旅客機 りょかくき の構造 こうぞう (りょかくきのこうぞう)では、旅客機 りょかくき の仕組 しく みや構造 こうぞう について説明 せつめい する。
旅客機 りょかくき は航空機 こうくうき としての一般 いっぱん 的 てき な構造 こうぞう を備 そな えている。本 ほん 項目 こうもく では航空機 こうくうき として共通 きょうつう する部分 ぶぶん についてはあまり解説 かいせつ しないで、旅客機 りょかくき の大 おお きな特徴 とくちょう について、本 ほん 項目 こうもく では説明 せつめい している。
ボーイング747
主要 しゅよう 構造 こうぞう 材 ざい の例 れい
旅客機 りょかくき は一般 いっぱん 的 てき に約 やく 20年間 ねんかん 、3 - 6万 まん 回 かい ほどの飛行 ひこう が経済 けいざい 的 てき で安全 あんぜん な範囲 はんい で行 おこな えるように作 つく られており、これを実現 じつげん するためには余裕 よゆう をみて6 - 12万 まん 回 かい の飛行 ひこう に耐 た える強度 きょうど が求 もと められる[ 注 ちゅう 1] [ 注 ちゅう 2] 。
基本 きほん 的 てき に強度 きょうど 部材 ぶざい は軽量 けいりょう なアルミニウム合金 ごうきん で作 つく られているが、21世紀 せいき 現在 げんざい では金属 きんぞく に比 くら べて軽量 けいりょう で強度 きょうど も高 たか い炭素 たんそ 繊維 せんい 強化 きょうか プラスチック (CFRP) が、主 おも な胴体 どうたい や主翼 しゅよく の構造 こうぞう を除 のぞ けば採用 さいよう が始 はじ まっており、1982年 ねん に動 どう 翼 つばさ から採用 さいよう が順次 じゅんじ 始 はじ まり、1985年 ねん には垂直 すいちょく 尾翼 びよく 、2006年 ねん には尾 お 部 ぶ 胴体 どうたい 部分 ぶぶん まで採用 さいよう が広 ひろ がっている。リージョナルジェット機 き では主翼 しゅよく の端 はし 側 がわ に使 つか われるものがある。
強度 きょうど 部材 ぶざい には、引張 ひっぱ 強 つよ さ 、圧縮 あっしゅく 強 つよ さ、剪断強 つよ さ、曲 ま げ強 つよ さ 、ねじれ強 つよ さなどの静的 せいてき 強 つよ さの他 ほか にも、クリープ強度 きょうど [ 1] や繰 く り返 かえ しに対 たい する疲 つか れ強 つよ さも備 そな えている必要 ひつよう がある[ 注 ちゅう 3] [ 2] 。金属 きんぞく 材料 ざいりょう の中 なか でもアルミニウム を中心 ちゅうしん とする軽量 けいりょう 合金 ごうきん は軽 かる くて強度 きょうど も比較的 ひかくてき 高 たか いので強度 きょうど 部材 ぶざい として多用 たよう されるが、金属 きんぞく 材料 ざいりょう は腐食 ふしょく の問題 もんだい やひび割 わ れなどでの十分 じゅうぶん な強度 きょうど が保 たも てなくなることもある。このため、たとえ万 まん が一 いち 、一部 いちぶ の強度 きょうど が不足 ふそく してもそれが急速 きゅうそく に全体 ぜんたい に波及 はきゅう しないように応力 おうりょく の分散 ぶんさん 化 か が図 はか られており、そういった不良 ふりょう 箇所 かしょ は定期 ていき 的 てき な検査 けんさ によって発見 はっけん され修理 しゅうり されることで安全 あんぜん 性 せい が保 たも たれるようになっている[ 注 ちゅう 4] 。GFRP、BFRP、CFRP、AFRPといった繊維 せんい 強化 きょうか 樹脂 じゅし も部分 ぶぶん 的 てき な導入 どうにゅう が進 すす んでいる[ 3] 。
旅客機 りょかくき の強度 きょうど 部材 ぶざい で最 もっと も考慮 こうりょ されるのは軽量 けいりょう であっても充分 じゅうぶん な強度 きょうど を備 そな えることであり、過去 かこ の教訓 きょうくん から強度 きょうど 部材 ぶざい の一部 いちぶ がたとえ破壊 はかい され強度 きょうど を失 うしな っても、その破壊 はかい が進行 しんこう することで大 おお きな破壊 はかい につながらないように、フェイルセーフ 構造 こうぞう を備 そな えた設計 せっけい がなされることである[ 4] [ 注 ちゅう 5] [ 5] 。
旅客 りょかく 輸送 ゆそう に使用 しよう された航空機 こうくうき の代表 だいひょう 的 てき な4種 しゅ の機体 きたい 構造 こうぞう 1. トラス 構造 こうぞう (帆布 ほぬの ) 2. トラス構造 こうぞう (波 なみ 板金 ばんきん 属 ぞく 板 ばん ) 3. モノコック 構造 こうぞう 4. セミモノコック構造 こうぞう 左 ひだり から右 みぎ に進 すす むに従 したが い新 あたら しい。モノコック構造 こうぞう は小型 こがた 航空機 こうくうき の一部 いちぶ を除 のぞ いてあまり存在 そんざい せず、近代 きんだい 以降 いこう のほとんどの旅客機 りょかくき には右 みぎ 端 はし のセミモノコック構造 こうぞう (Semi-monocoque structure、半 はん はりがら構造 こうぞう )が採用 さいよう されている[ 注 ちゅう 6] [ 注 ちゅう 7] [ 5] 。
胴体 どうたい にはセミモノコック構造 こうぞう (Semi-monocoque structure、半 はん はりがら構造 こうぞう )を採用 さいよう している。セミモノコック構造 こうぞう ではスキン(Skin、外 そと 板 ばん )とフレーム(Frame、円 えん きょう、助 じょ 材 ざい )、ストリンガー(Stringer、縦 たて 通 どおり 材 ざい )[ 6] で構成 こうせい され、スキンを15 - 25 cmほどの間隔 かんかく で内側 うちがわ から支 ささ えるストリンガーと、その内側 うちがわ からさらに50 - 55 cmほどのほぼ等間隔 とうかんかく で支 ささ えるフレームが、開口 かいこう 部 ぶ を除 のぞ く円筒 えんとう 状 じょう の胴体 どうたい 全体 ぜんたい に走 はし っている。フレームとスキン、そしてストリンガの間 あいだ は、シェアタイ(Shear Tie)とストラップ(Strap、帯 おび 板 ばん )で結合 けつごう する方法 ほうほう が主流 しゅりゅう である。翼 つばさ なども同様 どうよう であるが、各 かく 構造 こうぞう 部材 ぶざい 同士 どうし の結合 けつごう はリベットと接着 せっちゃく 剤 ざい の併用 へいよう によって行 おこな われることが多 おお い。外 そと 板 ばん 表面 ひょうめん のリベットは皿 さら 頭 あたま にすることで空気 くうき 抵抗 ていこう を減 へ らすが皿 さら 穴 あな 加工 かこう によって疲労 ひろう クラックの危険 きけん 性 せい が増 ま す。最 もっと もクラックの生 しょう じやすいリベット位置 いち だけに丸 まる 頭 あたま のものを使 つか うこともある[ 注 ちゅう 8] 。
主翼 しゅよく との接合 せつごう 部 ぶ にはバルクヘッド[ 7] が配 はい されて荷重 におも を受 う け持 も つが、与 あずか 圧 あつ を維持 いじ する機体 きたい では先端 せんたん と後端 こうたん はそれぞれ前部 ぜんぶ 圧力 あつりょく 隔壁 かくへき と後部 こうぶ 圧力 あつりょく 隔壁 かくへき によって閉 と じられており、これら全体 ぜんたい が圧力 あつりょく 容器 ようき としての機能 きのう も担 にな っている。円筒 えんとう 形 がた の胴体 どうたい 部 ぶ でもドアや窓 まど によってストリンガーが通 とお せない個所 かしょ がありこれらの上下 じょうげ のストリンガーは特 とく に強力 きょうりょく なロンジロン(Longeron、強力 きょうりょく 縦 たて 通 どおり 材 ざい )が用 もち いられる[ 8] 。与 あずか 圧 あつ の維持 いじ は機首 きしゅ レドームとテールコーンなどの尾 お 部 ぶ を除 のぞ いて、床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ を含 ふく む胴体 どうたい のほぼ全体 ぜんたい で行 おこな われるが、前 ぜん 脚 あし と主 しゅ 脚 あし を収納 しゅうのう するそれぞれの格納 かくのう 室 しつ は外 そと 気圧 きあつ と同 おな じであり平板 へいばん によって圧力 あつりょく 隔壁 かくへき が構成 こうせい されている。後部 こうぶ 圧力 あつりょく 隔壁 かくへき は多 おお くの機体 きたい で球状 きゅうじょう を成 な すことで構造 こうぞう 部材 ぶざい の量 りょう を減 へ らしている[ 注 ちゅう 9] 。広 こう 胴 どう 機 き でも機首 きしゅ 部 ぶ の断面 だんめん 形状 けいじょう が円形 えんけい でないものは、与 あずか 圧 あつ によるフレームへの曲 きょく げモーメントが大 おお きく働 はたら くこと、窓 まど という開口 かいこう 部 ぶ による強度 きょうど 減少 げんしょう を補 おぎな う必要 ひつよう があることもあって、丈夫 じょうぶ なフレームが短 みじか い間隔 かんかく で使用 しよう されている。
前 ぜん 脚 あし と主 しゅ 脚 あし が取 と り付 つ けられるフレームや主翼 しゅよく や尾翼 びよく などの前 ぜん 桁 けた や中央 ちゅうおう 桁 けた 、後 こう 桁 けた がつながるフレームは、メイン・フレームと呼 よ ばれる太 ふと いものになっている。
与 あずか 圧 あつ 部分 ぶぶん は上空 じょうくう で膨 ふく らむことを前提 ぜんてい に設計 せっけい されており、機内 きない の床 ゆか 面 めん が与 あずか 圧 あつ 胴体 どうたい を左右 さゆう につないで固定 こてい されている。上昇 じょうしょう と共 とも に機体 きたい 断面 だんめん はいびつな8の字 じ 型 がた になるため、床 ゆか 面 めん は引張 ひっぱ 力 ちから や圧縮 あっしゅく 力 りょく に対 たい して強 つよ くするとともに床 ゆか 面 めん との取 と り付 つ け部 ぶ のフレームなどの曲 ま がりにも対応 たいおう できるようになっている[ 2] 。
胴体 どうたい 中央 ちゅうおう は機体 きたい の曲 きょく げモーメント が最 もっと も掛 か かるにもかかわらず主 しゅ 脚 あし の開口 かいこう 部 ぶ が大 おお きく開 ひら くため、中央 ちゅうおう 翼 つばさ の下 した と後 うし ろにはバルクヘッドとつながった箱 はこ 状 じょう のキールビームが配 はい されて前後 ぜんご 軸 じく 方向 ほうこう への圧縮 あっしゅく 荷重 かじゅう を受 う け持 も っている。
床 ゆか はフロアビームとシートトラック、フロアパネルによって構成 こうせい され、フロアビームがフレームに結合 けつごう されている。ほぼ50 cmごとで左右 さゆう 方向 ほうこう に配 はい されるフロアビームが、床 ゆか に乗 の るすべて物 ぶつ の上下 じょうげ 方向 ほうこう の荷重 かじゅう と共 とも に与 あずか 圧 あつ による引張 ひっぱ 力 ちから も受 う け持 も っている。床 ゆか に乗 の る物 もの の前後 ぜんご 方向 ほうこう の力 ちから はフロアビームではなく、シートトラックとフロアパネルを経由 けいゆ して床 ゆか の左右 さゆう にあるフロアサイド・ウェブ、又 また はフロアサイド・トラスに伝 つた えられ、胴体 どうたい 外 がい 板 いた で支 ささ えられる。フロアサイド・ウェブやフロアサイド・トラスには客室 きゃくしつ と床下 ゆかした 空間 くうかん を結 むす ぶ多数 たすう の穴 あな が開 ひら いており、機内 きない 空調 くうちょう の吸込 すいこ み口 こう となるとともに万 まん が一 いち に与 あずか 圧 あつ が失 うしな われ急減 きゅうげん 圧 あつ となる事態 じたい でも、上下 じょうげ 空間 くうかん の圧力 あつりょく を等 ひと しくすることで床板 とこいた へ過剰 かじょう な変形 へんけい 力 りょく が掛 か からないようにしており、さらに急激 きゅうげき な減圧 げんあつ では床 ゆか の一部 いちぶ が開 ひら くようになっている[ 注 ちゅう 10] 。
