黒岩涙香くろいわるいこう

黒岩くろいわ 涙なみだ香が（くろいわ るいこう）
定本ていほん俚謡りよう正調せいちょう:写真しゃしん
ペンネーム	古こ概がい 涙なみだ香が 民みん鉄てつ 黒岩くろいわ大まさる
誕生たんじょう	黒岩くろいわ周あまね六ろく (1862-11-20) 1862年ねん11月20日にち 土佐とさ国こく安芸あき郡ぐん川北かわきた村むら
死没しぼつ	(1920-10-06) 1920年ねん10月6日にち（57歳さい没ぼつ） 東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し本郷ほんごう区く
墓地ぼち	總持寺そうじじ
職業しょくぎょう	ジャーナリスト 歴史れきし家か 評論ひょうろん家か 小説しょうせつ家か 評論ひょうろん家か
言語げんご	日本語にほんご
国籍こくせき	日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき	中之島なかのしま専門せんもん学校がっこう
ジャンル	小説しょうせつ
文学ぶんがく活動かつどう	時事じじ評論ひょうろん
主おもな受賞じゅしょう歴れき	勲くん三さん等とう
ウィキポータル 文学ぶんがく

黒岩くろいわ 涙なみだ香が（くろいわ るいこう、1862年ねん11月20日にち(文久ぶんきゅう2年ねん)9月29日にち - 1920年ねん(大正たいしょう9年ねん)10月6日にち）は、日本にっぽんの小説しょうせつ家か、思想家しそうか、作家さっか、翻訳ほんやく家か、ジャーナリスト。

本名ほんみょうは黒岩くろいわ 周あまね六ろく。 黒岩くろいわは本名ほんみょうに、涙なみだ香がは愛読あいどくしていた「紅涙こうるい香が」に由来ゆらいする。

黒岩涙香くろいわるいこうのほか、香こう骨こつ居士こじ、涙なみだ香が小史しょうし、冷眼れいがん士し等とうなどの筆名ひつめいを用もちいた。号ごうは古こ概がい、民みん鉄てつ、正調せいちょう庵あん、黒岩くろいわ大まさる。執拗しつような取材しゅざいをおこなうことから「マムシの周しゅう六ろく」というあだ名ながつけられた。戒名かいみょうは黒岩くろいわ院いん周しゅう六涙香忠天居士。

翻訳ほんやく家か、作家さっか、記者きしゃとして活動かつどうし、『萬まん朝あさ報ほう（よろずちょうほう）』を創刊そうかんした。

兄あには黒岩くろいわ四方しほう之の進すすむ。

経歴けいれき

土佐とさ国こく安芸あき郡ぐん川北かわきた村むら大字だいじ前島まえじま（現在げんざいの高知こうち県けん安芸あき市し川北かわきた）に土佐とさ藩はん郷士ごうし・黒岩くろいわ市郎いちろうの子ことして生うまれる。藩校はんこう文武ぶんぶ館かんで漢籍かんせきを学まなび、16歳さいで大阪おおさかに出でて中之島なかのしま専門せんもん学校がっこう（後ごの大阪おおさか英語えいご学校がっこう）に学まなび英語えいご力りょくを身みにつける。翌年よくねん、上京じょうきょうして成立せいりつ学舎がくしゃや慶應義塾けいおうぎじゅくに進学しんがくするも、いずれも卒業そつぎょうせず。大阪おおさか時代じだいから新聞しんぶんへの投書とうしょを始はじめ、自由じゆう民権みんけん運動うんどうに携たずさわり1882年ねんには官吏かんり侮辱ぶじょく罪ざいにより有罪ゆうざいの判決はんけつを受うけた。

