目黒めぐろのさんま

目黒めぐろのさんま（めぐろのさんま）は古典こてん落語らくごの噺はなしの一ひとつである。低級ていきゅうな下した魚ぎょとして扱あつかわれていたさんまを、庶民しょみん的てきな流儀りゅうぎで無造作むぞうさに調理ちょうりすると美味びみだが、丁寧ていねいに調理ちょうりすると不味まずい、という滑稽こっけい噺ばなしである。落語らくご界かいで秋あきの噺はなしとして知しられるが、成立せいりつ時期じきは不明ふめいである。3代目だいめ三さん遊ゆう亭てい金きん馬ばが得意とくいとした演目えんもくである。

あらすじ

ある殿様とのさまが目黒めぐろまで遠乗とおのり（あるいは鷹狩たかがり）に出でる。供ともの者ものが弁当べんとうを忘わすれたために腹はらを空すかせている殿様とのさま一同いちどうのもとにうまそうな匂においが漂ただよってくる。殿様とのさまが匂においの元もとを尋たずねると家来けらいが、これはさんまというものを焼やく匂においだがさんまは庶民しょみんの食たべる下した魚ぎょなので殿しんがりのお口くちに合あうものではないと答こたえる。しかし空腹くうふくに耐たえかねた殿様とのさまはさんまを持もってくるよう命めいじ、家来けらいは農家のうかの者ものが食たべようとしていたさんまを頼たのんでもらってくる。直接ちょくせつ炭火すみびで焼やいた「隠亡おんぼう焼やき」のさんまは黒くろく焦こげて脂あぶらがしたたっているが、初はじめてさんまを食たべた殿様とのさまはそのうまさに大だい喜よろこびする。

さんまのうまさが忘わすれられず、殿様とのさまはある日ひさんまを出だすよう家来けらいに申もうしつける。庶民しょみんの魚さかなであるさんまは屋敷やしきにはないので家来けらいは慌あわてて出でて行いき、日本橋にほんばしの魚河岸うおがしでさんまを買かい求もとめる。しかし調理ちょうりの段だんになると、焼やくと脂あぶらが多おおく出でて体からだに悪わるいということで、蒸ふけ籠ごもで蒸むして脂あぶらをすっかり抜ぬき、骨ほねがのどに刺ささるといけないと骨ほねを一本いっぽん一いち本ほん抜ぬくと、身み姿すがたが崩くずれた姿すがたを椀わんにして出だした。殿様とのさまが食たべてみると目黒めぐろで食たべたものとは比較ひかくにならぬまずさ。どこで求もとめたさんまかと尋たずねると家来けらいは「日本橋にほんばし魚河岸うおがしで求もとめてまいりました」答こたえる。殿様とのさまはしたり顔がおで「ううむ、それはいかん。さんまは目黒めぐろに限かぎる」。

海うみから遠とおい目黒めぐろで捕とった魚さかなが美味うまいと信しんじて断言だんげんする、というくだりが落おちである。世俗せぞくに無知むちな殿とのさまを風刺ふうしする話はなしでもある。

噺はなしの後半こうはんは、最初さいしょに目黒めぐろで食たべてきた殿様とのさまではなく、その美味おいしさを吹聴ふいちょうされた他ほかの殿様とのさま達たちのうちの1人ひとりが、されば余よも、と所望しょもうするがやはり台だいなしな椀わん物ぶつを供きょうされて、最初さいしょの殿様とのさまに苦情くじょうを申もうし立たてて落おちの問答もんどうに至いたる流ながれもあるが、現在げんざいほとんど演えんじられていない。

背景はいけい

この噺はなしは作者さくしゃ不明ふめいの古典こてんであり、現在げんざい演えんじられている内容ないようから背景はいけいを特定とくていすることは困難こんなんである。当時とうじの「目黒めぐろ」は現在げんざいよりもさらに広範囲こうはんいを指さしていたが、事物じぶつを演者えんじゃが好すきに折おり込こんだため、あたかも実話じつわ由来ゆらいの噺はなしと思おもわれており、地元じもとの観光かんこう素材そざいなどに用もちいられている。

