(Translated by https://www.hiragana.jp/)
Visual Basic - Wikipedia コンテンツにスキップ

Visual Basic

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Microsoft Visual Basicから転送てんそう
Microsoft Visual Basic
開発元かいはつもと マイクロソフト
初版しょはん 1.0 - 1991ねん (33ねんまえ) (1991)
最新さいしんばん
6.0 / 1998ねん (26ねんまえ) (1998)
対応たいおうOS Microsoft Windows, MS-DOS
サポートじょうきょう 開発かいはつ環境かんきょうは2008ねん終了しゅうりょう
実行じっこう環境かんきょうはサポート継続けいぞくちゅう[1]
種別しゅべつ 統合とうごう開発かいはつ環境かんきょう
ライセンス Microsoft EULA(プロプライエタリ
公式こうしきサイト https://docs.microsoft.com/en-us/previous-versions/visualstudio/visual-basic-6/visual-basic-6.0-documentation
テンプレートを表示ひょうじ
Visual Basic
パラダイム 手続てつづがた, 制限せいげんきのオブジェクト指向しこう
登場とうじょう時期じき 1991ねん (33ねんまえ) (1991)
設計せっけいしゃ マイクロソフト
開発かいはつしゃ マイクロソフト
最新さいしんリリース 6.0/ 1998ねん (26ねんまえ) (1998)
型付かたつ 静的せいてき型付かたつ
おも処理しょりけい Microsoft Visual Basic
影響えいきょうけた言語げんご BASIC, QuickBASIC
影響えいきょうあたえた言語げんご VBScript, Visual Basic .NET, TTSneo
プラットフォーム Microsoft Windows, MS-DOS
ライセンス Microsoft EULA
拡張子かくちょうし .vb
テンプレートを表示ひょうじ

Visual Basic (ヴィジュアル ベーシック)はマイクロソフトが1990年代ねんだい開発かいはつしていたプログラミング言語げんごおよびその処理しょりけい通常つうじょうはVisual BasicまたはりゃくしてVBぶ。単体たんたい製品せいひんパッケージのほか、Visual Studioまれたパッケージもあり[2]、さまざまな種類しゅるいのアプリケーション開発かいはつもちいられていた。

後継こうけいとなるVisual Basic .NET (VB.NET) にかんしては当該とうがい項目こうもく参照さんしょう。アプリケーションよう言語げんごVisual Basic for Applications (VBA) にかんしては当該とうがい項目こうもく参照さんしょう。1970年代ねんだい〜1980年代ねんだい開発かいはつされていた前身ぜんしんMicrosoft BASICについても当該とうがい項目こうもく参照さんしょう

なお、マイクロソフトのドキュメントでは、バージョン2005以降いこうのVisual Basic .NETをVisual Basicんでいるが、ほん記事きじでは.NET対応たいおうのVisual Basicのみをあつかう。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

Visual Basicは、おなじくマイクロソフトによって開発かいはつされていたQuickBASIC拡張かくちょう発展はってんさせたものである。

汎用はんようプログラミング言語げんごとしてのVB

[編集へんしゅう]

汎用はんようプログラミング言語げんごとしてのVBは、QuickBASIC同様どうよう構造こうぞうプログラミングのパラダイムをれたBASICである。1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけてひろ使つかわれていた、構造こうぞう以前いぜんのBASIC(くだり番号ばんごうGOTOぶんもちいるスタイル)とはおおきくことなっている。くわえてオブジェクト指向しこうちか概念がいねんれられている。

VB4でクラスモジュール機構きこう導入どうにゅうされた。VB5でインターフェイス実装じっそう (Implements) を利用りようしたポリモーフィズム導入どうにゅうされた[3]。ただしバージョン6.0てんでは、C++Javaといった言語げんご比較ひかくして、オブジェクト指向しこうプログラミングのための機能きのう十分じゅうぶんには搭載とうさいされておらず、とくにクラスの継承けいしょう実装じっそう継承けいしょう)に相当そうとうする機能きのうがなかった。なお、後継こうけいのVB.NETでは完全かんぜんクラスベースのオブジェクト指向しこう機能きのう搭載とうさいされた。

統合とうごう開発かいはつ環境かんきょうとしてのVB

[編集へんしゅう]

