アコーディオン (英 えい : accordion )は、蛇腹 じゃばら のふいご と鍵盤 けんばん の操作 そうさ によって演奏 えんそう する可 か 搬式のフリーリード による気 き 鳴 な 楽器 がっき である。コンサーティーナ やバンドネオン は近 きん 縁 えん の楽器 がっき であり、広義 こうぎ にはアコーディオンに含 ふく められることがある。これらはあわせて蛇腹 じゃばら 楽器 がっき と総称 そうしょう される。日本語 にほんご では手風琴 てふうきん (てふうきん)と称 しょう される。アコーデオン とも表記 ひょうき 。
全 すべ てのキーに対 たい して独立 どくりつ した発振器 はっしんき (リード)が備 そな わっているため理論 りろん 上 じょう 全 すべ てのキーを同時 どうじ に押 お した場合 ばあい に割 わ り当 あ てられた全 すべ ての音 おと が出 で る。そのため同時 どうじ に複数 ふくすう の音 おと を鳴 な らすのが容易 ようい であり、一 いち 台 だい で主 しゅ 旋律 せんりつ と和音 わおん 伴奏 ばんそう を同時 どうじ にこなすこともできる。一人 ひとり で持 も ち運 はこ べるサイズで取 と り扱 あつか いやすく、慣 な れれば立 たて 奏 そう や歩 ふ 奏 そう も可能 かのう で、屋外 おくがい での演奏 えんそう にも適 てき している。鍵盤 けんばん ハーモニカ のように息 いき を必要 ひつよう としないので、弾 ひ き語 がた り もできる。
合奏 がっそう 用 よう アコーディオンは左手 ひだりて のボタンが無 な いため、通常 つうじょう のアコーディオンのように主 しゅ 旋律 せんりつ と和音 わおん を一人 ひとり で同時 どうじ に演奏 えんそう することはできない。電子 でんし アコーディオンは一般 いっぱん 的 てき な電子 でんし 楽器 がっき と同様 どうよう に同時 どうじ 発音 はつおん 数 すう が制限 せいげん されているので、全 すべ てのキーを同時 どうじ に押 お した場合 ばあい に鳴 な らない音 おと があるが、人間 にんげん の指 ゆび で演奏 えんそう する場合 ばあい は十分 じゅうぶん な余裕 よゆう 率 りつ で設計 せっけい されている。
アコーディオンの構造 こうぞう [ 編集 へんしゅう ]
向 む かって右 みぎ から、ボタン鍵盤 けんばん 式 しき ダイアトニック アコーディオン(左右 さゆう 非 ひ 相称 そうしょう 。赤 あか い服 ふく の男性 だんせい )、ピアノ式 しき アコーディオン(左右 さゆう 非 ひ 相称 そうしょう 。赤 あか い服 ふく の女性 じょせい )、イングリッシュ・コンサーティーナ (左右 さゆう 相称 そうしょう 。青 あお い服 ふく の女性 じょせい )
蛇腹 じゃばら 楽器 がっき (アコーディオン族 ぞく )は、伸縮 しんしゅく 自在 じざい の蛇腹 じゃばら の左右 さゆう にそれぞれ筐体 きょうたい (きょうたい。器械 きかい を内蔵 ないぞう した箱 はこ )がついている。
アコーディオン(狭義 きょうぎ )は左右 さゆう の筐体 きょうたい の形 かたち が違 ちが う。演奏 えんそう 者 しゃ は通常 つうじょう 、右手 みぎて 側 がわ の筐体 きょうたい はバンドやベルトなどで胴体 どうたい (腹部 ふくぶ や胸部 きょうぶ )に固着 こちゃく させる。蛇腹 じゃばら の伸縮 しんしゅく 動作 どうさ は左手 ひだりて 側 がわ の筐体 きょうたい を動 うご かして行 おこな う(これに対 たい してコンサーティーナ やバンドネオン は、左右 さゆう の筐体 きょうたい の形 かたち はほぼ同 おな じで、また筐体 きょうたい は演奏 えんそう 者 しゃ の胴体 どうたい に固着 こちゃく させない。蛇腹 じゃばら 楽器 がっき のバンドの説明 せつめい を参照 さんしょう )。
右手 みぎて 側 がわ の筐体 きょうたい は主 おも に主 しゅ 旋律 せんりつ を担当 たんとう する。ピアノ と同様 どうよう の「ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん 」もしくは「ボタン 式 しき 鍵盤 けんばん 」が並 なら んでいる。
左手 ひだりて 側 がわ の筐体 きょうたい はさまざまで、ベース音 おん や和音 わおん を奏 かな でるのに特 とく 化 か したボタンが配置 はいち されているタイプが多 おお いが、左手 ひだりて 側 がわ も旋律 せんりつ をピアノのように奏 かな でられるフリーベース・アコーディオンや、日本 にっぽん の教育 きょういく 楽器 がっき でよく見 み られる「合奏 がっそう 用 よう アコーディオン」のように左手 ひだりて 側 がわ はボタン鍵盤 けんばん を省略 しょうりゃく したタイプもある。
一般 いっぱん 的 てき な「独奏 どくそう 用 よう アコーディオン」の場合 ばあい 、右手 みぎて 側 がわ が8~50鍵 かぎ ほど、左手 ひだりて 側 がわ が18~120個 こ ほどのボタンがある。筐体 きょうたい の内部 ないぶ 構造 こうぞう は、ボタンと空気 くうき 弁 べん を繋 つな げるためにシャフトが張 は り巡 めぐ らされ、大変 たいへん 複雑 ふくざつ である。重量 じゅうりょう は2~15キログラム 程度 ていど 。
以下 いか に蛇腹 じゃばら 楽器 がっき の主 おも な種類 しゅるい を示 しめ す。狭義 きょうぎ のアコーディオンは「左右 さゆう 非 ひ 相称 そうしょう 」の列 れつ の3種類 しゅるい である(詳 くわ しくは「アコーディオンの種類 しゅるい 」を参照 さんしょう )。
右手 みぎて 側 がわ の筐体 きょうたい のフロント・グリル(網 あみ 板 ばん )をはずすと、音色 ねいろ が鋭 するど くなる。筐体 きょうたい 内部 ないぶ の「下駄 げた 」状 じょう の機構 きこう がむき出 だ しで見 み える。秦 はた コータロー氏 し 、2018楽器 がっき フェア にて。
両手 りょうて で左右 さゆう の筐体 きょうたい を保持 ほじ する。それぞれの手 て で、筐体 きょうたい 上 じょう の鍵盤 けんばん やボタンを押 お すと、シャフトでつながった対応 たいおう する空気 くうき 弁 べん が開 ひら くようになっている。蛇腹 じゃばら を伸縮 しんしゅく することで送 おく られた空気 くうき が開 ひら かれた弁 べん を通 とお り、リード を通 とお り抜 ぬ けるときにこれを振動 しんどう させて音 おと を鳴 な らす。リードはフリーリードと呼 よ ばれるもので、薄 うす い金属 きんぞく の板 いた であり、共鳴 きょうめい 管 かん によらずリード自身 じしん の長 なが さや厚 あつ さで音 おと 高 だか が決定 けってい される。フリーリードの1枚 まい のリードは一方 いっぽう からの通気 つうき でしか発音 はつおん しないため、通常 つうじょう アコーディオンの場合 ばあい は蛇腹 じゃばら を押 お した時 とき にも引 ひ いた時 とき にも発音 はつおん するように一 ひと つのリード枠 わく に表裏 ひょうり 2枚 まい のリードがセットされている。この発音 はつおん 原理 げんり はハーモニウム やハーモニカ によく似 に ている。
押 お し引 び きで違 ちが うリードが発音 はつおん するため、押 お し引 び きで同音 どうおん の出 で るクロマティック タイプのアコーディオンと、押 お し引 び きで違 ちが う音 おと の出 で るダイアトニック タイプのアコーディオンがある。
音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチについて[ 編集 へんしゅう ]
アコーディオンのリードの音 おと 高 だか (ピッチ)には、H(高音 こうおん )、M(中音 ちゅうおん )、L(低音 ていおん )などがある。
「音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチ(レジスター・スイッチ)」がない機種 きしゅ では、1台 だい で1種類 しゅるい の音色 ねいろ しか鳴 な らせない。
音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチを備 そな えたアコーディオンでは、鳴 な るリードの組 く み合 あ わせを変 か えることで、好 す きな音色 ねいろ (トーン)を選 えら ぶことができる。
例 たと えば、同 おな じ「ド」でも、H(高音 こうおん のドの単音 たんおん )、M(中音 ちゅうおん のドの単音 たんおん )、L(低音 ていおん のドの単音 たんおん )、HM(高音 こうおん のドと中音 ちゅうおん のドを同時 どうじ に鳴 な らす)、HL(高音 こうおん のドと低音 ていおん のドを同時 どうじ に鳴 な らす)、MM(2枚 まい の同 おな じ高 たか さの中音 ちゅうおん のドを同時 どうじ に鳴 な らす)、MMM(3枚 まい 同時 どうじ に鳴 な らす。別名 べつめい 「ミュゼット・トーン」)、HML(高音 こうおん ・中音 ちゅうおん ・低音 ていおん のオクターブ違 ちが いの3つのドを同時 どうじ に鳴 な らす)では、音色 ねいろ の印象 いんしょう は変 か わる。
音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチは、右手 みぎて 側 がわ の鍵盤 けんばん 部分 ぶぶん と、左手 ひだりて 側 がわ のベース部分 ぶぶん の両方 りょうほう についている機種 きしゅ もあれば、右手 みぎて 側 がわ にだけついている機種 きしゅ もある。また一部 いちぶ の大型 おおがた のアコーディオンでは、演奏 えんそう 者 しゃ があごで音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチを操作 そうさ できる機種 きしゅ もある。
音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチを備 そな えたピアノ・アコーディオンで、「ドレミファソラシド」をそれぞれ違 ちが う音色 ねいろ で弾 ひ いた音声 おんせい サンプル。このサンプル録音 ろくおん のアコーディオンの場合 ばあい 、1台 だい で5種類 しゅるい の音色 ねいろ を選 えら べる。音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチの操作 そうさ 音 おん も聞 き こえる。 – 676 KB
