裁判官さいばんかん

裁判官さいばんかん（さいばんかん）とは、司法しほう権けんを行使こうしして裁判さいばんを行おこなう官職かんしょくにある者ものをいう。

各国かっこくの訴訟そしょう法制ほうせいに応おうじて裁判官さいばんかんの職掌しょくしょうは定さだまり、陪審ばいしん制せいを採用さいようしている国くになどでは事実じじつ認定にんていについて裁判官さいばんかんが担当たんとうしないことがあることから、裁判官さいばんかんを法廷ほうていにおける審理しんりを主宰しゅさいする者ものとして位置いちづけることがより妥当だとうな場合ばあいもある。

裁判官さいばんかんの心証しんしょうは裁判さいばん手続てつづきにおいてその判断はんだんに大おおきな意義いぎを有ゆうしているが、多おおくの裁判官さいばんかんはそれらの手続てつづきの際さいに「スジ」や「スワリ」という概念がいねんを用もちいており、それは裁判官さいばんかん集団しゅうだんの中なかから、実務じつむを通つうじてその集団しゅうだん特有とくゆうのものとして歴史れきし的てきに自生じせいしてきた概念がいねんである。それは法律ほうりつ家集かしゅう団だんの中なかでも特とくに裁判官さいばんかん集団しゅうだんの専門せんもん性せいを特徴とくちょうづける。

歴史れきし

17世紀せいきのスペインにおける法服ほうふくを着きた裁判官さいばんかん。ディエゴ・ベラスケス作さく。

古来こらいより、さまざまな犯罪はんざいや係争けいそうが存在そんざいし、ある程度ていどの社会しゃかいが作つくられて以降いこうはその紛争ふんそう解決かいけつ制度せいどが必要ひつようとなった。

古ふるくは、社会しゃかい構造こうぞうについては記録きろくなども残のこされておらず、具体ぐたい的てきな様相ようそうなども不明ふめいである。部族ぶぞく・民族みんぞくごとにさまざまな紛争ふんそう解決かいけつ方式ほうしきが取とられており、一律いちりつに理解りかいすることもできない。主しゅとして、「集団しゅうだんの中なかで権力けんりょくを持もつ者ものの裁定さいてい」や「神権しんけん裁判さいばん」などが行おこなわれた可能かのう性せいが指摘してきされている。裁定さいていを行おこなう権力けんりょく者しゃや神託しんたくを告つげる者ものなどが裁判官さいばんかんの役割やくわりを果はたした。

政治せいじ体制たいせい・統治とうち機構きこうが整ととのうにつれ、一般いっぱん的てきに、裁判さいばんは、王おう・領主りょうしゅ・宗教しゅうきょう者しゃなどの権力けんりょく者しゃが行おこなうものとされ、裁判さいばん人じんもそれらの者もの、ないしはその委託いたくを受うけた者ものが行おこなうようになった。

中世ちゅうせい・近世きんせい西欧せいおう

前ぜん近代きんだいのヨーロッパでは裁判さいばん人じん（判断はんだんする者もの）と検察官けんさつかん（糾弾きゅうだんする者もの）が多おおくの国くにで分離ぶんりされてもいなかったことに注意ちゅういする必要ひつようがある。長ながい間あいだ、刑事けいじ裁判さいばんでは、裁判官さいばんかんは「犯罪はんざい者しゃを糾弾きゅうだんする者もの」という役割やくわりをあわせて担になっていた（糾弾きゅうだん主義しゅぎ）。

近世きんせい日本にっぽん

江戸えど時代じだいは、「お白洲しらす」に代表だいひょうされるように、捜査そうさ機関きかんである奉行ぶぎょう所しょの奉行ぶぎょうが裁判官さいばんかんであったりもした。奉行ぶぎょう（特とくに町奉行まちぶぎょう）は現代げんだいの警察官けいさつかん・検察官けんさつかん・裁判官さいばんかんを兼かねた職責しょくせきおよび権限けんげんを持もっていたといえ、前ぜん近代きんだいの西欧せいおうと類似るいじ点てんがあるともいえよう。

イスラム教いすらむきょう圏けん

イスラム教いすらむきょう圏けんではシャーリアに基もとづいて裁判さいばんを行おこなう裁判官さいばんかんをカーディーと呼よび、マレーシアやパキスタンなどのアラビア語ご圏けん以外いがいのイスラム教いすらむきょう圏けんでもカーディと呼よばれている。ムハンマドが存命ぞんめいだった時代じだいから始はじまって2009年ねん現在げんざいでもイスラム教いすらむきょう国こくでは裁判官さいばんかんとして活動かつどうしている。

詳細しょうさいは「カーディー」を参照さんしょう

近代きんだい

近代きんだい以降いこう、裁判官さいばんかんの位置いちづけは大おおきく変更へんこうされる。まず、三権分立さんけんぶんりつという概念がいねんが持もち込こまれることで、裁判官さいばんかんは、立法りっぽう・行政ぎょうせいから切きり離はなされた。また、刑事けいじ裁判さいばんの面めんでは裁判所さいばんしょと検察けんさつが分離ぶんりされ、裁判官さいばんかんは「判断はんだんをする」という役割やくわりに専念せんねんすることとなり、「犯罪はんざい者しゃを糾弾きゅうだんする」という役割やくわりを受うけ持もたなくなった（弾劾だんがい主義しゅぎ）。こういった役割やくわり分担ぶんたんの変更へんこうに伴ともない、裁判官さいばんかんは「極きわめて高度こうどな法的ほうてき知識ちしきを必要ひつようとする専門せんもん職しょく」とされ、また、裁判さいばんの公平こうへい性せいを維持いじするために、「立法りっぽう・行政ぎょうせいからの影響えいきょうを避さけるための手厚てあつい身分みぶん保障ほしょう」が必要ひつようであるとされるに至いたった。

日本にっぽんの裁判官さいばんかん

日本にっぽんの裁判官さいばんかんは、制度せいどの面めんからは、最高裁判所さいこうさいばんしょの裁判官さいばんかんと下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんに分わけることができる（憲法けんぽう79条じょう、80条じょう参照さんしょう）。

いずれも、国家こっか公務員こうむいん法ほう上うえ、特別とくべつ職しょくの国家こっか公務員こうむいんとされている（同どう法ほう2条じょう3項こう13号ごう）。内閣ないかく府ふ男女だんじょ共同きょうどう参画さんかく局きょくの発表はっぴょうでは、2021年ねん12月時点じてんの裁判官さいばんかんは3,441名めい（男性だんせい76.3％、女性じょせい23.7％）となっている。

裁判官さいばんかんは、中立ちゅうりつの立場たちばで公正こうせいな裁判さいばんをするために、その良心りょうしんに従したがい独立どくりつしてその職権しょっけんを行おこない、日本国にっぽんこく憲法けんぽう及および法律ほうりつにのみ拘束こうそくされると定さだめられている（日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい76条じょう、裁判官さいばんかんの職権しょっけん行使こうしの独立どくりつ）。