統合とうごう開発かいはつ環境かんきょう (IDE) としてのVBは、おもグラフィカルユーザーインターフェイス (Graphical User Interface, GUI) をアプリケーションソフトウェア効率こうりつてき開発かいはつするための視覚しかくてきプログラミング環境かんきょうである。基本きほんてきコンソールアプリケーション開発かいはつ想定そうていされていない[注釈ちゅうしゃく 1]

VBでは、まずGUIデザイナー画面がめんにおいて視覚しかくてき表示ひょうじされるフォーム英語えいごばんウィンドウじょうに、ボタンテキストボックスなど、「コントロール」とばれるあらかじめ用意よういされた各種かくしゅのGUI部品ぶひんウィジェット)を、マウスによるドラッグ&ドロップなどをもちいて配置はいちする。このデザイナーじょう確認かくにんできる表示ひょうじ結果けっかは、GUIアプリケーションが実際じっさい起動きどうされたときの結果けっかちかいものとなる(WYSIWYG)。つぎに、それらのGUI部品ぶひんにおいて、マウスでクリックされたり、テキスト内容ないようなどのプロパティ変更へんこうされたり、といった「イベント」が発生はっせいした場合ばあい実行じっこうさせたいことをコードで記述きじゅつしていくことでプログラム作成さくせいしていく。このスタイルはRapid Application Development (RAD) ともばれる。

VBの特徴とくちょうは、RADスタイルのプログラミングである、とリリース当時とうじのMSのリーフレットなどではその特徴とくちょう解説かいせつされた。[よう出典しゅってん]

グラフィックスの描画びょうがなど、GUIを実現じつげんするときに付随ふずいする定型ていけいてき画面がめん管理かんりかく部品ぶひん内部ないぶおこなわれるため、プログラマ直接ちょくせつ記述きじゅつする必要ひつようせい大幅おおはば低減ていげんされ、記述きじゅつ煩雑はんざつになりがちなGUIを利用りようしたプログラムを、簡単かんたんかつ効率こうりつてき作成さくせいすることができる。このプログラミングスタイルは、後発こうはつDelphiWindows Formsなどでも採用さいようされており、VBはRADの先駆さきがけのひとつであったともいえる。

バージョン1.0ではWindowsばんのちMS-DOSはん発売はつばいされており、キャラクタベースにもかかわらずコントロールを配置はいちしてGUIを構築こうちくすることができた。ただしキャラクタベースであるため、フォームを使用しようした場合ばあい、グラフィックスの描画びょうが不可能ふかのうである。

なおMicrosoft WindowsようGUIアプリケーション開発かいはつする場合ばあい、もっとも原始げんしてき方法ほうほうとしてC/C++言語げんごWindows API使つかい、コードベースでメッセージループやウィンドウプロシージャといったすべてのGUI処理しょり記述きじゅつしていく方法ほうほうがある。この方法ほうほうはWindowsのすべての機能きのうにアクセスでき、すべてを制御せいぎょすることができることがメリットだが、そのわりコード記述きじゅつりょう膨大ぼうだいなものとなり、開発かいはつ効率こうりつわるい。このような作業さぎょう隠蔽いんぺい省略しょうりゃくして、直感ちょっかんてきかつ迅速じんそくにアプリケーションを開発かいはつできるようにしてくれるのが、VBのようなRAD環境かんきょうである。Microsoft Visual C++ではリソースエディタとばれる、GUIの外観がいかんデザインを視覚しかくてき設定せっていできるツールも存在そんざいするが、これはRADではない。MFCのフレームワークを利用りようすることで定型ていけいてきなコードの記述きじゅつりょうるものの、VBほど直感ちょっかんてきにGUIアプリケーションを開発かいはつできるようになるわけではない。C/C++は言語げんご仕様しよう概念がいねん自体じたい難解なんかいでVBよりも習得しゅうとくしづらく、エンドユーザー・コンピューティング観点かんてんからもハードルがたかい。

コードれい

[編集へんしゅう]
Private Sub Command1_Click()
    MsgBox "Hello, World"
End Sub

上記じょうきコマンドボタン"Command1"に関連付かんれんづけられているイベントハンドラーれいである。対応たいおうするコマンドボタンをクリックすると、メッセージボックスに「Hello, World」と表示ひょうじされる。

DirectXのサポート

[編集へんしゅう]