鷹狩たかがり場じょう

江戸えど時代じだい、将軍しょうぐんの広大こうだいな鷹狩たかがり場ばは複数ふくすうあり、単たんに「御ご場ば（ごじょう）」とも呼よばれ、その一ひとつが「目黒めぐろ筋すじ」である（旧称きゅうしょう：品川しながわ）。文化ぶんか2年ねん（1805年ねん）の「目黒めぐろ筋すじ御ご場ば絵図えず」によれば「目黒めぐろ筋すじ御ご場ば」の範囲はんいは、現在げんざいの大田おおた区く西馬込にしまごめなどにあたる馬込まごめ、現在げんざいの世田谷せたがや区くほぼ全域ぜんいきおよび狛江こまえ市しにあたる世田谷せたがや、麻布まふ、品川しながわ、駒場こまばなど広ひろい範囲はんいが含ふくまれる。

江戸えど期きに目黒めぐろ筋すじ鷹狩たかがり場じょうの番人ばんにんの屋敷やしきであった場所ばしょは、現在げんざい鷹番たかばんと呼よばれている。

鷹狩たかがり場じょう近辺きんぺんに徳川とくがわ幕府ばくふの庇護ひご下かにあって繁栄はんえいした目黒めぐろ不動ふどうがあったが、鷹狩たかがりから目黒めぐろ不動ふどう参詣さんけいのあと近辺きんぺんの茶屋ちゃやで休息きゅうそくしたといわれており、その話はなしが成立せいりつのヒントとなった、とする説せつを地元じもとが採用さいようしている。この茶屋ちゃやは百姓ひゃくしょうの彦四郎ひこしろうが開ひらいたとされ、将軍家しょうぐんけ光こうが彦四郎ひこしろうの人柄ひとがらを愛あいして「爺じい、爺じい」と呼よびかけたことから爺じい々が茶屋ちゃやと称しょうされた。この爺じい々が茶屋ちゃやは歌川うたがわ広重ひろしげの「名所めいしょ江戸えど百ひゃく選せん」で題材だいざいとされている。

爺じい々が茶屋ちゃやの場所ばしょに以下いかの2説せつがある。

現在げんざいの渋谷しぶや区く

林はやし百ひゃく助すけ（俳号はいごう、立だて路ろ）の随筆ずいひつ『立だて路ろ随筆ずいひつ』に「祖父そふが茶屋ちゃや（じいがちゃや）」は「目黒めぐろ道玄坂どうげんざか」にあったという記述きじゅつがある。道玄坂どうげんざかは現在げんざいの渋谷しぶや道玄坂どうげんざかだが江戸えど期きは目黒めぐろ道玄坂どうげんざかと呼よばれていた。

茶屋ちゃや坂ざか。前方ぜんぽうの煙突えんとつは目黒めぐろ清掃せいそう工場こうじょう

現在げんざいの目黒めぐろ区く

目黒めぐろ区く内うちの、目黒めぐろ駅えきと恵比寿えびす駅えきの中間ちゅうかんでポーランド大使館たいしかんとアルジェリア大使館たいしかんの近ちかくに「茶屋ちゃや坂ざか」があり、この近辺きんぺんに爺じい々が茶屋ちゃやがあったと伝聞でんぶんされ、目黒めぐろ区く教育きょういく委員いいん会かいが「茶屋ちゃや坂ざかと爺じい々が茶屋ちゃや」の告知こくち板ばんを設置せっちしている。同地どうちと目黒めぐろ清掃せいそう工場こうじょうの間あいだに茶屋ちゃや坂ざか街まちかど公園こうえんがある。

主人公しゅじんこうの殿様とのさまは赤井あかい御門みかど守もり、あるいは単たんに「然しかる御ご大名だいみょう」とだけ描えがいて名前なまえを付ふさない演出えんしゅつも多おおく、実在じつざいの殿様とのさまとは関係かんけいない。

