国 くに 別 べつ GDP(2016年 ねん )[1] 上段 じょうだん がMER ベース、下段 げだん がPPP ベース。単位 たんい は10億 おく ドル。名目 めいもく ベースでは先進 せんしん 国 こく の値 ね が高 たか く、PPPベースではインドや中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく などの新興 しんこう 国 こく やアフリカなどの発展 はってん 途上 とじょう 国 こく の値 ね が高 たか く表示 ひょうじ されやすいことが読 よ み取 と れる。
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (こくないそうせいさん、英 えい :Gross Domestic Product、略称 りゃくしょう :GDP 、独 どく :Bruttoinlandsprodukt、略称 りゃくしょう :BIP )は、一定 いってい 期間 きかん 内 ない に国内 こくない で産 う み出 だ された物 もの やサービスの付加 ふか 価値 かち の合計 ごうけい のこと[2] [3] である。その国内 こくない 領土 りょうど に居住 きょじゅう する経済 けいざい 主体 しゅたい を基準 きじゅん にした数値 すうち で「居住 きょじゅう 者 しゃ たる生産 せいさん 者 しゃ による国内 こくない 生産 せいさん 活動 かつどう の結果 けっか 、生 う み出 だ された付加 ふか 価値 かち の総額 そうがく 」をいう[4] 。
以前 いぜん は、景気 けいき を測 はか る指標 しひょう として国民総生産 こくみんそうせいさん (こくみんそうせいさん、英 えい :Gross National Product、略称 りゃくしょう :GNP )が用 もち いられていたが、1993SNA の導入 どうにゅう に伴 ともな い、“Gross National Income (GNI、国民 こくみん 総 そう 所得 しょとく )”が新 あら たに導入 どうにゅう され、GNPの概念 がいねん はなくなり、現在 げんざい はGDPが重視 じゅうし されている[2] 。
なお、GDPは “国内 こくない ”のため、日本 にっぽん 企業 きぎょう が海外 かいがい で生産 せいさん した付加 ふか 価値 かち は含 ふく まないのに対 たい して、GNPは“国民 こくみん ”のため、国内 こくない に限 かぎ らず、海外 かいがい での所得 しょとく も含 ふく んでいる[2] 。
また、世界 せかい の総 そう 生産 せいさん の合計 ごうけい は、世界 せかい 総 そう 生産 せいさん (英 えい :Gross World Product、略称 りゃくしょう :GWP )と呼 よ ぶ[5] 。
フローとストック のダイアグラム
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん は「ストック」に対 たい する「フロー 」 を表 あらわ す指標 しひょう であり[注釈 ちゅうしゃく 1] 、経済 けいざい を総合 そうごう 的 てき に把握 はあく する統計 とうけい である国民 こくみん 経済 けいざい 計算 けいさん の中 なか の一 いち 指標 しひょう で、GDPの伸 の び率 りつ が実質 じっしつ 経済 けいざい 成長 せいちょう 率 りつ に値 あたい する。
経済 けいざい 学 がく 用語 ようご のフロー、ストックは
フローとストック を
参照 さんしょう
原則 げんそく として国内 こくない 総 そう 生産 せいさん には市場 いちば で取引 とりひき された財 ざい やサービスの生産 せいさん のみが計上 けいじょう される。市場 いちば で取引 とりひき されない活動 かつどう は、GDPには含 ふく まれない[6] 。このため、家事 かじ 労働 ろうどう やボランティア活動 かつどう などは国内 こくない 総 そう 生産 せいさん には計上 けいじょう されない。この点 てん は、国民総生産 こくみんそうせいさん でも同 おな じである。こうした取 と り扱 あつか いの例外 れいがい として、持 も ち家 いえ の家賃 やちん など帰属 きぞく 計算 けいさん が行 おこな われるものがある。
また、今期 こんき 新 あら たに生産 せいさん されたのでない財 ざい (例 れい :古 こ 美術 びじゅつ 品 ひん )の取引 とりひき 、最終 さいしゅう 財 ざい の原材料 げんざいりょう となる中 ちゅう 間 あいだ 財 ざい の取引 とりひき は算入 さんにゅう されない。地下 ちか 経済 けいざい なども計上 けいじょう されないことが一般 いっぱん 的 てき であったが、2014年 ねん 以降 いこう 、EU圏内 けんない では麻薬 まやく 取引 とりひき や売春 ばいしゅん サービスも計上 けいじょう し始 はじ めている[7] 。オーストラリアに本部 ほんぶ を置 お き、米国 べいこく 、メキシコ、オランダ、ベルギーなどに支部 しぶ を持 も つ経済 けいざい 平和 へいわ 研究所 けんきゅうじょ によると、GDPは「幸福 こうふく 度 ど と国富 こくふ の関連 かんれん 性 せい 」を誤 あやま って表現 ひょうげん する問題 もんだい 指標 しひょう であり、より良 よ い測定 そくてい 方法 ほうほう が必要 ひつよう であるとしている。具体 ぐたい 的 てき な問題 もんだい 点 てん としては、GDPには犯罪 はんざい 経済 けいざい などが含 ふく まれていることが挙 あ げられる[8] 。
国連 こくれん 統計 とうけい 委員 いいん 会 かい が勧告 かんこく を出 だ し、統計 とうけい 設計 せっけい 、財 ざい の概念 がいねん の設定 せってい などは勧告 かんこく に沿 そ って行 おこな われる。直近 ちょっきん の勧告 かんこく としては、68SNA 、93SNA 、2008SNA がある。
日本 にっぽん の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん は、内閣 ないかく 府 ふ (2001年 ねん の中央 ちゅうおう 省庁 しょうちょう 再編 さいへん 以前 いぜん は経済企画庁 けいざいきかくちょう )が推計 すいけい し、速報 そくほう 値 ち や改定 かいてい 値 ち として発表 はっぴょう しているが、その詳細 しょうさい な計算 けいさん 方法 ほうほう については他国 たこく 同様 どうよう 、公開 こうかい されていない。
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん の定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を定義 ていぎ するために、実際 じっさい の経済 けいざい を単純 たんじゅん 化 か したモデルを与 あた える[9] 。なお、ここで説明 せつめい するGDPは名目 めいもく GDP と呼 よ ばれるもので、実質 じっしつ GDP とは異 こと なる。
国内 こくない には家計 かけい 、企業 きぎょう 、政府 せいふ の三 さん 種類 しゅるい の経済 けいざい 部門 ぶもん があり、それとは別 べつ に外国 がいこく という経済 けいざい 部門 ぶもん がある。
