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{{出典 しゅってん の明記 めいき |date=2016年 ねん 1月 がつ 31日 にち (日) にち 10:40 (UTC)}}
'''聖 きよし 杯 はい '''(せいはい)とは下記 かき の事物 じぶつ を指 さ す。
'''聖 きよし 杯 はい '''(せいはい)とは下記 かき の事物 じぶつ を指 さ す。
#[[キリスト教 きょう ]]の儀式 ぎしき である[[聖餐 せいさん ]]に用 もち いられる杯 はい 。'''カリス'''(羅 ら :Calix 英 えい :Chalice)。
#[[キリスト教 きょう ]]の儀式 ぎしき である[[聖餐 せいさん ]]に用 もち いられる杯 はい 。'''カリス'''(羅 ら :Calix 英 えい :[[:en:Chalice]]) 。
#[[キリスト教 きょう ]]の[[聖 せい 遺物 いぶつ ]]のひとつで、[[最後 さいご の晩餐 ばんさん ]]に使 つか われたとされる杯 はい (英 えい :Holy Chalice)。
#[[キリスト教 きょう ]]の[[聖 せい 遺物 いぶつ ]]のひとつで、[[最後 さいご の晩餐 ばんさん ]]に使 つか われたとされる杯 はい (英 えい :Holy Chalice)。
#[[中世 ちゅうせい ]][[西 にし ヨーロッパ]]の[[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]に登場 とうじょう する杯 はい (仏 ふつ :Graal 英 えい :Holy Grail)。
#[[中世 ちゅうせい ]][[西 にし ヨーロッパ]]の[[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]に登場 とうじょう する杯 はい (仏 ふつ :Graal 英 えい :[[:en:Holy Grail]]) 。
以下 いか 、聖餐 せいさん 、聖 せい 遺物 いぶつ 、聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ の順 じゅん に解説 かいせつ する。
以下 いか 、聖餐 せいさん 、聖 せい 遺物 いぶつ 、聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ の順 じゅん に解説 かいせつ する。
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#*[[1101年 ねん ]]に[[カイサリア]]で発見 はっけん されたと伝 つた えられる。対 たい 角 かく 37cmの6角形 かくがた で、杯 はい よりも鉢 はち に近 ちか い。[[エメラルド]]でできていると信 しん じられていたが、[[ナポレオン・ボナパルト]]がイタリアを占領 せんりょう したとき[[パリ]]に運 はこ ばれ、後 のち に返還 へんかん されたときには割 わ れており、緑色 みどりいろ の[[ガラス]]であることが分 わ かった。ウォラギネの『[[レゲンダ・アウレア|黄金 おうごん 伝説 でんせつ ]]』([[13世紀 せいき ]])で触 ふ れられていたものと思 おも われている。
#*[[1101年 ねん ]]に[[カイサリア]]で発見 はっけん されたと伝 つた えられる。対 たい 角 かく 37cmの6角形 かくがた で、杯 はい よりも鉢 はち に近 ちか い。[[エメラルド]]でできていると信 しん じられていたが、[[ナポレオン・ボナパルト]]がイタリアを占領 せんりょう したとき[[パリ]]に運 はこ ばれ、後 のち に返還 へんかん されたときには割 わ れており、緑色 みどりいろ の[[ガラス]]であることが分 わ かった。ウォラギネの『[[レゲンダ・アウレア|黄金 おうごん 伝説 でんせつ ]]』([[13世紀 せいき ]])で触 ふ れられていたものと思 おも われている。
# [[バレンシア (スペイン)|バレンシア]]大 だい 聖堂 せいどう にあるもの (santo cáliz)
# [[バレンシア (スペイン)|バレンシア]]大 だい 聖堂 せいどう にあるもの (santo cáliz)
#*イエスの弟子 でし [[ペトロ]]が[[ローマ]]に持込 もちこ むが、弾圧 だんあつ の危険 きけん に聖 ひじり 杯 はい はいったん[[ピレネー]]に難 なん を逃 のが れる。その後 ご [[スペイン]]内 ない を転々 てんてん とした後 のち バレンシアに持 も ち込 こ まれたと伝 つた えられる。直径 ちょっけい 9cmの半球 はんきゅう 状 じょう 、高 たか さ17cm。暗 くら 赤色 あかいろ の[[メノウ]]でできている。[[1960年 ねん ]]にスペインの考古学 こうこがく 者 しゃ (Antonio Beltrán) は、[[紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき ]]から[[1世紀 せいき ]]に[[エジプト]]か[[パレスチナ]]で作 つく られたもので、時代 じだい 的 てき に合 あ うと主張 しゅちょう した。
#*イエスの弟子 でし [[ペトロ]]が[[ローマ]]に持込 もちこ むが、弾圧 だんあつ の危険 きけん に聖 ひじり 杯 はい はいったん[[ピレネー]]に難 なん を逃 のが れる。その後 ご [[スペイン]]内 ない を転々 てんてん とした後 のち バレンシアに持 も ち込 こ まれたと伝 つた えられる。直径 ちょっけい 9cmの半球 はんきゅう 状 じょう 、高 たか さ17cm。暗 くら 赤色 あかいろ の[[メノウ]]でできている<ref>{{Cite book|和書 わしょ |author = ダニエル・スミス |year = 2015 |title = 絶対 ぜったい に見 み られない世界 せかい の秘宝 ひほう 99 |publisher = 日経 にっけい ナショナルジオグラフィック社 しゃ |page = 38 |isbn = 978-4-86313-324-2}}</ref> 。[[1960年 ねん ]]にスペインの考古学 こうこがく 者 しゃ (Antonio Beltrán) は、[[紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき ]]から[[1世紀 せいき ]]に[[エジプト]]か[[パレスチナ]]で作 つく られたもので、時代 じだい 的 てき に合 あ うと主張 しゅちょう した。
