靴くつ」）である。

自然しぜん種しゅに区分くぶんすることの裏うらには、その種たねの全ぜん要素ようそが、ある性質せいしつの集合しゅうごうを––種しゅを構成こうせいししたがって種たねを特徴付とくちょうづけるような性質せいしつの集合しゅうごうを––共有きょうゆうしているという考かんがえがある。哲学てつがくの議論ぎろんでは、信頼しんらいに値あたいするような仕方しかたで自然しぜん種しゅを定義ていぎし区別くべつすることができるのか、あるいはどのようにしてそれが可能かのうかという認識にんしき論ろん的てきな問題もんだいや、自然しぜん種しゅの存在そんざい論ろん的てき地位ちいが論ろんじられている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 植原うえはら亮あきら『実在じつざい論ろんと知識ちしきの自然しぜん化か: 自然しぜん種しゅの一般いっぱん理論りろんとその応用おうよう』（勁草書房しょぼう、2013年ねん）

関連かんれん項目こうもく

• 事実じじつと価値かちの区別くべつ
• 帰納きのう
• グルーのパラドックス
• 道具どうぐ主義しゅぎ
• 社会しゃかい構築こうちく主義しゅぎ

外部がいぶリンク

• Alexander Bird, Emma Tobin “Natural Kinds” in Stanford Encyclopedia of Philosophy, edited by E. Zalta.
• Brzović Zdenka “Natural Kinds” in Internet Encyclopedia of Philosophy edited by J. Fieser and B. Dowden.