「同盟どうめい改あらため進しん新聞しんぶん」や大平おおひら三次みつじの経営けいえいする「日本にっぽんたいむす」に新聞しんぶん記者きしゃとして入社にゅうしゃ後ご、1882年ねんに創刊そうかんされた「絵え入にゅう自由じゆう新聞しんぶん」に入社にゅうしゃ。2年ねん後ごに主筆しゅひつとなり、語学ごがく力りょくを生いかして記者きしゃとして活躍かつやくしていくも、後のちに翻案ほんあん小説しょうせつに取とり組くむようになる。「今日きょう新聞しんぶん」（後ごの「都と新聞しんぶん」）に連載れんさいした翻案ほんあん小説しょうせつ『法廷ほうていの美人びじん』がヒットして、たちまち翻案ほんあん小説しょうせつスターとなり、次々つぎつぎに新作しんさくを発表はっぴょうした。逐語ちくご訳やくはせず、原書げんしょを読よんで筋すじを理解りかいしたうえで一いちから文章ぶんしょうを創作そうさくしていた。1889年ねん、「都と新聞しんぶん」に破格はかくの待遇たいぐうで主筆しゅひつとして迎むかえられたが、社長しゃちょうが経営けいえいに失敗しっぱい。新あらたに社長しゃちょうに就任しゅうにんした楠本くすもと正隆まさたかと衝突しょうとつして退社たいしゃ。

1892年ねんに朝あさ報むくい社しゃを設立せつりつし、「萬まん朝あさ報ほう」を創刊そうかんした（紙かみ名めいには「よろず重宝ちょうほう」の意味いみがかけられている）。タブロイド判たぶろいどばんの日刊にっかん新聞しんぶんで、涙なみだ香がの『鉄てつ仮面かめん』『白髪はくはつ鬼おに』『幽霊ゆうれい塔とう』『巌いわお窟くつ王おう』『噫無情むじょう（あゝ無情むじょう）』などの代表だいひょう作さくを次々つぎつぎに掲載けいさいしたり、『相馬そうま家か毒殺どくさつ騒動そうどう』（相馬そうま事件じけん）や『淫祠いんし蓮はちす門もん教会きょうかい』（蓮はちす門もん教きょう）といったスキャンダラスな出来事できごとを他紙たしよりも長期ちょうきにわたり、ドラマチックに報道ほうどうすることで部数ぶすうを伸のばしていく。一時いちじは東京とうきょう一いちの発行はっこう部数ぶすうを誇ほこり、最大さいだい発行はっこう部数ぶすうは30万まん部ぶとなった。また有名人ゆうめいじん無む名人めいじんの愛人あいじん関係かんけいを本人ほんにんはもちろん愛人あいじんも実名じつめい住所じゅうしょ職業しょくぎょう入いりで暴露ばくろした人気にんき連載れんさい「弊風へいふう一いち斑むら蓄妾ちくしょうの実例じつれい」も涙なみだ香がの執筆しっぴつによるものであった。こうしたスキャンダル報道ほうどうだけでは、やがて大衆たいしゅうに飽あきられて売うれなくなると、涙なみだ香がは幸徳こうとく秋水しゅうすい、内村うちむら鑑三かんぞう、堺さかい利彦としひこらといったインテリに参画さんかくを求もとめた。1901年ねん7月がつには「理想りそう団だん」を設立せつりつ、人心じんしんの改善かいぜん、社会しゃかいの改良かいりょうを目指めざし、青年せいねんの人気にんきを得えた。しかし1903年ねんになって、日にち露ろ問題もんだいに非戦論ひせんろんをとなえていた「萬まん朝あさ報ほう」が経営けいえい悪化あっかを理由りゆうに開戦かいせん論ろんに転てんじたことで、この3人にんの好こう論客ろんかくは退社たいしゃしている。1904年ねん2月がつ11日にち、東京とうきょうかるた会かいをつくり、常磐木ときわぎ倶楽部くらぶで第だい1回かい競技きょうぎ会かい開催かいさい。

1911年ねんに朝あさ報むくい社しゃより婦人ふじん雑誌ざっし「淑女しゅくじょかゞみ」を創刊そうかん。婦人ふじん問題もんだいについて執筆しっぴつし、『小野子おのこ町まち論ろん』『予よが婦人ふじん観かん』などを刊行かんこうする。シーメンス事件じけんでは政府せいふを攻撃こうげきしたが、続つづく大隈おおくま内閣ないかくを擁護ようごして不評ふひょうをまねいた。1915年ねんの御ご大典たいてんに際さいして、新聞しんぶん事業じぎょうの功労こうろうにより勲くん三さん等とうに叙じょせられる。同年どうねんに長男ちょうなんのために米べい問屋とんや兼けん小売こうり商しょうの増ぞう屋や商店しょうてんを開業かいぎょう。1920年ねん、肺癌はいがんのため東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく附属ふぞく病院びょういんで死去しきょ。戒名かいみょうは黒岩くろいわ院いん周しゅう六涙香忠天居士（自みずからの撰せんによる）。