# [[メトロポリタン美術館 びじゅつかん ]]にあるもの (Antioch Chalice)
# [[メトロポリタン美術館 びじゅつかん ]]にあるもの (Antioch Chalice)
#*[[1910年 ねん ]]に[[アンティオキア]]で発見 はっけん された。外側 そとがわ は[[鋳物 いもの ]]で装飾 そうしょく が施 ほどこ され、内 うち は銀 ぎん の2重 じゅう 構造 こうぞう になっている。聖 ひじり 杯 はい ではないかとの触 ふ れ込 こ みで、[[1933年 ねん ]]の[[シカゴ万国博覧会 ばんこくはくらんかい (1933年 ねん )|シカゴ万国博覧会 ばんこくはくらんかい (第 だい 2回 かい )]]で展示 てんじ された。その後 ご の研究 けんきゅう によれば、[[6世紀 せいき ]]にアンティオケイアで作 つく られたものとされる。杯 はい ではなく教会 きょうかい で照明 しょうめい 用 よう に使 つか われたものと思 おも われる。
#*[[1910年 ねん ]]に[[アンティオキア]]で発見 はっけん された。外側 そとがわ は[[鋳物 いもの ]]で装飾 そうしょく が施 ほどこ され、内 うち は銀 ぎん の2重 じゅう 構造 こうぞう になっている。聖 ひじり 杯 はい ではないかとの触 ふ れ込 こ みで、[[1933年 ねん ]]の[[シカゴ万国博覧会 ばんこくはくらんかい (1933年 ねん )|シカゴ万国博覧会 ばんこくはくらんかい (第 だい 2回 かい )]]で展示 てんじ された。その後 ご の研究 けんきゅう によれば、[[6世紀 せいき ]]にアンティオケイアで作 つく られたものとされる。杯 はい ではなく教会 きょうかい で照明 しょうめい 用 よう に使 つか われたものと思 おも われる。
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[[イギリス]]・[[フランス]]・[[ドイツ]]などを中心 ちゅうしん に、聖 きよし 杯 はい を捜 さが し求 もと める騎士 きし の物語 ものがたり 、あるいはそれをモチーフにした奇跡 きせき 譚 たん が数多 かずおお く語 かた られた。これを[[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]という。
[[イギリス]]・[[フランス]]・[[ドイツ]]などを中心 ちゅうしん に、聖 きよし 杯 はい を捜 さが し求 もと める騎士 きし の物語 ものがたり 、あるいはそれをモチーフにした奇跡 きせき 譚 たん が数多 かずおお く語 かた られた。これを[[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]という。
その最初 さいしょ のものは、[[1180年代 ねんだい ]]にフランスの詩人 しじん [[クレティアン・ド・トロワ]]による未完 みかん の[[騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり ]]『[[ペルスヴァルまたは聖 ひじり 杯 はい の物語 ものがたり |ペルスヴァル、あるいは聖 ひじり 杯 はい の物語 ものがたり ]]』(原題 げんだい :[[w:Perceval, le Conte du Graal|Perceval, le Conte du Graal]])である。主人公 しゅじんこう ペルスヴァルが[[漁夫 ぎょふ 王 おう ]]の城 しろ に招待 しょうたい された席 せき で、その食事 しょくじ のコースの合間 あいま ごとにいろんな人物 じんぶつ が槍 やり ([[聖 せい 槍 やり ]]?)や燭台 しょくだい を持 も って現 あらわ れる。最後 さいご に現 あらわ れた乙女 おとめ が捧 ささ げ持 も つものが、飾 かざ り立 た てられた聖 きよし 杯 はい (graal)である。
その最初 さいしょ のものは、[[1180年代 ねんだい ]]にフランスの詩人 しじん [[クレティアン・ド・トロワ]]による未完 みかん の[[騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり ]]『[[ペルスヴァルまたは聖 ひじり 杯 はい の物語 ものがたり |ペルスヴァル、あるいは聖 ひじり 杯 はい の物語 ものがたり ]]』(原題 げんだい :[[w:Perceval, le Conte du Graal|Perceval, le Conte du Graal]])である。主人公 しゅじんこう ペルスヴァルが[[漁夫 ぎょふ 王 おう ]]の城 しろ に招待 しょうたい された席 せき で、その食事 しょくじ のコースの合間 あいま ごとにいろんな人物 じんぶつ が槍 やり ([[聖 せい 槍 やり ]]?)や燭台 しょくだい を持 も って現 あらわ れる。最後 さいご に現 あらわ れた乙女 おとめ が捧 ささ げ持 も つものが、飾 かざ り立 た てられた聖 きよし 杯 はい (graal)である。この作品 さくひん を基 もと にドイツの詩人 しじん [[ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ]]は大作 たいさく 『パルチヴァール』によって、アーサー王 おう 宮廷 きゅうてい 騎士 きし 物語 ものがたり と聖 きよし 杯 はい 物語 ものがたり の融合 ゆうごう を成 な し遂 と げた 。
⚫
日本語 にほんご では「
聖 きよし 杯 はい 」と
訳 やく しているが、これが
杯 はい かどうかは
定 さだ かではない。
⚫
<!--
英語 えいご の Grail は、あるとき
杯 はい の
形 かたち で
現 あらわ れ、あるときは
十字架 じゅうじか や
人物 じんぶつ など、さまざまな
幻 まぼろし と
変化 へんか する、
聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ の
登場 とうじょう アイテムの
名前 なまえ であること
以外 いがい の
何 なに も
意味 いみ しない。-->
⚫
Graal は、