音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチの表示 ひょうじ の例 れい
アイコン
俗称 ぞくしょう
鳴 な るリードの組 く み合 あ わせ
音色 ねいろ (トーン)の風格 ふうかく
ピッコロ
H
細 ほそ くて高 たか い
クラリネット
M
おとなしめ
バスーン
L
太 ふと くて低 ひく い
オーボエ
H + M
明 あか るい
ヴァイオリン
M + M
ゆらめく感 かん じ
ミュゼット (ミュゼット風 ふう )
H + M + M
ミュゼット風 ふう だが、本当 ほんとう のミュゼットではない
ミュゼット (本物 ほんもの )
M + M + M
ミュゼット仕様 しよう の、専用 せんよう のアコーディオンの音色 ねいろ
オルガン
H + L
パイプオルガン風 ふう
ハーモニウム
H + M + L
リードオルガン風 ふう
バンドネオン
M + L
バンドネオン風 ふう
アコーディオン
M + M + L
一般 いっぱん 的 てき なイメージのアコーディオンの音色 ねいろ
マスター
H + M + M + L
全部 ぜんぶ のリードを同時 どうじ に鳴 な らす
同 おな じMのリードを表 あらわ す●は、その位置 いち によりチューニングの微妙 びみょう なピッチの違 ちが いを表 あらわ す場合 ばあい がある。
表示 ひょうじ
意味 いみ
正確 せいかく な音 おと 高 だか (ピッチ)にチューニングしたMのリード
本来 ほんらい の音 おと 高 だか より高 たか めにチューニングしたMのリード
本来 ほんらい の音 おと 高 だか より低 ひく めにチューニングしたMのリード
正確 せいかく な音 おと 高 だか のMのリードと、ほんのわずか高 たか めにチューニングしたMのリードをならべ、わざとうなりが生 しょう じるようにした組 く み合 あ わせ
正確 せいかく な音 おと 高 だか のリードと、それよりちょっとだけ高 たか め、ちょっとだけ低 ひく めの3枚 まい のMのリードの組 く み合 あ わせ
「HMML」のリードをもつアコーディオンの「音色 ねいろ (ねいろ)切 き り替 か えスイッチ」。数字 すうじ の4、8、16はそれぞれH(高音 こうおん )、M(中音 ちゅうおん )、L(低音 ていおん )のリードを表 あらわ す。それぞれのスイッチには音色 ねいろ の「俗称 ぞくしょう 」(下記 かき の説明 せつめい を参照 さんしょう )が書 か いてある。
「MML」のリードをもつアコーディオンの音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチ。それぞれの音色 ねいろ の「俗称 ぞくしょう 」が微妙 びみょう に違 ちが うことに注意 ちゅうい 。
「HMML」のリードをもつアコーディオンの音色 ねいろ 切 き り替 か えスイッチ。アイコンのみによる表示 ひょうじ 。
リードのチューニングについて [ 編集 へんしゅう ]
アコーディオンの複数 ふくすう のリードを同時 どうじ に鳴 な らす場合 ばあい 、それぞれのリードの音程 おんてい のあわせかたによって音色 ねいろ の印象 いんしょう はがらりと変 か わる。主 おも に以下 いか の4種類 しゅるい がある。
ドライ・チューニング - MM(ヴァイオリン・トーン)でそれぞれのリードの音 おと 高 だか をぴったり一致 いっち させると「乾 かわ いた」音色 ねいろ になる。アイルランドの伝統 でんとう 音楽 おんがく やケイジャン音楽 おんがく のアコーディオンで好 この まれる傾向 けいこう がある。
ウェット・チューニング - 「トレモロ・チューニング」とも言 い う。MMやMMM(ミュゼット・トーン)等 とう でそれぞれのリードの音程 おんてい を故意 こい に微妙 びみょう にずらすことでシャリシャリとした独特 どくとく の「うなり」のある「濡 ぬ れた」音色 ねいろ になる。フランスのミュゼット音楽 おんがく や、日本 にっぽん の演歌 えんか などのアコーディオンでよく使 つか われる。
スイング(Swing)・チューニング - 上記 じょうき のドライとウェットの中 なか 間 あいだ 。
オクターブ・チューニング - HM(オーボエ・トーン)やML(バンドネオン・トーン)など、複数 ふくすう のリードをオクターブ違 ちが いの音 おと 高 だか にして重厚 じゅうこう 感 かん を出 だ したチューニング。
右手 みぎて 側 がわ の鍵盤 けんばん について[ 編集 へんしゅう ]
ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん とボタン式 しき 鍵盤 けんばん の二 に 種類 しゅるい がある。詳 くわ しくはアコーディオンの種類 しゅるい の項 こう を参照 さんしょう 。
ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん (左 ひだり )とボタン式 しき 鍵盤 けんばん (右 みぎ )のデュオ (巡 めぐ 〜MeguRee〜)。楽器 がっき フェア2018 にて。
当初 とうしょ 、アコーディオンの鍵盤 けんばん は、他 た の蛇腹 じゃばら 楽器 がっき と同様 どうよう 、狭 せま いスペースにたくさんの鍵 かぎ (キー)を並 なら べることができるボタン式 しき 鍵盤 けんばん が標準 ひょうじゅん であった。また初期 しょき のアコーディオンは押引異 い 音 おと 式 しき だった。
1850年 ねん ごろ、ウィーンのフランツ・ワルターは、3列 れつ のボタン鍵盤 けんばん を並 なら べた押引同音 どうおん 式 しき のクロマティック・アコーディオン を開発 かいはつ した(現在 げんざい 「B配列 はいれつ 」と呼 よ ばれるタイプ)。押引同音 どうおん 式 しき のアコーディオンの出現 しゅつげん により、ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん を装備 そうび する可能 かのう 性 せい が開 ひら かれた。
初期 しょき のピアノ・アコーディオンはウィーンのマテウス・バウアーによって開発 かいはつ されたが、これとは別個 べっこ に1880年代 ねんだい のイタリアでも開発 かいはつ された[1] 。
ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん の特長 とくちょう は汎用 はんよう 性 せい である。ピアノやオルガンなど他 た の鍵盤 けんばん 楽器 がっき と共通 きょうつう なので、入門 にゅうもん 者 しゃ もすんなりと弾 ひ け、また上級 じょうきゅう の演奏 えんそう 者 しゃ も他 た の鍵盤 けんばん 楽器 がっき が長 なが い歴史 れきし の中 なか でつちかってきた演奏 えんそう テクニックを活用 かつよう することができる。その一方 いっぽう 、ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん の欠点 けってん は、鍵 かぎ が細長 ほそなが い板 いた 状 じょう であるためボタン式 しき より広 ひろ いスペースを必要 ひつよう とすること(小型 こがた 軽量 けいりょう 化 か には不利 ふり )、ボタン式 しき と違 ちが い鍵 かぎ どうしが密接 みっせつ しているため高速 こうそく のパッセージを弾 ひ くとミスタッチが起 お きやすい[注 ちゅう 1] こと、などがある。
ダイアトニック・アコーディオン
日本 にっぽん でアコーディオンと言 い えばピアノ・アコーディオンを指 さ すことが多 おお いが、外国 がいこく ではむしろボタン・アコーディオン(ダイアトニック・アコーディオンおよびクロマティック・アコーディオン)のほうが普及 ふきゅう している。ただし日本 にっぽん でも、金子 かねこ 元 もと 孝 こう 以来 いらい 、クロマティック・ボタン・アコーディオンのプロ奏者 そうしゃ は少 すこ しずつ増 ふ えている。
英国 えいこく の
五 ご 月 がつ 祭 さい の
行進 こうしん 。
小型 こがた 軽量 けいりょう のボタン
式 しき ダイアトニック アコーディオンを
弾 ひ く
女性 じょせい たちと、
重 おも いピアノ
式 しき を
弾 ひ く
男性 だんせい 。
欧米 おうべい ではボタン
式 しき とピアノ
式 しき の
両方 りょうほう とも
普及 ふきゅう している。
ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん の白 しろ 鍵 かぎ と黒 くろ 鍵 かぎ の配列 はいれつ に似 に せたボタン式 しき 鍵盤 けんばん 。過渡 かと 期 き の方式 ほうしき 。1847年 ねん 。
1885年 ねん ごろのピアノ・アコーディオン。鍵盤 けんばん は現代 げんだい のタイプに比 くら べると寸詰 すんづ まりである。
1920年 ねん ごろの湾曲 わんきょく 型 がた ピアノ鍵盤 けんばん 式 しき アコーディオン。
上 うえ は
現代 げんだい 型 がた のクロマティック(140
個 こ のベースボタンをもつ、コンバーター
式 しき フリーベースの
機種 きしゅ )。
下 した は
バヤン 。
同 おな じ
面積 めんせき なら、ボタン
鍵盤 けんばん のほうが
多 おお くの
鍵 かぎ を
詰 つ め
込 こ める。
左手 ひだりて 側 がわ のベース・システムについて[ 編集 へんしゅう ]
アコーディオンの多 おお くは、右手 みぎて の高音 こうおん 部 ぶ でメロディを弾 ひ き、左手 ひだりて の低音 ていおん 部 ぶ で和音 わおん 伴奏 ばんそう を弾 ひ きやすいように作 つく られている。左手 ひだりて 側 がわ で低音 ていおん の伴奏 ばんそう をつけるためのベースシステムについては、さまざまな方式 ほうしき がある。
ダイアトニック・アコーディオンのベースボタンの数 かず は比較的 ひかくてき 少 すく なく、鳴 な らせる和音 わおん の種類 しゅるい は限 かぎ られる。
「120ベース」のストラデラ・ベース。
フリー・ベースの例 れい 。この機種 きしゅ は、8列 れつ の「クイント・システム」5度 ど 音階 おんかい 方式 ほうしき を採用 さいよう している。
ストラデラ・ベースとフリー・ベースをスイッチ1つで切 き り替 か え可能 かのう な「コンバーター・システム」のアコーディオン。ヴィクトリア社 しゃ 製 せい 、96ベース。
