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精神せいしん疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル

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DSM-IV-TRから転送てんそう

精神せいしん疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル』(せいしんしっかんのしんだん とうけいマニュアル、英語えいご: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)は、精神せいしん障害しょうがい分類ぶんるい英語えいごばん目的もくてきアメリカ精神せいしん学会がっかいから出版しゅっぱんされた書籍しょせきである。

DSMの原型げんけいとなったのは、ハリー・スタック・サリヴァンによる「徴兵ちょうへい選抜せんばつきょく医事いじ通信つうしんごう」である。これはだい大戦たいせんちゅう徴兵ちょうへい選抜せんばつ効率こうりつてきにするために作成さくせいされたものだった[1]。DSMのだい3はんより、明確めいかく診断しんだん基準きじゅんもうけることで、精神せいしんあいだ精神せいしん障害しょうがい診断しんだんことなるという診断しんだん信頼しんらいせい問題もんだい対応たいおうするようになる[2][3]。2023ねん6がつには『DSM-5-TR 精神せいしん疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル』が出版しゅっぱんされた。

DSMは、世界せかい保健ほけん機関きかんによる疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい(ICD)とともに、国際こくさいてきひろもちいられている[4]。いずれも記述きじゅつ精神せいしん医学いがくであり[5]、「特定とくてい状態じょうたい特定とくてい期間きかん存在そんざいする」という具体ぐたいてき診断しんだん基準きじゅんもうけた操作そうさてき診断しんだん基準きじゅんぞくする。疾病しっぺい解明かいめいくわえ、各々おのおの医師いしなどのあいだにおける結果けっか比較ひかく可能かのうとし、また、疫学えきがくてき調査ちょうさ有用ゆうようである。「したがって、極言きょくげんすれば、診断しんだん基準きじゅん元々もともと個々ここ患者かんじゃでの診断しんだん正確せいかくおこなうためにつくられたものではない」とうことも出来でき[3]

明示めいじてき診断しんだん基準きじゅんがないため、以前いぜん診断しんだん基準きじゅんでは、アメリカと欧州おうしゅう、また日本にっぽんでの東西とうざいによって診断しんだん不一致ふいっちられた[2][3]。このような診断しんだん信頼しんらいせい問題もんだいにより、明示めいじてき診断しんだん基準きじゅんふく操作そうさてき診断しんだん基準きじゅんが1980ねんのDSM-IIIから採用さいようされ、操作そうさ主義しゅぎ精神せいしん医学いがくへの導入どうにゅうであり画期的かっきてきではあった。一方いっぽうで、恣意しいてき適用てきようされてはならないといった弱点じゃくてんはいまだ存在そんざいする[2]依然いぜんとして、どの基準きじゅんもっと妥当だとうせいがあるかという問題もんだい解決かいけつほうたず、診断しんだん基準きじゅん体系たいけいとのあいだ診断しんだん不一致ふいっち存在そんざいするため、原理げんりてき信頼しんらいせい問題もんだいからのがれられないという指摘してき存在そんざいする[2]

用途ようと

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おおくの精神せいしん福祉ふくし専門せんもんは、患者かんじゃ評定ひょうじょうしたのち確定かくてい患者かんじゃ診断しんだんつたえる手助てだすけにこのマニュアルをもちいる。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく病院びょういんやクリニック・医療いりょう保険ほけん会社かいしゃは、患者かんじゃ治療ちりょうするためにDSMの診断しんだん要求ようきゅうする。DSMは臨床りんしょうてきひろもちいられ、また患者かんじゃのカテゴリーとして研究けんきゅう目的もくてき診断しんだん基準きじゅんもちいられる。特定とくてい障害しょうがいにおける研究けんきゅうは、障害しょうがいのためのDSMの基準きじゅん一覧いちらん一致いっちする症状しょうじょうゆうする患者かんじゃ募集ぼしゅうする。66かこくでの精神せいしん国際こくさいてき調査ちょうさが、ICD-10とDSM-IVの使用しよう比較ひかくし、前者ぜんしゃ臨床りんしょう診断しんだんに、後者こうしゃ研究けんきゅうでの評価ひょうかにより、頻繁ひんぱんもちいられていた[6]

DSMはたんなる診断しんだん基準きじゅんであり、さらに客観きゃっかんてき指標しひょうとして得点とくてんする場合ばあいには評価ひょうか尺度しゃくどもちいられることがある。うつびょうにおけるハミルトンうつびょう評価ひょうか尺度しゃくどのような、特定とくてい診断しんだん対応たいおうしたものが存在そんざいする。

統計とうけい

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DSMはICD-10における「精神せいしんおよび行動こうどう障害しょうがい」にほぼ相当そうとうする。DSMの「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」は非常ひじょう幅広はばひろ概念がいねんである。DSM-IVでは374種類しゅるい障害しょうがいふくまれる[ちゅう 1]。したがって、DSMに記載きさいされたあらゆる精神せいしん障害しょうがいゆうびょうりつ合計ごうけいすると、いちじるしくたか数値すうちとなってしまう。また、精神せいしん障害しょうがいゆうびょうりつ調査ちょうさする場合ばあい特定とくてい障害しょうがいしぼんで調査ちょうさすることが一般いっぱんてきである[ちゅう 2]

2005ねんWHO世界せかい精神せいしん保健ほけん調査ちょうさは、DSM-IVの4つの診断しんだんカテゴリにふくまれる19種類しゅるいの(けい症例しょうれいふくめた)障害しょうがいについて、米国べいこくじん生涯しょうがいゆうびょうりつ[ちゅう 3]を46.4%[ちゅう 4]、12かげつゆうびょうりつ[ちゅう 5]を26.2%[ちゅう 6]報告ほうこくしている[9][7][8]

歴史れきし

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DSM-I (1952ねん)

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だいいち大戦たいせん大量たいりょう戦争せんそう神経症しんけいしょう発生はっせいした反省はんせいから、だい世界せかい大戦たいせんでは徴兵ちょうへい選抜せんばつ段階だんかいから精神せいしん医学いがくてき介入かいにゅうもとめられた。米国べいこく陸軍りくぐん依頼いらいけてハリー・スタック・サリヴァンは1940ねん一般いっぱんけの精神せいしん医学いがくてきスクリーニングほう開発かいはつし、これを徴兵ちょうへい選抜せんばつきょく提示ていじする[10]。サリヴァンはこれを41ねん改訂かいていし、43ねんにはメディカル203と名付なづけられてに陸軍りくぐん技術ぎじゅつ告示こくじとして正式せいしき刊行かんこうされた[11]。これが戦後せんごのアメリカで精神せいしん医学いがくてき分類ぶんるい基礎きそとなる[12]。DSM-Iの序文じょぶんにはアメリカ海軍かいぐん独自どくじのいくつかのちいさな改定かいていおこなったとしるされている。

1949ねんに、世界せかい保健ほけん機関きかん疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい(ICD、International Statistical Classification of Diseases)のだい6はん公表こうひょうし、このときはじめて精神せいしん障害しょうがいふしもうけられた。DSM-Iの序文じょぶんにはぐん用語ようごしゅう慣習かんしゅう分類ぶんるいされているとしるされている。おおくの文章ぶんしょうはメディカル203と同一どういつであった[11]。このマニュアルは130ページで106の精神せいしん障害しょうがい一覧いちらんにされた[13]。そこには「人格じんかく障害しょうがい」(personality disturbance)のいくつかの分類ぶんるいふくまれ、「神経症しんけいしょう」(神経質しんけいしつ自我じが異質いしつてき英語えいごばん)とは区別くべつされた[14]同性愛どうせいあいしゃは1974ねん5がつまで、DSMにのこった[15]

DSM-II (1968ねん)

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1960年代ねんだい精神せいしん疾患しっかん自体じたい概念がいねんおおくの課題かだい存在そんざいした。これらの課題かだいトーマス・サズ英語えいごばんのような精神せいしんからもたらされ、かれ主張しゅちょう精神せいしん障害しょうがいは、道徳どうとくてき衝突しょうとつ偽装ぎそうするためにもちいられている神話しんわであるということである。

