蒲原かまはら郡ぐん

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新潟にいがた県けん蒲原かまはら郡ぐんの範囲はんい

蒲原かまはら郡ぐん（かんばらぐん）は、新潟にいがた県けん・福島ふくしま県けん（越後えちご国こく）にあった郡ぐん。

郡ぐん域いき

5分割ぶんかつされた蒲原かまはら郡ぐんの範囲はんい（水色みずいろ：東蒲原ひがしかんばら郡ぐん、橙だいだい：西蒲原にしかんばら郡ぐん、緑みどり：南蒲原みなみかんばら郡ぐん、紺こん：北蒲原きたかんばら郡ぐん、薄うすき緑みどり：中蒲原なかかんばら郡ぐん）

現在げんざいの下記かきの区域くいきにあたるが、行政ぎょうせい区画くかくとして画定かくていされたものではない。

• 新潟にいがた市しの大だい部分ぶぶん（西にし蒲かばの区く間瀬ませを除のぞく）
• 三条さんじょう市し、新発田しばた市し、加茂かも市し、五泉いいずみ市し、阿賀あが野市のいち、胎内たいない市し、北蒲原きたかんばら郡ぐん聖せい籠町かごまち、西蒲原にしかんばら郡ぐん弥彦やひこ村むら、南蒲原みなみかんばら郡ぐん田上たのえ町まち、東蒲原ひがしかんばら郡ぐん阿賀あが町まちの全域ぜんいき
• 燕つばめ市しの大だい部分ぶぶん（野中才のなかさい・五千石ごせんごく・大川津おおかわづを除のぞく）
• 長岡ながおか市しの一部いちぶ（信濃川しなのがわ以東いとうのうち思川新田おもいがわしんでん、押切新田おしきりしんでん、池之島いけのしま、坪根つぼね、大口おおぐち、品之木ぼんのき、横山よこやま、関根せきね、島田しまだ、長呂ながろ以北いほく）
• 見附みつけ市しの一部いちぶ（概おおむね刈谷田川かりやたがわ以北いほくおよび葛巻くずまき南町みなみまち・傍所ほうじょ町まち飛地とびち）

但ただし、古代こだいは上記じょうきのうち新潟にいがた市しと阿賀あが町まちの阿賀野川あがのがわ以北いほく（新潟にいがた市し東ひがし区くのうち阿賀野川あがのがわ旧きゅう流域りゅういきである通船川かよいぶねがわ以北いほく地域ちいきを含ふくむ）および新発田しばた市し・胎内たいない市し・阿賀あが野市のいち・聖せい籠町かごまちは沼垂ぬったり郡ぐんであったため属ぞくしておらず、西にし蒲がま区間くかん瀬せは本ほん郡ぐんに属ぞくしていた。

越後えちご国こくおよび北陸ほくりく道どうで最大さいだいの面積めんせきを持もつ郡ぐんであった。

古代こだい

古代こだいの文献ぶんけんには「かむはら」の訓くんもみられ、また中世ちゅうせいには「神原かみはら」と記載きさいされることもあった。

当初とうしょは越えつ中国ちゅうごくに属ぞくしていたが、大宝たいほう2年ねん（702年ねん）に頸城郡ぐん・魚沼うおぬま郡ぐん・古志こし郡ぐんとともに越後えちご国こくに管轄かんかつを移うつされた。古代こだいから中世ちゅうせいにかけてのある時期じきに北部ほくぶの沼垂ぬったり郡ぐん（北蒲原きたかんばら郡ぐんにほぼ相当そうとうする地域ちいき）を編入へんにゅうしたが、その時期じきは明あきらかでない。

