運用うんよう (鉄道てつどう)

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運用うんよう(うんよう)とは、鉄道てつどうにおいて車両しゃりょう乗務じょうむいん実際じっさい運行うんこうする列車れっしゃてることである。鉄道てつどう運行うんこう計画けいかくなかで、車両しゃりょうかたかんする計画けいかく車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく乗務じょうむいんかたかんする計画けいかく乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくという。ほん項目こうもくでは、鉄道てつどうにおける運用うんよう計画けいかくについて解説かいせつする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

鉄道てつどう列車れっしゃダイヤもとづいて運行うんこうされているが、ダイヤを実際じっさい実行じっこう可能かのうなものとするためには、そのうらづけとなる実際じっさい車両しゃりょう乗務じょうむいん必要ひつようとなる。運行うんこう必要ひつようとなる車両しゃりょう乗務じょうむいんかず鉄道てつどう営業えいぎょうのコストに直結ちょっけつするものであるため、できるかぎすくないことがのぞましい。一方いっぽう車両しゃりょうには定期ていきてき検査けんさ必要ひつようせい乗務じょうむいんには勤務きんむ時間じかん休憩きゅうけい時間じかんといった様々さまざま制約せいやく条件じょうけんがあり、さらに車両しゃりょうかんしては、えき番線ばんせん数等すうとう起因きいんする物理ぶつりてき制約せいやく存在そんざいする。こうした様々さまざま制約せいやく条件じょうけんたしながら、あたえられた列車れっしゃダイヤを実現じつげんできる運用うんよう計画けいかく考案こうあんする必要ひつようがある。

運用うんよう計画けいかく車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくJRではA運用うんようばれる[1])と乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかく(JRでは運転うんてん運用うんようB運用うんよう車掌しゃしょう運用うんようC運用うんようばれる[1]一部いちぶ私鉄してつなどでは運転うんてん車掌しゃしょうわせが常時じょうじ固定こていされたMCペアせいっている。)にけられ、制約せいやく条件じょうけん若干じゃっかんちがいがあるが、問題もんだい性質せいしつとしては似通にかよっているため、本稿ほんこうでまとめて解説かいせつする。

運用うんよう計画けいかく基本きほんてきかんがかた[編集へんしゅう]

1 運用うんようあんれい
2 はこダイヤ

1に簡単かんたん列車れっしゃ計画けいかく列車れっしゃダイヤ)と、それに対応たいおうした運用うんようあんを2種類しゅるいしめす。右側みぎがわ運用うんようあんでは、あか実線じっせんみどり破線はせんあお点線てんせんがそれぞれ同一どういつ編成へんせいまたは乗務じょうむいんもちいて運転うんてんされる列車れっしゃであることをしめしている。このれいではえきBの位置いち車両しゃりょう基地きち存在そんざいするものとしている。なお、まるしめした記号きごう車両しゃりょう基地きちから本線ほんせんへの出発しゅっぱついで)を、三角さんかくしめした記号きごう車両しゃりょう基地きちへの本線ほんせんからの到着とうちゃくいり)を意味いみし、日本にっぽん鉄道てつどう事業じぎょうしゃでは一般いっぱんてきもちいられているものである。

本来ほんらい列車れっしゃダイヤをればどう時刻じこく最大さいだいで2ほん列車れっしゃ運行うんこうされているだけであるので、2くみ編成へんせい乗務じょうむいん運行うんこうできるが、実際じっさいには列車れっしゃ所在地しょざいち関係かんけいで3くみ編成へんせい乗務じょうむいん必要ひつようとなっている。

このれいでは、えきAでのかえしの関係かんけいえたために、あか実線じっせんあお点線てんせんあらわされる編成へんせい乗務じょうむいんてられる列車れっしゃことなってきている。非常ひじょう単純たんじゅん列車れっしゃダイヤである場合ばあいのぞけば、このれいのように1つの列車れっしゃダイヤにたいして複数ふくすうことなる運用うんようあんかんがえられ、実際じっさい鉄道てつどう膨大ぼうだいかず列車れっしゃたいしてはそのわせだけの運用うんようあん存在そんざいすることになる。この運用うんようあんなかから、制約せいやく条件じょうけんたしてかつ所要しょよう編成へんせい乗務じょうむいんすくなくなるような計画けいかくかんがえることが運用うんよう計画けいかく目的もくてきである。

作成さくせいされた運用うんよう計画けいかくは、はこダイヤばれる形式けいしき図表ずひょうにまとめられる。2に1の運用うんようあん1に対応たいおうしたはこダイヤのれいしめす。はこダイヤでは同一どういつ場所ばしょえき)をたてそろえて、編成へんせい乗務じょうむいん移動いどうを1ほんがったせんしめしている。実際じっさいにはこれにかく列車れっしゃ列車れっしゃ番号ばんごうかええき乗務じょうむ交代こうたいえきなどの時刻じこくや、いでいり出勤しゅっきん退勤たいきん時刻じこく、1にち実働じつどう時間じかん走行そうこう距離きょりといった情報じょうほうまれている。同一どういつ編成へんせい乗務じょうむいん運転うんてんされる一連いちれん列車れっしゃわせのことを行路こうろ(または仕業しわざ)とう。