アーヴィング・ゴッフマンのような社会しゃかい学者がくしゃからは、精神せいしん障害しょうがいは、たん体制たいせいしゃ社会しゃかいてき制御せいぎょする方法ほうほうれいであるとされた。行動こうどう主義しゅぎ心理しんり学者がくしゃは、識別しきべつできない現象げんしょうであるという精神せいしん医学いがく原理げんりてき信頼しんらいせいいどんだ。また同性愛どうせいあい権利けんり活動かつどうからは、同性愛どうせいあい精神せいしん障害しょうがいとして記載きさいするAPAを批判ひはんした。ローゼンハン実験じっけんが『サイエンス』にて公開こうかいされおおくの注目ちゅうもくあつめ、精神せいしん医学いがく診断しんだん有効ゆうこうせいにおける攻撃こうげきだとみなされた[16]

とはいえ、APAはICD(だい8はん、1968ねん)の精神せいしん障害しょうがいしょうつぎ重要じゅうよう改定かいてい密接みっせつ関連かんれんしており、そのことはDSMの改定かいていばん推進すいしん決定けっていした。1968ねん公開こうかいされ、182の障害しょうがいげられ、134ページのながさであった。DSM-Iとかなりていた。「反応はんのう」(reaction)の用語ようご破棄はきされ、「神経症しんけいしょう」(neurosis)の用語ようご維持いじされた。

DSM-IもDSM-IIも、しゅとして精神せいしん力学りきがくてき精神せいしん医学いがく反映はんえいされていたが[17]クレペリン分類ぶんるい手法しゅほうから、生物せいぶつがくてき視点してん概念がいねんふくんでいた。特定とくてい障害しょうがいたいする症状しょうじょうは、詳細しょうさいには規定きていされなかった。おおくは、神経症しんけいしょう精神病せいしんびょうとの区別くべつもとづく、葛藤かっとうによるひろ反映はんえい生活せいかつ問題もんだいへの適応てきおう反応はんのうとみなされた(概略がいりゃくとして、不安ふあん/うつは、おおきく現実げんじつれており、幻覚げんかく/妄想もうそう現実げんじつから切断せつだんされしょうじている)。

社会しゃかいがく生物せいぶつがくてき知識ちしきまれ、正常せいじょう異常いじょうあいだ境界きょうかいは、明確めいかくには強調きょうちょうされなかった[18]人格じんかく障害しょうがいが「感情かんじょうてき苦痛くつうともなわなかった」という見解けんかい破棄はきされた[14]

影響えいきょうりょくのある1974ねん論文ろんぶんは、ロバート・スピッツァージョセフ・L・フレイス英語えいごばんによるもので、かれらはDSMだい2はん(DSM-II)が信頼しんらいせいひく手段しゅだんであることを実証じっしょうした[19]

DSM-II だい7はん (1974ねん)

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ロナルド・バイエルが記述きじゅつしているように、精神せいしん同性愛どうせいあい権利けんり活動かつどうについては、APAにたいする同性愛どうせいあい権利けんり活動かつどう明確めいかく抗議こうぎが、サンフランシスコで大会たいかいひらかれた、1970ねんはじまった。活動かつどうは、スピーカー遮断しゃだんしたり、同性愛どうせいあい精神せいしん障害しょうがいとみなす精神せいしんののしることで、大会たいかい邪魔じゃました[20]

この活動かつどうは、1960年代ねんだいからの精神せいしん医学いがくてき診断しんだん正当せいとうせいいどんだ、ひろはん精神せいしん医学いがく運動うんどう文脈ぶんみゃくしょうじた。はん精神せいしん医学いがく活動かつどうは、おなじAPAの大会たいかい抗議こうぎし、標語ひょうご知的ちてき基盤きばん共有きょうゆうした[21][22]

DSM-III (1980ねん)

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1974ねん、DSMのあたらしい改定かいていばん作成さくせいするという決定けっていがなされ、ロバート・スピッツァー特別とくべつ委員いいんかい委員いいんちょう選出せんしゅつされた。きっかけは、DSMの用語ようごしゅう世界せかい保健ほけん機関きかん出版しゅっぱんする疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい(ICD、International Statistical Classification of Diseases)と一致いっちさせるというものであった。この改定かいていばんは、スピッツァーとかれ選出せんしゅつした委員いいんかいのメンバーの影響えいきょうりょく管理かんりもとで、はるかにひろ委任いにんとなった[23]。 ひとつの目標もくひょうは、有名ゆうめいローゼンハン実験じっけんふくおおくの批判ひはんけて精神せいしん医学いがく診断しんだん均一きんいつせい信頼しんらいせい改善かいぜんするというものであった。精神せいしん医学いがくてき診断しんだん欧州おうしゅうアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくいちじるしくことなっていたことをしめした研究けんきゅうのちに、アメリカとくにとで標準ひょうじゅんてき診断しんだん実施じっし必要ひつようせい存在そんざいした[24]

この基準きじゅんでは、おもセントルイス・ワシントン大学だいがくニューヨークしゅう精神せいしん医学いがく研究所けんきゅうじょ英語えいごばんにおける研究けんきゅう志向しこうてき精神せいしん医学いがくのグループによって開発かいはつされていた研究けんきゅう診断しんだん基準きじゅん(RDC)とフェイナー基準きじゅん英語えいごばんから、おおくの精神せいしん障害しょうがい採用さいようされた。 診断しんだんと、障害しょうがいあたらしい分類ぶんるい可能かのうせいは、スピッツァーを委員いいんながして委員いいんかい一致いっちによってみとめられた。重要じゅうよう目的もくてきは、病因びょういんがくてき仮説かせつよりも、口語こうご英語えいごによる記述きじゅつてき言葉ことばづかいにもとづく分類ぶんるいであるが、その分類ぶんるい手法しゅほう特定とくてい基礎きそ病理びょうり反映はんえいした分類ぶんるいでは、それぞれの固有こゆう症状しょうじょう様式ようしき想定そうていしている。精神せいしん力学りきがく生理学せいりがく見解けんかい破棄はきされ、規制きせい立法りっぽうのモデルをとった。あたらしい「じく評定ひょうじょう」は、たんなる診断しんだんよりも統計とうけいてき集団しゅうだん調査ちょうさによりてきするようにと意図いとされた[17]人格じんかく障害しょうがいは、精神せいしん遅滞ちたいともにIIじく位置いちづけられた[14]

最終さいしゅうてきに1980ねん出版しゅっぱんされたDSM-IIIは、494ページと265の診断しんだんカテゴリーをげた。国際こくさいてきひろ急速きゅうそくもちいられ、精神せいしん医学いがくにおける革命かくめいあるいは変革へんかくばれた[17][18]一方いっぽうで、ロバート・スピッツァーは、のちアダム・カーティス英語えいごばんとのインタビューで、みずからの仕事しごと批判ひはんし、深刻しんこく精神せいしんてき問題もんだいのないであろう人口じんこうの20~30%の医療いりょうにつながったことに言及げんきゅうした[25]

DSM-IIIができると、アメリカでもイギリスでも、(こううつやくプロザックの)イーライリリー資金しきん援助えんじょおこない、アメリカではうつびょう啓発けいはつするためにしょう冊子さっし800まんとポスター20まんまい配布はいふされた[26]

DSM-III-R (1987ねん)

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1987ねん、DSM-III-RがDSM-IIIの改定かいていばんとして出版しゅっぱんされ、これはスピッツァーが監督かんとくしたものである。カテゴリーは改名かいめいまた再編さいへんされ、基準きじゅんにはおおきな変更へんこうがあった。6つのカテゴリーが削除さくじょされほかのものが追加ついかされた。議論ぎろんとなった診断しんだんは、月経げっけいぜん不快ふかい気分きぶん障害しょうがい(pre-menstrual dysphoric disorder)と自虐じぎゃくてき人格じんかく障害しょうがいのようなものであり、検討けんとうされ破棄はきされた[17][27]。DSM-III-Rは総計そうけいして292[28]診断しんだんふくみ、567ページのながさであった[29]

DSM-IV (1994ねん)

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1994ねん、DSM-IVが出版しゅっぱんされ、886ページちゅうに374[28]障害しょうがいげられた。編集へんしゅう委員いいんかい委員いいんちょうアレン・フランセスであった。4にん心理しんり学者がくしゃふくめた27にんでの運営うんえい委員いいんかい導入どうにゅうされた。この運営うんえい委員いいんかいは、5 - 16にんからなる13の作業さぎょうグループを形成けいせいした。各々おのおの作業さぎょうグループには、やく20にん助言じょげんしゃ[よう説明せつめい]。この作業さぎょうグループは、3段階だんかい工程こうてい実施じっしした:最初さいしょに、各々おのおののグループは、広範こうはん文献ぶんけんレビューをおこなう;に、研究けんきゅうしゃからデータを要求ようきゅうし、保守ほしゅてきけるととも基準きじゅん変更へんこうようするかの決定けってい分析ぶんせきする;最後さいごに、臨床りんしょう診療しんりょう診断しんだん関連かんれんする施設しせつ実地じっち試験しけんおこなった[30][31]