「120ベース」のストラデラ・ベースのアコーディオンと、ヴァイオリンの路上 ろじょう 演奏 えんそう 。蛇腹 じゃばら とベース部分 ぶぶん におしゃれな模様 もよう が描 えが かれている。
ダイアトニック・アコーディオンのベースシステム [ 編集 へんしゅう ]
初期 しょき のアコーディオンは、押引異 い 音 おと 式 しき のダイアトニック・アコーディオンであった。このタイプのアコーディオンのベースシステムは、右手 みぎて 側 がわ の基本 きほん のキーが機種 きしゅ ごとに違 ちが うという楽器 がっき の特性 とくせい もあり、統一 とういつ された方式 ほうしき はなく、機種 きしゅ によって違 ちが いが大 おお きい。また、1つのベースボタンを押 お すと、三和音 さんわおん (例 たと えば「ドミソ」)ではなく、根 ね 音 おん と第 だい 5音 おと のみ鳴 な る(例 たと えば「ドソ」)タイプもある。
左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンの数 かず に決 き まりはないが、一般 いっぱん 的 てき には、右手 みぎて 側 がわ のボタンが1列 れつ しかないタイプ(one-row ワンロー)では左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンは2個 こ か4個 こ である。右手 みぎて 側 がわ が2列 れつ のタイプ(two-row ツーロー)ならベースボタンは8個 こ 、3列 れつ (three-row スリーロー)ならベースボタンは12個 こ であることが多 おお いが、これも単 たん なる傾向 けいこう にすぎず、例外 れいがい も多 おお い。
ストラデラ・ベース・システム(The Stradella Bass System)という呼称 こしょう は、楽器 がっき 生産 せいさん で有名 ゆうめい なイタリアのストラデッラ で開発 かいはつ されたことにちなむ。クロマティック・ボタン鍵盤 けんばん 式 しき アコーディオンおよびピアノ鍵盤 けんばん 式 しき アコーディオンの左手 ひだりて 部分 ぶぶん のベースの機構 きこう として最 もっと も普通 ふつう に見 み られるため「スタンダード・ベース」(「標準 ひょうじゅん ベース」の意 い )とも呼 よ ばれる。以下 いか にベース・ボタンの並 なら べ方 かた を示 しめ す(これは96ベースの例 れい 。120ベースは両側 りょうがわ にさらに拡張 かくちょう する)。
赤字 あかじ は単音 たんおん 、黒字 くろじ は和音 わおん 。
中型 ちゅうがた 以上 いじょう の機種 きしゅ では、ストラデラ・ベースは通常 つうじょう 次 じ の6列 れつ から構成 こうせい される(以下 いか 、蛇腹 じゃばら に最 もっと も近 ちか い列 れつ =最 もっと も内側 うちがわ の列 れつ を第 だい 1列 れつ とする。)。2列 れつ 目 め のボタンはファンダメンタル・ベース(the Fundamental Bass 基本 きほん ベース)と呼 よ ばれ5度 ど 音階 おんかい に従 したが って並 なら べられている。1列 れつ 目 め のボタンはカウンター・ベース(the Counter Bass 対 たい 位 い ベース)と呼 よ ばれ、2列 れつ 目 め より長 ちょう 3度 ど 高 たか い関係 かんけい になっている。メジャーコード は3列 れつ 目 め に配置 はいち され、4列 れつ 目 め はマイナーコード で構成 こうせい される。5列 れつ 目 め はセブンスコードを格納 かくのう し、最後 さいご の6列 れつ 目 め はディミニッシュ・コードないしディミニッシュ・セブンスコードを持 も つ。
この方式 ほうしき の特長 とくちょう は、和音 わおん 伴奏 ばんそう を簡単 かんたん に演奏 えんそう できることである。例 たと えばCの三和音 さんわおん (ド、ミ、ソ)を鳴 な らそうと思 おも ったら、右手 みぎて の高音 こうおん 部 ぶ ではドとミとソの3つの鍵 かぎ を指 ゆび で押 お さねばならないが、左手 ひだりて の低音 ていおん 部 ぶ ではCのベースのボタン1個 いっこ を押 お すだけで「ド、ミ、ソ」が鳴 な る。その反面 はんめん 、左手 ひだりて でメロディーを弾 ひ くのは不自由 ふじゆう になる。左手 ひだりて のベース・ボタンのうち、単音 たんおん を鳴 な らせるのは内側 うちがわ から見 み て第 だい 1列 れつ の対 たい 位 い ベースと第 だい 2列 れつ の基本 きほん ベースだけで、その音域 おんいき は1オクターブに限 かぎ られるうえ、小型 こがた のアコーディオンではベース部 ぶ の単音 たんおん ボタンを省略 しょうりゃく して和音 わおん ボタンのみしかないものすらある。
値段 ねだん やサイズ、楽器 がっき の系統 けいとう にも因 よ るが、まったくない列 れつ があったり、レイアウトが多少 たしょう 変更 へんこう されていることがある。ほとんどのロシア 式 しき の配置 はいち は、ディミニッシュ・セブンス・コードの列 れつ はボタンひとつ分 ぶん 移動 いどう され、ディミニッシュ・セブンス・Cコードは図 ず のディミニッシュ・セブンス・Fコードの位置 いち にあり、人差 ひとさ し指 ゆび が届 とど きやすいようになっている。
ストラデラ・ベース式 しき のアコーディオンは、ボタンの数 かず と種類 しゅるい によって次 つぎ のように分類 ぶんるい される。
「12ベース」アコーディオン:FからDまでとかBbからGまでとかのファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードを持 も つ。さらにここからマイナーコードを省略 しょうりゃく した8ベースもある。
「24ベース」はBbからAまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードを持 も つ。
「32ベース」はEbからEまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコード、セブンスコードを持 も つ。
「48ベース」はEbからEまでで、6つの列 れつ すべてを持 も つ。
「72ベース」はDbからF#までで、6つの列 れつ すべてを持 も つ。
「80ベース」はCbからG#までで、ディミニッシュ以外 いがい のすべてを持 も つ。
「96ベース」は80ベースと同様 どうよう だが、6つすべての列 れつ を持 も つ。
「120ベース」はAbb(i.e. low G)からA#まで - 20行 ぎょう - 6つすべての列 れつ を持 も つ。
フレンチ3/3ベース・システムは、ストラデラ・ベース・システムの改良 かいりょう 型 がた である。以下 いか にベース・ボタンの並 なら べ方 かた を示 しめ す(これは96ベースの例 れい 。120ベースは両側 りょうがわ にさらに拡張 かくちょう する)。
赤字 あかじ は単音 たんおん 、黒字 くろじ は和音 わおん [注 ちゅう 2] 。
単音 たんおん だけ鳴 な らすベースのボタン鍵 かぎ に3列 れつ 、和音 わおん を鳴 な らすコード・ベースのボタン鍵 かぎ に3列 れつ を割 わ り当 あ てる(ストラデラ・ベースは、単音 たんおん ベースは2列 れつ 、コード・ベースは4列 れつ )。日本 にっぽん ではあまり見 み かけないが、フランスのアコーディオンなどでは時々 ときどき 見 み られる形式 けいしき である。
普通 ふつう の歌曲 かきょく の演奏 えんそう では、ストラデラ・ベースの6列 れつ 目 め のボタンの使用 しよう 頻度 ひんど は、それほど多 おお くない。フレンチ3/3ベースでは、ストラデラ・ベースの第 だい 6列 れつ のコードを省略 しょうりゃく する代 か わりに、カウンター・ベースのボタンを内側 うちがわ に向 む けて1列 れつ 増 ふ やしている。単音 たんおん のベース・ボタンが増 ふ えた結果 けっか 、ベースでメロディーを弾 ひ きやすくなるだけでなく、演奏 えんそう 者 しゃ が自分 じぶん で単音 たんおん のベースを組 く み合 あ わせて複雑 ふくざつ なコードを奏 かな でることが容易 ようい にできるようになる。
左手 ひだりて 側 がわ の低音 ていおん 部 ぶ でもメロディーと和音 わおん をピアノのように自由 じゆう に弾 はじ けるようにした、改良 かいりょう 型 がた のベースシステムで、半音 はんおん 階 かい も網羅 もうら した1鍵 かぎ 1音 おと のクロマティック式 しき のボタン鍵盤 けんばん をびっしり並 なら べている。ボタン配列 はいれつ の方式 ほうしき はさまざまである。
クロマティック式 しき フリー・ベースの配列 はいれつ 。左 ひだり からCシステム、Bシステム、バヤン式 しき 。
クロマティック式 しき フリー・ベース(クロマティック・システム) [ 編集 へんしゅう ]
左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンも、クロマティック・ボタン鍵盤 けんばん 式 しき アコーディオンの右手 みぎて 側 がわ と同様 どうよう に並 なら べる方式 ほうしき 。
クイント式 しき フリー・ベース(クイント・システム) [ 編集 へんしゅう ]
ストラデラ・ベースの「基本 きほん ベース」「対 たい 位 い ベース」の並 なら びかた(五 ご 度 ど 音階 おんかい =「quint」=クイント)をベース部分 ぶぶん 全体 ぜんたい に拡張 かくちょう した方式 ほうしき 。
ピアノ式 しき フリー・ベース [ 編集 へんしゅう ]
左手 ひだりて 側 がわ のベース部 ぶ のボタン鍵盤 けんばん (まれにベース部 ぶ もピアノ式 しき 鍵盤 けんばん を採用 さいよう する場合 ばあい もある)の配列 はいれつ をピアノの白 しろ 鍵 かぎ と黒 くろ 鍵 かぎ のように並 なら べたタイプ。コーカサスの民族 みんぞく 楽器 がっき 的 てき な「東方 とうほう アコーディオン」等 とう で普通 ふつう に見 み られる方式 ほうしき 。