床板 とこいた はフロアビームにボルトで固定 こてい されることが一般 いっぱん 的 てき であり、ビームの穴 あな には機体 きたい 前後 ぜんこう を縦断 じゅうだん する各種 かくしゅ のコントロール・ケーブル類 るい が通 とお されていることが多 おお い。フロアパネル(床板 とこいた )には金属 きんぞく 板 ばん や合板 ごうはん もあったが、軽 かる くて丈夫 じょうぶ なハニカム構造 こうぞう に切 き り替 か わっている。ただし、ハニカム構造 こうぞう はハイヒールや荷物 にもつ の角 かく による損傷 そんしょう に弱 よわ いため、軽 かる いながら局部 きょくぶ 的 てき な荷重 かじゅう にも丈夫 じょうぶ な材料 ざいりょう が求 もと められており、樹脂 じゅし 材料 ざいりょう や複 ふく 合 ごう 材 ざい の使用 しよう が進 すす んでいる[ 2] 。
胴体 どうたい 外 がい 板 いた の内側 うちがわ はインシュレーション・ブランケットと呼 よ ばれるグラスウールなどの断熱 だんねつ 材 ざい によって機内 きない の保温 ほおん と外部 がいぶ からの騒音 そうおん を吸収 きゅうしゅう するようになっており、さらに内側 うちがわ に強度 きょうど を受 う け持 も たない内装 ないそう パネルがフレームに合 あ わせて取 と り付 つ けられることで、合計 ごうけい 10 - 15 cmほどの厚 あつ みの壁 かべ を構成 こうせい している。
窓 まど やドアといった胴体 どうたい 外 がい 板 いた の開口 かいこう 部 ぶ は、構造 こうぞう 強度 きょうど が低下 ていか するため可能 かのう な限 かぎ り避 さ けられ小 ちい さくされる。開口 かいこう 部 ぶ の形状 けいじょう は、鋭利 えいり な角 かく には応力 おうりょく が集中 しゅうちゅう するために丸 まる く作 つく られ、その周囲 しゅうい は補強 ほきょう 材 ざい によって縁 えん 取 と られて強度 きょうど が補 おぎな われる。
乗客 じょうきゃく や貨物 かもつ コンテナ などの機内 きない を使用 しよう する側 がわ からすれば胴体 どうたい の断面 だんめん 形状 けいじょう は四角 しかく い方 ほう が良 よ いが、気圧 きあつ が低 ひく い高空 こうくう を飛行 ひこう するための耐 たい 圧 あつ 性 せい を軽 かる い構造 こうぞう で実現 じつげん するには円筒 えんとう 形 がた の胴体 どうたい は避 さ けられない。旅客 りょかく の航空 こうくう 運賃 うんちん が主 おも な収入 しゅうにゅう 源 げん である航空 こうくう 会社 かいしゃ が運航 うんこう する旅客機 りょかくき の機体 きたい 設計 せっけい では、搭乗 とうじょう 可能 かのう な乗客 じょうきゃく 数 すう の最大 さいだい 化 か が優先 ゆうせん され、客室 きゃくしつ の座席 ざせき は円形 えんけい の胴体 どうたい 内 ない で最 もっと も幅広 はばひろ い中央 ちゅうおう 部 ぶ に配置 はいち されている。客室 きゃくしつ の床下 ゆかした は空間 くうかん が生 しょう じるので貨物 かもつ コンテナを搭載 とうさい することで有効 ゆうこう 活用 かつよう している。2階 かい 客室 きゃくしつ 部分 ぶぶん を持 も たない、またはほとんど持 も たない広 こう 胴 どう 機 き では、客室 きゃくしつ より上 うわ の空 そら 間 あいだ は空調 くうちょう 類 るい や乗務 じょうむ 員 いん 休憩 きゅうけい 室 しつ が占 し める程度 ていど でそれほど活用 かつよう されていない。また、全長 ぜんちょう に渡 わた って2階 かい 席 せき を備 そな える最新 さいしん の機体 きたい では胴体 どうたい の断面 だんめん 形状 けいじょう が真 ま 円形 えんけい よりかなり縦長 たてなが になってはいるが円形 えんけい であることに変 か わりはなく、貨物 かもつ コンテナ用 よう の搭載 とうさい 空間 くうかん が幅広 はばひろ になるため新 あら たに大 おお きなコンテナを使 つか わないと無駄 むだ が大 おお きくなる[ 4] 。
エアバス A380 フラップを広 ひろ げてさらに巨大 きょだい になった主翼 しゅよく と、その基部 きぶ に機体 きたい 全長 ぜんちょう の半分 はんぶん 以上 いじょう もの長 なが さの大 おお きなフィレットがあるのがよく判 わか る。また、胴体 どうたい 中央 ちゅうおう の底部 ていぶ は中央 ちゅうおう 翼 つばさ によって平 たい らになっているのも見 み て取 と れる。
ボーイング 777の主翼 しゅよく 構造 こうぞう 1.前 ぜん 桁 けた 2.後 こう 桁 けた 翼 つばさ 桁 けた (スパー、ビーム)や小骨 こぼね (リブ)、縦 たて 通 どおり 材 ざい (ストリンガ)によってインテグラル・タンク が構成 こうせい されている。中央 ちゅうおう 翼 つばさ 部分 ぶぶん も翼 つばさ の構造 こうぞう と連接 れんせつ されており、中央 ちゅうおう 翼 つばさ の後 うし ろに主 しゅ 脚 あし が格納 かくのう される。
旅客 りょかく 輸送 ゆそう での経済 けいざい 性 せい や利便 りべん 性 せい を考慮 こうりょ して設計 せっけい された大型 おおがた 旅客機 りょかくき は、ほとんどの機種 きしゅ が低 てい 翼 つばさ で5-7度 ど ほどの少 すこ し上反 かみたん 角 かく のついた強 つよ い後退 こうたい 翼 つばさ であり厚 あつ みのある先細 さきほそ 翼 つばさ である[ 注 ちゅう 11] [ 9] 。胴体 どうたい との結合 けつごう 部 ぶ には翼 つばさ 面 めん の不連続 ふれんぞく 性 せい に起因 きいん する渦 うず の発生 はっせい を抑 おさ えるために[ 注 ちゅう 12] [ 10] 、フィレット (Fillet) と呼 よ ばれる板 いた 状 じょう の整流 せいりゅう 板 ばん が備 そな わり、結合 けつごう 部 ぶ の形状 けいじょう を滑 なめ らかにつないでいる[ 注 ちゅう 13] 。高 こう 高度 こうど での亜 あ 音速 おんそく 飛行 ひこう で良好 りょうこう な空 そら 力 りょく 特性 とくせい を得 え ながら同時 どうじ に地上 ちじょう での離着陸 りちゃくりく 時 じ には十分 じゅうぶん な余裕 よゆう を持 も って低速 ていそく でも安定 あんてい した揚力 ようりょく を得 え るために、多様 たよう な小型 こがた の翼 つばさ が内蔵 ないぞう されている。翼 つばさ の前後 ぜんご にはフラップやスラットといった高 こう 揚力 ようりょく 装置 そうち や、操縦 そうじゅう 舵 かじ 面 めん としてのエルロンや、揚力 ようりょく 削減 さくげん と操舵 そうだ の補助 ほじょ としてスポイラーが備 そな わっている[ 注 ちゅう 14] 。機体 きたい の外 そと 板 ばん はアルミニウム合金 ごうきん で作 つく られることが多 おお く、主翼 しゅよく は特 とく に上下 じょうげ 方向 ほうこう への変形 へんけい 量 りょう が大 おお きく設計 せっけい されていて、上側 うわがわ の外 そと 板 ばん は縮 ちぢ みやすく下 した 側 がわ の外 そと 板 ばん は伸 の びやすいようにできている。
主翼 しゅよく を胴体 どうたい 部分 ぶぶん と接合 せつごう する構造 こうぞう は一般 いっぱん 的 てき な旅客機 りょかくき で共通 きょうつう する最 もっと も特徴 とくちょう 的 てき な部分 ぶぶん であり、「中央 ちゅうおう 翼 つばさ 」とも呼 よ ばれる左右 さゆう の翼 つばさ の構造 こうぞう がそのまま中央 ちゅうおう まで伸 の びてつながり、大 おお きな箱 はこ 状 じょう の強度 きょうど 部材 ぶざい を構成 こうせい している[ 注 ちゅう 15] 。主翼 しゅよく 付近 ふきん の外 そと 板 ばん は胴体 どうたい 部 ぶ が主翼 しゅよく から受 う ける曲 きょく げモーメントや剪断力 りょく を引 ひ き受 う けるために厚 あつ みが増 ま されている。この中央 ちゅうおう 翼 つばさ 部分 ぶぶん は貨物 かもつ の出 だ し入 い れに不便 ふべん なために燃料 ねんりょう タンクなどに当 あ てられており、高 こう 翼 つばさ 配置 はいち にされて円筒 えんとう 形 がた の胴体 どうたい 全体 ぜんたい が貨物 かもつ 室 しつ に使用 しよう される多 おお くの軍用 ぐんよう 輸送 ゆそう 機 き と大 おお きく異 こと なる点 てん である。
大型 おおがた 旅客機 りょかくき の主翼 しゅよく 内 ない には、前 ぜん 桁 けた 、後 こう 桁 けた という2本 ほん や、多 おお いものでは中央 ちゅうおう 桁 けた が加 くわ わり3本 ほん もの太 ふと い板 いた 状 じょう の構造 こうぞう 部材 ぶざい が翼 つばさ 端 はし から根元 ねもと まで伸 の び、直角 ちょっかく にリブ(小骨 こぼね )がほぼ前後 ぜんご 方向 ほうこう に走 はし って翼 つばさ の上下 じょうげ の外 そと 板 ばん を支 ささ えている。2-3本 ほん の桁 けた 材 ざい と平行 へいこう に外 そと 板 ばん の裏面 りめん を支 ささ える細 ほそ いストリンガー(縦 たて 通 どおり 材 ざい )が多数 たすう 走 はし るマルチストリンガー構造 こうぞう になっているが、21世紀 せいき 現在 げんざい では新造 しんぞう されるほとんどの大型 おおがた 旅客機 りょかくき の翼 つばさ の外 そと 板 ばん とストリンガーは厚 あつ みのある板 いた からNC加工 かこう や化学 かがく 的 てき 溶解 ようかい (ケミカルミーリング)によって削 けず り出 だ して一体 いったい で形成 けいせい することで接合 せつごう 部 ぶ を排除 はいじょ し、機械 きかい 的 てき 強度 きょうど を高 たか めている。
翼 つばさ 内 ない を燃料 ねんりょう タンクとして使用 しよう する部分 ぶぶん では製造 せいぞう 時 じ と運用 うんよう 中 ちゅう の検査 けんさ 時 じ に翼 つばさ 内 ない よりシール作業 さぎょう やその点検 てんけん 作業 さぎょう が必要 ひつよう なため、人 ひと が通過 つうか できる開口 かいこう 部 ぶ として円形 えんけい のマンホールを上下 じょうげ 面 めん に設 もう けている[ 2] 。
