上告じょうこく

上告じょうこく（じょうこく）とは、民事みんじ訴訟そしょう・刑事けいじ訴訟そしょうの裁判さいばん過程かていにおける上訴じょうその一ひとつ。

日本にっぽんにおいて、

1. 第だい二に審しんの終局しゅうきょく判決はんけつもしくは高等こうとう裁判所さいばんしょが第だい一いち審しんとしていた終局しゅうきょく判決はんけつ（原はら判決はんけつ）に対たいして不服ふふくがあるとき
2. 飛越とびこし上告じょうこくの合意ごういがある場合ばあいにおいて第だい一いち審しんのした終局しゅうきょく判決はんけつに対たいして不服ふふくがあるとき

これらの場合ばあいに上級じょうきゅうの裁判所さいばんしょに対たいし、原はら判決はんけつの取消とりけし又または変更へんこうを求もとめる申もうし立たてをいう。

上告じょうこく審しんとなる裁判所さいばんしょは、原則げんそくとして最高裁判所さいこうさいばんしょであるが、民事みんじ訴訟そしょうにおいて第だい一いち審しんの裁判所さいばんしょが簡易かんい裁判所さいばんしょの場合ばあい、高等こうとう裁判所さいばんしょが審理しんりを行おこなう。

概要がいよう

上告じょうこく理由りゆうは控訴こうそ理由りゆうと比くらべ限定げんていされており、刑事けいじ訴訟そしょう法ほう・民事みんじ訴訟そしょう法ほうによってそれぞれ以下いかの場合ばあいに限かぎられている。

• 刑事けいじ訴訟そしょうの場合ばあい（刑事けいじ訴訟そしょう法ほう405条じょう）
  • 判決はんけつに憲法けんぽうの違反いはんがあること又または憲法けんぽうの解釈かいしゃくに誤あやまりがあること（1号ごう）
  • 最高さいこう裁判所さいばんしょの判例はんれいと相反あいはんする判断はんだんをしたこと（2号ごう）
  • 最高さいこう裁判所さいばんしょの判例はんれいがない場合ばあいに、大審院だいしんいん若もしくは上告じょうこく裁判所さいばんしょたる高等こうとう裁判所さいばんしょの判例はんれい又または刑事けいじ訴訟そしょう法ほう施行しこう後ごの控訴こうそ裁判所さいばんしょたる高等こうとう裁判所さいばんしょの判例はんれいと相反あいはんする判断はんだんをしたこと（3号ごう）
• 民事みんじ訴訟そしょうの場合ばあい（民事みんじ訴訟そしょう法ほう312条じょう）
  • 判決はんけつに憲法けんぽうの解釈かいしゃくの誤あやまりがあること、その他た憲法けんぽうの違反いはんがあること（1項こう）
  • 法律ほうりつに従したがって判決はんけつ裁判所さいばんしょを構成こうせいしなかったこと（2項こう1号ごう）
  • 法律ほうりつにより判決はんけつに関与かんよすることができない裁判官さいばんかんが判決はんけつに関与かんよしたこと（同どう項こう2号ごう）
  • 日本にっぽんの裁判所さいばんしょの管轄かんかつ権けんの専属せんぞくに関かんする規定きていに違反いはんしたこと（同どう項こう2号ごうの2）
  • 専属せんぞく管轄かんかつに関かんする規定きていに違反いはんしたこと（特許とっきょ権けん等ひとしに関かんする訴うったえにつき、民事みんじ訴訟そしょう法ほう6条じょう1項こうにより定さだまる東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょか大阪おおさか地方裁判所ちほうさいばんしょかの選択せんたくを誤あやまった場合ばあいを除のぞく）（同どう項こう3号ごう）
  • 法定ほうてい代理だいり権けん、訴訟そしょう代理だいり権けん又または代理人だいりにんが訴訟そしょう行為こういをするのに必要ひつような授権を欠かいたこと（追認ついにんがあった場合ばあいを除のぞく）（同どう項こう4号ごう）
  • 口頭こうとう弁論べんろんの公開こうかいの規定きていに違反いはんしたこと（同どう項こう5号ごう）
  • 判決はんけつに理由りゆうを付ふせず、又または理由りゆうに食違くいちがいがあること（理由りゆうの不備ふび・理由りゆうの齟齬そご）（同どう項こう6号ごう）
  • （高等こうとう裁判所さいばんしょにする上告じょうこくの場合ばあい）判決はんけつに影響えいきょうを及およぼすことが明あきらかな法令ほうれいの違反いはんがあること（3項こう）