マルチメディアコンポーネントであるMicrosoft DirectXかんしては、一部いちぶのバージョンのみVisual Basicじょうからでも利用りよう可能かのうとなっている。Visual Basic 6.0ではVBようCOMタイプ ライブラリを使用しようすることでDirectX 7およびDirectX 8を利用りようできる[5][6]。 しかし、これらのVBけDirectXインターフェイスは、Windows Vista以降いこうではサポートされていない[7]

歴史れきし

[編集へんしゅう]
Visual Basicのユーザーインターフェイスのドラッグ&ドロップデザインを作成さくせいしたアラン・クーパー

Visual Basic 1.0がリリースされたのは1991ねんである。ユーザーインターフェイスを作成さくせいするためのドラッグ・アンド・ドロップのデザインは、アラン・クーパー開発かいはつしたプロトタイプのフォームジェネレータTripod由来ゆらいする[8][9][10]。マイクロソフトはクーパーと契約けいやくし、TripodをWindows 3.0ようのプログラム可能かのうなフォームシステムにするために、Rubyというコードめい開発かいはつした(のスクリプト言語げんごRubyとは関係かんけいない)。Tripodにはプログラミング言語げんごふくまれていなかった。マイクロソフトはRubyと同社どうしゃQuickBASICわせてVisual Basicを作成さくせいすることにした。インタフェースジェネレータRubyはVisual Basicの視覚しかくてき部分ぶぶん提供ていきょうした。Rubyはまた、追加ついかのコントロール(当時とうじは「ギズモ」とばれていた)をふくダイナミックリンクライブラリ (DLL) をロードする機能きのう提供ていきょうし、これはのちVBX英語えいごばんインターフェイスとなった[11]。アラン・クーパーは「Visual Basicのちち」とばれている[12]

Visual Basicには、おおきくけて2種類しゅるいある。1つはバージョン1.0から6.0までの旧来きゅうらいばん、もう1つはバージョン 7.0 (2002) 以降いこう.NET Framework対応たいおうばんである。.NET Frameworkに対応たいおうしたバージョン7.0以降いこうはバージョン6.0以前いぜん比較ひかくしておおきな変更へんこうほどこされ、互換ごかんせいもない。

バージョンの履歴りれき
製品せいひんめい バージョン ランタイムめい リリース 備考びこう
Visual Basic 1.0 1.0 VBRUN100.DLL 1991ねん オブジェクト指向しこう基本きほんてき部分ぶぶん実装じっそう日本にっぽんでは発売はつばいされなかった。
Visual Basic for MS-DOS 1.0 - 1992ねん Windowsばんとの互換ごかんせいひくいが、DOSばんQuickBASICの後継こうけいバージョンとして使つかえる。

NEC PC-98ようおよび富士通ふじつうFMRよう日本語にほんごばん販売はんばいされていた。

Visual Basic 2.0 2.0 VBRUN200.DLL (英語えいごばん)
VBRJP200.DLL (日本語にほんごばん)
1992ねん OLE, ODBC対応たいおう日本語にほんごばんは1993ねん当初とうしょはODBC対応たいおうはなし。
Visual Basic 3.0 3.0 VBRUN300.DLL 1993ねん 日本にっぽんでは発売はつばいされなかった。
Visual Basic 4.0 4.0 VBRUN400.DLL 1995ねん 32 ビットばんと 16 ビットばんがある。
Visual Basic 5.0 CCE 5.0 - 1997ねん ActiveXコントロール作成さくせい専用せんよう。フリー。Visual Basic 5.0のプロトタイプ。
Visual Basic 5.0 5.0 MSVBVM50.DLL 1997ねん Win32 ネイティブコードへのコンパイル機能きのうをサポート。
Visual Basic 6.0 6.0 MSVBVM60.DLL 1998ねん 旧来きゅうらいがた Visual Basic (Win32 ネイティブ) の最後さいごのバージョン。

Visual Basic 4.0

[編集へんしゅう]

32 ビットばんと 16 ビットばんの Windows プログラムを開発かいはつできる最初さいしょのバージョンとなった。爆発ばくはつてき普及ふきゅうはじまったWindows 95ようのアプリケーション開発かいはつ環境かんきょうひとつとしてリリースされた。ボタンやコンボボックスのような標準ひょうじゅんコントロールにくわえ、サードパーティーから発売はつばいされたコントロールをマウスを使つかったGUI操作そうさ配置はいちすることでアプリケーション画面がめん作成さくせいすることができ、プログラム生産せいさんせいたかいことが特徴とくちょうだった。とくに、サードパーティせい高機能こうきのうなコンポーネントがおお発売はつばいされ、熟練じゅくれん開発かいはつしゃでなくとも操作性そうさせいわるたかいアプリケーションが開発かいはつでき、当時とうじエンドユーザー・コンピューティングおおきな影響えいきょうあたえた。VB4 の言語げんご仕様しようが Office 95 の VBA にされ、Word VBA、Excel VBA、Access VBA の仕様しようとも融合ゆうごうした。

