真実しんじつ

日本語にほんご

名詞めいし

真しん 実み（しんじつ）

1. 本当ほんとうのこと。

類義語るいぎご

• 事実じじつ, 本当ほんとう, 真理しんり; 《古風こふう》 真しん（まこと）

対義語たいぎご

• 虚偽きょぎ, 偽にせ（いつわ）り, 嘘うそ（うそ）, 絵空事えそらごと（えそらごと）, 空想くうそう, 幻想げんそう, 虚言きょげん（そらごと）, 夢幻むげん（ゆめまぼろし）; 《口語こうご》 うそっぱち; 《九州きゅうしゅう方言ほうげん》 すらごつ

翻訳ほんやく

本当ほんとうの事こと

• イタリア語ご: verità ^(it) 女性じょせい
• ウェールズ語ご: gwirionedd ^(cy) 男性だんせい
• ウクライナ語ご: правда ^(uk) (pravda) (pravda) 女性じょせい
• 英語えいご: truth ^(en), verity ^(en)
• オランダ語ご: waarheid ^(nl) 女性じょせい
• ギリシア語ご: αλήθεια ^(el) (alítheia) 女性じょせい
• クロアチア語ご: istina ^(hr) 女性じょせい
• サンスクリット: सत्य ^(sa) (satya) (satya-) 中性ちゅうせい
• シレジア語ご: prowda ^(szl) 女性じょせい
• スウェーデン語ご: sanning ^(sv) 通性つうせい
• タイ語ご: ความจริง
• タミル語ご: உண்மை ^(ta) (uṇmai) (uņmai)
• チェロキー語ご: ᏚᏳᎪᏛ ^(chr) (duyugodv) (duyugodv)
• 中国ちゅうごく語ご: 真相しんそう ^(zh) (zhēnxiàng)
• 朝鮮ちょうせん語ご: 진리 ^(ko) (jilli) (jilli)
• ドイツ語ご: Wahrheit 女性じょせい, Tatsache 女性じょせい
• トルコ語ご: hakikat ^(tr)
• バスク語ご: egia ^(eu)
• ハンガリー語ご: igazság ^(hu)
• ヒンディー語ご: सत्य ^(hi) (satya) (satya) 男性だんせい
• フィンランド語ご: totuus ^(fi)
• フランス語ふらんすご: vérité ^(fr) 女性じょせい
• ポーランド語ご: prawda 女性じょせい
• マダガスカル語ご: fahamarinana ^(mg)
• ラテン語らてんご: veritas ^(la) 女性じょせい
• リトアニア語ご: tiesa ^(lt) 女性じょせい, teisybė ^(lt) 女性じょせい
• ルーマニア語ご: adevăr ^(ro) 男性だんせい
• ロシア語ご: правда ^(ru) (pravda) (pravda) 女性じょせい

形容動詞けいようどうし

真しん実み (しんじつ)

1. 本当ほんとうであるさま。偽いつわりや誤あやまりがないさま。
   • 1920年ねん、宮本みやもと百合子ゆりこ「断だん想そう」

     よきものが或ある場合ばあい受うけなければ成ならない屈辱くつじょくや、苦難くなんやを、無頓着むとんじゃくらしく冷笑れいしょうする事ことは冒涜ぼうとくである。人類じんるいの真実しんじつな希まれ願ねがいを蹂躙じゅうりんする者ものは、其その同おなじ足あしで、自分じぶんの生命せいめいを踏ふみ躙にじっているのだ。

   • 1941年ねん、三木みき清きよし「人生じんせい論ろんノート」

     病気びょうきの場合ばあいのほか真実しんじつに心しんの落着おちつきを感かんじることができないというのは、現代げんだい人じんの一ひとつの顕著けんちょな特徴とくちょう、すでに現代げんだい人じんに極きわめて特徴とくちょう的てきな病気びょうきの一ひとつである。

   • 1951年ねん、豊島としま与志雄よしお「文学ぶんがくに於おける構想こうそう力りょく」

     文学ぶんがくは真実しんじつなものであらねばならぬこと、勿論もちろんである。この真実しんじつは、事実じじつという言葉ことばで置換ちかん出来できないことが明示めいじする通とおり、現実げんじつの転位てんいの場ばにあるのであり、現実げんじつの事実じじつの面めんにあるのではない。