多 おお くの大型 おおがた 旅客機 りょかくき では、ウイングマウント形式 けいしき と呼 よ ばれる、主翼 しゅよく 下面 かめん 前方 ぜんぽう にパイロン によってジェットエンジン を吊 つ るす方式 ほうしき が採用 さいよう されている。騒音 そうおん 源 げん であるエンジンは後方 こうほう に取 と り付 つ けるリアマウント形式 けいしき のほうが客席 きゃくせき を静 しず かにできる一方 いっぽう で、重心 じゅうしん が後方 こうほう に寄 よ ってしまい、また主翼 しゅよく との距離 きょり が離 はな れると胴体 どうたい の曲 きょく げ荷重 かじゅう が増 ま して構造 こうぞう 部材 ぶざい が太 ふと く重 おも くなり、水平 すいへい 尾翼 びよく の位置 いち もエンジン後 ご 流 りゅう を避 さ ける必要 ひつよう があるために都合 つごう が悪 わる くなる。エンジンを主翼 しゅよく のやや前方 ぜんぽう に取 と り付 つ ければ、揚力 ようりょく のすぐ前方 ぜんぽう で支 ささ えられるため主翼 しゅよく の曲 ま げモーメントを低減 ていげん できるほか、重心 じゅうしん が前方 ぜんぽう になって直進 ちょくしん 性 せい に寄与 きよ できる。またエンジンを互 たが いに離 はな して取 と り付 つ けることで火災 かさい 時 どき の安全 あんぜん 性 せい や地上 ちじょう での整備 せいび 性 せい も良 よ くなる[ 注 ちゅう 16] 。小 ちい さな機体 きたい では、客室 きゃくしつ のすぐ横 よこ にエンジンが位置 いち する弊害 へいがい の方 ほう が無視 むし できないため、客席 きゃくせき 数 すう が100席 せき 以下 いか の中小 ちゅうしょう 型 がた 旅客機 りょかくき やビジネスジェット の多 おお くがリアマウント形式 けいしき を採用 さいよう している。エンジンが後方 こうほう に取 と り付 つ けられれば主翼 しゅよく の構造 こうぞう が単純 たんじゅん になり、翼 つばさ の全面 ぜんめん に必要 ひつよう なだけ補助 ほじょ 的 てき な舵 かじ 面 めん を配置 はいち できる。現在 げんざい の大型 おおがた 旅客機 りょかくき のエンジン・ナセルの位置 いち では、エンジンの大型 おおがた 化 か によって離着陸 りちゃくりく 時 じ の地面 じめん との接触 せっしょく 事故 じこ の危険 きけん 性 せい が増 ま していることや、4発 はつ の内 うち の翼 つばさ 端 はし 側 がわ のいずれか、又 また は2発 はつ の内 うち の片側 かたがわ が停止 ていし した場合 ばあい には左右 さゆう 推力 すいりょく の不 ふ 均衡 きんこう が機体 きたい 中央 ちゅうおう から遠 とお い分 ぶん だけ大 おお きく働 はたら くので、その点 てん でも不利 ふり である[ 11] [ 注 ちゅう 17] [ 注 ちゅう 18] 。主翼 しゅよく の先端 せんたん 後部 こうぶ に燃料 ねんりょう 投棄 とうき 口 こう が備 そな わることが多 おお い。
水平 すいへい 安定 あんてい 板 ばん とも呼 よ ばれる水平 すいへい 尾翼 びよく は、乗客 じょうきゃく や貨物 かもつ の搭乗 とうじょう /搭載 とうさい 位置 いち によって変 か わる重心 じゅうしん の変化 へんか に余裕 よゆう をもって対応 たいおう するためや[ 注 ちゅう 19] 音速 おんそく 近 ちか くでは小 ちい さな翼 つばさ 面 めん の舵 かじ 角 かく を大 おお きく取 と ると音速 おんそく を超 こ えた領域 りょういき が生 う まれて衝撃波 しょうげきは が発生 はっせい し、舵 かじ の利 き きが不安定 ふあんてい になるため、昇降 しょうこう 舵 かじ のトリムタブ だけではなく、水平 すいへい 尾翼 びよく 全体 ぜんたい の取 と り付 つ け角 かく が変 か わる全 ぜん 遊 ゆう 動 どう 式 しき になっており、これは調整 ちょうせい 式 しき 安定 あんてい 板 ばん と呼 よ ばれる。大型 おおがた 旅客機 りょかくき の水平 すいへい 安定 あんてい 板 ばん の構造 こうぞう には2つの形式 けいしき が存在 そんざい し、1つは主翼 しゅよく の中央 ちゅうおう 翼 つばさ に相当 そうとう する構造 こうぞう 部材 ぶざい が存在 そんざい し、これはキャリスルやセンターセクションと呼 よ ばれ、左右 さゆう の水平 すいへい 尾翼 びよく を機体 きたい 内 ない でつないでいる。もう1つは左右 さゆう の水平 すいへい 尾翼 びよく のトルクボックスを機体 きたい 内部 ないぶ まで延長 えんちょう して中心 ちゅうしん 線上 せんじょう で結合 けつごう したものである。調整 ちょうせい 式 しき 安定 あんてい 板 ばん ではこの全体 ぜんたい が前 ぜん 桁 けた 部分 ぶぶん を中心 ちゅうしん に取 と り付 つ け角 かく が油圧 ゆあつ で変更 へんこう できる。水平 すいへい 尾翼 びよく もわずかに上反 かみたん 角 かく が付 つ いているが、主翼 しゅよく の後 のち 流 りゅう の影響 えいきょう を避 さ けるためと、地上 ちじょう での機体 きたい の引 ひ き起 お こし時 とき に左右 さゆう に少 すこ し傾 かたむ いても接触 せっしょく しないためである。
フライ・バイ・ワイヤ のような翼 つばさ 面 めん の自動 じどう 制御 せいぎょ 装置 そうち の採用 さいよう によって、水平 すいへい 尾翼 びよく と垂直 すいちょく 尾翼 びよく の面積 めんせき が少 すこ し縮小 しゅくしょう できたとされている。コンピュータの援用 えんよう による機体 きたい の操縦 そうじゅう では、電子 でんし 機器 きき 類 るい が正常 せいじょう に機能 きのう している間 あいだ はそれらが効果 こうか 的 てき に働 はたら いて小 ちい さな翼 つばさ 面 めん でも十分 じゅうぶん な効果 こうか を発揮 はっき すると考 かんが えられているが、機能 きのう 不全 ふぜん のような緊急 きんきゅう 時 じ にも十分 じゅうぶん な空 そら 力 りょく 的 てき 制御 せいぎょ が行 おこな えるように、あまり過度 かど の縮小 しゅくしょう は行 おこな えず、特 とく に垂直 すいちょく 尾翼 びよく は複数 ふくすう のエンジンを備 そな えウイングマウント方式 ほうしき の大型 おおがた 旅客機 りょかくき では翼 つばさ 端 はし のエンジン停止 ていし 時 じ に大 おお きな回 かい 頭 あたま モーメントを打 う ち消 け してなお、空 そら 力 りょく 制御 せいぎょ が行 おこな えるだけの余力 よりょく が求 もと められるために、垂直 すいちょく 方向 ほうこう 舵 かじ の下部 かぶ を2段 だん 折 お れにして操舵 そうだ 性能 せいのう を増 ま す工夫 くふう を行 おこな う機体 きたい もある。
操縦 そうじゅう 翼 つばさ や操舵 そうだ 翼 つばさ 、主 しゅ 操縦 そうじゅう 翼 つばさ とも呼 よ ばれる補助 ほじょ 翼 つばさ (Ailron)、昇降 しょうこう 舵 かじ (Elevator)、方向 ほうこう 舵 かじ (Rudder)は、外 そと 板 ばん とハニカム材 ざい を用 もち いたサンドイッチ構造 こうぞう のものが多 おお く、全 ぜん 金属 きんぞく 製 せい から複 ふく 合 ごう 材 ざい を利用 りよう したものに移 うつ りつつある。左右 さゆう の昇降 しょうこう 舵 かじ は中央 ちゅうおう でトルクチューブによって結合 けつごう されている。特 とく に補助 ほじょ 翼 つばさ は舵 かじ 角 かく を変 か えたり保持 ほじ するための力 ちから を小 ちい さくても済 す むようにバランスパネルを備 そな える。これら3種 しゅ の主 しゅ 操縦 そうじゅう 翼 つばさ には、前 ぜん 縁 えん 部 ぶ におもり となるマスバランスを入 い れてフラッター を防止 ぼうし している。また、故障 こしょう 時 じ の影響 えいきょう を最小限 さいしょうげん に抑 おさ えるフェイルセーフ 性 せい を考慮 こうりょ して、それぞれの動 どう 翼 つばさ を2つに分割 ぶんかつ し、油圧 ゆあつ 系統 けいとう なども分離 ぶんり していることが多 おお い。
補助 ほじょ 操縦 そうじゅう 翼 つばさ 面 めん とも呼 よ ばれるスポイラー (Spoiler)、フラップ (Flap)、スラット (Slat)、タブ (Tab) も、構造 こうぞう 的 てき には補助 ほじょ 翼 つばさ 、昇降 しょうこう 舵 かじ 、方向 ほうこう 舵 かじ と同様 どうよう であり、複 ふく 合 ごう 材 ざい の利用 りよう が進 すす んでいる。トリムタブは、万 まん 一 いち タブのロッドや金具 かなぐ が破損 はそん してもフラッタを起 お こさないように、制御 せいぎょ ジャッキを2重 じゅう にするかマスバランスを入 い れることが求 もと められている[ 4] 。
一般 いっぱん 的 てき な燃料 ねんりょう タンクの配置 はいち 赤色 あかいろ :主翼 しゅよく 内部 ないぶ のインテグラル・タンク青色 あおいろ :中央 ちゅうおう 翼 つばさ 内部 ないぶ のセンター・タンク
一般 いっぱん 的 てき な旅客機 りょかくき は燃料 ねんりょう タンクを主翼 しゅよく 内 ない に持 も っている。大型 おおがた 旅客機 りょかくき では「インテグラル・タンク」と呼 よ ばれる、翼 つばさ の中央 ちゅうおう 部 ぶ を構成 こうせい する箱 はこ 型 がた の構造 こうぞう 部材 ぶざい である。「トーション・ボックス」や「トルク・ボックス」とも呼 よ ばれることがある。部材 ぶざい 同士 どうし の接続 せつぞく 面 めん では内側 うちがわ に耐 たい 燃料 ねんりょう 性 せい シーラントを塗 ぬ り、機体 きたい 表面 ひょうめん 側 がわ には耐 たい 雨 う 性 せい シール材 ざい を塗 ぬ ることで漏 も れ止 と め処理 しょり を施 ほどこ し密閉 みっぺい して、そのまま燃料 ねんりょう タンクとして使用 しよう している[ 注 ちゅう 20] 。
主翼 しゅよく 内 ない のインテグラル・タンクは主 おも なタンクとして片側 かたがわ それぞれに2つほどのメインタンクと翼 つばさ 端 はし 側 がわ に1つのリザーブタンクを持 も つものが多 おお く、最 さい 翼 つばさ 端 はし 部 ぶ には燃料 ねんりょう ダンプ用 よう のタンクを備 そな える機体 きたい が多 おお い。また、中央 ちゅうおう 翼 つばさ 内 ない にセンター・タンクを持 も つものも長距離 ちょうきょり を飛行 ひこう する機体 きたい では一般 いっぱん 的 てき である[ 注 ちゅう 21] [ 12] [ 注 ちゅう 22] 。センタータンクのような胴体 どうたい 内 ない の燃料 ねんりょう タンクは壁面 へきめん を2重 じゅう にして、たとえ漏洩 ろうえい が起 お きても機体 きたい 内 ない に溜 た まらないよう設計 せっけい されている。長距離 ちょうきょり 路線 ろせん 用 よう の機体 きたい では主翼 しゅよく だけでなく水平 すいへい 尾翼 びよく の中 なか にもインテグラル・タンクやスタビタンクとも呼 よ ばれる燃料 ねんりょう タンクを持 も つものがあり、調整 ちょうせい 式 しき 安定 あんてい 板 ばん では機体 きたい 内 ない で水平 すいへい 尾翼 びよく 同士 どうし を結 むす ぶ中央 ちゅうおう 部分 ぶぶん もタンクになっている。タンク間 あいだ は配管 はいかん によって接続 せつぞく され、ポンプによって燃料 ねんりょう を移送 いそう することで重心 じゅうしん 位置 いち の調整 ちょうせい やエンジン停止 ていし 時 じ の燃料 ねんりょう 配分 はいぶん の変更 へんこう が行 おこな えるようになっている[ 13] 。
脚 あし とタイヤの配置 はいち 例 れい