技術ぎじゅつめんると、まえのバージョンまではVBXコントロールを使つかっていたが、このバージョンからVisual C++などをもちいてCOMのコントロール(OLEコントロール、OCX、のちにActiveXコントロールとばれる)を開発かいはつし、これらの部品ぶひんぐんてをVisual Basicでおこなうことが容易よういにできた。とくExcelなどのアプリケーションをOLEをつうじて制御せいぎょすることができるため、帳票ちょうひょうあつかうような業務ぎょうむアプリケーション開発かいはつ分野ぶんや使つかわれることもおおかった。

Visual Basic 5.0

[編集へんしゅう]

Win32 ネイティブコードへのコンパイル機能きのうがサポートされるようになり、実行じっこう速度そくど大幅おおはば向上こうじょうした。 開発かいはつ環境かんきょうないでのインタプリタ実行じっこうつづきサポート。

Visual Basic 6.0

[編集へんしゅう]

ActiveXに完全かんぜん対応たいおうし、ActiveXオブジェクトを使用しようすることはもちろん作成さくせいすることも可能かのう。そのため、ActiveXコンポーネントとして公開こうかいされていたDAOADOoo4oなどを使用しようして、SQL ServerOracle DB制御せいぎょすることができ、おおくのビジネスシーンで使用しようされた。また、バージョン1.0からの経験けいけん蓄積ちくせきされていたためVisual Basic 6.0をあつかえるプログラマ・情報じょうほうりょうともに豊富ほうふだった。

Webアプリケーション開発かいはつするための方法ほうほうIISによるサーバーサイドVBの実行じっこう、VBフォームへのWeb機能きのうみ、Internet ExplorerでのVBホスティング)がいくつか用意よういされていた[13]

派生はせい言語げんご

[編集へんしゅう]

Visual Basic for Applications (VBA)

[編集へんしゅう]

Microsoft Officeのアプリケーションようのマクロ環境かんきょうとして実装じっそうされているVisual Basic。反復はんぷく操作そうさ自動じどうするだけでなく、Windowsのフォームやボタンなどのコントロールをドキュメントない配置はいちして、ドキュメント編集へんしゅうのためのGUIを構築こうちくすることも可能かのうとなっている。言語げんご仕様しようとしては、本家ほんけのVisual Basicで.NET以降いこうがリリースされたのちも、ドキュメントの互換ごかんせいたも目的もくてきで、Visual Basic 6.0ベースのものが実装じっそうされている。ExcelAccessWordなどのアプリケーションで実装じっそうされているほか、独自どくじ開発かいはつしたアプリケーションにVBAを搭載とうさいすることも可能かのうで、サードパーティせいのアプリケーションにVBAが搭載とうさいされる場合ばあいもある。本家ほんけVisual Basicとのおおきなちがいは、搭載とうさいアプリケーションないでしか実行じっこうできないてんにある。

VBAをもちいることで、対応たいおうするアプリケーションないかく要素ようそをクラスオブジェクトとして操作そうさできる。Excelをれいにとると、「Excelアプリケーション」をあらわApplicationオブジェクト、「Excelブック」をあらわWorkbookオブジェクト、「スプレッドシートちゅうのセルまたはセル範囲はんい」をあらわRangeオブジェクトなどがVBAから操作そうさできる。

Office 2007まではバージョン6系列けいれつのVisual Basicが採用さいようされていたが、Office 2010では、バージョン番号ばんごうを7.0としている[14]おも変更へんこうてんとして、64ビット環境かんきょうへの対応たいおうげられる。LongPtr(32ビット環境かんきょう・64ビット環境かんきょう双方そうほうでポインタとおなおおきさとなる整数せいすうがた)、LongLong(64ビット整数せいすうがた、ただし64ビット環境かんきょうでのみ使用しよう可能かのう)などのデータがたやそれにともな変換へんかん関数かんすう追加ついかなどがおこなわれている。

VBScript (Visual Basic Scripting Edition)

[編集へんしゅう]