日本 にっぽん の小学校 しょうがっこう 等 とう で教育 きょういく 楽器 がっき として使用 しよう される「合奏 がっそう 用 よう アコーディオン」では、左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンを省略 しょうりゃく したタイプが多用 たよう される。そのぶん軽量 けいりょう で安価 あんか になるだけでなく、演奏 えんそう 性 せい の面 めん でもリードの音 おと の立 た ち上 あ がり(レスポンス)が良 よ くなるというメリットがある[2] 。
アコーディオンの歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
初期 しょき のアコーディオン。1830年代 ねんだい 。8鍵 かぎ のボタン鍵盤 けんばん 式 しき
初期 しょき のダイアトニック アコーディオンを弾 ひ く女子 じょし 。当時 とうじ は今 いま と逆 ぎゃく に、左手 ひだりて 側 がわ で旋律 せんりつ を弾 ひ いた。年代 ねんだい 不 ふ 詳 しょう 、19世紀 せいき のドイツ。
世界 せかい 最初 さいしょ のフリーリード楽器 がっき は中国 ちゅうごく の笙 しょう であるが、これは息 いき で空気 くうき を送 おく り込 こ むようになっている。この笙 しょう のようなフリーリードによる発声 はっせい の仕組 しく みを、18世紀 せいき にヨーロッパ の旅行 りょこう 者 しゃ が中国 ちゅうごく から持 も ち帰 かえ ったものと思 おも われる。
アコーディオンの発明 はつめい 者 しゃ については、諸説 しょせつ がある。
ブッシュマン説 せつ - 1822年 ねん にドイツ のフリードリッヒ・ブッシュマン (Friedrich Buschmann 、1805年 ねん 6月 がつ 17日 にち - 1864年 ねん 10月 がつ 1日 にち ) が発明 はつめい した簡素 かんそ な蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 「ハンド・エオリーネ」(Hand-Aeoline) を最初 さいしょ のアコーディオンと見 み なす説 せつ 。
デミアン説 せつ - 1829年 ねん 5月23日 にち にオーストリア のシリル・デミアン(Cyrillus Damian)が特許 とっきょ を取得 しゅとく した「アコーディオン」を最初 さいしょ と見 み なす説 せつ 。「アコーディオン」はデミアンによる命名 めいめい で、「和音 わおん 」を意味 いみ する語 かたり accord に由来 ゆらい する。ディアトニック 式 しき で、全音 ぜんおん 階 かい (メジャースケールの7音 おと )を持 も ち、単一 たんいつ のキーのみで演奏 えんそう された。
ロシア人 じん 説 せつ - ドイツやオーストリアで蛇腹 じゃばら 楽器 がっき が発明 はつめい される前 まえ に、すでにロシアで同様 どうよう の楽器 がっき が考案 こうあん されていたと主張 しゅちょう する者 もの もいるが、根拠 こんきょ は薄 うす い。
「アコーディオン」という呼称 こしょう を重視 じゅうし するならば、アコーディオンの発明 はつめい 者 しゃ はデミアンである。1979年 ねん 「アコーディオン150年 ねん 祭 さい 」というイベントが日本 にっぽん でも行 おこな われた。
アコーディオンは一種 いっしゅ の器械 きかい であり、デミアン以降 いこう も多 おお くの楽器 がっき 製作 せいさく 者 しゃ が改良 かいりょう を重 かさ ね、自分 じぶん が開発 かいはつ した新 あたら しいタイプのアコーディオンに関 かん する技術 ぎじゅつ を次々 つぎつぎ に特許 とっきょ 登録 とうろく した。19世紀 せいき のヨーロッパでは様々 さまざま な物品 ぶっぴん や資料 しりょう を集 あつ めて展示 てんじ する博覧 はくらん 会 かい がよく開催 かいさい された。アコーディオンやコンサーティーナなど当時 とうじ としては新 あたら しい器械 きかい 技術 ぎじゅつ を盛 も り込 こ んだ蛇腹 じゃばら 楽器 がっき の新 しん 製品 せいひん も、ウィーンやミュンヘンなど大都市 だいとし で開催 かいさい された国際 こくさい 的 てき な工業 こうぎょう 博覧 はくらん 会 かい に出品 しゅっぴん された[3] 。特許 とっきょ 制度 せいど による知的 ちてき 財産 ざいさん 保護 ほご と、博覧 はくらん 会 かい など新 しん 時代 じだい の情報 じょうほう 公開 こうかい も追 お い風 かぜ となり、アコーディオンの製作 せいさく 技術 ぎじゅつ はヨーロッパ各地 かくち に広 ひろ まった。
アコーディオンという楽器 がっき の設計 せっけい 思想 しそう そのものも、この楽器 がっき の普及 ふきゅう を後押 あとお しした。発明 はつめい 者 しゃ のシリル・デミアンの特許 とっきょ 申請 しんせい 書 しょ にもあるとおり、彼 かれ は、音楽 おんがく の知識 ちしき をもたない素人 しろうと でも簡単 かんたん に旋律 せんりつ や和音 わおん 伴奏 ばんそう を弾 はじ ける簡便 かんべん な楽器 がっき として、アコーディオンを発明 はつめい した[注 ちゅう 3] 。デミアンが意図 いと したとおり、プロの音楽家 おんがくか だけではなく、船乗 ふなの りや移民 いみん 、行商 ぎょうしょう 人 じん 、宣教師 せんきょうし 、軍人 ぐんじん 、旅芸人 たびげいにん など、多 おお くの人々 ひとびと がアコーディオンを持参 じさん して各地 かくち を旅 たび し、この楽器 がっき を世界 せかい に広 ひろ めた。
「
西部 せいぶ 劇 げき 」
時代 じだい の
絵画 かいが 作品 さくひん 。
キャンプ で、ギターを
弾 ひ く
仲間 なかま と
一緒 いっしょ に
ダイアトニック アコーディオンを
弾 ひ きながら
歌 うた う
男 おとこ 。1885
年 ねん 、
米国 べいこく 。
ダイアトニック・アコーディオンを
持 も つ「
一人 ひとり 楽団 がくだん 」の
大道芸 だいどうげい 人 じん を
描 えが いたManuel Lopes Rodriguesの
絵画 かいが 作品 さくひん 「
歩 ある くオーケストラ」(Orquestra ambulante)。1898
年 ねん 。
インドの
農村 のうそん で
小型 こがた のダイアトニック・アコーディオンを
弾 ひ く
女性 じょせい 宣教師 せんきょうし 。アコーディオン
等 とう の
蛇腹 じゃばら 楽器 がっき は、
旋律 せんりつ と
和音 わおん 伴奏 ばんそう を
同時 どうじ に
弾 はじ ける
自己 じこ 完結 かんけつ 楽器 がっき なので、
オルガン の
代 か わりに
讃 さん 美歌 みか の
伴奏 ばんそう にも
使 つか える。1900
年 ねん ごろ。
第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の
戦場 せんじょう で
ダイアトニック アコーディオンの
立 たて 奏 そう (
中央 ちゅうおう )にき
入 きい る
兵士 へいし たち。ダイアトニック
式 しき は
小 ちい さくて
軽 かる く、
機構 きこう も
簡素 かんそ で
故障 こしょう しにくかったので、
兵士 へいし に
好 この まれた。1917
年 ねん 撮影 さつえい 。
クロマテイック・アコーディオンを
立 たて 奏 そう する
水兵 すいへい 。
戦艦 せんかん ハイメ1世 せい にて、
ゲルダ・タロー 撮影 さつえい 、1937
年 ねん 。
ピアノ
式 しき アコーディオンを
立 たて 奏 そう する
女性 じょせい 。
マンザナー強制 きょうせい 収容 しゅうよう 所 しょ 、1942
年 ねん 。
20世紀 せいき 前半 ぜんはん のアール・デコ調 ちょう のアコーディオン (Tombo No.100 Lirico)
アコーディオンの外見 がいけん は時代 じだい とともに変化 へんか しており、この楽器 がっき を見慣 みな れた人 ひと なら、外形 がいけい を見 み ただけでその楽器 がっき の製作 せいさく 年代 ねんだい をある程度 ていど 推定 すいてい することができる。
例 たと えば、デミアンが製作 せいさく した初期 しょき のアコーディオンは、左手 ひだりて でメロディーを弾 ひ き、右手 みぎて で蛇腹 じゃばら の端 はし をおさえて風 ふう を送 おく り、現在 げんざい のアコーディオンと左右 さゆう の持 も ち方 かた が逆転 ぎゃくてん していた[4] 。また初期 しょき のアコーディオンは簡便 かんべん な押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき だったが、演奏 えんそう 能力 のうりょく 拡張 かくちょう 型 がた の押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき の機種 きしゅ も考案 こうあん された。楽器 がっき の演奏 えんそう 能力 のうりょく 向上 こうじょう の改良 かいりょう は今日 きょう に至 いた るまで絶 た えず続 つづ いており、時代 じだい がくだるほど多種 たしゅ 多様 たよう なタイプのアコーディオンが併存 へいそん するようになった。
またアコーディオンの素材 そざい やデザインも、時代 じだい の流行 りゅうこう がある。ピアノ式 しき アコーディオンの場合 ばあい 、20世紀 せいき 前半 ぜんはん までは、鍵盤 けんばん 部 ぶ の両 りょう 脇 わき がリラ のようにふくらみ、ボディも角 かく ばったアール・デコ 調 しらべ のデザインが好 この まれた。20世紀 せいき 後半 こうはん 以降 いこう は、装飾 そうしょく を減 へ らし、ボディの角 かく に丸 まる みを持 も たせたタイプが普及 ふきゅう している。こうした外観 がいかん の変化 へんか は、飛行機 ひこうき や自動車 じどうしゃ など機械 きかい のデザインの変遷 へんせん と似 に ている面 めん がある。今日 きょう でも、中古 ちゅうこ 楽器 がっき 市場 いちば や骨董 こっとう 市場 いちば では、古 ふる いデザインのヴィンテージ ・アコーディオンもかなり出回 でまわ っている。
アコーディオンが使 つか われる音楽 おんがく シーンも変化 へんか した。
