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S-IVB

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
S-IVB
スカイラブ2ごう使用しようされたS-IVB
仕様しよう
ぜんこう 17.8m
直径ちょっけい 6.6m
重量じゅうりょう 119,900kg
エンジン J-2ロケットエンジン1
推力すいりょく 102トン(1,001kN)
推力すいりょく 421びょう(2,580N-s/kg)
燃焼ねんしょう時間じかん 475びょう
燃料ねんりょう/酸化さんかざい 液体えきたい水素すいそ/液体えきたい酸素さんそ

S-IVB英語えいごではエス・フォー・ビーと発音はつおんされる)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアポロ計画けいかく使用しようされたサターンV がたロケットだいさんだんおよびサターンIB がたロケットだいだんである。ダグラスしゃ製造せいぞうJ-2ロケットエンジンを1搭載とうさいしている。つき飛行ひこうさいには、ロケット地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどう投入とうにゅうするときと、つき軌道きどう投入とうにゅうするときかいけてエンジン噴射ふんしゃする。

開発かいはつ経緯けいい

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S-IVB はサターンI がたロケットだいだんS-IV発展はってんがたとして開発かいはつされた。液体えきたい水素すいそ燃料ねんりょうとするS-IV は、当時とうじ計画けいかくされていたC-4がたロケットのだいよんだんとして使用しようされる予定よていだったため、S-IV(S-4)と命名めいめいされた。

製造せいぞう契約けいやくについては1960ねん2がつ29にち期限きげんまでに11の企業きぎょう名乗なのりをげ、4がつ19にちNASA事務じむかんT.キース・グレナンはダグラスを指名しめいすることに決定けっていした。対抗たいこうとしてコンベアしゃ有力ゆうりょくされていたが、同社どうしゃはすでにセントール・ロケット開発かいはつしており、液体えきたい水素すいそ燃料ねんりょうロケットの市場いちばいちしゃ独占どくせんさせることはこのましくないとグレナンは判断はんだんしたのである。

マーシャル宇宙うちゅう飛行ひこうセンターは有人ゆうじんがつ飛行ひこうようロケットのデザインを、さい上段じょうだんRL-10エンジン6搭載とうさいしたS-IV ではなく、J-2エンジン1搭載とうさいした改良かいりょうがたのS-IVB を使用しようする、さん段式だんしきロケットC-5(のちにサターンV と命名めいめいされる)あんにすることを最終さいしゅうてき決定けっていした。ダグラスが契約けいやく獲得かくとくしたのは、S-IV とS-IVB のあいだ共通きょうつうてんがあったからである。またこのときアポロ宇宙船うちゅうせん地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうじょうでの試験しけん飛行ひこうおこなうための、だいだんにS-IVB を使用しようしたいちまわちいさなC-IB(サターンIB)ロケットを開発かいはつすることも決定けっていされた。

ダグラスはS-IVB について、200がたと500がたという種類しゅるいのモデルを提示ていじした。200がたはサターンIB で使用しようされるもので、500がたとのちがいは下部かぶにスカートじょう接続せつぞくリングをたないことと(サターンV で使用しようされる500がたは、直径ちょっけいちがうS-II に接続せつぞくするため、スカートがたのリングが必要ひつようだった)、宇宙うちゅう空間くうかんでエンジンをさい点火てんかする必要ひつようがないので、タンクを加圧かあつするヘリウムりょうらしたことであった。200がたはまた、発射はっしゃ燃焼ねんしょうえただいいちだんから機体きたい分離ぶんりさせるための固体こたい燃料ねんりょうロケットを3搭載とうさいしている(500は2)。また500がた重力じゅうりょく状態じょうたいでエンジンをさい点火てんかするさい燃料ねんりょうをタンクのそこしつけるための微少びしょう推力すいりょく発生はっせい装置そうち搭載とうさいしているが、200がたにはそれがない。

S-IVB図解ずかい(500がた

S-IVB は73,280リットル(87,200kg)の液体えきたい酸素さんそと、252,750リットル(18,000kg)の液体えきたい水素すいそ搭載とうさいする。

スカイラブ計画けいかくでは、使用しよう機体きたいがアメリカはつ宇宙うちゅうステーション改造かいぞうされた。

アポロ1314151617ごうではつき内部ないぶ構造こうぞうさぐるために、ヒューストンの管制かんせいセンターはS-IVB を月面げつめん激突げきとつさせ、人工じんこう地震じしん発生はっせいさせた。

