寧辺にょんびょん核かく施設しせつ

寧辺にょんびょん核かく施設しせつ
	寧辺にょんびょんの5 メガワット実験じっけん用よう原子げんし炉ろ
各種かくしゅ表記ひょうき
チョソングル：	녕변핵시설; 녕변 원자력 연구소
漢字かんじ：	寧邊にょんびょん核かく施設しせつ; 寧邊にょんびょん原子力げんしりょく硏究所けんきゅうじょ
発音はつおん：	ニョンビョンヘクシソル; ニョンビョンウォンジャリョクヨングソ
日本語にほんご読よみ：	ねいへんかくしせつ
ロろーマ字まじ：	（マッキューンライシャワー式しき）; Nyŏngbyŏn haeksisŏl; Nyŏngbyŏn wŏnjaryŏk yŏnguso
英語えいご表記ひょうき：	Nyeongbyeon Nuclear Scientific Research Center; Yongbyon Nuclear Scientific Research Center
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座標ざひょう: 北緯ほくい39度ど47分ふん19.18秒びょう東経とうけい125度ど45分ふん43.66秒びょう / 北緯ほくい39.7886611度ど東経とうけい125.7621278度ど / 39.7886611; 125.7621278

寧辺にょんびょん核かく施設しせつ

朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく内ないの位置いち

寧辺にょんびょん核かく施設しせつ（ニョンビョンかくしせつ、朝鮮ちょうせん語ご: 녕변핵시설、英語えいご: Nyeongbyeon Nuclear Scientific Research Center、寧辺にょんびょん原子力げんしりょく研究けんきゅうセンターとも）^{[注釈ちゅうしゃく 1]}は、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく（北朝鮮きたちょうせん）にある北朝鮮きたちょうせん最初さいしょの原子げんし炉ろが稼働かどうしている核かく施設しせつである。平壌ぴょんやんの北きた約やく80キロメートルの平安へいあん北道ほくどう寧辺にょんびょん郡ぐんに位置いちしている。2006年ねん以降いこうに北朝鮮きたちょうせんが行おこなった核かく実験じっけんで用もちいられた核かく物質ぶっしつを生産せいさんした。

施設しせつ

寧辺にょんびょんの核かく施設しせつは、清川きよかわ江こうの支流しりゅうである九きゅう龍りゅう江えに沿そった土地とちにあり、その面積めんせきは8.92平方へいほうキロメートルある^[1]。約やく2,000人にんのスタッフが働はたらいているとされる^[2]。1961年ねんに建設けんせつが開始かいしされた^[1]。核かく燃料ねんりょうを製造せいぞうする工場こうじょうから、原子げんし炉ろ、使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょり工場こうじょうまで、核かく燃料ねんりょうサイクルに必要ひつようとされる主要しゅような施設しせつすべてが所在しょざいしている。

IRT-2000研究けんきゅう炉ろ

IRT-2000研究けんきゅう炉ろはソビエト連邦れんぽう（ソ連それん）が設計せっけいした研究けんきゅう用ようの原子げんし炉ろで、ソ連それんとの協定きょうていに基もとづいて提供ていきょうされたものが1962年ねんに建設けんせつ開始かいしされ、1965年ねん8月がつ15日にちに初はじめて臨界りんかいに到達とうたつした^[1]^[2]^[3]。当初とうしょの熱ねつ出力しゅつりょくは2,000キロワットであった^[1]。燃料ねんりょうは10パーセントの濃縮のうしゅくウラン核かく燃料ねんりょうで、1973年ねんまでソビエト連邦れんぽうから提供ていきょうされていた^[2]。その後ご、北朝鮮きたちょうせんの科学かがく者しゃにより独自どくじに能力のうりょくが増強ぞうきょうされ、最終さいしゅう的てきに80パーセント濃縮のうしゅくウラン燃料ねんりょうによる8,000キロワット原子げんし炉ろとなった^[2]。主おもに甲状腺こうじょうせん癌がんの放射線ほうしゃせん療法りょうほう用ようの放射ほうしゃ性せい同位どうい体たいであるヨウ素もと131の生産せいさんに使つかわれていた^[4]。しかし近年きんねんの活動かつどうはほとんど行おこなわれていない^[3]。