かく編成へんせい乗務じょうむいん毎日まいにちおな行路こうろ運用うんようされるわけではなく、ことなる行路こうろじゅんてられる。行路こうろてられる順番じゅんばんのことを交番こうばんという。運用うんよう計画けいかくは、行路こうろ作成さくせい交番こうばん作成さくせいの2つにおおきくけられ、交番こうばん作成さくせいのことをとく区別くべつするとき交番こうばん計画けいかく(または充当じゅうとう計画けいかく割当わりあて計画けいかく)とぶ。交番こうばんはおおむね一定いってい順序じゅんじょとなっているが、乗務じょうむいん休暇きゅうか車両しゃりょう臨時りんじ修理しゅうりなどの関係かんけいかならずしも順序じゅんじょ沿わないこともあり、随時ずいじ変更へんこうされるものとなっている。

運用うんよう計画けいかく制約せいやく条件じょうけん評価ひょうか[編集へんしゅう]

運用うんよう計画けいかくかんする制約せいやく条件じょうけんと、どのような運用うんようがよいかという評価ひょうか指標しひょうは、車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくことなっている。

車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく制約せいやく条件じょうけん[編集へんしゅう]

車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくには、以下いかのような制約せいやく条件じょうけんがある。

編成へんせい列車れっしゃの1たい1対応たいおう[編集へんしゅう]

列車れっしゃ運行うんこう可能かのうであるためには、ダイヤじょうすべての列車れっしゃ編成へんせいが1たい1でてられなければならない。ただしぞうかいゆいともな列車れっしゃについては1たい1ではなく、1ほん列車れっしゃ複数ふくすう編成へんせいてることになる。この場合ばあい編成へんせいきや種類しゅるい特別とくべつ注意ちゅういはら必要ひつようがある。

編成へんせい割当わりあて可能かのう条件じょうけん[編集へんしゅう]

編成へんせい種類しゅるいによって運用うんよう可能かのう路線ろせん列車れっしゃ限定げんていされる。

そのにも、剛体ごうたい架線かせん使用しようしているためにパンタグラフ2装備そうびしゃ限定げんていされているJR東西線とうざいせんや、北陸本線ほくりくほんせん直流ちょくりゅうともなって地元じもと負担ふたん製造せいぞうされたために運用うんよう区間くかん限定げんていされているJR西日本にしにほん521けい電車でんしゃなど、様々さまざま条件じょうけんがある。

時刻じこく場所ばしょ連続れんぞく条件じょうけん[編集へんしゅう]

どういち編成へんせいてられている列車れっしゃは、その前後ぜんご始終しじゅう着駅ちゃくえき時刻じこく場所ばしょ連続れんぞくしていなければ実現じつげん可能かのう運用うんようではない。この条件じょうけんたすためには、あるえきから出発しゅっぱつする列車れっしゃかず到着とうちゃくする列車れっしゃかず一致いっちしていなければならない(ぞうかいゆい場合ばあい例外れいがい)。列車れっしゃダイヤじょうでこの条件じょうけんたされていない場合ばあい回送かいそう列車れっしゃ設定せってい必要ひつようとなる。ただし列車れっしゃダイヤじょう発着はっちゃくすう条件じょうけんたしていても運用うんようじょう都合つごうにより回送かいそう列車れっしゃ設定せってい必要ひつようになる場合ばあいもある。

番線ばんせんすう[編集へんしゅう]

同時どうじどういちえき車両しゃりょう基地きち存在そんざいしている編成へんせいすうがそのえき車両しゃりょう基地きち番線ばんせんすうえる運用うんよう計画けいかく実行じっこう不可能ふかのうである。たとえば1のうん用例ようれいでは、運用うんようあん1でも2でもえきAに同時どうじに2ほん列車れっしゃ停車ていしゃしている時間じかんたいがあるので、えきAに最低さいてい2ほん線路せんろ存在そんざいしていなければならない。この場合ばあいえきAに連続れんぞくして2ほん列車れっしゃ到着とうちゃくしていてそのあいだ出発しゅっぱつする列車れっしゃがないので、列車れっしゃダイヤじょうかならえきAに2ほん以上いじょう線路せんろ必要ひつようとしている。列車れっしゃダイヤじょう必要ひつようではなくても、運用うんよう計画けいかくのやりかたによっては必要ひつようとなる番線ばんせんすうえることがある。

運用うんよう計画けいかく番線ばんせんすう条件じょうけんたすことができないときには、列車れっしゃダイヤを変更へんこうして到着とうちゃく列車れっしゃ出発しゅっぱつ列車れっしゃ時刻じこくえるか、あらたに回送かいそう列車れっしゃ設定せっていして番線ばんせんいているほかえき車両しゃりょう基地きち編成へんせい待避たいひさせる必要ひつようがある。

最低さいていかえ時間じかん[編集へんしゅう]

終着駅しゅうちゃくえきかえすには、乗務じょうむいん反対はんたいがわ乗務じょうむいんしつ移動いどうする時間じかんなど、最低限さいていげん必要ひつよう所要しょよう時間じかんがある。到着とうちゃく番線ばんせん出発しゅっぱつ番線ばんせんことなっていて、にゅうかわ必要ひつようとする場合ばあいはさらに所要しょよう時間じかんびる。