Active Server Pages (ASP) の既定きてい言語げんごであり、Windowsスクリプティングやクライアントがわウェブページスクリプティングでも利用りようされる。文法ぶんぽうはVBにているがVBランタイムではなくvbscript.dllで実行じっこうされるべつ言語げんごである。ASPおよびVBScriptは、.NET Framework使つかったASP.NETとはまた別物べつものである。

Visual Basic .NET

[編集へんしゅう]

Visual Basic 6.0の後継こうけい言語げんごであり、.NETプラットフォームの一部いちぶである。Visual Basic .NETは.NET Frameworkを使つかってコンパイルされ実行じっこうされる。どう時期じきにリリースされたC#姉妹しまい言語げんごであり、Visual Basic 6.0と後方こうほう互換ごかんせいはない。自動じどう移行いこうツールも用意よういされているが手動しゅどうでの手直てなおしも必要ひつようとなる。IDEとしてはVisual C#遜色そんしょくのないソリューション・プロジェクト管理かんり機能きのう実装じっそうされている。

のちにMono.NET Core環境かんきょうにも移植いしょくされ、クロスプラットフォームとなった。

Visual Studio マクロ

[編集へんしゅう]

Microsoft Visual Studioでは、かえ発生はっせいする操作そうさ自動じどうするために、Visual Basic言語げんごによるIDEマクロ環境かんきょう用意よういされている。前述ぜんじゅつのVBAとはことなり、Visual StudioのバージョンにおうじたVisual Basicが使用しようできるようになっており、Visual Studio .NET以降いこうはVB.NETを使つかって.NET Frameworkを利用りようできるようになっている。なお、かくマクロプロジェクトは、テキストファイルのソースコードではなく、.vsmacrosファイルにメタデータとしてバイナリ形式けいしき保存ほぞんされるようになっているが、かくモジュールをVBのソースファイル (.vb) としてエクスポートあるいはインポートすることもできる。公式こうしきのマクロ機能きのうはVisual Studio 2010までの提供ていきょうとなり、2012では廃止はいしされた。

パフォーマンスとう課題かだい

[編集へんしゅう]

Visual Basic 5 以前いぜんのバージョンでは、Pコードへのコンパイルのみをサポートしていた。Pコードは言語げんごランタイムによって解釈かいしゃくされる。Pコードのメリットは、ポータビリティとちいさなバイナリサイズであるが、実行じっこう解釈かいしゃくするレイヤーが追加ついかになるため実行じっこう速度そくどおそくなる。Visual Basicアプリケーションの実行じっこうにはMicrosoft Visual Basicランタイム (MSVBVMxx.DLL) が必要ひつようであり、xx は50、60などのバージョン番号ばんごうはいる。MSVBVM60.dllはWindows 98からWindows 7までのバージョンのWindowsのすべてのエディション (一部いちぶの Windows 7のエディションをのぞく) で標準ひょうじゅんコンポーネントとしてインストールされていた。Windows 95マシンはプログラムが必要ひつようとしているDLLをインストーラで配布はいふする必要ひつようがあった。作成さくせいしたアプリケーションのパッケージにランタイムをどうこりして配布はいふすることがマイクロソフトによりみとめられている。Visual Basic 5 と 6 はコードを Win32 ネイティブとPコードのどちらにでもコンパイルできたが、いずれにせよビルトインの関数かんすうやフォームの利用りようにランタイムを必要ひつようとした。

VB.NET 以前いぜんのVisual Basicでは以下いか不都合ふつごう指摘してきされていた。

サポート期限きげん

[編集へんしゅう]

開発かいはつ環境かんきょう

[編集へんしゅう]

旧来きゅうらいがたVisual Basicの最終さいしゅうバージョンであるVisual Basic 6.0は、2004ねん3がつ29にちにService Pack 6がリリースされたのち、2005ねん3がつ31にちにメインストリームサポート期間きかんえ、2008ねん4がつ8にち延長えんちょうサポートの期間きかんえた[17]。したがって現在げんざい開発かいはつ環境かんきょうのサポートをられている状態じょうたいにある。

