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ホンダ・Z

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

Z(ゼット) は、本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうがかつて生産せいさん販売はんばいしていた軽自動車けいじどうしゃである。

概要がいよう

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初代しょだいは「NIII360」をベースにしたスペシャルティカーとして発表はっぴょうされ、1970ねん10がつ20日はつか発売はつばいされた[1]。デザインは日本人にっぽんじんおこなったものであり、360ccでクーペスタイルを目指めざしたものである。とはいえ、大人おとな4にんるだけの居住きょじゅう空間くうかん確保かくほされていた。当時とうじのホンダしゃ共通きょうつうする飛行機ひこうきふう計器けいきるいのデザインは印象いんしょうてきである。また、4そくと5そくではシフトパターンおよびシフトノブの位置いちちがいがある。デザイン段階だんかい後方こうほうまでルーフをばしたため、後部こうぶななめにカットしガラスハッチち、そのくろくてふと樹脂じゅしせいわくから「水中すいちゅうメガネ」の愛称あいしょうしたしまれた。

2代目だいめ1998ねん発売はつばいしたSUVタイプの4WDくるまアクティ基本きほん構造こうぞう踏襲とうしゅうしてエンジンはミッドシップ搭載とうさいし、トールワゴンとライトSUVの折衷せっちゅうのようなスタイルを採用さいようした。パワートレインが後部こうぶ座席ざせきした搭載とうさいされているメカニズムをホンダは「UM-4 (Under floor Midship 4WD ) 」と呼称こしょうし、車体しゃたいにもそれをあらわすエンブレムが装着そうちゃくされた。どう機構きこうによって当時とうじ軽自動車けいじどうしゃ衝突しょうとつ安全あんぜん基準きじゅん大幅おおはばにクリアしている。

初代しょだい N360/SAがた(1970-1974ねん

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ホンダ・Z(初代しょだい
N360/SAがた
前期ぜんきN360がた
中期ちゅうきSAがた
後期こうきSAがた
概要がいよう
製造せいぞうこく 日本の旗 日本にっぽん
販売はんばい期間きかん 1970ねん-1974ねん
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 4にん
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動くどう方式ほうしき FF
パワートレイン
エンジン N360Eがた:空冷くうれい ちょく2 SOHC 360cc
EAがた:水冷すいれい ちょく2 SOHC 360cc
変速へんそく 4そくMT/5そくMT
3そくAT
サスペンション
まえ マクファーソンストラット
のち 車軸しゃじくしき
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,000mm
全長ぜんちょう 2,995mm
全幅ぜんぷく 1,295mm
ぜんこう 1,275mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 510-525kg
その
生産せいさん台数だいすう 不明ふめい(メーカーにデータなし)
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1970ねん10がつ20日はつか発売はつばい。N360と基本きほんてき共通きょうつうのN360Eがたエンジン(ツインキャブレター36PS/シングルキャブレター31PS)を搭載とうさいし、型式けいしきもN360で同一どういつである。グレード構成こうせいはシングルキャブレターの「ACT」「PRO」、ツインキャブレターの「TS」「GT」。発売はつばい当初とうしょ価格かかくは「ACT」が埼玉さいたまけん狭山さやま工場こうじょうわた現金げんきん価格かかくで34まん8,000えん

1971ねん1がつ25にち、5そくMT(ドグミッション)、前輪ぜんりんディスクブレーキを装備そうびする「GS」を追加ついか

1971ねん2がつ、ゴールデンシリーズを発売はつばい。グレード構成こうせいはシングルキャブレターの「ホリディ」「カスタム」「オートマチック」、ツインキャブレターの「GTL」。従来じゅうらいがたは“ダイナミックシリーズ”とされた。