検査けんさ清掃せいそう周期しゅうき[編集へんしゅう]

法令ほうれいじょう規制きせいにより、車両しゃりょう走行そうこう距離きょり時間じかんなどの条件じょうけんおうじて定期ていきてき検査けんさ実施じっしする必要ひつようがある。また、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ内規ないきなどにより車両しゃりょう清掃せいそうかんしても定期ていきてき実施じっしする必要ひつようがある。検査けんさのうち、全般ぜんぱん検査けんさ重要じゅうよう検査けんさについては、検査けんさ周期しゅうきなが検査けんさにかかる時間じかんながいため、該当がいとうする車両しゃりょう交番こうばんからはずして検査けんさするのが普通ふつうであり、車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく直接的ちょくせつてき考慮こうりょすることはすくない。交番こうばん検査けんさ仕業しわざ検査けんさについては検査けんさ周期しゅうき所要しょよう時間じかんみじかいため、車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくじょう検査けんさ必要ひつよう時間じかんだけ車両しゃりょう基地きち滞在たいざいするときあいだ挿入そうにゅうした行路こうろ用意よういするか、交番こうばんなか必要ひつよう検査けんさおこなわれるように考慮こうりょする。

行路こうろ接続せつぞく条件じょうけん[編集へんしゅう]

後述こうじゅつする交番こうばん計画けいかく関係かんけいじょう行路こうろ同士どうし接続せつぞく条件じょうけん必要ひつようとなる。1ではすべての行路こうろえきBではじまりえきBでわる運用うんようとなっているが、実際じっさいにはえき車両しゃりょう基地きちいちばん運用うんよう計画けいかくすることがある。このきをとどこおはくぶ。とどこおはくする運用うんよう計画けいかくする場合ばあいは、とどこおはくする場所ばしょわる行路こうろはじまる行路こうろかず一致いっちしていなければ交番こうばん計画けいかく作成さくせいできなくなる。

他社たしゃ車両しゃりょう運用うんよう[編集へんしゅう]

他社たしゃ路線ろせん直通ちょくつう運転うんてんおこな場合ばあい他社たしゃ車両しゃりょう営業えいぎょう列車れっしゃとして利用りようすると車両しゃりょう使用しようりょう支払しはら必要ひつようがある。相互そうご直通ちょくつう運転うんてん場合ばあいは、会社かいしゃあいだ走行そうこう距離きょりをあわせて相殺そうさいすることで、現金げんきんでの支払しはらいにえる事例じれいおおい。そのため、各社かくしゃ走行そうこう距離きょりわせるように運用うんよう必要ひつようがある。

この場合ばあい、どの運用うんようにどの会社かいしゃ車両しゃりょうはいるかをめておく事例じれい事業じぎょうしゃによって車両しゃりょうことなる地下鉄ちかてつおおい)と、東武鉄道とうぶてつどう導入どうにゅうした6050けいがん鉄道てつどう会津あいづ鉄道てつどう導入どうにゅうしたように、各社かくしゃおながた車両しゃりょう共通きょうつう運用うんようする事例じれいがある。

車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく評価ひょうか[編集へんしゅう]

どのような車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくがよいかは、以下いかのような観点かんてん評価ひょうかされる。

所要しょよう編成へんせいすう[編集へんしゅう]

列車れっしゃダイヤを実行じっこうするのに必要ひつよう編成へんせいすうすくないほうがよい。これは、必要ひつよう編成へんせいすうがコストに直結ちょっけつするためである。ただし、検査けんさ期間きかん考慮こうりょしたり臨時りんじ列車れっしゃ設定せっていや、かえしの時間じかん削減さくげんしてめることは、ダイヤがみだれたとき到着とうちゃく列車れっしゃ折返おりかえおくれに波及はきゅうしやすくなるため、ある程度ていど余裕よゆう見込みこ必要ひつようがある。

回送かいそう設定せってい回数かいすう[編集へんしゅう]

回送かいそう列車れっしゃはコストを発生はっせいするのみで運賃うんちん収入しゅうにゅうられないため、極力きょくりょく設定せっていけている。

検査けんさ清掃せいそう回数かいすう[編集へんしゅう]

車両しゃりょう検査けんさ法令ほうれい一定いってい期間きかん走行そうこう距離きょりない実施じっしすることがさだめられているが、最低さいてい期間きかん走行そうこう距離きょりさだめられていない。毎日まいにち検査けんさ清掃せいそう実施じっしする運用うんよう計画けいかくつくればかなら条件じょうけんたすことができるが、検査けんさ清掃せいそうには作業さぎょう要員よういん必要ひつようとしてコストがかるうえ、その時間じかんはその編成へんせい列車れっしゃはしらせるために使つかうことができなくなる。このため、検査けんさ清掃せいそう必要ひつようおこなわれないように、周期しゅうきぎりぎりまで運用うんようされる計画けいかく一般いっぱんてきである。ただし、ダイヤがみだれたとき運用うんよう変更へんこうされても検査けんさ期限きげん違反いはんゆるされないため、ある程度ていど余裕よゆう必要ひつようとなる。