家族かぞく

父ちちの黒岩くろいわ市郎いちろうは、高知こうち城下じょうかから海岸かいがん線せんを東ひがしに40キロほど行いった安芸あき郡ぐん川北かわきた村むら（現げん・高知こうち県けん安芸あき市し）で私塾しじゅくを開ひらいていた。先祖せんぞは戦国せんごく武士ぶしの黒岩くろいわ越前えちぜんと言いわれ、その10代目だいめの子孫しそんの黒岩くろいわ玄げん治ち（1805年ねん没ぼつ）が涙なみだ香がの曽そ祖父そふに当あたり、川北かわきた村むらで医業いぎょうを営いとなんでいた。その長男ちょうなんは医業いぎょうに進すすみ、次男じなんの源助げんすけ（涙なみだ香がの祖父そふ）は郷士ごうしとなり暦学れきがく者しゃとなった。市郎いちろうは明治維新めいじいしん後こう上京じょうきょうし、大蔵省おおくらしょうに出仕しゅっししたまま郷里きょうりに戻もどらず、涙なみだ香がが13歳さいの1875年ねんに亡なくなった。

母ははの信子のぶこは祖父そふ・源助げんすけの弟おとうとの次女じじょで、市郎いちろうとはいとこ結婚けっこんだった。信子のぶこの兄あに慶けい介かいは江戸えどに出でて浅田あさだ飴あめで有名ゆうめいな浅田あさだ宗伯そうはくに師事しじし、静しず山さんと号ごうする医者いしゃになった。

涙なみだ香がの上うえに姉あね2人にん兄けい１人にんがおり、兄あには黒岩くろいわ四方しほう之の進すすむ、姉あねの為ため子こは土佐とさ藩はん主あるじ山内やまうち容堂ようどうの元もと典てん医いで東京とうきょう銀座ぎんざで医院いいんを開業かいぎょうしていた秦はた呑舟どんしゅうに嫁とつぎ、のちに千葉ちばに移うつり住すんでキリスト教きりすときょうの布教ふきょうと地域ちいき医療いりょうに尽力じんりょくした。涙なみだ香がは生後せいごすぐ、父ちちの弟おとうとの黒岩くろいわ直方なおかた（1900年ねん没ぼつ）の養子ようしとなったが、実家じっかで育そだった。直方ちょくほうは大阪おおさかや東京とうきょうの裁判所さいばんしょで判事はんじを務つとめており、涙なみだ香がが新聞しんぶん界かいに進すすんだのも直方ちょくほうから漏もれ聞きいた裁判さいばんの話はなしがきっかけだったという。直方ちょくほうの次男じなん・直ちょく厚あつしはのちに涙なみだ香がの最初さいしょの妻つまの身内みうちである鈴木すずき珠たま（たま）に婿むこ入いりして鈴木すずき家かを継つぎ、朝ちょう報ほう社内しゃないの「万まん弁べん舎しゃ」の編集へんしゅう発行はっこう人じんを務つとめた。

最初さいしょの妻つま・真砂子まさこ（1874年生ねんせい、本名ほんみょう・乃ぶ）とは「都と新聞しんぶん」社長しゃちょうの山中さんちゅう閑の媒酌ばいしゃくで1891年ねんに結婚けっこんした。真砂子まさこは上野うえので下宿げしゅく屋やをしていた寡婦かふ・鈴木すずきますの娘むすめで、涙なみだ香がは一時いちじ仲間なかまとそこに住すんでいた。結婚けっこん後ごも母ははますが同居どうきょし、母はは娘むすめともども身持みもちが悪わるく、母親ははおやと涙なみだ香がの仲なかも噂うわさされ、真砂子まさこも書生しょせいらと浮名うきなを流ながした。真砂子まさことは三男さんなんをもうけたが、ますの没後ぼつご離婚りこんした。