上述 じょうじゅつ のとおり、初期 しょき のアコーディオンは、アマチュアも手軽 てがる に演奏 えんそう を楽 たの しめる安直 あんちょく な楽器 がっき だった。日本 にっぽん のアコーディオン普及 ふきゅう 協会 きょうかい 会長 かいちょう をつとめた金子 かねこ 元 もと 孝 こう も、レオ・フェレ (Léo Ferré)の名曲 めいきょく のタイトル「貧乏人 びんぼうにん のピアノ」(Le piano du pauvre)がピアノではなくアコーディオンを指 さ すこと、この歌 うた のタイトルのとおり昔 むかし のアコーディオンは非常 ひじょう に安価 あんか で、誰 だれ でも手軽 てがる に弾 はじ ける易 やさ しい楽器 がっき であり、田舎 いなか も含 ふく めてどこの家庭 かてい にも小型 こがた のアコーディオンが普及 ふきゅう していたことを指摘 してき している[5] 。
時代 じだい がくだると、高価 こうか で重 おも くて習得 しゅうとく が難 むずか しい演奏 えんそう 能力 のうりょく 向上 こうじょう 型 がた の機種 きしゅ も次々 つぎつぎ と開発 かいはつ された。これらは素人 しろうと にはオーバースペックだが、プロの音楽家 おんがくか がアコーディオンで芸術 げいじゅつ 音楽 おんがく を演奏 えんそう することを可能 かのう とした。
例 たと えば、かつてオーケストラの中 なか に入 はい る鍵盤 けんばん 楽器 がっき といえばピアノ 、チェレスタ 、オルガン 、の他 ほか にハーモニウム が使用 しよう されることがあったが、楽器 がっき の演奏 えんそう 能力 のうりょく と奏者 そうしゃ の演奏 えんそう 技術 ぎじゅつ が上 あ がったことで、アコーディオンがハーモニウムよりも多用 たよう されるようになっている。武満 たけみつ 徹 とおる 、ベアート・フラー 、グバイドゥーリナ はオーケストラ曲 きょく でアコーディオンまたはバヤン を用 もち い、高 たか い音響 おんきょう 効果 こうか をあげている。
日本 にっぽん での歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
江戸 えど 時代 じだい から現在 げんざい まで[ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん へは江戸 えど 時代 じだい の末 すえ に伝来 でんらい した。美保 みほ 神社 じんじゃ には、嘉 よしみ 永 なが 2年 ねん (1849)に奉納 ほうのう された「日本 にっぽん 渡来 とらい 最古 さいこ のアコーディオン」(1841年 ねん 頃 ごろ 、ウィーンで製作 せいさく された小型 こがた の1列 れつ ボタンのダイアトニック ・アコーディオン)が現存 げんそん している[6] 。五 ご 雲 くも 亭 てい 貞秀 さだひで の幕末 ばくまつ の錦絵 にしきえ にも、アコーディオン(現在 げんざい と左右 さゆう が逆 ぎゃく の古 ふる いタイプ)を弾 ひ く米国 べいこく 女性 じょせい が描 えが かれている。西南 せいなん 戦争 せんそう で最後 さいご まで西郷 さいごう 隆盛 たかもり と行動 こうどう を共 とも にした村田 むらた 新八 しんぱち がアコーディオンを好 この んで弾 ひ いたことは有名 ゆうめい である[注 ちゅう 4] 。
明治 めいじ 32年 ねん =1899年刊 ねんかん 『手風琴 てふうきん 新曲 しんきょく 独案内 ひとりあんない 』。アコーディオンを弾 ひ く女学生 じょがくせい と、ハーモニカを吹 ふ く男子 だんし 学生 がくせい 。
その後 ご 、日本 にっぽん ではアコーディオンの流行 りゅうこう 期 き と衰退 すいたい 期 き が交互 こうご に繰 く り返 かえ した。金子 かねこ 元 もと 孝 こう によると、明治 めいじ 30年代 ねんだい の関西 かんさい での「手風琴 てふうきん 」大 だい 流行 りゅうこう 、昭和 しょうわ 10年代 ねんだい から20年代 ねんだい 、1960年代 ねんだい (昭和 しょうわ 35年 ねん から昭和 しょうわ 44年 ねん )がアコーディオンの「わが国 くに における三 みっ つの黄金 おうごん 時代 じだい 」であった[7] 。
当初 とうしょ 、アコーディオンは輸入 ゆにゅう 品 ひん ばかりであったが、明治 めいじ 30年代 ねんだい に入 はい ると国産 こくさん の「手風琴 てふうきん 」の製造 せいぞう 販売 はんばい も見 み られた。ただし当時 とうじ の国産 こくさん 品 ひん はリードに問題 もんだい があったようで、明治 めいじ 30年代 ねんだい 後半 こうはん に姿 すがた を消 け してしまった。国産 こくさん アコーディオンの量産 りょうさん が軌道 きどう に乗 の るのは、昭和 しょうわ の初 はじ めの「トンボ一 いち 号 ごう 」あたりからである[8] 。
2021年 ねん 現在 げんざい 、JAPC(日本 にっぽん アコーディオン振興 しんこう 協議 きょうぎ 会 かい )やJAA(日本 にっぽん アコーディオン協会 きょうかい )、AAA(全 ぜん 関西 かんさい アコーディオン協会 きょうかい )、関東 かんとう アコーディオン演奏 えんそう 交流 こうりゅう 会 かい 、CAC(中部 ちゅうぶ アコーディオンクラブ)をはじめ数 すう 多 おお くの関係 かんけい 団体 だんたい が存在 そんざい し、アコーディオンの普及 ふきゅう と振興 しんこう を図 はか っている。
ダイアトニックからピアノ式 しき へ [ 編集 へんしゅう ]
昭和 しょうわ 15年 ねん (1940)、山口 やまぐち 県立 けんりつ 萩 はぎ 商業 しょうぎょう 女学校 じょがっこう のアコーディオン・バンド。国産 こくさん のダイアトニック・アコーディオンと、ピアノ・アコーディオン(12ベース、小型 こがた )の混成 こんせい 。
日本 にっぽん でアコーディオン(手風琴 てふうきん )と言 い えば、明治 めいじ から大正 たいしょう まではダイアトニック・アコーディオンが主流 しゅりゅう だったが、昭和 しょうわ 10年代 ねんだい の流行 りゅうこう 期 き からピアノ・アコーディオンが広 ひろ まり始 はじ めた(戦前 せんぜん の日本 にっぽん では、ダイアトニック・アコーディオンに比 くら べて、ピアノ・アコーディオンは高価 こうか であった)。
戦後 せんご は、横森 よこもり 良造 りょうぞう はじめテレビなどに露出 ろしゅつ の多 おお いアコーディオニストの多 おお くがピアノ式 しき を演奏 えんそう したこと、小学校 しょうがっこう の音楽 おんがく 教育 きょういく では教育 きょういく 楽器 がっき としてピアノ式 しき 鍵盤 けんばん を備 そな えた合奏 がっそう 用 よう アコーディオンを採用 さいよう したこと、などの理由 りゆう により、昭和中 しょうわなか 期 き 以降 いこう の日本 にっぽん で単 たん にアコーディオンと言 い えば、もっぱらピアノ式 しき 鍵盤 けんばん を備 そな えたピアノ・アコーディオンを指 さ すようになった。
一方 いっぽう 、ダイアトニック・アコーディオンも、海外 かいがい の民族 みんぞく 音楽 おんがく の演奏 えんそう 者 しゃ を中心 ちゅうしん に、現在 げんざい の日本 にっぽん でも一定 いってい の人気 にんき と知名度 ちめいど を保 たも っている。
日本 にっぽん では、昭和 しょうわ 33年 ねん (1958)の第 だい 2次 じ 「学習 がくしゅう 指導 しどう 要領 ようりょう 」改訂 かいてい ののち、小学校 しょうがっこう など一般 いっぱん 的 てき な音楽 おんがく 教育 きょういく の現場 げんば でも教育 きょういく 楽器 がっき としてアコーディオンが採用 さいよう され、馴染 なじ みは深 ふか い。
日本 にっぽん の小学校 しょうがっこう などで用 もち いられる「合奏 がっそう 用 よう アコーディオン」は、左手 ひだりて のボタンを省略 しょうりゃく したピアノ式 しき アコーディオンで、機種 きしゅ の音域 おんいき ごとにアルト、ソプラノ、テナー、バスと分担 ぶんたん 化 か されており、器楽 きがく 合奏 がっそう や鼓笛 こてき パレードで組 く み合 あ わせて用 もち いられる場合 ばあい が多 おお い。
クロマティック式 しき の伝来 でんらい [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん 国内 こくない にあるクロマティック・ボタン式 しき アコーディオンは、本格 ほんかく 的 てき な国産 こくさん 品 ひん は2021年 ねん 現在 げんざい まで作 つく られたことはなく、全 すべ て外国 がいこく 製 せい の輸入 ゆにゅう 品 ひん である。個人 こじん の購入 こうにゅう などは別 べつ として、日本 にっぽん 国内 こくない での楽器 がっき 店 てん での正規 せいき の輸入 ゆにゅう ・販売 はんばい は、1957年 ねん 、アコーディオニストの金子 かねこ 元 もと 孝 こう が、桜井 さくらい 徳二 とくじ をうながして正規 せいき にクロマティック式 しき を輸入 ゆにゅう してもらったのが最初 さいしょ である[9] 。これ以降 いこう 、日本 にっぽん でもクロマチック式 しき のプロ奏者 そうしゃ は少 すこ しずつ増 ふ えた。金子 かねこ 元 もと 孝 こう も含 ふく め、当初 とうしょ はピアノ式 しき を弾 ひ いていたプロ奏者 そうしゃ がクロマチック式 しき に転向 てんこう する例 れい も少 すく なくない。
アコーディオンの種類 しゅるい [ 編集 へんしゅう ]
楽器 がっき 店 てん のアコーディオン売場 うりば の陳列 ちんれつ 棚 だな 。狭義 きょうぎ の「アコーディオン」には含 ふく まれない蛇腹 じゃばら 楽器 がっき も一緒 いっしょ に並 なら んでいる(東京 とうきょう ・谷口 たにぐち 楽器 がっき で撮影 さつえい ) ピアノ・アコーディオン…1,2,13 ダイアトニック・アコーディオン…3 クロマティック・アコーディオン…11,12,14 電子 でんし アコーディオン(ローランド社 しゃ 製 せい 商品 しょうひん 名 めい 『Vアコーディオン』)…11~14 バンドネオン …4 イングリッシュ・コンサーティーナ …5 アングロ・コンサーティーナ …6~10
1829年 ねん にアコーディオンが発明 はつめい されて以来 いらい 、さまざまなタイプのアコーディオンが考案 こうあん されてきた。現在 げんざい ではすたれたタイプのアコーディオンもあれば、今 いま も百 ひゃく 年 ねん 以上 いじょう 変 か わらずに使 つか われているタイプもある。同 おな じアコーディオンであっても、タイプや設計 せっけい 思想 しそう が異 こと なれば、全 まった く別種 べっしゅ の楽器 がっき と言 い ってよいほど奏法 そうほう も音楽 おんがく 性 せい も違 ちが ってくるので、要注意 ようちゅうい である。