にゅうかわ作業さぎょう回数かいすう[編集へんしゅう]

かええき到着とうちゃく番線ばんせん出発しゅっぱつ番線ばんせんことなる列車れっしゃおな運用うんようにするといれかわ作業さぎょう発生はっせいする。また需要じゅようおうじて柔軟じゅうなん編成へんせいぞうかいゆいおこなうことはコスト削減さくげん乗客じょうきゃくサービスを両立りょうりつすることができるが、ぞうかいゆい作業さぎょうそのものの手間てまがかかる。

乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかく制約せいやく条件じょうけん[編集へんしゅう]

乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくには以下いかのような制約せいやく条件じょうけんがある。

乗務じょうむいん列車れっしゃ対応たいおう[編集へんしゅう]

列車れっしゃ運行うんこう可能かのうであるためには、ダイヤじょうすべての列車れっしゃ乗務じょうむいんてられなければならない。ただし車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくことなり、列車れっしゃ乗務じょうむいん対応たいおうかならずしも1たい1である必要ひつようはなく、1たいであってもよい。この場合ばあい乗務じょうむ担当たんとうする1人ひとり以外いがいたん移動いどうのために乗車じょうしゃすることになる。乗務じょうむ担当たんとうせずに移動いどうのためにだけ列車れっしゃ乗車じょうしゃすることを便乗びんじょうび、車両しゃりょう回送かいそう相当そうとうする。列車れっしゃダイヤの設定せってい必要ひつようとなる回送かいそうことなり、便乗びんじょう設定せってい乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくなかおこなえる。

なお、車両しゃりょう運用うんよう計画けいかく構内こうない作業さぎょう計画けいかくにゅうかわ設定せっていした場合ばあいは、にゅうかわにも乗務じょうむいんてる必要ひつようがある。

乗務じょうむいん割当わりあて可能かのう条件じょうけん[編集へんしゅう]

乗務じょうむいんによって運用うんよう可能かのう路線ろせん列車れっしゃ限定げんていされる。これは法的ほうてき免許めんきょによって規制きせいされるものと、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ内規ないきによるものがある。一般いっぱん鉄道てつどう事業じぎょうしゃでは路線ろせん車両しゃりょう形式けいしきわせで乗務じょうむいんごとに乗務じょうむ可能かのう運用うんよう限定げんていしている。あらたな路線ろせん車両しゃりょう形式けいしき乗務じょうむするためには一定いってい訓練くんれんおこなうことになっていることがおおい。

時刻じこく場所ばしょ連続れんぞく条件じょうけん[編集へんしゅう]

どういち乗務じょうむいんてられている列車れっしゃ便乗びんじょうふくむ)は、その前後ぜんご始終しじゅう着駅ちゃくえき時刻じこく場所ばしょ連続れんぞくしていなければ実行じっこう可能かのう運用うんようではない。ただし、車両しゃりょう基地きちえき近接きんせつしている場合ばあいなどに、そのあいだ徒歩とほ移動いどうする運用うんよう考慮こうりょすることがあり、連続れんぞく条件じょうけん絶対ぜったいである車両しゃりょうとはことなっている。さらに通常つうじょう考慮こうりょすることはないが、ダイヤがみだれたとき緊急きんきゅう対応たいおうとして近隣きんりん鉄道てつどう路線ろせんバスタクシー自家用車じかようしゃ鉄道てつどう事業じぎょうしゃ事業じぎょうよう自動車じどうしゃふくむ)などを利用りようして乗務じょうむいんおくむことがある。

乗継のりつぎ条件じょうけん[編集へんしゅう]

かええき途中とちゅうえき乗務じょうむ場合ばあいは、ぎに一定いってい時間じかん必要ひつようとなる。これは列車れっしゃダイヤにも影響えいきょうするため、途中とちゅうえきでのぎは場所ばしょかぎられていることがおおい。

勤務きんむ条件じょうけん[編集へんしゅう]

乗務じょうむいん人間にんげんであるため、法令ほうれいおよび事業じぎょうしゃ就業しゅうぎょう規則きそく労働ろうどう組合くみあいとのあいだ締結ていけつされた労働ろうどう協約きょうやくなどでさだめられた労働ろうどう条件じょうけん遵守じゅんしゅする必要ひつようがある。これにかんして出勤しゅっきん時刻じこく退勤たいきん時刻じこくじつ労働ろうどう時間じかん拘束こうそく時間じかん休憩きゅうけい時間じかんとう考慮こうりょする必要ひつようがある。休暇きゅうかかんしては交番こうばん考慮こうりょすることになる。また安全あんぜんじょう配慮はいりょから、連続れんぞく乗務じょうむ時間じかん連続れんぞく乗務じょうむ距離きょり制限せいげんして一定いってい休憩きゅうけい時間じかんをはさんだり、在宅ざいたくでの休養きゅうよう時間じかん一定いってい以上いじょう確保かくほしたりといった制約せいやくがある。

とまり行路こうろ日勤にっきん行路こうろ[編集へんしゅう]