NASAの次期じき大型おおがたロケットアレスIだいだん地球ちきゅう脱出だっしゅつロケット(Earth Departure Stage, EDS)」は、いくつかのてんでS-IVB の特徴とくちょういでいる。両者りょうしゃともJ-2(EDSは改良かいりょうがたのJ-2X)エンジンを使用しようし、500がたがそうであったように、まず地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうるためにいちかい噴射ふんしゃをし、つき軌道きどうるために宇宙うちゅう空間くうかんかい噴射ふんしゃをすることである。


S-IVおよび2種類しゅるいのS-IVB

製造せいぞう記録きろく

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200がた
シリアル
ナンバー
使用しよう目的もくてき 発射はっしゃ 現在げんざい状態じょうたい
S-IVB-S 実験じっけんだい試験しけん使用しよう
S-IVB-F 施設しせつ試験しけん使用しよう
S-IVB-D 1965ねん、マーシャル宇宙うちゅう飛行ひこうセンターで構造こうぞう試験しけん使用しよう アラバマしゅうハンツビル合衆国がっしゅうこく宇宙うちゅうロケットセンター(U.S. Space & Rocket Center)に展示てんじちゅう
S-IVB-T 1964ねん12月製造せいぞうキャンセル
S-IVB-201 アポロAS-201 1966ねん2がつ26にち
S-IVB-202 アポロAS-202 1966ねん8がつ25にち
S-IVB-203 アポロAS-203 1966ねん7がつ5にち
S-IVB-204 アポロ5ごう 1968ねん1がつ22にち
S-IVB-205 アポロ7ごう 1968ねん10月11にち
S-IVB-206 スカイラブ2ごう 1973ねん5月25にち
S-IVB-207 スカイラブ3ごう 1973ねん7がつ28にち
S-IVB-208 スカイラブ4ごう 1973ねん11月16にち
S-IVB-209 スカイラブレスキューよう ケネディ宇宙うちゅうセンター展示てんじちゅう
S-IVB-210 アポロ・ソユーズテスト計画けいかく 1975ねん7がつ15にち
S-IVB-211 使用しよう アラバマしゅうハンツビル合衆国がっしゅうこく宇宙うちゅうロケットセンター(U.S. Space & Rocket Center)に展示てんじちゅう
S-IVB-212 スカイラブに改造かいぞう 1973ねん5月14にち
500がた
シリアルナンバー 使用しよう目的もくてき 発射はっしゃ 現在げんざい状態じょうたい
S-IVB-501 アポロ4ごう 1967ねん11月9にち
S-IVB-502 アポロ6ごう 1968ねん4がつ4にち
S-IVB-503 試験しけんちゅう破壊はかい
S-IVB-503N アポロ8ごう 1968ねん12月21にち 太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどう
S-IVB-504 アポロ9ごう 1969ねん3月3にち 太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどう
S-IVB-505 アポロ10ごう 1969ねん5月18にち 太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどう
S-IVB-506 アポロ11ごう 1969ねん7がつ16にち 太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどう
S-IVB-507 アポロ12ごう 1969ねん11月14にち 太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどう2002ねんさい発見はっけんさい発見はっけん小惑星しょうわくせい間違まちがえられJ002E3命名めいめいされた
S-IVB-508 アポロ13ごう 1970ねん4がつ11にち 月面げつめん激突げきとつ
S-IVB-509 アポロ14ごう 1971ねん1がつ31にち 月面げつめん激突げきとつ
S-IVB-510 アポロ15ごう 1971ねん7がつ26にち 月面げつめん激突げきとつ
S-IVB-511 アポロ16ごう 1972ねん4がつ16にち 月面げつめん激突げきとつ
S-IVB-512 アポロ17ごう 1972ねん12月7にち 月面げつめん激突げきとつ
S-IVB-513 アポロ18ごう計画けいかくキャンセル) ジョンソン宇宙うちゅうセンターに展示てんじちゅう
S-IVB-514 使用しよう ケネディ宇宙うちゅうセンターに展示てんじちゅう
S-IVB-515 スカイラブバックアップよう改造かいぞう 国立こくりつ航空こうくう宇宙うちゅう博物館はくぶつかん展示てんじちゅう

関連かんれん項目こうもく

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  • J002E3 - アポロ12ごうのS-IVB。当初とうしょ小惑星しょうわくせいであるとかんがえられていた。
  • 2000 SG344 - S-IVBの可能かのうせいがある小惑星しょうわくせい

外部がいぶリンク

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