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アコーディオン

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手風琴てふうきんから転送てんそう
アコーディオン
別称べっしょう手風琴てふうきん(てふうきん)
かく言語げんごでの名称めいしょう
えい Accordion
どく Akkordeon
ふつ Accordéon
Fisarmonica
なか 风琴(手風琴てふうきん)
アコーディオン
アコーディオン
分類ぶんるい

鍵盤けんばん楽器がっき蛇腹じゃばら楽器がっき楽器がっき

音域おんいき
F3〜A6程度ていど機種きしゅによってことなる。
関連かんれん項目こうもく

コンサーティーナバンドネオン

アコーディオンえい: accordion)は、蛇腹じゃばらふいご鍵盤けんばん操作そうさによって演奏えんそうする搬式のフリーリードによる楽器がっきである。コンサーティーナバンドネオンきんえん楽器がっきであり、広義こうぎにはアコーディオンにふくめられることがある。これらはあわせて蛇腹じゃばら楽器がっき総称そうしょうされる。日本語にほんごでは手風琴てふうきん(てふうきん)としょうされる。アコーデオンとも表記ひょうき

特長とくちょう[編集へんしゅう]

すべてのキーにたいして独立どくりつした発振器はっしんき(リード)がそなわっているため理論りろんじょうすべてのキーを同時どうじした場合ばあいてられたすべてのおとる。そのため同時どうじ複数ふくすうおとらすのが容易よういであり、いちだいしゅ旋律せんりつ和音わおん伴奏ばんそう同時どうじにこなすこともできる。一人ひとりはこべるサイズであつかいやすく、れればたてそうそう可能かのうで、屋外おくがいでの演奏えんそうにもてきしている。鍵盤けんばんハーモニカのようにいき必要ひつようとしないので、がたもできる。

合奏がっそうようアコーディオンは左手ひだりてのボタンがいため、通常つうじょうのアコーディオンのようにしゅ旋律せんりつ和音わおん一人ひとり同時どうじ演奏えんそうすることはできない。電子でんしアコーディオンは一般いっぱんてき電子でんし楽器がっき同様どうよう同時どうじ発音はつおんすう制限せいげんされているので、すべてのキーを同時どうじした場合ばあいらないおとがあるが、人間にんげんゆび演奏えんそうする場合ばあい十分じゅうぶん余裕よゆうりつ設計せっけいされている。

アコーディオンの構造こうぞう[編集へんしゅう]

基本きほん形状けいじょう[編集へんしゅう]

かってみぎから、ボタン鍵盤けんばんしきダイアトニックアコーディオン(左右さゆう相称そうしょうあかふく男性だんせい)、ピアノしきアコーディオン(左右さゆう相称そうしょうあかふく女性じょせい)、イングリッシュ・コンサーティーナ(左右さゆう相称そうしょうあおふく女性じょせい)

蛇腹じゃばら楽器がっき(アコーディオンぞく)は、伸縮しんしゅく自在じざい蛇腹じゃばら左右さゆうにそれぞれ筐体きょうたい(きょうたい。器械きかい内蔵ないぞうしたはこ)がついている。

アコーディオン(狭義きょうぎ)は左右さゆう筐体きょうたいかたちちがう。演奏えんそうしゃ通常つうじょう右手みぎてがわ筐体きょうたいはバンドやベルトなどで胴体どうたい(腹部ふくぶ胸部きょうぶ)に固着こちゃくさせる。蛇腹じゃばら伸縮しんしゅく動作どうさ左手ひだりてがわ筐体きょうたいうごかしておこなう(これにたいしてコンサーティーナバンドネオンは、左右さゆう筐体きょうたいかたちはほぼおなじで、また筐体きょうたい演奏えんそうしゃ胴体どうたい固着こちゃくさせない。蛇腹じゃばら楽器がっきのバンドの説明せつめい参照さんしょう)。

右手みぎてがわ筐体きょうたいおもしゅ旋律せんりつ担当たんとうする。ピアノ同様どうようの「ピアノしき鍵盤けんばん」もしくは「ボタンしき鍵盤けんばん」がならんでいる。

左手ひだりてがわ筐体きょうたいはさまざまで、ベースおん和音わおんかなでるのにとくしたボタンが配置はいちされているタイプがおおいが、左手ひだりてがわ旋律せんりつをピアノのようにかなでられるフリーベース・アコーディオンや、日本にっぽん教育きょういく楽器がっきでよくられる「合奏がっそうようアコーディオン」のように左手ひだりてがわはボタン鍵盤けんばん省略しょうりゃくしたタイプもある。

一般いっぱんてきな「独奏どくそうようアコーディオン」の場合ばあい右手みぎてがわが8~50かぎほど、左手ひだりてがわが18~120ほどのボタンがある。筐体きょうたい内部ないぶ構造こうぞうは、ボタンと空気くうきべんつなげるためにシャフトがめぐらされ、大変たいへん複雑ふくざつである。重量じゅうりょうは2~15キログラム程度ていど

以下いか蛇腹じゃばら楽器がっきおも種類しゅるいしめす。狭義きょうぎのアコーディオンは「左右さゆう相称そうしょう」のれつの3種類しゅるいである(くわしくは「アコーディオンの種類しゅるい」を参照さんしょう)。

左右さゆう相称そうしょう 左右さゆう相称そうしょう
押引おとしき ダイアトニック・ボタン・アコーディオン アングロ・コンサーティーナ
ジャーマン・コンサーティーナ
ケムニッツァ・コンサーティーナ
バンドネオン
押引同音どうおんしき クロマティック・ボタン・アコーディオン

ピアノ・アコーディオン
イングリッシュ・コンサーティーナ
デュエット・コンサーティーナ
クロマティック・バンドネオン

おとるしくみ[編集へんしゅう]

右手みぎてがわ筐体きょうたいのフロント・グリル(あみばん)をはずすと、音色ねいろするどくなる。筐体きょうたい内部ないぶの「下駄げたじょう機構きこうがむきしでえる。はたコータロー2018楽器がっきフェアにて。

両手りょうて左右さゆう筐体きょうたい保持ほじする。それぞれので、筐体きょうたいじょう鍵盤けんばんやボタンをすと、シャフトでつながった対応たいおうする空気くうきべんひらくようになっている。蛇腹じゃばら伸縮しんしゅくすることでおくられた空気くうきひらかれたべんとおり、リードとおけるときにこれを振動しんどうさせておとらす。リードはフリーリードとばれるもので、うす金属きんぞくいたであり、共鳴きょうめいかんによらずリード自身じしんながさやあつさでおとだか決定けっていされる。フリーリードの1まいのリードは一方いっぽうからの通気つうきでしか発音はつおんしないため、通常つうじょうアコーディオンの場合ばあい蛇腹じゃばらしたときにもいたときにも発音はつおんするようにひとつのリードわく表裏ひょうり2まいのリードがセットされている。この発音はつおん原理げんりハーモニウムハーモニカによくている。

きでちがうリードが発音はつおんするため、きで同音どうおんクロマティックタイプのアコーディオンと、きでちがおとダイアトニックタイプのアコーディオンがある。

音色ねいろえスイッチについて[編集へんしゅう]

アコーディオンのリードのおとだか(ピッチ)には、H(高音こうおん)、M(中音ちゅうおん)、L(低音ていおん)などがある。

音色ねいろえスイッチ(レジスター・スイッチ)」がない機種きしゅでは、1だいで1種類しゅるい音色ねいろしからせない。 音色ねいろえスイッチをそなえたアコーディオンでは、るリードのわせをえることで、きな音色ねいろ(トーン)をえらぶことができる。

たとえば、おなじ「ド」でも、H(高音こうおんのドの単音たんおん)、M(中音ちゅうおんのドの単音たんおん)、L(低音ていおんのドの単音たんおん)、HM(高音こうおんのドと中音ちゅうおんのドを同時どうじらす)、HL(高音こうおんのドと低音ていおんのドを同時どうじらす)、MM(2まいおなたかさの中音ちゅうおんのドを同時どうじらす)、MMM(3まい同時どうじらす。別名べつめい「ミュゼット・トーン」)、HML(高音こうおん中音ちゅうおん低音ていおんのオクターブちがいの3つのドを同時どうじらす)では、音色ねいろ印象いんしょうわる。

