日本語にほんご能力のうりょく試験しけん

日本語にほんご能力のうりょく試験しけん
英名えいめい	Japanese-Language Proficiency Test
略称りゃくしょう	日にち語ご能のう試ためし・JLPT
実施じっし国こく	世界せかい
資格しかく種類しゅるい	公的こうてき資格しかく
分野ぶんや	日本語にほんご
試験しけん形式けいしき	筆記ひっき試験しけん（マークシート）
認定にんてい団体だんたい	公おおやけ財ざい法人ほうじん日本にっぽん国際こくさい教育きょういく支援しえん協会きょうかい 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん国際こくさい交流こうりゅう基金ききん
後援こうえん	外務省がいむしょう、文部もんぶ科学かがく省しょう、文化庁ぶんかちょう
認定にんてい開始かいし年月日ねんがっぴ	1984年ねん
等級とうきゅう・称号しょうごう	N1 - N5 （2009年ねんまで1級きゅう、2級きゅう、3級きゅう、4級きゅう）
公式こうしきサイト	www.jlpt.jp
ウィキプロジェクト 資格しかく ウィキポータル 資格しかく

日本語にほんご能力のうりょく試験しけん（にほんごのうりょくしけん、英語えいご: Japanese-Language Proficiency Test、略称りゃくしょうJLPT、日にち語ご能のう試ためし）は、公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん国際こくさい教育きょういく支援しえん協会きょうかいと独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん国際こくさい交流こうりゅう基金ききんが主催しゅさいする日本語にほんごを母語ぼごとしない人ひとの日本語にほんご能力のうりょくを認定にんていする語学ごがく検定けんてい試験しけんである。日本にっぽん国内こくないでは日本にっぽん国際こくさい教育きょういく支援しえん協会きょうかいが、日本にっぽん国外こくがいでは国際こくさい交流こうりゅう基金ききんが現地げんち機関きかんと共同きょうどうで試験しけんを実施じっししている。

概要がいよう

台湾たいわんで開催かいさいされた日本語にほんご能力のうりょく試験しけんのポスター

日本にっぽんを含ふくめ世界せかい92カ国かこく・地域ちいき（2023年ねん）で一部いちぶの受験じゅけん地ちを除のぞき、7月がつ上旬じょうじゅんと12月上旬じょうじゅんの年とし2回かい実施じっしされる日本語にほんご非ひ母語ぼご話者わしゃを対象たいしょうとする日本語にほんご試験しけん。日本にっぽん国籍こくせきの有無うむを問とわず、原則げんそくとして日本語にほんごを母語ぼごとしない人ひとであれば誰だれでも受験じゅけんできる。過去かこ最高さいこうとなった2023年ねんの年間ねんかん受験じゅけん者しゃ数すうは約やく126万まん人にん、全ぜんレベル合あわせて約やく38%が合格ごうかくした。

最上級さいじょうきゅうのN1から最下さいか級きゅうのN5まで5段階だんかいに分わかれる現行げんこう試験しけん（2010年ねん以降いこう実施じっし）の問題もんだい文ぶんは、実施じっしする国くににかかわらず全すべて日本語にほんごで書かかれているが、解答かいとうのほとんどが4択よ、一部いちぶ3択よのマークシート方式ほうしきである。また、試験しけん後ごに問題もんだい冊子さっしを持もち帰かえる事ことは認みとめられていない。

新しん日本語にほんご能力のうりょく試験しけん（2010年ねんから）は日本にっぽん初はつのマイノリティのための言語げんご政策せいさくにつながっていると主張しゅちょうされている。

試験しけんの利用りよう

日本語にほんご能力のうりょく試験しけんの成績せいせきは、就職しゅうしょく、昇給しょうきゅう・昇格しょうかく、資格しかく認定にんていへの活用かつようなど、様々さまざまな目的もくてきで利用りようされている。

