Χかい

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ギリシア文字もじ
Αあるふぁαあるふぁ アルファ Νにゅーνにゅー ニュー
Βべーたβべーた ベータ Ξくしーξくしー クサイ
Γがんまγがんま ガンマ Οおみくろんοおみくろん オミクロン
Δでるたδでるた デルタ Πぱいπぱい パイ
Εいぷしろんεいぷしろん エプシロン Ρろーρろー ロー
Ζぜーたζぜーた ゼータ Σσς シグマ
Ηいーたηいーた イータ Τたうτたう タウ
Θしーたθしーた シータ Υうぷしろんυうぷしろん ウプシロン
Ιいおたιいおた イオタ Φふぁいφふぁい ファイ
Κかっぱκかっぱ カッパ Χかいχかい カイ
Λらむだλらむだ ラムダ Ψぷさいψぷさい プサイ
Μみゅーμみゅー ミュー Ωおめがωおめが オメガ
使つかわれなくなった文字もじ

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字すうじ
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

Χかい, χかい(カイ、ハイ、キー、ヒー、古代こだいギリシア: χかいεいぷしろん ケーギリシア: χかいιいおた ヒー英語えいご: chi, khi [ˈkaɪ] カイ)は、ギリシア文字もじだい22すう[1]は600。

ラテン文字もじXキリル文字もじХはこの文字もじ由来ゆらいする。

音声おんせい[編集へんしゅう]

古代こだいギリシアでは無声むせい軟口蓋なんこうがい破裂はれつおんおびおん/kʰ/現代げんだいギリシアでは無声むせい軟口蓋なんこうがい摩擦音まさつおん /x/(ただし /e/, /i/のまえでは無声むせいかた口蓋こうがい摩擦音まさつおん/ç/)をあらわす。

摩擦音まさつおんへの変化へんかがいつごろきたかは正確せいかくにはわからないが、ビザンチン時代じだいには摩擦音まさつおんになっていたようである[2]

起源きげん[編集へんしゅう]

古代こだいギリシアには3つのおびおん /pʰ tʰ kʰ/ があった。このうち/tʰ/にはフェニキア文字もじ転用てんようすることができたが(θしーた)、それ以外いがい適当てきとうなフェニキア文字もじ存在そんざいせず、/kʰ/おと表記ひょうきのためには地方ちほうごとにことなる表記ひょうきほう発達はったつした[3]

のち東方とうほうギリシア文字もじ一種いっしゅであるイオニアしきアルファベットによって統一とういつされた。一方いっぽうラテン文字もじXは西方にしかたギリシア文字もじから借用しゃくようされたために/ks/あらわしている。

この文字もじ字形じけい起源きげんについては議論ぎろんかれる。古代こだい文字もじ名称めいしょうは「ケー」(χかいεいぷしろん)で、あきらかに「πぱい」からの類推るいすいによる[4]紀元前きげんぜん4世紀せいきすえεいぷしろんιいおた/iː/発音はつおんされるようになり、その影響えいきょう文字もじ名称めいしょうχかい とされることが普通ふつうになった。近代きんだい西洋せいようしょ言語げんごはそれにもとづく[4]

記号きごうとしての用法ようほう[編集へんしゅう]

符号ふごう位置いち[編集へんしゅう]

大文字おおもじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 小文字こもんじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 備考びこう
Χかい U+03A7 1-6-22 Χ
Χ
Χ
χかい U+03C7 1-6-54 χ
χ
χ

HTML 文書ぶんしょwiki ひとしくときにもちいられる実体じったい参照さんしょう大文字おおもじがΧ、小文字こもじがχとなる。くわしくはHelp:特殊とくしゅ文字もじ参照さんしょうのこと。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 文字もじてはめられた数値すうちのこと。ギリシアの数字すうじ参照さんしょう
  2. ^ Allen (1987) pp.18-26
  3. ^ Threatte (1996) pp.271-272
  4. ^ a b Allen (1987) p.170

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558 
  • Leslie Threatte (1996). “The Greek Alphabet”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 271-280. ISBN 0195079930