最高さいこう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかん

構成こうせい

最高裁判所さいこうさいばんしょの裁判官さいばんかんは、最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん1名めいと最高さいこう裁判所さいばんしょ判事はんじ14名めいで構成こうせいされる（憲法けんぽう79条じょう1項こう、裁判所さいばんしょ法ほう5条じょう1項こう、3項こう）。なお、最高さいこう裁判所さいばんしょには最高さいこう裁判所さいばんしょ調査官ちょうさかんや最高さいこう裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょくの幹部かんぶ職員しょくいん・局きょく付づけとして裁判官さいばんかんの身分みぶんのまま勤務きんむする者ものが多数たすういるが、これらの者ものの身分みぶんは最高さいこう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんではなく、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょもしくは東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに所属しょぞくする判事はんじもしくは判事はんじ補ほである。

任命にんめい

最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんは、内閣ないかくの指名しめいに基もとづいて天皇てんのうが任命にんめいする（憲法けんぽう6条じょう2項こう、裁判所さいばんしょ法ほう39条じょう1項こう）。最高さいこう裁判所さいばんしょ判事はんじは内閣ないかくが任命にんめいし（憲法けんぽう79条じょう1項こう、裁判所さいばんしょ法ほう39条じょう2項こう）、その任免にんめんは、天皇てんのうがこれを認証にんしょうする（裁判所さいばんしょ法ほう39条じょう3項こう。このように天皇てんのうが認証にんしょうする官職かんしょくを認証官にんしょうかんという）。

最高さいこう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは、識見しきけんの高たかい、法律ほうりつの素養そようのある年齢ねんれい40年ねん以上いじょうの者ものの中なかから任命にんめいすることとされ、そのうち少すくなくとも10名めいは10年ねん以上いじょうの判事はんじまたは高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん経験けいけん又または20年ねん以上いじょうの法律ほうりつ専門せんもん家か（検察官けんさつかん、弁護士べんごし、簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ、大学だいがく法学部ほうがくぶ教授きょうじゅ、大学だいがく法学部ほうがくぶ准じゅん教授きょうじゅ）経験けいけんを持もつ者ものから登用とうようしなければならない（裁判所さいばんしょ法ほう第だい41条じょう）。

実際じっさいには、最高裁判所さいこうさいばんしょ裁判官さいばんかんは、下級かきゅう裁判所さいばんしょの判事はんじ、弁護士べんごし、検察官けんさつかん、法学ほうがく者しゃ、行政ぎょうせい官かん・外交がいこう官かんからバランスよく就任しゅうにんするよう配慮はいりょされており、前任ぜんにん者しゃと同おなじ出身しゅっしん母体ぼたいから指名しめいされることが多おおい。

任期にんき・定年ていねん

最高裁判所さいこうさいばんしょの裁判官さいばんかんに任期にんきはなく（ただし、10年ねんごとの国民こくみん審査しんさがある）、70歳さいに達たっしたときには退官たいかんする（憲法けんぽう79条じょう5項こう、裁判所さいばんしょ法ほう50条じょう）。過去かこ最長さいちょうの記録きろくは、入江いりえ俊郎としおの18年ねん4か月げつである。

下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかん

種類しゅるい

高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん

高等こうとう裁判所さいばんしょの長ちょうたる裁判官さいばんかんである（裁判所さいばんしょ法ほう5条じょう2項こう）。任命にんめい資格しかくは次項じこうの判事はんじと同様どうようである（同どう法ほう42条じょう）。

判事はんじ

高等こうとう裁判所さいばんしょ・地方裁判所ちほうさいばんしょ・家庭かてい裁判所さいばんしょに配置はいちされる裁判官さいばんかんである。

判事はんじは、判事はんじ補ほ・簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ・検察官けんさつかん・弁護士べんごし・裁判所さいばんしょ調査官ちょうさかん・司法研修所しほうけんしゅうしょ教官きょうかん・裁判所さいばんしょ職員しょくいん総合そうごう研修けんしゅう所しょ教官きょうかん・大学だいがくの法律ほうりつ学がくの教授きょうじゅ若もしくは准じゅん教授きょうじゅの職しょくにあって通算つうさん10年ねん以上いじょうの者ものの中なかから任命にんめいされる（裁判所さいばんしょ法ほう42条じょう）。

なお、地方裁判所ちほうさいばんしょ・家庭かてい裁判所さいばんしょの所長しょちょうは、独立どくりつした官かんではなく、判事はんじの中なかから補ほされる職しょくである（地方裁判所ちほうさいばんしょ長ちょうおよび家庭かてい裁判所さいばんしょ長ちょうについては、裁判所さいばんしょ法ほう29条じょう1項こうおよび31条じょうの5により、最高裁判所さいこうさいばんしょが命めいずる）。

判事はんじ補ほ

地方裁判所ちほうさいばんしょ・家庭かてい裁判所さいばんしょに配置はいちされる裁判官さいばんかんである。（少数しょうすうではあるが、特例とくれい判事はんじ補ほが地方裁判所ちほうさいばんしょ判事はんじ補ほの身分みぶんのまま高等こうとう裁判所さいばんしょ判事はんじ職務しょくむ代行だいこうを命めいぜられる事例じれいもある。）

判事はんじ補ほは、司法しほう修習しゅうしゅう生せいの修習しゅうしゅうを終おえた者ものの中なかから任命にんめいされる（裁判所さいばんしょ法ほう43条じょう）。

判事はんじと異ことなり、原則げんそくとして1人ひとりで裁判さいばんをすることができず、また、同時どうじに2人ふたり以上いじょう合議ごうぎ体たいに加くわわることができず、裁判さいばん長ちょうになることもできないという職権しょっけんの制限せいげんがある（裁判所さいばんしょ法ほう27条じょう、31条じょうの5）。

ただし、判事はんじ補ほで、判事はんじ補ほ等とうの職しょくに5年ねん以上いじょうある者もののうち、最高さいこう裁判所さいばんしょの指名しめいする者ものは、いわゆる「特例とくれい判事はんじ補ほ」として、判事はんじと同等どうとうの権限けんげんを有ゆうするものとされる（判事はんじ補ほの職権しょっけんの特例とくれい等とうに関かんする法律ほうりつ1条じょう）。

簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ

簡易かんい裁判所さいばんしょに配置はいちされる裁判官さいばんかんである。

（1）高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん若もしくは判事はんじの職しょくにあった者もの、（2）判事はんじ補ほ・検察官けんさつかん・弁護士べんごし・裁判所さいばんしょ調査官ちょうさかん・裁判所さいばんしょ事務じむ官かん・司法研修所しほうけんしゅうしょ教官きょうかん・裁判所さいばんしょ職員しょくいん総合そうごう研修けんしゅう所しょ教官きょうかん・法務ほうむ事務じむ官かん・法務ほうむ教官きょうかん・大学だいがくの法律ほうりつ学がくの教授きょうじゅ若もしくは准じゅん教授きょうじゅの職しょくにあって通算つうさん3年ねん以上いじょうの者ものの中なかから任命にんめいされるほか（裁判所さいばんしょ法ほう44条じょう）、多年たねん司法しほう事務じむにたずさわり、その他た簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじの職務しょくむに必要ひつような学識がくしき経験けいけんのある者ものは、簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ選考せんこう委員いいん会かいの選考せんこうを経へて、簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじに任命にんめいされることができる（同どう法ほう45条じょう）。