真砂子まさことの長男ちょうなんの黒岩くろいわ日出雄ひでお（1892年生ねんせい、俳号はいごう・漁りょう郎ろう）は「万まん朝あさ報ほう」重役じゅうやくのほか、涙なみだ香がが初代しょだい会長かいちょうだった東京とうきょうかるた会かいの2代目だいめ会長かいちょうを務つとめた。二男じなんの宣光のぶみつ（1894年生ねんせい）は涙なみだ香がの兄あに・黒岩くろいわ四方しほう之これ進しんの養子ようしとなった。1905年ねんより、都と新聞しんぶん元もと社長しゃちょう山中さんちゅう閑の娘むすめ・華子はなこ（1898年生ねんせい）を養女ようじょに迎むかえて女学校じょがっこうを卒業そつぎょうさせ、三菱銀行みつびしぎんこう上海しゃんはい支店してん長ちょう大村おおむら徳太郎とくたろうの妻つまだった華子はなこの姉あねが病没びょうぼつしたため、その後ご添そえとして嫁とつがせた。

1910年ねんに赤坂あかさかの芸者げいしゃ・栄さかえ龍りゅう（1886年生ねんせい）を後妻ごさいに迎むかえた。栄さかえ龍りゅうは本名ほんみょうを大友おおとも清子きよこ(すがこ)といい、徳川とくがわ家かの直参じきさんだった大友おおとも義德よしのりの五ご女じょだった。清子きよことは四よん男なん・五ご男なんの二子ふたごをもうけた。清子きよこには連つれ子ことも涙なみだ香がとの実子じっしとも言いわれる娘むすめ・染しみ子こ（1908年生ねんせい）がおり、「万まん朝あさ報ほう」に長ながく勤つとめて涙なみだ香がの秘書ひしょ的てきな仕事しごとをしていた前田まえだ耕作こうさくと結婚けっこんした。

前述ぜんじゅつの涙なみだ香がの甥おい・直ちょく厚あつと結婚けっこんした鈴木すずき珠たま（1886年生ねんせい）は、戸籍こせき上じょうは涙なみだ香がの最初さいしょの妻つま真砂子まさこの母はは鈴木すずきますの兄あにで植木うえき屋やの鈴木すずき亀吉かめきちの庶子しょしであるものの、涙なみだ香がの実子じっしを匂におわすような発言はつげんをして周囲しゅういから疎うとまれることもあったが、夫おっと没ぼつ後ごに朝あさ報むくい社しゃに入はいって女じょ記者きしゃとして働はたらき、生涯しょうがい涙なみだ香がの顕彰けんしょうに励はげんだ。元もと芸術げいじゅつ院いん事務じむ局長きょくちょうの鈴木すずき勉つとむ（1911年生ねんせい）は珠たまの次男じなん。

業績ぎょうせき

翻案ほんあん小説しょうせつ

涙なみだ香がは 100以上いじょうもの外国がいこく小説しょうせつを翻案ほんあんしている。青年せいねん時代じだいに語学ごがくの勉強べんきょうのために輸入ゆにゅうされた廉価れんか本ほんを読よみ漁あさった。そのうちで面白おもしろいと思おもったものを彩霞園柳香さいかえんりゅうこうに書かかせた「二葉ふたば草くさ」を今日きょう新聞しんぶんに掲載けいさいしたが、面白おもしろくならなかったため、自みずから『法廷ほうていの美人びじん』を執筆しっぴつした。