DSM-IV-TR (2000ねん)

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2000ねんには、DSM-IVの「テキスト改訂かいていばん」(text revision)が出版しゅっぱんされ、DSM-IV-TRとしてられている。診断しんだんカテゴリーと診断しんだんのためのだい部分ぶぶん基準きじゅん変更へんこうはなかった[32]各々おのおの診断しんだんにおける追加ついか情報じょうほう一節いっせつと、ICDとの整合せいごうせいたもつための診断しんだんコードが更新こうしんされた。5じくからなる体系たいけいをまとめた。だい1じく臨床りんしょうてき障害しょうがいれる。だい2じくパーソナリティ障害しょうがい精神せいしん遅滞ちたいあつかう。のこりのじくは、医療いりょうてき評価ひょうかのための診断しんだん基準きじゅん機能きのうてき必要ひつようせいおうじ、医学いがくてき心理しんり社会しゃかいてき環境かんきょうてき、また幼少ようしょう要因よういんあつかう。DSM-IV-TRは374[28]診断しんだんふくみ、943ページのながさであった。

DSM-IIIでは主要しゅよう診断しんだんめいゆうびょうりついちじるしくたか報告ほうこくされるようになり、過剰かじょう診断しんだんうながしていると批判ひはんされたため、DSM-IVでは7わり以上いじょう診断しんだん基準きじゅんに「いちじるしい苦痛くつうまたは社会しゃかいてき職業しょくぎょうてき、その領域りょういきでの機能きのう障害しょうがいこしている」という項目こうもく追加ついかした[33]。しかし、その主要しゅよう製薬せいやく会社かいしゃ強力きょうりょくなマーケティングを展開てんかいし、アメリカでは精神せいしん障害しょうがい罹患りかんりつ毎年まいとし上昇じょうしょうつづけ、注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがいが3ばい自閉症じへいしょうが20ばい子供こども双極そうきょくせい障害しょうがいが40ばい双極そうきょくせい障害しょうがいは2ばいとなり[34]ともなって処方箋しょほうせん医薬品いやくひんによる死亡しぼう違法いほう薬物やくぶつによるものをえることとなった[34][35]デイヴィッド・ヒーリーは、製薬せいやく会社かいしゃ主導しゅどうする双極そうきょくせい障害しょうがい流行りゅうこう告発こくはつする『マニア:双極そうきょくせい障害しょうがい小史しょうし』をいた[36]。2010ねんには国連こくれんどもの権利けんり委員いいんかい英語えいごばんが、ADHDが薬物やくぶつ治療ちりょうされるべき障害しょうがいとされていることを懸念けねんし、診断しんだんすうかん調査ちょうさ研究けんきゅう製薬せいやく会社かいしゃ独立どくりつしておこなわれるようにと提言ていげんしている[37]経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)は、こううつやく使用しよう上昇じょうしょう適切てきせつであるか懸念けねんがっているとして、過剰かじょう処方しょほう指摘してきされている[38][39]つぎのDSM-5において定義ていぎ変更へんこうされることが判明はんめいした結果けっか、APAにたいして根拠こんきょもとづく医療いりょう方法ほうほうもちいてさい調査ちょうさおこなうべきという50の精神せいしん福祉ふくし団体だんたいによる請願せいがんされた[40]一方いっぽうで、APAはそれにかんして声明せいめいしていない[34]

DSM-5 (2013ねん)

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DSMのだい5はん、DSM-Vは2012ねん12月1にちに、アメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)の理事りじ委員いいんかいにて承認しょうにんされ[41]、2013ねん5がつ18にち公開こうかいされた[42]。922ページとなった[33]。 DSM-5は広範こうはん診断しんだん修正しゅうせいされ、一部いちぶでは定義ていぎひろげ、場合ばあいには定義ていぎせばめた[43]。DSM-5は、20ねんぶりとなるマニュアルの主要しゅよう改定かいてい[44]ローマ数字すうじ方式ほうしきは、改定かいてい番号ばんごう明確めいかくにするために中止ちゅうしされている。だい5はんにおけるおおきな変更へんこうは、統合とうごう失調しっちょうしょうがた削除さくじょあんである[45][46]改定かいてい作業さぎょうちゅうに、APAのウェブサイトは、見直みなおしと議論ぎろんのためにDSM-5のいくつかの一節いっせつ定期ていきてき掲載けいさいしていた[47]

邦訳ほうやくされたDSM-5では、個々ここ診断しんだんめいの「障害しょうがい」という部分ぶぶんを「しょう」にするという議論ぎろんがあったが、過剰かじょう診断しんだんまね可能かのうせいがあるためそれぞれの診断しんだんめい併記へいきされることとなった[48]

DSM-5-TR (2022ねん)

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DSM-5の改訂かいていばんとなる「DSM-5-TR」が2022ねん3がつ発行はっこうされ、診断しんだん基準きじゅん更新こうしんやICD-10の対応たいおうなどがおこなわれた[49]日本語にほんごやくは2023ねん9がつ発行はっこうされ、「disorders」のわけが「障害しょうがい」から「しょう」に変更へんこうされた[50][51]。このDSM-5-TR日本語にほんごやくは、2023ねん9がつ時点じてん出版しゅっぱんICD-11日本語にほんごばん訳語やくご部分ぶぶんてき例外れいがいのぞ踏襲とうしゅうしている[51]

障害しょうがい定義ていぎ

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一般いっぱんてきには「Mental Illness(しんやまい)」とばれるが、専門せんもんてきには「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」が使つかわれる。DSMでは、「Mental Disease(精神せいしん疾患しっかん)」ではなく、「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」という用語ようご採用さいようしている。日本語にほんごばんではDSM-IV以降いこう、「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」が「精神せいしん疾患しっかん」にやくえられた[52]精神せいしん医学いがく用語ようごの「疾患しっかん」はほんこうの「disorder(障害しょうがい)」という概念がいねんであり、医学いがく用語ようごの「disease(疾患しっかん」とはことなる概念がいねんである。前者ぜんしゃ行動こうどう科学かがくうえ異常いじょう意味いみし、後者こうしゃ病理びょうりがくうえ異常いじょう意味いみしている[53]。また、「disorder(障害しょうがい)」は「disease(疾患しっかん)」よりかる失調しっちょう状態じょうたい意味いみしている[54]精神せいしん障害しょうがいとは苦悩くのう異常いじょうともな心理しんりてき症候群しょうこうぐんまたは行動こうどう様式ようしきである[55]

正常せいじょう」「精神せいしん障害しょうがい」の境界きょうかいせん曖昧あいまいであることは、「精神せいしん障害しょうがい」が存在そんざいしないことをかならずしも意味いみしない。また、20世紀せいきまつにおける生物せいぶつがくてき精神せいしん医学いがく立場たちばは、「すべての精神せいしん活動かつどうは、のう活動かつどう由来ゆらいする。精神せいしん疾患しっかん特徴とくちょうづける行動こうどう障害しょうがいは、その原因げんいん環境かんきょう起源きげんであっても、のう機能きのう障害しょうがいである[ちゅう 7]」とするものであった[57][56]実際じっさい近年きんねんにおいては、遺伝子いでんし解析かいせき認知にんち機能きのうのう画像がぞう精神せいしん生理学せいりがく精神せいしん薬理やくりがく動物どうぶつモデル、血液けつえき生化学せいかがく検査けんさなどをわせた統合とうごうてきなアプローチがおこなわれ、それらからられた生物せいぶつがくてき所見しょけん診断しんだんへの応用おうよう研究けんきゅうにより、病因びょういん病態びょうたい研究けんきゅうから、新薬しんやく開発かいはつ臨床りんしょう試験しけんおこなわれていると、富山大学とやまだいがく医学部いがくぶ (2012ねん当時とうじ) の倉知くらち正佳まさよしべている[57]

2013ねん、DSM-IVのアレン・フランセス編纂へんさん委員いいんちょうは、精神せいしん障害しょうがい本物ほんもの病気びょうきでも架空かくう神話しんわでもなく、両者りょうしゃなかあいだだと説明せつめいしている[58]