以上いじょうのように上告じょうこく理由りゆうが限かぎられているため、上告じょうこく審しんでは「上告じょうこく理由りゆうに当あたらない」として上告じょうこくが棄却ききゃくされることがほとんどである。

民事みんじで、上告じょうこくすべき裁判所さいばんしょが最高さいこう裁判所さいばんしょである場合ばあいは、上告じょうこく理由りゆうがなくても、上告じょうこく受理じゅりの申立もうしたてをすることができる。判例はんれい違反いはんやその他たの法令ほうれいの解釈かいしゃくに関かんする重要じゅうような事項じこうを含ふくむものと認みとめられる事件じけんについては、最高裁さいこうさいは、上告じょうこく審しんとして事件じけんを受理じゅりすることができ、その場合ばあいには上告じょうこくがあったものとみなされる（民事みんじ訴訟そしょう法ほう318条じょう）。

また、刑事けいじ訴訟そしょうでは、上告じょうこく理由りゆうがなくても、法令ほうれいの解釈かいしゃくに関かんする重要じゅうような事項じこうを含ふくむものと認みとめられる事件じけんについては、上訴じょうそ権けん者しゃの申立もうしたてにより、自みずから上告じょうこく審しんとしてその事件じけんを受理じゅりすることができる（刑訴法けいそほう406条じょう、刑訴けいそ規則きそく257条じょう - 264条じょう）。さらに、刑訴法けいそほう405条じょう各号かくごうに規定きていする事由じゆうがない場合ばあいであっても、一定いっていの事由じゆうがあって原げん判決はんけつを破棄はきしなければ著いちじるしく正義まさよしに反はんすると認みとめるときは、判決はんけつで原はら判決はんけつを破棄はきすることができる（刑訴法けいそほう411条じょう。「著しる反はん正義せいぎによる職権しょっけん破棄はき」と呼よばれる。）。

このほか、民事みんじ訴訟そしょうでは特別とくべつ上告じょうこく（とくべつじょうこく）、刑事けいじ訴訟そしょうでは非常ひじょう上告じょうこく（ひじょうじょうこく）という例外れいがい的てきな上告じょうこくがある。

上告じょうこく審しんの性格せいかく及および上告じょうこく審しんでの審理しんり

上告じょうこく審しんの法的ほうてき性格せいかくは法律ほうりつ審しんであり、原則げんそくとして上告じょうこく審しんでは原げん判決はんけつに憲法けんぽう違反いはんや法律ほうりつ解釈かいしゃくの誤あやまりがあるかを中心ちゅうしんに審理しんりされる。原則げんそくとして上告じょうこく審しんは、下級かきゅう審しんの行おこなった事実じじつ認定にんていに拘束こうそくされるが（民事みんじ訴訟そしょう法ほう311条じょう1項こう）、民事みんじ訴訟そしょうにおいては事実じじつ認定にんていに経験けいけん則そく違反いはんがある場合ばあい、事実じじつ認定にんていの理由りゆうに食違くいちがい（矛盾むじゅん）がある場合ばあいには原げん判決はんけつを破棄はきすることがある。刑事けいじ訴訟そしょうにおいても、判決はんけつに影響えいきょうを及およぼすべき重大じゅうだいな事実じじつの誤認ごにんがあって原げん判決はんけつを破棄はきしなければ著いちじるしく正義まさよしに反はんすると認みとめるときには、原はら判決はんけつを破棄はきすることができる（刑訴法けいそほう第だい411条じょう3号ごう）。

上告じょうこく審しんが法律ほうりつ審しんであるとの性格せいかくから、原則げんそくとして証拠しょうこ調しらべを行おこなうことはない。

このこともあり、上告じょうこくを棄却ききゃくするときは、口頭こうとう弁論べんろんを経へる必要ひつようはないとされており（民事みんじ訴訟そしょう法ほう319条じょう、刑訴法けいそほう408条じょう）、実際じっさいに上告じょうこく審しんで弁論べんろんが行おこなわれることはほとんどなく、書面しょめんでの審理しんりに限かぎられるのが普通ふつうである。これに対たいし、原はら判決はんけつを変更へんこうする場合ばあいには、被ひ上告じょうこく人じんにも反論はんろんの機会きかいを与あたえる必要ひつようがあるから、口頭こうとう弁論べんろんを開催かいさいする必要ひつようがある（民事みんじ訴訟そしょう法ほう87条じょう1項こう本文ほんぶん、刑訴法けいそほう43条じょう1項こう）。そのため、上告じょうこく審しんで口頭こうとう弁論べんろんが開ひらかれるということは、原はら判決はんけつを何なんらかの形かたちで見直みなおすことを事実じじつ上じょう意味いみするといえる。ただ、死刑しけい判決はんけつに対たいする上告じょうこく事件じけんと大だい法廷ほうていの審理しんりは原則げんそくとして公判こうはんないし口頭こうとう弁論べんろんが開ひらかれる慣行かんこうがあり、公判こうはんないし口頭こうとう弁論べんろんが開ひらかれたからといって原げん判決はんけつが見直みなおされるとは限かぎらない。なお、上告じょうこく審しんで死刑しけい判決はんけつが破棄はきされたのは2009年ねん9月がつ時点じてんで12例れい（11件けん・16人にん）だけである。