脚 あし は降着 こうちゃく 装置 そうち や着陸 ちゃくりく 装置 そうち とも呼 よ ばれ[ 注 ちゅう 23] 、旅客機 りょかくき では格納 かくのう 式 しき になっている。旅客機 りょかくき での一般 いっぱん 的 てき な脚 あし は、緩衝 かんしょう 装置 そうち 付 つ きの脚 あし 柱 ばしら と引 ひ き込 こ み機構 きこう 、操 みさお 向 こう 機構 きこう からなる脚 あし 組 ぐ みと、タイヤとホイール、ブレーキから構成 こうせい される。過去 かこ には尾 お 輪 わ 式 しき も存在 そんざい したが、20世紀 せいき 末 まつ にはすべて前輪 ぜんりん 式 しき となっている。航空機 こうくうき の中 なか でも大 だい 重量 じゅうりょう の機体 きたい である大型 おおがた 旅客機 りょかくき では主 しゅ 脚 あし の本数 ほんすう とそれに備 そな わるタイヤの数 かず が比較的 ひかくてき 多 おお く、4本 ほん の主 しゅ 脚 あし に20輪 りん を持 も つ機体 きたい もある[ 注 ちゅう 24] 。前 ぜん 脚 あし には、格納 かくのう 時 じ に自動的 じどうてき に正面 しょうめん を向 む くようにカムが取 と り付 つ けられている。ジェット旅客機 りょかくき の主 しゅ 脚 あし では1本 ほん の脚 あし 柱 ばしら (Strut) ごとにボギー (Bogie) を介 かい して4本 ほん のタイヤを備 そな える多 た 車輪 しゃりん 式 しき ものが多 おお いが、大 おお きな機体 きたい を支 ささ える必要 ひつよう がある機種 きしゅ では6本 ほん もタイヤを備 そな えるものがある[ 注 ちゅう 25] [ 14] 。前 ぜん 脚 あし と主 しゅ 脚 あし は緩衝 かんしょう 支柱 しちゅう と呼 よ ばれる太 ふと い鋼 はがね 製 せい の緩衝 かんしょう 装置 そうち で機体 きたい とタイヤの間 あいだ を結 むす んでいる。緩衝 かんしょう 装置 そうち は一般 いっぱん 的 てき に空気 くうき と油 あぶら を用 もち いたオレオ式 しき が採用 さいよう されている。緩衝 かんしょう 支柱 しちゅう にはジャッキアップ用 よう のジャッキ・ポイント (Jacking Point) と牽引 けんいん 用 よう のトウ・ラグ (Tow Lug) が付 つ けられることが多 おお い。前 ぜん 脚 あし には油圧 ゆあつ 式 しき のシミー・ダンパ (Shimmy Damper) が取 と り付 つ けられ、無用 むよう な左右 さゆう 方向 ほうこう のぶれを抑制 よくせい している。格納庫 かくのうこ 内 ない のような狭 せま い空間 くうかん 内 ない で移動 いどう する場合 ばあい には、前 ぜん 脚 あし のロッキング・取 と り外 はず しピン (Locking or Disconnect Pin) を外 はず すことで前 ぜん 脚 あし の緩衝 かんしょう 支柱 しちゅう ピストンを360度 ど 回 まわ すことができる。地上 ちじょう で脚 あし が格納 かくのう 方向 ほうこう へ折 お れ曲 ま がることがないように、トルク・リンクが縮 ちぢ んでいる状態 じょうたい でスイッチが入 はい る「安全 あんぜん スイッチ」が備 そな わっており、安全 あんぜん スイッチが入 はい っていると、脚 あし の操作 そうさ ハンドルは格納 かくのう 位置 いち へ動 うご かないようにロックされる。またこの他 ほか にも足 あし が格納 かくのう 方向 ほうこう へ折 お れないように物理 ぶつり 的 てき にピンやクリップを刺 さ すことで安全 あんぜん の確保 かくほ が行 おこな われており、この赤色 あかいろ のタグの付 つ いたピンやクリップによって脚 あし をロックする方法 ほうほう は「グランド・ロック」と呼 よ ばれる。
離陸 りりく 時 じ よりも着陸 ちゃくりく 時 じ の方 ほう が衝撃 しょうげき を受 う けやすいために設計 せっけい 荷重 におも では着陸 ちゃくりく 時 じ の方 ほう が大 おお きく見積 みつも られている。それでも、離陸 りりく 可能 かのう 限界 げんかい 重量 じゅうりょう 近 ちか くまで燃料 ねんりょう や貨物 かもつ などを搭載 とうさい した旅客機 りょかくき が、離陸 りりく した直後 ちょくご に機体 きたい の不調 ふちょう といった何 なん らかの事情 じじょう で着陸 ちゃくりく しなければならない場合 ばあい で、時間 じかん に余裕 よゆう があれば、海上 かいじょう などで燃料 ねんりょう 投棄 とうき 口 こう から過剰 かじょう な分 ぶん の燃料 ねんりょう を放出 ほうしゅつ してから着陸 ちゃくりく する。
脚 あし とその格納 かくのう ドアは油圧 ゆあつ 、または電動 でんどう モーターによって格納 かくのう ・展開 てんかい される。油圧 ゆあつ 系統 けいとう や電動 でんどう モーターが機能 きのう しない場合 ばあい に備 そな えて、これらの働 はたら きによる格納 かくのう ロックを外 はず すことで、自重 じちょう で展開 てんかい できるように設計 せっけい されている。操縦 そうじゅう 席 せき では脚 あし 位置 いち を表示 ひょうじ する脚 あし 位置 いち 指示 しじ 器 き が備 そな わっており、これで脚 あし の状態 じょうたい を確認 かくにん する。さらに脚 あし のいずれか1本 ほん でもダウンロックされていない状態 じょうたい でエンジン出力 しゅつりょく をアイドルにすると、脚 あし 警報 けいほう 装置 そうち が警報 けいほう 音 おん で知 し らせる[ 13] 。離陸 りりく を滑走 かっそう 途中 とちゅう で中止 ちゅうし したときにはブレーキが非常 ひじょう に高温 こうおん となるため、その後 ご に離陸 りりく した場合 ばあい は空中 くうちゅう での格納 かくのう をしばらく待 ま たなければならない。誤 あやま って高温 こうおん の脚 あし を格納 かくのう しタイヤを破裂 はれつ させる事故 じこ を防 ふせ ぐために、脚 あし 格納 かくのう 室 しつ には過熱 かねつ 警報 けいほう 装置 そうち が備 そな わっている[ 2] 。
主翼 しゅよく 内 ない に取 と り付 つ け基部 きぶ を持 も つ主 しゅ 脚 あし が万 まん が一 いち 破損 はそん した場合 ばあい でも、翼 つばさ 内 ない の燃料 ねんりょう タンクにその変形 へんけい 力 りょく が及 およ んで漏洩 ろうえい や破壊 はかい を起 おこり こないように、脚 あし 側 がわ だけが破壊 はかい されるように設計 せっけい されている[ 2] 。
窓 まど は客席 きゃくせき の位置 いち にほぼ1つずつ空 あ けられているため、客室 きゃくしつ の圧迫 あっぱく 感 かん を減 げん じて、全 すべ ての窓側 まどがわ 席 せき からは機外 きがい の景色 けしき が見 み られるようになっている。
客室 きゃくしつ 側 がわ の窓 まど は、外側 そとがわ からストレッチ・アクリル板 ばん [ 注 ちゅう 26] や非 ひ ストレッチのアクリル板 ばん 、それにポリカーボネート板 ばん という合計 ごうけい 3枚 まい 、あいだを空 あ けてシール材 ざい と共 とも に外 そと 板 ばん の窓 まど 枠 わく に止 と められており[ 2] 、外側 そとがわ の2枚 まい のいずれか1枚 まい が失 うしな われても、残 のこ る1枚 まい だけで客室 きゃくしつ の最大 さいだい 与 あずか 圧 あつ 荷重 かじゅう 、空気 くうき 力 りょく 、温度 おんど 効果 こうか を加 くわ えた荷重 におも に耐 た える強度 きょうど があり、内側 うちがわ の薄 うす い1枚 まい は保護 ほご 用 よう である。
操縦 そうじゅう 室 しつ 正面 しょうめん の窓 まど は基本 きほん 的 てき に厚 あつ いガラスとビニールが複数 ふくすう 積層 せきそう されていて、強度 きょうど 維持 いじ と共 とも に表面 ひょうめん に傷 きず が付 つ き難 がた くして良好 りょうこう な視界 しかい を確保 かくほ しており、曇 くも り止 と めとして内部 ないぶ の電熱 でんねつ 層 そう に電流 でんりゅう を流 なが して加熱 かねつ するものや室内 しつない 側 がわ から温風 おんぷう を吹 ふ きかけるものがある。操縦 そうじゅう 室 しつ 側面 そくめん の窓 まど はガラス製 せい の他 ほか にアクリル製 せい のものもあり、非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう を兼 か ねて開 ひら くようになっている機種 きしゅ もある[ 注 ちゅう 27] 。操縦 そうじゅう 室 しつ 正面 しょうめん の窓 まど はバードストライクなどにも耐 た える強度 きょうど が要求 ようきゅう されるため、特 とく に厚 あつ く作 つく られ念入 ねんい りなテストで信頼 しんらい 性 せい が確保 かくほ されている。一般 いっぱん 的 てき には操縦 そうじゅう 席 せき の前面 ぜんめん 窓 まど にワイパーが備 そな わっており、空気 くうき カーテンによるジェット・ブラストやレイン・リペレントと呼 よ ばれる撥 ばち 水薬 みずぐすり 剤 ざい を外面 がいめん から吹 ふ きつけるものもある[ 13] [ 5] [ 9] [ 注 ちゅう 28] 。
1970年 ねん 12月29日 にち 、札幌 さっぽろ 発 はつ 羽田 はねだ 行 い きの全日空 ぜんにっくう 機 き (ボーイング727機 き )の泥酔 でいすい した乗客 じょうきゃく が、客室 きゃくしつ 内側 うちがわ の窓 まど を素手 すで で破壊 はかい する事件 じけん が発生 はっせい した。航空機 こうくうき の運行 うんこう には支障 ししょう はなかったが後日 ごじつ 、警察 けいさつ は航空 こうくう 法 ほう 違反 いはん と器物 きぶつ 損壊 そんかい の容疑 ようぎ で捜査 そうさ を行 おこな った。窓 まど の弁償 べんしょう 代 だい は15000円 えん とされ、割 わ った乗客 じょうきゃく が支払 しはら った[ 15] 。
旅客機 りょかくき 用 よう 客室 きゃくしつ ドアの例 れい 左 ひだり : 1.ドアの上下 じょうげ 端 はし を畳 たた む 2.引 ひ く 3.外 そと へ開 ひら く中 なか : 1.少 すこ しずらして噛 か み合 あ わせを外 はず す 2.外 そと へ開 ひら く右 みぎ : 一度 いちど 手前 てまえ に引 ひ いてから上 あ げる
ドアは、乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく 用 よう と貨物 かもつ 用 よう があるが、いずれも高空 こうくう を飛行 ひこう する機体 きたい では与 あずか 圧 あつ を維持 いじ するために機内 きない の空気 くうき を逃 に がさず気密 きみつ が保 たも たれるようになっている[ 注 ちゅう 29] 。客室 きゃくしつ のドアは非常時 ひじょうじ には非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう [ 注 ちゅう 30] となるため乗客 じょうきゃく が殺到 さっとう しても容易 ようい に開 ひら くほうが良 よ い。内 うち 開 ひら きドアはドアを閉 と じると内圧 ないあつ で機体 きたい の固定 こてい 構造 こうぞう に押 お し付 つ けられて安定 あんてい するプラグ形状 けいじょう が採用 さいよう できるのでロック機構 きこう に対 たい する信頼 しんらい 性 せい はそれほど求 もと められないが、機内 きない 側 がわ に空間 くうかん が求 もと められ非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ の妨 さまた げになる。外 そと 開 びら きでは機内 きない 側 がわ に余分 よぶん な空間 くうかん が求 もと められず非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ の妨 さまた げにもならないが、ロック機構 きこう に故障 こしょう や誤操作 ごそうさ があるとドアが開 ひら いてしまうという危険 きけん があるので、ロック機構 きこう に高 たか い信頼 しんらい 性 せい が求 もと められる。外 そと 開 びら きドアであっても、ドアの左右 さゆう の縁 えん だけしっかりしたプラグ形状 けいじょう で機体 きたい に固定 こてい するようにしておき、上下 じょうげ の縁 えん は折 お りたたむ形状 けいじょう とすることで、一度 いちど 内側 うちがわ に少 すこ し引 ひ いてからドアを少 すこ し回転 かいてん させてドア開口 かいこう 部 ぶ から機体 きたい の外 そと に出 だ すことで開 ひら くものがある。同様 どうよう に外 そと 開 びら きドアでドアの左右 さゆう の縁 えん に互 たが い違 ちが いの出 で っ張 ぱ りを付 つ けることでプラグと同 おな じように機体 きたい に固定 こてい できるようにしておき、開 ひら く時 とき には少 すこ し持 も ち上 あ げて出 で っ張 ぱ りがドア枠 わく に当 あた らないようにしてから外 そと に開 ひら く形式 けいしき もある。また、天井 てんじょう 部 ぶ に余裕 よゆう のある広幅 ひろはば で2階 かい を持 も たない機体 きたい では、内 うち 開 ひら きドアでも、内側 うちがわ に少 すこ し引 ひ いてから上 うえ にドア全体 ぜんたい をスライドさせることで開 ひら くものがある。乗降 じょうこう に空港 くうこう 施設 しせつ の支援 しえん が受 う けられない路線 ろせん に使用 しよう される機体 きたい では、ドアの内側 うちがわ に折 お りたたみ式 しき のタラップ (エアステア )を備 そな えるものもある。主翼 しゅよく 上 じょう などに非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 専用 せんよう で通常 つうじょう の乗降 じょうこう に使用 しよう されない非常口 ひじょうぐち 扉 とびら を備 そな えた機種 きしゅ がある[ 注 ちゅう 31] 。