古代 こだい [[
フランス語 ふらんすご ]]あるいは[[プロヴァンス
語 ご ]]であって、(
中世 ちゅうせい )[[
ラテン語 らてんご ]]で「
皿 さら 」あるいは「
食事 しょくじ のコースの
一区切 ひとくぎ り」を
意味 いみ する gradalis に
由来 ゆらい するのではないかという
説 せつ がある
一方 いっぽう で、
ラテン語 らてんご gradalis は
英語 えいご の gradual、「
段 だん 」または「
壇 だん 」の
意味 いみ ではないかとの
異論 いろん もある。
作者 さくしゃ トロワは、[[フランドル
伯 はく ]]フィリップ・ダルザス ([[:fr:Philippe d'Alsace|Philippe d'Alsace]])から
作詞 さくし を
依頼 いらい されたときに、
話 はなし のネタの
提供 ていきょう を
受 う けていたというから、graal は(
当時 とうじ の)[[フラマン
語 ご ]]である
可能 かのう 性 せい も
強 つよ い。また、[[ギリシア
語 ご ]]の[[クラテール]](krater)「
器 うつわ 」に
由来 ゆらい するという
説 せつ もある。
これをキリスト教 きりすときょう に結 むす びつけたのは、[[フランス]]の詩人 しじん ロベール・ド・ボロン([[w:Robert de Boron|Robert de Boron]])による[[1190年代 ねんだい ]]の作品 さくひん であろう<ref>Robert de Boron, ''Joseph d’Arimathie'', 1191-[[1202年 ねん ]]</ref>。それによれば、[[アリマタヤのヨセフ]]が[[キリストの磔刑 たっけい ]]のさいのイエスの血 ち を聖 ひじり 杯 はい で受 う けたとし、ヨセフはその聖 ひじり 杯 はい とともに[[アヴァロン]]の島 しま <ref>[[ケルト語 ご 派 は ]]でリンゴを意味 いみ するアヴァロンの場所 ばしょ は不明 ふめい だが、[[ブリテン諸島 しょとう ]]のどこかとされる。</ref>に渡 わた った。また、アリマタヤのヨセフはイギリス最初 さいしょ の[[教会 きょうかい (キリスト教 きょう )|キリスト教会 きょうかい ]]を作 つく ったと信 しん じられていて、その場所 ばしょ は現在 げんざい の[[グラストンベリー]]修道院 しゅうどういん ([[w:Glastonbury Abbey|Glastonbury Abbey]])とされている。
これをキリスト教 きりすときょう に結 むす びつけたのは、[[フランス]]の詩人 しじん ロベール・ド・ボロン([[w:Robert de Boron|Robert de Boron]])による[[1190年代 ねんだい ]]の作品 さくひん であろう<ref>Robert de Boron, ''Joseph d’Arimathie'', 1191-[[1202年 ねん ]]</ref>。それによれば、[[アリマタヤのヨセフ]]が[[キリストの磔刑 たっけい ]]のさいのイエスの血 ち を聖 ひじり 杯 はい で受 う けたとし、ヨセフはその聖 ひじり 杯 はい とともに[[アヴァロン]]の島 しま <ref>[[ケルト語 ご 派 は ]]でリンゴを意味 いみ するアヴァロンの場所 ばしょ は不明 ふめい だが、[[ブリテン諸島 しょとう ]]のどこかとされる。</ref>に渡 わた った。また、アリマタヤのヨセフはイギリス最初 さいしょ の[[教会 きょうかい (キリスト教 きょう )|キリスト教会 きょうかい ]]を作 つく ったと信 しん じられていて、その場所 ばしょ は現在 げんざい の[[グラストンベリー]]修道院 しゅうどういん ([[w:Glastonbury Abbey|Glastonbury Abbey]])とされている。
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[[12世紀 せいき ]]に[[ピレネー]]の[[カタリ派 は ]]教会 きょうかい に、[[聖母 せいぼ マリア]]が持 も つ鉢 はち から炎 ほのお のようなものが出 で ている[[壁画 へきが ]]<ref>現在 げんざい は[[カタルニア美術館 びじゅつかん ]]([[バルセロナ]])所蔵 しょぞう </ref>があり、これが graal ではないかという説 せつ もある。
[[12世紀 せいき ]]に[[ピレネー]]の[[カタリ派 は ]]教会 きょうかい に、[[聖母 せいぼ マリア]]が持 も つ鉢 はち から炎 ほのお のようなものが出 で ている[[壁画 へきが ]]<ref>現在 げんざい は[[カタルニア美術館 びじゅつかん ]]([[バルセロナ]])所蔵 しょぞう </ref>があり、これが graal ではないかという説 せつ もある。
=== 王家 おうけ の血脈 けちみゃく ===
=== Graal の語源 ごげん ===
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日本語 にほんご では「
聖 きよし 杯 はい 」と
訳 やく しているが、これが
杯 はい かどうかは
定 さだ かではない。
⚫
[[1982
年 ねん ]]にヘンリー・リンカーンらにより[[イギリス|
英国 えいこく ]]で
出版 しゅっぱん された
ノンフィクション "Holy Blood, Holy Grail"(
邦題 ほうだい 『[[レンヌ=ル=シャトーの
謎 なぞ ]]』)は、 [[
フランス語 ふらんすご ]]で「
王家 おうけ の
血脈 けちみゃく 」を
意味 いみ する sang réal に
由来 ゆらい すると
考 かんが えた。
⚫
<!--
英語 えいご の Grail は、あるとき
杯 はい の
形 かたち で
現 あらわ れ、あるときは
十字架 じゅうじか や
人物 じんぶつ など、さまざまな
幻 まぼろし と
変化 へんか する、
聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ の
登場 とうじょう アイテムの
名前 なまえ であること
以外 いがい の
何 なに も
意味 いみ しない。-->
⚫
Graal は、
古代 こだい [[
フランス語 ふらんすご ]]あるいは[[プロヴァンス
語 ご ]]であって、(
中世 ちゅうせい )[[