DSM-IIIおよびDSM-III-R

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DSM-III、DSM-III-Rの精神せいしん障害しょうがい定義ていぎは、DSM-IVと基本きほんてきおなじである[59][60][61][62]

DSM-IVおよびDSM-IV-TR

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DSM-IVの「精神せいしん障害しょうがい定義ていぎ」は「どのような定義ていぎによっても『精神せいしん障害しょうがい』の概念がいねん正確せいかく境界きょうかいせんくことができないことをみとめなければならない[ちゅう 8]」と注意ちゅういしている[61][62]各種かくしゅ精神せいしん障害しょうがいは、臨床りんしょうてき有意ゆうい行動こうどう心理しんりてき症候群しょうこうぐん様式ようしきとして概念がいねんされているが[63][61][62]死別しべつ反応はんのうなどの予測よそく可能かのう文化ぶんかてき容認ようにんされたはんおうであってはならない[63][61][62]政治せいじてき宗教しゅうきょうてき性的せいてきなどの逸脱いつだつした行動こうどう社会しゃかいてき葛藤かっとう個人こじんてき機能きのう不全ふぜんがなければ精神せいしん障害しょうがいではない[63][61][62]かく診断しんだんカテゴリがひとつの実体じったいあらわしているという仮定かていはなく[64][61][62]、ある精神せいしん障害しょうがい精神せいしん障害しょうがい精神せいしん障害しょうがい正常せいじょう連続れんぞくてきつながっている[61][62]。また、同一どういつ精神せいしん障害しょうがいゆうする各人かくじんすべての重要じゅうようてんているという仮定かていもない[61][62]統合とうごう失調しっちょうしょう患者かんじゃ(schizophrenics)が存在そんざいするのではなく[64][61][62]統合とうごう失調しっちょうしょう (schizophrenic disorder)の診断しんだん基準きじゅんたす症状しょうじょうゆうする人々ひとびとがいるだけである[64][61][62]

DSM-IVでは「統合とうごう失調しっちょうしょう患者かんじゃ(a schizophrenic)」という人間にんげん分類ぶんるいする表現ひょうげん誤解ごかいまねくため[61][62]、「統合とうごう失調しっちょうしょうゆうするひと(an individual with Schizophrenia)」というぎこちないがより正確せいかく表現ひょうげん採用さいようするとしている[61][62]

カテゴリー

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DSM-IVはカテゴリー分類ぶんるい体系たいけいである。そのカテゴリーは原型げんけいであり、その原型げんけい近似きんじした関係かんけいにある患者かんじゃが、その障害しょうがいゆうするとかんがえられる。DSM-IVは「精神せいしん障害しょうがいのそれぞれのカテゴリーは、絶対ぜったいてき境界きょうかいつまったくべつ実態じったいであるという前提ぜんていはない」としるしている。しかし、孤立こりつした、軽度けいどかつ基準きじゅんてきな(障害しょうがいげられていない)症状しょうじょう重要じゅうようとされていない[65]修飾しゅうしょくときもちいられ、それは、ある障害しょうがい軽度けいど中等ちゅうとう重度じゅうど状態じょうたいといったものである。その障害しょうがいのほぼ半数はんすうは、症状しょうじょうが「社会しゃかいてき職業しょくぎょうてき、あるいは機能きのうてき領域りょういきにおいて、臨床りんしょうてき有意ゆうい苦痛くつうあるいは障害しょうがい」となっているのに十分じゅうぶんでなければならない。

とはいえ、チックしょうから苦痛くつう基準きじゅんと、いくつかの性的せいてき倒錯とうさく自我じが同調どうちょうてき英語えいごばん自然しぜんであるので削除さくじょした。それぞれの障害しょうがいのカテゴリーには、ICD-10手続てつづきコード方式ほうしき英語えいごばん数値すうちコードがある。

じく評定ひょうじょう

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DSM-IVは、それぞれの精神せいしん医学いがくてき診断しんだん障害しょうがいことなる側面そくめんあるいは身体しんたい障害しょうがいかんした5次元じげんじく)に構造こうぞうしている。

だいIじく
パーソナリティ障害しょうがい精神せいしん遅滞ちたいのぞいたすべての心理しんりてき診断しんだん
だいIIじく
パーソナリティ障害しょうがい精神せいしん遅滞ちたい
だいIIIじく
一般いっぱんてき医学いがくてき状態じょうたい;急性きゅうせい医学いがくてき状態じょうたい身体しんたい障害しょうがい
だいIVじく
その障害しょうがい一因いちいんとなっている心理しんり社会しゃかいてきおよび環境かんきょうてき要因よういん
だいVじく
機能きのう全体ぜんたいてき評定ひょうじょう尺度しゃくどあるいは、18さい未満みまん子供こども青少年せいしょうねんのための小児しょうによう総合そうごう評価ひょうか尺度しゃくど英語えいごばん

だいIじく障害しょうがい以下いかふくむ、うつびょう不安ふあん障害しょうがいそううつびょうADHD自閉症じへいしょう自閉症じへいしょうスペクトラム障害しょうがい神経しんけいせい食欲しょくよくしょう神経しんけいせい大食たいしょくしょう統合とうごう失調しっちょうしょう

だいIIじく障害しょうがいはパーソナリティ障害しょうがいふくむ:妄想もうそうせいパーソナリティ障害しょうがいスキゾイドパーソナリティ障害しょうがい統合とうごう失調しっちょうがたパーソナリティ障害しょうがい境界きょうかいせいパーソナリティ障害しょうがいはん社会しゃかいせいパーソナリティ障害しょうがい自己じこあいせいパーソナリティ障害しょうがい演技えんぎせいパーソナリティ障害しょうがい回避かいひせいパーソナリティ障害しょうがい依存いぞんせいパーソナリティ障害しょうがい強迫きょうはくせいパーソナリティ障害しょうがい;さらに精神せいしん遅滞ちたい

だいIIIじく障害しょうがい以下いかふくむ、 ほかの障害しょうがい類似るいじした現存げんそんする病気びょうきあるいは発現はつげんしている症状しょうじょう悪化あっかさせうる、のう損傷そんしょう医学いがく/身体しんたいてき障害しょうがい

注意ちゅうい

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DSM-IV-TRは、連邦れんぽう政府せいふ法的ほうてき命令めいれい実現じつげんのために作成さくせいされたものであるので、臨床りんしょう研修けんしゅういたひとによる使用しようはその内容ないよう不適切ふてきせつ活用かつようにつながる、と言明げんめいする。診断しんだん基準きじゅん適切てきせつ使用しようには豊富ほうふ臨床りんしょう研修けんしゅう必要ひつようとし、またその内容ないようは「料理りょうりほん使つかうように簡単かんたん適用てきようすることはできない」[66]。APAは、診断しんだんめいは、専門せんもんあいだでの「使つかいやすい略語りゃくご」としておももちいることに言及げんきゅうしている。

十分じゅうぶん訓練くんれんされていない場合ばあい精神せいしん障害しょうがい有無うむ評価ひょうかするためにDSM-5を使用しようすることは推奨すいしょうできない[67]。またDSM-5が司法しほうてき目的もくてきもちいられる場合ばあいには、情報じょうほう誤解ごかいされたり、誤用ごようされる危険きけんせいがある[67]

批判ひはん

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アメリカでは、DSM-IIIが登場とうじょうした1980ねんごろから、精神せいしん志望しぼうする精神せいしん減少げんしょうしている。この事象じしょうは、DSMのマニュアルされた診断しんだんがかえって精神せいしん医学いがく面白おもしろみをなくしてしまったからだとする意見いけんもある[68]

1998ねんアメリカ国立こくりつ精神せいしん衛生えいせい研究所けんきゅうじょ英語えいごばん統合とうごう失調しっちょうしょう研究けんきゅうセンターで所長しょちょうつとめたこともあるローレン・モシャー博士はかせは「DSM-IVは、精神せいしん医学いがくがいして医学いがくによってみとめられるように模造もぞうしてつくったものである。内部ないぶものはそれが科学かがくてきというよりも政治せいじてき書物しょもつであるとっています。…DSM-IVはその最大さいだい欠陥けっかんにもかかわらず権威けんいある書物しょもつとなり、カネをすベストセラーになった[ちゅう 9]」とべている[69][70]