A320の貨物 かもつ 用 よう ドア 開口 かいこう 部下 ぶか 縁 えん に6個 こ のラッチ受 う け金具 かなぐ が見 み える。これらによってドア全体 ぜんたい が胴体 どうたい 側 がわ のフレームと連接 れんせつ されることで与 あずか 圧 あつ から受 う ける大 おお きな力 ちから を支 ささ えられる。
床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ の貨物 かもつ 用 よう ドアは上方 かみがた ヒンジの外 そと 開 びら きドアが多 おお く[ 4] 、大型 おおがた 旅客機 りょかくき では多 おお くが右側 みぎがわ の前方 ぜんぽう と後方 こうほう に1つずつ備 そな わっている[ 5] 。貨物 かもつ 用 よう ドアは貨物 かもつ コンテナを通 とお す必要 ひつよう があるため乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく 用 よう のドアよりも四角形 しかっけい で大 おお きく開口 かいこう する必要 ひつよう がある。機体 きたい 与 あずか 圧 あつ 部 ぶ の高 たか い圧力 あつりょく に耐 た えられる広 ひろ い面積 めんせき のドアを乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく 用 よう ドアと同 おな じ横 よこ 開 びら きの構造 こうぞう で作 つく ると高 たか い剛性 ごうせい が求 もと められ重量 じゅうりょう が増 ま すため、多 おお くの機体 きたい では、上 うえ 縁 えん にヒンジを設 もう けて下 しも 縁 えん に多数 たすう のフック型 がた ラッチを機体 きたい 側 がわ の一般 いっぱん フレームに掛 か けることで、閉 と じた状態 じょうたい では胴体 どうたい 側 がわ と同様 どうよう にドア全体 ぜんたい で与 あずか 圧 あつ を引 ひ き受 う ける構造 こうぞう となる[ 2] 。客室 きゃくしつ 用 よう ドアの開閉 かいへい は、電動 でんどう や油圧 ゆあつ を用 もち いたものが登場 とうじょう しており、緊急 きんきゅう 時 じ には手動 しゅどう や圧縮 あっしゅく 空気 くうき によって緊急 きんきゅう ドア開 あ け操作 そうさ が行 おこな えるようになっている[ 注 ちゅう 32] 人 ひと や貨物 かもつ のための大 おお きなドアの他 ほか にも、点検 てんけん や電線 でんせん ・パイプなどの接続 せつぞく 用 よう のドアが機体 きたい 各所 かくしょ に備 そな わっており、特 とく に与 あずか 圧 あつ 区画 くかく にある点検 てんけん ドアは圧力 あつりょく に耐 た えて確実 かくじつ にロックできるように作 つく られ、センサーによってロック状態 じょうたい が確認 かくにん されている[ 9] 。
耐火 たいか 性 せい の材料 ざいりょう は、第 だい 一種 いっしゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう と第 だい 二 に 種 しゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう 、自己 じこ 消火 しょうか 性 せい 材料 ざいりょう (15 cm/分 ぶん )、自己 じこ 消火 しょうか 性 せい 材料 ざいりょう (20 cm/分 ぶん )の4種 しゅ に大別 たいべつ される。発火 はっか 源 げん を取 と り除 のぞ けば危険 きけん な程度 ていど には燃焼 ねんしょう しないものとして第 だい 三種 さんしゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう (Flame resistant material) という分類 ぶんるい は2008年 ねん 時点 じてん でも規定 きてい に含 ふく まれているが、新 あら たに設 もう けられた自己 じこ 消火 しょうか 性 せい 材料 ざいりょう の分類 ぶんるい で代替 だいたい されつつある。従来 じゅうらい の規定 きてい では存在 そんざい した第 だい 四 よん 種 しゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう は旅客機 りょかくき での使用 しよう は認 みと められていない。
第 だい 一種 いっしゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう (Fire proof material) :鋼 はがね と同 どう 程度 ていど かそれ以上 いじょう の熱 ねつ に耐 た える材料 ざいりょう を指 さ す。エンジンとAPUの防火 ぼうか 壁 かべ 、防火 ぼうか 壁 かべ を貫 つらぬ く換気 かんき ダクト、燃焼 ねんしょう 空気 くうき ダクト、エンジン室 しつ 内部 ないぶ の制御 せいぎょ 系統 けいとう とエンジン固定 こてい 架 か 、その他 た 重量 じゅうりょう な構造 こうぞう に使用 しよう される
第 だい 二 に 種 しゅ 耐火 たいか 性 せい 材料 ざいりょう (Fire resistant material) :アルミニウム合金 ごうきん と同 どう 程度 ていど かそれ以上 いじょう の熱 ねつ に耐 た える材料 ざいりょう を指 さ す。エンジン・カウリングとナセル、タオル・紙 かみ くず入 い れなど
自己 じこ 消火 しょうか 性 せい 材料 ざいりょう (15 cm/分 ぶん ) : 乗務 じょうむ 員 いん 室 しつ と客室 きゃくしつ の内部 ないぶ
自己 じこ 消火 しょうか 性 せい 材料 ざいりょう (20 cm/分 ぶん ):床 ゆか 面 めん 覆 おお い、織物 おりもの 、座席 ざせき クッション、など
[ 4]
操縦 そうじゅう 室 しつ の室内 しつない は少 すく なくとも横 よこ 方向 ほうこう には狭 せま い必要 ひつよう がある。操縦 そうじゅう 席 せき は前方 ぜんぽう 視界 しかい が良好 りょうこう に確保 かくほ できるだけでなく、空中 くうちゅう 衝突 しょうとつ を防 ふせ ぐために側 がわ 方 かた やある程度 ていど 斜 なな め後 うし ろまで視界 しかい が得 え られることが耐 たい 空 そら 性 せい 基準 きじゅん で求 もと められている。大型 おおがた 化 か して胴体 どうたい の幅 はば の広 ひろ がった旅客機 りょかくき では、操縦 そうじゅう 席 せき を機体 きたい 前部 ぜんぶ に置 お いただけでは左右 さゆう の窓 まど が離 はな れすぎるため、左右 さゆう 方向 ほうこう や斜 なな め後方 こうほう の視界 しかい が得 え にくくなりこういった要求 ようきゅう を満 み たせなくなった。2階 かい 席 せき を持 も つ大型 おおがた 旅客機 りょかくき では、幅 はば の狭 せま い2階 かい の最前 さいぜん 部 ぶ に操縦 そうじゅう 室 しつ を設 もう けることで良好 りょうこう な視界 しかい が確保 かくほ できるようになった[ 注 ちゅう 33] 。操縦 そうじゅう 席 せき では良好 りょうこう な視界 しかい が得 え られる視点 してん の位置 いち が決 き まっているので、座席 ざせき は前後 ぜんご 上下 じょうげ に動 うご くようにできており、ベルトで体 からだ を固定 こてい できるようになっている。操縦 そうじゅう 室 しつ には床 ゆか に折 お りたたまれた状態 じょうたい でオブザーバーシートが備 そな えられており、引 ひ き上 あ げて組 く み立 た てることで着座 ちゃくざ が可能 かのう になる[ 注 ちゅう 34] 。
操縦 そうじゅう 席 せき には減圧 げんあつ 状 じょう 況 きょう 下 か でも安全 あんぜん に操縦 そうじゅう できるように酸素 さんそ マスクが備 そな えられている[ 注 ちゅう 35] 。
機体 きたい は年々 ねんねん 巨大 きょだい になるが、操縦 そうじゅう 室 しつ は常 つね に狭 せま くグラスコックピットになっても操縦 そうじゅう 席 せき の周辺 しゅうへん には手 て の届 とど く範囲 はんい に多数 たすう の操作 そうさ 盤 ばん が配置 はいち されている[ 16] 。
大型 おおがた 旅客機 りょかくき の中 なか でも長距離 ちょうきょり 専用 せんよう の機体 きたい では、長時間 ちょうじかん の飛行 ひこう に合 あ わせて操縦 そうじゅう 士 し や客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん 達 たち が2組 くみ 乗務 じょうむ して途中 とちゅう で交代 こうたい したり、休息 きゅうそく や睡眠 すいみん をとったりするために、客室 きゃくしつ とは別 べつ の座席 ざせき や簡易 かんい ベッドが備 そな えられた乗務 じょうむ 員 いん 用 よう の休憩 きゅうけい 室 しつ が設 もう けられることがある[ 注 ちゅう 36] 。
ボンバルディアCRJ700の客室 きゃくしつ 。照明 しょうめい にはLEDが採用 さいよう されている
大型 おおがた 旅客機 りょかくき の床 ゆか 面 めん にはシートトラックと呼 よ ばれる1インチごとに穴 あな が空 あ いている金属 きんぞく 製 せい のレールが何 なん 本 ほん も前後 ぜんご 方向 ほうこう に埋 う め込 こ まれていて、横 よこ につながった数 すう 席 せき の客席 きゃくせき ごとにこのレールにはめ込 こ まれて後 こう 脚 あし 側 がわ でロック・ピンによりその穴 あな に前後 ぜんご 方向 ほうこう に固定 こてい され、別途 べっと コネクタによって娯楽 ごらく 用 よう 機器 きき が接続 せつぞく される。床 ゆか 面 めん には難 なん 燃 もえ 性 せい カーペットが敷 し かれる。