ラテン語 らてんご ]]で「
皿 さら 」あるいは「
食事 しょくじ のコースの
一区切 ひとくぎ り」を
意味 いみ する gradalis に
由来 ゆらい するのではないかという
説 せつ がある
一方 いっぽう で、
ラテン語 らてんご gradalis は
英語 えいご の gradual、「
段 だん 」または「
壇 だん 」の
意味 いみ ではないかとの
異論 いろん もある。
作者 さくしゃ トロワは、[[フランドル
伯 はく ]]フィリップ・ダルザス ([[:fr:Philippe d'Alsace|Philippe d'Alsace]])から
作詞 さくし を
依頼 いらい されたときに、
話 はなし のネタの
提供 ていきょう を
受 う けていたというから、graal は(
当時 とうじ の)[[フラマン
語 ご ]]である
可能 かのう 性 せい も
強 つよ い。また、[[ギリシア
語 ご ]]の[[クラテール]](krater)「
器 うつわ 」に
由来 ゆらい するという
説 せつ もある。
⚫
[[1982
年 ねん ]]にヘンリー・リンカーンらにより[[イギリス|
英国 えいこく ]]で
出版 しゅっぱん されたフィクション "Holy Blood, Holy Grail"(
邦題 ほうだい 『[[レンヌ=ル=シャトーの
謎 なぞ ]]』)は、 [[
フランス語 ふらんすご ]]で「
王家 おうけ の
血脈 けちみゃく 」を
意味 いみ する sang réal に
由来 ゆらい すると
考 かんが えた。
Sang Réal → Sangreal → San Greal → Graal
Sang Réal → Sangreal → San Greal → Graal
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リンカーンらは、「聖 きよし 杯 はい =キリストの血脈 けちみゃく 」であるとの立場 たちば から、南 みなみ フランスを舞台 ぶたい にした宝探 たからさが しを、これに結 むす びつけた。
リンカーンらは、「聖 きよし 杯 はい =キリストの血脈 けちみゃく 」であるとの立場 たちば から、南 みなみ フランスを舞台 ぶたい にした宝探 たからさが しを、これに結 むす びつけた。
やや余談 よだん めくがスペインには、日本語 にほんご に翻訳 ほんやく すれば「聖 せい なる血 ち 」という意味 いみ になる「[[サングリア]]」という、赤 あか ワインベースの飲 の み物 もの がある。
=== 聖 きよし 杯 はい の行方 ゆくえ ===
=== 聖 きよし 杯 はい の行方 ゆくえ ===
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[[イングランド]]、[[スタンフォードシア]]にあるリッチフィールド家 か の庭園 ていえん にあった記念 きねん 石碑 せきひ にも、その鍵 かぎ があるという。[[ニコラ・プッサン]]の『[[アルカディアの牧人 ぼくじん たち]]』をもとにした鏡 かがみ 像 ぞう である。また、この石碑 せきひ には"D. O.U.O.S.V.A.V.V. M."と、刻 きざ まれている。[[イギリス]]のプレッチリーパークの暗号 あんごう 研究所 けんきゅうじょ の元 もと 解読 かいどく 班 はん 員 いん であり、[[ナチス]][[ドイツ]]が[[第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん ]]中 ちゅう に開発 かいはつ した[[暗号 あんごう 機 き ]][[エニグマ (暗号 あんごう 機 き )|エニグマ]]を破 やぶ った男 おとこ 、オリヴァー・ローンが、2004年 ねん この暗号 あんごう 解読 かいどく を試 こころ み、「Jesus (As Deity) Defy」(イエスの神性 しんせい を受 う け入 い れない)という[[異端 いたん ]]の立場 たちば を示 しめ したものと発表 はっぴょう した<ref>[[X51.ORG]]『[http://x51.org/x/04/11/2737.php エニグマ解読 かいどく 者 しゃ が「失 うしな われた聖 きよし 杯 はい 」の暗号 あんごう を遂 つい に解読 かいどく ]』</ref>。
[[イングランド]]、[[スタンフォードシア]]にあるリッチフィールド家 か の庭園 ていえん にあった記念 きねん 石碑 せきひ にも、その鍵 かぎ があるという。[[ニコラ・プッサン]]の『[[アルカディアの牧人 ぼくじん たち]]』をもとにした鏡 かがみ 像 ぞう である。また、この石碑 せきひ には"D. O.U.O.S.V.A.V.V. M."と、刻 きざ まれている。[[イギリス]]のプレッチリーパークの暗号 あんごう 研究所 けんきゅうじょ の元 もと 解読 かいどく 班 はん 員 いん であり、[[ナチス]][[ドイツ]]が[[第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん ]]中 ちゅう に開発 かいはつ した[[暗号 あんごう 機 き ]][[エニグマ (暗号 あんごう 機 き )|エニグマ]]を破 やぶ った男 おとこ 、オリヴァー・ローンが、2004年 ねん この暗号 あんごう 解読 かいどく を試 こころ み、「Jesus (As Deity) Defy」(イエスの神性 しんせい を受 う け入 い れない)という[[異端 いたん ]]の立場 たちば を示 しめ したものと発表 はっぴょう した<ref>[[X51.ORG]]『[http://x51.org/x/04/11/2737.php エニグマ解読 かいどく 者 しゃ が「失 うしな われた聖 きよし 杯 はい 」の暗号 あんごう を遂 つい に解読 かいどく ]』</ref>。
== 登場 とうじょう 作品 さくひん ==
=== 映画 えいが ===
*『[[インディ・ジョーンズ/最後 さいご の聖戦 せいせん ]]』
:聖 きよし 杯 はい で汲 く んだ水 みず には不思議 ふしぎ な効力 こうりょく が与 あた えられるとされる。映画 えいが の終盤 しゅうばん 、たくさんの偽物 にせもの の杯 はい の中 なか から本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい を選 えら び出 だ し、選 えら んだ杯 はい で水 みず を汲 く み自 みずか ら飲 の む試練 しれん が与 あた えられる。
