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Maple

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Maple
開発元かいはつもと Waterloo Maple英語えいごばん (Maplesoft)
初版しょはん 1982ねん
最新さいしんばん
Maple 2021.1 / 2021ねん3がつ
日本語にほんごばん2021ねん5月
プログラミング
言語げんご
CJava、Maple
対応たいおうOS クロスプラットフォーム
対応たいおう言語げんご 英語えいご日本語にほんごポルトガル部分ぶぶんてきなサポートとして中国ちゅうごくフランス語ふらんすごギリシャなど[1]
種別しゅべつ 数式すうしき処理しょりシステム数値すうち解析かいせき可視かし統計とうけい処理しょり計算けいさん可視かしアプリケーション生成せいせい
ライセンス プロプライエタリ
公式こうしきサイト 開発かいはつもとサイト
テンプレートを表示ひょうじ

Maple(メイプル)は、カナダWaterloo Maple Inc.英語えいごばん以下いか Maplesoft)によって開発かいはつされている数式すうしき処理しょりソフトウェアである。Maple は、記号きごう計算けいさん数値すうち解析かいせき、データ処理しょり統計とうけい処理しょり可視かしなどをおこなうことができる。数学すうがく四則しそく演算えんざん微積分びせきぶん常微分じょうびぶん方程式ほうていしきへん微分びぶん方程式ほうていしきかずろん群論ぐんろんグラフ理論りろん統計とうけいなど)や物理ぶつりかんする幅広はばひろ分野ぶんやをカバーしている。日本にっぽんでは、Maplesoft Japan や代理だいりてんにより販売はんばいされる。「Maple」という名前なまえは、カナダの国旗こっき象徴しょうちょうしている。

概要がいよう

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Maple は、1980年代ねんだい前半ぜんはんカナダウォータールー大学だいがく開発かいはつされた、数式すうしき処理しょり数値すうち計算けいさんグラフ作成さくせいなどをおこなソフトウェアのひとつである。Maple は、マルチパラダイムのプログラミング言語げんごである。記号きごう計算けいさん数値すうち解析かいせきデータ処理しょり統計とうけい処理しょり可視かしなど、幅広はばひろ計算けいさんができる。Mapleを使つかうと、かみ鉛筆えんぴつおこな数学すうがく計算けいさん作図さくずコンピュータおこなうことができる。

Maple は、Waterloo Maple Inc.(以下いか Maplesoft)によって商業しょうぎょうてき開発かいはつおよび販売はんばいされている。

日本にっぽんでは、Maplesoft Japan 株式会社かぶしきがいしゃおよびサイバネットシステム株式会社かぶしきがいしゃ販売はんばいおよび技術ぎじゅつサポートをおこなっている。Maplesoft は、2009ねん9月にサイバネットシステム株式会社かぶしきがいしゃ買収ばいしゅうされた。

Maple は、小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこう高校こうこうなどの初等しょとう教育きょういく現場げんばにおける数学すうがく理科りか授業じゅぎょうから、大学だいがく研究けんきゅう機関きかん企業きぎょう R&D 部門ぶもんなどにいたるまで、幅広はばひろいユーザそう利用りようされている。

Maple のライセンスは、固定こていマシンにインストールするスタンドアロンばん複数ふくすうじん同時どうじ利用りよう可能かのうなネットワークばん用意よういされている。教育きょういく機関きかんけ、一般いっぱん企業きぎょうけ、学生がくせい趣味しゅみ個人こじん利用りよう形態けいたいで、ライセンスが用意よういされている。

Maple は、教科書きょうかしょるような数学すうがく表記ひょうき数式すうしき入力にゅうりょくができるため、可読かどくせいたかいドキュメントを作成さくせい可能かのうである。厳密げんみつかいもとめることを得意とくいとしているが、記号きごう計算けいさん任意にんい精度せいどでの数値すうち計算けいさん可視かし可能かのうである。また、みコンポーネントとばれる GUI 部品ぶひんもちいて、Maple じょう動作どうさするユーザ独自どくじ計算けいさんアプリケーションの作成さくせい可能かのうである。

Maple は Pascalに動的どうてき型付かたつ言語げんごんでおり、静的せいてきスコープの変数へんすうれる。言語げんごCC#FortranJavaMATLABVisual Basic)や Microsoft Excelとの連携れんけい可能かのうである。また、数式すうしきLaTeX変換へんかんする機能きのうもある。