音色ねいろえスイッチは、右手みぎてがわ鍵盤けんばん部分ぶぶんと、左手ひだりてがわのベース部分ぶぶん両方りょうほうについている機種きしゅもあれば、右手みぎてがわにだけついている機種きしゅもある。また一部いちぶ大型おおがたのアコーディオンでは、演奏えんそうしゃがあごで音色ねいろえスイッチを操作そうさできる機種きしゅもある。

音色ねいろえスイッチの表示ひょうじれい
アイコン 俗称ぞくしょう るリードのわせ 音色ねいろ(トーン)の風格ふうかく
ピッコロ H ほそくてたか
クラリネット M おとなしめ
バスーン L ふとくてひく
オーボエ H + M あかるい
ヴァイオリン M + M ゆらめくかん
ミュゼット (ミュゼットふう) H + M + M ミュゼットふうだが、本当ほんとうのミュゼットではない
ミュゼット (本物ほんもの) M + M + M ミュゼット仕様しようの、専用せんようのアコーディオンの音色ねいろ
オルガン H + L パイプオルガンふう
ハーモニウム H + M + L リードオルガンふう
バンドネオン M + L バンドネオンふう
アコーディオン M + M + L 一般いっぱんてきなイメージのアコーディオンの音色ねいろ
マスター H + M + M + L 全部ぜんぶのリードを同時どうじらす

おなじMのリードをあらわす●は、その位置いちによりチューニングの微妙びみょうなピッチのちがいをあらわ場合ばあいがある。

表示ひょうじ 意味いみ
正確せいかくおとだか(ピッチ)にチューニングしたMのリード
本来ほんらいおとだかよりたかめにチューニングしたMのリード
本来ほんらいおとだかよりひくめにチューニングしたMのリード
正確せいかくおとだかのMのリードと、ほんのわずかたかめにチューニングしたMのリードをならべ、わざとうなりがしょうじるようにしたわせ
正確せいかくおとだかのリードと、それよりちょっとだけたかめ、ちょっとだけひくめの3まいのMのリードのわせ

リードのチューニングについて[編集へんしゅう]

アコーディオンの複数ふくすうのリードを同時どうじらす場合ばあい、それぞれのリードの音程おんていのあわせかたによって音色ねいろ印象いんしょうはがらりとわる。おも以下いかの4種類しゅるいがある。

  • ドライ・チューニング - MM(ヴァイオリン・トーン)でそれぞれのリードのおとだかをぴったり一致いっちさせると「かわいた」音色ねいろになる。アイルランドの伝統でんとう音楽おんがくケイジャン音楽おんがくのアコーディオンでこのまれる傾向けいこうがある。
  • ウェット・チューニング - 「トレモロ・チューニング」ともう。MMやMMM(ミュゼット・トーン)とうでそれぞれのリードの音程おんてい故意こい微妙びみょうにずらすことでシャリシャリとした独特どくとくの「うなり」のある「れた」音色ねいろになる。フランスのミュゼット音楽おんがくや、日本にっぽん演歌えんかなどのアコーディオンでよく使つかわれる。
  • スイング(Swing)・チューニング - 上記じょうきのドライとウェットのなかあいだ
  • オクターブ・チューニング - HM(オーボエ・トーン)やML(バンドネオン・トーン)など、複数ふくすうのリードをオクターブちがいのおとだかにして重厚じゅうこうかんしたチューニング。

右手みぎてがわ鍵盤けんばんについて[編集へんしゅう]

ピアノしき鍵盤けんばんとボタンしき鍵盤けんばん種類しゅるいがある。くわしくはアコーディオンの種類しゅるいこう参照さんしょう

ピアノしき鍵盤けんばん(ひだり)とボタンしき鍵盤けんばん(みぎ)のデュオ(めぐ〜MeguRee〜)。楽器がっきフェア2018にて。

当初とうしょ、アコーディオンの鍵盤けんばんは、蛇腹じゃばら楽器がっき同様どうようせまいスペースにたくさんのかぎ(キー)をならべることができるボタンしき鍵盤けんばん標準ひょうじゅんであった。また初期しょきのアコーディオンは押引おとしきだった。

1850ねんごろ、ウィーンのフランツ・ワルターは、3れつのボタン鍵盤けんばんならべた押引同音どうおんしきクロマティック・アコーディオン開発かいはつした(現在げんざい「B配列はいれつ」とばれるタイプ)。押引同音どうおんしきのアコーディオンの出現しゅつげんにより、ピアノしき鍵盤けんばん装備そうびする可能かのうせいひらかれた。

初期しょきのピアノ・アコーディオンはウィーンのマテウス・バウアーによって開発かいはつされたが、これとは別個べっこに1880年代ねんだいのイタリアでも開発かいはつされた[1]

ピアノしき鍵盤けんばん特長とくちょう汎用はんようせいである。ピアノやオルガンなど鍵盤けんばん楽器がっき共通きょうつうなので、入門にゅうもんしゃもすんなりとけ、また上級じょうきゅう演奏えんそうしゃ鍵盤けんばん楽器がっきなが歴史れきしなかでつちかってきた演奏えんそうテクニックを活用かつようすることができる。その一方いっぽう、ピアノしき鍵盤けんばん欠点けってんは、かぎ細長ほそながいたじょうであるためボタンしきよりひろいスペースを必要ひつようとすること(小型こがた軽量けいりょうには不利ふり)、ボタンしきちがかぎどうしが密接みっせつしているため高速こうそくのパッセージをくとミスタッチがきやすい[ちゅう 1]こと、などがある。 ダイアトニック・アコーディオン 日本にっぽんでアコーディオンとえばピアノ・アコーディオンをすことがおおいが、外国がいこくではむしろボタン・アコーディオン(ダイアトニック・アコーディオンおよびクロマティック・アコーディオン)のほうが普及ふきゅうしている。ただし日本にっぽんでも、金子かねこもとこう以来いらい、クロマティック・ボタン・アコーディオンのプロ奏者そうしゃすこしずつえている。

左手ひだりてがわのベース・システムについて[編集へんしゅう]

アコーディオンのおおくは、右手みぎて高音こうおんでメロディをき、左手ひだりて低音ていおん和音わおん伴奏ばんそうきやすいようにつくられている。左手ひだりてがわ低音ていおん伴奏ばんそうをつけるためのベースシステムについては、さまざまな方式ほうしきがある。

ダイアトニック・アコーディオンのベースシステム[編集へんしゅう]

初期しょきのアコーディオンは、押引おとしきのダイアトニック・アコーディオンであった。このタイプのアコーディオンのベースシステムは、右手みぎてがわ基本きほんのキーが機種きしゅごとにちがうという楽器がっき特性とくせいもあり、統一とういつされた方式ほうしきはなく、機種きしゅによってちがいがおおきい。また、1つのベースボタンをすと、三和音さんわおん(たとえば「ドミソ」)ではなく、おんだい5おとのみる(たとえば「ドソ」)タイプもある。

左手ひだりてがわのベースボタンのかずまりはないが、一般いっぱんてきには、右手みぎてがわのボタンが1れつしかないタイプ(one-row ワンロー)では左手ひだりてがわのベースボタンは2か4である。右手みぎてがわが2れつのタイプ(two-row ツーロー)ならベースボタンは8、3れつ(three-row スリーロー)ならベースボタンは12であることがおおいが、これもたんなる傾向けいこうにすぎず、例外れいがいおおい。

ストラデラ・ベース[編集へんしゅう]

ストラデラ・ベース・システム(The Stradella Bass System)という呼称こしょうは、楽器がっき生産せいさん有名ゆうめいなイタリアのストラデッラ開発かいはつされたことにちなむ。クロマティック・ボタン鍵盤けんばんしきアコーディオンおよびピアノ鍵盤けんばんしきアコーディオンの左手ひだりて部分ぶぶんのベースの機構きこうとしてもっと普通ふつうられるため「スタンダード・ベース」(「標準ひょうじゅんベース」の)ともばれる。以下いかにベース・ボタンのならかたしめす(これは96ベースのれい。120ベースは両側りょうがわにさらに拡張かくちょうする)。