2. （人物じんぶつが）噓・偽いつわりを行おこなわない誠実せいじつな人格じんかくであるさま。噓・偽いつわりのない行動こうどうを取とるさま。
   • 1939年ねん、久生ひさお十蘭じゅうらん「キャラコさん」

     ……その男おとこは、すがりつくようにする娘むすめをふり捨すてて都会とかいへ出でて行いった。……しかし、白髪はくはつになるまで、その田舎いなか娘むすめほどやさしい、そして真実しんじつな女おんなにめぐり逢あうことができなかった。

   • 1946年ねん、宮本みやもと百合子ゆりこ「木きの芽めだち」

     アメリカでもヨーロッパでも、真実しんじつな文化ぶんか人じん、芸術げいじゅつ家かたちは、文化ぶんか・芸術げいじゅつの悪質あくしつな商業しょうぎょう化かに対たいして、いつも戦たたかって来きた。科学かがく者しゃたちも、この闘たたかいには参加さんかしている。

   • 1948年ねん、永井ながい隆たかし「この子こを残のこして」

     心しんの底そこまで打うち明あける気きになるだけの相手あいてがあれば、何なにを好このんでこんなみじめな泣なき方かたをしようか？　まわりに立たっている大人おとなのうちに真実しんじつなものは一人ひとりでもいるのか？

活用かつよう

活用かつようと結合けつごう例れい

真実しんじつ-だ 形容動詞けいようどうし活用かつよう表ひょう（日本語にほんごの活用かつよう）

ダ活用かつよう
語幹ごかん	未然みぜん形がた	連用形れんようけい	終止しゅうし形がた	連体れんたい形がた	仮定かてい形がた	命令めいれい形がた
真実しんじつ	だろ	だっ で に	だ	な	なら	(無なし)

各かく活用かつよう形がたの基礎きそ的てきな結合けつごう例れい

意味いみ	語形ごけい	結合けつごう
推量すいりょう・意志いし	真実しんじつだろう	未然みぜん形がた + う
過去かこ・完了かんりょう	真実しんじつだった	連用形れんようけい + た
否いや定形ていけい	真実しんじつでない	連用形れんようけい + ない
自動詞じどうし化か	真実しんじつになる	連用形れんようけい + なる
い切いきり	真実しんじつだ	終止しゅうし形がたのみ
名詞めいし化か	真実しんじつなこと	連体れんたい形がた + こと
仮定かてい条件じょうけん	真実しんじつならば	仮定かてい形がた + ば
様態ようたい	真実しんじつそうだ	語幹ごかん + そうだ

副詞ふくし

真しん実み (しんじつ)

1. 本当ほんとうに。確かくかに。
   • 1914年ねん、小川おがわ未明みめい「動うごく絵えと新あたらしき夢幻むげん」

     例たとえば海うみの水みずを描えがくとか、或あるいは真夏まなつの山やまを描えがくとか、又または森もりの深緑しんりょくに光線こうせんの直射ちょくしゃしているところを描えがくとか、それ等とうは真実しんじつ動うごいているように見みえる。

   • 1920年ねん、牧野まきの信一しんいち「喜よろこびと悲かなしみの熱涙ねつるい」

     道夫みちおは友達ともだちの好すき嫌いやひといふことをしなかつたから、誰だれとでも快活かいかつに遊あそび交はることが出来できた。従したがえつて随分ずいぶん沢山だくさんな友達ともだちがあつた。然しかし道夫みちおがその大勢おおぜいの友達ともだちの中なかで、真実しんじつ自分じぶんの心しんの友ともである、と思おもえつて居いるのはたつた一人ひとりの沢田さわだだつた。

   • 1947年ねん、坂口さかぐち安吾あんご「再版さいはんに際さいして」

     「吹雪ふぶき物語ものがたり」は、ただ墓はかの影かげであり、その墓はかは名なばかり、真実しんじつ屍かばねを土中どちゅうに埋うめてゐない。空虚くうきょな、カラの墓はかであつた。