乗客 じょうきゃく 用 よう の座席 ざせき にはシートベルトが備 そな わり、16 G までの加重 かじゅう に耐 た える規定 きてい [ 注 ちゅう 37] を満 み たしながら更 さら なる軽量 けいりょう 化 か への要求 ようきゅう に応 おう じるために、フレームもアルミニウム製 せい から炭素 たんそ 繊維 せんい 強化 きょうか プラスチック (CFRP) に変 か わりつつある。座席 ざせき のアームレストには音楽 おんがく や照明 しょうめい 、空調 くうちょう などのスイッチ類 るい と客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん の呼 よ び出 だ しボタンが備 そな わり、折 お りたたみ式 しき テーブルやビデオディスプレイが組 く み込 こ まれているものもある。座席 ざせき 後 ご 面 めん には後 こう 席 せき 用 よう のポケットやテーブルが付 つ いており、ビデオディスプレイが組 く み込 こ まれているものもある。座席 ざせき 下部 かぶ は固体 こたい 脚 あし やフットレストの他 ほか に、乗客 じょうきゃく の手荷物 てにもつ が床 ゆか 面 めん で滑 すべ らないように座席 ざせき から枠 わく が設 もう けられている。
客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん 用 よう の座席 ざせき にもシートベルトが備 そな わり、16 Gまでの加重 かじゅう に耐 た える必要 ひつよう がある。客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん 用 よう の座席 ざせき は多 おお くが、非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう となる出入口 でいりぐち 近 ちか くに設 もう けられており、折 おり 畳 たたみ 式 しき になっている。これらの座席 ざせき は前向 まえむ きと後 うし ろ向 む きのものがあり、シートベルトも乗客 じょうきゃく 用 よう 座席 ざせき が腰部 ようぶ だけであるのに対 たい して、肩 かた のベルトも義務付 ぎむづ けられている。
客室 きゃくしつ の壁面 へきめん はハードトリムと呼 よ ばれる硬質 こうしつ プラスチック製 せい であり、窓 まど のシェードは内壁 ないへき に埋 う め込 こ まれている。
オーバーヘッド・ビンと呼 よ ばれる天井 てんじょう 収納 しゅうのう 庫 こ が備 そな え付 つ けられており、手荷物 てにもつ を収納 しゅうのう できる。ピボット式 しき と固定 こてい 棚 たな 式 しき がある。オーバーヘッド・ビンの下面 かめん などに座席 ざせき ごとの照明 しょうめい や送風 そうふう 口 こう が設 もう けられており、客室 きゃくしつ 内 ない が減圧 げんあつ すれば自動的 じどうてき に現 あら われるようになっている客席 きゃくせき 分 ぶん の酸素 さんそ マスクもこの部分 ぶぶん に格納 かくのう されている。
一般 いっぱん 的 てき に旅客機 りょかくき では、音楽 おんがく や映画 えいが といった客席 きゃくせき 向 む けの娯楽 ごらく が提供 ていきょう される。機上 きじょう で提供 ていきょう する番組 ばんぐみ 数 すう が増加 ぞうか したため、個別 こべつ チャンネルごとに電線 でんせん をすべての客席 きゃくせき に配線 はいせん したのでは重 おも くなりすぎて保守 ほしゅ の手間 てま も膨大 ぼうだい になる。新 あら たな機体 きたい では同軸 どうじく 線 せん や光 ひかり ファイバーといった少数 しょうすう のLAN ケーブルに信号 しんごう を多重 たじゅう 化 か して客室 きゃくしつ 内 ない に分配 ぶんぱい し、各 かく 座席 ざせき で復調 ふくちょう するようにした「インフライトエンターテインメントシステム」(In-Flight Entertainment Syetem, IFE system) が採用 さいよう されている。娯楽 ごらく 番組 ばんぐみ 提供 ていきょう システムは機内 きない 案内 あんない などが割 わ り込 こ めるように作 つく られ、その間 あいだ 、番組 ばんぐみ は一時 いちじ 停止 ていし するようになっている[ 注 ちゅう 38] [ 17] 。
客室 きゃくしつ 内 ない 衛星 えいせい 通信 つうしん システム[ 編集 へんしゅう ]
多 おお くの旅客機 りょかくき ではクレジットカード等 とう で支払 しはら いが行 おこな える公衆 こうしゅう 電話 でんわ としての衛星 えいせい 通信 つうしん システムが搭載 とうさい されている[ 注 ちゅう 39] [ 17] 。
厨房 ちゅうぼう を意味 いみ するギャレー (Galley) には、ステンレス製 せい テーブルの上下 じょうげ に食事 しょくじ カート (Service cart) や飲料 いんりょう コンテナ、おしぼり用 よう オーブン、コーヒーメーカー、湯沸 ゆわか し、ハイテンプオーブン、電子 でんし レンジ、冷蔵庫 れいぞうこ などが、ほとんど隙間 すきま なく機能 きのう 的 てき に配置 はいち されている。国内線 こくないせん のような短距離 たんきょり 用 よう の機内 きない レイアウトではギャレーは4ヶ所 かしょ ほどであり、国際線 こくさいせん のような長距離 ちょうきょり 用 よう では8ヶ所 かしょ ほどが配置 はいち されている。食事 しょくじ は地上 ちじょう の食料 しょくりょう 品 ひん 業者 ぎょうしゃ の段階 だんかい から1人 ひとり 分 ぶん ずつトレーに分 わ けられ、数 すう 十 じゅう 人 にん 分 ぶん ずつがカートのまま納入 のうにゅう されて機内 きない に搭載 とうさい され、ギャレー内 ない のテーブル下 か に収納 しゅうのう される。客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん は、食事 しょくじ を提供 ていきょう する20–30分 ふん 前 まえ に電源 でんげん コードをカートに接続 せつぞく してスイッチを入 い れる。カート内 ない で必要 ひつよう な部分 ぶぶん のみがヒーターによって加熱 かねつ され、やがてタイマーで加熱 かねつ が終了 しゅうりょう したカートから引 ひ き出 だ され、そのまま通路 つうろ を運 はこ ばれて座席 ざせき に着 つ いたままの乗客 じょうきゃく の元 もと へ各々 おのおの のトレーが配 はい 食 しょく される。地上 ちじょう 駐 ちゅう 機 き 中 ちゅう にこれらのカートやコンテナの交換 こうかん によって迅速 じんそく に飲食 いんしょく 物 ぶつ の積 つ み下 お ろしが実現 じつげん され、機内 きない に専用 せんよう エレベータを持 も つ少数 しょうすう の例外 れいがい を除 のぞ けば、非常時 ひじょうじ 以外 いがい ではあまり使用 しよう しない客室 きゃくしつ ドアから積 つ み下 お ろしすることが一般 いっぱん 的 てき であり、ドア付近 ふきん には強度 きょうど 維持 いじ の関係 かんけい から窓 まど が設 もう けられないこともあって、積 つ み下 お ろしに便利 べんり なようにギャレーはドア付近 ふきん に位置 いち する配置 はいち が多 おお い[ 14] 。
化粧 けしょう 室 しつ とも呼 よ ばれるトイレ (Lavatory) は乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく の排泄 はいせつ 処理 しょり と化粧 けしょう 等 とう を行 おこな う機能 きのう を提供 ていきょう している。通常 つうじょう 男女 だんじょ 兼用 けんよう [ 注 ちゅう 40] の狭 せま い個室 こしつ には洋式 ようしき 便器 べんき の他 ほか に温水 おんすい と冷水 れいすい の出 で る洗面 せんめん 台 だい が備 そな わり、石鹸 せっけん 、化粧 けしょう 品 ひん 、タオル、ナプキンなどが用意 ようい されている。便器 べんき 内 ない の汚物 おぶつ の処理 しょり 方法 ほうほう は2種類 しゅるい ある。現在 げんざい 主流 しゅりゅう の真空 しんくう フラッシング方式 ほうしき は複数 ふくすう の化粧 けしょう 室 しつ で共用 きょうよう する貯蔵 ちょぞう タンクを備 そな えており、貯蔵 ちょぞう タンク内 ない は上空 じょうくう では機外 きがい と同様 どうよう に低圧 ていあつ に保 たも たれ、地上 ちじょう や低 てい 高度 こうど では排気 はいき によって負 ふ 圧 あつ に維持 いじ されている。排泄 はいせつ 後 ご に洗浄 せんじょう ボタンを押 お すと短時間 たんじかん 、水洗 すいせん 用水 ようすい タンクからの少量 しょうりょう の水 みず で便器 べんき 内 ない を洗 あら いながら同時 どうじ に貯蔵 ちょぞう タンクに吸引 きゅういん する。もう1つは、循環 じゅんかん 方式 ほうしき であり、各 かく 化粧 けしょう 室 しつ ごとに備 そな わる貯蔵 ちょぞう タンク内 ない の汚水 おすい をフィルターでろ過 か して浄化 じょうか 剤 ざい と加 くわ えたもので便器 べんき 内 ない の汚物 おぶつ を貯蔵 ちょぞう タンクへと流 なが す方式 ほうしき である。真空 しんくう フラッシング方式 ほうしき は洗浄 せんじょう 水 すい がきれいで便器 べんき 内 ない の臭気 しゅうき も吸引 きゅういん されるため快適 かいてき であるだけでなく、貯蔵 ちょぞう タンクも小型 こがた にできるため多 おお くの機種 きしゅ で採用 さいよう されている[ 17] 。
欧米 おうべい 路線 ろせん や多 おお くのアジア路線 ろせん では機内 きない すべてが禁煙 きんえん となっていることが多 おお く、化粧 けしょう 室 しつ も例外 れいがい でないが、喫煙 きつえん 者 しゃ が隠 かく れて喫煙 きつえん することで機内 きない の煙 けむり 感知 かんち センサーを作動 さどう させてしまい、騒 さわ ぎとなることがたびたび起 お きている。
ボーイング747 の床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ 床 ゆか 面 めん にはレールが引 ひ かれ、電動 でんどう 式 しき 移送 いそう 装置 そうち の「タイヤ」が顔 かお を覗 のぞ かせている。
旅客機 りょかくき の貨物 かもつ コンテナの搭載 とうさい 作業 さぎょう
客室 きゃくしつ の床下 ゆかした はローアーデッキと呼 よ ばれ、貨物 かもつ 室 しつ (ベリースペース)や脚 あし 、燃料 ねんりょう タンクなどの収納 しゅうのう 空間 くうかん として利用 りよう されている。
前 ぜん 脚 あし 収納 しゅうのう 室 しつ
多 おお くの機体 きたい では機首 きしゅ の気象 きしょう レーダー を収納 しゅうのう しているレドーム のすぐ後 うし ろに前 ぜん 脚 あし 収納 しゅうのう 室 しつ を設 もう けている。前 ぜん 脚 あし 収納 しゅうのう 室 しつ は非 ひ 与 あずか 圧 あつ であるため、与 あずか 圧 あつ 壁 かべ によって強固 きょうこ に作 つく られている。
電子 でんし 機材 きざい 室 しつ
前方 ぜんぽう 床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ
