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内外ないがいてん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

内外ないがいてん(ないがいてん)すなわちうちてん(ないてん)とそとてん(がいてん)とは中国語ちゅうごくご伝統でんとうてき音韻おんいんがく用語ようごであり、とういんかくはこのどちらかにぞくする。じゅうろくのそれぞれはうちてんがいてんかのどちらかにぞくし、通常つうじょう音節おんせつぬし母音ぼいん種類しゅるいちがいを意味いみしていると解釈かいしゃくされているが、その意味いみするところは完全かんぜんには判明はんめいしていない。

日本にっぽんかん字音じおんにおいては「ア」「エ」がだいたいそとてん、「イ」「オ」「ウ」がだいたいうちてんである。

概要がいよう

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じゅうろくのそれぞれをうちてんがいてんかでけるとしたのようになる(文献ぶんけんによって多少たしょうちがいがある)。

うちてん つう とめ ぐう はて ながれ ふか
そとてん こう かに やま こう かり

うちてんそとてん意味いみ言語げんごがくてき解釈かいしゃくしたものにはおもに2つのせつがある。

  1. うちてんしゅ母音ぼいんせまく(/ə/ など)、そとてんひろい(/a/ など)とするもの[1]
  2. うちてんしゅ母音ぼいんみじかくてよわく、いんながつよい。そとてんはそのぎゃくとするもの[2]

しゅ母音ぼいん/a//ə/対立たいりつ現代げんだい中国語ちゅうごくごいんはは体系たいけいにもはっきりあらわれており、この意味いみうちてんそとてん区別くべつ重要じゅうよう概念がいねんである。

ただし、この言語げんごがくてき説明せつめいには問題もんだいてんがあり、臻摂(/ən/)がそとてんはて/ɑ/)と宕摂(/ɑŋ/)がうちてんであるという事実じじつ説明せつめいできないため、本来ほんらいいん作者さくしゃ意図いとはこれとはべつであったのかもしれない。

 内外ないがいてん宗教しゅうきょうてき解釋かいしゃくしたのは、いしゐのぞむ(石井いしいのぞむ)である。いしゐによればいんきょう曼荼羅まんだらであり、さいうちのアからうちのイ、ウと、そとのエ、オとをて、さいそとのアイ、アウにいたる。[3]  この法則ほうそく和字わじ五十音ごじゅうおんにも適用てきようされてゐるといふ。[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ つねつちかえ (1933). “しゃく内外ないがいてん”. 中央ちゅうおう研究けんきゅういん歴史れきしげん研究所けんきゅうじょしゅうかん 4-2. 
  2. ^ ちょうもとにん (1948). 湖北こほく方言ほうげん調査ちょうさ報告ほうこく. 中央ちゅうおう研究けんきゅういん歴史れきしげん研究所けんきゅうじょせんかん 
  3. ^ いんきょう内外ないがいてんけつうたぐ いしゐ のぞむ 長崎ながさき綜合そうごう科學かがく大學だいがく紀要きよう 46-2 2006  https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287421043840 
  4. ^ https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845762397650944 やまと内外ないがいてんさつ いしゐのぞむ 長崎総合科学大学ながさきそうごうかがくだいがく紀要きよう 47 (1), 2007 

関連かんれん文献ぶんけん

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  • よりゆきおもんみつとむ中古ちゅうこうちそと中国ちゅうごく語学ごがく』 1958ねん 1958かん 72ごう p.11-13_1, doi:10.7131/chuugokugogaku.1958.72_11
  • よりゆきおもんみつとむ中国ちゅうごく音韻おんいん論集ろんしゅう』汲古書院しょいんよりゆきおもんみつとむ著作ちょさくしゅう I〉、1989ねん 
うちてんそとてんについて」・「中古ちゅうこ中国語ちゅうごくごうちそとについて」をふく
  • 遠藤えんどうひかりあかつきみっつの内外ないがいてん」『中国ちゅうごく音韻おんいんがく論集ろんしゅうしろみかどしゃ、2001ねん、121-137ぺーじ