代表だいひょう作さくには以下いかのような作品さくひんがある。

• 『月世界げっせかい旅行りょこう』 - 1883頃ころ ジュール・ヴェルヌの Le Voyage dans la lune （月世界げっせかい旅行りょこう）
• 『法廷ほうていの美人びじん』 - 1888年ねん ヒュー・コンウェイの Dark Days （暗くらき日々ひび）
• 『人ひと耶鬼耶』 - 1888年ねん エミール・ガボリオの L'Affaire Lerouge （ルルージュ事件じけん）
• 『有罪ゆうざい無罪むざい』 - 1888年ねん エミール・ガボリオの La Corde au cou （首くびの綱つな）
• 『片手かたて美人びじん』 - 1889年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの La Main coupée （切きられた手て）
• 『真まっ暗くら』 - 1889年ねん アンナ・キャサリン・グリーンの The Leavenworth Case （リーヴェンワース事件じけん）
• 『決闘けっとうの果はて』 - 1889年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Continuations of a duel （決闘けっとうの果はて）
• 『美少年びしょうねん』 - 1889年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Où est Zénobie? （ゼノビーは何処どこに）
• 『死し美人びじん』 - 1891～1892年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの La Vieillesse de Monsieur Lecoq （ルコック氏しの晩年ばんねん）
• 『血ちの文字もじ』 - 1892年ねん エミール・ガボリオの Le petit vieux des Batignolles （バティニョールの小男こおとこ）
• 『鉄てつ仮面かめん』 - 1892～1893年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Les Deux Merles de M. de Saint-ars （サン・マール氏しの二に羽わのつぐみ）
• 『白髪はくはつ鬼おに』 - 1893年ねん マリー・コレリの Vendetta, A Story of One Forgotten （復讐ふくしゅう）
• 『人ひとの運うん』 - 1894年ねん メアリー・エリザベス・ブラッドンの Lady Audley's Secret （レディ・オードレイの秘密ひみつ）
• 『捨小舟ぶね』 - 1894年ねん メアリー・エリザベス・ブラッドンの Diavola （ディアヴォラ）
• 『怪かいの物もの』 - 1895年ねん エドモンド・ドウニイの The Little Green Man （小緑こみどり人じん）
• 『人外境じんがいきょう』 - 1896年ねん アドルフ・ベローの Black Venus （黒くろきヴィナス）
• 『武士ぶし道どう』 - 1897年ねん フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Les Cachettes de Marie-Rose （マリー・ローズの隠かくれ家が）
• 『幽霊ゆうれい塔とう』 - 1899～1900年ねん アリス・マリエル・ウィリアムソンの A Woman in Grey （灰色はいいろの女おんな）
• 『巌いわお窟くつ王おう』 - 1901～1902年ねん アレクサンドル・デュマ・ペールの Le Comte de Monte-Cristo （モンテ・クリスト伯はく）
• 『噫無情むじょう』 - 1902～1903年ねん ヴィクトル・ユーゴーの Les Misérables （レ・ミゼラブル）
• 『破天荒はてんこう』 - 1903年ねん ジョージ・グリフィスの A Honeymoon in Space （空中くうちゅう新婚しんこん旅行りょこう）
• 『暗黒あんこく星ぼし』 - 1904年ねん サイモン・ニューカムの The End of The World （世界せかいの果はて）
• 『今いまより三さん百ひゃく年ねん後ごの社会しゃかい』 - 1912年ねん～1913年ねん H・G・ウェルズの The Sleeper Awakes （睡眠すいみん者しゃ目覚めざめる時とき）
• 『八はち十じゅう万まん年ねん後ごの社会しゃかい』 - 1913年ねん H・G・ウェルズの The Time Machine （タイム・マシン）
• 『島しまの娘むすめ』 - 1913年ねん ウォルター・ベサントの Armorel of Lyonesse （リオネスのアーモレル）
• 『今いまの世よの奇蹟きせき』 - 1918年ねん H・G・ウェルズの The Man Who Could Work Miracles （奇蹟きせきを行おこなう男おとこ）

創作そうさく小説しょうせつ

• 「無惨むざん」（別べつ題だい「三さん筋すじの髪かみ、探偵たんてい小説しょうせつ」） - 1889年ねん9月がつ10日とおか、小説しょうせつ館かんの『小説しょうせつ叢くさむら』誌し第だい1巻かんに掲載けいさいされた。日本にっぽん初はつの探偵たんてい小説しょうせつ（創作そうさく）とされる。惨殺ざんさつされた身元みもと不明ふめいの死体したいが握にぎっていた三さん筋すじの髪かみの毛けを手てがかりに、2人ふたりの探偵たんていはそれぞれ、外見がいけん的てき特徴とくちょう、科学かがく的てき特徴とくちょうから犯人はんにんを推理すいりしていく（青空あおぞら文庫ぶんこ に掲載けいさい）。

