アンドライモーン

アンドライモーン（古希こき: Ἀνδραίμων, Andraimōn）は、ギリシア神話しんわの人物じんぶつである。長ちょう母音ぼいんを省略しょうりゃくしてアンドライモンとも表記ひょうきされる。主おもに、

• カリュドーンの王おう
• コドロスの子こ
• オクシュロスの子こ

のほか、数すう名めいが知しられている。以下いかに説明せつめいする。

カリュドーンの王おう

このアンドライモーンは、カリュドーンの王おうオイネウスの娘むすめゴルゲーの夫おっとで、トアースの父ちちである。一説いっせつにヘーラクレイダイを助たすけたオクシュロスの父ちち。

アグリオスの息子むすこたちはオイネウスを幽閉ゆうへいし、王権おうけんを自分じぶんたちの父ちちに与あたえたが、後のちにディオメーデースとアルクマイオーンはアグリオスの息子むすこたちを討うち、オイネウスを解放かいほうした。このとき、彼かれらはオイネウスの王権おうけんをアンドライモーンに与あたえたという。死後しご、アンドライモーンとゴルゲーは同おなじ墓ぼに葬ほうむられた。

なお、子このトアースはトロイア戦争せんそうにおけるギリシア軍ぐんの武将ぶしょうの1人ひとり。

コドロスの子こ

このアンドライモーンは、ピュロスの王おうネーレウスの子こペリクリュメノスの子孫しそんで、アテーナイの王おうコドロスの子こ。メドーン、ネイレウス、アンドロクロス、キュアレートス、ダマシクトーン、プロメーテス、ダマソス、ナオクロスと兄弟きょうだい。

父ちちコドロスの死後しご、メドーンを除のぞく息子むすこたちはイオーニアー人じんを率ひきいて小しょうアジアのイオーニアー地方ちほうに入植にゅうしょくし、アンドライモーンはレベドスに住すむカーリア人ひとを追おい払はらって王おうとなった。アンドライモーンの墓はかがカラオーン河かわの近ちかくにあったという。

オクシュロスの子こ

このアンドライモーンは、オクシュロスの子こである。オイカーリアーの王おうエウリュトスあるいはドリュオプスの娘むすめドリュオペーと結婚けっこんし、アムピッソスをもうけた。

オウィディウスの『変身へんしん物語ものがたり』によると、妻つまドリュオペーはニュムペーのローティスが変身へんしんした蓮はちすの花はなを手折たおったために樹きに変へんじた。『変身へんしん物語ものがたり』では義理ぎりの父ちちエウリュトスとともに妻つまを探さがすアンドライモーンの姿すがたが描えがかれている。アントーニーヌス・リーベラーリスによると、ドリュオペーはハマドリュアス（樹木じゅもくのニュムペー）に非常ひじょうに愛あいされた女性じょせいであったため、後のちに彼女かのじょたちに攫さらわれてニュムペーとなった。またアムピッソスの本当ほんとうの父親ちちおやはアポローン神かみであったという。

その他たのアンドライモーン

• イオルコスの王おうペリアースの娘むすめアムピノメーの夫おっと。
• ペーネロペーの求婚きゅうこん者しゃの1人ひとり。ドゥーリキオンの出身しゅっしん。

参考さんこう文献ぶんけん

• アポロドーロス『ギリシア神話しんわ』高津たかつ春繁はるしげ訳わけ、岩波いわなみ文庫ぶんこ（1953年ねん）
• アントーニーヌス・リーベラーリス『ギリシア変身へんしん物語ものがたり集しゅう』安村やすむら典子のりこ訳わけ、講談社こうだんしゃ文芸ぶんげい文庫ぶんこ（2006年ねん）
• オウィディウス『変身へんしん物語ものがたり（下した）』中村なかむら善よし也訳わけ、岩波いわなみ文庫ぶんこ（1984年ねん）
• パウサニアス『ギリシア記き』飯尾いのお都と人じん訳やく、龍渓りゅうけい書しょ舎しゃ（1991年ねん）
• 高津たかつ春繁はるしげ『ギリシア・ローマ神話しんわ辞典じてん』、岩波書店いわなみしょてん（1960年ねん）