機能きのう

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Maple にはつぎのような機能きのうがある。

  • 複素数ふくそすう区間くかん演算えんざん記号きごう計算けいさんおよび任意にんい精度せいど数値すうち計算けいさん
  • 初等しょとう関数かんすうおよび特殊とくしゅ関数かんすうライブラリ
  • 常微分じょうびぶん方程式ほうていしき (ODE)、へん微分びぶん方程式ほうていしき (PDE)、微分びぶん代数だいすう方程式ほうていしき (DAE)、遅延ちえん微分びぶん方程式ほうていしき (DDE)、ディオファントス方程式ほうていしきややしきのソルバー
  • 有理数ゆうりすう有限ゆうげんたい代数だいすうたい代数だいすう関数かんすうたいたいする変量へんりょう多項式たこうしき計算けいさん最大公約数さいだいこうやくすう因数いんすう分解ぶんかい
  • 極限きょくげん級数きゅうすう漸近ぜんきん展開てんかい
  • グレブナー基底きてい
  • 微分びぶん代数だいすう
  • 疎行列そぎょうれつふく行列ぎょうれつとデータの操作そうさ
  • 数学すうがく関数かんすうグラフとアニメーション生成せいせい
  • 不定ふていおよびてい積分せきぶんじょうおよび不定ふてい合計ごうけい自動じどう微分びぶん連続れんぞくおよび離散りさん積分せきぶん変換へんかんふくむ、離散りさんおよび連続れんぞく計算けいさんのための数値すうちおよび記号きごうツール
  • 制約せいやくきおよび制約せいやくなしのローカルおよびグローバル最適さいてき
  • モデルフィッティング、仮説かせつ検定けんていかくりつ分布ぶんぷふく統計とうけい
  • データ操作そうさ視覚しかく分析ぶんせきのためのツール
  • かくりつおよびわせ問題もんだいのツール
  • どき系列けいれつおよび単位たんいベースのデータのサポート
  • 財務ざいむおよび経済けいざいデータのオンライン収集しゅうしゅうへの接続せつぞく
  • 債券さいけん年金ねんきん、デリバティブ、オプションなどの財務ざいむ計算けいさんツール
  • ランダムプロセスの計算けいさんとシミュレーション
  • 正規せいき表現ひょうげんふくむテキストマイニングのためのツール
  • 信号しんごう処理しょりおよび線形せんけいおよび非線形ひせんけい制御せいぎょシステムようのツール
  • かずろんふく離散りさん数学すうがくツール
  • 有向ゆうこうグラフとこうグラフを視覚しかくおよび分析ぶんせきするためのツール
  • 順列じゅんれつ有限ゆうげん提示ていじされたグループをふくむグループ理論りろん
  • シンボリックテンソル関数かんすう
  • データ、画像がぞう、サウンド、CADきゃど、およびドキュメント形式けいしきのフィルターのインポートとエクスポート
  • 数式すうしきふく技術ぎじゅつ文書ぶんしょ作成さくせい
  • 手続てつづがた関数かんすうがた、オブジェクト指向しこうをサポートするプログラミング言語げんご
  • ユーザーインターフェースを計算けいさんとアプリケーションに追加ついかするツール
  • SQLJava.NETC++Fortranhttp への接続せつぞく
  • CC#FortranJavaJavaScriptJuliaMATLABPerlPythonR、および Visual Basic のコード生成せいせい
  • 並列へいれつプログラミングのためのツール

ユーザインタフェース

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ワークシート

Maple は、ワークシートとばれるワークスペースに数式すうしき文書ぶんしょ記述きじゅつする。このワークシートには、「ワークシートモード」と「ドキュメントモード」とばれる2種類しゅるいのモードがある。ワークシートモードは、おも計算けいさんおこな場合ばあいやプログラミングのさい役立やくだつ。ワークシートには、グループとプロンプトが挿入そうにゅうされ、計算けいさん実行じっこうのラインを明確めいかくにする。一方いっぽうでドキュメントモードは、計算けいさん実行じっこう可能かのう数式すうしきふく文書ぶんしょ作成さくせい役立やくだつ。ワークシートモードとはことなり、ドキュメントモードは Word のように、まっさらなドキュメントを提供ていきょうする。いずれのモードも文字もじのフォント、サイズ、いろ変更へんこう方法ほうほうは、Word にちかい。