:偽 にせ の聖 ひじり 杯 はい で汲 く んだ水 みず には命 いのち を奪 うば う力 ちから があり、飲 の んだ者 もの がすぐに朽 く ち果 は ててしまった。
:本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい で汲 く んだ水 みず は瀕死 ひんし の重傷 じゅうしょう をも癒 いや し、ある程度 ていど の長寿 ちょうじゅ の効果 こうか もある(不老 ふろう 長寿 ちょうじゅ になるわけではない)。これらの効力 こうりょく によって重傷 じゅうしょう を負 お った登場 とうじょう 人物 じんぶつ の傷 きず を癒 いや したほか、聖 きよし 杯 はい を守護 しゅご する騎士 きし に永遠 えいえん に近 ちか い長寿 ちょうじゅ を与 あた えていた。
:劇 げき 中 ちゅう に登場 とうじょう する「本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい 」は、内側 うちがわ に金箔 きんぱく が施 ほどこ された簡素 かんそ な木製 もくせい の杯 はい として表現 ひょうげん されている。
:本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい には「聖 きよし 杯 はい 宮殿 きゅうでん から持 も ち出 だ され、入 い り口 くち の床 ゆか に刻 きざ まれた十字架 じゅうじか を踏 ふ み越 こ えると滅 ほろ ぶ」という呪 のろ いがかかっている。
*『[[モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル]]』
:幾 いく つもの試練 しれん を乗 の り越 こ えた先 さき でたどり着 つ ける、アアアアの城 しろ に安置 あんち された秘宝 ひほう として登場 とうじょう する。
:アーサー王 おう の聖 ひじり 杯 はい 探索 たんさく を題材 だいざい にしたコメディ作品 さくひん ではあるが、歴史 れきし 学者 がくしゃ [[テリー・ジョーンズ]]によってアーサー王 おう 伝説 でんせつ が成立 せいりつ した14世紀 せいき の時代 じだい 考証 こうしょう は正確 せいかく に行 おこな われている。
=== 音楽 おんがく ===
* [[リヒャルト・ワーグナー]]作曲 さっきょく 舞台 ぶたい 神聖 しんせい 祝典 しゅくてん 劇 げき 『[[パルジファル]]』
* 『神秘 しんぴ - Mystère』
:フランスのシンガーソングライター[[ノルウェン・ルロワ]]は、2005 年 ねん のアルバム 『Histoires Naturelles』 でリリースされた彼女 かのじょ の曲 きょく 『Mystère』 の 聖 ひじり 杯 はい に触発 しょくはつ されました。
=== 漫画 まんが ===
*『[[スプリガン (漫画 まんが )]]』
:原作 げんさく :[[たかしげ宙 ちゅう ]]、作画 さくが :[[皆川 みなかわ 亮二 りょうじ ]]による漫画 まんが 。
:血液 けつえき を満 み たすことにより、その者 もの の魂 たましい を保存 ほぞん する。
=== ゲーム・アニメ ===
*『[[Fate/stay night]]』
:聖 きよし 杯 はい を奪 うば い合 あ う争 あらそ いが描 えが かれている。
:また、後発 こうはつ の外伝 がいでん 作品 さくひん でも、形 かたち は異 こと なれど聖 ひじり 杯 はい を巡 めぐ る争 あらそ いが描 えが かれている。
== 脚注 きゃくちゅう ==
== 脚注 きゃくちゅう ==
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== 参考 さんこう 文献 ぶんけん ==
== 参考 さんこう 文献 ぶんけん ==
* フィリップ・ヴァルテール『アーサー王 おう 神話 しんわ 大 だい 事典 じてん 』〔Philippe Walter, ''Dictionnaire de mythologie arthurienne'' Paris: Imago 2014〕(渡邉 わたなべ 浩司 こうじ ・渡邉 わたなべ 裕美子 ゆみこ 訳 やく )原 はら 書房 しょぼう 2018 ISBN 978-4-562-05446-6
<!--この節 ふし には、記事 きじ 本文 ほんぶん の編集 へんしゅう 時 じ に実際 じっさい に参考 さんこう にした書籍 しょせき 等 とう のみを記載 きさい して下 くだ さい-->
* ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ『パルチヴァール』(加倉井 かくらい 粛之、[[伊東 いとう 泰治 やすじ ]]、馬場 ばば 勝弥 かつや 、小栗 おぐり 友一 ともかず 訳 やく ) 郁 いく 文 ぶん 堂 どう 1974年 ねん ISBN 4-261-07118-5。改訂 かいてい 第 だい 5刷 さつ 1998年 ねん 。
{{節 ふし stub|date=2016年 ねん 1月 がつ 31日 にち (日) にち 10:40 (UTC)}}
== 関連 かんれん 書籍 しょせき ==
== 関連 かんれん 書籍 しょせき ==
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107行 ぎょう 目 め :
== 関連 かんれん 項目 こうもく ==
== 関連 かんれん 項目 こうもく ==
* [[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]
* [[聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ ]]
* [[コルヌー・コピアイ|コルヌー・コピアイ(豊穰 ほうじょう の角 かく )]] - [[ギリシア神話 しんわ ]]
* [[コルヌコピア]] - [[ギリシア神話 しんわ ]]
* [[サンポ]] - [[フィンランド神話 しんわ ]]
* [[サンポ]] - [[フィンランド神話 しんわ ]]
* [[カップ (タロット)|カップ]] - [[タロット]]の[[小 しょう アルカナ]]における四大 しだい [[スート]]の一種 いっしゅ