大学だいがく

日本語にほんごを母語ぼごとしない者ものの場合ばあい、日本にっぽんの国立こくりつ大学だいがくへの派遣はけん国費こくひ留学りゅうがくには、日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN1を要求ようきゅうされる（日本人にっぽんじんがアメリカ留学りゅうがくに際さいして、TOEFLで高こう得点とくてんを獲得かくとくした証明しょうめいを要求ようきゅうされる場合ばあいがあることと同様どうよう）。なお、正規せいき留学りゅうがく・私費しひ留学りゅうがく等ひとしには日本語にほんご能力のうりょく試験しけんではなく日本にっぽん留学りゅうがく試験しけんが課かされることも多おおい。ただし、日本にっぽん留学りゅうがく試験しけんを行おこなわない国くにの志望しぼう者しゃに対たいして日本語にほんご能力のうりょく試験しけんの成績せいせきを認みとめるなど例外れいがい措置そちもある。また、大学だいがく・専門せんもん学校がっこうでの入学にゅうがくにあたって、「日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN2以上いじょう合格ごうかく、または日本にっぽん留学りゅうがく試験しけんの日本語にほんご（記述きじゅつを除のぞく）得点とくてんが200点てん以上いじょう」という基準きじゅんが、独自どくじの日本語にほんご試験しけんが免除めんじょされるなどの目安めやすとなっている。

就労しゅうろうビザ

出入国しゅつにゅうこく在留ざいりゅう管理庁かんりちょうの高度こうど人材じんざいポイント制せいによる出入国しゅつにゅうこく管理かんり上じょうの優遇ゆうぐう制度せいどのポイント計算けいさんにおいて、日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN1を有ゆうする者ものまたは外国がいこくの大学だいがくにおいて日本語にほんごを専攻せんこうした者ものは15点てんを、日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN2を有ゆうする者ものは10点てんを加算かさんする。この制度せいどは、学歴がくれき、職歴しょくれき、年収ねんしゅう、研究けんきゅう実績じっせき等とうにより合計ごうけい70点てん以上いじょうを獲得かくとくし高度こうど外国がいこく人材じんざいに認定にんていされた者ものが、出入国しゅつにゅうこく管理かんり上うえの様々さまざまな優遇ゆうぐう措置そちを得えられる制度せいどである。

医療いりょう

外国がいこくにおいて医科いか大学だいがく（医学部いがくぶ）を卒業そつぎょうした者もの、または医師いし免許めんきょを取得しゅとくした者ものが、日本にっぽんで医師いし国家こっか試験しけん又または医師いし国家こっか試験しけん予備よび試験しけんの受験じゅけん資格しかくを得えるための書類しょるい審査しんさにおいて、審査しんさ基準きじゅんの1つである日本語にほんご能力のうりょくとして、日本にっぽんの中学校ちゅうがっこうおよび高等こうとう学校がっこうを卒業そつぎょうしていない者ものは日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN1の認定にんていを受うけていることが条件じょうけんである。また医師いし国家こっか試験しけん以外いがいにも医療いりょう・保健ほけんに関かんする多おおくの国家こっか試験しけんで日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN1が受験じゅけん資格しかくになっている。

海外かいがいの看護かんご師し学校がっこう養成ようせい所しょを卒業そつぎょうした人ひとが、日本にっぽんの准じゅん看護かんご師し試験しけんを受験じゅけんするためには、日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN1の認定にんていが必要ひつようである。

経済けいざい連携れんけい協定きょうていに基もとづき、ベトナムなどからの外国がいこく人じん看護かんご師し・介護かいご福祉ふくし士し候補者こうほしゃの受入うけいれについて、訪日ほうにち前ぜん日本語にほんご研修けんしゅうにおいて一定いっていレベル（相手あいて国こくにより日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN3程度ていど以上いじょうまたはN5程度ていど以上いじょう）の日本語にほんご習得しゅうとくを入国にゅうこく条件じょうけんとしている。また訪日ほうにち前ぜん研修けんしゅう以前いぜんにN2程度ていど以上いじょうの日本語にほんご能力のうりょくを有ゆうする者ものは日本語にほんご研修けんしゅうが免除めんじょとなる。

技能ぎのう実習じっしゅう（介護かいご）

技能ぎのう実習じっしゅう生せいの要件ようけんについて、介護かいご職種しょくしゅのみに日本語にほんご能力のうりょく試験しけんが課かせられている。具体ぐたい的てきには、第だい1号ごう技能ぎのう実習じっしゅう（1年ねん目め）は日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN4合格ごうかく者しゃ、第だい2号ごう技能ぎのう実習じっしゅう（2年ねん目め）は日本語にほんご能力のうりょく試験しけんN3の合格ごうかく者しゃであることが要件ようけんの1つである。