5メガワット原子げんし炉ろ

寧辺にょんびょんの5メガワット原子げんし炉ろは、1979年ねんに用地ようちの準備じゅんびが始はじめられ、1982年ねん4月がつに原子げんし炉ろの建設けんせつ工事こうじが始はじまった^[5]。1985年ねんに初はじめて臨界りんかいに到達とうたつし、1986年ねん1月がつから運転うんてんを開始かいししたとされている^[1]。寧辺にょんびょん1号ごう炉ろなどと呼よばれる。

原子げんし炉ろは、1950年代ねんだいにイギリスが開発かいはつした黒鉛こくえん減速げんそくガス冷却れいきゃく炉ろであるマグノックス炉ろ（コールダーホール型がた）の設計せっけいを元もとに北朝鮮きたちょうせんで独自どくじに開発かいはつしたもので、カナダで教育きょういくを受うけた物理ぶつり学者がくしゃである慶けい元もと河かわ教授きょうじゅ (Kyong Wonha) が指導しどうしたとされている^[6]。マグネシウム・ジルコニウム合金ごうきんの被覆ひふく管かんを使つかった天然てんねんウラン核かく燃料ねんりょうを使用しようしている^[1]^[5]。燃料ねんりょう棒ぼうは1本ほんあたり長ながさ50 cm、直径ちょっけい3 cm、重おもさ6.17 kgで、これを合計ごうけい801チャンネルある燃料ねんりょうチャンネルに1チャンネルあたり10本ほんずつ挿入そうにゅうし、合計ごうけい約やく8,000本ほんの核かく燃料ねんりょう棒ぼうを使用しようする^[1]。ウランの総そう重量じゅうりょうは40 - 45トンで、燃料ねんりょう平均へいきん温度おんどは420度どである^[1]。

電気でんき出力しゅつりょくは5メガワットとされ、また熱ねつ出力しゅつりょくは20 - 30メガワットとされている^[5]。通常つうじょう、電気でんき出力しゅつりょくは熱ねつ出力しゅつりょくの3分ぶんの1程度ていどであるので、この炉ろでは電気でんき出力しゅつりょくから通常つうじょう想定そうていされる熱ねつ出力しゅつりょくに比くらべて倍ばい程度ていど大おおきな熱ねつ出力しゅつりょくを持もっていることになる。この炉ろを1日にち運転うんてんすると、熱ねつ出力しゅつりょく1メガワットあたり0.9 gのプルトニウムを生産せいさんできる。熱ねつ出力しゅつりょくが20 - 30メガワット程度ていどであることを考慮こうりょし、また稼働かどう率りつを85パーセントとするならば、年間ねんかんに5.5 - 8.5 kgのプルトニウムを生産せいさんできる^[5]。プルトニウム方式ほうしきの原子げんし爆ばく弾だんは、1個いっこあたり5 kg程度ていどのプルトニウムを使用しようする^[7]ので、この原子げんし炉ろを順調じゅんちょうに稼働かどうできれば、年としに1個いっこ程度ていどのプルトニウム原爆げんばくを生産せいさんできるプルトニウムを生産せいさんできる。

また北朝鮮きたちょうせん側がわの説明せつめいによれば、この原子げんし炉ろでは電力でんりょく網もうへの電力でんりょくの供給きょうきゅうと、近隣きんりんの町まちへの熱ねつの供給きょうきゅうも行おこなっている^[5]。

このマグノックス炉ろは2007年ねんに六ろく者しゃ会合かいごうの合意ごういに沿そって無力むりょく化かされたが、2009年ねんに合意ごういの崩壊ほうかいにともなって、既存きそんの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりのために部分ぶぶん的てきに復旧ふっきゅうされた。2015年ねん9月がつ15日にちに北朝鮮きたちょうせんは、この原子げんし炉ろは運転うんてんを再開さいかいしたと発表はっぴょうした^[8]。

50メガワット原子げんし炉ろ

寧辺にょんびょん2号ごう炉ろとも呼よばれる電気でんき出力しゅつりょくが50メガワットの原子げんし炉ろは1986年ねんに着工ちゃっこうされたが、1994年ねんの米べい朝ちょう枠組わくぐみ合意ごういにより建設けんせつが中断ちゅうだんされ、完成かんせいしなかった。仮かりに建設けんせつが再開さいかいされたとしても、減速げんそく材ざいの黒鉛こくえんブロックなどが不足ふそくしているために完成かんせいさせるためには数すう年ねん程度ていどが必要ひつようであると見積みつもられている^[1]。1994年ねんに建設けんせつが中断ちゅうだんされた時点じてんでは、1995年ねんに完成かんせいが予定よていされていた^[9]。