* [[カップ (タロット)|カップ]] - [[タロット]]の[[小 しょう アルカナ]]における四大 しだい [[スート]]の一種 いっしゅ
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116行 ぎょう 目 め :
* [http://www.newadvent.org/cathen/03561a.htm Catholic Encyclopedia (Chalice)]
* [http://www.newadvent.org/cathen/03561a.htm Catholic Encyclopedia (Chalice)]
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:せいはい}}
{{デフォルトソート:せいはい}}
[[Category:神話 しんわ ・伝説 でんせつ の道具 どうぐ ]]
[[Category:神話 しんわ ・伝説 でんせつ の道具 どうぐ ]]
[[Category:盃 さかずき ]]
[[Category:盃 さかずき ]]
[[Category:聖 せい 遺物 いぶつ ]]
[[Category:イエス・キリストに関 かん する 聖 せい 遺物 いぶつ ]]
聖 ひじり 杯 はい (せいはい)とは下記 かき の事物 じぶつ を指 さ す。
キリスト教 きりすときょう の儀式 ぎしき である聖餐 せいさん に用 もち いられる杯 はい 。カリス (羅 ら :Calix 英 えい :en:Chalice )。
キリスト教 きりすときょう の聖 せい 遺物 いぶつ のひとつで、最後 さいご の晩餐 ばんさん に使 つか われたとされる杯 はい (英 えい :Holy Chalice)。
中世 ちゅうせい 西 にし ヨーロッパ の聖 ひじり 杯 はい 伝説 でんせつ に登場 とうじょう する杯 はい (仏 ふつ :Graal 英 えい :en:Holy Grail )。
以下 いか 、聖餐 せいさん 、聖 せい 遺物 いぶつ 、聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ の順 じゅん に解説 かいせつ する。
聖餐 せいさん
晩餐 ばんさん のキリスト(16世紀 せいき )
西方 せいほう 教会 きょうかい では聖 ひじり 杯 はい はカリス 、チャリス などとも表記 ひょうき される。これに対 たい し正教会 せいきょうかい では聖 せい 爵 と呼 よ ばれる。
共 とも 観 かん 福音 ふくいん 書 しょ によれば、最後 さいご の晩餐 ばんさん でイエス はパンを裂 さ き「私 わたし の体 からだ である」と言 い って弟子 でし たちに与 あた え、杯 はい を取 と って「私 わたし の血 ち である」と、弟子 でし たちにその杯 はい から(ワインを)飲 の ませる[1] 。『ヨハネによる福音 ふくいん 書 しょ 』にはこの場面 ばめん はない。
『ルカによる福音 ふくいん 書 しょ 』(22:19)に「わたしの記念 きねん としてこのように行 おこな いなさい」とある。キリスト教 きりすときょう ではこれに由来 ゆらい して聖体 せいたい 拝領 はいりょう の儀式 ぎしき を行 おこな う。教派 きょうは により多少 たしょう 異 こと なるが、たとえばカトリック教会 きょうかい ではカリス(聖 きよし 杯 はい )に水 みず で薄 うす めたワインを入 い れ、パンとしてホスチア(無 む 発酵 はっこう パン。薄 うす いウェハース)を用 もち いる。
聖 せい 遺物 いぶつ
イエス と弟子 でし たちの最後 さいご の晩餐 ばんさん に使 つか われたものと信 しん じられている聖 ひじり 杯 はい はいくつか存在 そんざい する。
エルサレム 近 ちか くの教会 きょうかい にあったとされるもの
7世紀 せいき 、ガリア の僧 そう (Arculf )が聖地 せいち 巡礼 じゅんれい のさいに、エルサレム 近 ちか くの教会 きょうかい でそれを見 み て、触 ふ れたと証言 しょうげん している。銀 ぎん でできており、把 と っ手 て が2つ対向 たいこう して付 つ いていたという。現在 げんざい の所在 しょざい は不明 ふめい 。
ジェノヴァ 大 だい 聖堂 せいどう にあるもの (sacro catino)
バレンシア 大 だい 聖堂 せいどう にあるもの (santo cáliz)
メトロポリタン美術館 びじゅつかん にあるもの (Antioch Chalice)
聖 ひじり 杯 はい 伝説 でんせつ
聖 ひじり 杯 はい
イギリス ・フランス ・ドイツ などを中心 ちゅうしん に、聖 きよし 杯 はい を捜 さが し求 もと める騎士 きし の物語 ものがたり 、あるいはそれをモチーフにした奇跡 きせき 譚 たん が数多 かずおお く語 かた られた。これを聖 ひじり 杯 はい 伝説 でんせつ という。
その最初 さいしょ のものは、1180年代 ねんだい にフランスの詩人 しじん クレティアン・ド・トロワ による未完 みかん の騎士 きし 道 どう 物語 ものがたり 『ペルスヴァル、あるいは聖 ひじり 杯 はい の物語 ものがたり 』(原題 げんだい :Perceval, le Conte du Graal )である。主人公 しゅじんこう ペルスヴァルが漁夫 ぎょふ 王 おう の城 しろ に招待 しょうたい された席 せき で、その食事 しょくじ のコースの合間 あいま ごとにいろんな人物 じんぶつ が槍 やり (聖 せい 槍 やり ?)や燭台 しょくだい を持 も って現 あらわ れる。最後 さいご に現 あらわ れた乙女 おとめ が捧 ささ げ持 も つものが、飾 かざ り立 た てられた聖 きよし 杯 はい (graal)である。この作品 さくひん を基 もと にドイツの詩人 しじん ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ は大作 たいさく 『パルチヴァール』によって、アーサー王 おう 宮廷 きゅうてい 騎士 きし 物語 ものがたり と聖 きよし 杯 はい 物語 ものがたり の融合 ゆうごう を成 な し遂 と げた。