歴史れきし

沿革えんかく

1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）、日本にっぽん国際こくさい教育きょういく協会きょうかい（当時とうじ）と国際こくさい交流こうりゅう基金ききんが年とし1回かい（12月）の試験しけんとして開始かいしした。2001年ねん（平成へいせい13年ねん）をもって私費しひ外国がいこく人じん留学生りゅうがくせい統一とういつ試験しけんが廃止はいしされ、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）に日本にっぽん留学りゅうがく試験しけんが開始かいしされると、それまで日本にっぽんの大学だいがくへの正規せいき留学りゅうがく・私費しひ留学りゅうがく等とうに日本語にほんご能力のうりょく試験しけんが私費しひ外国がいこく人じん留学生りゅうがくせい統一とういつ試験しけんと共ともに課かされていたが、これが廃止はいしされた。2009年ねん（平成へいせい21年ねん）に試験しけんを年とし1回かいから年とし2回かい（7月がつ、12月）に増ふやした。

2010年ねん（平成へいせい22年ねん）に試験しけんを大幅おおはばに改定かいていした。レベルを1級きゅう～4級きゅうの4段階だんかいからN1～N5の5段階だんかいに変更へんこうし、試験しけん科目かもく、試験しけん時間じかんおよび合格ごうかく点てんを再編さいへんした。7月試験しけんではN1～N3のみ実施じっししたが、同年どうねん12月がつ試験しけんからN4、N5を加くわえた全ぜんレベルを実施じっししている。2020年ねん（令れい和わ2年ねん）7月がつは新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうの世界せかい的てき流行りゅうこうのため中止ちゅうしした。2020年ねん12月にN4とN5の、2022年ねん12月にN1の試験しけん時間じかんを一部いちぶ変更へんこうした。

受験じゅけん者しゃ数すう

受験じゅけん者しゃ数すうについては、1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）開始かいし当時とうじは世界せかい15カ国かこく・地域ちいきで約やく7,000人にんの受験じゅけん者しゃであったが、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）まで継続けいぞくして増加ぞうかした。特とくに2000年代ねんだいに入はいってからの増加ぞうかはめざましく、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）には試験しけん回数かいすうを年とし2回かいに増ふやした事ことと、試験しけん改定かいてい前まえの年としであった事ことから年間ねんかんのべ約やく77万まん人にんが受験じゅけんした。

試験しけん改定かいていを行おこなった2010年ねん（平成へいせい22年ねん）以降いこうは年間ねんかんのべ60万まん人にん前後ぜんこうで推移すいいしていたが、2010年代ねんだい後半こうはんになると再度さいど大幅おおはばに増加ぞうかしており、2017年ねん（平成へいせい29年ねん）には年間ねんかんのべ約やく89万まん人にんで8年ねんぶりに記録きろくを更新こうしんし、2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）には年間ねんかんのべ約やく117万まん人にんを記録きろくした。2020年ねんから数すう年間ねんかんは新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう流行りゅうこうの影響えいきょうにより大おおきく落おちたが、2023年ねん（令れい和わ5年ねん）には年間ねんかんのべ約やく126万まん5千せん人にんで4年ねんぶりに記録きろく更新こうしんした。

試験しけんレベル

2010年ねん（平成へいせい22年ねん）の改定かいていから、N1-N5の5段階だんかいである。「N」は「Nihongo（日本語にほんご）」「New（新あたらしい）」を表あらわしている。