寧辺にょんびょんの50メガワット原子げんし炉ろの他ほかに、寧辺にょんびょんの20 km北西ほくせいにある泰たい川がわ郡ぐんに電気でんき出力しゅつりょく200メガワットの原子げんし炉ろも同どう時期じきに建設けんせつされていた。これらの2つの原子げんし炉ろで、年間ねんかん200 kgのプルトニウム生産せいさんが可能かのうであるとされ、これは年間ねんかん50個こほどの原爆げんばくを生産せいさんできることになる^[9]。これら2つの原子げんし炉ろは電力でんりょく網もうに接続せつぞくされておらず、電力でんりょく供給きょうきゅうではなく核兵器かくへいき生産せいさんが主しゅ目的もくてきではないかとの関心かんしんがもたれている^[10]。

放射ほうしゃ化学かがく研究所けんきゅうじょ

放射ほうしゃ化学かがく研究所けんきゅうじょは使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょう再さい処理しょり工場こうじょうであり、5メガワット原子げんし炉ろの使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうをPUREX法ほうにより再さい処理しょりしてプルトニウムを抽出ちゅうしゅつしている^[11]。年間ねんかん200 - 250トンほどの核かく燃料ねんりょうを再さい処理しょりして、100 kgのプルトニウムを抽出ちゅうしゅつする能力のうりょくがあると推定すいていされている^[11]。一方いっぽう、この能力のうりょくは過大かだいに見積みつもられたものであるとする意見いけんもあり、ロシアの専門せんもん家かは年間ねんかん25トンの処理しょり能力のうりょくであるとみている^[1]。

核かく物理ぶつり学がく研究所けんきゅうじょ

核かく物理ぶつり学がく研究所けんきゅうじょはIRT-2000研究けんきゅう炉ろの南側みなみがわに1964年ねんに建設けんせつされたもので、原子力げんしりょく関連かんれんの人材じんざい育成いくせいを担当たんとうしてきている^[1]。

核かく燃料ねんりょう製造せいぞう工場こうじょう

核かく燃料ねんりょう製造せいぞう工場こうじょうは、2004年ねん1月がつ8日にちのアメリカの代表だいひょうの訪問ほうもんの際さいに北朝鮮きたちょうせん側がわから当時とうじ建設けんせつ中ちゅうであることが公表こうひょうされた^[12]。その当時とうじ部分ぶぶん的てきに稼働かどう状態じょうたいであり、年間ねんかん100トンのウラン燃料ねんりょうを生産せいさんしてきたと言いわれている^[12]。

歴史れきし

北朝鮮きたちょうせんの原子力げんしりょく研究けんきゅうは1956年ねんに始はじまり、寧辺にょんびょんにまず研究所けんきゅうじょが建設けんせつされた^[1]。1960年代ねんだいにはソ連それんとの協定きょうていにより、IRT-2000研究けんきゅう炉ろの提供ていきょうを受うけて建設けんせつし、1965年ねんに運転うんてんが開始かいしされた^[2]。

続つづいて5メガワット実験じっけん用よう原子げんし炉ろの建設けんせつは1979年ねんに始はじまり、1985年ねん8月がつに初はじめて臨界りんかいに到達とうたつした。この原子げんし炉ろは、後ごのより大おおきな原子げんし炉ろを開発かいはつする計画けいかくのための初期しょきの技術ぎじゅつ実証じっしょう用よう小型こがた炉ろであった。1994年ねんに米べい朝ちょう枠組わくぐみ合意ごういで運転うんてんが中止ちゅうしされるまで、断続だんぞく的てきに運転うんてんされた。枠組わくぐみ合意ごういが2002年ねんに決裂けつれつした後のち、2003年ねん2月がつに運転うんてんが再開さいかいされ、その核かく燃料ねんりょう中ちゅうで毎年まいとし約やく5キログラムのペースでプルトニウムを生産せいさんした。この原子げんし炉ろから取とり出だされた使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうは再さい処理しょりされ、推定すいていで金属きんぞくプルトニウムを30 - 50 キログラム程度ていど得えて、そのうちの一部いちぶが2006年ねんと2009年ねんの核かく実験じっけんに使つかわれた核兵器かくへいきに用もちいられた^[1]^[5]^[13]^[14]。