式内しきない社しゃ

『延喜えんぎ式しき』神かみ名めい帳ちょうに記しるされる郡ぐん内ないの式内しきない社しゃ。

神かみ名めい帳ちょう				比定ひてい社しゃ			集成しゅうせい
社名しゃめい	読よみ	格かく	付記ふき	社名しゃめい	所在地しょざいち	備考びこう
蒲原かまはら郡ぐん 13座ざ（大だい1座ざ・小しょう12座ざ）
青海あおみ神社じんじゃ 二に座ざ	アヲミノ	小しょう		青海あおみ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん加茂かも市し大字だいじ加茂かも
				蒲原かんばら神社じんじゃ	新潟にいがた県けん新潟にいがた市し中央ちゅうおう区く長嶺ながみね町まち
宇都うと良りょう波なみ志こころざし神社じんじゃ	ウツラハシノ	小しょう		中山なかやま神社じんじゃ	新潟にいがた県けん五泉いいずみ市し橋田はした
伊い久礼くれ神社じんじゃ	イクレノ	小しょう		伊い久礼くれ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し井栗いぐり
槻田つきた神社じんじゃ	ツキタノ	小しょう		槻田つきた神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し月岡つきおか
小しょう布勢ふせ神社じんじゃ	ヲフセノ	小しょう		小しょう布勢ふせ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し上保内かみほない丙へい
伊い加か良りょう志こころざし神社じんじゃ	イカラシノ	小しょう		（論ろん）五十嵐いがらし神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し飯田いいだ
				（論ろん）八木はちぼく神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し北五百川きたいもがわ
伊い夜や比ひ古こ神社じんじゃ	イヤヒコノ	名めい神大しんだい		弥彦やひこ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん西蒲原にしかんばら郡ぐん弥彦やひこ村むら弥彦やひこ	越後えちご国こく一宮いちのみや	[1]
長瀬ながせ神社じんじゃ	ナカセノ	小しょう		長瀬ながせ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん加茂かも市し宮寄上みやよりかみ
				長瀬ながせ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん加茂かも市し八幡やはた
中山なかやま神社じんじゃ	ナカヤマノ	小しょう		中山なかやま神社じんじゃ	新潟にいがた県けん五泉市橋田字中山戊
				中山なかやま神社じんじゃ	新潟にいがた県けん三条さんじょう市し大字だいじ西大崎にしおおさき
旦だん飯野いいの神社じんじゃ	-イヒノノ アシタ-	小しょう		旦だん飯野いいの神社じんじゃ	新潟にいがた県けん阿賀あが野市のいち宮下みやげ
船江ふなえ神社じんじゃ	フナエノ	小しょう		船江ふなえ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん新潟にいがた市し中央ちゅうおう区く古町通ふるまちどおり
土生田とちうだ神社じんじゃ	ツチフタノ ハニフタ	小しょう		土生田とちうだ神社じんじゃ	新潟にいがた県けん南蒲原みなみかんばら郡ぐん田上たのえ町まち羽生田はにゅうだ

近代きんだい以降いこうの沿革えんかく

所属しょぞく町村ちょうそんの変遷へんせんは北蒲原きたかんばら郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、中蒲原なかかんばら郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、西蒲原にしかんばら郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、南蒲原みなみかんばら郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、東蒲原ひがしかんばら郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかくをそれぞれ参照さんしょう