レベルと概要がいよう

レベル	認定にんていの目安めやす	旧きゅう試験しけんとの比較ひかく
N1	幅広はばひろい場面ばめんで使つかわれる日本語にほんごを理解りかいすることができる。	旧きゅう試験しけんの1級きゅうよりやや高たかめのレベルまで測はかれる。合格ごうかくラインは旧きゅう試験しけんとほぼ同おなじ。
N2	日常にちじょう的てきな場面ばめんで使つかわれる日本語にほんごの理解りかいに加くわえ、より幅広はばひろい場面ばめんで使つかわれる日本語にほんごをある程度ていど理解りかいすることができる。	旧きゅう試験しけんの2級きゅうとほぼ同おなじレベル。
N3	日常にちじょう的てきな場面ばめんで使つかわれる日本語にほんごをある程度ていど理解りかいすることができる。	旧きゅう試験しけんの2級きゅうと3級きゅうの間あいだのレベル。
N4	基本きほん的てきな日本語にほんごを理解りかいすることができる。	旧きゅう試験しけんの3級きゅうとほぼ同おなじレベル。
N5	基本きほん的てきな日本語にほんごをある程度ていど理解りかいすることができる。	旧きゅう試験しけんの4級きゅうとほぼ同おなじレベル。

日本語にほんご能力のうりょく試験しけん側がわは CEFR との対応たいおう関係かんけいを発表はっぴょうしていない。TOPJ実用じつよう日本語にほんご運用うんよう能力のうりょく試験しけんおよびJ.TEST実用じつよう日本語にほんご検定けんていは自身じしんの検定けんてい試験しけんおよび日本語にほんご能力のうりょく試験しけんと CEFR との対応たいおう関係かんけいが以下いかの関係かんけいであると主張しゅちょうしている。

CEFR	日本語にほんご能力のうりょく試験しけん	TOPJ実用じつよう日本語にほんご運用うんよう能力のうりょく試験しけん	J.TEST実用じつよう日本語にほんご検定けんてい
C2	—	上級じょうきゅうA	A級きゅう
C1	N1	上級じょうきゅうC～上級じょうきゅうB	準じゅんB級きゅう
B2	N2	中級ちゅうきゅうB～中級ちゅうきゅうA	C級きゅう
B1	N3	中級ちゅうきゅうC	D級きゅう
A2	N4	初級しょきゅうA-4	E級きゅう
A1	N5	初級しょきゅうA-5	F級きゅう

試験しけん内容ないよう

日本語にほんご能力のうりょく試験しけんは、2010年ねん（平成へいせい22年ねん）からの新しん試験しけんにおいて、日本語にほんごに関かんする知識ちしきとともに実際じっさいに運用うんようできる日本語にほんご能力のうりょくを重視じゅうしする。そのために日本語にほんご能力のうりょく試験しけんは、文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽうといった言語げんご知識ちしきと、その言語げんご知識ちしきを利用りようしてコミュニケーション上じょうの課題かだいを遂行すいこうする能力のうりょくを測はかることとし、この能力のうりょくを「課題かだい遂行すいこうのための言語げんごコミュニケーション能力のうりょく」と呼よぶ。測定そくていにあたり、「言語げんご知識ちしき」「読解どっかい」「聴解ちょうかい」の三みっつに分わけて測定そくていを行おこなう。

試験しけん科目かもくと時間じかん

レベル	言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）・読解どっかい		聴解ちょうかい	合計ごうけい
N1	110分ふん		55分ふん	165分ふん
N2	105分ふん		50分ふん	155分ふん
レベル	言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい）	言語げんご知識ちしき（文法ぶんぽう）・読解どっかい	聴解ちょうかい	合計ごうけい
N3	30分ふん	70分ふん	40分ふん	140分ふん
N4	25分ふん	55分ふん	35分ふん	115分ふん
N5	20分ふん	40分ふん	30分ふん	90分ふん

N1とN2では「言語げんご知識ちしき（文字もじ・ 語彙ごい・文法ぶんぽう）」と「読解どっかい」を一ひとつの試験しけん科目かもくとして試験しけんを実施じっしするが、N3、N4、N5では、「言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい）」 と「言語げんご知識ちしき（文法ぶんぽう）・読解どっかい」の二ふたつの試験しけん科目かもくで実施じっしする。これは、N3、N4、N5では、出題しゅつだいされる語彙ごい、漢字かんじ、文法ぶんぽう項目こうもくの数かずが少すくないので、「言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）・ 読解どっかい」の一ひとつの試験しけん科目かもくにするといくつかの問題もんだいがほかの問題もんだいのヒントになることがあるためである。