柳やなぎ家禽かきん語ご楼ろうは、「殿様とのさま」を出雲いずも国こく（出雲いずもの国くになので「雲くも州しゅう」とも呼よばれる）、松江まつえ藩はん藩主はんしゅ・松平まつだいら家か（松平まつだいら出羽守でわのかみ）の当主とうしゅとしており、以降いこうこれを踏襲とうしゅうする者ものが多おおい。何なん代目だいめであるか特定とくていしていないが、寛永かんえい年間ねんかんの噺はなしとしていることから松平まつだいら直政なおまさとも推察すいさつできる。

林家はやしや彦六（稲荷いなり町まち）は殿様とのさまを徳川とくがわ将軍家しょうぐんけとした。殿とのさまが後あとで食たべるサンマを江戸えどの日本橋にほんばしで水揚みずあげされたものとせず、徳川とくがわ御三家ごさんけの一ひとつである水戸みとで水揚みずあげされたものとする大おおきな話はなしに仕立したてている。

殿とのさまが御殿ごてんで後のちに食しょくしたサンマは、上記じょうきのように日本橋にほんばしで買かったものとして暗あんに高級こうきゅうを示唆しさするが、最初さいしょに目黒めぐろ（の茶屋ちゃや）において食たべたサンマはどこで手てに入いれたものか。噺はなしの中なかにそれを特定とくていする根拠こんきょは何なにもないが、愛好あいこう者しゃの間あいだでは以下いかの諸説しょせつが語かたられている。

• 芝しば浜はまの魚市場うおいちば（ざこば）

芝しば浜はまの魚市場うおいちばは現在げんざいの港みなと区くにあった。そこでサンマを購入こうにゅうし徒歩とほで茶屋ちゃやまで運はこばれたという説せつである。

噺家はなしかの四よん代目だいめ古今ここん亭てい志こころざしん好このみ（柳家やなぎや三さん寿ことぶき、柳家やなぎや金かね語ご、三さん遊ゆう亭てい金魚きんぎょ、1901 - 1994年ねん）の説せつによれば、江戸えど時代じだいには目黒めぐろは芋いもの産地さんちで行商ぎょうしょうが盛さかんに行おこなわれていたが、「目黒めぐろのいも」の大だい需要じゅよう地ちが、東海道とうかいどう品川しながわ宿やどと、大おおきな魚市場うおいちばが当時とうじ存在そんざいしていた芝しばであった。目黒めぐろを朝あさ早はやく出でて両りょう地ちにて芋いもを売うり、その代金だいきんで「芝しばのサンマ」を買かって、昼過ひるすぎに歩あるいて目黒めぐろに帰かえるのが行商ぎょうしょう人じんのパターンの一ひとつだったという。

• 別べつの魚市場うおいちば

目黒めぐろは現在げんざいの天王てんのう洲しゅうあたりとなる目黒めぐろ川がわ河口かこうの雑魚ざこ場じょうから揚あがる新鮮しんせんな近海きんかい魚ぎょが入手にゅうしゅ可能かのうで、新鮮しんせんなサンマが手てに入はいり易やすい場所ばしょだったとする説せつがある。雑魚ざこ場じょうは、目黒めぐろ川がわ河口かこうに確認かくにんできず、芝しば浜はまの雑魚ざこ場じょうと同おなじ可能かのう性せいもあり、位置いちが明確めいかくでなく真偽しんぎは不明ふめいである。海うみと無縁むえんな場ばで食しょくした魚さかなが美味うまかったとする噺はなしの趣旨しゅしとも異ことなる。

• 目黒めぐろ川がわ

これは、最初さいしょに将軍しょうぐんの口くちに入はいったのが「新鮮しんせんでないサンマ」か「新鮮しんせんなサンマ」かという違ちがいでもある。ちなみに築地つきじにはこのころ魚市場うおいちばは存在そんざいしていない。

目黒めぐろ川がわに遡上そじょうしたサンマを農民のうみんが捕獲ほかくしたものとも言いわれる。現在げんざいでも目黒めぐろ川がわ河口かこうはボラ・スズキ・ハゼなどの食用しょくよう魚ぎょが生息せいそくする。1980年代ねんだい前半ぜんはんに東京とうきょう湾わんで大量たいりょうにサンマが発生はっせいして江戸川えどがわなどの河川かせんを遡上そじょうしたこともあった。

