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簡易裁判所 - Wikipedia

簡易かんい裁判所さいばんしょ

日本にっぽん裁判所さいばんしょのひとつ

簡易かんい裁判所さいばんしょ(かんいさいばんしょ、英語えいご: Summary Court)は、日常にちじょう生活せいかつにおいて発生はっせいする軽微けいび民事みんじ事件じけん刑事けいじ事件じけん迅速じんそく簡易かんい処理しょりするための日本にっぽん裁判所さいばんしょ略称りゃくしょう簡裁かんさい

東京とうきょう簡易かんい裁判所さいばんしょ

概説がいせつ

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通常つうじょういちしん事件じけん管轄かんかつゆうする地方裁判所ちほうさいばんしょたいし、請求せいきゅう金額きんがく一定いってい金額きんがく以下いか民事みんじ事件じけんや、罰金ばっきんけい拘留こうりゅう科料かりょうふくむ)に該当がいとうする刑事けいじ事件じけんなど、比較的ひかくてき軽微けいび事件じけんおも担当たんとうする。地方裁判所ちほうさいばんしょちがって担当たんとう事件じけんからんで簡易かんい裁判所さいばんしょ注目ちゅうもくされることはほとんどない(例外れいがいとしてニセ電話でんわ事件じけんなどがある)。

裁判さいばん裁判官さいばんかん簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ1人ひとりおこなう。簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんは、地方裁判所ちほうさいばんしょにおかれる判事はんじではなく、「簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ」(簡裁かんさい判事はんじ)という職位しょくいである。簡裁かんさい判事はんじしかるべき経歴けいれき学位がくい裁判所さいばんしょ書記官しょきかん法学ほうがくしゃなど司法しほう試験しけん合格ごうかくしていないものでも任官にんかん資格しかくがある。

裁判さいばん以外いがいでは、調停ちょうてい委員いいんまじえた当事とうじしゃあいだはないにより紛争ふんそう解決かいけつはか調停ちょうていも、簡易かんい裁判所さいばんしょ業務ぎょうむである。

裁判所さいばんしょほう立法りっぽう過程かていにおいては、当初とうしょかく裁判所さいばんしょをなるべく等質とうしつてきなものとする趣旨しゅしから、簡易かんい裁判所さいばんしょというものは考慮こうりょされなかったが、刑事けいじ関係かんけい憲法けんぽうじょうとく捜査そうさ段階だんかいにおける各種かくしゅ強制きょうせい処分しょぶん裁判官さいばんかん令状れいじょう必要ひつようになったので、警察けいさつしょちかくに裁判官さいばんかんがいないときゅうようする場合ばあいわないことが懸念けねんされて、警察けいさつしょ単位たんいたがえ警罪裁判所さいばんしょてきなものが要求ようきゅうされるとともに、民事みんじでも調停ちょうてい少額しょうがく事件じけん処理しょりする民衆みんしゅうしたしみやす裁判所さいばんしょがあってもよいというので、この両方りょうほう要求ようきゅうたすために、全国ぜんこく多数たすう設置せっちされることになった[1]

従来じゅうらい、575箇所かしょ設置せっちされていたが、簡易かんい裁判所さいばんしょさい配置はいちさい編成へんせいさだめた昭和しょうわ62ねん法律ほうりつだい90ごうにより、昭和しょうわ63ねん5がつ1にち以降いこうは452ちょうとなり、そのどうほうのこされた部分ぶぶん順次じゅんじ施行しこうされた結果けっか、438ちょうとなった[2]つね慢性まんせいてき人手ひとで不足ふそく状態じょうたいで、簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじおおくは1人ひとり複数ふくすう箇所かしょ裁判所さいばんしょ担当たんとうちしなければならず、地域ちいきによってはつきに1 - 2かい程度ていどしか簡易かんい裁判所さいばんしょひらかないなどの深刻しんこく障害しょうがいしょうじている。

簡易かんい裁判所さいばんしょ組織そしき

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簡易かんい裁判所さいばんしょなが

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最高裁判所さいこうさいばんしょでは最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん裁判所さいばんしょほう5じょう1こう)、高等こうとう裁判所さいばんしょでは高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん裁判所さいばんしょほう5じょう2こう)、地方裁判所ちほうさいばんしょでは地方裁判所ちほうさいばんしょちょう裁判所さいばんしょほう29じょう)、家庭かてい裁判所さいばんしょでは家庭かてい裁判所さいばんしょちょう名称めいしょう記述きじゅつとしては裁判所さいばんしょほう59じょう)がそのながであるが(そしてこれらについては法律ほうりつ裁判所さいばんしょほう)でその名称めいしょうしるされているが)、簡易かんい裁判所さいばんしょでは裁判所さいばんしょほうだい37じょう規定きていする裁判官さいばんかんがそのちょうとなる(このものについての役職やくしょく名称めいしょう法律ほうりつにおいてその記述きじゅつ存在そんざいしていないが、民事みんじ訴訟そしょう規則きそくにおいては「裁判所さいばんしょほうだいさんじゅうななじょう規定きていする裁判官さいばんかん」(民事みんじ訴訟そしょう規則きそく13じょうより)、官報かんぽうにおいては「簡易かんい裁判所さいばんしょにおける司法しほう行政ぎょうせい事務じむ掌理しょうりするもの」といった記述きじゅつがなされており、またそれらから(簡易かんい裁判所さいばんしょの)司法しほう行政ぎょうせい事務じむ掌理しょうり裁判官さいばんかん[3]または((簡易かんい裁判所さいばんしょの)司法しほう行政ぎょうせい事務じむ掌理しょうりしゃ[4]という名称めいしょうもちいられたりもする。)。

簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判さいばんけん

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裁判所さいばんしょほう33じょうによれば、つぎ事項じこうについてだいいちしん裁判さいばんけんゆうする。

簡易かんい裁判所さいばんしょでは、原則げんそくとして禁錮きんこ以上いじょうけいすることができないが、住居じゅうきょ侵入しんにゅうざいどう未遂みすい常習じょうしゅう賭博とばくざい賭博とばくじょう開張かいちょうとう図利ずりざい窃盗せっとうざいどう未遂みすい横領おうりょうざい遺失いしつぶつ横領おうりょうざい盗品とうひん譲受ゆずりうざい古物ふるもの営業えいぎょうほう違反いはん質屋しちや営業えいぎょうほう違反いはんまたはこれらのつみつみとにつき観念かんねんてき競合きょうごうしくは牽連はん関係かんけいにあってこれらのつみけいをもって処断しょだんすべき事件じけんについては、3ねん以下いか懲役ちょうえきけいすることができる(裁判所さいばんしょほう33じょう2こう)。執行しっこう猶予ゆうよ保護ほご観察かんさつけることもできる。なお、これらの制限せいげんえるけいするのが相当そうとうみとめるときは、簡易かんい裁判所さいばんしょ事件じけん地方裁判所ちほうさいばんしょ移送いそうしなければならない。

民事みんじ訴訟そしょうにおける手続てつづき

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簡易かんい裁判所さいばんしょ民事みんじ訴訟そしょうおこな場合ばあいは、訴訟そしょう手続てつづき簡易かんいおこな迅速じんそく解決かいけつするための数個すうこ特例とくれいてき規則きそくがある(民事みんじ訴訟そしょうほうだい2へんだい8しょう)。

うったえは口頭こうとう提起ていきすることができ、口頭こうとう弁論べんろんは、書面しょめん準備じゅんびすることをようしない。

控訴こうそしん

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控訴こうそがあった場合ばあい民事みんじ裁判さいばん地方裁判所ちほうさいばんしょ裁判所さいばんしょほう24じょう3ごう)、刑事けいじ裁判さいばん高等こうとう裁判所さいばんしょ裁判所さいばんしょほう16じょう1ごう)で控訴こうそしん実施じっしされる。民事みんじ控訴こうそは、地方裁判所ちほうさいばんしょ本庁ほんちょうのみで、支部しぶではあつかわない。刑事けいじ控訴こうそは、高裁こうさい支部しぶでもあつかう。

簡易かんい裁判所さいばんしょ一覧いちらん

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家裁かさい本庁ほんちょう所在地しょざいち家裁かさい支部しぶ所在地しょざいち家裁かさい出張所しゅっちょうしょ所在地しょざいちしめす。

北海道ほっかいどう東北とうほく地方ちほう

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関東かんとう地方ちほう

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  • 茨城いばらきけん水戸みと土浦つちうら下妻しもづま日立ひたち龍ケ崎りゅうがさき麻生あそう笠間かさま常陸太田ひたちおおた石岡いしおか取手とって下館しもだて古河ふるかわ
  • 栃木とちぎけん宇都宮うつのみや真岡もおか大田原おおたわら栃木とちぎ足利あしかが小山こやま
  • 群馬ぐんまけん前橋まえばし高崎たかさき桐生きりゅう太田おおた沼田ぬまた群馬ぐんま富岡とみおか中之条なかのじょう伊勢崎いせざき館林たてばやし藤岡ふじおか
  • 埼玉さいたまけん:さいたま越谷こしがや熊谷くまがい川越かわごえ秩父ちちぶ川口かわぐち大宮おおみや久喜くき飯能はんのう所沢ところざわ本庄ほんじょう
  • 千葉ちばけん千葉ちば佐倉さくら千葉ちば一宮いちのみや松戸まつど木更津きさらづ館山たてやま八日市場ようかいちば佐原さはら市川いちかわ銚子ちょうし東金とうがね
  • 東京とうきょう東京とうきょう墨田すみだ庁舎ちょうしゃ)・八王子はちおうじ八丈島はちじょうじま伊豆いず大島おおしま新島にいじま立川たちかわ武蔵野むさしの青梅おうめ町田まちだ
  • 神奈川かながわけん横浜よこはま川崎かわさき相模原さがみはら横須賀よこすか小田原おだわら神奈川かながわ保土ケ谷ほどがや厚木あつぎ鎌倉かまくら藤沢ふじさわ平塚ひらつか

北陸ほくりく中部ちゅうぶ地方ちほう

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近畿きんき地方ちほう

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中国ちゅうごく四国しこく地方ちほう

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九州きゅうしゅう沖縄おきなわ地方ちほう

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脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ 兼子かねこはじめ竹下たけした守夫もりお法律ほうりつがく全集ぜんしゅう34 裁判さいばんほうだいよんはん〕』有斐閣ゆうひかく、1999ねん、211ぺーじ
  2. ^ 前掲ぜんけい兼子かねこ竹下たけした、211-214ぺーじ
  3. ^ れい司法しほうアクセス検討けんとうかいだいかい視察しさつ内容ないよう首相しゅしょう官邸かんてい司法しほう制度せいど改革かいかく推進すいしん本部ほんぶ事務じむきょく
  4. ^ れい参議院さんぎいん会議かいぎろく情報じょうほう だい058かい国会こっかい 法務ほうむ委員いいんかい だい19ごう参議院さんぎいん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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