問題もんだい構成こうせい

全問ぜんもんマークシート方式ほうしきによって日本語にほんごの知識ちしき、読よむ力ちからおよび聞きく力ちからを測はかる。話はなしたり書かいたりする能力のうりょくを直接ちょくせつ測はかる試験しけん科目かもくはない。大だい問といの構成こうせいは以下いかの通とおり。

大だい問といの構成こうせい

試験しけん科目かもく		満点まんてん	大だい問とい	レベル	内容ないよう
言語げんご知識ちしき	文字もじ・語彙ごい	60点てん	漢字かんじ読よみ	全ちょん	漢字かんじで書かかれた語かたりの読よみ方かたを問とう
			表記ひょうき	N2-N5	ひらがなで書かかれた語かたりの漢字かんじ表記ひょうき・カタカナ表記ひょうき（N5のみ出題しゅつだい）を問とう
			語かたり形成けいせい	N2	派生はせい語ごや複合語ふくごうごの知識ちしきを問とう。N1とN3は文脈ぶんみゃく規定きていで同様どうようの知識ちしきを問とう
			文脈ぶんみゃく規定きてい	全ちょん	一文いちぶん中ちゅうの空そら所しょに入はいる意味いみ的てきに最もっとも適当てきとうな語かたりを問とう
			い換いかえ類るい義よし	全ちょん	出題しゅつだいされる語かたりや表現ひょうげんと意味いみ的てきに近ちかい語かたりや表現ひょうげんを問とう
			用法ようほう	N1-N4	語かたりが文ぶんの中なかでどのように使つかわれるのかを問とう
	文法ぶんぽう		文ぶんの文法ぶんぽう1（文法ぶんぽう形式けいしきの判断はんだん）	全ちょん	一文いちぶんレベルの空そら所しょ補充ほじゅう形式けいしき。文ぶんの内容ないように合あった文法ぶんぽう形式けいしきかどうかを判断はんだんできるかを問とう
			文ぶんの文法ぶんぽう2（文ぶんの組くみ立たて）	全ちょん	一文いちぶんレベルの並ならべ替かえ形式けいしき。統語とうご的てきに正ただしく、かつ、意味いみが通とおる文ぶんを組くみ立たてることができるかを問とう
			文章ぶんしょうの文法ぶんぽう	全ちょん	一文いちぶんを超こえたレベルの空そら所しょ補充ほじゅう形式けいしき。文章ぶんしょうの流ながれに合あった文ぶんかどうかを判断はんだんすることができるかを問とう
読解どっかい		60点てん	内容ないよう理解りかい（短文たんぶん)	全ちょん	テキストに書かかれている事実じじつ関係かんけいが理解りかいできているか、理由りゆうや原因げんいんが把握はあくできているか、その文脈ぶんみゃくではどのような意味いみなのかを理解りかいできているかなどを問とう
			内容ないよう理解りかい（中ちゅう文ぶん）	全ちょん
			内容ないよう理解りかい（長文ちょうぶん）	N1、N3
			統合とうごう理解りかい	N1-N2	複数ふくすうのテキストを読よみ比くらべて、比較ひかく・統合とうごうしながら理解りかいできるかを問とう
			主張しゅちょう理解りかい（長文ちょうぶん）	N1-N2	テキストが全体ぜんたいとして伝つたえようとしている主張しゅちょう・意見いけんを読よみ取とることができるかを問とう
			情報じょうほう検索けんさく	全ちょん	情報じょうほう素材そざいの中なかから必要ひつような情報じょうほうを探さがし出だすことができるかを問とう
聴解ちょうかい		60点てん	課題かだい理解りかい	全ちょん	具体ぐたい的てきな課題かだい解決かいけつに必要ひつような情報じょうほうをき取きとり、次つぎに何なにをするのが適当てきとうか理解りかいできるかを問とう
			ポイント理解りかい	全ちょん	事前じぜんに示しめされている聞きくべきことをふまえ、ポイントを絞しぼって聞きくことができるかを問とう
			概要がいよう理解りかい	N1-N3	テキスト全体ぜんたいから話者わしゃの意図いとや主張しゅちょうなどを理解りかいできるかどうかを問とう
			発話はつわ表現ひょうげん	N3-N5	イラストを見みながら、状況じょうきょう説明せつめいを聞きいて、適切てきせつな発話はつわが選択せんたくできるかを問とう
			即時そくじ応答おうとう	全ちょん	質問しつもんなどの短みじかい発話はつわを聞きいて、適切てきせつな応答おうとうが選択せんたくできるかを問とう
			統合とうごう理解りかい	N1-N2	内容ないようがより複雑ふくざつで情報じょうほう量りょうの多おおいテキストについて、内容ないようの理解りかいを問とう