• 日本橋にほんばしの魚河岸うおがし

輸送ゆそうが不便ふべんだった当時とうじは、現場げんばですぐ淡あわ塩しお（うすじお）をあてた。九十九里浜くじゅうくりはまで捕とれたサンマは速度そくどの遅おそい和船わせんで1昼夜ちゅうやかけて日本橋にほんばしの魚河岸うおがしに運はこんだが、魚さかな味あじが定さだまっており手てを加くわえずに食くえせた。目黒めぐろ近辺きんぺんはサトイモの産地さんちで、サトイモと塩漬しおづけサンマを日本橋にほんばしで物々交換ぶつぶつこうかんしていた、とする説せつもある。

「目黒めぐろのさんま」にちなんだ祭まつり

目黒めぐろ駅えき周辺しゅうへん

この噺はなしをもとにして、目黒めぐろ駅えきをはさんで「目黒めぐろのSUNまつり」と「目黒めぐろのさんま祭まつり」が毎年まいとし催もよおされて焼しょうサンマが無料むりょうで振舞ふるまわれる。

品川しながわ区く上大崎かみおおさきの「さんま祭まつり」は岩手いわて県けん宮古みやこ、目黒めぐろ区くの「SUNまつり」は宮城みやぎ県けん気仙沼けせんぬま、でそれぞれ水揚みずあげされたものを用もちいており、それぞれの漁期ぎょきから両者りょうしゃの開催かいさい日びは異ことなる。

2011年ねんは東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで宮古みやふると気仙沼けせんぬまの被害ひがいは甚大じんだいであったが、各位かくいの尽力じんりょくでさんまが提供ていきょうされた。

品川しながわ区く上大崎かみおおさき 「目黒めぐろのさんま祭まつり」

目黒めぐろ駅前えきまえ商店しょうてん街がい

目黒めぐろ駅前えきまえ商店しょうてん街がい振興しんこう組合くみあい青年せいねん部ぶ主催しゅさい（品川しながわ区役所くやくしょ後援こうえん）による私費しひ行事ぎょうじ「目黒めぐろのさんま祭まつり」。

• 毎年まいとし、9月の第だい1または第だい2日曜日にちようびに、宮古みやふる産さんサンマの旬しゅんによって決定けっていされて開催かいさいされる。
• 会場かいじょうは誕生たんじょう八幡はちまん神社じんじゃ。
• サンマは岩手いわて県けん宮古みやこ産さん、大根だいこんおろしは栃木とちぎ県けん那須塩原なすしおばら市し高林たかばやし町まち産さん、すだちは徳島とくしま県けん神山かみやま産さん、付つけ合あわせに東京とうきょう新高にいたか屋やのべったら漬づけ、が提供ていきょうされる。
• 発案はつあんは地元じもと出身しゅっしんの演芸えんげい作家さっかベン村むらさ来らい。
• 「目黒めぐろのさんま」の演目えんもくで無料むりょう寄席よせが催もよおされて500人にんほどが集たかる。
• 漫才まんざい、漫談まんだんも催もよおされる。
• 周波数しゅうはすう88 - 89MHzの微弱びじゃく電波でんぱ2波はを使つかい（2015年ねんはAM1350キロヘルツ）ミニFM放送ほうそうを開局かいきょくし、行列ぎょうれつに並ならぶ人々ひとびとや会場かいじょう内ないの拡声かくせい受信じゅしん器きへ落語らくご、漫才まんざい、漫談まんだんなどを送信そうしんする。開演かいえん前まえの客きゃく席入せきいり替がえ中ちゅうや終演しゅうえん後ごは、前年ぜんねんやその日ひの録音ろくおんを再さい放送ほうそうする。
• 打うち上あげで、半はん切きりにしたすだちを浮うかべた「目黒めぐろビール」が愛飲あいいんされている。
• 宮古みやこから当日とうじつ朝あさに会場かいじょうと築地つきじ卸売おろしうり市場いちばにサンマが到着とうちゃくする。
• 駅えき周辺しゅうへんで当日とうじつと近傍きんぼうに、宮古みやこ直送ちょくそうサンマの一品いっぴんを提供ていきょうする飲食いんしょく店てんがある。
• 2021年度ねんどのまつりは中止ちゅうしとなり、代替だいたい企画きかくとして、まつりでおなじみの品物しなものが当あたる「目黒めぐろのさんま抽選ちゅうせん会かい」が行おこなわれた。