寧辺にょんびょんには50メガワットの原型げんけい炉ろも存在そんざいしているが、完成かんせいまで1年ねんほどとなった1994年ねんに枠組わくぐみ合意ごういにより残のこりの建設けんせつが凍結とうけつされた。2004年ねんのアメリカの代表だいひょう団だんの訪問ほうもん時点じてんでは、構造こうぞう物ぶつと配管はいかんはかなり傷いたんだ状態じょうたいで、建設けんせつを再開さいかいしてもかなりの時間じかんがかかるものと考かんがえられた。さらに200 メガワットの実用じつよう炉ろも寧辺にょんびょんの20 キロメートル北西ほくせいにある泰たい川がわ郡ぐんに、1994年ねんの枠組わくぐみ合意ごういで中止ちゅうしされるまで建設けんせつされていた。2005年ねん5月がつに北朝鮮きたちょうせんを訪問ほうもんしたアメリカの学者がくしゃに対たいして北朝鮮きたちょうせん側がわが説明せつめいしたところによれば、2年ねん以内いないにこれらの原子げんし炉ろを完成かんせいさせる計画けいかくがあるとしており、また実際じっさいに建設けんせつを再開さいかいしたとの報道ほうどうもされている^[9]。

2007年ねんの運転うんてん中止ちゅうし

2007年ねん2月がつ13日にち、六ろく者しゃ会合かいごうにおいて、北朝鮮きたちょうせんが再さい処理しょり工場こうじょうを含ふくむ寧辺にょんびょん核かく施設しせつの運転うんてんを中止ちゅうしして封印ふういんし、国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん (IAEA) の査察ささつ官かんを必要ひつようとされる全すべての監視かんし・証明しょうめい活動かつどうを行おこなうために呼よび戻もどすことで合意ごういに達たっした。この見返みかえりとして、北朝鮮きたちょうせんは緊急きんきゅうの燃料ねんりょう支援しえんとして、拉致らち問題もんだいを抱かかえる日本にっぽん以外いがいの米べい中ちゅう韓かん露ろ4ヶ国かこくから5万まんトンの重油じゅうゆを提供ていきょうされることになった^[15]。

IAEAの査察ささつ官かんは7月がつ14日にちに現地げんちに到着とうちゃくし、寧辺にょんびょんの各かく施設しせつの運転うんてんが停止ていしされていることを確認かくにんし、これらに封印ふういんを行おこなった^[16]。これは澳門まかお匯業銀行ぎんこう（バンコデルタアジア）に関連かんれんする北朝鮮きたちょうせんとアメリカの争あらそいのために4月がつに予定よていされていたものが遅おくれたものであった^[17]。6月30日にちに韓国かんこく政府せいふの関係かんけい者しゃは、2週間しゅうかん以内いないに提供ていきょうされる最初さいしょの重油じゅうゆを受うけて核かく施設しせつの停止ていしが始はじまるかもしれないと示唆しさした^[18]。7月14日にちに、アメリカのショーン・マコーマック報道ほうどう官かんは、北朝鮮きたちょうせんからアメリカに対たいして原子げんし炉ろの運転うんてんが停止ていしされた旨むねの通告つうこくがあったことを明あきらかにした。アメリカはこの知しらせを歓迎かんげいし、IAEAの査察ささつチームによる確認かくにん作業さぎょうを待まっていると付つけ加くわえた^[19]。その翌日よくじつ、IAEAのモハメド・エルバラダイ事務じむ局長きょくちょうは、原子げんし炉ろの停止ていしを国連こくれんが確認かくにんしたことを発表はっぴょうした^[20]。7月18日にち、IAEAは寧辺にょんびょんにある5つ全すべての核かく施設しせつが停止ていしされたことを確認かくにんした^[21]。

2008年ねん3月がつ3日にちのIAEA理事りじ会かいへの冒頭ぼうとう説明せつめいにおいて、事務じむ局長きょくちょうは施設しせつの無能力むのうりょく化かについて、IAEAが保証ほしょうしていないので新あたらしい情報じょうほうを提供ていきょうできないと語かたった。5メガワット実験じっけん原子げんし炉ろから取とり出だされた全すべての核かく燃料ねんりょう棒ぼうと、無能力むのうりょく化かされている核かく燃料ねんりょう生産せいさん施設しせつによって生成せいせいされた核かく物質ぶっしつは、IAEAの封ふうじ込こめと監視かんしを受うけている^[22]。