赤字あかじ単音たんおん黒字くろじ和音わおん

中型ちゅうがた以上いじょう機種きしゅでは、ストラデラ・ベースは通常つうじょうの6れつから構成こうせいされる(以下いか蛇腹じゃばらもっとちかれつ=もっと内側うちがわれつだい1れつとする。)。2れつのボタンはファンダメンタル・ベース(the Fundamental Bass 基本きほんベース)とばれ5音階おんかいしたがってならべられている。1れつのボタンはカウンター・ベース(the Counter Bass たいベース)とばれ、2れつよりちょう3たか関係かんけいになっている。メジャーコードは3れつ配置はいちされ、4れつマイナーコード構成こうせいされる。5れつはセブンスコードを格納かくのうし、最後さいごの6れつはディミニッシュ・コードないしディミニッシュ・セブンスコードをつ。

この方式ほうしき特長とくちょうは、和音わおん伴奏ばんそう簡単かんたん演奏えんそうできることである。たとえばCの三和音さんわおん(ド、ミ、ソ)をらそうとおもったら、右手みぎて高音こうおんではドとミとソの3つのかぎゆびさねばならないが、左手ひだりて低音ていおんではCのベースのボタン1個いっこすだけで「ド、ミ、ソ」がる。その反面はんめん左手ひだりてでメロディーをくのは不自由ふじゆうになる。左手ひだりてのベース・ボタンのうち、単音たんおんらせるのは内側うちがわからだい1れつたいベースとだい2れつ基本きほんベースだけで、その音域おんいきは1オクターブにかぎられるうえ、小型こがたのアコーディオンではベース単音たんおんボタンを省略しょうりゃくして和音わおんボタンのみしかないものすらある。

値段ねだんやサイズ、楽器がっき系統けいとうにもるが、まったくないれつがあったり、レイアウトが多少たしょう変更へんこうされていることがある。ほとんどのロシアしき配置はいちは、ディミニッシュ・セブンス・コードのれつはボタンひとつぶん移動いどうされ、ディミニッシュ・セブンス・Cコードはのディミニッシュ・セブンス・Fコードの位置いちにあり、人差ひとさゆびとどきやすいようになっている。

ストラデラ・ベースしきのアコーディオンは、ボタンのかず種類しゅるいによってつぎのように分類ぶんるいされる。

  • 「12ベース」アコーディオン:FからDまでとかBbからGまでとかのファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードをつ。さらにここからマイナーコードを省略しょうりゃくした8ベースもある。
  • 「24ベース」はBbからAまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコードをつ。
  • 「32ベース」はEbからEまでで、ファンダメンタル・ベース、メジャーコード、マイナーコード、セブンスコードをつ。
  • 「48ベース」はEbからEまでで、6つのれつすべてをつ。
  • 「72ベース」はDbからF#までで、6つのれつすべてをつ。
  • 「80ベース」はCbからG#までで、ディミニッシュ以外いがいのすべてをつ。
  • 「96ベース」は80ベースと同様どうようだが、6つすべてのれつつ。
  • 「120ベース」はAbb(i.e. low G)からA#まで - 20ぎょう - 6つすべてのれつつ。
フレンチ3/3ベース[編集へんしゅう]

フレンチ3/3ベース・システムは、ストラデラ・ベース・システムの改良かいりょうがたである。以下いかにベース・ボタンのならかたしめす(これは96ベースのれい。120ベースは両側りょうがわにさらに拡張かくちょうする)。

赤字あかじ単音たんおん黒字くろじ和音わおん[ちゅう 2]

単音たんおんだけらすベースのボタンかぎに3れつ和音わおんらすコード・ベースのボタンかぎに3れつてる(ストラデラ・ベースは、単音たんおんベースは2れつ、コード・ベースは4れつ)。日本にっぽんではあまりかけないが、フランスのアコーディオンなどでは時々ときどきられる形式けいしきである。

普通ふつう歌曲かきょく演奏えんそうでは、ストラデラ・ベースの6れつのボタンの使用しよう頻度ひんどは、それほどおおくない。フレンチ3/3ベースでは、ストラデラ・ベースのだい6れつのコードを省略しょうりゃくするわりに、カウンター・ベースのボタンを内側うちがわけて1れつやしている。単音たんおんのベース・ボタンがえた結果けっか、ベースでメロディーをきやすくなるだけでなく、演奏えんそうしゃ自分じぶん単音たんおんのベースをわせて複雑ふくざつなコードをかなでることが容易よういにできるようになる。

フリー・ベース[編集へんしゅう]

左手ひだりてがわ低音ていおんでもメロディーと和音わおんをピアノのように自由じゆうはじけるようにした、改良かいりょうがたのベースシステムで、半音はんおんかい網羅もうらした1かぎ1おとのクロマティックしきのボタン鍵盤けんばんをびっしりならべている。ボタン配列はいれつ方式ほうしきはさまざまである。

クロマティックしきフリー・ベースの配列はいれつひだりからCシステム、Bシステム、バヤンしき
クロマティックしきフリー・ベース(クロマティック・システム)[編集へんしゅう]

左手ひだりてがわのベースボタンも、クロマティック・ボタン鍵盤けんばんしきアコーディオンの右手みぎてがわ同様どうようならべる方式ほうしき

クイントしきフリー・ベース(クイント・システム)[編集へんしゅう]

ストラデラ・ベースの「基本きほんベース」「たいベース」のならびかた(音階おんかい=「quint」=クイント)をベース部分ぶぶん全体ぜんたい拡張かくちょうした方式ほうしき

ピアノしきフリー・ベース[編集へんしゅう]

左手ひだりてがわのベースのボタン鍵盤けんばん(まれにベースもピアノしき鍵盤けんばん採用さいようする場合ばあいもある)の配列はいれつをピアノのしろかぎくろかぎのようにならべたタイプ。コーカサスの民族みんぞく楽器がっきてきな「東方とうほうアコーディオン」とう普通ふつうられる方式ほうしき

ベースレス[編集へんしゅう]

日本にっぽん小学校しょうがっこうとう教育きょういく楽器がっきとして使用しようされる「合奏がっそうようアコーディオン」では、左手ひだりてがわのベースボタンを省略しょうりゃくしたタイプが多用たようされる。そのぶん軽量けいりょう安価あんかになるだけでなく、演奏えんそうせいめんでもリードのおとがり(レスポンス)がくなるというメリットがある[2]

アコーディオンの歴史れきし[編集へんしゅう]

起源きげん[編集へんしゅう]

初期しょきのアコーディオン。1830年代ねんだい。8かぎのボタン鍵盤けんばんしき
初期しょきダイアトニックアコーディオンを女子じょし当時とうじいまぎゃくに、左手ひだりてがわ旋律せんりついた。年代ねんだいしょう、19世紀せいきのドイツ。

世界せかい最初さいしょのフリーリード楽器がっき中国ちゅうごくしょうであるが、これはいき空気くうきおくむようになっている。このしょうのようなフリーリードによる発声はっせい仕組しくみを、18世紀せいきヨーロッパ旅行りょこうしゃ中国ちゅうごくからかえったものとおもわれる。

アコーディオンの発明はつめいしゃについては、諸説しょせつがある。

  • ブッシュマンせつ - 1822ねんドイツのフリードリッヒ・ブッシュマン (Friedrich Buschmann、1805ねん6がつ17にち - 1864ねん10がつ1にち) が発明はつめいした簡素かんそ蛇腹じゃばら楽器がっき「ハンド・エオリーネ」(Hand-Aeoline) を最初さいしょのアコーディオンとなすせつ
  • デミアンせつ - 1829ねん5月23にちオーストリアのシリル・デミアン(Cyrillus Damian)が特許とっきょ取得しゅとくした「アコーディオン」を最初さいしょなすせつ。「アコーディオン」はデミアンによる命名めいめいで、「和音わおん」を意味いみするかたり accord に由来ゆらいする。ディアトニックしきで、全音ぜんおんかい(メジャースケールの7おと)をち、単一たんいつのキーのみで演奏えんそうされた。
  • ロシアじんせつ - ドイツやオーストリアで蛇腹じゃばら楽器がっき発明はつめいされるまえに、すでにロシアで同様どうよう楽器がっき考案こうあんされていたと主張しゅちょうするものもいるが、根拠こんきょうすい。