目黒めぐろ区く 目黒めぐろのSUNまつり（目黒めぐろ区民くみんまつり）

SUNまつりで焼やかれるサンマ

目黒めぐろ区民くみんまつり実行じっこう委員いいん会かいが主催しゅさいし、目黒めぐろ区くと目黒めぐろ区く教育きょういく委員いいん会かいが後援こうえんする祭事さいじで「目黒めぐろのさんま祭さい」が催もよおされる。

• 会場かいじょうは田道たみち広場ひろば公園こうえん（上述じょうじゅつの茶屋ちゃや坂さか近ちかく）および区営くえい近隣きんりん施設しせつ。
• サンマは宮城みやぎ県けん気仙沼けせんぬま産さん。大根だいこんおろしは宮城みやぎ県けん産さん。大分おおいた県けん臼杵うすき産さんのかぼすを使用しよう。
• 落語らくご「目黒めぐろのさんま」が演えんじられる。
• 最初さいしょは上大崎かみおおさきと同おなじく「目黒めぐろのさんま祭さい」と呼よばれていたが、区民くみんまつりの一部いちぶになった際さいに、「目黒めぐろのSUNまつり」に変更へんこうされた。
• 目黒めぐろ区民くみんまつりが40回かいを迎むかえた2016年ねんのまつりには、社団しゃだん法人ほうじんめぐろ観光かんこうまちづくり協会きょうかい名誉めいよ会長かいちょうで目黒めぐろ区民くみんでもあるタモリが出席しゅっせきした。
• 2021年度ねんどのまつり開催かいさいは中止ちゅうしとなったが、目黒めぐろのさんま祭さい25周年しゅうねんを記念きねんして、「目黒めぐろ」と「サンマ」をテーマにした新作しんさく落語らくご（を演えんじた動画どうが）を募集ぼしゅう。共ともに目黒めぐろ区く出身しゅっしんである落語らくご家かの春風しゅんぷう亭てい柳やなぎ枝えだと三さん遊ゆう亭ていれん生せいを審査しんさ員いんに決勝けっしょう大会たいかいをオンライン配信はいしんで開催かいさいした。優勝ゆうしょうは麹こうじ家かと太郎たろう「さんまになりたい」。審査しんさ員いん特別とくべつ賞しょうは俺おれ亭ていきらり「目黒めぐろのサンバ」。

その他たの地区ちく

• 目黒めぐろの隣となりにあたる渋谷しぶや区く恵比寿えびすでは、恵比寿えびす恵めぐみ成なり商店しょうてん会かい・となりのサンマ祭まつり実行じっこう委員いいん会かい共催きょうさい「となりの恵比寿えびすサンマ祭まつり」が2007年ねんから開催かいさいされるようになった。時期じきは10月がつ。会場かいじょうはビール坂ざか。
• 東京とうきょうタワーでも「三陸さんりく・大船渡おおふなと東京とうきょうタワーさんままつり」が開催かいさいされている。
• 全国ぜんこくのサンマの水揚みずあげ地ちで同様どうようの祭まつりが催もよおされるようになり、目黒めぐろ駅前えきまえで始はじまった行事ぎょうじのパターンは、いまや全国ぜんこくに受うけ継つがれている。
• 目め「黒くろ」のさんまに対抗たいこうして、目め「白しろ」の一部いちぶの飲食いんしょく店てんでは、サンマを使つかった塩焼しおやき以外いがいのメニューを「目白めじろのサンマ」として提供ていきょう、地域ちいきをアピールするという試こころみがされている。