• 「旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょう」に記載きさいされている明治めいじ初年しょねん時点じてんでの支配しはいは以下いかの通とおり。下記かきのほか寺社じしゃ領りょう、寺社じしゃ除じょ地ちが存在そんざい。国名こくめいのあるものは飛地とびち領りょう。
  • 後ごの新潟にいがた区く域いき（新潟にいがた町まち・寄居よりい白山新田しらやましんでん村むら） - 幕府ばくふ領りょう（新潟にいがた奉行ぶぎょう所しょ）
  • 後ごの北蒲原きたかんばら郡ぐん域いき（9町まち624村むら） - 幕府ばくふ領りょう（水原みずはら代官だいかん所しょ・新発田しばた藩はん預あずか地ち）、旗はた本領ほんりょう、新発田しばた藩はん、三日市みっかいち藩はん、黒川くろかわ藩はん、村上むらかみ藩はん、陸奥みちのく会津あいづ藩はん
  • 後ごの中蒲原なかかんばら郡ぐん域いき（4町まち364村むら） - 幕府ばくふ領りょう（新潟にいがた奉行ぶぎょう所しょ・水原みずはら代官だいかん所しょ・桑名くわな藩はん預あずか地ち・新発田しばた藩はん預あずか地ち）、新発田しばた藩はん、村松むらまつ藩はん、村上むらかみ藩はん、駿河するが沼津ぬまづ藩はん、陸奥みちのく会津あいづ藩はん
  • 後ごの西蒲原にしかんばら郡ぐん域いき（2町まち357村むら） - 幕府ばくふ領りょう（水原みずはら代官だいかん所しょ・新発田しばた藩はん預あずか地ち）、長岡ながおか藩はん、三根みつね山さん藩はん、与板よいた藩はん、新発田しばた藩はん、陸奥みちのく会津あいづ藩はん、上野うえの高崎たかさき藩はん、伊勢いせ桑名くわな藩はん
  • 後ごの南蒲原みなみかんばら郡ぐん域いき（3町まち334村むら） - 幕府ばくふ領りょう（水原みずはら代官だいかん所しょ・新発田しばた藩はん預あずか地ち・桑名くわな藩はん預あずか地ち・三日市藩預地）、村松むらまつ藩はん、新発田しばた藩はん、村上むらかみ藩はん、与板よいた藩はん、三日市みっかいち藩はん、長岡ながおか藩はん、上野うえの高崎たかさき藩はん、陸奥みちのく会津あいづ藩はん、伊勢いせ桑名くわな藩はん
  • 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いき（1町まち69村むら） - 陸奥みちのく会津あいづ藩はん
• 慶応けいおう4年ねん
  • 4月がつ19日にち（1868年ねん5月11日にち） - 幕府ばくふ領りょう・旗はた本領ほんりょうが新潟にいがた裁判所さいばんしょの管轄かんかつとなる。
  • 閏うるう4月がつ29日にち（1868年ねん6月19日にち） - 戊辰戦争ぼしんせんそうで新しん政府せいふ軍ぐんが桑名くわな藩はんの陣屋じんやがある刈羽かりわ郡ぐん柏崎かしわざきを制圧せいあつ。
  • 5月23日にち（1868年ねん7月がつ12日にち） - 幕府ばくふ領りょう・旗はた本領ほんりょう・桑名くわな藩はん領りょうが越後えちご府ふ（第だい1次じ）の管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ元年がんねん
  • 9月12日にち（1868年ねん10月27日にち） - 沼津ぬまづ藩はんが転うたて封ふうにより上総かずさ菊間きくま藩はんとなる。郡ぐん内ないの領地りょうちは引ひき続つづき管轄かんかつ。
  • 9月21日にち（1868年ねん11月5日にち） - 越後えちご府ふ（第だい1次じ）が改称かいしょうして新潟にいがた府ふとなる。
  • 9月22日にち（1868年ねん11月6日にち） - 会津あいづ戦争せんそうで会津あいづ藩はんが新しん政府せいふ軍ぐんに降伏ごうぶくして領地りょうちを没収ぼっしゅうされ、後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきを除のぞく領地りょうちが新潟にいがた府ふの管轄かんかつとなる。
  • 10月1日にち（1868年ねん11月14日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきが若松わかまつ民政みんせい局きょくの管轄かんかつとなる。
  • 12月7日にち（1869年ねん1月がつ19日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきの郷さと村高むらだか帳ちょうの引ひき継つぎ以外いがいの事務じむが上野うえの館林たてばやし藩はんの管轄かんかつとなる。
  • 12月23日にち（1869年ねん2月がつ4日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきの事務じむが館林たてばやし藩はんと羽前うぜん新庄しんじょう藩はんの共同きょうどう管理かんりとなる。
• 明治めいじ2年ねん
  • 2月がつ8日にち（1869年ねん3月がつ20日はつか） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきと新潟にいがた町まちを除のぞく区域くいきが越後えちご府ふ（第だい2次じ）の管轄かんかつとなる（新潟にいがた町まちは新潟にいがた府ふ管轄かんかつのまま）。
  • 2月がつ22日にち（1869年ねん4月がつ3日にち） - 新潟にいがた府ふが新潟にいがた県けん（第だい1次じ）に改称かいしょう。