「アコーディオン」という呼称こしょう重視じゅうしするならば、アコーディオンの発明はつめいしゃはデミアンである。1979ねん「アコーディオン150ねんさい」というイベントが日本にっぽんでもおこなわれた。

世界せかいへのひろがり[編集へんしゅう]

アコーディオンは一種いっしゅ器械きかいであり、デミアン以降いこうおおくの楽器がっき製作せいさくしゃ改良かいりょうかさね、自分じぶん開発かいはつしたあたらしいタイプのアコーディオンにかんする技術ぎじゅつ次々つぎつぎ特許とっきょ登録とうろくした。19世紀せいきのヨーロッパでは様々さまざま物品ぶっぴん資料しりょうあつめて展示てんじする博覧はくらんかいがよく開催かいさいされた。アコーディオンやコンサーティーナなど当時とうじとしてはあたらしい器械きかい技術ぎじゅつんだ蛇腹じゃばら楽器がっきしん製品せいひんも、ウィーンやミュンヘンなど大都市だいとし開催かいさいされた国際こくさいてき工業こうぎょう博覧はくらんかい出品しゅっぴんされた[3]特許とっきょ制度せいどによる知的ちてき財産ざいさん保護ほごと、博覧はくらんかいなどしん時代じだい情報じょうほう公開こうかいかぜとなり、アコーディオンの製作せいさく技術ぎじゅつはヨーロッパ各地かくちひろまった。

アコーディオンという楽器がっき設計せっけい思想しそうそのものも、この楽器がっき普及ふきゅう後押あとおしした。発明はつめいしゃのシリル・デミアンの特許とっきょ申請しんせいしょにもあるとおり、かれは、音楽おんがく知識ちしきをもたない素人しろうとでも簡単かんたん旋律せんりつ和音わおん伴奏ばんそうはじける簡便かんべん楽器がっきとして、アコーディオンを発明はつめいした[ちゅう 3]。デミアンが意図いとしたとおり、プロの音楽家おんがくかだけではなく、船乗ふなのりや移民いみん行商ぎょうしょうじん宣教師せんきょうし軍人ぐんじん旅芸人たびげいにんなど、おおくの人々ひとびとがアコーディオンを持参じさんして各地かくちたびし、この楽器がっき世界せかいひろめた。

変遷へんせん[編集へんしゅう]

20世紀せいき前半ぜんはんのアール・デコ調ちょうのアコーディオン (Tombo No.100 Lirico)

アコーディオンの外見がいけん時代じだいとともに変化へんかしており、この楽器がっき見慣みなれたひとなら、外形がいけいただけでその楽器がっき製作せいさく年代ねんだいをある程度ていど推定すいていすることができる。

たとえば、デミアンが製作せいさくした初期しょきのアコーディオンは、左手ひだりてでメロディーをき、右手みぎて蛇腹じゃばらはしをおさえてふうおくり、現在げんざいのアコーディオンと左右さゆうかた逆転ぎゃくてんしていた[4]。また初期しょきのアコーディオンは簡便かんべんおとしきだったが、演奏えんそう能力のうりょく拡張かくちょうがた同音どうおんしき機種きしゅ考案こうあんされた。楽器がっき演奏えんそう能力のうりょく向上こうじょう改良かいりょう今日きょういたるまでえずつづいており、時代じだいがくだるほど多種たしゅ多様たようなタイプのアコーディオンが併存へいそんするようになった。

またアコーディオンの素材そざいやデザインも、時代じだい流行りゅうこうがある。ピアノしきアコーディオンの場合ばあい、20世紀せいき前半ぜんはんまでは、鍵盤けんばんりょうわきリラのようにふくらみ、ボディもかくばったアール・デコ調しらべのデザインがこのまれた。20世紀せいき後半こうはん以降いこうは、装飾そうしょくらし、ボディのかくまるみをたせたタイプが普及ふきゅうしている。こうした外観がいかん変化へんかは、飛行機ひこうき自動車じどうしゃなど機械きかいのデザインの変遷へんせんているめんがある。今日きょうでも、中古ちゅうこ楽器がっき市場いちば骨董こっとう市場いちばでは、ふるいデザインのヴィンテージ・アコーディオンもかなり出回でまわっている。

アコーディオンが使つかわれる音楽おんがくシーンも変化へんかした。

上述じょうじゅつのとおり、初期しょきのアコーディオンは、アマチュアも手軽てがる演奏えんそうたのしめる安直あんちょく楽器がっきだった。日本にっぽんのアコーディオン普及ふきゅう協会きょうかい会長かいちょうをつとめた金子かねこもとこうも、レオ・フェレ(Léo Ferré)の名曲めいきょくのタイトル「貧乏人びんぼうにんのピアノ」(Le piano du pauvre)がピアノではなくアコーディオンをすこと、このうたのタイトルのとおりむかしのアコーディオンは非常ひじょう安価あんかで、だれでも手軽てがるはじけるやさしい楽器がっきであり、田舎いなかふくめてどこの家庭かていにも小型こがたのアコーディオンが普及ふきゅうしていたことを指摘してきしている[5]

時代じだいがくだると、高価こうかおもくて習得しゅうとくむずかしい演奏えんそう能力のうりょく向上こうじょうがた機種きしゅ次々つぎつぎ開発かいはつされた。これらは素人しろうとにはオーバースペックだが、プロの音楽家おんがくかがアコーディオンで芸術げいじゅつ音楽おんがく演奏えんそうすることを可能かのうとした。

たとえば、かつてオーケストラのなかはい鍵盤けんばん楽器がっきといえばピアノチェレスタオルガン、のほかハーモニウム使用しようされることがあったが、楽器がっき演奏えんそう能力のうりょく奏者そうしゃ演奏えんそう技術ぎじゅつがったことで、アコーディオンがハーモニウムよりも多用たようされるようになっている。武満たけみつとおるベアート・フラーグバイドゥーリナはオーケストラきょくでアコーディオンまたはバヤンもちい、たか音響おんきょう効果こうかをあげている。

日本にっぽんでの歴史れきし[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだいから現在げんざいまで[編集へんしゅう]

日本にっぽんへは江戸えど時代じだいすえ伝来でんらいした。美保みほ神社じんじゃには、よしみなが2ねん(1849)に奉納ほうのうされた「日本にっぽん渡来とらい最古さいこのアコーディオン」(1841ねんごろ、ウィーンで製作せいさくされた小型こがたの1れつボタンのダイアトニック・アコーディオン)が現存げんそんしている[6]くもてい貞秀さだひで幕末ばくまつ錦絵にしきえにも、アコーディオン(現在げんざい左右さゆうぎゃくふるいタイプ)を米国べいこく女性じょせいえがかれている。西南せいなん戦争せんそう最後さいごまで西郷さいごう隆盛たかもり行動こうどうともにした村田むらた新八しんぱちがアコーディオンをこのんでいたことは有名ゆうめいである[ちゅう 4]

明治めいじ32ねん=1899年刊ねんかん手風琴てふうきん新曲しんきょく独案内ひとりあんない』。アコーディオンを女学生じょがくせいと、ハーモニカを男子だんし学生がくせい

その日本にっぽんではアコーディオンの流行りゅうこう衰退すいたい交互こうごかえした。金子かねこもとこうによると、明治めいじ30年代ねんだい関西かんさいでの「手風琴てふうきんだい流行りゅうこう昭和しょうわ10年代ねんだいから20年代ねんだい、1960年代ねんだい(昭和しょうわ35ねんから昭和しょうわ44ねん)がアコーディオンの「わがくににおけるみっつの黄金おうごん時代じだい」であった[7]

