蜘蛛くも女おんなのキス

蜘蛛くも女おんなのキス El Beso De La Mujer Araña
著者ちょしゃ	マヌエル・プイグ
訳者やくしゃ	野谷のや文昭ふみあき
発行はっこう日び	アルゼンチン 1976年ねん 日本にっぽん 1988年ねん10月
発行はっこう元もと	日本にっぽん 集英社しゅうえいしゃ
ジャンル	小説しょうせつ
国くに	アルゼンチン
言語げんご	スペイン語ご
形態けいたい	文庫本ぶんこぼん
ページ数すう	461
コード	ISBN 978-4087606232
ウィキポータル 文学ぶんがく
[ ウィキデータ項目こうもくを編集へんしゅう ]

『蜘蛛くも女おんなのキス』（くもおんなのキス、原題げんだい：El Beso De La Mujer Araña, 英えい題だい：Kiss of the Spider Woman）は、アルゼンチンの作家さっかマヌエル・プイグ作さくの小説しょうせつ。

概要がいよう

1976年ねんにアルゼンチンで出版しゅっぱんされてベストセラーとなり、1979年ねんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで英訳えいやくされた。ほぼ全編ぜんぺんがモリーナとヴァレンティンという二人ふたりの登場とうじょう人物じんぶつの対話たいわ形式けいしきで綴つづられており、途中とちゅうで「報告ほうこく」などとして挿入そうにゅうされる文章ぶんしょうはあるものの、いわゆる「地ちの文ぶん」は存在そんざいしない。

後のちにプイグ自身じしんの手てで戯曲ぎきょく化かされ、1981年ねんにマドリード・マルティン劇場げきじょうで世界せかい初はつの初演しょえんを迎むかえた。

1985年ねんにはレナード・シュレイダーの脚色きゃくしょくとエクトール・バベンコの監督かんとくにより映画えいが化かされ、1990年代ねんだいにはジョン・カンダーとフレッド・エッブの作詞さくし・作曲さっきょくによりミュージカル化かされた。

あらすじ

舞台ぶたいは、ブエノスアイレスの刑務所けいむしょの獄ごく房ぼうの一室いっしつ。

未成年みせいねん者しゃに対たいする性的せいてきな行為こういにより懲役ちょうえき8年ねんを宣告せんこくされたゲイの女装じょそう男性だんせいのモリーナは、社会しゃかい主義しゅぎ運動うんどうの政治せいじ犯はんとして逮捕たいほされた青年せいねん革命かくめい家かヴァレンティンと同室どうしつになる。モリーナがかつて見みた映画えいがのストーリーを語かたり始はじめたことがきっかけで、いつしか二に人にんは互たがいに心しんを通かよわせていく。しかし、実じつはモリーナは、刑務所けいむしょ長ちょうからヴァレンティンのいたゲリラ組織そしきに関かんする情報じょうほうをき出きだすよう命めいじられていた。

ところがヴァレンティンに情愛じょうあいを抱いだくようになっていたモリーナは、ゲリラに関かんする情報じょうほうをき出きだすことができない。成果せいかのなさに所長しょちょうは情報じょうほうを探さぐり出だすことをあきらめて、出所しゅっしょしたモリーナがヴァレンティンの仲間なかまのゲリラと接触せっしょくすることを期待きたいし、モリーナを仮釈放かりしゃくほう処分しょぶんとすることを決きめる。

そしてモリーナが仮釈放かりしゃくほうとなる前夜ぜんや、ヴァレンティンはモリーナに自分じぶんが所属しょぞくしていたゲリラに伝言でんごんを伝つたえるよう頼たのむ。

日本語にほんご訳やく

• 『蜘蛛くも女おんなのキス』 野谷のや文昭ふみあき訳わけ、集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ、1988年ねん10月（改訂かいてい新版しんぱん：2011年ねん）

舞台ぶたい（ストレートプレイ）

モリーナとヴァレンティンの二人ふたり芝居しばい。

日本にっぽん版ばんスタッフ&キャスト

年とし	演出えんしゅつ	モリーナ	ヴァレンティン	翻訳ほんやく	備考びこう
1991	ロバート・アラン・アッカーマン	村井むらい国夫くにお	岡本おかもと健一けんいち	吉田よしだ美枝みえ	初演しょえん、松竹しょうちく株式会社かぶしきがいしゃ
1992					再演さいえん、松竹しょうちく株式会社かぶしきがいしゃ
2000-2001		山本やまもと亨とおる	高橋たかはし和也かずや		tpt34
2002	ロバート・アラン・アッカーマン/薛珠麗うらら		北村きたむら有ゆう起おこり哉		tpt40
2005	松本まつもと祐子ゆうこ	今村いまむらねずみ	山口やまぐち馬木うまき也	常田つねだ景子けいこ
2017	鈴木すずき裕美ひろみ	渡辺わたなべいっけい	大倉おおくら忠義ただよし	吉田よしだ美枝みえ