アコーディオンの種類 しゅるい 分 わ けで特 とく に重要 じゅうよう なポイントは、以下 いか の3点 てん である。
蛇腹 じゃばら の操作 そうさ は押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき (ダイアトニック )か、押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき (クロマティック )か
右手 みぎて の高音 こうおん 部 ぶ はボタン式 しき 鍵盤 けんばん か、ピアノ式 しき 鍵盤 けんばん か
左右 さゆう の筐体 きょうたい は左右 さゆう 非 ひ 相称 そうしょう (狭義 きょうぎ のアコーディオン)か、左右 さゆう 相称 そうしょう (コンサーティーナ やバンドネオン 。広義 こうぎ のアコーディオン族 ぞく だが、通常 つうじょう はアコーディオンに含 ふく めない)か
上記 じょうき の他 ほか にも、副次的 ふくじてき な分類 ぶんるい として、左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンの配列 はいれつ に注目 ちゅうもく した種類 しゅるい 分 わ けや、楽器 がっき の大 おお きさ、音色 ねいろ に着目 ちゃくもく した種類 しゅるい 分 わ けもある。
日本 にっぽん で最 もっと も普及 ふきゅう しているピアノ・アコーディオンは、ストラデラ・ベースをもつ押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき である。世界 せかい 的 てき に見 み ると、ボタン式 しき アコーディオンや押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき アコーディオンのほうが普及 ふきゅう している国 くに や地域 ちいき も多 おお い。以下 いか 、主 おも な種類 しゅるい を紹介 しょうかい する。
ピアノ・アコーディオン(「ピアノ鍵盤 けんばん アコーディオン」もしくは単 たん に「鍵盤 けんばん アコーディオン」と呼 よ ばれることもある)は19世紀 せいき にヨーロッパ で開発 かいはつ されたタイプで、日本 にっぽん では最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なタイプのアコーディオンである。
右手 みぎて 部 ぶ はピアノの鍵盤 けんばん と同 どう 形状 けいじょう の「手 て 鍵盤 けんばん 」になっており、ピアノよりは鍵盤 けんばん のサイズは小 ちい さめであることが多 おお いが、ピアノ奏者 そうしゃ でも演奏 えんそう することができる。
左手 ひだりて のベース・ボタンは和音 わおん 伴奏 ばんそう のためのもので、上述 じょうじゅつ のとおり、ボタン配列 はいれつ の方式 ほうしき は標準 ひょうじゅん 的 てき な「ストラデラ・ベース」や、旋律 せんりつ も自由 じゆう に弾 はじ ける「フリー・ベース」など複数 ふくすう ある。鍵盤 けんばん 数 すう は楽器 がっき のサイズによってまちまちだが、プロ奏者 そうしゃ が使 つか う大型 おおがた のアコーディオンでは41鍵 かぎ 120ベース(右手 みぎて の手 て 鍵盤 けんばん は41個 いっこ 、左手 ひだりて の和音 わおん 伴奏 ばんそう 用 よう のベースボタンは120個 こ )が標準 ひょうじゅん であり[注 ちゅう 5] 、中型 ちゅうがた や小型 こがた の機種 きしゅ では鍵盤 けんばん 数 すう はこれより少 すく なくなる。
ボタン式 しき 鍵盤 けんばん を備 そな えたアコーディオンには、押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき のダイアトニック ・アコーディオンと、押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき のクロマティック ・アコーディオンの2系統 けいとう がある。蛇腹 じゃばら 操作 そうさ の特性 とくせい 上 じょう 、ダイアトニックは小型 こがた の、クロマティックは大型 おおがた のアコーディオンに多 おお い。
ダイアトニック・アコーディオン [ 編集 へんしゅう ]
ダイアトニック・アコーディオンはもっとも初期 しょき に開発 かいはつ されたシンプルなアコーディオンである。
ダイアトニック (diatonic)とは「全音 ぜんおん 階 かい 」を意味 いみ し、単一 たんいつ のキー(調 しらべ )のみが演奏 えんそう でき、ピアノの黒 くろ 鍵 かぎ にあたる半音 はんおん は出 だ せない(半音 はんおん を出 だ すためのアクシデンタル・キーを追加 ついか したタイプもある)。蛇腹 じゃばら (じゃばら)を伸 の ばすときと縮 ちぢ めるときで違 ちが う音 おと がでる「押引異 い 音 おと 式 しき 」になっている。ピアノ・アコーディオンなどに比 くら べると構造 こうぞう が単純 たんじゅん で軽量 けいりょう である。右手 みぎて は主 しゅ 旋律 せんりつ を演奏 えんそう し、左手 ひだりて は2~3のベース音 おん とトニックとデミナントのシンプルな和音 わおん を演奏 えんそう する。ダイアトニック の項目 こうもく も参照 さんしょう 。
ダイアトニック・アコーディオンは、各地 かくち の民族 みんぞく 音楽 おんがく と結 むす びついて相互 そうご に発展 はってん して、種類 しゅるい が多 おお い。
ダイアトニック・アコーディオンに対 たい する英語 えいご の異称 いしょう 。
英語 えいご 圏 けん での「メロディオン」という語 かたり の意味 いみ 用法 ようほう は地域 ちいき ごとの差 さ が大 おお きいので、要注意 ようちゅうい である[10] 。なお、日本 にっぽん で「メロディオン」と言 い うと、鈴木 すずき 楽器 がっき 製作所 せいさくしょ の鍵盤 けんばん ハーモニカ の登録 とうろく 商標 しょうひょう 「メロディオン」(melodi on)を指 さ す。アコーディオンの「メロディオン」は日本語 にほんご では同音 どうおん になってしまうが、原語 げんご の綴 つづ りはmelode onであり、鍵盤 けんばん ハーモニカとは全 まった く違 ちが う楽器 がっき である。
1列 れつ ボタン鍵盤 けんばん (ワン・ロー)で全音 ぜんおん 階 かい のみ弾 はじ けるタイプ
アイルランド英語 えいご ではこのタイプだけを「メロディオン」と呼 よ び、2列 れつ 以上 いじょう のダイアトニック式 しき ボタンアコーディオンは単 たん に「アコーディオン」と呼 よ ぶ(アイルランドの伝統 でんとう 音楽 おんがく では、ピアノ・アコーディオンは少数 しょうすう 派 は である)。
2列 れつ 以上 いじょう のボタン鍵盤 けんばん をもち半音 はんおん もあるていど弾 はじ けるタイプ
アイルランドと隣接 りんせつ するイングランドの英語 えいご では、2列 れつ 以上 いじょう のダイアトニック式 しき ボタンアコーディオンも含 ふく めて全 すべ てメロディオンと呼 よ ぶ。異 こと なるキーのボタン鍵盤 けんばん を複数 ふくすう 並 なら べることで、蛇腹 じゃばら の押 お し引 び きの向 む きの融通 ゆうずう 性 せい を広 ひろ げ、半音 はんおん も(あるていど)弾 はじ けるよう改良 かいりょう したタイプ。例 たと えば2列 れつ の「CG調 ちょう 」タイプであれば、ドレミファ…という全音 ぜんおん 階 かい の他 ほか 、半音 はんおん はファ♯(F♯)も鳴 な らせる。半音 はんおん 違 ちが いのキーのボタン鍵盤 けんばん 列 れつ を並 なら べたタイプ、例 たと えば2列 れつ の「BC調 ちょう 」であれば、全 すべ ての半音 はんおん も網羅 もうら できる。半音 はんおん 階 かい を網羅 もうら しているという理屈 りくつ から言 い えばもはや「ダイアトニック」(全音 ぜんおん 階 かい )という呼称 こしょう は不適切 ふてきせつ だが、蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 関係 かんけい の用語 ようご の歴史 れきし 的 てき な慣習 かんしゅう 上 じょう 、押引異 い 音 おと 式 しき の蛇腹 じゃばら 楽器 がっき はクロマティック音階 おんかい を弾 はじ ける機種 きしゅ も含 ふく めて「ダイアトニック」に分類 ぶんるい される(詳細 しょうさい は「ダイアトニック 」を参照 さんしょう )。
1列 れつ (ワン・ロー)のダイアトニック・アコーディオン。アイルランドではこのタイプのみを「メロディオン」(melodeon)と呼 よ ぶ。
2列 れつ (ツー・ロー)のダイアトニック・アコーディオン。イングランドその他 た の地域 ちいき ではこれも「メロディオン」と呼 よ ぶ。
鈴木 すずき 楽器 がっき 製作所 せいさくしょ の
鍵盤 けんばん ハーモニカ「メロディオン」(melodion)。melodeon(メロディオン)とは
全 まった く
別 べつ の
楽器 がっき である。
左右 さゆう 両側 りょうがわ の筐体 きょうたい にピアノ式 しき 鍵盤 けんばん をしつらえた蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 「ベルカンデオン」
ケイジャン・アコーディオン [ 編集 へんしゅう ]
ケイジャン音楽 おんがく の伴奏 ばんそう に特 とく 化 か したメロディオン。
オーストリアのシュランメル音楽 おんがく で使 つか われるアコーディオン。
シュタイリッシェ・ハーモニカ [ 編集 へんしゅう ]