得点とくてん区分くぶんと合格ごうかく点てん

2010年ねん（平成へいせい22年ねん）の改定かいていより、得点とくてんはすべて点数てんすう等化とうかによる「尺度しゃくど点てん」によって出だされている。このため、試験しけんの難易なんいに関かかわらずどの回かいで受験じゅけんしても同おなじ能力のうりょくであれば同おなじ得点とくてんになるとされる。また、得点とくてん区分くぶんは試験しけん時じの試験しけん科目かもく（時間割じかんわり）と異ことなっている。N4とN5の得点とくてん区分くぶんが「言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）」と「読解どっかい」で一ひとつになっているのは、「言語げんご知識ちしき」と「読解どっかい」の能力のうりょくで重かさなる部分ぶぶんが多おおいので、「読解どっかい」だけの得点とくてんを出だすよりも、「言語げんご知識ちしき」と合あわせて得点とくてんを出だすこと が学習がくしゅう段階だんかいの特徴とくちょうに合あっていると考かんがえられるためである。

各かく級きゅうとも総合そうごう得点とくてんが合格ごうかく点てん以上いじょうかつ、各かく得点とくてん区分くぶんが基準きじゅん点てん以上いじょうであれば合格ごうかくとなる。合格ごうかく点てんは、N1-N3は2010年ねん（平成へいせい22年ねん）8月がつ30日にちに、N4-N5は2011年ねん（平成へいせい23年ねん）1月がつ31日にちに発表はっぴょうされた。

N1-N3

• 言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）（0点てん-60点てん）
• 読解どっかい（0点てん-60点てん）
• 聴解ちょうかい（0点てん-60点てん）

N4～N5

• 言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）・読解どっかい（0点てん-120点てん）
• 聴解ちょうかい（0点てん-60点てん）

各かく級きゅうの合格ごうかく点てん・基準きじゅん点てん

	総合そうごう得点とくてん	言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）	読解どっかい	聴解ちょうかい
得点とくてん範囲はんい	0点てん-180点てん	0点てん-60点てん	0点てん-60点てん	0点てん-60点てん
	合格ごうかく点てん	基準きじゅん点てん
N1	100点てん	19点てん	19点てん	19点てん
N2	90点てん	19点てん	19点てん	19点てん
N3	95点てん	19点てん	19点てん	19点てん
	総合そうごう得点とくてん	言語げんご知識ちしき（文字もじ・語彙ごい・文法ぶんぽう）・読解どっかい		聴解ちょうかい
得点とくてん範囲はんい	0点てん-180点てん	0点てん-120点てん		0点てん-60点てん
	合格ごうかく点てん	基準きじゅん点てん
N4	90点てん	38点てん		19点てん
N5	80点てん	38点てん		19点てん

受験じゅけん申込もうしこみ

日本にっぽん国内こくないで受験じゅけんする場合ばあいの申込もうしこみは、第だい1回かい（7月がつ）試験しけんは4月がつに、第だい2回かい（12月）試験しけんは9月に受付うけつけを行おこなう。受験じゅけん料りょうは6,500円えん。インターネットの国内こくない受験じゅけん者しゃ用ようウェブサイトからMyJLPTへの登録とうろく後ご、申込もうしこみ受付うけつけ期間きかん内ないに申込もうしこむ（個人こじん申込もうしこみと団体だんたい申込もうしこみの2種しゅ）。協会きょうかいから受験じゅけん票ひょうを返送へんそうするための日本にっぽん国内こくないの住所じゅうしょを記入きにゅうする必要ひつようがあるため、住所じゅうしょがない場合ばあいは日本にっぽん国内こくないに住所じゅうしょを持もつ代理人だいりにんに受験じゅけん票ひょう等とうの受うけ取とりを依頼いらいする必要ひつようがある。どの級きゅうも同おなじ時間じかん帯たいに試験しけんを行おこなうので、複数ふくすう級きゅうの受験じゅけんはできない。受験じゅけん会場かいじょうは受験じゅけん者しゃが願書がんしょに記入きにゅうした「希望きぼう受験じゅけん地区ちく」と住所じゅうしょ欄らんの郵便ゆうびん番号ばんごうを基もとに協会きょうかいが指定していする。