また生産 せいさん 物 ぶつ 市場 いちば 、生産 せいさん 要素 ようそ 市場 いちば 、金融 きんゆう 市場 いちば の三 さん 種類 しゅるい の市場 いちば がある。
企業 きぎょう が財 ざい ・サービスを生産 せいさん するために別 べつ の企業 きぎょう から購入 こうにゅう する財 ざい ・サービスを中間 ちゅうかん 財 ざい ・サービスといい、それ以外 いがい の財 ざい ・サービスを最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスという。
生産 せいさん 物 ぶつ 市場 いちば は企業 きぎょう および外国 がいこく が自身 じしん の最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスを売 う るための市場 いちば で、各 かく 経済 けいざい 部門 ぶもん はこの市場 いちば から財 ざい ・サービスを買 か い取 と る。
中間 ちゅうかん 生産 せいさん 物 ぶつ は、別 べつ の(中 ちゅう 間 あいだ ないし最終 さいしゅう )財 ざい ・サービスを作 つく るための要素 ようそ として使 つか われるので、「二 に 重 じゅう カウント」を避 さ けるため、国内 こくない 総 そう 生産 せいさん には企業 きぎょう が中間 ちゅうかん 生産 せいさん 物 ぶつ を売 う ることで得 え た金 かね は含 ふく まれない。
企業 きぎょう によって生産 せいさん された最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスは、誰 だれ かが自身 じしん のお金 かね を支出 ししゅつ して買 か い取 と るか、あるいは生産 せいさん した企業 きぎょう が在庫 ざいこ として抱 かか え込 こ む。在庫 ざいこ は「将来 しょうらい 、販売 はんばい する為 ため の商品 しょうひん 」であるから、企業 きぎょう の将来 しょうらい への投資 とうし 支出 ししゅつ の一種 いっしゅ とみなせる。従 したが って生産 せいさん された最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスは最終 さいしゅう 的 てき に誰 だれ かの支出 ししゅつ となる。
企業 きぎょう による支出 ししゅつ は投資 とうし 支出 ししゅつ と呼 よ ばれ、Iで表 あらわ される。家計 かけい による支出 ししゅつ は消費 しょうひ 支出 ししゅつ と呼 よ ばれ、Cで表 あらわ される。また政府 せいふ による支出 ししゅつ はGで表 あらわ される。
輸出入 ゆしゅつにゅう がない場合 ばあい 、GDPを国内 こくない で一定 いってい 期間 きかん の間 あいだ に最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスに対 たい して行 おこな われた支出 ししゅつ の総額 そうがく ともみなせ、次 つぎ が成立 せいりつ する事 こと がわかる:
GDP = C + I + G
輸出入 ゆしゅつにゅう がある場合 ばあい 、国内 こくない 総 そう 生産 せいさん 額 がく であるGDPのうち、輸出 ゆしゅつ 額 がく X分 ぶん だけ海外 かいがい へと漏 も れ出 で る。 また国内 こくない の総 そう 支出 ししゅつ C+I+Gの一部 いちぶ は輸入 ゆにゅう に使 つか われたものである。 従 したが って輸入 ゆにゅう 額 がく をIMとすると、以上 いじょう の議論 ぎろん より、次 つぎ が成立 せいりつ する事 こと がわかる:
GDP = C + I + G + X - IM
要素 ようそ 市場 いちば および金融 きんゆう 市場 いちば は国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (GDP)を定義 ていぎ する際 さい 、直接的 ちょくせつてき には使用 しよう しないが、モデルの全体 ぜんたい 像 ぞう を捉 とら えやすくするため、説明 せつめい する。生産 せいさん 要素 ようそ 市場 いちば は企業 きぎょう が労働 ろうどう 、資本 しほん といった生産 せいさん 要素 ようそ を家計 かけい から購入 こうにゅう するための市場 いちば で、生産 せいさん 要素 ようそ に対 たい する対価 たいか として賃金 ちんぎん 、利潤 りじゅん 、利子 りし 、賃料 ちんりょう などの形 かたち で企業 きぎょう から家計 かけい に金 かね が流 なが れ込 こ む。
金融 きんゆう 市場 いちば は、銀行 ぎんこう 間 あいだ 取引 とりひき 市場 いちば 、証券 しょうけん 市場 いちば および外国 がいこく 為替 かわせ 市場 いちば などの総称 そうしょう で、金融 きんゆう 市場 いちば には家計 かけい から民間 みんかん 貯蓄 ちょちく が流 なが れ込 こ み、外国 がいこく からは外国 がいこく 貸付 かしつけ や株式 かぶしき 購入 こうにゅう により金 きむ が流 なが れ込 こ む。
企業 きぎょう は銀行 ぎんこう 借入 かりいれ や株式 かぶしき 発行 はっこう により、金融 きんゆう 市場 いちば から資金 しきん を調達 ちょうたつ し、政府 せいふ は政府 せいふ 借入 かりいれ により金融 きんゆう 市場 いちば から資金 しきん を調達 ちょうたつ する。
そして外国 がいこく は外国 がいこく 借入 かりいれ や株式 かぶしき 売却 ばいきゃく により金融 きんゆう 市場 いちば から資金 しきん を調達 ちょうたつ する。
三面 さんめん 等価 とうか の原理 げんり [ 編集 へんしゅう ]
上 うえ では、企業 きぎょう が財 ざい ・サービスの市場 いちば で自身 じしん の最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスを売 う り、その対価 たいか として得 え た金額 きんがく として国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を定義 ていぎ した。これを支出 ししゅつ による定義 ていぎ と呼 よ ぶ。
GDPにはこの他 ほか に生産 せいさん による定義 ていぎ 、分配 ぶんぱい による定義 ていぎ があり、これら3つの定義 ていぎ は全 すべ て同値 どうち となる(三面 さんめん 等価 とうか の原理 げんり )。
生産 せいさん による定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない で一定 いってい 期間 きかん (たとえば一 いち 年間 ねんかん )に生産 せいさん された全 すべ ての最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスの総額 そうがく として国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を定義 ていぎ する。