数式すうしき入力にゅうりょく形式けいしき

また、Maple は2種類しゅるい数式すうしき入力にゅうりょく形式けいしきゆうし、それぞれ「1D Math 入力にゅうりょく」、「2D Math 入力にゅうりょく」とばれる。 1D Math 入力にゅうりょくは、計算けいさんやプログラミングのさいに、よく使つかわれる。タイプした文字もじが、そのまま表示ひょうじされる。

れい: diff(sin(x))

一方いっぽうで、2D Math 入力にゅうりょくは、教科書きょうかしょるような数式すうしき入力にゅうりょく可能かのうにする。可読かどくせいたかまるため、教材きょうざい作成さくせい技術ぎじゅつ文書ぶんしょ作成さくせいいている。 れい;

積分せきぶん

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つぎしき計算けいさんする。

.
 int(cos(x/a), x);

出力しゅつりょく:

行列ぎょうれつしき

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つぎ行列ぎょうれつしき計算けいさんする。

 M := Matrix([[1,2,3], [a,b,c], [x,y,z]]);
LinearAlgebra:-Determinant(M);

級数きゅうすう展開てんかい

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series(tanh(x), x = 0, 15)

方程式ほうていしき数値すうちかい

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高次こうじ多項式たこうしき数値すうちてき計算けいさんする。

 f := x^53-88*x^5-3*x-5 = 0

 fsolve(f)
, ,


おなじコマンドで連立れんりつ方程式ほうていしきかいもとめられる。

 f := (cos(x+y))^2 + exp(x)*y+cot(x-y)+cosh(z+x) = 0:

 g := x^5 - 8*y = 2:

 h := x+3*y-77*z=55;
                    
 fsolve( {f,g,h} );

{x = -1.543352313, y = -1.344549481, z = -.7867142955}

1変数へんすう関数かんすうのプロット

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= -10 から 10 の範囲はんい描画びょうがする。

 plot(x*cos(x), x = -10..0);

2変数へんすう関数かんすうのプロット

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が -1 から 1 までの範囲はんい描画びょうがする。

plot3d(x^2+y^2, x = -1..1, y = -1..1);

関数かんすうのアニメーション

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  • 2変数へんすう関数かんすうのアニメーション
plots:-animate(subs(k = 0.5, f), x=-30..30, t=-10..10, numpoints=200, frames=50, color=red, thickness=3);
2D bell solution
  • 3変数へんすう関数かんすうのアニメーション
plots:-animate3d(cos(t*x)*sin(3*t*y), x=-Pi..Pi, y=-Pi..Pi, t=1..2);
3D animation of function
  • 3Dプロットのフライスルーアニメーション [2]
 M := Matrix([[400,400,200], [100,100,-400], [1,1,1]], datatype=float[8]):
 plot3d(1, x=0..2*Pi, y=0..Pi, axes=none, coords=spherical, viewpoint=[path=M]);
Maple plot3D fly-through

ラプラス変換へんかん

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f := (1+A*t+B*t^2)*exp(c*t);
 inttrans:-laplace(f, t, s);
  • ぎゃくラプラス変換へんかん
inttrans:-invlaplace(1/(s-a), s, x);

フーリエ変換へんかん

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 inttrans:-fourier(sin(x), x, w)

積分せきぶん方程式ほうていしき

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積分せきぶん方程式ほうていしきたす関数かんすう もとめる。

.
eqn:= f(x)-3*Int((x*y+x^2*y^2)*f(y), y=-1..1) = h(x):
intsolve(eqn,f(x));

数式すうしき関数かんすう定義ていぎ代入だいにゅう代数だいすう演算えんざんとうかんするコマンド

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代数だいすう演算えんざん

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代数だいすう演算えんざんとは加減乗除かげんじょうじょおよびかいじょう平方根へいほうこんとうふくむ)およびはそれらをわせることでつくられる演算えんざん総称そうしょうである。以下いかおも代数だいすう演算えんざんについて説明せつめいする。

関数かんすう定義ていぎ

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関数かんすう定義ていぎ以下いかのようにおこなう。たとえば関数かんすうfを定義ていぎしたい場合ばあいには、

f:=x->x*exp(-x^2); 