日本にっぽん国外こくがいで受験じゅけんする場合ばあいは現地げんち機関きかんが独自どくじに受付うけつけを行おこなうため、申込もうしこみ方法ほうほうや締切しめきり日びなどが日本にっぽん国内こくないで受験じゅけんする場合ばあいと異ことなる。また、出願しゅつがん先さきの国くにと異ことなる国くにで受験じゅけんすることは出来できない。

合否ごうひ結果けっか

試験しけん結果けっかは試験しけん翌月よくげつの下旬げじゅんからウェブサイトで確認かくにんできる。

日本にっぽん国内こくないの受験じゅけん者しゃには圧着あっちゃくはがきで「合否ごうひ結果けっか通知つうち書しょ」が送付そうふされる。成績せいせき書類しょるいの様式ようしきや手続てつづき方法ほうほうが異ことなる国外こくがい受験じゅけん者しゃの試験しけん結果けっかは試験しけんの翌々月よくよくげつ上旬じょうじゅんに日本にっぽんから発送はっそうされるため、到着とうちゃくまでに多おおくの日数にっすうを要ようする。

学校がっこうや会社かいしゃなどへ提出ていしゅつするA4サイズの「認定にんてい結果けっか及および成績せいせきに関かんする証明しょうめい書しょ」は、インターネット出願しゅつがんの場合ばあいはウェブサイトから手続てつづきすることで、郵送ゆうそう出願しゅつがんもしくは2011年ねん以前いぜんの受験じゅけん者しゃについては、合否ごうひ結果けっか通知つうち書しょまたは日本語にほんご能力のうりょく認定にんてい書しょのコピーを所定しょていの手数料てすうりょうを支払しはらえば発給はっきゅうされるが、国外こくがい受験じゅけん者しゃの成績せいせき書類しょるいには偽造ぎぞうが相次あいついでいる。これに対たいして、日本にっぽん政府せいふは「在留ざいりゅう資格しかく審査しんさにおいて地方ちほう出入国しゅつにゅうこく在留ざいりゅう管理かんり局きょくに提出ていしゅつされた証明しょうめい書類しょるいに疑義ぎぎが生しょうじた場合ばあい、必要ひつように応おうじて試験しけん実施じっし団体だんたいに照会しょうかいし真偽しんぎ確認かくにんするなど厳格げんかくな審査しんさを実施じっし」し、証明しょうめい書類しょるいの偽造ぎぞうが確認かくにんされた場合ばあいには「在留ざいりゅう資格しかくを付与ふよしていない」としている。

国くに別べつ受験じゅけん者しゃ数すう

2023年ねん（令れい和わ5年ねん）に実施じっしされた日本にっぽん国外こくがいでの受験じゅけん者しゃ数すうは以下いかの通とおりである。あくまで受験じゅけん地ち別べつの分布ぶんぷであり、受験じゅけん者しゃの国籍こくせきを表あらわしたものではない。

一部いちぶの年としを除のぞき例年れいねん中国ちゅうごくでの受験じゅけん者しゃが最もっとも多おおく、その次つぎに韓国かんこくまたは台湾たいわんで、その後ごには東南とうなんアジア・南みなみアジア諸国しょこくが続つづく。2023年ねんはミャンマーでの受験じゅけん者しゃが急増きゅうぞうし初はじめて2番目ばんめの多おおさとなった。東南とうなんアジアでの受験じゅけん者しゃが多おおいのは日本にっぽんへの出稼でかせぎや、あるいは現地げんちの日系にっけい企業きぎょうなどで働はたらくために受験じゅけんする人ひとが多おおいためと推察すいさつされる。また、上級じょうきゅうレベルとなるN1・N2では、中国ちゅうごくを筆頭ひっとうに韓国かんこくや台湾たいわんといった東ひがしアジア諸国しょこくの受験じゅけん者しゃ数すうが非常ひじょうに多おおい一方いっぽうで、中級ちゅうきゅうレベル以降いこうのN3・N4・N5レベルは東南とうなんアジア・南みなみアジア諸国しょこくの受験じゅけん者しゃ数すうが多おおくなっている。