シュタイリシェ・ハーモニカ(Steirische Harmonika=シュタイアーマルク 式 しき ハーモニカとも。)その名 な から誤解 ごかい されがちだが、シュタイアーマルクではなくウィーンが発祥 はっしょう で、アルプス民俗 みんぞく 音楽 おんがく と相性 あいしょう の良 よ い音楽 おんがく から、当時 とうじ 田舎 いなか の代名詞 だいめいし でありウィーンにおいてこのジャンルの音楽 おんがく の呼称 こしょう として使 つか われたシュタイアーマルクの名 な が用 もち いられた。オーストリア 、ドイツ 、スイス 、スロベニア 、南 みなみ チロル などのアルプス 地域 ちいき を中心 ちゅうしん に民族 みんぞく 音楽 おんがく やそれに由来 ゆらい するポピュラーミュージックの主力 しゅりょく 楽器 がっき の一 ひと つとして現在 げんざい でも多 おお く使 つか われており、ダイアトニックアコーディオンの中 なか では最 もっと も普及 ふきゅう している種類 しゅるい の一 ひと つでもある。メロディが3~5列 れつ 、ベースはシングルとダブルのヘリコンベース(通常 つうじょう のベースより1オクターブ低音 ていおん である)でボタンが2列 れつ 15個 こ 前後 ぜんこう と比較的 ひかくてき 多 おお めであるほか、ベースボタンの両側 りょうがわ にはラッパのような開口 かいこう 部 ぶ が設 もう けられている。またデザインも多 おお くのアコーディオンがトラディッショナルなデザインを抜 ぬ け出 だ せないことと対称 たいしょう 的 てき に、シュトラッサー社 しゃ (シュタイアーマルク州 しゅう グラーツ に本社 ほんしゃ を置 お く大手 おおて メーカー)の「クリエイティブ」のように現代 げんだい 的 てき に進化 しんか したデザインのものも生産 せいさん されており、そのことが若 わか いアーティストが抵抗 ていこう なく手 て にすることのできる土壌 どじょう の一 ひと つとなっている。
ケイジャン・アコーディオン
シュランメル・ハーモニカ
シュタイリッシェ・ハーモニカ
クロマティック・アコーディオン
ロシアのバヤン
クロマティック・アコーディオン [ 編集 へんしゅう ]
イタリア式 しき のボタン鍵盤 けんばん 。手前 てまえ の機種 きしゅ は4列 れつ だが、奥 おく の機種 きしゅ は5列 れつ である。東京 とうきょう ・谷口 たにぐち 楽器 がっき で撮影 さつえい
クロマティック・ボタン・アコーディオンのこと。
蛇腹 じゃばら 楽器 がっき の用語 ようご で「クロマチック 」(クロマティック)と言 い えば「押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき で半音 はんおん 階 かい も網羅 もうら している蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 」を意味 いみ するので、語義 ごぎ 上 じょう はピアノ・アコーディオンも広義 こうぎ のクロマティック・アコーディオンに含 ふく まれる[11] 。ただし、ピアノ・アコーディオンが「クロマティック」であることは自明 じめい であるため、単 たん に「クロマティック・アコーディオン」と言 い えば、通常 つうじょう 、右手 みぎて の高音 こうおん 部 ぶ がボタン式 しき 鍵盤 けんばん になっているクロマティック・ボタン・アコーディオンを指 さ す。
全音 ぜんおん 階 かい でしか演奏 えんそう できない押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき のダイアトニック・アコーディオン(ダイアトニック・ボタン・アコーディオン)を改良 かいりょう したもので、1850年 ねん ごろにウイーンのフランツ・ワルターによって作 つく られた。
右手 みぎて 側 がわ のボタン式 しき 鍵盤 けんばん のキー配列 はいれつ には
Cシステム(イタリア式 しき )
Bシステム(ベルギー式 しき )
Cシステム(イタリア式 しき )
Bシステム(ベルギー式 しき )
がある。
右手 みぎて が3列 れつ だけの小型 こがた のクロマティック・アコーディオンを弾 ひ く女性 じょせい (東京 とうきょう )
上 うえ 掲の図 ず の、下 した の第 だい 1列 れつ ~第 だい 3列 れつ (背景 はいけい 色 しょく が濃 こ い部分 ぶぶん )は必須 ひっす のボタンで、上 うえ の第 だい 4列 れつ と第 だい 5列 れつ (背景 はいけい 色 しょく が薄 うす い部分 ぶぶん )は運 うん 指 ゆび をしやすくするために補助 ほじょ 的 てき に追加 ついか したボタン列 れつ である(第 だい 4列 れつ までの機種 きしゅ や、第 だい 3列 れつ までしかない機種 きしゅ もある)。
この他 ほか 、イタリア式 しき やベルギー式 しき 以外 いがい では、フィンランドは独自 どくじ の配列 はいれつ で、ロシアの場合 ばあい は右手 みぎて と左手 ひだりて で音 おと の並 なら びが逆 ぎゃく になっている等 ひとし 、様々 さまざま な方式 ほうしき がある[11] 。日本 にっぽん では、クロマティック・アコーディオン奏者 そうしゃ の多 おお くはイタリア式 しき で、ベルギー式 しき の奏者 そうしゃ は桑山 くわやま 哲也 てつや [12] など少数 しょうすう である。
左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンの配列 はいれつ はピアノ・アコーディオンと同様 どうよう で、ストラデラ・ベースやフリー・ベースなど様々 さまざま な方式 ほうしき がある。
ピアノ鍵盤 けんばん と比較 ひかく した場合 ばあい のクロマティック・ボタン鍵盤 けんばん の利点 りてん は、
同 おな じ面積 めんせき ならボタン鍵 かぎ のほうがピアノ鍵盤 けんばん より多 おお く並 なら べられる
移調 いちょう が簡単 かんたん (ギターのように指 ゆび のかたちを変 か えずに移調 いちょう できる)[13]
同 おな じ音域 おんいき でも指 ゆび の開 ひら き方 かた や移動 いどう 量 りょう が小 ちい さくて済 す む[14]
女性 じょせい や子供 こども 、アジア人 じん の小 ちい さな手 て でも楽 らく に演奏 えんそう できる
構造 こうぞう 的 てき にも小型 こがた 軽量 けいりょう にできる
逆 ぎゃく にピアノ鍵盤 けんばん より不利 ふり な点 てん は
広 こう 音域 おんいき のグリッサンドやレガートは演奏 えんそう しにくい[15]
ピアノや鍵盤 けんばん ハーモニカなど他 た の鍵盤 けんばん 楽器 がっき の演奏 えんそう スキルをそのまま使 つか えない
などである。
ロシアあるいはウクライナ音楽 おんがく に特 とく 化 か したクロマティック・アコーディオン。本来 ほんらい は独自 どくじ の鍵盤 けんばん 配列 はいれつ を持 も った民族 みんぞく 楽器 がっき の一 ひと つで、1907年 ねん にピョートル・ステリゴフ によって開発 かいはつ された。後 のち に、イタリア式 しき クロマティック ・アコーディオンを参照 さんしょう して、西洋 せいよう 伝統 でんとう 音楽 おんがく に耐 た える構造 こうぞう に徹底的 てっていてき に作 つく り変 か えられ、レジスターや列 れつ 数 すう が強化 きょうか された。バヤンは右手 みぎて のボタン配列 はいれつ が通常 つうじょう のアコーディオンと若干 じゃっかん 異 こと なる。音域 おんいき は同一 どういつ でも、音色 ねいろ はリード形状 けいじょう のせいで微妙 びみょう なレヴェルで異 こと なる。AKKO社 しゃ [16] は右 みぎ の8フィートのリードを二 に 種 しゅ から三 さん 種 しゅ に増 ふ やし、重 おも さは16.5kgを越 こ え音 おん 栓 せん 数 すう は31に及 およ ぶモデルを生産 せいさん している。これだけの重 おも さに耐 たい えなおかつ余裕 よゆう で使 つか いこなすロシア人 じん の体力 たいりょく がよく解 ほどけ る楽器 がっき の歴史 れきし が見 み える。現在 げんざい も、発祥 はっしょう 時 じ のピリオドモデルと改良 かいりょう されたモダンモデルどちらも生産 せいさん されているものの、ロシア語 ご 圏 けん で一般 いっぱん に広 ひろ く出回 でまわ っているのはすでに改良 かいりょう されたモダンモデルである。ロシアとウクライナでは路上 ろじょう やコンサートホールで頻繁 ひんぱん に見 み かけることができる。詳 くわ しくはバヤン を参照 さんしょう 。
押引同音 どうおん 式 しき のガルモンを弾 ひ く女性 じょせい (東京 とうきょう )。右手 みぎて のボタン鍵 かぎ はイ長調 いちょうちょう (Aメジャー)の全 ぜん 音階 おんかい を弾 ひ きやすいように並 なら んでおり、左手 ひだりて のベースボタンの配列 はいれつ は他 た のアコーディオンと異 こと なるユニークなコンセプトに基 もと づく[17] 。右手 みぎて 側 がわ の筐体 きょうたい (きょうたい)にはロシア語 ご アルファベット で“тульская”(トゥーリスカヤ)と書 か いてある。このサイズの押引同音 どうおん 式 しき の蛇腹 じゃばら 楽器 がっき としては珍 めずら しいことに、ダイアトニック音階 おんかい (全音 ぜんおん 階 かい )しか演奏 えんそう できないが、逆 ぎゃく にそのおかげで特定 とくてい の音楽 おんがく については弾 ひ きやすくなっている。
ガルモン (ロシア語 ご : гармонь (ガルモーニ) 英語 えいご : Garmon ) はバヤンより古 ふる い歴史 れきし をもつ、ロシアの伝統 でんとう 的 てき なアコーディオン。ロシア語 ご 風 ふう に「ガルモーニ」、さらにガルモーニの中 なか でも「小 ちい さな可愛 かわい いもの」という意味合 いみあ いをこめた愛称 あいしょう 「ガルモーシカ」(ロシア語 ご “Гармошка”)と呼 よ ばれることもある[18]
ガルモンの語源 ごげん は、ハーモニカにあたるロシア語 ご “ Гармоника” (garmonika ガルモーニカ)である[注 ちゅう 6] 時代 じだい や地域 ちいき ごとに押引異 い 音 おと 式 しき (ダイアトニック 式 しき )、押引同音 どうおん 式 しき (クロマティック 式 しき )など、さまざまなタイプのガルモンが作 つく られ、外見 がいけん や機構 きこう はバリエーションに富 と む。
最初 さいしょ のガルモンは、西欧 せいおう からロシアに伝 つた わったダイアトニック・アコーディオンを元 もと に1830年代 ねんだい から製作 せいさく されたトゥーラ ガルモン(ロシア語 ご : тульская гармонь 英語 えいご : Tula garmon )である。1870年 ねん にはクロマティック式 しき のガルモンも発明 はつめい された。