当初とうしょ、アコーディオンは輸入ゆにゅうひんばかりであったが、明治めいじ30年代ねんだいはいると国産こくさんの「手風琴てふうきん」の製造せいぞう販売はんばいられた。ただし当時とうじ国産こくさんひんはリードに問題もんだいがあったようで、明治めいじ30年代ねんだい後半こうはん姿すがたしてしまった。国産こくさんアコーディオンの量産りょうさん軌道きどうるのは、昭和しょうわはじめの「トンボいちごう」あたりからである[8]

2021ねん現在げんざい、JAPC(日本にっぽんアコーディオン振興しんこう協議きょうぎかい)やJAA(日本にっぽんアコーディオン協会きょうかい)、AAA(ぜん関西かんさいアコーディオン協会きょうかい)、関東かんとうアコーディオン演奏えんそう交流こうりゅうかい、CAC(中部ちゅうぶアコーディオンクラブ)をはじめすうおおくの関係かんけい団体だんたい存在そんざいし、アコーディオンの普及ふきゅう振興しんこうはかっている。

ダイアトニックからピアノしき[編集へんしゅう]

昭和しょうわ15ねん(1940)、山口やまぐち県立けんりつはぎ商業しょうぎょう女学校じょがっこうのアコーディオン・バンド。国産こくさんのダイアトニック・アコーディオンと、ピアノ・アコーディオン(12ベース、小型こがた)の混成こんせい

日本にっぽんでアコーディオン(手風琴てふうきん)とえば、明治めいじから大正たいしょうまではダイアトニック・アコーディオンが主流しゅりゅうだったが、昭和しょうわ10年代ねんだい流行りゅうこうからピアノ・アコーディオンがひろまりはじめた(戦前せんぜん日本にっぽんでは、ダイアトニック・アコーディオンにくらべて、ピアノ・アコーディオンは高価こうかであった)。

戦後せんごは、横森よこもり良造りょうぞうはじめテレビなどに露出ろしゅつおおいアコーディオニストのおおくがピアノしき演奏えんそうしたこと、小学校しょうがっこう音楽おんがく教育きょういくでは教育きょういく楽器がっきとしてピアノしき鍵盤けんばんそなえた合奏がっそうようアコーディオンを採用さいようしたこと、などの理由りゆうにより、昭和中しょうわなか以降いこう日本にっぽんたんにアコーディオンとえば、もっぱらピアノしき鍵盤けんばんそなえたピアノ・アコーディオンをすようになった。

一方いっぽう、ダイアトニック・アコーディオンも、海外かいがい民族みんぞく音楽おんがく演奏えんそうしゃ中心ちゅうしんに、現在げんざい日本にっぽんでも一定いってい人気にんき知名度ちめいどたもっている。

教育きょういく楽器がっき[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、昭和しょうわ33ねん(1958)のだい2学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう改訂かいていののち、小学校しょうがっこうなど一般いっぱんてき音楽おんがく教育きょういく現場げんばでも教育きょういく楽器がっきとしてアコーディオンが採用さいようされ、馴染なじみはふかい。 日本にっぽん小学校しょうがっこうなどでもちいられる「合奏がっそうようアコーディオン」は、左手ひだりてのボタンを省略しょうりゃくしたピアノしきアコーディオンで、機種きしゅ音域おんいきごとにアルト、ソプラノ、テナー、バスと分担ぶんたんされており、器楽きがく合奏がっそう鼓笛こてきパレードでわせてもちいられる場合ばあいおおい。

クロマティックしき伝来でんらい[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくないにあるクロマティック・ボタンしきアコーディオンは、本格ほんかくてき国産こくさんひんは2021ねん現在げんざいまでつくられたことはなく、すべ外国がいこくせい輸入ゆにゅうひんである。個人こじん購入こうにゅうなどはべつとして、日本にっぽん国内こくないでの楽器がっきてんでの正規せいき輸入ゆにゅう販売はんばいは、1957ねん、アコーディオニストの金子かねこもとこうが、桜井さくらい徳二とくじをうながして正規せいきにクロマティックしき輸入ゆにゅうしてもらったのが最初さいしょである[9]。これ以降いこう日本にっぽんでもクロマチックしきのプロ奏者そうしゃすこしずつえた。金子かねこもとこうふくめ、当初とうしょはピアノしきいていたプロ奏者そうしゃがクロマチックしき転向てんこうするれいすくなくない。

ギャラリー[編集へんしゅう]

アコーディオンの種類しゅるい[編集へんしゅう]

楽器がっきてんのアコーディオン売場うりば陳列ちんれつだな狭義きょうぎの「アコーディオン」にはふくまれない蛇腹じゃばら楽器がっき一緒いっしょならんでいる(東京とうきょう谷口たにぐち楽器がっき撮影さつえい)
ピアノ・アコーディオン…1,2,13
ダイアトニック・アコーディオン…3
クロマティック・アコーディオン…11,12,14
電子でんしアコーディオン(ローランドしゃせい 商品しょうひんめい『Vアコーディオン』)…11~14
バンドネオン…4
イングリッシュ・コンサーティーナ…5
アングロ・コンサーティーナ…6~10

1829ねんにアコーディオンが発明はつめいされて以来いらい、さまざまなタイプのアコーディオンが考案こうあんされてきた。現在げんざいではすたれたタイプのアコーディオンもあれば、いまひゃくねん以上いじょうわらずに使つかわれているタイプもある。おなじアコーディオンであっても、タイプや設計せっけい思想しそうことなれば、まった別種べっしゅ楽器がっきってよいほど奏法そうほう音楽おんがくせいちがってくるので、要注意ようちゅういである。

アコーディオンの種類しゅるいけでとく重要じゅうようなポイントは、以下いかの3てんである。

  • 蛇腹じゃばら操作そうさおとしき(ダイアトニック)か、同音どうおんしき(クロマティック)か
  • 右手みぎて高音こうおんボタンしき鍵盤けんばんか、ピアノしき鍵盤けんばん
  • 左右さゆう筐体きょうたい左右さゆう相称そうしょう(狭義きょうぎのアコーディオン)か、左右さゆう相称そうしょう(コンサーティーナバンドネオン広義こうぎのアコーディオンぞくだが、通常つうじょうはアコーディオンにふくめない)か

上記じょうきほかにも、副次的ふくじてき分類ぶんるいとして、左手ひだりてがわのベースボタンの配列はいれつ注目ちゅうもくした種類しゅるいけや、楽器がっきおおきさ、音色ねいろ着目ちゃくもくした種類しゅるいけもある。

日本にっぽんもっと普及ふきゅうしているピアノ・アコーディオンは、ストラデラ・ベースをもつ同音どうおんしきである。世界せかいてきると、ボタンしきアコーディオンやおとしきアコーディオンのほうが普及ふきゅうしているくに地域ちいきおおい。以下いかおも種類しゅるい紹介しょうかいする。

ピアノ・アコーディオン[編集へんしゅう]

ピアノ・アコーディオン(「ピアノ鍵盤けんばんアコーディオン」もしくはたんに「鍵盤けんばんアコーディオン」とばれることもある)は19世紀せいきヨーロッパ開発かいはつされたタイプで、日本にっぽんではもっと一般いっぱんてきなタイプのアコーディオンである。

右手みぎてはピアノの鍵盤けんばんどう形状けいじょうの「鍵盤けんばん」になっており、ピアノよりは鍵盤けんばんのサイズはちいさめであることがおおいが、ピアノ奏者そうしゃでも演奏えんそうすることができる。

左手ひだりてのベース・ボタンは和音わおん伴奏ばんそうのためのもので、上述じょうじゅつのとおり、ボタン配列はいれつ方式ほうしき標準ひょうじゅんてきな「ストラデラ・ベース」や、旋律せんりつ自由じゆうはじける「フリー・ベース」など複数ふくすうある。鍵盤けんばんすう楽器がっきのサイズによってまちまちだが、プロ奏者そうしゃ使つか大型おおがたのアコーディオンでは41かぎ120ベース(右手みぎて鍵盤けんばんは41個いっこ左手ひだりて和音わおん伴奏ばんそうようのベースボタンは120)が標準ひょうじゅんであり[ちゅう 5]中型ちゅうがた小型こがた機種きしゅでは鍵盤けんばんすうはこれよりすくなくなる。