任命にんめい

下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは、最高裁判所さいこうさいばんしょの指名しめいした者ものの名簿めいぼによって内閣ないかくが任命にんめいする（憲法けんぽう80条じょう1項こう、裁判所さいばんしょ法ほう40条じょう1項こう）。

このうち、高等こうとう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんは任免にんめんに天皇てんのうの認証にんしょうを受うける認証官にんしょうかんである（裁判所さいばんしょ法ほう40条じょう2項こう）。

2003年ねんから、法曹ほうそう三さん者しゃ6名めい・学識がくしき経験けいけん者しゃ5名めいから成なる下級かきゅう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん指名しめい諮問しもん委員いいん会かいが、最高裁判所さいこうさいばんしょの諮問しもんを受うけて答申とうしん・報告ほうこくを行おこなう制度せいどが導入どうにゅうされている。

任期にんき・定年ていねん

下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんの任期にんきは10年ねんであり、任期にんき満了まんりょう後ごに再任さいにんされることができる（憲法けんぽう80条じょう1項こう、裁判所さいばんしょ法ほう40条じょう3項こう）。現在げんざい、ほとんどの裁判官さいばんかんが再任さいにんされている。

定年ていねんは、高等こうとう裁判所さいばんしょ・地方裁判所ちほうさいばんしょ・家庭かてい裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは65歳さい、簡易かんい裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは70歳さいであり、定年ていねんに達たっした時ときには退官たいかんする（憲法けんぽう80条じょう1項こう但書ただしがき、裁判所さいばんしょ法ほう50条じょう）。

日本にっぽんの裁判官さいばんかんの人事じんじ

人数にんずう

裁判所さいばんしょ構成こうせい法ほう時代じだいの裁判官さいばんかんは、1890年ねん（明治めいじ23年ねん）の時点じてんでは1,531人にんであった。

裁判所さいばんしょ法ほう施行しこう後ごの定員ていいんは、1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）の時点じてんで高裁こうさい長官ちょうかん8人にん、判事はんじ814人にん、判事はんじ補ほ250人にん、簡裁かんさい判事はんじ645人にん（最高裁さいこうさいの裁判官さいばんかん15人にんを合あわせて1,731人にん）であったが、その後ご漸増ぜんぞうしている。

2013年ねん（平成へいせい25年ねん）5月がつ16日にち現在げんざいの定員ていいんは、高裁こうさい長官ちょうかん8人にん、判事はんじ1,889人にん、判事はんじ補ほ1,000人にん、簡裁かんさい判事はんじ806人にんである（裁判所さいばんしょ職員しょくいん定員ていいん法ほう1条じょう）。最高裁判所さいこうさいばんしょ裁判官さいばんかん15人にんを含ふくめ、3,718人にん。

2018年ねん現在げんざい、最高さいこう裁判所さいばんしょを含ふくむ全国ぜんこく598か所しょの裁判所さいばんしょ（簡易かんい裁判所さいばんしょを除のぞく）に3060人にんの裁判官さいばんかんが配置はいちされている。しかしそのうち約やく150人にんは「裁判さいばんをしない裁判官さいばんかん（最高さいこう裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょくで司法しほう行政ぎょうせいに携たずさわる裁判官さいばんかん）」であり、実質じっしつ約やく2910人にんであらゆる事件じけんを審理しんりし判断はんだんを下くだしている。

後述こうじゅつの通とおり日本にっぽんの裁判官さいばんかんの人数にんずうは極度きょくどに不足ふそくしており、現在げんざいの裁判官さいばんかんの定員ていいんは本来ほんらいの必要ひつよう数すうの約やく半数はんすうに過すぎないとする意見いけんも上あがっている。

報酬ほうしゅう

裁判官さいばんかん報酬ほうしゅう（月額げつがく）
（等級とうきゅう）	（円えん）
最高裁さいこうさい長官ちょうかん	2,010,000
最高裁さいこうさい判事はんじ	1,466,000
東京とうきょう高裁こうさい長官ちょうかん	1,406,000
他たの高裁こうさい長官ちょうかん	1,302,000
判事はんじ1号ごう	1,175,000
同どう2号ごう	1,035,000
同どう3号ごう	965,000
同どう4号ごう	818,000
同どう5号ごう	706,000
同どう6号ごう	634,000
同どう7号ごう	574,000
同どう8号ごう	516,000
判事はんじ補ほ1号ごう	421,500
同どう2号ごう	387,800
同どう3号ごう	364,900
同どう4号ごう	341,600
同どう5号ごう	319,800
同どう6号ごう	304,700
同どう7号ごう	287,500
同どう8号ごう	277,300
同どう9号ごう	255,100
同どう10号ごう	246,200
同どう11号ごう	239,400
同どう12号ごう	233,400
簡裁かんさい判事はんじ1号ごう	818,000
同どう2号ごう	706,000
同どう3号ごう	634,000
同どう4号ごう	574,000
同どう5号ごう	438,500
同どう6号ごう	421,500
同どう7号ごう	387,800
同どう8号ごう	364,900
同どう9号ごう	341,600
同どう10号ごう	319,800
同どう11号ごう	304,700
同どう12号ごう	287,500
同どう13号ごう	277,300
同どう14号ごう	255,100
同どう15号ごう	246,200
同どう16号ごう	239,400
同どう17号ごう	233,400

かつて公務員こうむいんの中なかで最もっとも低ひくい部類ぶるいに属ぞくしていたが、山口やまぐち良忠よしただ判事はんじの死亡しぼうを背景はいけいに戦後せんごに引ひきあがった。 裁判官さいばんかんの給与きゅうよは在任ざいにん中ちゅう減額げんがくすることができないとされている（憲法けんぽう80条じょう2項こう）。

ただし最高裁判所さいこうさいばんしょは、2002年ねん9月がつ4日にち、裁判官さいばんかん会議かいぎを経へて、国家こっか公務員こうむいんの月給げっきゅう部分ぶぶん引ひき下さげを求もとめた人事院じんじいん勧告かんこくに伴ともない、裁判官さいばんかんの月給げっきゅうについても初はじめて減額げんがくを容認ようにんすることを決定けっていした。この裁判官さいばんかん給与きゅうよ減額げんがくについては、憲法けんぽう80条じょう2項こうに反はんし違憲いけんではないかとの学説がくせつもあったが、裁判官さいばんかん会議かいぎでは、国家こっか財政ざいせい上じょうの理由りゆうなどで、やむを得えず立法りっぽう、行政ぎょうせいの公務員こうむいんも減額げんがくされる場合ばあい、全ぜん裁判官さいばんかんに適用てきようされる報酬ほうしゅうの減額げんがくは身分みぶん保障ほしょうなどの侵害しんがいに当あたらず許ゆるされるなどとされた。さらに、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの震災しんさい復興ふっこうの原資げんしにするとして、2012年ねん2月がつ29日にち成立せいりつした裁判官さいばんかんの報酬ほうしゅう等とうに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつにより、2012年度ねんどから2年間ねんかん、裁判官さいばんかん給与きゅうよが減額げんがくされることとなった。

なお、裁判官さいばんかんの給与きゅうよは、最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそくである「裁判官さいばんかんの報酬ほうしゅう以外いがいの給与きゅうよに関かんする規則きそく」に基もとづいての初任しょにん給きゅう調整ちょうせい手当てあて等ひとしの適用てきよう対象たいしょうとなる。