2009ねん、『医学書院いがくしょいん医学いがくだい辞典じてんだい2はん』は「DSM」の項目こうもくないで、日本にっぽんにおいてもDSM-IIIから賛否さんぴ両論りょうろんだが、操作そうさてき診断しんだん基準きじゅんひとつとしてひろ併用へいようされはじめていると説明せつめいしている[71]

2009ねん帝京大学ていきょうだいがく内海うつみけんじゅん教授きょうじゅは「ってみるならば、DSMとはきわめて高度こうど議論ぎろんすえに、とてつもなく粗末そまつ妥協だきょう産物さんぶつとされた、そうした代物しろものである」とべている[72]

2011ねんには、イギリス心理しんり学会がっかいがAPAにたいして、DSM-5は賞賛しょうさんよりも懸念けねんがあるとし、だい部分ぶぶん症状しょうじょうともな社会しゃかい規範きはんもとづいており、すべて主観しゅかんてき判断はんだんたよっているとし、数値すうちがなく、おおくの研究けんきゅうしゃ診断しんだん信頼しんらいせい妥当だとうせい予後よご併存へいそん疾患しっかん問題もんだいなやまされていることをつたえた[73]

これにつづき、アメリカ心理しんり学会がっかいの32部門ぶもん人間にんげんせい心理しんり学会がっかいは、DSM-5修正しゅうせいのための同盟どうめい組織そしき[74]、1週間しゅうかんで2,000にん以上いじょう心理しんり学者がくしゃ心理しんり精神せいしん衛生えいせい専門せんもん署名しょめいあつまった。

2012ねん指摘してきでは、記述きじゅつてき精神せいしん医学いがく妥当だとうせい向上こうじょうさせることが不可欠ふかけつであるとし、DSM-5のような方法ほうほうでは重症じゅうしょう判断はんだんできないため、生物せいぶつがくおおくの分野ぶんやひろ使用しようされるような数学すうがくてきモデルを使用しようするよう提案ていあんおこなっている[5]

2013ねん大野おおのひろし(DSM-IV日本語にほんご訳者やくしゃである)は、DSM-5で軽度けいど障害しょうがいふくめたため、人間にんげん自然しぜんっている「こころのちから」を見落みおとす危険きけんせいたかくなっていると主張しゅちょうする[75]

2014ねん日本にっぽん精神せいしん診断しんだん学会がっかいにおける挨拶あいさつにおいて、会長かいちょうである上野うえの修一しゅういちは、現在げんざいの(DSMなどの)操作そうさてき診断しんだん基準きじゅんについて、だれでもかりやすく診断しんだんできるてんたか評価ひょうかされる一方いっぽう生物せいぶつがくてき基盤きばんもとづかないこと、治療ちりょう直結ちょっけつしないこと、拡大かくだい解釈かいしゃくされていることを弱点じゃくてんとしてげている。とくに、診断しんだん治療ちりょう遊離ゆうりしているてんかんしては、現在げんざい診断しんだん基準きじゅん経年けいねん疲労ひろうしている印象いんしょうがあるとべている[76]

DSM-IIIRとおな時期じきこううつやくフルオキセチン(プロザック)は、うつびょう定義ていぎのあいまいさからげが急増きゅうぞうし、DSMが製薬せいやく会社かいしゃのマーケティングに使つかわれてしまう危険きけんせい認識にんしきされた[77]。アレン・フランセスは、慎重しんちょう作成さくせいしたDSM-IVによってADHDの診断しんだんが15%増加ぞうかすると見込みこんだが、実際じっさいには3ばい増加ぞうかし、小児しょうに双極そうきょくせい障害しょうがいは40ばいに、自閉症じへいしょうは20ばいに、成人せいじん双極そうきょくせい障害しょうがいは2ばいとなった[78]。このような診断しんだんのインフレはとどまるところをらず、DSM-5の登場とうじょうによりさらになる過剰かじょう診断しんだん不適切ふてきせつ診察しんさつ増加ぞうかされると推察すいさつされる[79]。なぜなら、DSM-IIIの最高さいこう責任せきにんしゃであったロバート・スピッツァー指摘してきするようにDSM-5では、議論ぎろん透明とうめいせいをなくしたため安全あんぜんしつたかいものに仕上しあげることができなくなり、アレン・フランセスの指摘してきするように、このDSM-5は正常せいじょうひとにまであやまって診断しんだんくだすという診断しんだんのインフレをうながし、適切てきせつでないくすり使用しよう助長じょちょうする危険きけんせいをはらんだまま出版しゅっぱんいたったのである[80]

2013ねんアメリカ国立こくりつ精神せいしん衛生えいせい研究所けんきゅうじょ(NIMH)の所長しょちょうであるトーマス・インセルによれば、DSM-5は現在げんざいにおいて最良さいりょうのものではあるが科学かがくてき妥当だとうせいいており、精神せいしん医学いがくてき診断しんだんつくえるための研究けんきゅう領域りょういき基準きじゅん(RDoC、Research Domain Criteria)の作成さくせいすすめている[81][82]臨床りんしょうてき合意ごういもとづいた現在げんざい診断しんだん症状しょうじょうたよっており、定義ていぎ神経しんけい生物せいぶつがく反映はんえいしておらず[83]診断しんだんカテゴリーは神経しんけい科学かがく遺伝いでんがく調査ちょうさ結果けっか一致いっちしておらず、こうした問題もんだい生物せいぶつがくてき指標しひょうバイオマーカーBiomarker)にもとづかない初期しょき診断しんだんシステムにおいて発生はっせいする既知きち問題もんだいである[84]。RDoCは、神経しんけい科学かがく遺伝いでんがくもとづくだけでなく、治療ちりょう成績せいせき向上こうじょうなども視野しやれている[84]

DSMは、症状しょうじょう合意ごういもとづいて診断しんだんするため、たとえば内科ないかなどの病気びょうきとはことなり、客観きゃっかんてき計測けいそく基準きじゅんたず、診断しんだん信頼しんらいせい妥当だとうせい不足ふそくしている[82][2]。DSMは、現状げんじょうでは、生物せいぶつがくてき基盤きばんもとづいておらず[76]生物せいぶつがくてき指標しひょうたない[84]。また、神経しんけい生物せいぶつがく反映はんえいしておらず[83]、カテゴリは神経しんけい科学かがく遺伝いでんがく調査ちょうさ一致いっちしていない[84]

2013ねんに、DSMだい4はん作成さくせい委員いいんちょうであるアレン・フランセスは2さつ著作ちょさく出版しゅっぱんした。『正常せいじょうすくえ:精神せいしん診断しんだん暴走ぼうそう、DSM-5、大手おおて製薬せいやく会社かいしゃ、そしてたりまえ生活せいかつ医療いりょう反対はんたいするある内部ないぶ関係かんけいしゃ抵抗ていこう[85]と『精神せいしん診断しんだんのエッセンス』[86]である。『正常せいじょうすくえ』では、精神せいしん障害しょうがい客観きゃっかんてき診断しんだんできる検査けんさ存在そんざいしないため懸念けねんがあり、実際じっさい製薬せいやく会社かいしゃおおきく利用りようされ、診断しんだん大幅おおはば増加ぞうか過剰かじょう診断しんだんくすり過剰かじょう摂取せっしゅ事故じこにつながっていることを指摘してきしている[87][ちゅう 10]。『精神せいしん診断しんだんのエッセンス』は基本きほんてきには過剰かじょう診断しんだんにならないようにするためのしょ注意ちゅういであるが、DSMをバイブルのようにして奴隷どれいのようにしたがうものというよりは指針ししんでしかなく、ことなった文化ぶんかではことなった分類ぶんるいさえも必要ひつようとなる可能かのうせいもあり、患者かんじゃやくつよう柔軟じゅうなん役立やくだてるようとの日本にっぽんけの序文じょぶんがあり[88]堅牢けんろう科学かがくてき根拠こんきょもとづいておらず、安全あんぜんせい科学かがくてき妥当だとうせい十分じゅうぶんではないとし、過剰かじょう診断しんだん流行りゅうこう診断しんだん、および診断しんだん不正ふせい利用りよう注意ちゅういすることをもとめている[89]。このフランセスの2さつ日本語にほんご訳者やくしゃには、DSM-IV日本語にほんご訳者やくしゃである大野おおのひろしつらねる。斎藤さいとうまなぶのような精神せいしんも「診断しんだんのインフレ」とだいする論文ろんぶん公開こうかいしており、この言葉ことばひろめたフランセスに言及げんきゅうし、また双極そうきょくせい障害しょうがいといった診断しんだん流行りゅうこう薬価やっかたかくすりをよりゆうびょうりつたか障害しょうがいへと拡大かくだいし、人気にんき講師こうしによる講習こうしゅうかいとおして、精神せいしんんでいくさま描写びょうしゃしている[90]