1971ねん12月1にちマイナーチェンジプラットフォーム初代しょだいライフ共用きょうようしたため型式けいしきがSAがたあらためられ、エンジンは水冷すいれいEAがた変更へんこうされ、ホイールベースは80mmながくなった。ボディもだい部分ぶぶん改修かいしゅうされ空冷くうれいモデルとはおおきく印象いんしょうことなる。リアコンビランプがテール/ブレーキ/方向ほうこう指示しじ兼用けんようタイプから、方向ほうこう指示しじ独立どくりつさせたうえにアンバーに変更へんこうしたタイプとなる。このとき発売はつばいされたのは“ダイナミックシリーズ”のみで、グレード構成こうせいは「TS」「GT」「GL」「GTL」で全車ぜんしゃツインキャブレターの36PS、「GTL」のみが5そくMTを搭載とうさいしていた[2]

1972ねん1がつ、「ゴールデンシリーズ」が発売はつばい。グレード構成こうせいは「DX」「カスタム」「オートマチック」、全車ぜんしゃシングルキャブレターの31PSであった。テールゲートのわくは、ダイナミックシリーズがくろであるのにたいしてゴールデンシリーズでは車体しゃたい同色どうしょくであった。

1972ねん11月、Bピラーが存在そんざいしないハードトップスタイルとなる。エンジンはツインキャブレターの36PSのみとなり、前方ぜんぽうのフロントグリルはハニカムがた変更へんこうされた。後方こうほうから開閉かいへいしていたスペアタイヤ取出とりでこうふさがれて、分割ぶんかつバンパーとなる。グレード構成こうせいは「SS」「GT」「GL」「GSS」で、「GSS」のみが5そくMTを搭載とうさいしていた。

1973ねん燃料ねんりょう蒸発じょうはつガス抑制よくせい装置そうち追加ついかし、ブレーキのマスターシリンダーをシングルからタンデムに変更へんこうする。

1974ねん6がつ[3]初代しょだいライフ、ライフステップバンライフピックアップともにモデルチェンジをおこなわず生産せいさん終了しゅうりょうした。これは、おりからの排出はいしゅつガス規制きせいオイルショックかぜになって販売はんばいばしていたシビック生産せいさん傾注けいちゅうすることになったほか、軽自動車けいじどうしゃ車検しゃけん義務ぎむ保安ほあん基準きじゅんあたらしくなったことにより、小型こがた乗用車じょうようしゃとの価格かかくてきなメリットがうすけい乗用車じょうようしゃ市場いちば縮小しゅくしょうしていたという側面そくめんもあった。

ほんモデルの生産せいさん終了しゅうりょうにより、ホンダはけい乗用車じょうようしゃ市場いちばからトゥデイ発売はつばい[4]まで一旦いったん撤退てったいすることとなる。このけい乗用車じょうようしゃ撤退てったいとシビックの大型おおがた理由りゆうに、地方ちほうディーラーからの廉価れんか小型車こがたしゃ要望ようぼうつよまり、1981ねんシティ発売はつばいすることになる。

N600とおな空冷くうれい2気筒きとう600ccエンジンを搭載とうさいした輸出ゆしゅつ仕様しよう存在そんざいし、北米ほくべいでは「HONDA 600 coupe」の名称めいしょう販売はんばいされていた。

2代目だいめ PA1がた(1998-2002ねん

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ホンダ・Z(2代目だいめ
PA1がた
ターボ(リア)
概要がいよう
製造せいぞうこく 日本の旗 日本にっぽん
販売はんばい期間きかん 1998ねん10月-2002ねん8がつ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 4にん
ボディタイプ 3ドア SUV
駆動くどう方式ほうしき 4WD
パワートレイン
エンジン E07Zがた:ちょく3 SOHC 660cc
変速へんそく 4そくAT
サスペンション
まえ マクファーソンストラット
のち ド・ディオンしき
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,360mm
全長ぜんちょう 3,395mm
全幅ぜんぷく 1,475mm
ぜんこう 1,675mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 960-970kg
その
生産せいさん拠点きょてん 八千代工業やちよこうぎょう
げん・ホンダオートボディー)
生産せいさん台数だいすう 4まんだい
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1998ねん10月9にち発売はつばいさきキャパなどで展開てんかいしていた「J・ムーバー」の下位かいシリーズとして、3代目だいめライフとともに「K・ムーバー」と名付なづけられた[5]。CMにはZZトップ出演しゅつえんしていた。15びょう、30びょうならんで当時とうじめずらしい1分間ふんかんちょうしゃくなバージョンがあり、ホンダのいちしゃ提供ていきょうおよび、提供ていきょう番組ばんぐみ放映ほうえいされた。