よるおそくの列車れっしゃあさはやくの列車れっしゃ乗務じょうむするために、乗務じょうむいん事業じぎょうしゃ乗務じょうむいん宿泊しゅくはくしょまる行路こうろ設定せっていすることがあり、これをとまり行路こうろぶ。これにたいして出勤しゅっきん退勤たいきんおなおさまる行路こうろ日勤にっきん行路こうろぶ。とまり行路こうろでは泊地はくち宿泊しゅくはく施設しせつ所在地しょざいちかぎられる。またとまり行路こうろ日勤にっきん行路こうろともに、出勤しゅっきん退勤たいきん場所ばしょはその乗務じょうむいん所属しょぞくしょでなければならない。

運転うんてん安全あんぜんじょう制約せいやくから長時間ちょうじかん連続れんぞく乗務じょうむがないので、長距離ちょうきょり列車れっしゃおおくの運転うんてん交代こうたい運転うんてんしている。このため運転うんてんはく行路こうろは1はく2にち限定げんていされている。これにたいして車掌しゃしょうは、長距離ちょうきょり夜行やこう列車れっしゃなどを始発駅しはつえきから終着駅しゅうちゃくえきまで乗務じょうむすることがあり、遠隔えんかくでのとどこおはくをはさんで長距離ちょうきょり列車れっしゃかえ運用うんようくような、2はく以上いじょうわた行路こうろ設定せっていされることがある。

なお、乗務じょうむいん運用うんようではとまり行路こうろかんしてとどこおはく前後ぜんご行路こうろ一緒いっしょ計画けいかくしているため、車両しゃりょう運用うんようにおける行路こうろ接続せつぞく条件じょうけん制約せいやく直接ちょくせつには存在そんざいしない。

乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかく評価ひょうか[編集へんしゅう]

どのような乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくがよいかは、以下いかのような観点かんてん評価ひょうかされる。

所要しょよう乗務じょうむ員数いんずう[編集へんしゅう]

列車れっしゃダイヤを実行じっこうするのに必要ひつよう乗務じょうむ員数いんずうすくないほうがよい。これは、必要ひつよう乗務じょうむ員数いんずうがコストに直結ちょっけつするためである。乗務じょうむ員数いんずうはすなわち行路こうろすう意味いみする。車両しゃりょう運用うんようおなじく、かえ時間じかん休憩きゅうけい時間じかんなどをぎりぎりに設定せっていすると遅延ちえん波及はきゅうしやすいため、ある程度ていど余裕よゆう必要ひつようとなる。

便乗びんじょう設定せってい回数かいすう[編集へんしゅう]

便乗びんじょう労働ろうどう時間じかんふくまれるが実働じつどうしていないため、設定せっていすくないように配慮はいりょする事例じれいおおい。

乗継のりつぎ回数かいすう[編集へんしゅう]

乗継のりつぎおお運用うんよう時間じかんおお必要ひつようになるだけではなく、ダイヤがみだれたとき車両しゃりょう到着とうちゃくしているが乗務じょうむいん到着とうちゃくしていないなどといった問題もんだいしょうじやすい。このため車両しゃりょう乗務じょうむいんなが一緒いっしょ運用うんようされる事業じぎょうしゃもある。車両しゃりょう乗務じょうむいん一緒いっしょ運用うんようされることをきょうまわ(またはA運用うんようとB運用うんよう共通きょうつうであることを強調きょうちょうしてABきょうまわ)という。

勤務きんむ時間じかんのばらつき[編集へんしゅう]

かく行路こうろあいだ勤務きんむ時間じかん休憩きゅうけい時間じかんとまり行路こうろ睡眠すいみん時間じかんなどがばらついていないことが基本きほんてきである。これは乗務じょうむいんあいだ公平こうへいせい関係かんけいするが、多少たしょうのばらつきは交番こうばんつうじて調整ちょうせいされる。また、とまり行路こうろよるおそくの列車れっしゃ到着とうちゃくした乗務じょうむいん翌朝よくあさはや列車れっしゃ乗務じょうむさせることをけるといったこまかい配慮はいりょおこなわれる。

行路こうろ計画けいかく作成さくせい[編集へんしゅう]

行路こうろ作成さくせいにおいては、とまり行路こうろかええきなど、一番いちばん制約せいやくきびしくなる箇所かしょから列車れっしゃわせをつくっていく。制約せいやくたせないときは、回送かいそう列車れっしゃ設定せってい検討けんとうしたり、とまり行路こうろ日勤にっきん行路こうろ代替だいたいできないか検討けんとうしたりといった方法ほうほうる。どうしても制約せいやくたした行路こうろ計画けいかく作成さくせいできないとき列車れっしゃダイヤを変更へんこうすることになる。

つづいて、そのようにしてつくった行路こうろ断片だんぺんをつなぎわせて1にち行路こうろてていく。検査けんさ周期しゅうき勤務きんむ時間じかんといったしょ条件じょうけん考慮こうりょしながら試行錯誤しこうさくご条件じょうけんたした行路こうろ計画けいかくすることになる。