一般 いっぱん に大型 おおがた 旅客機 りょかくき の客室 きゃくしつ 床下 ゆかした には左右 さゆう の翼 つばさ に挟 はさ まれる中央 ちゅうおう 部 ぶ を除 のぞ いた前後 ぜんご 2ヶ所 かしょ に床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ と呼 よ ばれる貨物 かもつ 室 しつ がある。貨物 かもつ 室 しつ には客席 きゃくせき に搭乗 とうじょう する旅客 りょかく の手荷物 てにもつ の他 ほか にも一般 いっぱん の航空 こうくう 貨物 かもつ が多 おお くがコンテナに収 おさ めて搭載 とうさい される。21世紀 せいき 現在 げんざい では広 こう 胴 どう 機 き のほとんどが専用 せんよう コンテナ やパレット 類 るい のユニット・ロード・デバイス (Unit Load Device, ULD) と呼 よ ばれる機材 きざい によって迅速 じんそく な積 つ みおろし作業 さぎょう が行 おこな われるようになっており、客室 きゃくしつ 床下 ゆかした という円形 えんけい 胴体 どうたい の約 やく 3分 ぶん の1ほどになるいびつな形状 けいじょう に合 あ わせて下面 かめん の一方 いっぽう が切 き り落 お とされたLD-3 と呼 よ ばれるコンテナが一般 いっぱん 的 てき に使用 しよう されている。多 おお くの機体 きたい では床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ の床 ゆか 面 めん には電動 でんどう の移送 いそう 装置 そうち が備 そな え付 つ けられており、地上 ちじょう の貨物 かもつ ローダー車両 しゃりょう と協力 きょうりょく して迅速 じんそく な作業 さぎょう が行 おこな える[ 注 ちゅう 41] 。2個 こ のLD-3コンテナは多 おお くの広 こう 胴 どう の旅客機 りょかくき では横 よこ に2列 れつ で搭載 とうさい でき、同 おな じ床 ゆか 面 めん の幅 はば である96×125インチのパレットも使 つか われることが多 おお い。細 ほそ 胴 どう 機 き ではULDが使用 しよう されることもあるが、多 おお くがバルクカーゴ として手作業 てさぎょう でばら積 づ みされており、1980年代 ねんだい からはスライディング・カーペット式 しき とよばれる工夫 くふう も取 と り入 い れられている。
過去 かこ の床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ での火災 かさい 事故 じこ に対処 たいしょ するために、1998年 ねん 以降 いこう はすべての床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ に火災 かさい 検知 けんち 器 き と消火 しょうか 装置 そうち の設置 せっち が義務付 ぎむづ けられた[ 注 ちゅう 42] 。
中央 ちゅうおう 燃料 ねんりょう タンク
中央 ちゅうおう 翼 つばさ 部分 ぶぶん は構造 こうぞう 部材 ぶざい によって床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ を前後 ぜんご に分断 ぶんだん せざるを得 え ない配置 はいち となるため、多 おお くが中央 ちゅうおう 翼 つばさ を中央 ちゅうおう 燃料 ねんりょう タンクとして使用 しよう しているが、長距離 ちょうきょり を飛 と ばない機種 きしゅ などでは、胴体 どうたい 内 ない に燃料 ねんりょう タンクを持 も たないものもある。
主 しゅ 脚 あし 収納 しゅうのう 室 しつ
中央 ちゅうおう 翼 つばさ の後 うし ろに主 しゅ 脚 あし が折 お りたたまれて収納 しゅうのう される非 ひ 与 あずか 圧 あつ の主 しゅ 脚 あし 収納 しゅうのう 室 しつ がある。
後方 こうほう 床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ
前方 ぜんぽう 床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ と同 おな じように使用 しよう されるが、ULDが使用 しよう できない尾 お 部 ぶ 近 ちか くの床 ゆか 面 めん が斜 なな めの貨物 かもつ 室 しつ 部分 ぶぶん はバルクカーゴ用 よう として使用 しよう されることが多 おお い。
タイヤ は地上 ちじょう では航空機 こうくうき の重量 じゅうりょう を支 ささ え、着陸 ちゃくりく 時 じ には内部 ないぶ の空気 くうき によって衝撃 しょうげき を緩和 かんわ するクッションとなり、路面 ろめん との摩擦 まさつ によって滑走 かっそう 中 ちゅう の制動 せいどう 力 りょく を生 う み出 だ す[ 注 ちゅう 43] 。旅客機 りょかくき 用 よう タイヤは内部 ないぶ に空気 くうき を詰 つ めたチューブレス・タイヤが使用 しよう される。空気圧 くうきあつ は乗用車 じょうようしゃ 等 とう の1.9 kg/cm2 程度 ていど に比 くら べて12.5 - 15.0 kg/cm2 ほどと高 たか く、内部 ないぶ のプライ数 すう も乗用車 じょうようしゃ 等 とう が4層 そう 程度 ていど であるのに対 たい して30層 そう 前後 ぜんこう になっている。路面 ろめん に接 せっ して磨耗 まもう するトレッド は規定 きてい に基 もと づいて複 ふく 数 すう 回 かい まで貼 は り直 なお す「再生 さいせい タイヤ」(リトレッド・タイヤ、Retread tire、リキャップ・タイヤ、Recap tire)の使用 しよう が認 みと められている[ 4] 。航空機 こうくうき 用 よう タイヤの本来 ほんらい の性能 せいのう が求 もと められるのは離着陸 りちゃくりく 時 じ のわずかな時間 じかん だけであり、飛行 ひこう 中 ちゅう は重 おも く空間 くうかん を占有 せんゆう するだけなので可能 かのう な限 かぎ り軽 かる く小 ちい さいことが求 もと められ、耐久 たいきゅう 性 せい の優先 ゆうせん 順位 じゅんい は高 たか くない。このため航空機 こうくうき 用 よう タイヤは比較的 ひかくてき 小 ちい さく済 す むように[ 注 ちゅう 44] 内圧 ないあつ が高 たか く設定 せってい されており、発熱 はつねつ の小 ちい さなゴムが用 もち いられ、トレッドの溝 みぞ は浅 あさ くゴムの使用 しよう 量 りょう が少 すく ない。トレッドの溝 みぞ が浅 あさ いために[ 注 ちゅう 45] 、平均 へいきん 的 てき 200 - 300回 かい 程度 ていど の離着陸 りちゃくりく サイクルで摩滅 まめつ によって溝 みぞ が浅 あさ くなるため、タイヤは交換 こうかん されて検査 けんさ 後 ご に新 あら たなトレッド面 めん が貼 は り付 づ けられ加 か 硫 されて5 - 6回 かい 程度 ていど は再生 さいせい 使用 しよう される。旧型 きゅうがた 機種 きしゅ ではバイアスタイヤが用 もち いられていたが、新型 しんがた 機種 きしゅ ではラジアルタイヤ が採用 さいよう されているので、航空機 こうくうき の入 い れ替 か わりに応 おう じて徐々 じょじょ にラジアル方式 ほうしき に切 き り替 か わつつある[ 18] [ 19] 。旅客機 りょかくき 用 よう タイヤは高空 こうくう 飛行 ひこう 中 ちゅう に外気 がいき により-50 ℃程度 ていど まで冷 ひ やされているが、着陸 ちゃくりく 時 じ には地面 じめん との摩擦 まさつ やタイヤ自身 じしん の変形 へんけい と内部 ないぶ 摩擦 まさつ によって最大 さいだい 200 ℃にまで加熱 かねつ される。このような場合 ばあい にタイヤ内部 ないぶ のカーカスと呼 よ ばれる補強 ほきょう 繊維 せんい 層 そう 内 ない の残留 ざんりゅう 空気 くうき が膨張 ぼうちょう してタイヤのゴム内部 ないぶ で剥離 はくり させるような力 ちから が生 しょう じる恐 おそ れがあるため、タイヤのサイドウォール部内 ぶない 周 しゅう 側 がわ 近 ちか くの6箇所 かしょ にガス抜 ぬ き用 よう に外部 がいぶ からカーカス層 そう まで達 たっ する針 はり 穴 あな が空 あ けられており、丸 まる いマークで示 しめ されている[ 20] 。
航空機 こうくうき 用 よう タイヤは温度 おんど 変化 へんか に応 おう じて膨 ふく らみ内 ない 圧 あつ が変化 へんか する。適正 てきせい な内圧 ないあつ であるかは随時 ずいじ 、専用 せんよう ゲージで確認 かくにん されねばならず、着陸 ちゃくりく 後 ご も通常 つうじょう 環境 かんきょう で2時間 じかん 以上 いじょう 、高温 こうおん 環境 かんきょう では3時間 じかん 以上 いじょう 経 た ってタイヤが冷 ひ えてから計 はか らねばならない[ 注 ちゅう 46] [ 4] 。
タイヤ内 ない 圧 あつ はタイヤ圧力 あつりょく 表示 ひょうじ 装置 そうち によってタイヤごとのひずみセンサーの情報 じょうほう が集 あつ められ、タイヤ圧力 あつりょく 監視 かんし 装置 そうち で処理 しょり されて操縦 そうじゅう 席 せき のEFISなどに表示 ひょうじ される。
主 しゅ 脚 あし のタイヤにはディスク・ブレーキ が備 そな わり、地上 ちじょう での滑走 かっそう 時 じ の制動 せいどう に使用 しよう される[ 注 ちゅう 47] 。離陸 りりく 中止 ちゅうし 時 じ や問題 もんだい のある着陸 ちゃくりく 時 じ などで高速 こうそく で運動 うんどう する機体 きたい を短距離 たんきょり で停止 ていし させようとすると、その運動 うんどう エネルギーの多 おお くがディスク・ブレーキのディスクやライニングでの過大 かだい な熱 ねつ となって放熱 ほうねつ され、周囲 しゅうい のタイヤやブレーキホースなどを損傷 そんしょう する危険 きけん がある。それぞれのブレーキ部 ぶ の温度 おんど をセンサーで捕 と らえて操縦 そうじゅう 席 せき に表示 ひょうじ するブレーキ温度 おんど 感知 かんち 装置 そうち が備 そな わっており、いくつかの機体 きたい ではこれに加 くわ えて、それぞれのタイヤホイール内 ない にファンと電動 でんどう モーターを備 そな え、操縦 そうじゅう 席 せき のスイッチ操作 そうさ で全 すべ てのファンが回転 かいてん してディスク・ブレーキに外気 がいき を当 あ てて冷 ひ やすブレーキ冷却 れいきゃく 装置 そうち を備 そな えるものがある。新 あたら しい機種 きしゅ ではそれぞれのタイヤ内 ない の圧力 あつりょく を常時 じょうじ 測定 そくてい して操縦 そうじゅう 席 せき に表示 ひょうじ するタイヤ圧力 あつりょく 表示 ひょうじ 装置 そうち を備 そな えるものもある。
ディスク・ブレーキは多 た 板 いた 型 がた に似 に たセグメンテッド・ロータ型 がた が多 おお い。
タイヤのブレーキはブレーキ・ペダル操作 そうさ を行 おこな っても着陸 ちゃくりく 進入 しんにゅう 途中 とちゅう では接地 せっち 保護 ほご 回路 かいろ によって働 はたら かないようにされており、接地 せっち の瞬間 しゅんかん にはタイヤは回転 かいてん する状態 じょうたい におかれる。
ブレーキにはアンチスキッド装置 そうち [ 注 ちゅう 48] が備 そな わっており、ホイール車軸 しゃじく の車軸 しゃじく 発電 はつでん 機 き が作 つく るホイール回転 かいてん 信号 しんごう と操縦 そうじゅう 席 せき のオートブレーキ制御 せいぎょ パネルの設定 せってい 情報 じょうほう 、スロットルの情報 じょうほう を受 う けて、ディスク・ブレーキを働 はたら かせる油圧 ゆあつ の調整 ちょうせい 弁 べん を制御 せいぎょ している。アンチスキッド装置 そうち はスクワット・スイッチ、またはWOWスイッチ (Weight-On-Wheel proximity Switch) と呼 よ ばれる機体 きたい 重量 じゅうりょう が車軸 しゃじく に掛 か かったのを検知 けんち するセンサーと車軸 しゃじく 発電 はつでん 機 き が24 - 35 km/h程度 ていど の信号 しんごう を出 だ すことで働 はたら きはじめる。