企業 きぎょう によって生産 せいさん された最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスは、誰 だれ かが自身 じしん のお金 かね を支出 ししゅつ して買 か い取 と るか、あるいは生産 せいさん した企業 きぎょう が在庫 ざいこ として抱 かか え込 こ む。在庫 ざいこ は「将来 しょうらい 売 う るための商品 しょうひん 」であるから、企業 きぎょう の将来 しょうらい への投資 とうし 支出 ししゅつ の一種 いっしゅ とみなせる。従 したが って生産 せいさん された最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスは最終 さいしゅう 的 てき に誰 だれ かの支出 ししゅつ となる。よって生産 せいさん 額 がく による定義 ていぎ は支出 ししゅつ による定義 ていぎ と一致 いっち する。
財 ざい ・サービスXに対 たい し、Xの売上 うりあげ 額 がく からXを作 つく るのに使 つか った中 なか 間 あいだ 財 ざい ・サービスの値段 ねだん を引 ひ いたものをXの付加 ふか 価値 かち という。国内 こくない 総 そう 生産 せいさん の定義 ていぎ より明 あき らかに、国内 こくない 総 そう 生産 せいさん は(中 ちゅう 間 あいだ または最終 さいしゅう )財 ざい ・サービスの付加 ふか 価値 かち の合計 ごうけい に等 ひと しい。
分配 ぶんぱい による定義 ていぎ [ 編集 へんしゅう ]
企業 きぎょう は財 ざい ・サービスを売 う ることで、その付加 ふか 価値 かち 分 ぶん だけの儲 もう けを得 え る。企業 きぎょう の得 え た儲 もう けの一部 いちぶ は、賃金 ちんぎん 、利子 りし 、賃料 ちんりょう 、および租税 そぜい として家計 かけい や政府 せいふ の利潤 りじゅん となり、残 のこ りは企業 きぎょう の利潤 りじゅん となる(そして利潤 りじゅん の一部 いちぶ は株主 かぶぬし への配当 はいとう や内部 ないぶ 留保 りゅうほ となる)。従 したが って国内 こくない 総 そう 生産 せいさん は家計 かけい 、政府 せいふ 、および企業 きぎょう へと分配 ぶんぱい された利潤 りじゅん の総和 そうわ としても定義 ていぎ 出来 でき る。
先進 せんしん 諸国 しょこく の傾向 けいこう としては、国内 こくない 総 そう 生産 せいさん の3分 ぶん の2が労働 ろうどう 者 しゃ の取 と り分 ぶん となり、3分 ぶん の1が地主 じぬし ・株主 かぶぬし などの資本 しほん 家 か の取 と り分 ぶん となる[10] 。経済 けいざい 学者 がくしゃ の飯田 いいだ 泰之 やすゆき は「付加 ふか 価値 かち に占 し める賃金 ちんぎん の割合 わりあい は、3分 ぶん の2くらいが妥当 だとう である」と指摘 してき している[11] 。
分配 ぶんぱい 面 めん から見 み た国内 こくない 総 そう 生産 せいさん
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん =雇用 こよう 者 しゃ 報酬 ほうしゅう +(営業 えいぎょう 余剰 よじょう +混合 こんごう 所得 しょとく )+固定 こてい 資本 しほん 減耗 げんもう +(生産 せいさん ・輸入 ゆにゅう 品 ひん に課 か される税 ぜい ー補助 ほじょ 金 きん )
計数 けいすう の特徴 とくちょう [ 編集 へんしゅう ]
国民総生産 こくみんそうせいさん と国内 こくない 総 そう 生産 せいさん の違 ちが い[ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (GDP)にしても国民総生産 こくみんそうせいさん (GNP)にしても、「国籍 こくせき 」は関係 かんけい がない。[4] 。「国民総生産 こくみんそうせいさん 」でいう「国民 こくみん 」とは当該 とうがい 国 こく の居住 きょじゅう 者 しゃ 主体 しゅたい を対象 たいしょう とする経済 けいざい 的 てき な概念 がいねん であり国籍 こくせき とは関係 かんけい がない[4] 。個人 こじん の場合 ばあい 、主 しゅ として当該 とうがい 領土 りょうど 内 ない に6か月 げつ 以上 いじょう の期間 きかん 居住 きょじゅう しているすべての人 ひと を含 ふく む一方 いっぽう 、一般 いっぱん に国外 こくがい に2年 ねん 以上 いじょう 居住 きょじゅう する人 ひと は非 ひ 居住 きょじゅう 者 しゃ として扱 あつか われる[4] 。
GDPとGNPの違 ちが いは端 はし 的 てき に次 つぎ の式 しき であらわされる。
GNP=GDP+第 だい 一 いち 次 じ 所得 しょとく 収支 しゅうし
すなわちGDPに、海外 かいがい から得 え た利子 りし 配当 はいとう の類 るい を加 くわ えたものである。例示 れいじ すれば、トヨタが海外 かいがい で付加 ふか 価値 かち を計上 けいじょう したとして、海外 かいがい の雇用 こよう 者 しゃ に支払 しはら われた給与 きゅうよ は日本 にっぽん のGDPにもGNPにも加算 かさん されることはないが、付加 ふか 価値 かち の内 うち 日本 にっぽん に利子 りし 配当 はいとう などの形 かたち で日本 にっぽん に送金 そうきん されたものは、日本 にっぽん のGDPには加算 かさん されないが、GNPには加算 かさん される。むろん逆 ぎゃく のケースでは日本 にっぽん のGDPから差 さ し引 ひ かれる場合 ばあい もある。
「国 くに の実体 じったい 経済 けいざい 」を表 あらわ す指標 しひょう としては、国民総生産 こくみんそうせいさん (GNP)よりも国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (GDP)が重視 じゅうし されるようになった[12] [13] 。1980年代 ねんだい 頃 ごろ までは国 くに の経済 けいざい の規模 きぼ ・成長 せいちょう を測 はか るものさしとして国民総生産 こくみんそうせいさん (GNP)がよく用 もち いられたが、時代 じだい が下 くだ るにつれて進展 しんてん していった経済 けいざい のグローバル化 か に伴 ともな い、国家 こっか を単位 たんい とする経済 けいざい 指標 しひょう としては実態 じったい に即 そく さなくなったと考 かんが えられるためである。
国連 こくれん の1993SNA 等 ひとし ではGNPの概念 がいねん そのものがなくなっており、それに代 か わる概念 がいねん として国民 こくみん 総 そう 所得 しょとく (Gross National Income = GNI)が導入 どうにゅう されている[12] 。国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を推計 すいけい する体系 たいけい を国民 こくみん 経済 けいざい 計算 けいさん (体系 たいけい )と呼 よ ぶように、国民 こくみん 概念 がいねん がもともと利用 りよう されてきたが、国内 こくない の経済 けいざい 活動 かつどう 状 じょう 況 きょう を判断 はんだん する基準 きじゅん としては国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を使用 しよう することが一般 いっぱん 的 てき となった。日本 にっぽん でも1993年 ねん から国民総生産 こくみんそうせいさん に替 か わって国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を使用 しよう するようになっている。