フランセスによれば、精神せいしん医学いがくてき診断しんだんは、客観きゃっかんてき生物せいぶつがくてき検査けんさでなく、あやまりがちな主観しゅかんてき判断はんだんたよっているためである[34]あたらしいDSM-5は十分じゅうぶん科学かがくてき根拠こんきょいており、あたらしい精神せいしんくすりよりも危険きけんせいたか可能かのうせいがある[91]製薬せいやく会社かいしゃは、DSMのゆる診断しんだん基準きじゅん使つかってマーケティングしてきたし、診断しんだん拡大かくだいされれば製薬せいやく会社かいしゃ販売はんばい促進そくしんにつながり、有害ゆうがい副作用ふくさようくすり不要ふよう使用しよう増加ぞうかしてしまう[91]障害しょうがい早期そうき発見はっけん素晴すばらしいが、障害しょうがい診断しんだんできるとされてしまえば、現在げんざい非特異ひとくいてき診断しんだん手段しゅだん潜在せんざいてき危険きけん治療ちりょうほうわせでは間違まちがいであり、そのまえ非常ひじょう特異とくいてきな、ほぼ確実かくじつ生物せいぶつがくてき検査けんさと、リスク/ベネフィット確実かくじつくなる必要ひつようがあるとしている[92]。まだ診断しんだん安全あんぜんせい有効ゆうこうせい監視かんしするための効果こうかてきなシステムは存在そんざいしていない[91]

DSM-5の作成さくせいかかわったパネルメンバーのやく7わりに、製薬せいやく業界ぎょうかいとの関係かんけいがあった[93]

定義ていぎ病因びょういん

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1970年代ねんだい、100ねんっても病因びょういん不明ふめいなため、精神病せいしんびょう医学いがくてき疾患しっかんことなるとなされ、精神病せいしんびょう存在そんざい自体じたい議論ぎろんされていた[94]

1998ねんミシガン大学だいがくエリオット・ヴァレンスタイン名誉めいよ教授きょうじゅは、精神せいしん障害しょうがい生化学せいかがくてき解剖かいぼうがくてき機能きのうてき指標しひょう発見はっけんされているという主張しゅちょうについて、過去かこから現在げんざい研究けんきゅうれいまじえ、実際じっさいには証明しょうめいされていないと説明せつめいしている。また、精神せいしん障害しょうがいおも原因げんいんについて、心理しんり社会しゃかいてき要因よういん生物せいぶつがくてき要因よういん精神せいしん保健ほけん専門せんもんしょく意見いけん二分にぶんしており、一方いっぽう優勢ゆうせいになると他方たほうかえし、交互こうご優勢ゆうせいになることがかえされてきたとべている[95]

2000ねんニューヨーク州立しゅうりつ大学だいがくトーマス・サズ英語えいごばん名誉めいよ教授きょうじゅは、疾患しっかん(disease)の病理びょうりがくてき定義ていぎ身体しんたい病変びょうへん物質ぶっしつてき異常いじょう)と説明せつめいし、のう身体しんたい器官きかんなので疾患しっかんになりるが、精神せいしん身体しんたい器官きかんではないため、比喩ひゆてき意味いみのぞいて疾患しっかんにはなりないとべている。精神せいしんてき病気びょうき行動こうどう科学かがくうえ存在そんざいであって病理びょうりがくじょう存在そんざいではなく、精神せいしんてき病気びょうき有無うむ証明しょうめいできる客観きゃっかんてき検査けんさもないと指摘してきしている。また、客観きゃっかんてき検査けんさによって証明しょうめいされた場合ばあい精神せいしんてき病気びょうきから身体しんたい疾患しっかんさい分類ぶんるいされると指摘してきし、実例じつれいとして、「神経しんけい梅毒ばいどく」「のう損傷そんしょう」「中毒ちゅうどくしょう」「感染かんせんしょう」「てんかん」をげている[53]

2002ねんアメリカ精神せいしん学会がっかいはDSM-Vにけて『DSM-V研究けんきゅう行動こうどう計画けいかく』を出版しゅっぱんした。同書どうしょは、DSM-III以降いこうの「精神せいしん障害しょうがい定義ていぎ」について、精神せいしん障害しょうがい正常せいじょう画定かくていできず、実用じつようてきではないとひょうしている。また、精神せいしん障害しょうがい検査けんさ指標しひょう候補こうほ提案ていあん多数たすうあるが、発見はっけんされた指標しひょうひとつもないと説明せつめいしている。[96]

2005ねん日本にっぽんにおいては、精神せいしん障害しょうがい診断しんだんひかりトポグラフィー神経しんけい科学かがくてき客観きゃっかんてき根拠こんきょたせようとする研究けんきゅうがある[97]。ただし、現在げんざい神経しんけい科学かがくなどでは、のうない物理ぶつり現象げんしょうがどのように精神せいしん障害しょうがいとして具現ぐげんするのか因果いんが関係かんけいいまだはっきりしないてんのこっている。

2010ねん京都府立医科大学きょうとふりついかだいがく大学院だいがくいん中前ちゅうぜんとうと医学いがく博士はかせ[98])は、精神せいしん障害しょうがい病因びょういんについて、生物せいぶつがくてき心理しんりがくてき社会しゃかいがくてき要素ようそたい理論りろん中立ちゅうりつてき立場たちばる「生物せいぶつ心理しんり社会しゃかいモデル英語えいごばん」が現在げんざい精神せいしん医学いがくにおける中心ちゅうしんてきモデルであり、1970年代ねんだい体系たいけいてき発展はってんし、DSM-IIIに導入どうにゅうされたとべている[99]。DSMではじく評定ひょうじょうによって生物せいぶつ心理しんり社会しゃかいてきアプローチを提供ていきょうしている[100][101][102]

2010ねん、DSM-IVのアレン・フランセス編集へんしゅう委員いいんちょうは、WIRED英語えいごばんで、「精神せいしん障害しょうがい定義ていぎ存在そんざいしません。でたらめです。つまり、定義ていぎなどできないということです[ちゅう 11]」などと発言はつげんしている[103]

2011ねん、『ネイチャー論説ろんせつは、精神せいしん障害しょうがい客観きゃっかんてき指標しひょう生物せいぶつがくてき指標しひょう)にかんする主張しゅちょう多数たすうあるが、脳波のうはfMRIひかりトポグラフィなどのいずれも追試ついしによる再現さいげんせいひくいと指摘してきしている[104]

2012ねん、DSM-IVのアレン・フランセス編纂へんさん委員いいんちょうは「残念ざんねんなことに、精神せいしん医学いがくにおける生物せいぶつがくてき検査けんさというのはいまだにありません。…現在げんざいのところ、症状しょうじょう記述きじゅつたよるしかありません」とべている[105]。また、DSMの改訂かいてい定義ていぎ拡大かくだい解釈かいしゃくされたことについて、「米国べいこくではすうおおくの勢力せいりょくが(DSMの)変更へんこうてん丹念たんねん研究けんきゅうしながら、どのようにしたら自分じぶんたちがかんがえている特定とくてい目的もくてきわせて曲解きょっかいできるかとちかまえているのです」とべている[106][107]

2013ねん、DSM-5のデヴィッド・クッファー編纂へんさん委員いいんちょうは、精神せいしん障害しょうがい生物せいぶつがくてき遺伝いでんがくてき指標しひょう同定どうていには程遠ほどとおいとべている[108][109]

2013ねん国立こくりつ精神せいしん神経しんけい医療いりょう研究けんきゅうセンター樋口ひぐち輝彦てるひこ理事りじちょう総長そうちょうは、精神せいしん障害しょうがい原因げんいんについて、「ほとんどわかっていないのが現実げんじつです」とべている[110]

2014ねん日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい岩田いわたなかなま理事りじは、精神せいしん障害しょうがい生物せいぶつがくてき研究けんきゅうについて、「精神せいしん医学いがく研究けんきゅうにみるべきものはない,そもそもレベルがひくい,報告ほうこくされる内容ないよう真理しんりとかけはなれており再現さいげんせいとぼしい,研究けんきゅう投入とうにゅうするだけ無駄むだではないか〔ママ〕」といった指摘してきおおむ事実じじつだが、進歩しんぽには研究けんきゅうかせないとべている[111]