2023年ねん　国くに別べつ海外かいがい受験じゅけん者しゃ数すう

国くに・地域ちいき		受験じゅけん者しゃ数すう			構成こうせい比ひ
		7月がつ	12月	合計ごうけい
中国ちゅうごく		139,933	129,103	269,036	32.4%
（内訳うちわけ）	中国ちゅうごく本土ほんど	132,064	122,124	254,188	30.6%
	香港ほんこん	7,523	6,690	14,213	1.7%
	マカオ	346	289	635	0.1%
ミャンマー		90,000	86,406	176,406	21.2%
大韓民国だいかんみんこく		34,107	38,359	72,466	8.7%
台湾たいわん		34,094	34,376	68,470	8.2%
ベトナム		26,245	28,562	54,807	6.6%
インドネシア		13,347	16,468	29,815	3.6%
インド		13,923	14,464	28,387	3.4%
タイ		12,468	15,683	28,151	3.4%
スリランカ		10,875	8,293	19,168	2.3%
その他た		30,004	55,034	85,038	10.2%
海外かいがい計けい		404,996	426,748	831,744	100%
日本にっぽん国内こくない		197,144	236,547	433,691	-
合計ごうけい		602,140	663,295	1,265,435	-

2009年ねんまでの試験しけん内容ないよう

1984年ねんから2009年ねんまで実施じっしされた旧きゅう試験しけんの内容ないようについて述のべる。

旧きゅう試験しけんの級きゅう（試験しけんレベル）

旧きゅう級きゅう	語彙ごい数すう	漢字かんじ数すう	学習がくしゅう時間じかんの目安めやす	能力のうりょくの目安めやす	対応たいおうする新しん試験しけん
1級きゅう	10000語ご	2000字じ	900時じ間あいだ	社会しゃかい生活せいかつをする上じょうで必要ひつような総合そうごう的てきな日本語にほんご能力のうりょく	N1
2級きゅう	6000語ご	1000字じ	600時じ間あいだ	一般いっぱん的てきな事柄ことがらについて、会話かいわができ、読よみ書かきできる能力のうりょく	N2
3級きゅう	1500語ご	300字じ	300時じ間あいだ	日常にちじょう生活せいかつに役立やくだつ会話かいわができ、簡単かんたんな文章ぶんしょうが読よみ書かきできる能力のうりょく	N4
4級きゅう	800語ご	100字じ	150時じ間あいだ	簡単かんたんな会話かいわができ、平易へいいな文ぶんまたは短みじかい文章ぶんしょうが読よみ書かきできる能力のうりょく	N5

旧きゅう試験しけんの試験しけん時間じかん

旧きゅう級きゅう	文字もじ・語彙ごい	聴解ちょうかい	読解どっかい・文法ぶんぽう	合計ごうけい
1級きゅう	45分ふん	45分ふん	90分ふん	180分ふん
2級きゅう	35分ふん	40分ふん	70分ふん	145分ふん
3級きゅう	35分ふん	35分ふん	70分ふん	140分ふん
4級きゅう	25分ふん	25分ふん	50分ふん	100分ふん

旧きゅう試験しけんの配点はいてん

文字もじ・語彙ごい	聴解ちょうかい	読解どっかい・文法ぶんぽう	合計ごうけい
100点てん	100点てん	200点てん	400点てん

旧きゅう試験しけんの合格ごうかく基準きじゅん

旧きゅう級きゅう	合計ごうけい点てん
1級きゅう	280点てん（70%）以上いじょう / 400点てん
2級きゅう - 4級きゅう	240点てん（60%）以上いじょう / 400点てん

関連かんれん項目こうもく

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• 技能ぎのう実習じっしゅう制度せいど

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト
• 日本にっぽん国際こくさい教育きょういく支援しえん協会きょうかい 国内こくない受験じゅけん者しゃ用ようウェブサイト