4そくATもちいるため、EFがたシビックのコンポーネンツをデフはぶいたうえで90きをえて搭載とうさいした。また、ドライブシャフトのわりにプロペラシャフトをけたため、エンジンはたて搭載とうさいされた[6]

デザインじょう特徴とくちょうとしては、ミッドシップくるま特有とくゆうのサイドエアダムだけでなくだいみちタイヤやたかめのくるまだかほかに、塗装とそうながら当時とうじセダンけい高級こうきゅうしゃ以外いがいでは採用さいようすくなかったグリップしき取手とってしき)のドアアウターハンドルの採用さいようや、じゅうのヘッドライトカバーがもちいられたことなどがげられる。さらに、ホンダの軽自動車けいじどうしゃとしてははじめて標準ひょうじゅんインパネでの2DINオーディオスペースを採用さいようしている。エンジンをリアシート配置はいちしたことにより、室内しつないちょう同社どうしゃロゴせまるものとなっていた。

2000ねん6がつ特別とくべつ仕様しようしゃ「スーパーエモーション」を発売はつばい。バンパーがボディ同色どうしょくとされ、オプションであったCDプレーヤー+スピーカー、プライバシーガラスを標準ひょうじゅん装備そうびとしたうえで、ターボしゃでは10まんえん値下ねさげとなったため、これ以降いこう販売はんばいされた車輌しゃりょうはバンパーがボディ同色どうしょく車輌しゃりょう圧倒的あっとうてきおおい。

2002ねん1がつ[7]生産せいさん終了しゅうりょう同年どうねん8がつ販売はんばい終了しゅうりょうとなった。販売はんばい台数だいすうはおよそ4まんだい当時とうじけいSUVとしては価格かかくが114まんえんからとたかめであり、オプションを装備そうびするとどう時期じきHR-V廉価れんかグレードとどう価格かかくになってしまうこと、3ドア・4ATのみでグローブボックスが使つか勝手がってわるいことなどから、販売はんばい不振ふしんであった。

ホンダアクセスのオプションパーツのうち、ステップづけのサイドスカートおよびフェンダーアーチプロテクターは、保安ほあん基準きじゅん解釈かいしゃく厳格げんかくされたことで販売はんばい終了しゅうりょう車検しゃけん対応たいおうとなったため、車検しゃけん対応たいおうひんとの無償むしょう交換こうかんおこなわれた。