キャリア・システム

日本にっぽんの下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは旧きゅう司法しほう試験しけんに合格ごうかくした者ものか、もしくは法科ほうか大学院だいがくいん課程かていを修了しゅうりょうし新しん司法しほう試験しけんに合格ごうかくした者もので、司法研修所しほうけんしゅうしょにおける司法しほう修習しゅうしゅうを終おえ法曹ほうそう資格しかくを得えた者ものの中なかから、最高裁判所さいこうさいばんしょの下級かきゅう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん指名しめい諮問しもん委員いいん会かいの審理しんりを経へて、判事はんじ補ほとして任命にんめいされる者ものが多おおい。日本にっぽんの憲法けんぽう上じょう、下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは10年ねんの任期にんき制せいになっており、初はじめの10年ねんは、3名めいの合議ごうぎ体たいの中なかで判事はんじ補ほとして実務じつむ経験けいけんを経へて、再任さいにん時じに判事はんじとなる。また、最高裁判所さいこうさいばんしょは、各部かくぶに所属しょぞくする裁判官さいばんかんのうち1人にんを「部ぶの事務じむを総括そうかつする裁判官さいばんかん」（部ぶ総括そうかつ判事はんじ）に指名しめいする（下級かきゅう裁判所さいばんしょ事務じむ処理しょり規則きそく4条じょう）。

この点てん、アメリカなどで行おこなわれている法曹ほうそう一いち元げん制せいとは異ことなるが、裁判所さいばんしょと検察庁けんさつちょうでは判はん検けん交流こうりゅうと呼よばれる人事じんじ交流こうりゅう制度せいどがあり、裁判官さいばんかんから検察官けんさつかんになる者ものがいる。また、弁護士べんごし任官にんかん制度せいどが導入どうにゅうされており、数かずは少すくないが弁護士べんごしから裁判官さいばんかんになる者ものもいる。逆ぎゃくに、裁判官さいばんかんを辞やめて弁護士べんごしになる者ものも少すくなくないが、これらの元もと裁判官さいばんかん弁護士べんごしは、俗ぞくに「ヤメ判ばん」弁護士べんごしと呼よばれる。

分限ぶげん制度せいど

最高裁判所さいこうさいばんしょは、国家こっか公務員こうむいん倫理りんり法ほう、最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそく等ひとしに基もとづき裁判所さいばんしょ職員しょくいん倫理りんり審査しんさ会かいを設置せっちしてはいるものの、裁判官さいばんかんの職権しょっけん行使こうしの独立どくりつを保障ほしょうし、裁判官さいばんかんが行政ぎょうせい府ふの圧力あつりょくから独立どくりつして裁判さいばんを行おこなえるよう強固きょうこな身分みぶん保障ほしょうが行おこなわれていたが、裁判所さいばんしょ法ほう、裁判官さいばんかん分限ぶげん法ほうに加くわえ、2014年ねんの裁判所さいばんしょ職員しょくいん臨時りんじ措置そち法ほうの施行しこうによる国家こっか公務員こうむいん法ほう、国家こっか公務員こうむいん倫理りんり法ほうの一定いっていの条文じょうぶんの適用てきようにより、裁判所さいばんしょの職員しょくいんに対たいする規制きせいは強化きょうかされることとなった。

ただし1947年ねんに日本国にっぽんこく憲法けんぽうが制定せいていされてからは裁判官さいばんかんに対たいする減給げんきゅう処分しょぶんが不可能ふかのうである状態じょうたいが継続けいぞくしており、国外こくがいからも批判ひはんがある。

憲法けんぽう上じょうは、免官めんかんされる場合ばあいは以下いかの場合ばあいに限かぎられる。

分限ぶげん裁判さいばん

分限ぶげん裁判さいばん（憲法けんぽう78条じょう前段ぜんだん、裁判官さいばんかん分限ぶげん法ほう1条じょう）により、心身しんしんの故障こしょうのために職務しょくむを執とることができないと決定けっていされた場合ばあいには、免官めんかんされる。

なお、憲法けんぽう82条じょうは、裁判さいばんの対審たいしん及および判決はんけつは公開こうかい法廷ほうていで行おこなうこと、裁判官さいばんかんの全員ぜんいん一致いっちで公おおやけの秩序ちつじょ又または善良ぜんりょうの風俗ふうぞくを害がいするおそれがあると決けっした場合ばあいには対審たいしんは公開こうかいしないで行おこなうことができること、政治せいじ犯罪はんざい、出版しゅっぱんに関かんする犯罪はんざい又またはこの憲法けんぽう第だい3章しょうで保障ほしょうする国民こくみんの権利けんりが問題もんだいとなっている事件じけんの対審たいしんは、常つねにこれを公開こうかいしなければならないことを定さだめているが、1998年ねんに最高裁判所さいこうさいばんしょ大だい法廷ほうていは、裁判官さいばんかんの分限ぶげん裁判さいばんを非公開ひこうかいの手続てつづきで行おこなうことは憲法けんぽう82条じょう1項こうに違反いはんしないと判決はんけつし、これを判例はんれいとして分限ぶげん裁判さいばんも非公開ひこうかい裁判さいばんとしている。

分限ぶげん免官めんかんの例れいとしては1958年ねんに長期ちょうき療養りょうようを理由りゆうにした神戸こうべ家裁かさい判事はんじ補おぎなえ、1986年ねんの交際こうさい中ちゅうの女性じょせいとともに行方ゆくえ不明ふめいになった大阪おおさか地裁ちさい判事はんじの2例れいがある。

公おおやけの弾劾だんがい

（1）職務しょくむ上じょうの義務ぎむに著いちじるしく違反いはんし、又または職務しょくむを甚はなはだしく怠おこたったとき、（2）その他た職務しょくむの内外ないがいを問とわず、裁判官さいばんかんとしての威信いしんを著いちじるしく失うしなうべき非行ひこうがあったときは、国会こっかい裁判官さいばんかん訴追そつい委員いいん会かいによる訴追そつい請求せいきゅう及および裁判官さいばんかん弾劾だんがい裁判所さいばんしょの弾劾だんがいにより罷免ひめんとなる（憲法けんぽう78条じょう前段ぜんだん、裁判官さいばんかん弾劾だんがい法ほう2条じょう）。

欠格けっかく

裁判所さいばんしょ法ほう第だい46条じょうにより、以下いかに該当がいとうする場合ばあいは裁判官さいばんかんになれない。

1. 他たの法律ほうりつの定さだめるところにより一般いっぱんの官吏かんりに任命にんめいされることができない者もの
2. 禁錮きんこ以上いじょうの刑けいに処しょせられた者もの
3. 弾劾だんがい裁判所さいばんしょの罷免ひめんの裁判さいばんを受うけた者もの