入力にゅうりょくすればよい。2変数へんすう以上いじょう関数かんすうもほぼ同様どうようで、たとえば関数かんすうfを定義ていぎしたい場合ばあいには、

g:=(x,y)->y*exp(-x^2);

入力にゅうりょくすればよい。一般いっぱん関数かんすうには変数へんすう存在そんざいする。人間にんげん関数かんすうせられた場合ばあいに『なに変数へんすうであるか』を理解りかいできるが、機械きかいはそうではない。したがって、変数へんすうなになのかを明示めいじする必要ひつようがある。上記じょうきのコマンドにおいて、変数へんすうなになのかを明示めいじする役割やくわりたしている記号きごうがそれぞれ『x->』『(x,y)->』である。もちろん

f:=x*exp(-x^2);

のように変数へんすう明示めいじしない定義ていぎ仕方しかたもあるが、これだと、後々あとあとべつのコマンドとわせるさいなんらかの不都合ふつごうしょうじる可能かのうせいがある。

代入だいにゅう

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代入だいにゅうかんするコマンド、つまり、文字もじしき関数かんすうに、文字もじ数字すうじ代入だいにゅうするためのコマンドとしては、evalとsubsが代表だいひょうてきである。

evalによる代入だいにゅう

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evalコマンドをもちいると、文字もじしき関数かんすうに、文字もじ数字すうじ代入だいにゅうできる。

> eval(x^2+x+1 , x=1);

f:=(x,y,z)->y*exp(-x^2)+z;

> eval(poly,[x=2,y=3,z=t]);

subsによる代入だいにゅう

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同様どうようにsubsコマンドを使つかえば、文字もじしき関数かんすうに、文字もじ数字すうじ代入だいにゅうできる。ただし、代入だいにゅうするがわ位置いち代入だいにゅうするがわ位置いちが、evalとはぎゃくになっている。

subs( x=2, x^2+x+1 );
subs( x=A, x^2+x+1 );
h:=x*exp(-x^2);
subs( x=A, f );

駄目だめ

f:=x->x*exp(-x^2):
subs( x=A, f );
f

(つぎのようにく)

f:=x->x*exp(-x^2):
subs( x=A, f(x) );

evalとsubsのちが

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evalコマンドとsubsコマンドのちがいは、つぎれいにおいて顕著けんちょである。

expr := sin(x)/cos(x); subs(x=0,expr); eval(expr,x=0);


> der := diff(f(x),x) + f(x);

                          / d      \       
                   der := |--- f(x)| + f(x)
                          \ dx     /       

> eval(der,x=0);

               /    / d               \\       
               |eval|--- f(x), {x = 0}|| + f(0)
               \    \ dx              //       

> subs(x=0,der);

                    (diff(f(0), 0)) + f(0)

subsは評価ひょうか(evaluation)をせずに代入だいにゅうするのみ。evalは評価ひょうかしたあとに代入だいにゅうする。

整式せいしき整理せいり

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多項式たこうしきとうくだべきじゅんのぼりべきじゅんにならべることができる。ただし、Sinの次数じすうについてならえるのはむずかしい。

グラフ描画びょうがかんするコマンド

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基本きほんコマンド plot , plot3d および描画びょうがパッケージ plots(パッケージない描画びょうがようのコマンドぐんふくまれています。)

基本きほん構文こうぶん

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曲線きょくせん描画びょうがする plot コマンドの基本形きほんけいは、以下いかとなります

plot(曲線きょくせん定義ていぎしき、x=a..b,options);

曲面きょくめん描画びょうがする plot3d コマンドの基本形きほんけいは、以下いかとなります

plot3d(曲面きょくめん定義ていぎしき, x=a..b, y=c..d, options) ;

x,y,z で、かげ関数かんすう定義ていぎされたグラフの場合ばあい

plots[implicitplot3d](かげ関数かんすうによる曲面きょくめん定義ていぎしき, x=a..b, y=c..d,z=e..f, options) 

である。その媒介ばいかい変数へんすう表示ひょうじとう可能かのうだが、それはしたひょうまとめます。

 ただし、曲面きょくめん描画びょうがする場合ばあいには、

with(plots): 

あらかじんでおかねばならない。具体ぐたいてきには、

with(plots):
implicitplot3d(x^2+y^2=1, x=-1..1, y=-1..1) 