無期むき懲役ちょうえき判決はんけつに対たいする上告じょうこく審しんで口頭こうとう弁論べんろんが開ひらかれながら、上告じょうこく棄却ききゃくの判決はんけつがい渡いわたされた事例じれいとして、国立こくりつ市し主婦しゅふ殺害さつがい事件じけん（1992年ねん10月がつ20日はつかに発生はっせい）がある。同どう事件じけんでは、1999年ねん10月がつに検察官けんさつかんの上告じょうこくを受うけて最高裁さいこうさい第だい二に小しょう法廷ほうてい（福田ふくだ博ひろし裁判さいばん長ちょう）が口頭こうとう弁論べんろんを開ひらいたが、同小どうしょう法廷ほうていは同年どうねん11月がつに上告じょうこく棄却ききゃくの判決はんけつをい渡いわたしたため、控訴こうそ審しん判決はんけつ（無期むき懲役ちょうえき）が確定かくていしている。

「国立こくりつ市し主婦しゅふ殺害さつがい事件じけん」および「福山ふくやま市し独居どっきょ老ろう婦人ふじん殺害さつがい事件じけん#広島ひろしま高検こうけんが死刑しけい適用てきようを求もとめ上告じょうこく」も参照さんしょう

なお、原はら判決はんけつの基本きほんとなる口頭こうとう弁論べんろんに関与かんよしていない裁判官さいばんかんが判決はんけつ書しょに署名しょめい押印おういんしていることを理由りゆうとして原はら判決はんけつを破棄はきし、高等こうとう裁判所さいばんしょに事件じけんを差さし戻もどす場合ばあいには、口頭こうとう弁論べんろんを経へなくてもよいという判例はんれいがある（最高裁さいこうさい平成へいせい19年ねん1月がつ16日にち判決はんけつ）。

上告じょうこく審しんにおける裁判さいばん

民事みんじ訴訟そしょうにおいて、上告じょうこくが不ふ適法てきほうである場合ばあいには決定けっていで上告じょうこくを却下きゃっかすることができる（民事みんじ訴訟そしょう法ほう317条じょう1項こう）。上告じょうこく理由りゆうが、上告じょうこくが許ゆるされる事由じゆうに明あきらかに該当がいとうしない場合ばあいは決定けっていで上告じょうこくを棄却ききゃくすることができる（同どう条じょう2項こう）。上告じょうこくに理由りゆうがない場合ばあいには判決はんけつで上告じょうこくを棄却ききゃくする（同どう法ほう319条じょう）。

最高さいこう裁判所さいばんしょが上告じょうこく審しんの場合ばあいについては、最高裁判所さいこうさいばんしょ平成へいせい11年ねん（1999年ねん）3月がつ9日にち第だい三さん小しょう法廷ほうてい決定けってい・集あつまり民みん第だい192号ごう99頁ぺーじによると、上告じょうこくの理由りゆうの実質じっしつが明あきらかに民事みんじ訴訟そしょう法ほう312条じょう1項こう及および2項こうに規定きていする事由じゆうに該当がいとうしない上告じょうこくであっても、上告じょうこく裁判所さいばんしょである最高さいこう裁判所さいばんしょが決定けっていで棄却ききゃくすることができるにとどまり（民事みんじ訴訟そしょう法ほう317条じょう2項こう）、原はら裁判所さいばんしょ又または上告じょうこく裁判所さいばんしょが民事みんじ訴訟そしょう法ほう316条じょう1項こう又または317条じょう1項こうによって却下きゃっかすることはできない。

刑事けいじ訴訟そしょうにおいては上告じょうこくが不ふ適法てきほうである場合ばあいには決定けっていで上告じょうこくを棄却ききゃくする（刑事けいじ訴訟そしょう法ほう414条じょう、385条じょう、395条じょう）。上告じょうこくに理由りゆうがない場合ばあいには判決はんけつで上告じょうこくを棄却ききゃくする（刑事けいじ訴訟そしょう法ほう408条じょう）。