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん は各国 かっこく の経済 けいざい 力 りょく を示 しめ す重要 じゅうよう な指標 しひょう であるが、計算 けいさん 方法 ほうほう を公開 こうかい していない推計 すいけい 値 ち であると山内 やまうち 竜介 りゅうすけ [14] はしている。日本 にっぽん の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を公表 こうひょう する内閣 ないかく 府 ふ は非公開 ひこうかい の理由 りゆう を、「国家 こっか 機密 きみつ に当 あ たる」としていると山内 やまうち 竜介 りゅうすけ は主張 しゅちょう する。また、山内 やまうち 竜介 りゅうすけ によれば計算 けいさん 数式 すうしき は毎年 まいとし 改良 かいりょう されるので、どれほど客観 きゃっかん 性 せい 、継続 けいぞく 性 せい があるか明 あき らかではない[15] 。しかし、どのように基礎 きそ 統計 とうけい を用 もち いて国民 こくみん 経済 けいざい 計算 けいさん を作成 さくせい するかなどは内閣 ないかく 府 ふ によってある程度 ていど 公開 こうかい されている[16] 。
また、ロシアや中国 ちゅうごく をはじめとする権威 けんい 主義 しゅぎ 的 てき ・独裁 どくさい 的 てき 国家 こっか は政治 せいじ 的 てき 目的 もくてき のため自国 じこく のGDP成長 せいちょう 率 りつ を過大 かだい に発表 はっぴょう していることが指摘 してき されており、それらの国 くに ではGDPの数値 すうち と実際 じっさい の経済 けいざい との間 あいだ に大 おお きな乖離 かいり がある可能 かのう 性 せい がある[17] [18] 。
ダイアン・コイル は「GDP――〈小 ちい さくて大 おお きな数字 すうじ 〉の歴史 れきし [19] 」の中 なか で、問題 もんだい 点 てん を指摘 してき している。まず金融 きんゆう 仲介 ちゅうかい の生産 せいさん 高 だか は金利 きんり 差 さ を使 つか っているのでリスクの高 たか い投資 とうし をすればするほどGDPが増 ふ える。また公的 こうてき 部門 ぶもん の計算 けいさん には費用 ひよう を使 つか うので、公的 こうてき 部門 ぶもん が肥大 ひだい するとGDPも増加 ぞうか する。ソフトウェア はGDPが増 ふ えない中 なか 間 あいだ 原材料 げんざいりょう とも、GDPが増 ふ える投資 とうし として考 かんが えることもできる。ただし「GDPより良 よ い指標 しひょう はない」という。評者 ひょうしゃ の脇田 わきた 成 しげる 首都 しゅと 大学 だいがく 教授 きょうじゅ は、日本 にっぽん の2013年度 ねんど のGDP統計 とうけい では、各 かく 項目 こうもく の税収 ぜいしゅう が増 ふ えているのにマイナス成長 せいちょう という不思議 ふしぎ なことが起 お こっているという[20] 。
アンガス・ディートン [21] は、今 いま までの経済 けいざい 成長 せいちょう は物質 ぶっしつ 量 りょう ではかられてきたため電子 でんし メールなどによる生活 せいかつ 水準 すいじゅん の向上 こうじょう が過小 かしょう 評価 ひょうか されてきたとする[22]
今井 いまい 賢一 けんいち ・一橋大 ひとつばしだい 名誉 めいよ 教授 きょうじゅ ・米 べい スタンフォード大学 だいがく 教授 きょうじゅ は「21世紀 せいき 経済 けいざい はGDPでは測 はか れない」という。無料 むりょう のサービスが普及 ふきゅう したからだという。例 たと えばスカイプ、ライン、メールなどの普及 ふきゅう で郵便 ゆうびん や電話 でんわ によるGDPは減少 げんしょう する。今井 いまい は河川 かせん 、森林 しんりん 、野生 やせい 生物 せいぶつ などの価値 かち が「自然 しぜん 資本 しほん 」として重要 じゅうよう 性 せい を持 も つと述 の べる[23] [24] [25] [26] 。
オスカー・モルゲンシュテルン [27] は、GDPの統計 とうけい 誤差 ごさ は5%以上 いじょう あったとしている。
2009年 ねん 、国連 こくれん は計算 けいさん 基準 きじゅん を見直 みなお し、企業 きぎょう の研究 けんきゅう 開発 かいはつ 費 ひ 、防衛 ぼうえい 装備 そうび 費 ひ 、不動産 ふどうさん 仲介 ちゅうかい 手数料 てすうりょう 、特許 とっきょ 使用 しよう 料 りょう も加 くわ えることとした。そのため日本 にっぽん のGDPは3%程度 ていど (約 やく 15兆 ちょう 円 えん )増加 ぞうか する見込 みこ みである。世界 せかい 各国 かっこく は早 はや めに導入 どうにゅう 済 ず みで、日本 にっぽん では2016年 ねん 7-9月から導入 どうにゅう され、2016年 ねん 7-9月より前 まえ のGDPに対 たい しても、再 さい 計算 けいさん されることになる[28] 。
タックス・ヘイヴン (オフショア金融 きんゆう センター )にある資金 しきん は世界 せかい GDPの1/3である推定 すいてい 21兆 ちょう ~32兆 ちょう ドルといわれ、GDPの計算 けいさん がどこまで意味 いみ があるか不明 ふめい となっている。
世界銀行 せかいぎんこう による計算 けいさん 手法 しゅほう [ 編集 へんしゅう ]
世界銀行 せかいぎんこう が公表 こうひょう するGDPは、国際 こくさい 比較 ひかく プログラムの計算 けいさん 法 ほう による購買 こうばい 力 りょく 平価 へいか (PPP)で比較 ひかく したもので、一般 いっぱん 的 てき な為替 かわせ レート を使 つか う計算 けいさん 法 ほう とは異 こと なる。購買 こうばい 力 りょく 平価 へいか によるGDPは、先進 せんしん 国 こく のGDPが低 ひく めに算出 さんしゅつ されるため、2017年 ねん の国際 こくさい 間 あいだ の順位 じゅんい は中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく が1位 い であり、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく が2位 い 、インド が3位 い となる[29] 。
実質 じっしつ 国内 こくない 総 そう 生産 せいさん [ 編集 へんしゅう ]
以上 いじょう で説明 せつめい した国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (名目 めいもく GDP )は、経済 けいざい 状況 じょうきょう のみならず、インフレによる価格 かかく 変動 へんどう によっても変化 へんか してしまう。そこで価格 かかく 変動 へんどう の影響 えいきょう を排除 はいじょ した国内 こくない 総 そう 生産 せいさん も定義 ていぎ されており、これを実質 じっしつ 国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (実質 じっしつ GDP )と呼 よ ぶ。