搭載とうさいエンジン

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初代しょだい

N360Eがた
  • エンジン種類しゅるい空冷くうれい直列ちょくれつ2気筒きとうよこ
  • べん機構きこうSOHC チェーン駆動くどう 吸気きゅうき1 排気はいき1
  • 排気はいきりょう:354cc
  • 内径ないけい×行程こうてい:625mm×57.8mm
  • 圧縮あっしゅく:8.5(シングルキャブ)、9.0(ツインキャブ)
  • 最高さいこう出力しゅつりょく:31PS/8,500rpm(シングルキャブ)、36PS/9,000rpm(ツインキャブ)
  • 最大さいだいトルク:3.0kgf·m/5,500rpm(シングルキャブ)、3.2kgf·m/7,000rpm(ツインキャブ)
  • 燃料ねんりょう供給きょうきゅう装置そうち形式けいしき:キャブレター(CVキャブレター
  • 使用しよう燃料ねんりょう種類しゅるい無鉛むえんレギュラーガソリン
  • 燃料ねんりょうタンク容量ようりょう:26L
EAがた
  • エンジン種類しゅるい水冷すいれい直列ちょくれつ2気筒きとうよこ
  • べん機構きこう:SOHC ベルト駆動くどう 吸気きゅうき1 排気はいき1
  • 排気はいきりょう:356cc
  • 内径ないけい×行程こうてい:67.0mm×50.6mm
  • 圧縮あっしゅく:8.8(シングルキャブ)、9.0(ツインキャブ)
  • 最高さいこう出力しゅつりょく:31PS/8,500rpm(シングルキャブ)、36PS/9,000rpm(ツインキャブ)
  • 最大さいだいトルク:3.0kgf·m/6,500rpm(シングルキャブ)、3.2kgf·m/7,000rpm(ツインキャブ)
  • 燃料ねんりょう供給きょうきゅう装置そうち形式けいしき:キャブレター(CVキャブレター)
  • 燃料ねんりょうタンク容量ようりょう初代しょだいN360Eがた参照さんしょう

2代目だいめ

E07Zがた
  • エンジン種類しゅるい水冷すいれい直列ちょくれつ3気筒きとうたて
  • べん機構きこう:SOHCベルト駆動くどう 吸気きゅうき2 排気はいき2
  • 排気はいきりょう:656cc
  • 内径ないけい×行程こうてい:66.0mm×64.0mm
  • 圧縮あっしゅく:10.0
  • 最高さいこう出力しゅつりょく:52PS/7,000rpm
  • 最大さいだいトルク:6.1kgf·m/4,000rpm
  • 燃料ねんりょう供給きょうきゅう装置そうち形式けいしき電子でんし制御せいぎょ燃料ねんりょう噴射ふんしゃしきPGM-FI
  • 使用しよう燃料ねんりょう種類しゅるい無鉛むえんレギュラーガソリン
  • 燃料ねんりょうタンク容量ようりょう:35L
E07Zがた空冷くうれいしきICターボ
  • エンジン種類しゅるい水冷すいれい直列ちょくれつ3気筒きとうたて
  • べん機構きこう:SOHCベルト駆動くどう 吸気きゅうき2 排気はいき2
  • 排気はいきりょう:656cc
  • 内径ないけい×行程こうてい:66.0mm×64.0mm
  • 圧縮あっしゅく:8.5
  • 最高さいこう出力しゅつりょく:64PS/6,000rpm
  • 最大さいだいトルク:9.5kgf·m/3,700rpm
  • 燃料ねんりょう供給きょうきゅう装置そうち形式けいしき電子でんし制御せいぎょ燃料ねんりょう噴射ふんしゃしき(PGM-FI)
  • 使用しよう燃料ねんりょう種類しゅるい無鉛むえんレギュラーガソリン
  • 燃料ねんりょうタンク容量ようりょう2代目だいめE07Zがた参照さんしょう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 『360cc軽自動車けいじどうしゃのすべて』三栄書房さんえいしょぼう・86ぺーじ
  2. ^ 空冷くうれいのトップグレード「GS」ではフロントにディスクブレーキが採用さいようされていたが、水冷すいれいではトップグレードの「GTL」の「GSS」でも4りんドラムブレーキであった。
  3. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊しゅうかん日本にっぽん名車めいしゃだい73ごう19ページより。
  4. ^ 登場とうじょう当初とうしょボンネットバンのみの発売はつばいだったが、のマイナーチェンジ実施じっし同時どうじセダン追加ついかした。
  5. ^ 「Kムーバー」コンセプト
  6. ^ 同様どうよう理由りゆうにより、バモス/バモスホビオはターボと4WDのATしゃ、アクティは4WDのATしゃたてきである。
  7. ^ Z”. トヨタ自動車とよたじどうしゃ株式会社かぶしきがいしゃ (2020ねん1がつ20日はつか). 2020ねん1がつ20日はつか閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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