のようにすればよい。ただし、この場合ばあいはzの定義ていぎいきや、曲面きょくめんいろやグリッドを指定していするためのoptionは省略しょうりゃくした(省略しょうりゃくしても問題もんだいない)。


また、with(plots):はおなじシェルのうえ作業さぎょうするかぎいちめば、あとはそのシェルを終了しゅうりょうするまで有効ゆうこうなので、  


plot3d(x+y, x=1..2, y=1..2);

べつ作業さぎょう with(plots):

implicitplot3d(x^2+y^2=1, x=-1..1, y=-1..1);


のように、いちだけんでその必要ひつようがないが、



plot3d(x+y, x=1..2, y=1..2);

べつ作業さぎょう

with(plots):
implicitplot3d(x^2+y^2=1, x=-1..1, y=-1..1);


のように、曲面きょくめんえがくたびにんでも別段べつだん問題もんだいがない。

一般いっぱんせいった曲面きょくめん描画びょうがのプログラム

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基本きほんはこれでよいのだが、現実げんじつには『複数ふくすう曲面きょくめん曲線きょくせんおなじエリアにえがく』あるいは 『あらかじ定義ていぎしておいた関数かんすうかんするグラフをく』あるいはその両方りょうほうおこなうことが 単独たんどくのグラフをくことにくらおおいだろう。 そのため、比較的ひかくてき応用おうよう範囲はんいひろいプログラムをひとげておこう。以下いかのプログラムは、 『g(x,y)の定義ていぎおこなったうえでそれのグラフとg(x,y)=1についてのかげ関数かんすうを、表示ひょうじしょくえて同時どうじ表示ひょうじさせる』ものである。

with(plots): 
g:=(x,y)->y*exp(-x^2);
p1:=plot3d(g(x,y),x=-3..4,y=-2..4,axes=boxed):
p2:=implicitplot3d(g(x,y)=1,x=-3..4,y=-2..4,z=-2..4,axes=boxed,grid= [15,15,15],style=patchnogrid):
display(p1,p2);

表示ひょうじするグラフを3つ以上いじょうやすこともできる

with(plots):
g:=(x,y)->y*exp(-x^2);
p1:=plot3d(g(x,y),x=-3..4,y=-2..4,axes=boxed):
p2:=implicitplot3d(g(x,y)=1,x=-3..4,y=-2..4,z=-2..4,axes=boxed,grid=[15,15,15],style=patchnogrid):
p3:=plot3d(x*y ,x=-3..4,y=-2..4,axes=boxed):
display(p1,p2,p3); 

もちろん、1種類しゅるい曲面きょくめんのみをあらわすことも、可能かのうである。

with(plots): 
g:=(x,y)->y*exp(-x^2); p1:=plot3d(g(x,y),x=-3..4,y=-2..4,axes=boxed): display(p1);


なお、g,p1,p2 とう変数へんすうめいきなようにえてよい。(変更へんこう影響えいきょうける部分ぶぶんたとえば『display(p1,p2);』とう同時どうじただしく変更へんこうすれば)問題もんだいない。たとえば

with(plots): 
f:=(x,y)->y*exp(-x^2);
p:=plot3d(g(x,y),x=-3..4,y=-2..4,axes=boxed):
q:=implicitplot3d(f(x,y)=1,x=-3..4,y=-2..4,z=-2..4,axes=boxed,grid= [15,15,15],style=patchnogrid):
display(p,q);


のようにしてもなに問題もんだいない。

曲面きょくめん描画びょうがおもなオプション

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曲面きょくめん形式けいしきとしては、グラフ(plot3d)、かげ関数かんすうのグラフ(implicitplot3d)とうがある。 そののものは以下いかひょうまとめる。