価格 かかく 変動 へんどう の影響 えいきょう を排除 はいじょ するため、実質 じっしつ GDPではある年 とし (例 たと えば2001年 ねん )を基準 きじゅん 年 ねん として定 さだ め、基準 きじゅん 年 ねん における最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスの価格 かかく を使 つか って現在 げんざい の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を計算 けいさん する。
厳密 げんみつ には以下 いか の通 とお りである。最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスiの基準 きじゅん 年 ねん における価格 かかく がPi で、今年 ことし の価格 かかく がQi とする。またiは今年 ことし Xi 個 こ 売 う れたとする。
このとき、今年 ことし の実質 じっしつ GDPは
実質 じっしつ GDP = Σ しぐま i Pi Xi
により定義 ていぎ される。ここで和 わ Σ しぐま i は全 すべ ての最終 さいしゅう 財 ざい ・サービスを渡 わた る。
一方 いっぽう 今年 ことし の名目 めいもく GDPは
名目 めいもく GDP = Σ しぐま i Qi Xi
である。
以上 いじょう で述 の べた実質 じっしつ GDPの値 ね は、基準 きじゅん 年 ねん の選 えら び方 かた に依存 いぞん してしまう。従 したが って現在 げんざい では基準 きじゅん 年 ねん の選 えら び方 かた の影響 えいきょう を排除 はいじょ するために、「連鎖 れんさ 」という方法 ほうほう で補正 ほせい した定義 ていぎ を用 もち いて実質 じっしつ GDPを計算 けいさん している。
GDPの変化 へんか (経済 けいざい 成長 せいちょう 率 りつ )に関 かん しては経済 けいざい 成長 せいちょう を参照 さんしょう 。
一人 ひとり 当 あ たり国内 こくない 総 そう 生産 せいさん [ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん をその国 くに の人口 じんこう で割 わ った値 ね を一人 ひとり 当 あ たりGDP と呼 よ ぶ。
国 こく ごとに人口 じんこう が違 ちが うので、国 こく ごとの経済 けいざい 状況 じょうきょう を比較 ひかく するには、通常 つうじょう の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん ではなく一人 ひとり 当 あ たり国内 こくない 総 そう 生産 せいさん を使 つか う必要 ひつよう がある。国内 こくない 総 そう 生産 せいさん には名目 めいもく と実質 じっしつ があるため、一人 ひとり 当 あ たりGDPも一人 ひとり 当 あ たり名目 めいもく 国内 こくない 総 そう 生産 せいさん と一人 ひとり 当 あ たり実質 じっしつ GDPがある。
現在 げんざい の国 くに 別 べつ 一 いち 人 にん 当 あ たりGDPについては国 くに の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん 順 じゅん リスト (一人 ひとり 当 あた り為替 かわせ レート) を参照 さんしょう 。
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん デフレーター[ 編集 へんしゅう ]
名目 めいもく GDPを実質 じっしつ GDPで割 わ ったものをGDPデフレーター と呼 よ ぶ。
名目 めいもく GDPと実質 じっしつ GDPはそれぞれインフレの調整 ちょうせい を行 おこな っていないGDPと行 おこな ったGDPであるから、その比 ひ にあたるGDPデフレーターは、インフレの程度 ていど を表 あらわ す物価 ぶっか 指数 しすう であるのだと解釈 かいしゃく できる。
従 したが ってGDPデフレーターの増加 ぞうか 率 りつ がプラスであればインフレーション 、マイナスであればデフレーション とみなせる。
1995年 ねん からの日本 にっぽん のGDPデフレーター前年 ぜんねん 同 どう 四半期 しはんき 増加 ぞうか 率 りつ (%)。内閣 ないかく 府 ふ の四半期 しはんき 別 べつ GDP速報 そくほう より作成 さくせい 。
GDPデフレーターが消費 しょうひ 者 しゃ 物価 ぶっか 指数 しすう や企業 きぎょう 物価 ぶっか 指数 しすう など他 た の物価 ぶっか 指数 しすう と著 いちじる しく異 こと なる点 てん は、GDPデフレーターは輸入 ゆにゅう 物価 ぶっか の上昇 じょうしょう による影響 えいきょう を控除 こうじょ した「国内 こくない 」の物価 ぶっか 水準 すいじゅん を表 あらわ しているという点 てん である。このため、原油 げんゆ 価格 かかく の上昇 じょうしょう など輸入 ゆにゅう 物価 ぶっか が上昇 じょうしょう するというような場合 ばあい には、消費 しょうひ 者 しゃ 物価 ぶっか 指数 しすう や企業 きぎょう 物価 ぶっか 指数 しすう が上昇 じょうしょう しているにもかかわらず、GDPデフレーターが下落 げらく をするということがしばしば起 お こる。
このため1990年代 ねんだい 末 まつ から2000年代 ねんだい 初頭 しょとう にかけて、日本 にっぽん 経済 けいざい で物価 ぶっか の下落 げらく が続 つづ くデフレーションが続 つづ いているのかどうかを判断 はんだん する際 さい に、GDPデフレーターを使 つか うことが適切 てきせつ であるかどうかについては見解 けんかい が分 わ かれた。下落 げらく が続 つづ いていた消費 しょうひ 者 しゃ 物価 ぶっか 指数 しすう は、2005年 ねん 初 はじ めから下落 げらく 幅 はば が縮小 しゅくしょう し、その年 とし の10月 がつ には前年 ぜんねん 同月 どうげつ 比 ひ がゼロとなって、11月以降 いこう は上昇 じょうしょう が続 つづ いた。このことには原油 げんゆ 価格 かかく の上昇 じょうしょう によるコスト・プッシュの影響 えいきょう がかなりあったため、GDPデフレーターは前年 ぜんねん 比 ひ で1%以上 いじょう の下落 げらく が続 つづ いていた。量的 りょうてき 金融 きんゆう 緩和 かんわ 政策 せいさく の解除 かいじょ 時期 じき を巡 めぐ って、緩和 かんわ 策 さく の継続 けいぞく を望 のぞ む日本 にっぽん 政府 せいふ と早期 そうき 解除 かいじょ を望 のぞ む日本銀行 にっぽんぎんこう の間 あいだ で議論 ぎろん が起 お こり、政府 せいふ はGDPデフレーターがデフレであるとして量的 りょうてき 金融 きんゆう 緩和 かんわ 政策 せいさく の解除 かいじょ に対 たい しては慎重 しんちょう な姿勢 しせい をみせた。しかし、現実 げんじつ に上昇 じょうしょう している消費 しょうひ 者 しゃ 物価 ぶっか と企業 きぎょう 物価 ぶっか を無視 むし し、GDPデフレーターのみによって、「物価 ぶっか は上昇 じょうしょう しているがインフレでない」と主張 しゅちょう することはきわめて詭弁 きべん 的 てき である。GDPデフレーターはあくまで名目 めいもく GDPを実質 じっしつ GDPで割 わ った数値 すうち にすぎず、現実 げんじつ の物価 ぶっか が上 あ がっていることを否定 ひてい できるものでない。