なお、長大ちょうだい鉄道てつどう路線ろせん車両しゃりょう基地きち乗務じょうむいん所属しょぞくしょ複数ふくすう存在そんざいしている場合ばあいや、路線ろせんへのれが存在そんざいしている場合ばあいには、関連かんれんしている車両しゃりょう基地きち乗務じょうむいんしょあいだでどこにどの列車れっしゃ運用うんようてるかの考慮こうりょ最初さいしょ必要ひつようとなる。割当わりあて可能かのう条件じょうけんにより担当たんとうしょ限定げんていされることもあるが、複数ふくすうしょ可能かのう場合ばあいしょあいだでの運用うんようちを変更へんこうすることで制約せいやく条件じょうけんたせるようになることがあり、複雑ふくざつ計画けいかくとなる。

平日へいじつダイヤと休日きゅうじつダイヤをけて設定せっていしている路線ろせんでは、行路こうろ計画けいかく平日へいじつ行路こうろ休日きゅうじつ行路こうろのそれぞれで設定せっていする。

臨時りんじ列車れっしゃ運行うんこうたいしては、計画けいかく段階だんかい考慮こうりょされている予定よてい臨時りんじ列車れっしゃである場合ばあいは、あらかじめ行路こうろ計画けいかくふくんでおくことがある。一方いっぽうで、運転うんてん期日きじつすくない臨時りんじ列車れっしゃ突発とっぱつてき臨時りんじ列車れっしゃ場合ばあいは、所定しょてい行路こうろ大幅おおはば変更へんこうしたり、臨時りんじ列車れっしゃ対応たいおう専用せんようあらたな行路こうろ設定せっていしたりして対応たいおうする。

行路こうろ計画けいかく作成さくせい運行うんこう計画けいかく作成さくせい担当たんとう部署ぶしょ中心ちゅうしんになるが、現場げんば実情じつじょう反映はんえいするために各区かっくしょとの調整ちょうせい修正しゅうせいかえおこなわれて最終さいしゅうてき行路こうろ計画けいかくとなる。

交番こうばん計画けいかく作成さくせい[編集へんしゅう]

3 交番こうばん順序じゅんじょひょうよこぼう

行路こうろ計画けいかくがまとまると交番こうばん計画けいかく作成さくせいする(充当じゅうとう計画けいかく割当わりあて計画けいかく)。このさいおおくの行路こうろしょでは、行路こうろをある程度ていどのまとまりごとに分割ぶんかつしてそれぞれに交番こうばんつくる。このまとまりのことを交番こうばんぐみまたはたんくみという。

かく交番こうばんぐみふくまれた行路こうろならべて交番こうばん順序じゅんじょひょう作成さくせいする。3に単純たんじゅん交番こうばん順序じゅんじょひょうれいしめす。3は、えきAとえきBのあいだ列車れっしゃを3往復おうふくえきBとえきCのあいだ列車れっしゃを1往復おうふく担当たんとうしている交番こうばんぐみたいするものである。3つの行路こうろふくんでいるれいであるが、実際じっさい交番こうばんぐみではもっとおおくの行路こうろふくんでいるのが通常つうじょうである。交番こうばん順序じゅんじょひょうはそのかたちからよこぼう通称つうしょうされる。よこぼうかく項目こうもくはこダイヤの運用うんようあらわせんよこばしたものとなっており、3では省略しょうりゃくされているが、列車れっしゃ番号ばんごう時刻じこくなどの記載きさいがある。行路こうろ1のわりと行路こうろ2のはじまりがともにえきBになっており、これは行路こうろ1がえきBでのとどこおはくわって、その翌日よくじつ行路こうろ2がえきBからはじまることをしめしている。この交番こうばんぐみ担当たんとうすることになった編成へんせい乗務じょうむいんは、行路こうろ1から行路こうろ3の順番じゅんばん運用うんようされることになる。ただし前述ぜんじゅつしたとおり、乗務じょうむいんかんしてはとどこおはくする行路こうろとまり行路こうろとして最初さいしょからまとめてあつかわれている。

交番こうばん順序じゅんじょひょうでは、検査けんさ休暇きゅうか予定よてい考慮こうりょされる。車両しゃりょう運用うんようにおける検査けんさは、行路こうろなか一定いってい時間じかん検査けんさてているものと、交番こうばん順序じゅんじょなか行路こうろ設定せっていしないふくめることでてているものがある。乗務じょうむいん運用うんようでは一定いってい間隔かんかく乗務じょうむいん休暇きゅうかあたえる必要ひつようがあり、これは交番こうばん順序じゅんじょなか休暇きゅうか設定せっていすることで対応たいおうしている。

なお、交番こうばん順序じゅんじょひょうしたがって運用うんようしたときに、前述ぜんじゅつした車両しゃりょう運用うんよう乗務じょうむいん運用うんようかんする制約せいやくとく検査けんさ周期しゅうき勤務きんむ条件じょうけん遵守じゅんしゅできるように計画けいかくしなければならない。また、車両しゃりょう運用うんようかんしては乗務じょうむいん運用うんようのように所属しょぞくしょ毎日まいにち日勤にっきん行路こうろ場合ばあいかえらなければならないという制約せいやくはないが、運用うんようちゅう故障こしょう発生はっせいして修理しゅうり必要ひつようがある場合ばあい所属しょぞく車両しゃりょう基地きちへの回送かいそう代走だいそう車両しゃりょう手配てはいなどの問題もんだいがあるため、みじか期間きかんごとに所属しょぞく車両しゃりょう基地きちもどってくる運用うんようのぞましいとされる。

