香こう宗むね我部がぶ氏し

香こう宗むね我部がぶ氏し
	割わり菱ひし（わりびし）（武田たけだ菱ひし（たけだびし））
本姓ほんせい	称しょう：清和せいわ源はじめ氏し義光よしみつ流ながれ一条いちじょう氏し流ながれ; 大中おおなか臣しん氏し?; 中原なかはら氏し?; 宗そう我部がぶ?
家いえ祖そ	中原なかはら秋あき通どおり?
種別しゅべつ	武家ぶけ; 士族しぞく
出身しゅっしん地ち	土佐とさ国こく香美かがみ郡ぐん宗そう我わが郷さと; 土佐とさ国こく香が宗郷そうごう土井どい村むら
主おもな根拠地こんきょち	土佐とさ国こく香美かがみ郡ぐん宗むね我わが郷さと; 陸奥みちのく国こく宮城みやぎ郡ぐん南小泉みなみこいずみ
著名ちょめいな人物じんぶつ	香こう宗むね我部がぶ親おや泰やすし
	凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

香こう宗むね我部がぶ氏し（こうそかべし）は、日本にっぽんの氏族しぞく。土佐とさ国こくの豪族ごうぞくであり土佐とさ七雄ななおの一ひとつ^[4]。甲斐かい源はじめ氏しの子孫しそんと伝つたえられ、室町むろまち時代ときよ初期しょきから勢力せいりょくを伸のばすが、戦国せんごく時代じだい末期まっきに長宗我部ちょうそかべ元親もとちかの弟おとうと親おや泰やすしを養子ようしとして迎むかえ、以降いこうは長宗我部ちょうそかべ氏しの一族いちぞくとなった^[5]。

歴史れきし

建たて久ひさ4年ねん（1193年ねん）、一条いちじょう忠頼ただより家臣かしんの中原なかはら姓せい中原なかはら秋あき家かが土佐とさ国こく香美かがみ郡ぐん宗そう我が・深淵しんえん郷きょう（ふかふちごう）の地頭じとう職しょくに補任ほにんされ、主君しゅくん・忠頼ただよりの暗殺あんさつ後ごにその子こ・秋あき通とおるを養子ようしとしたのに始はじまる。秋あき通どおりが香こう宗むね我部がぶ氏しを称しょうして初代しょだいとなった^[6]^[7]。なお養父ようふの秋あき家かは土佐山田とさやまだ城じょうに移うつり山田やまだ氏しの祖そとなっている^[8]。

秋あき通どおりの跡あとは宗そう通とおる・成なり通どおり・朝ちょう通どおり・重通しげみちと直系ちょっけいで相続そうぞくされた。

14世紀せいきの重じゅう通どおりの次男じなん・秀頼ひでより（甲斐かい孫まご四よん郎ろう入道にゅうどう）は足利尊氏あしかがたかうじの命いのちで長宗我部ちょうそかべ信しん能のうと共ともに介良けら庄しょう（けらのしょう）の平定へいていを行おこなったり^[9]、1362年ねんに香こう宗むね我部がぶの一族いちぞくが物部ものべ庄しょうを得えたりと勢力せいりょくを拡張かくちょうしている^[10]。15世紀せいきの応仁おうにんの乱らんでは上洛じょうらくし、土佐とさ国こく守護しゅごの細川ほそかわ氏し率ひきいる東ひがし軍ぐんに加くわわっている^[11]。

秀頼ひでよりののち時じ秀しげる・秀しゅう能のう・通つう秀しゅうと続つづいたが、その後ごは戦国せんごく時代じだいの親しん秀しゅうまで系譜けいふの混乱こんらんがある。