なお現在 げんざい 、日本 にっぽん のGDPデフレーターはパーシェ型 がた の連鎖 れんさ 指数 しすう で、実質 じっしつ GDPはラスパイレス型 がた の連鎖 れんさ 指数 しすう であり、米国 べいこく の実質 じっしつ GDPはフィッシャー型 がた の連鎖 れんさ 指数 しすう が採用 さいよう されている(パーシェ、ラスパイレス、フィッシャーおよび連鎖 れんさ 指数 しすう の説明 せつめい については、指数 しすう (経済 けいざい ) を参照 さんしょう )。
国内 こくない 純 じゅん 生産 せいさん [ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない 純 じゅん 生産 せいさん (NDP: Net Domestic Product)は、国内 こくない 総 そう 生産 せいさん から固定 こてい 資本 しほん の減耗 げんもう 分 ぶん を差 さ し引 ひ いたものである。しかし経済 けいざい 全体 ぜんたい での固定 こてい 資本 しほん の減耗 げんもう 分 ぶん は測定 そくてい しづらく、このため経済 けいざい 学者 がくしゃ 達 たち は減耗 げんもう の推定 すいてい をあまり信用 しんよう していない[30] 。
グリーンGDP とは、従来 じゅうらい のGDPから環境 かんきょう 破壊 はかい による生活 せいかつ の質 しつ 低下 ていか を引 ひ いたもの[31] 。
基本 きほん 的 てき な概念 がいねん は「自然 しぜん 界 かい の様々 さまざま な要素 ようそ を、何 なん らかの基準 きじゅん で数値 すうち 化 か し、価値 かち ある資源 しげん として計上 けいじょう する 」というものである。多 おお くの場合 ばあい 、人類 じんるい の経済 けいざい 活動 かつどう は環境 かんきょう に悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼしているので、GDPに相応 そうおう の減少 げんしょう 分 ぶん が発生 はっせい する。これは生産 せいさん 活動 かつどう によって減価 げんか 償却 しょうきゃく が行 おこな われるのと似 に ている。
一定 いってい 期間 きかん 内 ない に一 いち 国内 こくない で発生 はっせい した付加 ふか 価値 かち の総量 そうりょう のことをGDPといい、この数値 すうち が増加 ぞうか すれば経済 けいざい は発展 はってん していると見 み なされるが、これはつまり、「より多 おお くの付加 ふか 価値 かち が生産 せいさん されれば、それだけ経済 けいざい は成長 せいちょう している 」と考 かんが えているということである。
しかし、この考 かんが え方 かた には欠点 けってん もある。例 たと えば、森林 しんりん 開発 かいはつ が行 おこな われると木材 もくざい ・パルプ生産 せいさん や住宅 じゅうたく 建設 けんせつ などがGDPを押 お し上 あ げるが、土壌 どじょう 流出 りゅうしゅつ など環境 かんきょう 破壊 はかい が起 お こっても、GDPには何 なん の影響 えいきょう もない。このような矛盾 むじゅん に対 たい して、1980年代 ねんだい 後半 こうはん から環境 かんきょう 問題 もんだい に対 たい する取 と り組 く みが強化 きょうか されたことで、現行 げんこう のGDPの算出 さんしゅつ 方式 ほうしき を変 か えようという声 こえ が出 で 始 はじ めた。そこで代 か わりにグリーンGDPが考 かんが え出 だ される。
1993年 ねん には国連 こくれん 統計 とうけい 部 ぶ が独自 どくじ の基準 きじゅん を策定 さくてい したが、世界 せかい 的 てき にはばらばらの基準 きじゅん を用 もち いているのが現状 げんじょう である。つまり、定評 ていひょう のある金銭 きんせん 換算 かんさん の計測 けいそく 方法 ほうほう は未 いま だにない。
国民 こくみん 純 じゅん 福祉 ふくし [ 編集 へんしゅう ]
国民 こくみん 純 じゅん 福祉 ふくし (NNW)とは、GDPから公害 こうがい や軍事 ぐんじ 費 ひ などの社会 しゃかい 的 てき に望 のぞ ましくない価値 かち を差 さ し引 ひ き、家事 かじ 労働 ろうどう やボランティア活動 かつどう など値段 ねだん で示 しめ されない価値 かち を金銭 きんせん 換算 かんさん して加 くわ えたもの[6] 。ただし、定評 ていひょう のある金銭 きんせん 換算 かんさん の計測 けいそく 方法 ほうほう は未 いま だにない。
域内 いきない 総 そう 生産 せいさん [ 編集 へんしゅう ]
国内 こくない 総 そう 生産 せいさん が一 いち 国内 こくない において生産 せいさん された付加 ふか 価値 かち 額 がく を表 あらわ すのに対 たい し、域内 いきない 総 そう 生産 せいさん (Gross Regional Product) は都市 とし 圏 けん や経済 けいざい 圏 けん 、州 しゅう や県 けん など、一定 いってい の地域 ちいき 内 ない で生産 せいさん された付加 ふか 価値 かち 額 がく を表 あらわ す。域内 いきない 総 そう 生産 せいさん には中央 ちゅうおう 政府 せいふ が行 おこな う生産 せいさん が含 ふく まれない場合 ばあい もあり、全国 ぜんこく の域内 いきない 総 そう 生産 せいさん を合計 ごうけい しても、必 かなら ず国内 こくない 総 そう 生産 せいさん と一致 いっち するとは限 かぎ らない(日本 にっぽん の経済 けいざい 産業 さんぎょう 省 しょう が公表 こうひょう している地域 ちいき 間 あいだ 産業 さんぎょう 連関 れんかん 表 ひょう のように、不 ふ 整合 せいごう を項目 こうもく として設 もう ける等 とう の調整 ちょうせい を行 おこな わない限 かぎ り、全国 ぜんこく 計 けい と一致 いっち することの方 ほう が珍 めずら しい。
都市 とし 圏 けん 同士 どうし の比較 ひかく や地域 ちいき 経済 けいざい 間 あいだ 比較 ひかく といった各種 かくしゅ 分析 ぶんせき で使用 しよう される他 ほか 、国土 こくど の広大 こうだい なロシア の統計 とうけい でよく用 もち いられる。
各国 かっこく の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん [ 編集 へんしゅう ]
各国 かっこく の名目 めいもく 国内 こくない 総 そう 生産 せいさん 順 じゅん リスト[ 編集 へんしゅう ]
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく ドル (US$)建 だ ての名目 めいもく 国内 こくない 総 そう 生産 せいさん における上位 じょうい 10か国 こく [32] 。
順位 じゅんい
2023年 ねん
2017年 ねん
2007年 ねん
1997年 ねん
1987年 ねん
1
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
26,185.210
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
19,519.40