  • 5月4日にち（1869年ねん6月13日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきが若松わかまつ県けんの管轄かんかつとなる。館林たてばやし藩はん・新庄しんじょう藩はんの管轄かんかつも終了しゅうりょう。
  • 7月がつ27日にち（1869年ねん9月3日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきを除のぞく区域くいきが水原みずはら県けんの管轄かんかつとなる（新潟にいがた町まちを含ふくむ）。
• 明治めいじ3年ねん
  • 3月7日にち（1870年ねん4月がつ7日にち） - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきを除のぞく区域くいきが新潟にいがた県けん（第だい2次じ）の管轄かんかつとなる。
  • 7月がつ - 長岡ながおか藩はん領りょう・三根みつね山さん藩はん領りょう・与板よいた藩はん領りょう・高崎たかさき藩はん領りょうを除のぞく全域ぜんいきで大だい規模きぼな領地りょうち替がえが行おこなわれ、新潟にいがた県けん・新発田しばた藩はん領りょう・村上むらかみ藩はん領りょう・黒川くろかわ藩はん領りょう・三日市みっかいち藩はん領りょうが再編さいへん。菊間きくま藩はん領りょうが消滅しょうめつ。
  • 10月22日にち（1870年ねん11月15日にち） - 長岡ながおか藩はんが廃はい藩はんとなり、領地りょうちが新潟にいがた県けんの管轄かんかつとなる。
  • 10月29日にち（1870年ねん11月22日にち） - 三根みつね山さん藩はんが改称かいしょうして峰岡みねおか藩はんとなる。
• 明治めいじ4年ねん
  • 7月がつ14日にち（1871年ねん8月がつ29日にち） - 廃藩置県はいはんちけんにより藩はん領りょうが新発田しばた県けん、村上むらかみ県けん、黒川くろかわ県けん、三日市みっかいち県けん、村松むらまつ県けん、峰岡みねおか県けん、与板よいた県けん、高崎たかさき県けんとなる。
  • 11月20日にち（1871年ねん12月31日にち） - 第だい1次じ府県ふけん統合とうごうにより後のちの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきを除のぞく区域くいきが新潟にいがた県けん（第だい2次じ）の管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ9年ねん（1876年ねん）8月がつ21日にち - 後ごの東蒲原ひがしかんばら郡ぐん域いきが第だい2次じ府県ふけん統合とうごうにより福島ふくしま県けんの管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ12年ねん（1879年ねん）
  • 1月がつ27日にち - 郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうの福島ふくしま県けんでの施行しこうにより、福島ふくしま県けん蒲原かまはら郡ぐんに行政ぎょうせい区画くかくとしての東蒲原ひがしかんばら郡ぐんが発足ほっそく。
  • 4月がつ9日にち - 郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうの新潟にいがた県けんでの施行しこうにより、新潟にいがた県けん蒲原かまはら郡ぐんのうち新潟にいがた町まち・寄居よりい白山新田しらやましんでん村むらの区域くいきに新潟にいがた区く、新発田しばた村むらほか8町まち602村むらに北蒲原きたかんばら郡ぐん、新津あらつ町まちほか4町まち350村むらに中蒲原なかかんばら郡ぐん、巻まき村むらほか2町まち350村むらに西蒲原にしかんばら郡ぐん、三条さんじょう町まちほか3町まち302村むらに南蒲原みなみかんばら郡ぐんが、それぞれ行政ぎょうせい区画くかくとして発足ほっそく。同日どうじつ蒲原かまはら郡ぐん消滅しょうめつ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 「角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん」編纂へんさん委員いいん会かい 編へん『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん』 15 新潟にいがた県けん、角川書店かどかわしょてん、1989年ねん9月がつ1日にち。ISBN 4040011503。 
• 旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょうデータベース
• “新潟にいがた市しのあゆみ (パンフレット)”. 新潟にいがた市し (2007年ねん3月がつ). 2020年ねん9月がつ18日にち閲覧えつらん。2017年ねん12月25日にち改定かいてい

関連かんれん項目こうもく

• 消滅しょうめつした郡ぐんの一覧いちらん

先代せんだい 蒲原かまはら郡ぐん・沼垂ぬったり郡ぐん	行政ぎょうせい区くの変遷へんせん 時期じき不明ふめい	次代じだい 蒲原かまはら郡ぐん
先代せんだい 蒲原かまはら郡ぐん	行政ぎょうせい区くの変遷へんせん 時期じき不明ふめい - 1879年ねん	次代じだい 新潟にいがた県けん新潟にいがた区く・北蒲原きたかんばら郡ぐん・ 中蒲原なかかんばら郡ぐん・西蒲原にしかんばら郡ぐん・南蒲原みなみかんばら郡ぐん 福島ふくしま県けん東蒲原ひがしかんばら郡ぐん