関連かんれん製品せいひん

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  • MapleSim - Modelica言語げんごベースのモデリング&シミュレーションツール。1D CAE または MBD ツールともばれる。Maple を計算けいさんエンジンとしている。
  • Maple Flow - 機能きのうてきには Maple とほぼおなじだが、パワーポイントのよう自由じゆう数式すうしき文書ぶんしょ記述きじゅつ配置はいちできるツール。
  • Maple Calculator - 無料むりょうのスマートフォンよう計算けいさんアプリケーション。数式すうしき入力にゅうりょくまたはカメラでの数式すうしき撮影さつえいで、問題もんだいいたり、グラフの描画びょうが可能かのう。Maple Learn ,MapleCloud および Maple との連携れんけい可能かのう
  • Maple Learn - オンライン計算けいさん環境かんきょう中学ちゅうがく高校こうこうから大学だいがくはじごろ数学すうがく学習がくしゅうとくしている。無料むりょう利用りよう可能かのう制限せいげんあり)。
  • MapleCloud - 無料むりょうクラウド環境かんきょうウェブブラウザで、Maple ドキュメントの閲覧えつらんおよび計算けいさんアプリケーションの実行じっこう可能かのう
  • Maple Net - ウェブブラウザで、Maple ドキュメントの閲覧えつらんおよび計算けいさんアプリケーションの実行じっこう可能かのう。MapleCloud とのちがいは、ユーザが所有しょゆうする環境かんきょうにサーバがてられる。
  • Global Optimization Toolbox - Maple のアドオン製品せいひん大域たいいき最適さいてきおこなうことができる。
  • Quantum Chemistry Toolbox - Maple のアドオン製品せいひん量子りょうし化学かがく計算けいさんやグラフ描画びょうがおこな製品せいひん

類似るいじ製品せいひんとの比較ひかく

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  • インタフェースMathematica類似るいじしているが、微分びぶん方程式ほうていしき計算けいさんやグラフ描画びょうが機能きのうなどにおいてとくすぐれているとされている。
  • Mathematicaと比較ひかくしてすくないメモリハードディスク容量ようりょう計算けいさん可能かのうである。
  • 本来ほんらい記号きごうかい導出どうしゅつ想定そうていして設計せっけいしてあり、ほとんどの計算けいさんにおいて記号きごうかいすことが可能かのうである。
  • Mathematicaと比較ひかくして、膨大ぼうだいりょう計算けいさん長時間ちょうじかんかかっておこなうには不向ふむきとかんがえられている。
  • Mathematicaと比較ひかくして、とくした用法ようほうへのアドインアプリケーションが寡少である。
  • Maple言語げんごもちいたプログラミングは、C言語げんごやPython言語げんごている。
  • みコンポーネントとばれるGUI部品ぶひんもちいて、計算けいさんアプリケーションを簡単かんたん作成さくせいできる。

関連かんれん書籍しょせき

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和書わしょ

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出版しゅっぱんじゅんならべる。としつきにち不明ふめいなものはそれぞれあきらかなものよりも前側まえがわくことにする。