ボタン・アコーディオン[編集へんしゅう]

ボタンしき鍵盤けんばんそなえたアコーディオンには、おとしきダイアトニック・アコーディオンと、同音どうおんしきクロマティック・アコーディオンの2系統けいとうがある。蛇腹じゃばら操作そうさ特性とくせいじょう、ダイアトニックは小型こがたの、クロマティックは大型おおがたのアコーディオンにおおい。

ダイアトニック・アコーディオン[編集へんしゅう]

ダイアトニック・アコーディオンはもっとも初期しょき開発かいはつされたシンプルなアコーディオンである。

ダイアトニック(diatonic)とは「全音ぜんおんかい」を意味いみし、単一たんいつのキー(調しらべ)のみが演奏えんそうでき、ピアノのくろかぎにあたる半音はんおんせない(半音はんおんすためのアクシデンタル・キーを追加ついかしたタイプもある)。蛇腹じゃばら(じゃばら)をばすときとちぢめるときでちがおとがでる「押引おとしき」になっている。ピアノ・アコーディオンなどにくらべると構造こうぞう単純たんじゅん軽量けいりょうである。右手みぎてしゅ旋律せんりつ演奏えんそうし、左手ひだりては2~3のベースおんとトニックとデミナントのシンプルな和音わおん演奏えんそうする。ダイアトニック項目こうもく参照さんしょう

ダイアトニック・アコーディオンは、各地かくち民族みんぞく音楽おんがくむすびついて相互そうご発展はってんして、種類しゅるいおおい。

メロディオン[編集へんしゅう]

ダイアトニック・アコーディオンにたいする英語えいご異称いしょう

英語えいごけんでの「メロディオン」というかたり意味いみ用法ようほう地域ちいきごとのおおきいので、要注意ようちゅういである[10]。なお、日本にっぽんで「メロディオン」とうと、鈴木すずき楽器がっき製作所せいさくしょ鍵盤けんばんハーモニカ登録とうろく商標しょうひょう「メロディオン」(melodion)をす。アコーディオンの「メロディオン」は日本語にほんごでは同音どうおんになってしまうが、原語げんごつづりはmelodeonであり、鍵盤けんばんハーモニカとはまったちが楽器がっきである。

1れつボタン鍵盤けんばん(ワン・ロー)で全音ぜんおんかいのみはじけるタイプ
アイルランド英語えいごではこのタイプだけを「メロディオン」とび、2れつ以上いじょうのダイアトニックしきボタンアコーディオンはたんに「アコーディオン」とぶ(アイルランドの伝統でんとう音楽おんがくでは、ピアノ・アコーディオンは少数しょうすうである)。
2れつ以上いじょうのボタン鍵盤けんばんをもち半音はんおんもあるていどはじけるタイプ
アイルランドと隣接りんせつするイングランドの英語えいごでは、2れつ以上いじょうのダイアトニックしきボタンアコーディオンもふくめてすべてメロディオンとぶ。ことなるキーのボタン鍵盤けんばん複数ふくすうならべることで、蛇腹じゃばらきのきの融通ゆうずうせいひろげ、半音はんおんも(あるていど)はじけるよう改良かいりょうしたタイプ。たとえば2れつの「CG調ちょう」タイプであれば、ドレミファ…という全音ぜんおんかいほか半音はんおんはファ♯(F♯)もらせる。半音はんおんちがいのキーのボタン鍵盤けんばんれつならべたタイプ、たとえば2れつの「BC調ちょう」であれば、すべての半音はんおん網羅もうらできる。半音はんおんかい網羅もうらしているという理屈りくつからえばもはや「ダイアトニック」(全音ぜんおんかい)という呼称こしょう不適切ふてきせつだが、蛇腹じゃばら楽器がっき関係かんけい用語ようご歴史れきしてき慣習かんしゅうじょう、押引おとしき蛇腹じゃばら楽器がっきはクロマティック音階おんかいはじける機種きしゅふくめて「ダイアトニック」に分類ぶんるいされる(詳細しょうさいは「ダイアトニック」を参照さんしょう)。
ケイジャン・アコーディオン[編集へんしゅう]

ケイジャン音楽おんがく伴奏ばんそうとくしたメロディオン。

シュランメル・ハーモニカ[編集へんしゅう]

オーストリアのシュランメル音楽おんがく使つかわれるアコーディオン。

シュタイリッシェ・ハーモニカ[編集へんしゅう]

シュタイリシェ・ハーモニカ(Steirische Harmonika=シュタイアーマルクしきハーモニカとも。)そのから誤解ごかいされがちだが、シュタイアーマルクではなくウィーンが発祥はっしょうで、アルプス民俗みんぞく音楽おんがく相性あいしょう音楽おんがくから、当時とうじ田舎いなか代名詞だいめいしでありウィーンにおいてこのジャンルの音楽おんがく呼称こしょうとして使つかわれたシュタイアーマルクのもちいられた。オーストリアドイツスイススロベニアみなみチロルなどのアルプス地域ちいき中心ちゅうしん民族みんぞく音楽おんがくやそれに由来ゆらいするポピュラーミュージックの主力しゅりょく楽器がっきひとつとして現在げんざいでもおお使つかわれており、ダイアトニックアコーディオンのなかではもっと普及ふきゅうしている種類しゅるいひとつでもある。メロディが3~5れつ、ベースはシングルとダブルのヘリコンベース(通常つうじょうのベースより1オクターブ低音ていおんである)でボタンが2れつ15前後ぜんこう比較的ひかくてきおおめであるほか、ベースボタンの両側りょうがわにはラッパのような開口かいこうもうけられている。またデザインもおおくのアコーディオンがトラディッショナルなデザインをせないことと対称たいしょうてきに、シュトラッサーしゃ(シュタイアーマルクしゅうグラーツ本社ほんしゃ大手おおてメーカー)の「クリエイティブ」のように現代げんだいてき進化しんかしたデザインのものも生産せいさんされており、そのことがわかいアーティストが抵抗ていこうなくにすることのできる土壌どじょうひとつとなっている。

画像がぞう[編集へんしゅう]

クロマティック・アコーディオン[編集へんしゅう]

イタリアしきのボタン鍵盤けんばん手前てまえ機種きしゅは4れつだが、おく機種きしゅは5れつである。東京とうきょう谷口たにぐち楽器がっき撮影さつえい

クロマティック・ボタン・アコーディオンのこと。

蛇腹じゃばら楽器がっき用語ようごで「クロマチック」(クロマティック)とえば「同音どうおんしき半音はんおんかい網羅もうらしている蛇腹じゃばら楽器がっき」を意味いみするので、語義ごぎじょうはピアノ・アコーディオンも広義こうぎのクロマティック・アコーディオンにふくまれる[11]。ただし、ピアノ・アコーディオンが「クロマティック」であることは自明じめいであるため、たんに「クロマティック・アコーディオン」とえば、通常つうじょう右手みぎて高音こうおんがボタンしき鍵盤けんばんになっているクロマティック・ボタン・アコーディオンをす。

全音ぜんおんかいでしか演奏えんそうできないおとしきのダイアトニック・アコーディオン(ダイアトニック・ボタン・アコーディオン)を改良かいりょうしたもので、1850ねんごろにウイーンのフランツ・ワルターによってつくられた。

右手みぎてがわのボタンしき鍵盤けんばんのキー配列はいれつには

  • Cシステム(イタリアしき)
  • Bシステム(ベルギーしき)

がある。

右手みぎてが3れつだけの小型こがたのクロマティック・アコーディオンを女性じょせい(東京とうきょう)