日本にっぽんの裁判官さいばんかんのチェックシステム

裁判官さいばんかんの自由じゆう心証しんしょう主義しゅぎ（民事みんじ訴訟そしょう法ほう第だい247条じょう、刑事けいじ訴訟そしょう法ほう第だい318条じょう）は、訴訟そしょう法ほう上うえの概念がいねんで、事実じじつ認定にんてい・証拠しょうこ評価ひょうかについて、裁判官さいばんかんの曖昧あいまいで自由じゆうな判断はんだん・裁量さいりょう権けんに委ゆだねることをいい、また裁判所さいばんしょ法ほう3条じょうは、裁判所さいばんしょは日本国にっぽんこく憲法けんぽうに特別とくべつの定さだめのある場合ばあいを除のぞき一切いっさいの法律ほうりつ上じょうの争訟そうしょうを裁判さいばんし、その他た法律ほうりつにおいて特とくに定さだめる権限けんげんを有ゆうすることを定さだめており、裁判官さいばんかんは一文いちぶんのみで法律ほうりつ、憲法けんぽうを解釈かいしゃくし規定きていする権限けんげんを与あたえられている。

一方いっぽう、司法しほう汚職おしょくの監視かんし機関きかんの乏とぼしい日本にっぽんにおいては、裁判官さいばんかんが誤判ごはん、道義どうぎ違反いはん、違法いほう裁判さいばん、違法いほう判決はんけつ等ひとしをしたときや、その判決はんけつが最高さいこう裁判所さいばんしょ判例はんれい委員いいん会かいの審査しんさを経へて判例はんれいとなったときの対処たいしょ法ほうがほとんどない。

また行政ぎょうせい機関きかんは裁判官さいばんかんを懲戒ちょうかいすることはできない（憲法けんぽう78条じょう後段こうだん）。

弾劾だんがい制度せいど

憲法けんぽう64条じょう1項こう、国会こっかい法ほう125条じょう以下いか、及および裁判官さいばんかん弾劾だんがい法ほうは、裁判官さいばんかんの罷免ひめんの訴追そついを行おこなうのは、国会こっかいの両りょう議院ぎいんの議員ぎいんで組織そしきされる裁判官さいばんかん訴追そつい委員いいん会かいであり、訴追そついを受うけた裁判官さいばんかんを裁判さいばんするのは、同おなじく両りょう議院ぎいんの議員ぎいんで組織そしきされる裁判官さいばんかん弾劾だんがい裁判所さいばんしょとしている。

弾劾だんがい裁判さいばんの審理しんりは公開こうかいされている。1948年ねんから2024年ねんまでの間あいだに、10例れいの弾劾だんがい裁判さいばんが行おこなわれている。

最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん国民こくみん審査しんさ

最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんは、任命にんめい後ご初はじめて行おこなわれる衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょの際さいに最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん国民こくみん審査しんさを受うけ、その後ご10年ねん毎ごとに国民こくみん審査しんさを受うける（憲法けんぽう79条じょう2項こう）。 投票とうひょう者しゃの多数たすうが罷免ひめんを可かとした場合ばあいは、その裁判官さいばんかんは罷免ひめんされる（同どう条じょう3項こう、最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん国民こくみん審査しんさ法ほう）。過去かこの国民こくみん審査しんさでは罷免ひめんを可かとする投票とうひょうの割合わりあいは平均へいきん6〜8%前後ぜんごであり、現在げんざいまで国民こくみん審査しんさにより罷免ひめんされた裁判官さいばんかんはいない。

裁判官さいばんかん忌避きひ制度せいど

民事みんじ訴訟そしょう法ほう、刑事けいじ訴訟そしょう法ほう、行政ぎょうせい事件じけん訴訟そしょう法ほう、家事かじ事件じけん手続てつづき法ほう、非ひ訟事件じけん手続てつづき法ほう等ひとしが裁判官さいばんかんの忌避きひ制度せいどを定さだめており、裁判さいばんの当事とうじ者しゃは、裁判官さいばんかんに対たいし忌避きひの申立もうしたてを行おこなうことができる。忌避きひが認みとめられることはほとんどない。

報道ほうどう

日本にっぽんの裁判官さいばんかんは詳くわしい経歴けいれきや担当たんとう事件じけんが報道ほうどうされることが少すくなくマスコミからのチェックを受うけていないといわれている。理由りゆうとして、「世よの中なかを変かえるような判決はんけつを書かく裁判官さいばんかんがいない」「驚おどろきがないから裁判官さいばんかんモノへの読者どくしゃニーズがない」などがあげられている。また最高さいこう裁判所さいばんしょ判事はんじの報道ほうどうも少すくないことも国民こくみん審査しんさの形骸けいがい化かにつながっているといわれている。 裁判さいばん事件じけんの多おおい東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょの建物たてもの内ないには司法しほう記者きしゃクラブが置おかれているが、裁判さいばんに関かんする記者きしゃ会見かいけんを行おこなうには申込もうしこみが必要ひつようであり、開催かいさいもまれである。

一方いっぽう、アメリカでは司法しほうに対たいする国民こくみんの関心かんしんが極きわめて高たかいため、裁判官さいばんかんの詳くわしい経歴けいれきや担当たんとう事件じけんがよく報道ほうどうされ、最高裁さいこうさい判事はんじの人事じんじは扱あつかいが非常ひじょうに大おおきい。

日本にっぽんの裁判官さいばんかんの現状げんじょう

裁判官さいばんかんは建前たてまえ上じょう、独立どくりつして（ここでいう独立どくりつとは、人事じんじを支配しはいしている最高さいこう裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょく、あるいは最高さいこう裁判所さいばんしょ、高等こうとう裁判所さいばんしょ、同僚どうりょう、直接ちょくせつの上司じょうし等とうからのしがらみ、そして行政ぎょうせいなどのあらゆる権力けんりょくから全すべて独立どくりつしているという意味いみである）、裁判さいばんを行おこなうことが憲法けんぽうに定さだめられているものの、下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんについての人事じんじ権けんは最高裁判所さいこうさいばんしょが握にぎっており、最高さいこう裁判所さいばんしょの意向いこうに反はんする判決はんけつを出だすとその裁判官さいばんかんは最高さいこう裁判所さいばんしょから差別さべつ的てき処遇しょぐう（昇進しょうしん拒否きょひ・左遷させんなど）を受うける問題もんだいなどは、米国べいこくの法学ほうがく界かいからも指摘してきされている。

そのことから、日本にっぽんの裁判所さいばんしょの司法しほう行政ぎょうせいは、人事じんじ面めんで冷遇れいぐうされることを恐おそれて常つねに最高さいこう裁判所さいばんしょの意向いこうをうかがいながら権力けんりょく者しゃに都合つごうのよい判決はんけつばかりを書かく裁判官さいばんかん（通称つうしょう：ヒラメ裁判官さいばんかん）が大量たいりょうに生うみ出だされる原因げんいんになっていると批判ひはんされている。

また、憲法けんぽう80条じょう1項こうでは、下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんの候補者こうほしゃを指名しめいする権限けんげんは最高裁判所さいこうさいばんしょにあると定さだめられており、裁判官さいばんかんの道みちを希望きぼうする司法しほう修習しゅうしゅう生せいたちの中なかでも最高さいこう裁判所さいばんしょの意向いこうにそぐわないと判断はんだんされた者ものは裁判官さいばんかんへの任官にんかんを一方いっぽう的てきに拒否きょひされるという問題もんだいも指摘してきされている。また、裁判官さいばんかんは任期にんきが10年ねんであり再任さいにんが原則げんそくであるが、宮本みやもと康昭やすあき（宮本みやもと判事はんじ補ほ再任さいにん拒否きょひ事件じけん）や井上いのうえ薫かおるなど、再任さいにんが拒否きょひされた事例じれいもある。