ガルモンはコーカサス 地方 ちほう や沿ヴォルガ連邦 れんぽう 管区 かんく にも広 ひろ まり、現地 げんち のアジア系 けい 民族 みんぞく の音楽 おんがく と結 むす びついて改良 かいりょう され、さまざまな種類 しゅるい が作 つく られた。1936年 ねん にカザン で開発 かいはつ された「東方 とうほう 風 ふう アコーディオン」は、左手 ひだりて 側 がわ にピアノ配列 はいれつ フリー・ベースをもち、コーカサスその他 た の民族 みんぞく 音楽 おんがく で今 いま もよく使 つか われている。
ガルモンの右手 みぎて 側 がわ のボタン鍵盤 けんばん 配列 はいれつ の一 いち 例 れい 。
ガルモンの左手 ひだりて 側 がわ のベースボタンの配列 はいれつ の一 いち 例 れい 。
押 お し引 び き異 い 音 おと 式 しき の古 ふる いガルモンが描 えが かれた旧 きゅう ソ連 それん の切手 きって 。
押 お し引 び き同音 どうおん 式 しき の改良 かいりょう 型 がた ガルモン。
アゼルバイジャンの東方 とうほう 風 ふう アコーディオン。右手 みぎて のピアノ風 ふう 鍵盤 けんばん は寸詰 すんづ まりで、鍵 かぎ どうしも隙間 すきま をあけてある。左手 ひだりて はピアノ的 てき 配列 はいれつ のフリー・ベース・ボタン鍵盤 けんばん である。
クロマティック・ボタン式 しき のVアコーディオンの右手 みぎて 部分 ぶぶん 。東京 とうきょう ・谷口 たにぐち 楽器 がっき で撮影 さつえい 。
2004年 ねん に日本 にっぽん の電子 でんし 楽器 がっき メーカーであるローランド がVアコーディオンを発表 はっぴょう 。ピアノ式 しき とボタン式 しき があり、世界中 せかいじゅう のアコーディオン・サウンド、オーケストラ音色 ねいろ 、ドラム&パーカッション音色 ねいろ 、バーチャルトーン・ホイール・オルガン音色 ねいろ など多彩 たさい な音色 ねいろ を内蔵 ないぞう している。
一般 いっぱん 的 てき な電子 でんし 楽器 がっき と同 おな じで発音 はつおん のエネルギーは電気 でんき により供給 きょうきゅう される。蛇腹 じゃばら の空気 くうき の流量 りゅうりょう は音源 おんげん モジュールに音量 おんりょう 信号 しんごう (ベロシティ)として送 おく られるのみで、エネルギーとしては利用 りよう されない。
広義 こうぎ のアコーディオン属 ぞく の楽器 がっき [ 編集 へんしゅう ]
コンサーティーナやバンドネオン等 とう のコンサーティーナ族 ぞく の楽器 がっき は、狭義 きょうぎ の「アコーディオン属 ぞく 」(アコーディオン族 ぞく )には含 ふく めず、アコーディオンとは別 べつ の楽器 がっき と見 み なされる。例 たと えば、バンドネオン奏者 そうしゃ は自分 じぶん の楽器 がっき を「アコーディオン」と呼 よ ばれることを嫌 きら う[注 ちゅう 7] 。これは、「ヴァイオリン属 ぞく 」の楽器 がっき であるヴィオラ やチェロ の演奏 えんそう 者 しゃ が、自分 じぶん の楽器 がっき を「ヴァイオリン」と呼 よ ばないのと同様 どうよう である。しかし歴史 れきし をさかのぼれば、バンドネオンの発明 はつめい 者 しゃ であるバンド自身 じしん が自分 じぶん の楽器 がっき を当初 とうしょ は「アコーディオン」と呼 よ んだように、コンサーティーナ属 ぞく も広義 こうぎ のアコーディオン属 ぞく に含 ふく める場合 ばあい があるため、ここでも簡単 かんたん に解説 かいせつ しておく。詳 くわ しくは蛇腹 じゃばら 楽器 がっき を参照 さんしょう 。
イギリス の物理 ぶつり 学者 がくしゃ 、チャールズ・ホイートストン が発明 はつめい した蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 。詳 くわ しくは「コンサーティーナ 」を参照 さんしょう 。
ドイツ のハインリヒ・バンド が発明 はつめい した蛇腹 じゃばら 楽器 がっき 。狭義 きょうぎ のコンサーティーナとは別種 べっしゅ の楽器 がっき であるが、コンサーティーナ属 ぞく に含 ふく まれる。詳 くわ しくはバンドネオン を参照 さんしょう 。
金管楽器 きんかんがっき のメロフォン とは全 まった く別 べつ の楽器 がっき である。外見 がいけん はギター に似 に る。右手 みぎて で蛇腹 じゃばら につながったハンドルを操作 そうさ して空気 くうき を送 おく り、左手 ひだりて で(ギターで言 い うところの)ネックに備 そな えられたボタンを操作 そうさ して音 おと 高 だか を変 か えて演奏 えんそう する。
楽器 がっき 以外 いがい に付 つ けられたアコーディオン[ 編集 へんしゅう ]
アコーディオンの蛇腹 じゃばら の様 よう な構造 こうぞう が含 ふく まれる機械 きかい 類 るい や、蛇腹 じゃばら の動 うご きを連想 れんそう させる事象 じしょう もアコーディオン云々 うんぬん と呼 よ ばれる事 こと がある。ただし、アコーディオンという言葉 ことば には蛇腹 じゃばら やベローズという意味 いみ はない。
アコーディオンカーテン
アコーディオンドア
アコーディオン戦争 せんそう (朝鮮 ちょうせん 戦争 せんそう の異称 いしょう 。戦線 せんせん がアコーディオンの蛇腹 じゃばら のように南北 なんぼく を往復 おうふく したことから)
世界 せかい の代表 だいひょう 的 てき なアコーディオン奏者 そうしゃ [ 編集 へんしゅう ]
Category:各国 かっこく のアコーディオン奏者 そうしゃ も参照 さんしょう のこと。
日本 にっぽん の代表 だいひょう 的 てき なアコーディオン奏者 そうしゃ [ 編集 へんしゅう ]
Category:日本 にっぽん のアコーディオン奏者 そうしゃ も参照 さんしょう のこと。
世界 せかい のアコーディオンメーカー[ 編集 へんしゅう ]
Cavagnolo (キャバニョロ)
VICTORIA(ヴィクトリア)
Hohner (ホーナー)
Mengascini(メンガシーニ)
Ballone Burini (バロン・ブリーニ)
EXCELSIOR (エキセルシァー)
GUERRINI(ゲリーニ)
Dallape (ダラッペ)
BUGARI(ブガリ)
Castelfidardo(カステルフィダルド)
Weltmeister(ベルトマイスター)
Paolo Soprani (パオロ・ソプラーニ)
日本 にっぽん のアコーディオンメーカー[ 編集 へんしゅう ]
^ これが世界 せかい 各地 かくち の民族 みんぞく 音楽 おんがく 、例 たと えば速 はや 弾 び きの曲 きょく も多 おお いアイルランド音楽 おんがく でピアノ式 しき よりボタン式 しき アコーディオンが好 この まれる一因 いちいん になっている。キアラン・カーソン(Ciaran Carson)著 ちょ 、守安 もりやす 功 いさお 訳 やく 『アイルランド音楽 おんがく への招待 しょうたい 』pp.70-71を参照 さんしょう 。
^ https://accordionlife.com/push-those-buttons/ (2018/10/27閲覧 えつらん ) に載 の せる図 ず では第 だい 6列 れつ を「7th/Diminished Chord」(セブンス・コード、もしくはディミニッシュ・コード)とするが、こちらの配置 はいち 図 ず ではセブンス・コード版 ばん のみを掲 かか げる
^ シリル・デミアンが1829年 ねん に提出 ていしゅつ したアコーディオンの特許 とっきょ 登録 とうろく 書類 しょるい の第 だい 2項 こう に「音楽 おんがく の知識 ちしき のない者 もの も、多少 たしょう 練習 れんしゅう すれば三 さん 、四 よん ないし五音 ごいん から成 な るすばらしい音色 ねいろ の和音 わおん が弾 はじ ける 」云々 うんぬん とあり、第 だい 6項 こう に「この楽器 がっき は旅人 たびびと や、郊外 こうがい へ遊 あそ びに行 い く個人 こじん の男女 だんじょ 、もしくはそれらのグループの間 あいだ で歓迎 かんげい されるであろう。なぜならば、他人 たにん の助 たす けを借 か りずして、手軽 てがる に演奏 えんそう ができるからである。」とある(渡辺 わたなべ 芳 かおる 也『アコーディオンの本 ほん 』p.75 ISBN 4-393-93422-9 )。
^ 村田 むらた 新八 しんぱち が弾 ひ いていた「風琴 ふうきん 」については、アコーディオン説 せつ とコンサーティーナ 説 せつ がある。伊東 いとう 潤 じゅん の歴史 れきし 小説 しょうせつ 『武士 ぶし の碑 いしぶみ 』や、NHK大河 たいが ドラマ『西郷 さいごう どん 』(2018)ではコンサーティーナ説 せつ を採用 さいよう している。
^ プロ奏者 そうしゃ が全員 ぜんいん 120ベースを使 つか うわけではなく、体格 たいかく が大 おお きい白人 はくじん でも、サンディ・ブレチン (Sandy Brechin) やケンブリッジ・バスカーズ(クラシック・バスカーズ)のように、ベースボタンが少 すく ない小型 こがた の機種 きしゅ を弾 ひ くプロも少 すく なくない。一般 いっぱん に、リード等 ひとし 他 た の性能 せいのう が同 おな じなら、蛇腹 じゃばら の空気 くうき 量 りょう が少 すく ない小型 こがた のアコーディオンのほうがレスポンスが良 よ くなる。
^ ただしロシア語 ご 「ガルモーニカ」は、ハーモニカのみならず、アコーディオンや鍵盤 けんばん ハーモニカなども含 ふく むフリーリード楽器 がっき を広 ひろ く指 さ す。そのため、ロシアでは、ハーモニカだけを指 さ すときは、わざわざ“Губная гармоника”(グゥブナーヤ・ガルモーニカ)、すなわち「くちびるのハーモニカ」と言 い う。
^ 「でも、バンドネオン奏者 そうしゃ に「アコーディオン奏者 そうしゃ の○○さん」と声 こえ をかける事 こと はタブーです。/
バンドネオンとアコーディオンは、親戚 しんせき のような関係 かんけい にあるものの/
全 まった く異 こと なる楽器 がっき です。」(早川 はやかわ 純 じゅん 「バンドネオンはアコーディオンではぬぁい!! 」2017-2-24閲覧 えつらん )
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