通つう長ちょうの子こという親しん秀しゅうは東ひがし隣となりの安芸あき郡ぐんに拠よる安芸あき氏しと抗争こうそうしながら土佐とさで勢力せいりょくを広ひろげるが、大だい永ひさし6年ねん（1526年ねん）に安芸あき氏しの攻撃こうげきで嫡男ちゃくなんの秀義ひでよしを失うしなった。また西にしの長岡ながおか郡ぐんで長宗我部ちょうそかべ国親くにちかが勢力せいりょくを拡大かくだいし、香こう宗むね我部がぶ氏しは東西とうざいから圧迫あっぱくされるようになった。このため親おや秀しゅうは国親くにちかの三男さんなん・親おや泰やすしを養子ようしに迎むかえて長宗我部ちょうそかべ氏しの影響えいきょう下かに入はいった^[12]。ただし親しん秀しゅうの実弟じっていで養子ようしだった秀しゅう通どおりがこれに反対はんたいしたため、親おや秀しゅうによって殺害さつがいされている。一方いっぽう、香こう宗むね我部がぶ領りょうの北側きたがわ・香美かがみ郡ぐん中北なかきた部ぶを勢力せいりょく下かとしていた山田やまだ氏しは長宗我部ちょうそかべ国親くにちかに滅ほろぼされた。

親おや泰やすしは、国親くにちかの跡あとを継ついだ元もと親おやの下したで長宗我部ちょうそかべ一門いちもんとして土佐とさ・四国しこくの統一とういつ戦せんに参加さんかし活躍かつやくした。文ぶん禄ろくの役やくの最中さいちゅうに親おや泰やすしは長門ながと国こくで死去しきょし、次男じなんの貞さだ親おや（親和しんわ）が継ついだ。関ヶ原せきがはらの戦たたかいの際さいに長宗我部ちょうそかべ氏しが改易かいえきされると、貞さだ親おやは土佐とさを去さって佐倉さくら藩はん主おもの堀田ほった氏しに仕つかえたが、貞さだ親おやが死去しきょしたその年としに佐倉さくら藩はんは改易かいえきされたため、貞さだ親おやの養子ようし・重じゅう親おやは親類しんるい（血縁けつえん関係かんけいは無むし）の五十嵐いがらし元成もとなり・柴田しばた朝ちょう意い兄弟きょうだいが仕つかえていた仙台せんだい藩はんに仕官しかんし、宮城みやぎ郡ぐん南小泉みなみこいずみ（現げん：仙台せんだい市し若林わかばやし区く南小泉みなみこいずみ）で2,000石せきを知行ちぎょうした。仙台せんだいの香こう宗むね我部がぶ氏しは一族いちぞくの記録きろくを現代げんだいに伝つたえている^[13]。

一方いっぽう、養子ようし問題もんだいで殺害さつがいされた秀しゅう通どおりの子こ・泰たい吉きちが中ちゅう山田やまだ氏しを称しょうして親おや泰やすし・貞さだ親おやに仕つかえている。なお中ちゅう山田やまだ氏しは香こう宗むね我部がぶ氏しの移動いどうに同行どうこうせず土佐とさに残のこり、土佐とさ藩はんでは中山なかやま氏しを名乗なのったが、長宗我部ちょうそかべ系けい香が宗むね我部がぶ氏しから再度さいど養子ようしを迎むかえ香が宗むね我部がぶ分家ぶんけを興おこしたり、また武田たけだ氏し・喜田きた氏しを名乗なのった一族いちぞくもあった。明治めいじ時代じだいに活躍かつやくした武田たけだ秀雄ひでお (海軍かいぐん軍人ぐんじん)・武田たけだ秀山しゅうざんは香こう宗むね我部がぶ氏しの出身しゅっしんである。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 太田おおた 1934, p. 1382.
^ ^a ^b 太田おおた 1934, p. 1381.
^ 『香こう宗家そうけ証跡しょうせき記き』による^[1]。
^ 『長宗我部ちょうそかべ元親もとちか記き』（「長なが元もと記き」・「長なが元もと物語ものがたり」ともいう）
^ 太田おおた 1934, pp. 1381–1384.
^ 『土佐とさの政所まんどころ』、1989年ねん3月がつ27日にち発行はっこう、矢野やの城しろ楼ろう、高知こうち市民しみん図書館としょかん、P26。
^ 広谷ひろたに喜き十じゅう郎ろう高知こうち市し歴史れきし散歩さんぽ272 武田たけだ家かと土佐とさ
^ 高知こうち市民しみん図書館としょかん山田やまだ城しろ^{[リンク切きれ]}
^ 高知こうち市民しみん図書館としょかん介良けら庄しょう^{[リンク切きれ]}
^ 高知こうち市民しみん図書館としょかん物部ものべ庄しょう^{[リンク切きれ]}
^ 高知こうち市民しみん図書館としょかん室町むろまち時代ときよ^{[リンク切きれ]}
^ 太田おおた 1934, p. 1383.
^ 高知こうち市民しみん図書館としょかん香こう宗むね我部がぶ文書ぶんしょ^{[リンク切きれ]}