2011年度ねんどまで刑事けいじ部門ぶもんの判はん検けん交流こうりゅうが行おこなわれていたために裁判所さいばんしょと検察庁けんさつちょうの癒着ゆちゃくが進すすめられ、冤罪えんざい判決はんけつを作つくり出だす原因げんいんの1つになっていると指摘してきする意見いけんもある。また、裁判官さいばんかん（24年間ねんかん）と弁護士べんごし両方りょうほうの経験けいけんがある秋山あきやま賢三けんぞうによれば、日本にっぽんの刑事けいじ司法しほうの最大さいだいの問題もんだい点てんは、起訴きそ事実じじつについて「合理ごうり的てきな疑うたがいを超こえる程度ていどの証明しょうめい」を必要ひつようとする原則げんそくが守まもられておらず、冤罪えんざいの温床おんしょうになっており、自みずからの能力のうりょくに自信じしんのあるエリート裁判官さいばんかんほどその危険きけん性せいが高たかいと主張しゅちょうしている。

最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんの人事じんじ権けんは、憲法けんぽう上じょうは内閣ないかくが握にぎっている。

職業しょくぎょう裁判官さいばんかん

キャリア裁判官さいばんかん（職業しょくぎょう裁判官さいばんかん）はさまざまな立場たちばを実体験じつたいけんとして経験けいけんする人生じんせい経験けいけんに乏とぼしいことから、そのような裁判官さいばんかんの下くだす判決はんけつは世間せけん一般いっぱんの常識じょうしきと乖離かいりしていると批判ひはんされたり、「裁判官さいばんかんは世間せけん知しらず」と揶揄やゆされたりしている《ことに性せい犯罪はんざいに関かんしては、市民しみん感覚かんかくを逸脱いつだつするかのような判決はんけつ例れいが散見さんけんされ、国会こっかいに於おいても問題もんだいとして採とり上あげられている》。また、弁護士べんごし側がわからも、直接ちょくせつ当事とうじ者しゃと接せっする機会きかいがなく、他人たにんからの批判ひはんを受うける機会きかいに乏とぼしい裁判官さいばんかんは「世間せけん知しらず」と指摘してきする意見いけんがある。これに対たいして、裁判官さいばんかん側がわからは、多種たしゅ多様たような事件じけんを扱あつかうことや、地方ちほう勤務きんむによって弁護士べんごしとは質的しつてきに異ことなる経験けいけんを積つむことができるなどとする反論はんろんもある。

報道ほうどうの影響えいきょう

市民しみん感情かんじょうや報道ほうどうに影響えいきょうされず自由じゆう心証しんしょう主義しゅぎにより判決はんけつをい渡いわたすのが裁判官さいばんかんのあるべき姿すがただが、実際じっさいには報道ほうどうの影響えいきょうを強つよく受うけているといわれている。例たとえば、公判こうはんが終おわると自分じぶんが関かかわっている裁判さいばんのテレビニュースを熱心ねっしんにみる裁判官さいばんかんがいると言いわれている。

「裁判官さいばんかんは弁明べんめいせず」

裁判官さいばんかんには判決はんけつに書かかれていることが全すべてであるという「裁判官さいばんかんは弁明べんめいせず」という考かんがえ方かたがある。後刻ごこく、記者きしゃ会見かいけんに応おうじたり、メディアの取材しゅざいに応おうじたり、自著じちょで説明せつめい・釈明しゃくめいをしたりすることはほとんどない。現在げんざいではせいぜい、最高裁さいこうさい長官ちょうかんが就任しゅうにん・退任たいにん時じや、原則げんそくとして年とし1回かい、憲法記念日けんぽうきねんびを前まえに会見かいけんして司法しほうの課題かだいなどについて語かたったり、最高裁さいこうさい判事はんじや高裁こうさい長官ちょうかんや地裁ちさい所長しょちょうが就任しゅうにん時じに抱負ほうふを語かたったりするくらいであり、審理しんり終了しゅうりょう後ごに審理しんりした個別こべつ事件じけんへの具体ぐたい的てき言及げんきゅうをすることはほとんどない。ある元もと裁判官さいばんかんは、個別こべつ事件じけんへのコメントは判決はんけつ理由りゆうを後ごから変更へんこうするのに等ひとしく、い訳いわけに過すぎないと取とられると述のべている。このような姿勢しせいが、司法しほうが国民こくみんから遠とおい存在そんざいといわれてしまう要因よういんではないかという指摘してきもある。

労働ろうどう環境かんきょう

労働ろうどう環境かんきょうは極きわめて悪わるい。裁判官さいばんかんは1人ひとり当あたり200-300件けんの裁判さいばんを抱かかえることもあり、常つねに仕事しごとに追おわれている。そのため、1件けん当あたりに割さく時間じかんもどうしても少すくなくなってしまい、判決はんけつの内容ないようも杜撰ずさんになる傾向けいこうがある。鬱うつや自殺じさつ者しゃも増ふえているという。その最大さいだいの原因げんいんは、日本にっぽんでは裁判官さいばんかんの定員ていいんが極端きょくたんに少すくなく制限せいげんされている点てんにあるとされる。日本にっぽん裁判官さいばんかんネットワークでは、日本にっぽんの裁判所さいばんしょを正常せいじょうに機能きのうさせるには少すくなくとも7,000人にんの裁判官さいばんかんが必要ひつようであるとしているが、前述ぜんじゅつの通とおり現在げんざいの日本にっぽんの裁判官さいばんかんの定員ていいんはその約やく半数はんすうに過すぎない。

日本にっぽんの裁判官さいばんかんのシンボル

シンボルは篆書てんしょ体たいの「裁たっ」の文字もじを中央ちゅうおうに配はいした八はち咫鏡であり、八はち咫鏡は真実しんじつをくもりなく映うつし出だすので裁判さいばんの公正こうせいを表あらわす。検察官けんさつかんの徽章きしょうと検察けんさつ事務じむ官かんの徽章きしょうは異ことなるが、裁判所さいばんしょの職員しょくいんは皆みなこのシンボルを象かたどった徽章きしょうを使用しようしている（裁判官さいばんかんが金きんメッキを用もちいるなど、細部さいぶが裁判官さいばんかんとその他たの職員しょくいんとで異ことなる）。

1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）、最高裁判所さいこうさいばんしょは裁判官さいばんかんの制服せいふくに関かんする規則きそく（最高さいこう裁判所さいばんしょ規則きそく）を設置せっちし、裁判官さいばんかんは黒くろい制服せいふく（法服ほうふく）を着用ちゃくようすることとなった。これは「黒くろはどんな色いろにも染そまらない」≒「どんな意見いけんや圧力あつりょくにも左右さゆうされない」という意味いみがある。女性じょせい用ようの法服ほうふくにはリボンを付つけることができる。