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  目黒めぐろのさんま祭まつり（2010年ねん9月がつ撮影さつえい）
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  目黒めぐろのさんま祭まつり（2010年ねん9月がつ撮影さつえい）
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  目黒めぐろのさんま祭まつり（2010年ねん9月がつ撮影さつえい）
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  目黒めぐろのさんま祭まつり（2010年ねん9月がつ撮影さつえい）
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  目黒めぐろのさんま祭まつり（2010年ねん9月がつ撮影さつえい）

シンボルマーク

• 目黒めぐろ区立くりつ図書館としょかんはマークとしてサンマのイラストを採用さいようしている。図書館としょかん利用りようカードにもこのマークが描えがかれている。また館内かんないのOPAC端末たんまつは「さんまくん」という呼称こしょうがつけられている。

• 1999年ねんに目黒めぐろ区くで配布はいふされた地域ちいき振興しんこう券けんにはサンマが描えがかれていた。
• 2024年ねん3月から東急とうきゅうバスにより運行うんこうされるコミュニティバスは、目黒めぐろのさんまの舞台ぶたいとなる地域ちいきやさんま祭さいが開催かいさいされるエリアを走はしることにちなみ「さんまバス」と名付なづけられ、マークにはさんまをデザイン、車体しゃたいのラッピングにもさんまが描えがかれた。

ねぎまの殿様とのさま

類似るいじする構造こうぞうの噺はなしに「ねぎまの殿様とのさま」というのがあり、5代目だいめ古今ここん亭てい今こん輔が得意とくいとした。

お忍しのびで外出がいしゅつした殿様とのさまが、立たち並ならぶ煮に売うり屋やの匂においにつられ、下々しもじもの食たべるものだからという家来けらいの声こえに耳みみも貸かさず、醤油じょうゆ樽だるに腰掛こしかけてねぎま鍋なべを食くえしたところ、非常ひじょうに気きに入いる。

屋敷やしきに戻もどった殿様とのさまは、あの「にゃー（煮に売うり屋やの小僧こぞうが早口はやくち過すぎて「ねぎま」が「にゃー」と聞きこえた）」を食くえしたい、と所望しょもうする。料理りょうり係がかりは「にゃー」とは何なにかと頭あたまを抱かかえるが、家来けらいから話はなしをき出きだし、ねぎま鍋なべだと分わかる。

しかし庶民しょみんが食しょくすものをそのまま殿様とのさまに出だすわけにもいかず、ネギもマグロも丁寧ていねいに下したごしらえして作つくった結果けっか、味あじも素そっ気けも無ないものができてしまい、殿様とのさまは気分きぶんを悪わるくしてしまう。

そこで、煮に売うり屋や同様どうようのレシピで作つくり直なおしたところ、殿様とのさまは機嫌きげんを良よくするが、さらにこう言いう。「醤油じょうゆ樽だるをもて」。

関連かんれん項目こうもく

• hy4_4yh（ハイパーヨーヨ)　‐　女性じょせいラップグループ。春風しゅんぷう亭てい一いち之これ輔プロデュースによる「SMK〜サンマは目黒めぐろにかぎる（feat.春風しゅんぷう亭てい一いち之これ輔）」という楽曲がっきょくを2020年ねん9月がつに発表はっぴょう。
• 星野ほしのリゾート -　グループ内ないの旅館りょかん「星ほしのや 東京とうきょう」（東京とうきょう・大手町おおてまち）では、2022年ねん9月がつ～11月がつに「東京とうきょう・ご馳走ちそう落語らくご」と銘打めいうち玉屋たまや柳やなぎ勢ぜいの落語らくごと演目えんもくにちなんだ秋あきの食材しょくざいのメニュー「目黒めぐろのさんま（サンマ）」「大工だいく調しらべ（サツマイモ）」「夜鷹よたかそば屋や（蕎麦そば）」セットを宿泊しゅくはく者しゃ向むけに提供ていきょう。

外部がいぶリンク

• めぐろのさんま - 目黒めぐろ区く