ゆうびょうりつ

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1994ねんカリフォルニア大学だいがくのスチュアート・カーク(Stuart Kirk)教授きょうじゅカリフォルニア州立しゅうりつ大学だいがくのハーブ・カチンス(Herb Kutchins)教授きょうじゅは、DSM-IVにかんして、精神せいしん障害しょうがい診断しんだんには客観きゃっかんてき検査けんさ生物せいぶつがくてき検査けんさ)がないため、アメリカ精神せいしん学会がっかい裁量さいりょうあらたな障害しょうがい大量たいりょうつくすことが可能かのうであり、また、だれもが精神せいしん障害しょうがいになりると指摘してきしている。「このマニュアルにもとづいて、ミシガン大学だいがく今年ことし調査ちょうさ実施じっしした。米国べいこくじん半数はんすう精神せいしん障害しょうがいゆうするという結果けっかたが、これはなんおどろくべきことではない[ちゅう 12]」とべている[64][112]

訳語やくご

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1950ねん精神せいしん衛生えいせいほうにおいて「精神せいしん障害しょうがい」の概念がいねん提起ていきされ、「精神せいしん障害しょうがい」のかたり行政ぎょうせい医療いりょう関係かんけいしゃあいだ法律ほうりつ用語ようごとして定着ていちゃくした[113]

1988ねん、DSM-III-R日本語にほんごばんは「Mental Disorder」を「精神せいしん障害しょうがい」とやくしている[114]

1993ねん精神せいしん保健ほけんほうきゅう精神せいしん衛生えいせいほう)における「精神せいしん障害しょうがいしゃ」の定義ていぎが「精神病せいしんびょうもの中毒ちゅうどくせい精神病せいしんびょうしゃふくむ。)、精神せいしん薄弱はくじゃくものおよ精神病せいしんびょうしつもの」から「精神分裂病せいしんぶんれつびょう中毒ちゅうどくせい精神病せいしんびょう精神せいしん薄弱はくじゃく精神病せいしんびょうしっそのほか精神せいしん疾患しっかんゆうするもの」に変更へんこうされ、「精神せいしん疾患しっかん」のかたり使用しようされるようになった[115]

1995ねん、DSM-IV日本語にほんごばん(1996ねん出版しゅっぱん)の翻訳ほんやくしゃ一人ひとりである大野おおのひろしは、ICD-10関連かんれん書籍しょせき書評しょひょうで「になったてんげてみたい。まずだい1は、mental disorder の訳語やくごである。この用語ようご的確てきかく訳語やくごつけるのはなかなかむずかしい。本書ほんしょでは、精神せいしん障害しょうがいという用語ようごてられているが、評者ひょうしゃはむしろ精神せいしん疾患しっかんほうがよいのではないかとかんがえている。mental disorder を精神せいしん障害しょうがいんでしまうと、精神せいしん障害しょうがい概念がいねん拡散かくさんしてしまう危険きけんせいがあるからである」とべている[116]

1996ねん、DSM-IV日本語にほんごばんは「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」を「精神せいしん疾患しっかん」にやくえた[52]

2003ねん文部もんぶ科学かがくしょう医学いがく用語ようご標準ひょうじゅんけて『学術がくじゅつ用語ようごしゅう医学いがくへん』を日本にっぽん学会がっかいとの共編きょうへん出版しゅっぱんした[ちゅう 13]同書どうしょは「Mental Disorder」「Mental Disease」「Psychosis」をじゅんに「精神せいしん障害しょうがい」「精神せいしん疾患しっかん」「精神病せいしんびょう」とやくしている。また、「Mental Illness」という用語ようごはない[119][118]

2007ねん日本にっぽん学会がっかい医学いがく用語ようご標準ひょうじゅんけて『日本にっぽん学会がっかい医学いがく用語ようご辞典じてん英和えいわだい3はん』を出版しゅっぱんした[ちゅう 14]同書どうしょは「Mental Disorder」「Diagnostic And Statistical Manual of Mental Disorder」を「精神せいしん障害しょうがい」「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てびき」とやくしている。また、「Mental Disease」「Mental Illness」をともに「精神せいしん疾患しっかん」とやくしている。日本にっぽん学会がっかい分科ぶんかかい日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい作成さくせい参加さんかしている[121]

2008ねん日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい精神せいしん学術がくじゅつ用語ようご収載しゅうさいした『精神せいしん神経しんけいがく用語ようごしゅう改訂かいてい6はん』を出版しゅっぱんした。同書どうしょは「Mental Disorder」「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」を「精神せいしん障害しょうがい」「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てびき」とやくしている。また、「Mental Disease」「Mental Illness」「精神せいしん疾患しっかん」という学術がくじゅつ用語ようごはない[122]日本にっぽん神経しんけい学会がっかいの『神経しんけいがく用語ようごしゅう改訂かいていだい3はん』もおなじである[123]

2013ねんもと関西学院大学かんせいがくいんだいがく教授きょうじゅ精神せいしん野田のだ正彰まさあきは、DSM-IV日本語にほんごばんで「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」が「精神せいしん疾患しっかん」にやくえられた結果けっか疾患しっかん(disease)混同こんどうされ、診断しんだん確立かくりつしたかのような誤解ごかい蔓延まんえんしていったと指摘してきしている。また、意図いとてき誤訳ごやくひょうしている[124]しょでも同様どうよう説明せつめいをしている[125]

2013ねん東京とうきょう都立とりつ松沢まつざわ病院びょういんはりあいだ博彦ひろひこ日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい学会がっかいで、「障害しょうがい」のスティグマは「disorder」「disability」をともに「障害しょうがい」とやくしたことが一因いちいんともかんがえられるとべている。DSM-IV日本語にほんごばんはスティグマした「障害しょうがい」をけて「Mental Disorder(精神せいしん障害しょうがい)」を「精神せいしん疾患しっかん」にやくえたのかもしれないが、「疾患しっかん(disease)」であるかのような誤解ごかいあたえかねないと指摘してきしている。「disorder」「disability」「disease」の混同こんどうふせぐため、訳語やくご変更へんこう提案ていあんしている[126]

2014ねん、DSM-5日本語にほんごばんは「訳者やくしゃついで」で、最大さいだい課題かだい用語ようご統一とういつだが、DSM-IVの翻訳ほんやく作業さぎょうちがって日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい支援しえんられたと説明せつめいしている。日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい編集へんしゅうした「DSM-5 病名びょうめい用語ようご翻訳ほんやくガイドライン(初版しょはん[ちゅう 15]」や『精神せいしん神経しんけいがく用語ようごしゅう改訂かいてい6はん[ちゅう 16]』に準拠じゅんきょしており、そのしん用語ようご監訳かんやくしゃ責任せきにんやくしている[127]。ただし、書名しょめいの『精神せいしん疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル[128]』『精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てび[129]』のように、準拠じゅんきょしていない用語ようごもある。

DSMの日本語にほんごやく

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Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersわけとして、「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てび[130][131][132][129]」「精神せいしん障害しょうがいのための診断しんだん統計とうけいのマニュアル[133]」「精神せいしん疾患しっかん診断しんだん分類ぶんるい手引てび[134]」などがある。日本語にほんご訳書やくしょは「精神せいしん障害しょうがい/疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル」とやくしている。たんにDSMとぶときは、これをす。DSMには障害しょうがいとの鑑別かんべつのための注釈ちゅうしゃくふくまれる。

精神せいしん障害しょうがい/疾患しっかん分類ぶんるい診断しんだん手引てびき」とやくされているものは、DSMの早見はやみひょうであるQuick Reference to the Diagnostic Criteria from DSMわけである。つまり「DSMの診断しんだん基準きじゅん早見はやみ参照さんしょう」である。DSM-III-Rでは、「早見はやみ参考さんこうしょ」のいわゆる「ミニD」として言及げんきゅうされている[135]。『DSM-IV精神せいしん疾患しっかん分類ぶんるい診断しんだん手引てびき』の原著げんちょしゃじょにおいて、日本語にほんご訳者やくしゃによるじょにおいても、いわゆる「ミニD」と説明せつめいされ、分類ぶんるい診断しんだん基準きじゅんだけを収録しゅうろくしたものである[136]