参考さんこう文献ぶんけん

太田おおた亮あきら「国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション香が宗むね我部がぶ　カウソカベ　カソカベ」『姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん』第だい1巻かん、上田うえだ萬年かずとし、三上みかみ参さん次じ監修かんしゅう、姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん刊行かんこう会かい、1934年ねん、1381-1384頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:47004572。
『高知こうち県けん史し』
田邊たなべ希のぞみ文ぶん、田邊たなべ希のぞみ元もと、田邊たなべ希のぞみ績修纂『伊達だて世よ臣しん家か譜ふ』第だい二に輯、仙臺せんだい叢書そうしょ刊行かんこう會かい〈仙臺せんだい叢書そうしょ続つづけ刊かん第だい2巻かん〉、1934年ねん7月がつ。 NCID BN13638891。
野市のいち町まち史し編纂へんさん委員いいん会かい編へん『野市のいち町まち史し』野市のいち町まち、1992年ねん1月がつ。 NCID BN07607452。
山本やまもと大まさる『土佐とさ中世ちゅうせい史しの研究けんきゅう』高知こうち市立しりつ市民しみん図書館としょかん〈市民しみん叢書そうしょ 24〉、1967年ねん10月がつ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:67003218。
山本やまもと大まさる『土佐とさ長宗我部ちょうそかべ氏し』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ〈戦国せんごく史し叢書そうしょ, 8〉、1974年ねん。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:73006736。

史料しりょう

『香こう宗家そうけ証跡しょうせき記き』
『長宗我部ちょうそかべ元親もとちか記き』

[FOOTNOTE太田19341382-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 太田おおた 1934, p. 1382.

[FOOTNOTE太田19341381-2] 太田おおた 1934, p. 1381.

[3] 『香こう宗家そうけ証跡しょうせき記き』による^[1]。

[4] 『長宗我部ちょうそかべ元親もとちか記き』（「長なが元もと記き」・「長なが元もと物語ものがたり」ともいう）

[FOOTNOTE太田19341381–1384-5] 太田おおた 1934, pp. 1381–1384.

[6] 『土佐とさの政所まんどころ』、1989年ねん3月がつ27日にち発行はっこう、矢野やの城しろ楼ろう、高知こうち市民しみん図書館としょかん、P26。

[7] 広谷ひろたに喜き十じゅう郎ろう高知こうち市し歴史れきし散歩さんぽ272 武田たけだ家かと土佐とさ

[8] 高知こうち市民しみん図書館としょかん山田やまだ城しろ^{[リンク切きれ]}

[9] 高知こうち市民しみん図書館としょかん介良けら庄しょう^{[リンク切きれ]}

[10] 高知こうち市民しみん図書館としょかん物部ものべ庄しょう^{[リンク切きれ]}

[11] 高知こうち市民しみん図書館としょかん室町むろまち時代ときよ^{[リンク切きれ]}

[FOOTNOTE太田19341383-12] 太田おおた 1934, p. 1383.

[13] 高知こうち市民しみん図書館としょかん香こう宗むね我部がぶ文書ぶんしょ^{[リンク切きれ]}

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