平日へいじつダイヤと休日きゅうじつダイヤの設定せっていがある場合ばあいは、交番こうばん順序じゅんじょ計画けいかくはさらに複雑ふくざつなものとなる。乗務じょうむいん運用うんようでは、平日へいじつ休日きゅうじつ日勤にっきん行路こうろをそれぞれ計画けいかくしておき、とまり行路こうろについてはたいら-平行へいこうたいら-きゅう行路こうろきゅう-平行へいこうきゅう-きゅう行路こうろの4パターンの行路こうろ作成さくせいするのが基本きほんである。これにたいして車両しゃりょう運用うんようでは1にちごとに行路こうろ区切くぎってかんがえているために、平日へいじつ行路こうろ1から休日きゅうじつ行路こうろ2へつなげられるかどうかなど、ありうるすべてのわせにたいして制約せいやく条件じょうけんたしていることを確認かくにんした交番こうばん計画けいかくつく必要ひつようしょうずる。

基本きほんてきには交番こうばん順序じゅんじょひょうしたがって運用うんようおこなわれるが、車両しゃりょう特別とくべつ修理しゅうりしたい場合ばあい全般ぜんぱん検査けんさなどのながかる検査けんさをする場合ばあい乗務じょうむいん都合つごうによる休暇きゅうか設定せってい場合ばあいなど、随時ずいじ交番こうばん順序じゅんじょひょうらずにわりの編成へんせい乗務じょうむいんてることになる。

交番こうばん計画けいかくは、おもにそれぞれの車両しゃりょう基地きち乗務じょうむいん所属しょぞくしょ作成さくせいされている。

運用うんよう変更へんこう[編集へんしゅう]

ダイヤがみだれたさいには、運用うんよう随時ずいじ変更へんこうして対処たいしょする。到着とうちゃく列車れっしゃ遅延ちえんしていて、その列車れっしゃ運用うんようてられていた編成へんせい乗務じょうむいん使つかって運転うんてんする予定よてい出発しゅっぱつ列車れっしゃ遅延ちえん波及はきゅうしそうなときに、わりの編成へんせい乗務じょうむいん準備じゅんびして運行うんこうさせることが代表だいひょうてき対処たいしょほうである。運用うんよう変更へんこうかんしては運転うんてん整理せいり参照さんしょう

一般いっぱんに、乗務じょうむいん運用うんよう便乗びんじょう必要ひつよう乗務じょうむいん柔軟じゅうなんおくむことができるうえ番線ばんせん制約せいやくがないので、運転うんてん整理せいり制約せいやくはそれほどきびしくない。これにたいして車両しゃりょう運用うんようでは編成へんせい移動いどうかなら列車れっしゃダイヤと乗務じょうむいんうらづけが必要ひつようで、つよ制約せいやく条件じょうけんとなる。

うつわり運用うんよう[編集へんしゅう]

ダイヤ改正かいせいおこなわれる場合ばあいすべての列車れっしゃをまたがずに運行うんこうされている路線ろせんであれば、ダイヤ改正かいせいまえ行路こうろとダイヤ改正かいせい行路こうろをつなぐことができるかを検討けんとうしたうえで、必要ひつようおうじて交番こうばん変更へんこう行路こうろ一部いちぶ修正しゅうせいなどをおこなって対処たいしょする。

これにたいし、夜行やこう列車れっしゃ運転うんてんがあり、列車れっしゃ運行うんこうちゅうあたらしいダイヤへ移行いこうしなければならない場合ばあい、より複雑ふくざつ対応たいおう必要ひつようとなる。そのような路線ろせんでは、ダイヤ改正かいせい前日ぜんじつ夕方ゆうがたごろから、列車れっしゃダイヤそのものが「うつわりダイヤ」とばれる特別とくべつなものに移行いこうすることがあり、改正かいせいまえにも改正かいせいにも該当がいとうしないダイヤでの運行うんこうとなる。運用うんよう計画けいかくもこれに対応たいおうしてうつわり運用うんよう計画けいかくして実行じっこうしなければならない[ちゅう 1]。ただし夜行やこう列車れっしゃ運転うんてんがない路線ろせんでも翌日よくじつ車両しゃりょう運用うんよう関係かんけいからうつわりダイヤを採用さいようする場合ばあいがある。

だい規模きぼなダイヤ改正かいせいになると車両しゃりょう転属てんぞくおこなわれることがあり、転属てんぞくのための回送かいそう列車れっしゃ多数たすう設定せっていされる。運用うんよう計画けいかくではこの転属てんぞく回送かいそうにも対処たいしょする必要ひつようがある。

運用うんよう計画けいかくのシステム[編集へんしゅう]