映画えいが

詳細しょうさいは「蜘蛛くも女おんなのキス (映画えいが)」を参照さんしょう

ミュージカル

• 脚本きゃくほん：テレンス・マクナリー
• 作詞さくし・作曲さっきょく：ジョン・カンダー&フレッド・エッブ

1990年ねんの非公開ひこうかい上演じょうえん後ご、1991年ねん10月にロンドンのシャフツベリー劇場げきじょうで改訂かいてい初演しょえんされる。1993年ねんにはブロードウェイに進出しんしゅつしてトニー賞しょうを受賞じゅしょうするなど話題わだいをさらい、日本にっぽんでも人気にんき演目えんもくとなっている。

原作げんさくや映画えいが版ばんとは異ことなり、蜘蛛くも女おんなが主人公しゅじんこうに設定せっていされているのが特徴とくちょう的てきである。

ナンバー

第だい1幕まく

• M1：Opening（蜘蛛くも女おんな）
• M2：Aurora（オーロラ）
• M3：塀へいの外そと1（アンサンブル）
• M4：Bluebloods 貴族きぞくの血ち（モリーナ）
• M5：飾かざり付つけ/引ひくぞライン（モリーナ/ヴァレンティン）
• M6：Dear One（モリーナ、ヴァレンティン、モリーナの母はは、マルタ）
• M7：塀へいの外そと2（アンサンブル）
• M8：Where You Are（オーロラ）
• M9 ：塀へいの外そと3＜マルタ＞ （ヴァレンティン）
• M10：尋問じんもんの場ば（蜘蛛くも女おんな）
• M10a：聖せいなるイエス（アンサンブル）
• M11：起おこそう奇跡きせき（オーロラ、マルタ）
• M12：ガブリエルの手紙てがみ/最初さいしょの女おんな（ガブリエル、ヴァレンティン）
• M13a,b：モルヒネ・タンゴ1,2（アンサンブル）
• M13b：恥はじたりしない（モリーナの母はは）
• M13c：モリーナと蜘蛛くも女おんな（蜘蛛くも女おんな、モリーナ）
• M14：彼女かのじょは女おんな（モリーナ）
• M15：Let's Make Love（オーロラ）

第だい2幕まく

• M16：いい時代じだいが（オーロラ）
• M17：その次つぎの日ひ（ヴァレンティン）
• M18：ママ、ぼくよ（モリーナ）
• M19：彼かれのためなら（蜘蛛くも女おんな、モリーナ、ヴァレンティン）
• M20：蜘蛛くも女おんなのキス（蜘蛛くも女おんな）
• M21：塀へいの外そと4＜ラッキーモリーナ＞ （刑務所けいむしょ長ちょう）
• M22：映画えいがでだけ （モリーナ、全員ぜんいん）

日本にっぽん版ばんスタッフ&キャスト

年とし	演出えんしゅつ	訳詞やくし	蜘蛛くも女おんな/オーロラ	モリーナ	ヴァレンティン	刑務所けいむしょ長ちょう	モリーナの母はは	マルタ	劇場げきじょう
1996	ハロルド・プリンス	岩谷いわたに時子ときこ	麻実あさみれい	市村いちむら正親まさちか	宮川みやがわ浩ひろし	高品たかしな剛つよし	大方おおかた斐紗子こ	大浦おおうらみずき	アートスフィア ほか
1998								麻生あそうかほ里さと	青山あおやま劇場げきじょう ほか
2007	荻田おぎた浩一こういち		朝あさ海うみひかる	石井いしい一孝かずたか	浦井うらい健治けんじ	藤本ふじもと隆宏たかひろ	初はつ風ふう諄	朝あさ澄きよしけい	東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょう ほか
2010	荻田おぎた浩一こういち		金きむ志こころざし賢けん	石井いしい一孝かずたか	浦井うらい健治けんじ	今井いまい朋彦ともひこ	初はつ風ふう諄	朝あさ澄きよしけい	東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょう ほか
2021	日にち澤さわ雄介ゆうすけ	高橋たかはし亜子あこ	安あん蘭らんけい	石丸いしまる幹みき二に	相あい葉は裕樹ゆうき 村井むらい良りょう大だい	鶴見つるみ辰吾しんご	香こう寿ことぶきたつき	小南こみなみ満みつる佑子ゆうこ	東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょう ほか

関連かんれん項目こうもく

• 対話たいわ体たい小説しょうせつ
• 蜘蛛くも女おんなのキス (映画えいが)

外部がいぶリンク

• ブロードウェイミュージカル『蜘蛛くも女おんなのキス』 - TokyoWrestling.com