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
14,477.63
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
8,608.53
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
4,870.23
2
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
19,243.974
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
12,062.29
日本 にっぽん
4,515.26
日本 にっぽん
4,415.72
日本 にっぽん
2,495.96
3
ドイツ
4.456.100
日本 にっぽん
4,859.79
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
3,571.45
ドイツ
2,221.74
西 にし ドイツ
1,170.62
4
日本 にっぽん
4.210.600
ドイツ
3,664.51
ドイツ
3,444.72
イギリス
1,537.56
フランス
939.45
5
インド
3,820.573
インド
2,652.25
イギリス
3,064.35
フランス
1,462.61
イタリア
815.84
6
イギリス
3,479.468
イギリス
2,640.07
フランス
2,666.81
イタリア
1,240.58
イギリス
807.38
7
フランス
2,806.690
フランス
2,591.78
イタリア
2,206.11
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
965.32
ソビエト連邦 れんぽう
532.61
8
カナダ
2,326.620
ブラジル
2,052.81
スペイン
1,481.39
ブラジル
883.53
カナダ
431.33
9
ロシア
2,136.222
イタリア
1,950.70
カナダ
1,464.98
カナダ
652.83
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
330.30
10
ブラジル
2,059.443
カナダ
1,649.93
ブラジル
1,397.11
スペイン
587.97
スペイン
317.60
日本 にっぽん の実質 じっしつ GDPの推移 すいい 。青 あお が1990年 ねん 基準 きじゅん 、赤 あか が2000年 ねん 基準 きじゅん によるグラフである。
円建 えんだ てでの日本 にっぽん の国内 こくない 総 そう 生産 せいさん (実質 じっしつ GDPと名目 めいもく GDP、GDPデフレーター)の経年 けいねん 変化 へんか [33] 。
1990年代 ねんだい 以降 いこう の約 やく 20年間 ねんかん は、円建 えんだ てでの国内 こくない 総 そう 生産 せいさん の名目 めいもく 経済 けいざい 成長 せいちょう 率 りつ は年率 ねんりつ マイナス0.7%程度 ていど 、実質 じっしつ 経済 けいざい 成長 せいちょう 率 りつ は年率 ねんりつ 0.6%程度 ていど 、インフレ率 りつ は年率 ねんりつ マイナス1.3%程度 ていど になった[34] 。名目 めいもく GDPは1997年 ねん に記録 きろく した536兆 ちょう 円 えん をピークとし、2010年 ねん にはそれより63兆 ちょう 円 えん 少 すく ない473兆 ちょう 円 えん にまで低下 ていか した[34] 。
1999年 ねん 4月 がつ に実施 じっし した消費 しょうひ 税 ぜい の増税 ぞうぜい の影響 えいきょう で第 だい 二 に 四半期 しはんき の成長 せいちょう 率 りつ は2.9%のマイナス成長 せいちょう に陥 おちい った[35] 。これは過去 かこ 23年間 ねんかん で最悪 さいあく の数字 すうじ であった。その後 ご 名目 めいもく GDPは低迷 ていめい を続 つづ けた。
日本 にっぽん は2012年 ねん 現在 げんざい 、毎年 まいとし 1%前後 ぜんご のデフレが続 つづ いているため、仮 かり に実質 じっしつ GDP成長 せいちょう 率 りつ が1%あっても差 さ し引 ひ きで名目 めいもく GDP成長 せいちょう 率 りつ はゼロとなる(実質 じっしつ GDP成長 せいちょう 率 りつ 1%+インフレ率 りつ -1%=名目 めいもく GDP成長 せいちょう 率 りつ 0%)[36] 。
US$建 だ てにしたGDPでは、円 えん ではなくてUS$で給料 きゅうりょう を受 う け取 と っている人 ひと は日本 にっぽん には稀有 けう なので他国 たこく のGDPと正確 せいかく に比較 ひかく することは出来 でき ない。ただし、ユーロ のような共通 きょうつう 通貨 つうか を使 つか っているEU加盟 かめい 国 こく 同士 どうし では為替 かわせ による変動 へんどう が無 な いため実体 じったい を反映 はんえい した比較 ひかく ができる。例 たと えば、日本 にっぽん で前年 ぜんねん より経済 けいざい 成長 せいちょう したため、円建 えんだ てのGDPが増加 ぞうか していても、前年 ぜんねん より円 えん 安 やす の時 とき は同 おな じ額 がく をUSドル建 だ てにしたGDPでは伸 の びるどころか逆 ぎゃく に減少 げんしょう しているようにみえることが多 おお い。一方 いっぽう 、円建 えんだ てのGDPが減少 げんしょう 又 また は低迷 ていめい している不景気 ふけいき でさえ、前年 ぜんねん より円 えん 高 だか だとUS$建 だ てのGDPだと前年 ぜんねん より増加 ぞうか していることが多 おお い。日本 にっぽん のGDPを約 やく 500兆 ちょう 円 えん だと仮定 かてい して1US$= 80円 えん の円 えん 高 だか に日本 にっぽん のGDPをUS$建 だ てで換算 かんさん すると約 やく 6兆 ちょう US$になり、1US$=120円 えん の円 えん 安 やす でなら約 やく 4兆 ちょう US$となり、円建 えんだ てでのGDPが同 おな じ額 がく にもかかわらず減少 げんしょう しているような統計 とうけい 結果 けっか になってしまう。実際 じっさい に2015年 ねん に国民 こくみん 1人 にん 当 あ たり名目 めいもく GDPはドルに換算 かんさん した「ドル建 だ て」では「減少 げんしょう 」しているが、円建 えんだ てベースでは1994年 ねん 以降 いこう 最高 さいこう で前年 ぜんねん 比 ひ 3.4%程 ほど 増加 ぞうか している[37] [38] 。一方 いっぽう で、円 えん 安 やす はUSドルベースでのGDPにおいてはマイナス要因 よういん となるが、円 えん 安 やす は輸出 ゆしゅつ を促進 そくしん するため、輸出 ゆしゅつ 増加 ぞうか 分 ぶん がGDPに反映 はんえい される頃 ころ にはプラス要因 よういん となる。このように、ドルベースのGDPは為替 かわせ の影響 えいきょう を大 おお きく受 う ける。そのため、USドルベースのGDPは日本 にっぽん と日本 にっぽん 以外 いがい の国 くに のGDPを比較 ひかく するときに主 おも に用 もち いられ、日本 にっぽん 国内 こくない の経済 けいざい 成長 せいちょう の推移 すいい を解析 かいせき する上 じょう では、日本円 にほんえん ベースのGDPが主 おも に用 もち いられる。