Visual Studio .NET 2003以前いぜんのIDE製品せいひんは、Windows VistaおよびWindows Server 2008うえでの実行じっこうサポートがられたが、Visual Basicにかんしては後継こうけいのVB.NET以降いこうとの互換ごかんせいがほとんどなく、開発かいはつ環境かんきょうへの移行いこうむずかしいことから、マイクロソフトは例外れいがいてきに32bitばんのWindows VistaおよびWindows Server 2008でのVisual Basic 6.0のIDE実行じっこう開発かいはつ環境かんきょう実行じっこう)をサポートしている[18]。ただし、64bit環境かんきょうでのIDE実行じっこうはサポートされない。また、Windows 7およびWindows Server 2008 R2以降いこうでは開発かいはつ環境かんきょう実行じっこうサポートもられている(ただしマイクロソフトによると、Windows 7やWindows 8においてVisual Basic 6.0 IDEをテストし、アプリケーションの互換ごかんせい深刻しんこく不具合ふぐあいがないかどうかを確認かくにんして、必要ひつようおうじて不具合ふぐあい軽減けいげん措置そちったとされている)。

実行じっこう環境かんきょう

[編集へんしゅう]

Visual Basic 6.0で作成さくせいされたアプリケーションや、OSにどうこりされるVB6ランタイムについては、Windows 7以降いこうおよびWindows Server 2008以降いこうでの動作どうさサポートが継続けいぞくされている[1][19]。64bit OSじょうではWOW64により動作どうさする。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ VBでコンソールアプリケーションを開発かいはつする場合ばあいWindows API駆使くしする必要ひつようがある[4]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b Support Statement for Visual Basic 6.0 | Microsoft Docs
  2. ^ 連載れんさい:プロフェッショナルVB.NETプログラミング だい1かい さらなる進化しんかげたVisual Basic(3/6) - @IT
  3. ^ VB Visual Basicのしん機能きのう歴史れきし1
  4. ^ プログラミング Visual Basicでコンソールプログラムの開発かいはつ
  5. ^ Visual Basic で DirectX を使つかおう | Microsoft Docs
  6. ^ MSDN Online - DirectX Developer Center - DirectX for Visual Basic | Microsoft Docs
  7. ^ DirectX Frequently Asked Questions - Windows applications | Microsoft Docs
  8. ^ Cooper, Alan (22 April 1996). “Why I am "the father of Visual Basic"”. 8 March 2017閲覧えつらん
  9. ^ Alan Cooper Receiving the Windows Pioneer Award 1994”. YouTube (September 23, 2010). 2020ねん5がつ3にち閲覧えつらん
  10. ^ Lohr, Steve (2008). Go To: The Story of the Math Majors, Bridge Players, Engineers, Chess Wizards, Maverick Scientists, and Ico (revised ed.). Basic Books. p. 96. ISBN 9780786730766. https://books.google.com/?id=XfPLVx6qS_cC&pg=PA96&lpg=PA96&dq=%22Windows+Pioneer%22+cooper+site+microsoft.com#v=onepage&q=%22Windows%20Pioneer%22%20cooper%20site%20microsoft.com&f=false. "Cooper ... gained industry recognition as the "Father of Visual Basic." (Microsoft's lawyers once sent Cooper a cease-and-desist order, demanding that he stop using that title. But after Cooper complained, Gates patched things up and even lauded him as a "Windows Pioneer" at an industry conference.)" 
  11. ^ The Birth of Visual Basic”. 2020ねん5がつ3にち閲覧えつらん
  12. ^ Waite, Mitchell (1992). The Waite Group's Visual Basic How-To. Waite Group Press. ISBN 1-878739-09-3, 978-1-878739-09-4, pp. dedication page
  13. ^ Visual Basic 6.0のWebツール | Microsoft Docs
  14. ^ Compatibility Between the 32-bit and 64-bit Versions of Office 2010 | Microsoft Docs
  15. ^ Marc D'Aoust (December 2000). “Avoid Writing Tedious, Boring Code”. Microsoft. 2008ねん11がつ10日とおか閲覧えつらん
  16. ^ Andrew Troelsen (2008). Pro VB 2008 and the .NET 3.5 Platform: The expert's voice in .NET. Apress. p. 5. ISBN 1-59059-822-9. https://books.google.com.au/books?id=y0uURUiVhgwC 
  17. ^ Visual Basic 6.0 ファミリ製品せいひんのライフ サイクル ガイドライン | Microsoft Docs
  18. ^ [Visual Studio] 開発かいはつツール対応たいおう OS 一覧いちらん – Cloud and Server Product Japan Blog
  19. ^ Getting ready for Windows 10 – SDKs, compatibility, bridges | Building Apps for Windows

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]