うえ掲のの、しただい1れつだい3れつ(背景はいけいしょく部分ぶぶん)は必須ひっすのボタンで、うえだい4れつだい5れつ(背景はいけいしょくうす部分ぶぶん)はうんゆびをしやすくするために補助ほじょてき追加ついかしたボタンれつである(だい4れつまでの機種きしゅや、だい3れつまでしかない機種きしゅもある)。

このほか、イタリアしきやベルギーしき以外いがいでは、フィンランドは独自どくじ配列はいれつで、ロシアの場合ばあい右手みぎて左手ひだりておとならびがぎゃくになっているひとし様々さまざま方式ほうしきがある[11]日本にっぽんでは、クロマティック・アコーディオン奏者そうしゃおおくはイタリアしきで、ベルギーしき奏者そうしゃ桑山くわやま哲也てつや[12]など少数しょうすうである。

左手ひだりてがわのベースボタンの配列はいれつはピアノ・アコーディオンと同様どうようで、ストラデラ・ベースやフリー・ベースなど様々さまざま方式ほうしきがある。

ピアノ鍵盤けんばん比較ひかくした場合ばあいのクロマティック・ボタン鍵盤けんばん利点りてんは、

  • おな面積めんせきならボタンかぎのほうがピアノ鍵盤けんばんよりおおならべられる
  • 移調いちょう簡単かんたん(ギターのようにゆびのかたちをえずに移調いちょうできる)[13]
  • おな音域おんいきでもゆびひらかた移動いどうりょうちいさくて[14]
  • 女性じょせい子供こども、アジアじんちいさなでもらく演奏えんそうできる
  • 構造こうぞうてきにも小型こがた軽量けいりょうにできる

ぎゃくにピアノ鍵盤けんばんより不利ふりてん

  • こう音域おんいきのグリッサンドやレガートは演奏えんそうしにくい[15]
  • ピアノや鍵盤けんばんハーモニカなど鍵盤けんばん楽器がっき演奏えんそうスキルをそのまま使つかえない

などである。

バヤン[編集へんしゅう]

ロシアあるいはウクライナ音楽おんがくとくしたクロマティック・アコーディオン。本来ほんらい独自どくじ鍵盤けんばん配列はいれつった民族みんぞく楽器がっきひとつで、1907ねんピョートル・ステリゴフによって開発かいはつされた。のちに、イタリアしきクロマティック・アコーディオンを参照さんしょうして、西洋せいよう伝統でんとう音楽おんがくえる構造こうぞう徹底的てっていてきつくえられ、レジスターやれつすう強化きょうかされた。バヤンは右手みぎてのボタン配列はいれつ通常つうじょうのアコーディオンと若干じゃっかんことなる。音域おんいき同一どういつでも、音色ねいろはリード形状けいじょうのせいで微妙びみょうなレヴェルでことなる。AKKOしゃ[16]みぎの8フィートのリードをしゅからさんしゅやし、おもさは16.5kgをおんせんすうは31におよぶモデルを生産せいさんしている。これだけのおもさにたいえなおかつ余裕よゆう使つかいこなすロシアじん体力たいりょくがよくほどけ楽器がっき歴史れきしえる。現在げんざいも、発祥はっしょうのピリオドモデルと改良かいりょうされたモダンモデルどちらも生産せいさんされているものの、ロシアけん一般いっぱんひろ出回でまわっているのはすでに改良かいりょうされたモダンモデルである。ロシアとウクライナでは路上ろじょうやコンサートホールで頻繁ひんぱんかけることができる。くわしくはバヤン参照さんしょう

ガルモン[編集へんしゅう]
押引同音どうおんしきのガルモンを女性じょせい(東京とうきょう)。右手みぎてのボタンかぎイ長調いちょうちょう(Aメジャー)のぜん音階おんかいきやすいようにならんでおり、左手ひだりてのベースボタンの配列はいれつのアコーディオンとことなるユニークなコンセプトにもとづく[17]右手みぎてがわ筐体きょうたい(きょうたい)にはロシアアルファベットで“тульская”(トゥーリスカヤ)といてある。このサイズの押引同音どうおんしき蛇腹じゃばら楽器がっきとしてはめずらしいことに、ダイアトニック音階おんかい(全音ぜんおんかい)しか演奏えんそうできないが、ぎゃくにそのおかげで特定とくてい音楽おんがくについてはきやすくなっている。

ガルモン (ロシア: гармонь (ガルモーニ) 英語えいご: Garmon) はバヤンよりふる歴史れきしをもつ、ロシアの伝統でんとうてきなアコーディオン。ロシアふうに「ガルモーニ」、さらにガルモーニのなかでも「ちいさな可愛かわいいもの」という意味合いみあいをこめた愛称あいしょう「ガルモーシカ」(ロシア“Гармошка”)とばれることもある[18]

ガルモンの語源ごげんは、ハーモニカにあたるロシア“ Гармоника” (garmonika ガルモーニカ)である[ちゅう 6]時代じだい地域ちいきごとに押引おとしき(ダイアトニックしき)、押引同音どうおんしき(クロマティックしき)など、さまざまなタイプのガルモンがつくられ、外見がいけん機構きこうはバリエーションにむ。

最初さいしょのガルモンは、西欧せいおうからロシアにつたわったダイアトニック・アコーディオンをもとに1830年代ねんだいから製作せいさくされたトゥーラガルモン(ロシア: тульская гармонь 英語えいご: Tula garmon)である。1870ねんにはクロマティックしきのガルモンも発明はつめいされた。

ガルモンはコーカサス地方ちほう沿ヴォルガ連邦れんぽう管区かんくにもひろまり、現地げんちのアジアけい民族みんぞく音楽おんがくむすびついて改良かいりょうされ、さまざまな種類しゅるいつくられた。1936ねんカザン開発かいはつされた「東方とうほうふうアコーディオン」は、左手ひだりてがわにピアノ配列はいれつフリー・ベースをもち、コーカサスその民族みんぞく音楽おんがくいまもよく使つかわれている。

電子でんしアコーディオン[編集へんしゅう]

クロマティック・ボタンしきのVアコーディオンの右手みぎて部分ぶぶん東京とうきょう谷口たにぐち楽器がっき撮影さつえい

2004ねん日本にっぽん電子でんし楽器がっきメーカーであるローランドがVアコーディオンを発表はっぴょう。ピアノしきとボタンしきがあり、世界中せかいじゅうのアコーディオン・サウンド、オーケストラ音色ねいろ、ドラム&パーカッション音色ねいろ、バーチャルトーン・ホイール・オルガン音色ねいろなど多彩たさい音色ねいろ内蔵ないぞうしている。

一般いっぱんてき電子でんし楽器がっきおなじで発音はつおんのエネルギーは電気でんきにより供給きょうきゅうされる。蛇腹じゃばら空気くうき流量りゅうりょう音源おんげんモジュールに音量おんりょう信号しんごう(ベロシティ)としておくられるのみで、エネルギーとしては利用りようされない。

広義こうぎのアコーディオンぞく楽器がっき[編集へんしゅう]

コンサーティーナやバンドネオンとうコンサーティーナぞく楽器がっきは、狭義きょうぎの「アコーディオンぞく」(アコーディオンぞく)にはふくめず、アコーディオンとはべつ楽器がっきなされる。たとえば、バンドネオン奏者そうしゃ自分じぶん楽器がっきを「アコーディオン」とばれることをきら[ちゅう 7]。これは、「ヴァイオリンぞく」の楽器がっきであるヴィオラチェロ演奏えんそうしゃが、自分じぶん楽器がっきを「ヴァイオリン」とばないのと同様どうようである。しかし歴史れきしをさかのぼれば、バンドネオンの発明はつめいしゃであるバンド自身じしん自分じぶん楽器がっき当初とうしょは「アコーディオン」とんだように、コンサーティーナぞく広義こうぎのアコーディオンぞくふくめる場合ばあいがあるため、ここでも簡単かんたん解説かいせつしておく。くわしくは蛇腹じゃばら楽器がっき参照さんしょう

コンサーティーナ[編集へんしゅう]