2008年ねんの冷却れいきゃく塔とう取とり壊こわし

2008年ねん6月がつ27日にち、北朝鮮きたちょうせんは核兵器かくへいき開発かいはつ計画けいかくにおけるもっとも有名ゆうめいなシンボルである、核かく施設しせつの原子げんし炉ろの冷却れいきゃく塔とうを破壊はかいした。冷却れいきゃく塔とうの爆破ばくはは、当初とうしょCNNが衛星えいせい中継ちゅうけいする予定よていがあったが、施設しせつの不備ふびのため実現じつげんしなかった^[23]。

原子げんし炉ろからの不ふ必要ひつような熱ねつを大気たいき中ちゅうに放出ほうしゅつする高たかさ60フィートの冷却れいきゃく塔とうの破壊はかいは、北朝鮮きたちょうせんが核かく開発かいはつ計画けいかくを廃棄はいきする宣言せんげんを行おこなったことに対たいするアメリカの譲歩じょうほに対応たいおうしたものであった。アメリカは250万まんドルの取壊とりこわし費用ひようを負担ふたんした^[24]。

再さい稼働かどうの可能かのう性せい

2008年ねんに、六ろく者しゃ会合かいごうの無能力むのうりょく化かプロセスに関かんする北朝鮮きたちょうせんとアメリカの間あいだでの意見いけんの相違そういにより、緊張きんちょうが再ふたたび高たかまった。2008年ねん10月がつ9日にち、IAEAの査察ささつ官かんは北朝鮮きたちょうせん政府せいふによって施設しせつのさらなる査察ささつを続つづけることを拒絶きょぜつされた^[25]。しかしながらアメリカ東部とうぶ時間じかんの10月がつ11日にちに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふが北朝鮮きたちょうせんをテロ支援しえん国家こっかリストから外はずした。これにより北朝鮮きたちょうせん政府せいふはIAEAの査察ささつ官かんが核かく施設しせつに戻もどることを許可きょかし、また六ろく者しゃ会合かいごうの無能力むのうりょく化かプロセスを遵守じゅんしゅすることを表明ひょうめいした^[26]。

2009年ねんの再さい処理しょり再開さいかい

北朝鮮きたちょうせん国営こくえい通信つうしん社しゃである朝鮮中央通信ちょうせんちゅうおうつうしんのウェブサイトによれば、直近ちょっきんの北朝鮮きたちょうせんによるミサイル発射はっしゃ実験じっけんに対たいする国際こくさい連合れんごうの制裁せいさい措置そちへの対応たいおうとして、2009年ねん4月がつ24日にちにプルトニウムを抽出ちゅうしゅつするための使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりを再開さいかいした^[27]。

軽水炉けいすいろの開発かいはつ

2009年ねんに北朝鮮きたちょうせんは、自力じりき開発かいはつによる実験じっけん的てきな軽水炉けいすいろと、それに核かく燃料ねんりょうを供給きょうきゅうするためのウラン濃縮のうしゅく技術ぎじゅつを開発かいはつする意図いとを表明ひょうめいした^[28]。2010年ねんには、低てい濃縮のうしゅくウラン燃料ねんりょうを生産せいさんするための2,000基きのガス遠心分離機えんしんぶんりき（英語えいご版ばん）を用もちいたウラン濃縮のうしゅく工場こうじょうが稼働かどうを開始かいしし、電気でんき出力しゅつりょくが25メガワットから30メガワットの実験じっけん的てき軽水炉けいすいろの建設けんせつが開始かいしされ、2012年ねんの稼働かどう開始かいしを目標もくひょうとした^[29]。2011年ねん11月には、人工じんこう衛星えいせいの画像がぞうにより、軽水炉けいすいろの建設けんせつが急速きゅうそくに進すすんでおり、コンクリートの構造こうぞうはおおむね完成かんせいしていることが判明はんめいした。軽水炉けいすいろは、実験じっけん的てきなマグノックス炉ろの冷却れいきゃく塔とうが取とり壊こわされた場所ばしょに建設けんせつされていた^[30]^[31]。この実験じっけん的てきな軽水炉けいすいろの建設けんせつに続つづいて、北朝鮮きたちょうせんは発電はつでん用ようにより大おおきな軽水炉けいすいろの建設けんせつを計画けいかくしていた^[29]。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのシンクタンクによれば、この軽水炉けいすいろは2013年ねんに運転うんてんを開始かいしする見込みこみであるという^[32]。