上告じょうこくが却下きゃっか又または棄却ききゃくされた場合ばあいには、原はら判決はんけつが確定かくていする。

上告じょうこくに理由りゆうがある場合ばあい又または最高さいこう裁判所さいばんしょの職権しょっけん調査ちょうさで原はら判決はんけつを維持いじできないことが判明はんめいした場合ばあいには、原はら判決はんけつを破棄はきする。法律ほうりつ審しんとしての建前たてまえからは、原はら判決はんけつを破棄はきする場合ばあい、原はら裁判所さいばんしょ（控訴こうそ審しんが行おこなわれた裁判所さいばんしょ。高等こうとう裁判所さいばんしょが第だい一いち審しんの場合ばあいにはその高等こうとう裁判所さいばんしょ）に差さし戻もどして審理しんりさせることが普通ふつうである（民事みんじ訴訟そしょう法ほう325条じょう。刑事けいじ訴訟そしょう法ほう413条じょう本文ほんぶん）。このことを破棄はき差戻さしもどしという。これは、民事みんじ事件じけんの上告じょうこく審しんでは法律ほうりつ審しんであるため事実じじつ調しらべができず、刑事けいじ事件じけんでも事実じじつ認定にんていが不十分ふじゅうぶんな場合ばあいは事実じじつ審しんである下級かきゅう審しんで再度さいど必要ひつような審理しんりをさせる必要ひつようがあるからである。これに対たいして、判決はんけつを確定かくていさせないことによって、当事とうじ者しゃの双方そうほうに主張しゅちょうを述のべさせる機会きかいを与あたえるためである、あるいは、上告じょうこく審しんは書面しょめん審理しんりが原則げんそくのため、書面しょめん審理しんりのみで判決はんけつを確定かくていさせるのは問題もんだいがあるためであるという見解けんかいもある。差戻さしもどし後ごの判決はんけつにさらに上告じょうこくすることも可能かのうであり、上告じょうこく→差戻さしもどし→上告じょうこく→差戻さしもどし、と繰くり返かえし、裁判さいばんが長期ちょうき化かした例れいもある。

また、管轄かんかつ違ちがい等とうにより原はら判決はんけつを取とり消けし、原審げんしんとは別べつの裁判所さいばんしょに移送いそうすること（民事みんじ訴訟そしょう法ほう第だい325条じょう第だい2項こう、刑事けいじ訴訟そしょう法ほう第だい412-413条じょう）を破棄はき移送いそうという。

原はら裁判所さいばんしょに差さし戻もどさず、原はら判決はんけつを破棄はきして最高さいこう裁判所さいばんしょが自みずから判決はんけつし、上告じょうこく審しんで判決はんけつを確定かくていさせることを破棄はき自じ判はんという。これは、

• 裁判さいばんが長期ちょうき化かすることにより不利益ふりえきがある場合ばあい
• 民事みんじ事件じけんにおいて下級かきゅう審しんの認定にんていした事実じじつだけで原審げんしんと違ちがう判決はんけつが下くだせる場合ばあい
• 刑事けいじ裁判さいばんにおいて被告人ひこくにんに有利ゆうりな方向ほうこうに判断はんだんを変更へんこうする場合ばあいで、これ以上いじょう審理しんりする必要ひつようがない場合ばあい