現在げんざい運用うんよう計画けいかくへのコンピュータシステムの導入どうにゅう進展しんてんしている。これは人間にんげん手作業てさぎょうではミスが発生はっせいしやすく大変たいへん作業さぎょうとなる制約せいやく条件じょうけんチェックなどをコンピュータで自動的じどうてきにサポートするものであり、計画けいかくそのものは人間にんげんかんがえて入力にゅうりょくするものがおおい。はこダイヤやよこぼうといった形式けいしきでの帳票ちょうひょう自動的じどうてき印刷いんさつしてくれる機能きのうもある。

さらに本格ほんかくてき計画けいかく作業さぎょうそのものを自動じどうするみもおこなわれている。車両しゃりょう運用うんよう計画けいかくかんしては行路こうろ計画けいかく交番こうばん計画けいかく一括いっかつして巡回じゅんかいセールスマン問題もんだいかたちでモデルしてくもの、乗務じょうむいん運用うんよう計画けいかくかんしては行路こうろ計画けいかく集合しゅうごう被覆ひふく問題もんだいかたちで、交番こうばん計画けいかく制約せいやくプログラミングかたちでモデルしてくものがられている(参考さんこう文献ぶんけん参照さんしょう)。車両しゃりょう乗務じょうむいんでモデルことなっているのは、乗務じょうむいん行路こうろ所属しょぞくしょ毎回まいかいもどってこなければならないという制約せいやくがあることに起因きいんしている。

間合まあ運用うんよう[編集へんしゅう]

間合まあ運用うんようとは、つぎ運用うんようはいるまでの間合まあい(つぎ列車れっしゃまでの時間じかん)を利用りようして列車れっしゃ運用うんようにその車両しゃりょうてる運用うんようのことである[2]

また、運用うんよう計画けいかくじょうで、列車れっしゃAと列車れっしゃBをおな運用うんよう行路こうろ)にすることを「列車れっしゃAを列車れっしゃBにつなぐ」、またはかえ運用うんようであることに着目ちゃくもくして「列車れっしゃAから列車れっしゃBにまわす」などとしょうする。また運用うんよう計画けいかくそのもののことを「まわし」とぶことがある。「うまくまわせない」とは「うまく運用うんよう計画けいかくつくることができない」という意味いみである。

特急とっきゅう料金りょうきん急行きゅうこう料金りょうきんなどが必要ひつよう特急とっきゅう急行きゅうこう列車れっしゃなど、料金りょうきん徴収ちょうしゅうする列車れっしゃよう車両しゃりょうはその列車れっしゃにのみもちいるように運用うんよう計画けいかく作成さくせいすることが基本きほんであるが、運用うんよう計画けいかく効率こうりつげるなどの目的もくてきにより、普通ふつう列車れっしゃ充当じゅうとうすることもある。このようなれい間合まあ運用うんようられる。ぎゃく本来ほんらい料金りょうきん徴収ちょうしゅう列車れっしゃようでない車両しゃりょう料金りょうきん徴収ちょうしゅう列車れっしゃ充当じゅうとうすることは旅客りょかくサービスうえ問題もんだいがあるためけるべきであるが、様々さまざま理由りゆうにより設定せっていされることがあり、鉄道てつどうファンから遜色そんしょく列車れっしゃ遜色そんしょく特急とっきゅう遜色そんしょく急行きゅうこう)と俗称ぞくしょうされる[3]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 1990年代ねんだいはじめまで、夜行やこう列車れっしゃ本数ほんすうおおかった時代じだいには、市販しはん冊子さっし時刻じこくひょうにも、改正かいせいまえから改正かいせいの「移行いこうダイヤ」が掲載けいさいされていた。たとえば『JR時刻じこくひょう』(編集へんしゅう発行はっこう ひろずみ出版しゅっぱんしゃ)1993ねん3がつごうではJRニュース27 - 35ぺーじに「3がつ17にちはつ夜行やこう列車れっしゃ時刻じこくひょう」が掲載けいさいされている。つづくJRグループダイヤ改正かいせいごうの1994ねん12がつごうではそのような時刻じこく掲載けいさいはない。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 鉄道てつどうシステムへのいざない』 p.38
  2. ^ 高橋たかはしまさし、㈱講談社こうだんしゃエディトリアル(代表だいひょうさかい公江きみえへん、 『完全かんぜんばん鉄道てつどう用語ようご辞典じてん 鉄道てつどうファンも鉄道てつどうマンもだい重宝ちょうほう講談社こうだんしゃ〈9750ちょう収録しゅうろく!〉、2017ねん11月29にち、690ぺーじ
  3. ^ 寺本てらもと光照みつてる遜色そんしょく急行きゅうこう大全たいぜん」『鉄道てつどうピクトリアル』だい768ごう電気でんきしゃ研究けんきゅうかい、2005ねん11月、10 - 25ぺーじ 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 富井とみい規雄のりおほか『鉄道てつどうとコンピュータ』共立きょうりつ出版しゅっぱん、1998ねんISBN 4-320-02838-4 
  • 富井とみい規雄のりお編著へんちょ鉄道てつどうシステムへのいざない』共立きょうりつ出版しゅっぱん、2001ねんISBN 4-320-02455-9 
  • (財)ざいだんほうじん鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ 運転うんてんシステム研究けんきゅうしつちょ鉄道てつどうのスケジューリングアルゴリズム』NTS、2005ねんISBN 4-86043-099-9 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]