ウラン濃縮のうしゅくの中止ちゅうし

2012年ねん2月がつに、北朝鮮きたちょうせんはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくと生産せいさん的てきな議論ぎろんが続つづけられているうちは、寧辺にょんびょんにおけるウラン濃縮のうしゅくを中止ちゅうしし、これ以上いじょうの核かく実験じっけんを行おこなわないと発表はっぴょうした。これに加くわえて、北朝鮮きたちょうせんはIAEAの査察ささつ官かんに、寧辺にょんびょんでの活動かつどうの査察ささつを許可きょかした。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは、北朝鮮きたちょうせんに対たいして敵対てきたい的てきな意図いとを持もっていないと再度さいど確認かくにんし、相互そうごの関係かんけいを改善かいぜんする準備じゅんびがあるとした^[33]^[34]。2月29日にちの交渉こうしょうが失敗しっぱいした後のちに、おそらくウラン濃縮のうしゅく活動かつどうは再開さいかいされたものと思おもわれる。

2013年ねんの活動かつどう再開さいかい

2013年ねん3月がつに北朝鮮きたちょうせんは、電気でんき出力しゅつりょく5メガワットの実験じっけん炉ろの運転うんてんを再開さいかいするだろうと発表はっぴょうした^[35]。この運転うんてん再開さいかいのためには、無効むこう化かされていた二に次じ冷却れいきゃく系けいの復旧ふっきゅうが必要ひつようである^[36]。この発表はっぴょうは、北朝鮮きたちょうせんが韓国かんこくと戦争せんそう状態じょうたいにあると宣言せんげんした数日すうじつ後ごに行おこなわれた。

2013年ねん6月がつにジョンズ・ホプキンス大学だいがく米べい韓かん研究所けんきゅうじょは、冷却れいきゃく塔とうが修復しゅうふくされたことを示しめす衛星えいせい写真しゃしんを公表こうひょうした^[37]。

2013年ねん8月がつ31日にちの衛星えいせい写真しゃしんでは、原子げんし炉ろ建屋たきのやのそばの蒸気じょうきタービンと発電はつでん機きを収おさめた建物たてものから蒸気じょうきが上あがっていることが示しめされた^[38]。

2015年ねん9月がつ15日にちに、北朝鮮きたちょうせんが寧辺にょんびょん核かく施設しせつは電気でんき出力しゅつりょく5メガワットの実験じっけん炉ろを含ふくめて完全かんぜんに運転うんてんを再開さいかいしたと発表はっぴょうした^[8]。

2019年ねん2月がつ米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだん

2019年ねん 2月がつ27日にち、2月がつ28日にちにかけて行おこなわれた米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんでは、北朝鮮きたちょうせん側がわより寧辺にょんびょん核かく施設しせつの全すべての核かく物質ぶっしつ生産せいさん施設しせつの永久えいきゅう的てきかつ完全かんぜんに廃棄はいきする提案ていあんが行おこなわれたが、アメリカ側がわが主張しゅちょうする核かく廃棄はいきの考かんがえ方かたとの隔へだたりは大おおきく合意ごうい文書ぶんしょが結むすばれないまま物別ものわかれに終おわっている^[39]。

2021年ねんの活動かつどう再開さいかい

2021年ねん 8月がつ27日にち、国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんは北朝鮮きたちょうせんの核かく開発かいはつに関かんする年次ねんじ報告ほうこく書しょの中なかで、同年どうねん7月がつ頃ごろから原子げんし炉ろが再さい稼働かどうしている可能かのう性せいがあることを発表はっぴょう。安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい決議けつぎに違反いはんしていると指摘してきした^[40]。

登場とうじょう作品さくひん

マーセナリーズ

アクションゲーム。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ 寧辺にょんびょんは、北朝鮮きたちょうせんではニョンビョンと発音はつおんされアルファベット転記てんきではNyŏngbyŏnであるが、韓国かんこくではヨンビョンと発音はつおんされラテン文字もじアルファベット転記てんきではYeongbyeonとなる、また朝鮮半島ちょうせんはんとうでは漢字かんじの字体じたいを簡略かんりゃく化かしていないので寧辺にょんびょんは寧邊にょんびょんとなる。