などに行おこなわれることがある（民事みんじ訴訟そしょう法ほう326条じょう、刑事けいじ訴訟そしょう法ほう413条じょうただし書しょ）。

上告じょうこく審しんの例れい

死刑しけい判決はんけつに対たいする上告じょうこく審しんで死刑しけい判決はんけつが破棄はきされた例れい

死刑しけい判決はんけつの上告じょうこく審しんで死刑しけい判決はんけつが破棄はきされた例れい

最高裁さいこうさい破棄はき判決はんけつ日び	被ひ 告つげ 人ひと	事件じけん	最高裁さいこうさい判決はんけつ内容ないよう		発生はっせい日び	二に審しん死刑しけい判決はんけつ日び	最終さいしゅう判決はんけつ
			種類しゅるい	事由じゆう
1953年ねん6月がつ4日にち	1人ひとり	競輪けいりん殺人さつじん事件じけん	破棄はき自じ判はん	量刑りょうけい不当ふとう	1951年ねん9月がつ11日にち	1952年ねん9月がつ29日にち	無期むき懲役ちょうえき
1953年ねん7月がつ10日とおか	1人ひとり	京都きょうと八坂老女将強盗殺人事件	破棄はき差戻さしもどし	法令ほうれい違反いはん	1949年ねん10月がつ18日にち	1950年ねん8月がつ9日にち	無期むき懲役ちょうえき
1953年ねん11月27日にち	1人ひとり	二俣ふたまた事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1950年ねん1月がつ6日にち	1951年ねん9月がつ29日にち	無罪むざい
1957年ねん2月がつ14日にち	3人にん	幸浦さちうら事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1948年ねん11月29日にち	1951年ねん5月がつ8日にち	無罪むざい
1957年ねん10月がつ15日にち	1人ひとり	八はち海事かいじ件けん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1951年ねん1月がつ25日にち	1953年ねん9月がつ18日にち	無罪むざい
1959年ねん8月がつ10日とおか	4人にん	松川まつかわ事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1949年ねん8月がつ17日にち	1953年ねん12月22日にち	無罪むざい
1968年ねん10月がつ25日にち	1人ひとり	八はち海事かいじ件けん	破棄はき自じ判はん	事実じじつ誤認ごにん	1951年ねん1月がつ25日にち	1965年ねん8月がつ30日にち	無罪むざい
1970年ねん7月がつ31日にち	1人ひとり	仁保にほ事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1954年ねん10月がつ24日にち	1968年ねん2月がつ14日にち	懲役ちょうえき6ヶ月かげつ
1978年ねん3月がつ24日にち	1人ひとり	高知こうち県けん幡多はた郡ぐん大方おおがた町まち7人にん殺傷さっしょう事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1969年ねん1月がつ4日にち	1975年ねん4月がつ30日にち	無期むき懲役ちょうえき
1989年ねん6月がつ22日にち	1人ひとり	山中さんちゅう事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	1972年ねん5月がつ14日にち	1982年ねん1月がつ19日にち	懲役ちょうえき8年ねん
1996年ねん9月がつ20日はつか	1人ひとり	日建にっけん土木どぼく事件じけん	破棄はき自じ判はん	量刑りょうけい不当ふとう	1977年ねん1月がつ7日にち	1988年ねん3月がつ11日にち	無期むき懲役ちょうえき
2010年ねん4月がつ27日にち	1人ひとり	平野ひらの母子ぼし殺害さつがい事件じけん	破棄はき差戻さしもどし	事実じじつ誤認ごにん	2002年ねん4月がつ14日にち	2006年ねん12月15日にち	無罪むざい

死刑しけいを求もとめた検察官けんさつかんの上告じょうこくを認容にんようした判決はんけつ

過去かこに最高裁さいこうさいが死刑しけい判決はんけつを求もとめた上告じょうこくを認容にんようして原げん判決はんけつを破棄はきにした例れいは3例れい（永山ながやま則夫のりお連続れんぞく射殺しゃさつ事件じけん・福山ふくやま市し独居どっきょ老ろう婦人ふじん殺害さつがい事件じけん・光ひかり市し母子ぼし殺害さつがい事件じけん）あるが、全すべて控訴こうそ審しんの無期むき懲役ちょうえき判決はんけつを破棄はき差さし戻もどしとしており、その後ごいずれも差さし戻もどし控訴こうそ審しんで下くだされた死刑しけい判決はんけつが第だい二に次じ上告じょうこく審しんで確定かくていしている。刑訴法けいそほう上じょうは最高裁さいこうさいが破棄はき自じ判はんによって死刑しけいをい渡いわたすことも可能かのうである。

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• 裁判さいばん - 判決はんけつ
• 上訴じょうそ - 控訴こうそ、抗告こうこく、上告じょうこく受理じゅりの申立もうしたて、特別とくべつ上告じょうこく、非常ひじょう上告じょうこく、事件じけん受理じゅりの申立もうしたて
• 跳躍ちょうやく上告じょうこく（刑事けいじ事件じけんにおいて、控訴こうそ審しんを経へずに上告じょうこくすること）
• 飛越とびこし上告じょうこく（民事みんじ事件じけんにおいて、控訴こうそ審しんを経へずに上告じょうこくすること）
• 三さん行ぎょう判決はんけつ、三さん行ぎょう決定けってい
• 日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい39条じょう
• 連続れんぞく上告じょうこく - 1997年ねん2月がつから1998年ねん1月がつにかけて、死刑しけい求刑きゅうけいに対たいし控訴こうそ審しんで無期むき懲役ちょうえきがい渡いわたされた強盗ごうとう殺人さつじん事件じけんの5被告人ひこくにんに対たいし、量刑りょうけい不当ふとうを理由りゆうに相次あいついで死刑しけいを求もとめた検察けんさつ当局とうきょくによる一連いちれんの上告じょうこく