裁判官さいばんかんを題材だいざいにした作品さくひん

• 家いえ栽の人ひと - 家庭かてい裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんが主役しゅやくの青年せいねん漫画まんが。
• それでもボクはやってない - 痴漢ちかん冤罪えんざいを通とおして日本にっぽんの刑事けいじ裁判さいばんを描えがいた映画えいがであるが、裁判さいばんの進行しんこうがリアルに描えがかれ、二人ふたりの正せい反対はんたいのタイプの裁判官さいばんかんが登場とうじょうする。
• ジャッジ 〜島しまの裁判官さいばんかん奮闘ふんとう記き〜 - 小ちいさな島しまの地ち家裁かさい支部しぶ長ちょうとなった裁判官さいばんかんを主役しゅやくとするテレビドラマ。
• BOX 袴田はかまだ事件じけん 命いのちとは - 無実むじつを確信かくしんした裁判官さいばんかんが、推定すいてい無罪むざいの原則げんそくからも無罪むざいを出だそうとするが、合議ごうぎ制せいがそれを邪魔じゃまして結局けっきょく死刑しけいを判決はんけつしてしまう。そんな裁判官さいばんかんの苦悩くのうを描えがいた実話じつわ映画えいが。
• イチケイのカラス - 特例とくれい判事はんじ補ほである刑事けいじ裁判官さいばんかんが主人公しゅじんこうの漫画まんが。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの裁判官さいばんかん

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは裁判官さいばんかんの俸給ほうきゅうの中央ちゅうおう値ちは年収ねんしゅう101,690ドルであり、連邦れんぽう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは年収ねんしゅう208,000ドルから267,000ドルまでであり、職業しょくぎょう的てきな裁判官さいばんかんは往々おうおうにして高給こうきゅうを享受きょうじゅする。

制度せいど

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの裁判さいばん制度せいどは、大おおきく、連邦れんぽう裁判所さいばんしょと州しゅう裁判所さいばんしょに分わけることができ、それぞれ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽうおよび各州かくしゅうの憲法けんぽうをそれぞれ中心ちゅうしんとする法ほう制度せいどにより規律きりつされている。各かく裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんとなる要件ようけんはそれぞれまちまちであるが、一般いっぱんに、裁判官さいばんかんは、原則げんそくとして、選挙せんきょないしは特定とくていの地位ちいにある者ものによる任命にんめいに基もとづいて選任せんにんされる。弁護士べんごしなどの法曹ほうそう資格しかくを有ゆうしている者ものが選出せんしゅつされることが多おおいが、一般いっぱんには必かならずしも法曹ほうそう資格しかくは要件ようけんとされていない。

また、行政ぎょうせい聴聞ちょうもん手続てつづきを担当たんとうする者ものとして、連邦れんぽうおよび各州かくしゅうの双方そうほうにおいて、行政ぎょうせい法ほう審判官しんぱんかん（Administrative Law Judge）の職しょくが設もうけられており、行政ぎょうせい機関きかんの決定けっていに対たいする不服ふふくの審査しんさなどを担当たんとうしている。

連邦れんぽう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん

連邦れんぽう裁判所さいばんしょには、一般いっぱん的てきな司法しほう裁判所さいばんしょである連邦れんぽう地方ちほう・控訴こうそ・最高さいこうの各かく裁判所さいばんしょがあるほか、特別とくべつな事物じぶつ管轄かんかつを有ゆうする裁判所さいばんしょとして、連邦れんぽう倒産とうさん・租税そぜい・国際こくさい通商つうしょう・巡回じゅんかい控訴こうそ・請求せいきゅう・軍事ぐんじ控訴こうその各かく裁判所さいばんしょがある。このうち、連邦れんぽう倒産とうさん・租税そぜい・請求せいきゅう裁判所さいばんしょを除のぞく各かく連邦れんぽう裁判所さいばんしょについては、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう第だい3条じょうの規定きていに服ふくすることから、その任命にんめいはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょうによってなされ、任期にんきは原則げんそくとして終身しゅうしんとされており、連邦れんぽう議会ぎかいによる弾劾だんがいの手続てつづきで認みとめられなければ解職かいしょくされない。連邦れんぽう倒産とうさん・租税そぜい・請求せいきゅう・軍事ぐんじ控訴こうその各かく裁判所さいばんしょについてはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく議会ぎかいの立法りっぽう権けんの行使こうしにより設立せつりつされた裁判所さいばんしょとして理解りかいされており、その裁判官さいばんかんについては、それぞれの立法りっぽうにより、選出せんしゅつ方法ほうほう・任期にんきが定さだめられている。

連邦れんぽう裁判所さいばんしょの頂点ちょうてんに立たつ連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは、長ちょうである最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん1名めいと陪席ばいせき裁判官さいばんかん8名めいのあわせて9名めいを定員ていいんとする。連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょの判事はんじとなるために必要ひつような資格しかくは特とくに定さだめられておらず、法曹ほうそう資格しかくを持もたない者ものであっても構かまわない。ただし、現在げんざいまでのところ、法曹ほうそう資格しかくを持もたない者ものが任命にんめいされた例れいはない。また、連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょの判事はんじの候補者こうほしゃは上院じょういんによる厳格げんかくな審査しんさを受うけ、少すくなくとも上院じょういん全体ぜんたいの過半数かはんすうの承認しょうにんを得えられなければ、実際じっさいに判事はんじとして任命にんめいされることはない。

一般いっぱん的てきな司法しほう裁判所さいばんしょとしての連邦れんぽう下級かきゅう裁判所さいばんしょは12の連邦れんぽう控訴こうそ裁判所さいばんしょ（このほかに巡回じゅんかい控訴こうそ裁判所さいばんしょがある）と94の連邦れんぽう地方裁判所ちほうさいばんしょがあり、各かく下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかん定員ていいんは連邦れんぽう議会ぎかいが制定せいていした法律ほうりつにより規定きていされている。

連邦れんぽう租税そぜい裁判所さいばんしょ・連邦れんぽう請求せいきゅう裁判所さいばんしょ・軍事ぐんじ控訴こうそ裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは、他たの連邦れんぽう裁判所さいばんしょ同様どうよう、大統領だいとうりょうが上院じょういんの助言じょげんと同意どういを受うけて任命にんめいするが、任期にんきは15年ねんとされている。また、連邦れんぽう倒産とうさん裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは任期にんき14年ねんで各かく連邦れんぽう控訴こうそ裁判所さいばんしょが任命にんめいする。

州しゅう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの州しゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんの選任せんにん方法ほうほうは、各州かくしゅうの憲法けんぽうにより通常つうじょう規定きていされており、州しゅうごとによって異ことなる。通常つうじょうは特定とくていの年数ねんすうの任期にんきが定さだめられている。選任せんにん方法ほうほうについて大別たいべつすると以下いかのとおりとなる。また、州しゅうの最高さいこう裁判所さいばんしょなどの上位じょうい裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんと、下級かきゅう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんの選任せんにん方法ほうほうに違ちがいを設もうけている場合ばあいがある。

• 政党せいとうが関与かんよする選挙せんきょによる選出せんしゅつ（アラバマ州しゅうなど8州しゅう）
• 政党せいとう色しょくを出ださない選挙せんきょによる選出せんしゅつ（アーカンソー州しゅうなど15州しゅう）
• 州しゅう議会ぎかいによる選出せんしゅつ（コネチカット州しゅうなど5州しゅう）
• 州しゅう知事ちじによる任命にんめい（州しゅう上院じょういんの承認しょうにん等とうを要ようする場合ばあいがある）（デラウェア州しゅうなど8州しゅう）
• 選定せんてい委員いいん会かいが絞しぼった候補こうほ中ちゅうから州しゅう知事ちじが任命にんめいなど（ミズーリ州しゅうなど14州しゅう）