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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North Korea: No bygones at Yongbyon - ウェイバックマシン（2006年ねん9月がつ28日にちアーカイブ分ぶん） – Robert Alvarez、Bulletin of the Atomic Scientists、2003年ねん7月がつ
Background information and satellite images of Yongbyon – GlobalSecurity.org
DPRK will re-open Nuclear Facilities to Produce Electricity - ウェイバックマシン（2004年ねん5月がつ21日にちアーカイブ分ぶん） – Sin Yong Song, Vice Minister of Power and Coal Industries、2003年ねん1月がつ27日にち
Visit to the Yongbyon Nuclear Scientific Research Center in North Korea – Siegfried S. Hecker、2004年ねん1月がつ21日にち
Technical summary of DPRK nuclear program – Siegfried S. Hecker、2005年ねん11月8日にち
Report of Visit to the Democratic People’s Republic of North Korea to Senate Foreign Relations Committee – Siegfried S. Hecker、2008年ねん3月がつ17日にち
North Korean Plutonium Production, デービッド・オルブライト (David Albright) 、Institute for Science and International Security (ISIS) – Science & Global Security, 1994, Volume 5, pp.63–87^{[リンク切きれ]}
North Korea’s Corroding Fuel - ウェイバックマシン（2003年ねん7月がつ9日にちアーカイブ分ぶん）, デービッド・オルブライト (David Albright) 、Institute for Science and International Security (ISIS) – Science & Global Security, 1994, Volume 5, pp. 89–97
Disposal of Magnox spent fuel – BNFL、2000年ねん11月14日にち
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[1] 寧辺にょんびょんは、北朝鮮きたちょうせんではニョンビョンと発音はつおんされアルファベット転記てんきではNyŏngbyŏnであるが、韓国かんこくではヨンビョンと発音はつおんされラテン文字もじアルファベット転記てんきではYeongbyeonとなる、また朝鮮半島ちょうせんはんとうでは漢字かんじの字体じたいを簡略かんりゃく化かしていないので寧辺にょんびょんは寧邊にょんびょんとなる。

[atomica-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m “北朝鮮きたちょうせんの原子力げんしりょく研究けんきゅうセンター”. 高度こうど情報じょうほう科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこう ATOMICA (2004年ねん1月がつ). 2009年ねん6月がつ17日にち閲覧えつらん。

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[38Nrestart-39] “North Korea Restarting Its 5MW Reactor”. ジョンズ・ホプキンズ大学だいがくポール・H・ニッツェ高等こうとう国際こくさい関係かんけい大学院だいがくいん. Johns Hopkins University (2013年ねん9月がつ11日にち). 2014年ねん1月がつ8日にち閲覧えつらん。

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[41] “北朝鮮きたちょうせん・寧辺にょんびょんの原子げんし炉ろが再さい稼働かどうか、兵器へいき級きゅうプルトニウムを生産せいさん可能かのう”. CNN (2021年ねん8月がつ31日にち). 2021年ねん8月がつ30日にち閲覧えつらん。

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表ひょう話はなし編へん歴れき北朝鮮きたちょうせん核かく問題もんだい
北朝鮮きたちょうせんの核かく実験じっけん	2006年ねん 2009年ねん 2013年ねん 2016年ねん1月がつ 2016年ねん9月がつ 2017年ねん
トピック	北朝鮮きたちょうせん核かく問題もんだい年表ねんぴょう朝鮮半島ちょうせんはんとうの非核ひかく化かに関かんする共同きょうどう宣言せんげん米べい朝ちょう枠組わくぐみ合意ごうい日にち朝ちょう平壌ぴょんやん宣言せんげん六ろくヶ国かこく協議きょうぎ対たい北朝鮮きたちょうせん制裁せいさい 2017年ねん北朝鮮きたちょうせん危機きき
核かく施設しせつ	豊ゆたか渓けい里さと豊ゆたか渓けい里さと核かく実験じっけん場じょう寧辺にょんびょん核かく施設しせつキムタンコル地下ちか核かく施設しせつ朝鮮半島ちょうせんはんとうエネルギー開発かいはつ機構きこう
国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎ	825 1695 1718 1874 1928 1985 2087 2094 2270 2321 2371 2375 2397
北朝鮮きたちょうせんによるミサイル発射はっしゃ実験じっけん朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくの大量たいりょう破壊はかい兵器へいき