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あめかげ

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あめかげから転送てんそう
あめかげしき右向みぎむきのふうにより、風下かざしもたるやま右側みぎがわあめかげとなる。
日本海にほんかいがわ新潟にいがたあめゆたかなつ南東なんとう季節風きせつふう影響えいきょうあめかげとなるため降水こうすいりょうすくない(ただし風向ふうこう一定いっていではいのでややあめおおい)。
太平洋たいへいようがわ東京とうきょうあめゆたかふゆ北西ほくせい季節風きせつふう影響えいきょうあめかげとなるため降水こうすいりょうすくない。山脈さんみゃくはさんで反対はんたいがわにある新潟にいがたとは対照たいしょうてき

あめかげ(ういん、rain shadow)とは、あめくもふくんだふうやまえるさいに、風上かざかみがわあめり、風下かざしもがわは「かげ」となって乾燥かんそうする現象げんしょうとくに、風下かざしもにおいて雨量うりょうすくなくなる現象げんしょうして「あめかげ」とぶことがおおい。また日本にっぽんでは、冬季とうき太平洋たいへいようがわ発生はっせいするあめかげにあたる現象げんしょうを、からっかぜぶ。

メカニズム

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おもにたかさ1,000〜3,000mくらいに分布ぶんぷする雨雲あまぐもは、ふうってやまえるさい変化へんかこす。空気くうき強制きょうせいてきげられてやま斜面しゃめんのぼっていくさいに、雨雲あまぐもなかでは水滴すいてきおおきく成長せいちょうし、あめくもうえ空気くうきもどんどん凝結ぎょうけつしてくもたか成長せいちょうしてくるのである。これは、断熱だんねつ膨張ぼうちょうによる冷却れいきゃくがもたらす効果こうかである。やま風上かざかみがわでは、雨雲あまぐも高度こうどがるほど成長せいちょうし、やまによりちかところ(よりたかところ)ほど雨量うりょうおおくなる。

やまえた雨雲あまぐもは、たとえるならば雑巾ぞうきんしぼったような状態じょうたいとなり、ふくまれる水分すいぶんりょうすくなくなる。しかも、やまりるにしたがって空気くうき下降かこうするため、断熱だんねつ圧縮あっしゅくによって加熱かねつされ、くも蒸発じょうはつしてくる。やま風下かざしもがわでは、雨雲あまぐも高度こうどがるほどうすくなり、やまからよりとおところ(よりひくところ)ほど雨量うりょうすくなくなる。

やまえるさい雨雲あまぐもあめらせくしてしまってくもえてしまうと、風下かざしもではあめまったらない。このとき、乾燥かんそうした空気くうきやまりるさい加熱かねつはばおおきくなるため、フェーン現象げんしょう発生はっせいする。しかし、やまのぼまえ空気くうき非常ひじょうつめたいと、のぼった後山あとやまりてもまだつめたい場合ばあいがある。これをボーラ現象げんしょうという。

あめかげ発生はっせい顕著けんちょ場所ばしょ

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たか山脈さんみゃく隣接りんせつして平地ひらちがあるようなところ、高低こうていおおきいところで発生はっせいしやすい。代表だいひょうてきあめかげ発生はっせいとして、まわりをアルプス山脈あるぷすさんみゃくかこまれて年中ねんじゅう雨量うりょうすくないスイス盆地ぼんちやま季節風きせつふう影響えいきょう雨量うりょうおおきく変化へんかするハワイ諸島しょとうなどがげられる。

日本にっぽん列島れっとうでもあめかげ発生はっせいする。季節風きせつふうにより、なつ日本海にほんかいがわふゆ太平洋たいへいようがわあめかげになりやすく、降水こうすいりょうすくなくなる。たか山脈さんみゃくかこまれた中部ちゅうぶ地方ちほう高地こうちでは、どの方向ほうこうからのふうあめかげとなり、スイスとおな状況じょうきょうになる。

あめかげ気候きこうあたえる影響えいきょう非常ひじょうおおきい。季節風きせつふう影響えいきょう雨量うりょう変化へんかおおきい熱帯ねったいモンスーン気候きこう(Am)、サバナ気候きこう(Aw)、温帯おんたいなつ気候きこう(Cw)、地中海ちちゅうかいせい気候きこう(Cs)、亜寒帯あかんたい冬季とうき少雨しょうう気候きこう(Dw)、高地こうち地中海ちちゅうかいせい気候きこう(Ds)などは、あめかげ影響えいきょうおおきいといえる。

あめかげにより一年中いちねんじゅう乾燥かんそうすることが原因げんいんでできた砂漠さばくあめかげ砂漠さばく風下かざしも砂漠さばく)という。パタゴニア東部とうぶアタカマ砂漠さばくタクラマカン砂漠さばくコロラド砂漠さばくなどはあめかげ砂漠さばくである。

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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