なずらえ素数そすう

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なずらえ素数そすう(ぎそすう、えい:pseudoprime)とは、ほとんどの合成ごうせいすうたさないなんらかの性質せいしつっている(かくりつてき素数そすう)が、実際じっさいには素数そすうでないものである[ちゅう 1]注目ちゅうもくしている性質せいしつによって、フェルマーなずらえ素数そすう英語えいごばんオイラーなずらえ素数そすう英語えいごばんカタランなずらえ素数そすうリュカなずらえ素数そすうなど様々さまざま種類しゅるいなずらえ素数そすう存在そんざいする。

なずらえ素数そすうは、おおきなかず素因数そいんすう分解ぶんかいすることのむずかしさを利用りようする公開こうかいかぎ暗号あんごうにおいてもっと重要じゅうようである。カール・ポメランスは1988ねんに144けた数字すうじ因数いんすう分解ぶんかいするのに1000まんドル、200けたかず因数いんすう分解ぶんかいするのに1000おくドルかかると見積みつもっていた(今日きょうではこれよりずっとやすくなっているが、それでも法外ほうがい高額こうがくである)[1][2]。しかし、これをもちいるのに必要ひつような2つのおおきな素数そすうつけるのにも費用ひようがかかるため、様々さまざまかくりつてき素数そすう判定はんていもちいられ、まれに素数そすうではなく合成ごうせいすう不適切ふてきせつ素数そすう判定はんていされる場合ばあいもある。一方いっぽうAKS素数そすう判定はんていほうなどの決定的けっていてき素数そすう判定はんていほうではにせ陽性ようせいしょうじることはなく、なずらえ素数そすうはない。

フェルマーなずらえ素数そすう[編集へんしゅう]

フェルマーのしょう定理ていりは、p素数そすうでありapたがいにもとである場合ばあいap−1 − 1 はpれるという内容ないようである。整数せいすうa > 1で合成ごうせいすう整数せいすうxax−1 − 1をれる場合ばあいxaをそことするフェルマーなずらえ素数そすう英語えいごばんばれる。xそこaのフェルマーなずらえ素数そすうである場合ばあいxaたがいにもととなる。この定義ていぎとはことなる定義ていぎもちいるものもある。たとえば、それをもちいると奇数きすうのみをなずらえ素数そすうにすることができる[3]

xたがいにであるすべてのをとるaたいしてフェルマーなずらえ素数そすうである整数せいすうxカーマイケルすうばれる。

なずらえ素数そすうれい[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 対象たいしょう性質せいしつっているすう全体ぜんたいを(素数そすうふくめて)なずらえ素数そすう場合ばあいもある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Clawson, Calvin C. (1996). Mathematical Mysteries: The Beauty and Magic of Numbers. Cambridge: Perseus. p. 195. ISBN 0-7382-0259-2 
  2. ^ Cipra, Barry Arthur (December 23, 1988). “PCs Factor a 'Most Wanted' Number”. Science 242: 1634–1635. doi:10.1126/science.242.4886.1634. PMID 17730568. 
  3. ^ Weisstein, Eric W. "Fermat Pseudoprime". mathworld.wolfram.com (英語えいご).