これをキリスト教 きりすときょう に結 むす びつけたのは、フランス の詩人 しじん ロベール・ド・ボロン(Robert de Boron )による1190年代 ねんだい の作品 さくひん であろう[3] 。それによれば、アリマタヤのヨセフ がキリストの磔刑 たっけい のさいのイエスの血 ち を聖 ひじり 杯 はい で受 う けたとし、ヨセフはその聖 ひじり 杯 はい とともにアヴァロン の島 しま [4] に渡 わた った。また、アリマタヤのヨセフはイギリス最初 さいしょ のキリスト教会 きょうかい を作 つく ったと信 しん じられていて、その場所 ばしょ は現在 げんざい のグラストンベリー 修道院 しゅうどういん (Glastonbury Abbey )とされている。
12世紀 せいき にピレネー のカタリ派 は 教会 きょうかい に、聖母 せいぼ マリア が持 も つ鉢 はち から炎 ほのお のようなものが出 で ている壁画 へきが [5] があり、これが graal ではないかという説 せつ もある。
Graalの語源 ごげん
日本語 にほんご では「聖 きよし 杯 はい 」と訳 やく しているが、これが杯 はい かどうかは定 さだ かではない。
Graal は、古代 こだい フランス語 ふらんすご あるいはプロヴァンス語 ご であって、(中世 ちゅうせい )ラテン語 らてんご で「皿 さら 」あるいは「食事 しょくじ のコースの一区切 ひとくぎ り」を意味 いみ する gradalis に由来 ゆらい するのではないかという説 せつ がある一方 いっぽう で、ラテン語 らてんご gradalis は英語 えいご の gradual、「段 だん 」または「壇 だん 」の意味 いみ ではないかとの異論 いろん もある。作者 さくしゃ トロワは、フランドル伯 はく フィリップ・ダルザス (Philippe d'Alsace )から作詞 さくし を依頼 いらい されたときに、話 はなし のネタの提供 ていきょう を受 う けていたというから、graal は(当時 とうじ の)フラマン語 ご である可能 かのう 性 せい も強 つよ い。また、ギリシア語 ご のクラテール (krater)「器 うつわ 」に由来 ゆらい するという説 せつ もある。
1982年 ねん にヘンリー・リンカーンらにより英国 えいこく で出版 しゅっぱん されたフィクション "Holy Blood, Holy Grail"(邦題 ほうだい 『レンヌ=ル=シャトーの謎 なぞ 』)は、 フランス語 ふらんすご で「王家 おうけ の血脈 けちみゃく 」を意味 いみ する sang réal に由来 ゆらい すると考 かんが えた。
Sang Réal → Sangreal → San Greal → Graal
しかし、文献 ぶんけん に登場 とうじょう する年代 ねんだい 順 じゅん は逆 ぎゃく のようである。
Graal[6] → Saint Graal[7] → Sangreal[8]
リンカーンらは、「聖 きよし 杯 はい =キリストの血脈 けちみゃく 」であるとの立場 たちば から、南 みなみ フランスを舞台 ぶたい にした宝探 たからさが しを、これに結 むす びつけた。
聖 ひじり 杯 はい の行方 ゆくえ
バロック 時代 じだい のフランス の画家 がか ニコラ・プッサン の代表 だいひょう 作 さく 『アルカディアの牧人 ぼくじん たち 』では、墓石 はかいし にラテン語 らてんご で "Et In Arcadia Ego"(我 が はアルカディア にもある)と書 か かれているのを牧人 ぼくじん たちが覗 のぞ き込 こ んで想 おも いにふける様子 ようす を描 えが いている。"Et In Arcadia Ego"(我 が はアルカディアにもある)は、並 なら び替 か えると"I Tego Arcana Dai"(立 た ち去 さ れ!私 わたし は神 かみ の秘密 ひみつ を隠 かく した!)となるとして、リンカーンらは、これをイエス・キリストの血脈 けちみゃく に関 かん する秘密 ひみつ と解釈 かいしゃく した。
リチャード・アンドルーズらはこれを受 う け、問題 もんだい の絵 え はイエスの墓 はか の位置 いち を示 しめ しているとして、南 みなみ フランスの山中 さんちゅう にその位置 いち を推定 すいてい した(→キリストの墓 はか )。
テンプル騎士 きし 団 だん がスコットランド に逃 のが れて100年 ねん 後 ご に、テンプル騎士 きし 団 だん の子孫 しそん 『ヘンリー・シンクレア』が大西 おおにし 洋 ひろし を西 にし に向 む かってなぞの航海 こうかい をしたという記録 きろく がある。サン・ベルナールの調査 ちょうさ によるとテンプル騎士 きし 団 だん は財産 ざいさん をカナダ の東海岸 ひがしかいがん (大西洋 たいせいよう 側 がわ )に位置 いち するノバスコシア などに隠 かく したとされ、一部 いちぶ はアメリカ にも渡 わた ったともされている。また、『聖 きよし 杯 はい はヘラクレスの柱 はしら の向 む こうに眠 ねむ っている』という記述 きじゅつ もあり、カナダ説 せつ を裏付 うらづ けているとされるが、『ヘラクレスの柱 はしら 』の位置 いち 問題 もんだい はアトランティス の研究 けんきゅう 過程 かてい でも問題 もんだい となっている。
スコットランド 、ミドロシアン州 しゅう ロズリン の『ロズリン・チャペル 』の螺旋 らせん 柱 ばしら の中 なか にあると、トレヴァ・レヴンズクロフトは1962年 ねん に20年 ねん の研究 けんきゅう の末 すえ に発表 はっぴょう した。しかし柱 はしら という柱 はしら 、建物 たてもの 内 ない のすべてが金属 きんぞく 探知 たんち 機 き で調 しら べられたが、結果 けっか は得 え られなかった。つまり、その情報 じょうほう は誤 あやま っていたか、『ロズリン・チャペル 』に一時 いちじ 的 てき に保管 ほかん され、その後 ご に『ロズリン・チャペル 』以外 いがい の場所 ばしょ に移動 いどう された可能 かのう 性 せい もある