日本 にっぽん の
実質 じっしつ GDP
成長 せいちょう 率 りつ の
推移 すいい
1954年 ねん - 1980年 ねん
1980年 ねん - 1993年 ねん
1994年 ねん - 2016年 ねん
暦年 れきねん
名目 めいもく GDP
実質 じっしつ GDP
GDPデフレーター対 たい 前年 ぜんねん 増加 ぞうか 率 りつ (%)
1954年 ねん
8,369.5
47,075.0
1955年 ねん
9,422.2
50,602.7
4.7
1956年 ねん
10,858.3
54,557.8
6.9
1957年 ねん
11,538.3
57,946.9
0.0
1958年 ねん
13,190.3
63,402.7
4.5
1959年 ねん
16,009.7
71,683.1
7.4
1960年 ねん
19,336.5
80,179.8
8.0
1961年 ねん
21,942.7
87,072.6
4.5
1962年 ねん
25,113.2
94,724.0
5.2
1963年 ねん
29,541.3
105,319.5
5.8
1964年 ねん
32,866.0
111,294.3
5.3
1965年 ねん
38,170.0
122,700.2
5.3
1966年 ねん
44,730.5
136,300.2
5.5
1967年 ねん
52,974.9
152,532.1
5.8
1968年 ねん
62,228.9
170,764.5
4.9
1969年 ねん
73,344.9
188,323.1
6.9
1970年 ねん
80,701.3
196,588.9
5.4
1971年 ねん
92,394.4
213,129.0
5.6
1972年 ねん
112,498.1
230,248.8
12.7
1973年 ねん
134,243.8
227,427.7
20.8
1974年 ねん
148,327.1
234,458.7
7.2
1975年 ねん
166,573.3
243,778.5
8.0
1976年 ねん
185,622.0
254,481.2
6.7
1977年 ねん
204,404.1
267,897.5
4.6
1978年 ねん
221,546.6
282,588.9
2.8
1979年 ねん
240,175.9
290,551.1
5.4
暦年 れきねん
名目 めいもく GDP
実質 じっしつ GDP
GDPデフレーター対 たい 前年 ぜんねん 増加 ぞうか 率 りつ (%)
1980年 ねん
242,838.7
284,375.0
1981年 ねん
261,068.2
296,252.9
3.2
1982年 ねん
274,086.6
306,256.2
1.6
1983年 ねん
285,058.3
315,629.9
0.9
1984年 ねん
302,974.9
329,719.3
1.7
1985年 ねん
319,401.9
350,601.6
1.0
1986年 ねん
340,559.5
360,527.4
1.8
1987年 ねん
354,170.2
375,335.8
1.1
1988年 ねん
387,742.9
402,159.9
0.3
1989年 ねん
420,122.2
423,756.5
2.2
1990年 ねん
454,781.0
447,369.9
2.3
1991年 ねん
481,421.8
468,242.0
2.6
1992年 ねん
493,782.8
477,027.9
1.6
1993年 ねん
496,711.8
478,825.1
0.4
暦年 れきねん
名目 めいもく GDP
実質 じっしつ GDP
GDPデフレーター対 たい 前年 ぜんねん 増加 ぞうか 率 りつ (%)
1994年 ねん
507,743.4
490,779.9
0.1
1995年 ねん
516,706.9
501,537.7
1.7
1996年 ねん
532,934.8
520,715.8
2.6
1997年 ねん
550,698.3
537,289.4
3.6
1998年 ねん
550,438.6
534,142.5
0.0
1999年 ねん
518,903.2
514,957.2
-5.3
2000年 ねん
519,860.0
521,408.5
-1.2
2001年 ねん
505,543.2
489,501.1
-1.2
2002年 ねん
499,147.0
487,914.9
-1.6
2003年 ねん
498,854.8
485,968.3
-1.7
2004年 ねん
503,725.3
490,440.7
-1.4
2005年 ねん
503,903.0
488,921.0
-1.3
2006年 ねん
505,687.0
492,451.9
-1.1
2007年 ねん
506,975.2
495,685.8
-0.9
2008年 ねん
497,209.3
493,230.9
-1.3
2009年 ねん
464,138.7
480,588.4
-3.5
2010年 ねん
473,384.4
489,364.6
-2.2
2011年 ねん
460,623.2
478,439.9
-1.9
2012年 ねん
474,403.6
492,547.2
-0.9
2013年 ねん
493,175.5
501,781.4
2014年 ねん
503,698.0
510,489.2
2015年 ねん
510,465.7
516,635.6
2016年 ねん
517,289.4
521,794.3
統計 とうけい のGDPは円建 えんだ てであり、単位 たんい は10億 おく 円 えん
1954 - 1980年 ねん は、「平成 へいせい 10年度 ねんど 国民 こくみん 経済 けいざい 計算 けいさん 」(平成 へいせい 2年 ねん 基準 きじゅん ・68SNA)による。実質 じっしつ 値 ち は1990(平成 へいせい 2)暦年 れきねん 基準 きじゅん 。1980年 ねん は連続 れんぞく 性 せい のために示 しめ した。
1980年 ねん - 1993年 ねん は、2000(平成 へいせい 12)暦年 れきねん 連鎖 れんさ 価格 かかく
1994年 ねん - 2012年 ねん は、2005(平成 へいせい 17)暦年 れきねん 連鎖 れんさ 価格 かかく
2008年 ねん 以降 いこう については、計数 けいすう の改定 かいてい が行 おこな われる可能 かのう 性 せい がある。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく のGDPは米国 べいこく 商務省 しょうむしょう 経済 けいざい 分析 ぶんせき 局 きょく (BEA=The Bureau of Economic Analysis, U.S. Department of Commerce)から発表 はっぴょう されている[39] 。発表 はっぴょう 時期 じき は1、4、7、10月に速報 そくほう 値 ち 、次月 しづき の2、5、8、11月に改定 かいてい 値 ち 、さらに3、6、9、12月に確 かく 定値 ていち が発表 はっぴょう される[39] 。
景気 けいき 消費 しょうひ 雇用 こよう 賃金 ちんぎん 物価 ぶっか 金利 きんり 生産 せいさん 企業 きぎょう /設備 せつび 投資 とうし 貿易 ぼうえき その他 た
*印 しるし の付 つ く物 もの は業界 ぎょうかい 統計 とうけい