  • B.W. チャー、G.H. ゴネット、M.B. モナガン、K.O. ゲディス:「よくわかるMaple 5」、シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431706526(1993ねん8がつ)。
  • B.W. チャー、G.H. ゴネット、M.B. モナガン、K.O. ゲディス:「はじめてのMaple5」、シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431706519(1993ねん8がつ)。
  • 守谷もりや りょう:「Mapleで数学すうがく入門にゅうもんへん」、海文堂かいぶんどう出版しゅっぱんISBN 978-4303732608(1996ねん3がつ)。
  • 守谷もりやりょう:「Mapleで数学すうがくを―線形せんけい代数だいすうへん」、海文堂かいぶんどう出版しゅっぱんISBN 978-4303732707 (1996ねん4がつ)。
  • K.M. ヒール、K.M. リカード、M.L. ハンセン:「はじめてのMaple V〈リリース4〉」、シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431707288(1997ねん4がつ)。
  • 小国おぐにつとむ:「Maple Vと利用りよう実際じっさい -数式すうしき処理しょりとCG-」、サイエンスしゃISBN 4-7819-0829-2(1997ねん5がつ25にち)。
  • ユージン・W. ジョンソン;「MAPLE V 線形せんけい代数だいすう」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ)、ISBN 978-4900718395(1997ねん7がつ)。
  • アルバート ボッジス, ディビット バロー:「MAPLE V 微積分びせきぶん」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ)、ム社むしゃISBN 978-4900718418(1997ねん8がつ)。
  • ナンシー・R. ブラックマン, マイケル・J. モッシンホフ:「Maple V リファレンスブック」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ)、ム社むしゃ、4-900718-42-4(1997ねん9がつ12にち)。
  • Eade Ellis, Jr.+Eugene Johnson+Ed Lodi + Daniel Schwalbe:「Maple V Release 4 - 数式すうしき処理しょり入門にゅうもん」、ム社むしゃ、4-900718-49-1(1997ねん9がつ22にち)。
  • 守谷もりやりょう:「Mapleで数学すうがくを―微積分びせきぶんへんI」、海文堂かいぶんどう出版しゅっぱんISBN 978-4303732806(1997ねん10がつ)。
  • 守谷もりやりょう:「Mapleで数学すうがくを―微積分びせきぶんへん II」、海文堂かいぶんどう出版しゅっぱんISBN 978-4303732905(1997ねん10がつ)。
  • ウィリアム・C. ボウドリー , ジョセフ・R. フィドラー :「MAPLE 5 応用おうよう数学すうがく」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ) 、ム社むしゃISBN 978-4900718487(1997ねん10がつ)。
  • ウエイド エリス ジュニア、エド ロディ、ユージン ジョンソン:「MAPLE V数式すうしき処理しょり入門にゅうもん〈Release4〉」(実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ) 、ム社むしゃISBN 978-4900718494(1997ねん10がつ)。
  • C.T.J. ドッドソン (ちょ), E.A. ゴンザレス:「Maple Vでまな実験じっけん数学すうがく」、シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431707387(1997ねん10がつ)。
  • ジョン・S. デビット:「MAPLE V 数学すうがく解法かいほう事典じてん」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ) 、ム社むしゃISBN 978-4900718548(1997ねん12がつ)。
  • 阿部あべひろし:「Maple Vによる数式すうしき処理しょり入門にゅうもん物理ぶつり工学こうがくへの応用おうよう」、講談社こうだんしゃサイエンティフィック、ISBN 4-06-153230-8(1998ねん3がつ10日とおか)。
  • A.I. ベルツァー:「シミュレーション工学こうがく入門にゅうもん―Maple/Mathematicaによる導入どうにゅう」、培風館ばいふうかんISBN 978-4563035280 (1998ねん9がつ)。
  • K.M.ヒール、M.L.ハンセン、K.M.リカード:「Maple V リリース5、ラーニングガイド」、シュプリンガーフェアラーク東京とうきょうISBN 4-431-70776-X (1998ねん9がつ25にち)。
  • 示野しめの信一しんいち: 「Maple Vで数学すうがくワールド」、シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431708001(1999ねん5がつ)。
  • 「MAPLE V 微積分びせきぶん」 (実践じっせん数式すうしき処理しょりシリーズ)、ム社むしゃISBN 978-4274024245(2000ねん4がつ)。
  • 赤間あかま世紀せいき:「はやわかりMaple」、共立きょうりつ出版しゅっぱんISBN 978-4320029866 (2000ねん8がつ10日とおか)。
  • 井上いのうえあつし :「Mapleによるかくりつ統計とうけい」、森北もりきた出版しゅっぱんISBN 978-4627094710(2001ねん4がつ)。
  • クリストファー・S. トッチィ, スティーブン アダムス:「技術ぎじゅつしゃ科学かがくしゃのためのMaple活用かつよう技法ぎほう」、 秀和しゅうわシステム、ISBN 978-4798001067(2001ねん4がつ16にち)。
  • Waterloo Maple Inc(へん):「maple 7ラーニングガイド」、シュプリンガーフェアラーク東京とうきょうISBN 4-431-70960-6 (2002ねん3がつ3にち)。
  • Waterloo Maple Inc. (へん):「Maple 7 プログラミングガイド」、 シュプリンガー・フェアラーク東京とうきょうISBN 978-4431709619(2002ねん6がつ)。
  • 石渡いしわた昭一しょういち:「Maple Vによる強力きょうりょくちょう音波おんぱシステムの理論りろん応用おうよう」、PS研究所けんきゅうじょISBN 978-4901951210(2006ねん8がつ)。
  • 遠山とおやまさとしいち佐藤さとうあきらしん:「はや習Maple- STEMコンピューティングを活用かつようする機械きかいけい工業こうぎょう数学すうがく -」、 コロナしゃISBN 978-4339028645(2016ねん10がつ13にち)。

洋書ようしょ

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  • Bruce W. Char, K.O. Geddes, Gaston H. Gonnet, B. Leong:"Maple V Reference Manual", Springer-Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co. K, ISBN 978-3540976226 (1991/11).

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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