イギリス物理ぶつり学者がくしゃチャールズ・ホイートストン発明はつめいした蛇腹じゃばら楽器がっきくわしくは「コンサーティーナ」を参照さんしょう

バンドネオン[編集へんしゅう]

ドイツハインリヒ・バンド発明はつめいした蛇腹じゃばら楽器がっき狭義きょうぎのコンサーティーナとは別種べっしゅ楽器がっきであるが、コンサーティーナぞくふくまれる。くわしくはバンドネオン参照さんしょう

メロフォン[編集へんしゅう]

金管楽器きんかんがっきメロフォンとはまったべつ楽器がっきである。外見がいけんギターる。右手みぎて蛇腹じゃばらにつながったハンドルを操作そうさして空気くうきおくり、左手ひだりてで(ギターでうところの)ネックにそなえられたボタンを操作そうさしておとだかえて演奏えんそうする。

楽器がっき以外いがいけられたアコーディオン[編集へんしゅう]

アコーディオンの蛇腹じゃばらよう構造こうぞうふくまれる機械きかいるいや、蛇腹じゃばらうごきを連想れんそうさせる事象じしょうもアコーディオン云々うんぬんばれることがある。ただし、アコーディオンという言葉ことばには蛇腹じゃばらやベローズという意味いみはない。

  • アコーディオンカーテン
  • アコーディオンドア
  • アコーディオン戦争せんそう(朝鮮ちょうせん戦争せんそう異称いしょう戦線せんせんがアコーディオンの蛇腹じゃばらのように南北なんぼく往復おうふくしたことから)

世界せかい代表だいひょうてきなアコーディオン奏者そうしゃ[編集へんしゅう]

Category:各国かっこくのアコーディオン奏者そうしゃ参照さんしょうのこと。

日本にっぽん代表だいひょうてきなアコーディオン奏者そうしゃ[編集へんしゅう]

Category:日本にっぽんのアコーディオン奏者そうしゃ参照さんしょうのこと。

世界せかいのアコーディオンメーカー[編集へんしゅう]

  • Cavagnolo (キャバニョロ)
  • VICTORIA(ヴィクトリア)
  • Hohner (ホーナー)
  • Mengascini(メンガシーニ)
  • Ballone Burini (バロン・ブリーニ)
  • EXCELSIOR (エキセルシァー)
  • GUERRINI(ゲリーニ)
  • Dallape (ダラッペ)
  • BUGARI(ブガリ)
  • Castelfidardo(カステルフィダルド)
  • Weltmeister(ベルトマイスター)
  • Paolo Soprani (パオロ・ソプラーニ)

日本にっぽんのアコーディオンメーカー[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ これが世界せかい各地かくち民族みんぞく音楽おんがくたとえばはやきのきょくおおいアイルランド音楽おんがくでピアノしきよりボタンしきアコーディオンがこのまれる一因いちいんになっている。キアラン・カーソン(Ciaran Carson)ちょ守安もりやすいさおやく『アイルランド音楽おんがくへの招待しょうたい』pp.70-71を参照さんしょう
  2. ^ https://accordionlife.com/push-those-buttons/ (2018/10/27閲覧えつらん) にせるではだい6れつを「7th/Diminished Chord」(セブンス・コード、もしくはディミニッシュ・コード)とするが、こちらの配置はいちではセブンス・コードばんのみをかかげる
  3. ^ シリル・デミアンが1829ねん提出ていしゅつしたアコーディオンの特許とっきょ登録とうろく書類しょるいだい2こうに「音楽おんがく知識ちしきのないものも、多少たしょう練習れんしゅうすればさんよんないし五音ごいんからるすばらしい音色ねいろ和音わおんはじける云々うんぬんとあり、だい6こうに「この楽器がっき旅人たびびとや、郊外こうがいあそびに個人こじん男女だんじょ、もしくはそれらのグループのあいだ歓迎かんげいされるであろう。なぜならば、他人たにんたすけをりずして、手軽てがる演奏えんそうができるからである。」とある(渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.75 ISBN 4-393-93422-9)。
  4. ^ 村田むらた新八しんぱちいていた「風琴ふうきん」については、アコーディオンせつコンサーティーナせつがある。伊東いとうじゅん歴史れきし小説しょうせつ武士ぶしいしぶみ』や、NHK大河たいがドラマ『西郷さいごうどん』(2018)ではコンサーティーナせつ採用さいようしている。
  5. ^ プロ奏者そうしゃ全員ぜんいん120ベースを使つかうわけではなく、体格たいかくおおきい白人はくじんでも、サンディ・ブレチン (Sandy Brechin) やケンブリッジ・バスカーズ(クラシック・バスカーズ)のように、ベースボタンがすくない小型こがた機種きしゅくプロもすくなくない。一般いっぱんに、リードひとし性能せいのうおなじなら、蛇腹じゃばら空気くうきりょうすくない小型こがたのアコーディオンのほうがレスポンスがくなる。
  6. ^ ただしロシア「ガルモーニカ」は、ハーモニカのみならず、アコーディオンや鍵盤けんばんハーモニカなどもふくむフリーリード楽器がっきひろす。そのため、ロシアでは、ハーモニカだけをすときは、わざわざ“Губная гармоника”(グゥブナーヤ・ガルモーニカ)、すなわち「くちびるのハーモニカ」とう。
  7. ^ 「でも、バンドネオン奏者そうしゃに「アコーディオン奏者そうしゃの○○さん」とこえをかけることはタブーです。/ バンドネオンとアコーディオンは、親戚しんせきのような関係かんけいにあるものの/ まったことなる楽器がっきです。」(早川はやかわじゅんバンドネオンはアコーディオンではぬぁい!!」2017-2-24閲覧えつらん)

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.88
  2. ^ 渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.126
  3. ^ 渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.84 ISBN 4-393-93422-9
  4. ^ 渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.75 ISBN 4-393-93422-9
  5. ^ 金子かねこもとこう『アコーディオンたのし(増補ぞうほ改訂かいていばん)』「見失みうしなうな アコーディオンのルーツ」p.65
  6. ^ 美保みほ神社じんじゃ公式こうしきサイトの「祭神さいじん・ご由緒ゆいしょ」2018-9-27閲覧えつらん
  7. ^ 金子かねこもとこう『アコーディオンたのし(増補ぞうほ改訂かいていばん)』p.17
  8. ^ 渡辺わたなべかおる也『アコーディオンのほん』p.113およびp.116
  9. ^ 金子かねこもとこう回想かいそうろくアコーディオンの青春せいしゅん はじめてのボタン・アコ輸入ゆにゅう」、月刊げっかん『アコーディオン・ジャーナル』1992ねん3がつごう、p.8
  10. ^ メロディオン・ノオトブック Melodeon Notebook(2018-9-30閲覧えつらん)およびWikiPedia英語えいごばんの“Diatonic button accordion”のこう(2018-9-30閲覧えつらん)を参照さんしょう
  11. ^ a b 鍵盤けんばんどう】アコーディオン奏者そうしゃラース・ホルム スペシャルインタビュー(2018-10-16閲覧えつらん
  12. ^ 2015ねん10がつ22にち指原さすはらカイワイズ(フジテレビ)にて桑山くわのやまだん
  13. ^ アコーディオン! ~Roland「Vアコーディオン」についても(2018-10-16閲覧えつらん
  14. ^ 鍵盤けんばんどう】 神出かみで高志たかしさん スペシャル・インタビュー(2018-10-16閲覧えつらん
  15. ^ アコーディオン! ~Roland「Vアコーディオン」についても 2018-10-16閲覧えつらん
  16. ^ 外部がいぶリンク
  17. ^ ダイアトニックアコーディオン同好どうこうかい・ガルモーニへん・ボタン配列はいれつ2019-7-20閲覧えつらん
  18. ^ interview vol.6 堀内ほりうちなつみ[ガルモーシカ] Natsumi Horiuchi[Garmoshka][Гармошка]2019ねん7がつ4にち掲載けいさい。2019ねん8がつ26にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 渡辺わたなべかおる也「アコーディオンのほんISBN 4-393-93422-9

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]