イングランド 、スタンフォードシア にあるリッチフィールド家 か の庭園 ていえん にあった記念 きねん 石碑 せきひ にも、その鍵 かぎ があるという。ニコラ・プッサン の『アルカディアの牧人 ぼくじん たち 』をもとにした鏡 かがみ 像 ぞう である。また、この石碑 せきひ には"D. O.U.O.S.V.A.V.V. M."と、刻 きざ まれている。イギリス のプレッチリーパークの暗号 あんごう 研究所 けんきゅうじょ の元 もと 解読 かいどく 班 はん 員 いん であり、ナチス ドイツ が第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか に開発 かいはつ した暗号 あんごう 機 き エニグマ を破 やぶ った男 おとこ 、オリヴァー・ローンが、2004年 ねん この暗号 あんごう 解読 かいどく を試 こころ み、「Jesus (As Deity) Defy」(イエスの神性 しんせい を受 う け入 い れない)という異端 いたん の立場 たちば を示 しめ したものと発表 はっぴょう した[9] 。
登場 とうじょう 作品 さくひん
映画 えいが
聖 ひじり 杯 はい で汲 く んだ水 みず には不思議 ふしぎ な効力 こうりょく が与 あた えられるとされる。映画 えいが の終盤 しゅうばん 、たくさんの偽物 にせもの の杯 はい の中 なか から本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい を選 えら び出 だ し、選 えら んだ杯 はい で水 みず を汲 く み自 みずか ら飲 の む試練 しれん が与 あた えられる。
偽 にせ の聖 ひじり 杯 はい で汲 く んだ水 みず には命 いのち を奪 うば う力 ちから があり、飲 の んだ者 もの がすぐに朽 く ち果 は ててしまった。
本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい で汲 く んだ水 みず は瀕死 ひんし の重傷 じゅうしょう をも癒 いや し、ある程度 ていど の長寿 ちょうじゅ の効果 こうか もある(不老 ふろう 長寿 ちょうじゅ になるわけではない)。これらの効力 こうりょく によって重傷 じゅうしょう を負 お った登場 とうじょう 人物 じんぶつ の傷 きず を癒 いや したほか、聖 きよし 杯 はい を守護 しゅご する騎士 きし に永遠 えいえん に近 ちか い長寿 ちょうじゅ を与 あた えていた。
劇 げき 中 ちゅう に登場 とうじょう する「本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい 」は、内側 うちがわ に金箔 きんぱく が施 ほどこ された簡素 かんそ な木製 もくせい の杯 はい として表現 ひょうげん されている。
本物 ほんもの の聖 ひじり 杯 はい には「聖 きよし 杯 はい 宮殿 きゅうでん から持 も ち出 だ され、入 い り口 くち の床 ゆか に刻 きざ まれた十字架 じゅうじか を踏 ふ み越 こ えると滅 ほろ ぶ」という呪 のろ いがかかっている。
幾 いく つもの試練 しれん を乗 の り越 こ えた先 さき でたどり着 つ ける、アアアアの城 しろ に安置 あんち された秘宝 ひほう として登場 とうじょう する。
アーサー王 おう の聖 ひじり 杯 はい 探索 たんさく を題材 だいざい にしたコメディ作品 さくひん ではあるが、歴史 れきし 学者 がくしゃ テリー・ジョーンズ によってアーサー王 おう 伝説 でんせつ が成立 せいりつ した14世紀 せいき の時代 じだい 考証 こうしょう は正確 せいかく に行 おこな われている。
音楽 おんがく
フランスのシンガーソングライターノルウェン・ルロワ は、2005 年 ねん のアルバム 『Histoires Naturelles』 でリリースされた彼女 かのじょ の曲 きょく 『Mystère』 の 聖 ひじり 杯 はい に触発 しょくはつ されました。
漫画 まんが
原作 げんさく :たかしげ宙 ちゅう 、作画 さくが :皆川 みなかわ 亮二 りょうじ による漫画 まんが 。
血液 けつえき を満 み たすことにより、その者 もの の魂 たましい を保存 ほぞん する。
ゲーム・アニメ
聖 ひじり 杯 はい を奪 うば い合 あ う争 あらそ いが描 えが かれている。
また、後発 こうはつ の外伝 がいでん 作品 さくひん でも、形 かたち は異 こと なれど聖 ひじり 杯 はい を巡 めぐ る争 あらそ いが描 えが かれている。
脚注 きゃくちゅう
参考 さんこう 文献 ぶんけん
フィリップ・ヴァルテール『アーサー王 おう 神話 しんわ 大 だい 事典 じてん 』〔Philippe Walter, Dictionnaire de mythologie arthurienne Paris: Imago 2014〕(渡邉 わたなべ 浩司 こうじ ・渡邉 わたなべ 裕美子 ゆみこ 訳 やく )原 はら 書房 しょぼう 2018 ISBN 978-4-562-05446-6
ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ『パルチヴァール』(加倉井 かくらい 粛之、伊東 いとう 泰治 やすじ 、馬場 ばば 勝弥 かつや 、小栗 おぐり 友一 ともかず 訳 やく ) 郁 いく 文 ぶん 堂 どう 1974年 ねん ISBN 4-261-07118-5 。改訂 かいてい 第 だい 5刷 さつ 1998年 ねん 。
関連 かんれん 書籍 しょせき
「聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ -その起源 きげん と展開 てんかい を再考 さいこう する」、日本 にっぽん ケルト学会 がっかい 『ケルティック・フォーラム』第 だい 8号 ごう 、2005年 ねん 8月 がつ (渡邉 わたなべ 浩司 こうじ 「中世 ちゅうせい フランスにおける聖 きよし 杯 はい 物語 ものがたり 群 ぐん の展開 てんかい 」、中野 なかの 節子 せつこ 「ウェールズの<聖 きよし 杯 はい 伝説 でんせつ >」、辺見 へんみ 葉子 ようこ 「聖 きよし 杯 はい の起源 きげん 再考 さいこう ―アイルランド・スキタイ」、古澤 ふるさわ ゆう子 こ 「ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハにおけるグラール」、福井 ふくい 千春 ちはる 「聖 きよし 杯 はい 物語 ものがたり の展開 てんかい 」)
関連 かんれん 項目 こうもく
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