ドイツの裁判官さいばんかん

資格しかく制度せいど

ドイツにおいては、法曹ほうそうとなる資格しかくを得えるためには、大学だいがくで3年ねん半はん以上いじょうの期間きかん、法学ほうがくについて履修りしゅうした上うえで、第だい1次じの国家こっか試験しけんを受験じゅけんし、2年間ねんかんの修習しゅうしゅう生せいを経へて、第だい2次じの国家こっか試験しけんに合格ごうかくする必要ひつようがある。

州しゅう公募こうぼ制度せいど

裁判官さいばんかんは各州かくしゅうの公募こうぼにより採用さいようされている。法曹ほうそう資格しかくの授与じゅよは州しゅうの権限けんげんであるが、いずれかの州しゅうで資格しかくを得えれば、どの州しゅうでも裁判官さいばんかんとなることができる。採用さいよう当初とうしょの3年ねんから5年間ねんかんは試用しよう裁判官さいばんかんとして身分みぶん保障ほしょうが制限せいげんされている。その後ご、ポストに空あきがある場合ばあいには公募こうぼに応おうじることで終身しゅうしん裁判官さいばんかんに任命にんめいされる。

昇進しょうしん試験しけん制度せいど

裁判官さいばんかんも政党せいとうに所属しょぞくないしは政党せいとうを支持しじしていることが珍めずらしくない。州しゅうの地方裁判所ちほうさいばんしょの裁判さいばん長ちょうとなるためには、さらに、別途べっとの能力のうりょく認定にんてい試験しけんをクリアする必要ひつようがある。

装束しょうぞく

詳細しょうさいは「en:Court dress」を参照さんしょう

英国えいこくの服装ふくそうは1635年ねんの裁判官さいばんかん規則きそく（Judges Rules）に定さだめられている。

• かつら (装身具そうしんぐ) - 英国えいこくと英国えいこく植民しょくみん地ちの過去かこを持もつ国くにの裁判所さいばんしょで、法廷ほうてい弁護士べんごしと裁判官さいばんかんが身みに着つける。
• バンド (首くび装備そうび) - 裁判官さいばんかんや弁護士べんごし、学者がくしゃ、聖職せいしょく者しゃが身みに着つける。
• ガベル (槌づち) - 裁判官さいばんかんが持もつ儀礼ぎれい槌づち

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん・資料しりょう

書籍しょせき

• 山形やまがた道どう文ぶん『われ判事はんじの職しょくにあり』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1982年ねん10月がつ。ISBN 978-4163376608。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:83002946。 
• 牧野まきの洋ひろし『官報かんぽう複ふく合体がったい 権力けんりょくと一体化いったいかする新聞しんぶんの大罪だいざい』（第だい1刷さつ）講談社こうだんしゃ、2012年ねん。ISBN 978-4-06-217482-4。 
• 太田おおた勝造かつぞう、松村まつむら良之よしゆき、岡本おかもと浩一こういち 著ちょ「民事みんじ事件じけんにおける裁判官さいばんかんの法律ほうりつ判断はんだんと事案じあん評価ひょうか：「スジ」「スワリ」をてがかりに」、吉野よしの一はじめ、松村まつむら良之よしゆき; 加賀山かがやま茂しげる ほか 編へん『法律ほうりつ人工じんこう知能ちのう』（初版しょはん）創そう生せい社しゃ、東京とうきょう、2000年ねん2月がつ29日にち、40 - 60頁ぺーじ。ISBN 4-7944-4030-8。 
• 岩瀬いわせ達哉たつや『裁判官さいばんかんも人ひとである 良心りょうしんと組織そしきの狭間はざまで』（第だい2版はん）講談社こうだんしゃ、2020年ねん1月がつ31日にち、3頁ぺーじ。ISBN 978-4065187913。 

ウェブサイト

• 牧野まきの洋ひろし (2010年ねん11月18日にち). “村上むらかみファンド、ライブドア事件じけん報道ほうどうを検証けんしょう　日本にっぽんの新聞しんぶんはなぜ「裁判官さいばんかん」を報ほうじないのか”. 現代げんだいビジネス. 講談社こうだんしゃ. 2017年ねん11月5日にち閲覧えつらん。 “全ぜん5頁ぺーじ構成こうせい（→p.2・p.3・p.4・p.5）” ※ 記事きじ全文ぜんぶんは現在げんざいインターネットアーカイブ内うちに残存ざんそん《当該とうがい記事きじは現在げんざい、本文ほんぶん冒頭ぼうとう部分ぶぶんを除のぞいて会員かいいん専用せんよう領域りょういき内ないにあり》
• 牧野まきの洋ひろし (2010年ねん11月25日にち). “あなたは最高裁さいこうさい裁判官さいばんかんの名前なまえを知しっていますか? 最高裁さいこうさい判事はんじの人事じんじ報道ほうどう、日米にちべいで雲泥うんでいの差さ「匿名とくめい」なのは検察官けんさつかんだけではない”. 現代げんだいビジネス. 講談社こうだんしゃ. 2010年ねん11月28日にち閲覧えつらん。 “全ぜん7頁ぺーじ構成こうせい（→P.2、P.3、P.4、P.5、P.6、P.7）” ※ 記事きじ全文ぜんぶんは現在げんざいインターネットアーカイブ内ないに残存ざんそん《当該とうがい記事きじは現在げんざい、本文ほんぶん冒頭ぼうとう部分ぶぶんを除のぞいて会員かいいん専用せんよう領域りょういき内ないにあり》

雑誌ざっし

• 太田おおた勝造かつぞう、松村まつむら良之よしゆき、岡本おかもと浩一こういち「裁判官さいばんかんの判断はんだんにおけるスジとスワリ（１）」『判例はんれいタイムズ』第だい911号ごう、1996年ねん、86 - 89頁ぺーじ。 

関連かんれん項目こうもく

• 裁判官さいばんかん (国際司法裁判所こくさいしほうさいばんしょ)
• 裁判官さいばんかんの種類しゅるい
  • 最高さいこう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん
  • 判事はんじ、判事はんじ補ほ、簡易かんい裁判所さいばんしょ判事はんじ
• 裁判官さいばんかんの任免にんめん
  • 法科ほうか大学院だいがくいん
  • 司法しほう試験しけん
  • 司法しほう修習しゅうしゅう
  • 弁護士べんごし任官にんかん制度せいど
  • 弾劾だんがい裁判さいばん
• 裁判官さいばんかんの職務しょくむ
  • 裁判所さいばんしょ
  • 忌避きひ
  • 自由じゆう心証しんしょう主義しゅぎ
  • 事実じじつ認定にんてい
  • 裁判さいばん事務じむ心得こころえ
• 人工じんこう知能ちのう裁判官さいばんかん

外部がいぶリンク

• 裁判官さいばんかん(最高裁さいこうさいサイト内ない)
• 下級かきゅう裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん指名しめい諮問しもん委員いいん会かい
• 日本にっぽん裁判官さいばんかんネットワークホームページ
• 労働ろうどう裁判さいばん改革かいかくのための意見いけん書しょ (自由じゆう法曹ほうそう団だん)