詳細しょうさいは「無惨むざん」を参照さんしょう

• 「六ろく人にんの死骸しがい、探偵たんてい小説しょうせつ」 - 1896年ねん12月6日にち

評論ひょうろん

• 「天人てんにん論ろん」 - 1902年ねん
• 「人ひと尊みこと主義しゅぎ」 - 1910年ねん
• 「小野小町おののこまち論ろん」 - 1913年ねん

その他た

• 「五目並ごもくならべ」を「連珠れんじゅ」と命名めいめい発展はってんさせた。禁きん手しゅのない初期しょきルールの五目並ごもくならべの必勝ひっしょう法ほうを1899年ねんに発表はっぴょうした。1904年ねんに東京とうきょう連珠れんじゅ社しゃを設立せつりつし、段位だんい制せいを制定せいてい、1910年ねんに社長しゃちょう。初代しょだい永世えいせい名人めいじんであり高山たかやま互楽を名乗なのった。連珠れんじゅ本ほんも数すう冊さつ出だしている。
  • 『聯珠れんじゅ真理まり:一いち名めい・五目並ごもくならべ先手せんて全勝ぜんしょう法ほう』（楽らく世よ社しゃ、1906）国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
  • 『聯珠れんじゅ真理しんり研究けんきゅう余録よろく』（楽らく世よ社しゃ、1907）国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
  • 『前人ぜんじん未発みはつ聯珠れんじゅ真理まり:一いち名めい・五ごもく並ならべ先手せんて全勝ぜんしょう法ほう』（楽らく世よ社しゃ、1911）国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
• 競技きょうぎかるたのルールを全国ぜんこくで統一とういつした。

栄典えいてん

• 1915年ねん11月がつ10日とおか - 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう

涙なみだ香がが登場とうじょうするフィクション

小説しょうせつ

• 「明治めいじバベルばべるの塔とう 万まん朝あさ報むくい暗号あんごう戦せん」（山田やまだ風かぜ太郎たろう）
• 『涙なみだ香が迷宮めいきゅう』（竹本たけもと健治けんじ）
• 「帝都ていと〈少年しょうねん少女しょうじょ〉探偵たんてい団だんノート」シリーズ（楠木くすのき誠一郎せいいちろう）
• 「古書こしょ店てん街がいの橋はし姫ひめ 々」（くろさわ凛りん子こ）

ドラマ

• 『春はるの波なみ濤』（NHK大河たいがドラマ、1985年ねん 演えんじ: 滝田たきた栄さかえ）- 本名ほんみょうの「周しゅう六ろく」名義めいぎで登場とうじょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 『黒岩涙香くろいわるいこう研究けんきゅう』（伊藤いとう秀雄ひでお、幻影げんえい城じょう、『幻影げんえい城じょう評論ひょうろん研究けんきゅう叢書そうしょ5』） 1978年ねん10月がつ
• 『偉人いじん涙なみだ香が - 黒岩涙香くろいわるいこうとゆかりの人ひとびと』（岡おか直樹なおき、土佐とさ文化ぶんか資料しりょう調査ちょうさ研究けんきゅう会かい） 1970年ねん10月がつ
• 『日本にっぽん探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう1 黒岩涙香くろいわるいこう・小酒井不木こざかいふぼく・甲賀こうが三郎さぶろう』（東京とうきょう創そう元もと社しゃ、創つく元もと推理すいり文庫ぶんこ） 1984年ねん12月
• 『黒岩涙香くろいわるいこう』（伊藤いとう秀雄ひでお、三さん一いち書房しょぼう） 1988年ねん12月
• 『黒岩涙香くろいわるいこう 探偵たんてい実話じつわ』（いいだもも、リブロポート、シリーズ民間みんかん日本にっぽん学者がくしゃ） 1992年ねん

評伝ひょうでん

• 『黒岩涙香くろいわるいこう 断だんじて利りの為ためには非ひざるなり』（奥おく武則たけのり、ミネルみねるヴァ書房ぁしょぼう、日本にっぽん評伝ひょうでん選せん） 2019年ねん11月
• 「黒岩涙香くろいわるいこう」（鶴見つるみ俊輔しゅんすけ『限界げんかい芸術げいじゅつ論ろん』ちくま学芸がくげい文庫ぶんこ） 1999年ねん11月

関連かんれん項目こうもく

• 萬まん朝あさ報ほう
• 幸徳こうとく秋水しゅうすい
• 内村うちむら鑑三かんぞう
• 堺さかい利彦としひこ
• エフ・アンスティ

外部がいぶリンク

• 黒岩涙香くろいわるいこう：作家さっか別べつ作品さくひんリスト - 青空あおぞら文庫ぶんこ
• 黒岩涙香くろいわるいこう作品さくひん（夢現ゆめうつつ半球はんきゅう） - 翻案ほんあん小説しょうせつ・創作そうさく小説しょうせつ全ぜんリスト
• 黒岩涙香くろいわるいこうの検索けんさく結果けっか（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）