#参考さんこう文献ぶんけん参照さんしょうのこと。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ たとえば、日本にっぽん障害しょうがい年金ねんきん認定にんてい要領ようりょう(「国民こくみん年金ねんきん厚生こうせい年金ねんきん保険ほけん 障害しょうがい認定にんてい基準きじゅん平成へいせい25ねん6がつ1にち改正かいせい p. 43)にあるような狭義きょうぎの<精神せいしん障害しょうがい>(「統合とうごう失調しっちょうしょう統合とうごう失調しっちょうしょうがた障害しょうがいおよ妄想もうそうせい障害しょうがい」、「気分きぶん感情かんじょう障害しょうがい」、「症状しょうじょうせいふく器質きしつせい精神せいしん障害しょうがい」、「てんかん」、「知的ちてき障害しょうがい」、「発達はったつ障害しょうがい」)などとはおおきくことなるてん注意ちゅういしなければならない。
  2. ^ WHOの世界せかい精神せいしん保健ほけん調査ちょうさ (WMH) など。
  3. ^ 調査ちょうさ時点じてんまでの生涯しょうがい診断しんだん基準きじゅんたす症状しょうじょうがあるひと割合わりあい
  4. ^ 不安ふあん障害しょうがい(8種類しゅるい)」が28.8%、「気分きぶん障害しょうがい(3種類しゅるい)」が20.8%、「衝動しょうどう制御せいぎょ障害しょうがい(4種類しゅるい)」が24.8%、「物質ぶっしつ関連かんれん障害しょうがい(4種類しゅるい)」が14.6%である。また、「いずれかの精神せいしん障害しょうがい」が46.4%である。[7]
  5. ^ 過去かこ12かげつあいだ診断しんだん基準きじゅんたす症状しょうじょうがあるひと割合わりあい
  6. ^ 不安ふあん障害しょうがい(8種類しゅるい)」が18.1%、「気分きぶん障害しょうがい(3種類しゅるい)」が9.5%、「衝動しょうどう制御せいぎょ障害しょうがい(4種類しゅるい)」が8.9%、「物質ぶっしつ関連かんれん障害しょうがい(4種類しゅるい)」が3.8%である。また、「いずれかの精神せいしん障害しょうがい」が26.2%である。[8]
  7. ^ 原文げんぶん:“All mental processes, ... derive from operations of the brain. ... behavioral disorders that characterize psychiatric illness are disturbances of brain function, even in those cases where the causes of the disturbances are clearly environmental in origin.” [56]
  8. ^ 原文げんぶん:“it must be admitted that no definition adequately specifies precise boundaries for the concept of ‘mental disorder.’” [61][62]
  9. ^ 原文げんぶん:“DSM IV is the fabrication upon which psychiatry seeks acceptance by medicine in general. Insiders know it is more a political than scientific document... DSM IV has become a bible and a money making best seller — its major failings notwithstanding.” [69]
  10. ^ DSMだい4はん作成さくせい委員いいんちょうであるアレン・フランセスは、『正常せいじょうすくえ』の該当がいとうページにおいて、以下いかのようなことを例示れいじ指摘してきしている。「診断しんだんのインフレ」というのはしょうのタイトルでもあり、かれによってかえもちいられている表現ひょうげんである。かれは「精神せいしん疾患しっかん爆発ばくはつてき流行りゅうこう」や「ゆうびょうりつ急上昇きゅうじょうしょうする」という表現ひょうげんもちいている。かれはDSMだい4はん慎重しんちょう作成さくせいすることでADHDが15%増加ぞうかすると見込みこんだが、製薬せいやく会社かいしゃ高価こうか新薬しんやくして3ばい増加ぞうかしたため、DSMに「過剰かじょう診断しんだん」(原文げんぶん用語ようご)の警告けいこくせるべきであったとしている。双極そうきょくせいIIがた障害しょうがい定義ていぎには欠点けってんがあったため、製薬せいやく会社かいしゃのマーケティングにより、双極そうきょくせい障害しょうがいそうじて、小児しょうに双極そうきょくせい障害しょうがいは40ばい成人せいじん双極そうきょくせい障害しょうがいは2ばいとなり、DSMにこの障害しょうがいふくめてよかったのだろうかとしている。軽々かるがるしい診断しんだんりょう服薬ふくやくこしているとか、診断しんだんのインフレがおおくのくすり処方しょほうにつながっており、それにともなってこるりょう服薬ふくやくによる死亡しぼうふせごうとされていないという趣旨しゅしのことをべている。
  11. ^ 原文げんぶん:“there is no definition of a mental disorder. It's bullshit. I mean, you just can't define it.” [103]
  12. ^ 原文げんぶん:“Is it any wonder that a survey this year by the University of Michigan, based on the manual, found that half of all Americans suffered from psychiatric disorders.” [64]
  13. ^ 一般いっぱん社会しゃかい人々ひとびと対象たいしょうとした用語ようごしゅうであり、法令ほうれい学会がっかい新聞しんぶんなどで使用しようされる医学いがく用語ようご収載しゅうさいしている[117][118]
  14. ^ 医学いがく医療いりょう関係かんけいしゃによる教育きょういく研究けんきゅう診療しんりょう医療いりょう行政ぎょうせいなどにおける利用りよう想定そうていしているが、一般いっぱん利用りようけて一般いっぱん社会しゃかい雑誌ざっし新聞しんぶん、ラジオ、テレビ、インターネットなど)で使用しようされる医学いがく用語ようごにもできるかぎ対応たいおうしている[120]
  15. ^ 日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい精神せいしん病名びょうめい検討けんとう連絡れんらくかいDSM‒5 病名びょうめい用語ようご翻訳ほんやくガイドライン(初版しょはん」『精神せいしん神経しんけいがく雑誌ざっしだい116かんだい6ごう日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい、2014ねん、429‒457。 
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参考さんこう文献ぶんけん

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DSMかくはん

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DSMかくはん診断しんだん基準きじゅん早見はやみひょう

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  • アメリカ精神せいしん学会がっかい『DSM-III精神せいしん障害しょうがい分類ぶんるい診断しんだん手引てびき高橋たかはし三郎さぶろう(翻訳ほんやく)、医学書院いがくしょいん、1982ねんISBN 978-4260116824 Quick reference to the diagnostic criteria from DSM-III日本語にほんご訳書やくしょ
  • アメリカ精神せいしん学会がっかい『DSM-III-R精神せいしん障害しょうがい分類ぶんるい診断しんだん手引てびき高橋たかはし三郎さぶろう(翻訳ほんやく)、花田はなた耕一こういち(翻訳ほんやく)、藤縄ふじなわあきら(翻訳ほんやく)、医学書院いがくしょいん、1988ねんISBN 978-4260117333 Quick Refference to the Diagnostic Criteria from DSM-III-R日本語にほんご訳書やくしょ
  • アメリカ精神せいしん学会がっかい『DSM-IV精神せいしん疾患しっかん分類ぶんるい診断しんだん手引てびき高橋たかはし三郎さぶろう(翻訳ほんやく)、医学書院いがくしょいん、1995ねんISBN 978-4260117937 Quick Refference to the Diagnostic Criteria from DSM-IV, 1994の日本語にほんご訳書やくしょ
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DSMがテーマ

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  • アレン・フランセス しる大野おおのひろし(監修かんしゅう) へん『〈正常せいじょう〉をすくえ―精神せいしん医学いがく混乱こんらんさせるDSM-5への警告けいこく青木あおきはじめ(翻訳ほんやく)、講談社こうだんしゃ、2013ねん10がつISBN 978-4062185516 Saving Normal:An Insider's Revolt Against Out-of-Control Psychiatric Diagnosis, DSM-5, Big Pharma, and the Medicalization of Ordinary Life, 2013
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  • 神庭かみにわ重信しげのぶそう編集へんしゅう神尾かみお陽子ようこ編集へんしゅう「DSM-5時代じだい精神せいしん診断しんだん」『DSM-5をく 1─伝統でんとうてき精神せいしん病理びょうり, DSM-IV, ICD-10をふまえたしん時代じだい精神せいしん診断しんだん中山なかやま書店しょてん、2014ねん9がつ25にち、1-22ぺーじISBN 978-4-521-73973-1 
  • 医学書院いがくしょいんDSM-5をめぐって─Dr. Allen Francesに」『精神せいしん医学いがくだい54かんだい8ごう医学書院いがくしょいん、2012ねん8がつhttp://ej.islib.jp/ejournal/1405102246.html 

その

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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