また、ブレーキをコントロールするオートブレーキ装置 そうち も備 そな わっている。オートブレーキ装置 そうち はブレーキ用 よう 油圧 ゆあつ 系統 けいとう 内 ない のスキッド制御 せいぎょ 弁 べん の上流 じょうりゅう 部 ぶ にあるオートブレーキ制御 せいぎょ 弁 べん でブレーキの働 はたら きを制御 せいぎょ している。オートブレーキ装置 そうち の制御 せいぎょ パネルは通常 つうじょう 、数 かず 段階 だんかい の設定 せってい が可能 かのう であり、滑走 かっそう 路 ろ の状況 じょうきょう などに応 おう じて着陸 ちゃくりく 前 まえ に設定 せってい しておくことで、機体 きたい が着陸 ちゃくりく してスロットル・レバーが全 ぜん 閉位置 いち に戻 もど されると同時 どうじ にタイヤのブレーキが設定 せってい された強度 きょうど で自動的 じどうてき に働 はたら くようになっている。スロットルを出力 しゅつりょく 増加 ぞうか 方向 ほうこう に動 うご かすか、主翼 しゅよく 上 じょう のスピードブレーキを収納 しゅうのう 位置 いち に戻 もど す、ブレーキペダルを踏 ふ む、オートブレーキ装置 そうち の制御 せいぎょ パネルのノブを解除 かいじょ 位置 いち にする、という操作 そうさ によって自動的 じどうてき にオートブレーキは解除 かいじょ され、マニュアル操作 そうさ に従 したが うようになる。
離陸 りりく 時 じ にはタイヤが機内 きない の格納 かくのう 位置 いち でしばらく空転 くうてん し続 つづ けて、何 なに も対処 たいしょ しなければ不快 ふかい な振動 しんどう が生 しょう じてしまう。主 しゅ 脚 あし はオートブレーキ装置 そうち が自動的 じどうてき に働 はたら いて回転 かいてん を止 と められるが、一般 いっぱん に前 ぜん 脚 あし にはブレーキが備 そな わっていないので、多 おお くの機種 きしゅ では前 ぜん 脚 あし 格納 かくのう 室 しつ の天井 てんじょう 部分 ぶぶん にタイヤと接 せっ する回転 かいてん 止 ど めが取 と り付 つ けられている[ 4] 。
旅客機 りょかくき 用 よう タイヤの例 れい [ 9]
747-400 (前 ぜん 脚 あし ・主 しゅ 脚 あし )
777-200 (主 しゅ 脚 あし )
MD-90 (主 しゅ 脚 あし )
タイヤサイズ (インチ)
49×19
50×20
44.5×16.5
プライ数 すう
32
26
26
タイヤ外 がい 径 みち (mm)
1,240
1,270
1,130
タイヤ幅 はば (mm)
480
510
417
空気圧 くうきあつ (kg/cm2 )
14.4
12.5
13.9
耐 たい 荷重 かじゅう (kg)
25,700
20,500
18,645
要求 ようきゅう 速度 そくど (km/時 どき )
380
380
380
機外 きがい 照明 しょうめい 1. 航空 こうくう 灯 とう - 翼 つばさ 端 はし 灯 とう (Navigation Lights L/R) 2. 航空 こうくう 灯 とう - 尾灯 びとう (Navigation Lights Tail) 3. 衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 灯 とう (Anti-collision Lights) 4. ロゴ灯 とう (Logo Lights)
機外 きがい 照明 しょうめい 1. 地上 ちじょう 滑走 かっそう 灯 とう (Taxi Lights) 2. 方向 ほうこう 指示 しじ 灯 とう (Turn-off Lights) 3. 着陸 ちゃくりく 灯 とう (Landing Lights) 4. 翼 つばさ 照明 しょうめい 灯 とう (Wing Lights)
照明 しょうめい 設備 せつび は機外 きがい 照明 しょうめい と機内 きない 照明 しょうめい に分 わ かれる。
機外 きがい 照明 しょうめい
機外 きがい 照明 しょうめい には航空 こうくう 灯 とう (ナビゲーション・ライト、Navigation Light、Position Light)、衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 灯 とう (アンチコリジョン・ライト、Anti-collision Light、Beacon Light)、着陸 ちゃくりく 灯 とう (ランディング・ライト、Landing Light)、着 ちゃく 氷 ごおり 監視 かんし 灯 とう がある。航空 こうくう 灯 とう 、衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 灯 とう 、着陸 ちゃくりく 灯 とう 、着 ちゃく 氷 ごおり 監視 かんし 灯 とう は装備 そうび が義務付 ぎむづ けられている。航空 こうくう 灯 とう は船舶 せんぱく の舷灯 げんとう と同 おな じく右翼 うよく 端 はし が緑色 みどりいろ で左翼 さよく 端 はし が赤色 あかいろ の前方 ぜんぽう から左 ひだり または右 みぎ に110度 ど 、尾 お 部 ぶ が白色 はくしょく で左右 さゆう に70度 ど ずつ140度 ど 方向 ほうこう に常時 じょうじ 点灯 てんとう させる。衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 灯 とう は機体 きたい の上部 じょうぶ と下部 かぶ に備 そな わり、水平 すいへい から上方 かみがた または下方 かほう へ30度 ど の角度 かくど で全 ぜん 周囲 しゅうい へ向 む け、80-90回 かい /秒 びょう の回転 かいてん 式 しき 点滅 てんめつ か70回 かい /秒 びょう のフラッシュ式 しき 点滅 てんめつ になっている[ 注 ちゅう 49] 。着陸 ちゃくりく 灯 とう は前方 ぜんぽう 11度 ど の範囲 はんい を照 て らし出 だ す。その他 た にも地上 ちじょう 滑走 かっそう 灯 とう (タキシーライト)、翼 つばさ 照明 しょうめい 灯 とう 、方向 ほうこう 指示 しじ 灯 とう 、翼 つばさ 上 じょう 非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう 灯 とう などがある。
機内 きない 照明 しょうめい
機内 きない 照明 しょうめい は操縦 そうじゅう 室 しつ 、客室 きゃくしつ 、その他 た の照明 しょうめい がある。客室 きゃくしつ の照明 しょうめい は天井 てんじょう 灯 とう 、読書 どくしょ 灯 とう 、窓 まど 灯 とう 、壁面 へきめん 灯 とう 、階段 かいだん 灯 とう 、出入口 でいりぐち 灯 とう 、緊急 きんきゅう 避難 ひなん 用 よう 誘導 ゆうどう 灯 とう がある[ 17] [ 16] 。
与 あずか 圧 あつ 装置 そうち ・空調 くうちょう 装置 そうち
気圧 きあつ が低 ひく い高空 こうくう を飛行 ひこう する機体 きたい では、乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく に快適 かいてき で安全 あんぜん な環境 かんきょう を提供 ていきょう するために人員 じんいん が乗 の る機内 きない の空気 くうき の圧力 あつりょく を外気 がいき より高 たか めに維持 いじ する必要 ひつよう がある。このため、機体 きたい 全体 ぜんたい が圧力 あつりょく に耐 た えられる構造 こうぞう となっており、搭乗 とうじょう 口 こう にはシールが、機体 きたい の継 つ ぎ目 め にはシーリングコンパウンドが塗 ぬ られている。この与 あずか 圧 あつ は高度 こうど 12,000 mで周囲 しゅうい が0.19気圧 きあつ でも機内 きない は高度 こうど 2,400 m程度 ていど や1,500 m程度 ていど [ 注 ちゅう 50] に相当 そうとう する気圧 きあつ に保 たも たれる[ 注 ちゅう 51] 。与 あずか 圧 あつ と同時 どうじ に内部 ないぶ の空気 くうき は少 すこ しずつ入 い れ替 か えられ、操縦 そうじゅう 室 しつ は2 - 3分 ふん で、客室 きゃくしつ は3 - 4分 ふん ですべてが入 い れ替 か わる量 りょう が機外 きがい から取 と り込 こ まれて排出 はいしゅつ される。機外 きがい の空気 くうき は高度 こうど 10,000 mではマイナス40 - 50 ℃と冷 つめ たいため、ジェットエンジンの圧縮 あっしゅく 機 き からの抽気を[ 注 ちゅう 52] 流量 りゅうりょう 調節 ちょうせつ 弁 べん で加減 かげん しながら空気 くうき 調和 ちょうわ 装置 そうち とも呼 よ ばれるエアサイクル空調 くうちょう 装置 そうち に導 みちび き、内部 ないぶ のタービンを回 まわ すことや低圧 ていあつ 段 だん からの抽気や外気 がいき と混合 こんごう することで温度 おんど を下 さ げてから除 じょ 湿 しめ を行 おこな い、ダクトで機内 きない 各部 かくぶ の天井 てんじょう 部 ぶ から送風 そうふう している。排気 はいき は床 ゆか の左右 さゆう からダクトで集 あつ められ、与 あずか 圧 あつ 調整 ちょうせい のために流量 りゅうりょう 調節 ちょうせつ 弁 べん (アウトフローバルブ)で加減 かげん しながら機外 きがい に放出 ほうしゅつ されるが、1980年代 ねんだい からはエアフィルタを通 とお した機内 きない の再 さい 循環 じゅんかん 空気 くうき を送風 そうふう 量 りょう の1/3 - 1/2程度 ていど 混 ま ぜることでエンジン抽気で失 うしな われるエネルギー量 りょう を減 へ らしている。また、内圧 ないあつ より外圧 がいあつ が高 たか くなると機体 きたい の強度 きょうど が低下 ていか するので、与 あずか 圧 あつ 装置 そうち の故障 こしょう 時 じ でも安全 あんぜん のためにセーフティバルブとダンプバルブで常 つね に内外 ないがい の圧力 あつりょく 差 さ が逆転 ぎゃくてん しないようになっている。21世紀 せいき 現在 げんざい では、空気圧 くうきあつ 供給 きょうきゅう 、与 あずか 圧 あつ 空気 くうき 系統 けいとう 、防除 ぼうじょ 氷 ごおり 系統 けいとう をまとめてECS(環境 かんきょう 制御 せいぎょ 系統 けいとう )と呼 よ ばれる。バイパス比 ひ の高 たか いジェットエンジンでは抽気による損失 そんしつ が大 おお きくなるため、新型 しんがた 旅客機 りょかくき では抽気を用 もち いずに与 あずか 圧 あつ 用 よう の電動 でんどう の空気 くうき 圧縮 あっしゅく 機 き を持 も つものもある[ 注 ちゅう 53] 。また、搭載 とうさい している電子 でんし 装置 そうち 類 るい の冷却 れいきゃく も空調 くうちょう 装置 そうち の重要 じゅうよう な仕事 しごと である[ 13] 。
発電 はつでん 機 き と電気 でんき 系統 けいとう
エンジン補 ほ 機 き [ 注 ちゅう 54] の交流 こうりゅう 式 しき 発電 はつでん 機 き によって作 つく られた115 V、または200 Vで400 Hzの三 さん 相 そう 交流 こうりゅう の電力 でんりょく は、電力 でんりょく コントロールセンターに集 あつ められ、一部 いちぶ が直流 ちょくりゅう 28 Vに変換 へんかん されて配電 はいでん される[ 注 ちゅう 55] [ 注 ちゅう 56] 。21世紀 せいき の旅客機 りょかくき では発電 はつでん 電力 でんりょく の半分 はんぶん 近 ちか くがギャレーでの加熱 かねつ 調理 ちょうり や食品 しょくひん 冷蔵 れいぞう に消費 しょうひ される。大型 おおがた 機 き では交流 こうりゅう の主 しゅ 電力 でんりょく から直流 ちょくりゅう 28 Vへ変換 へんかん し、瞬 まどか 停 とま を避 さ けるために無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち (UPS) を経由 けいゆ して航法 こうほう 装置 そうち 類 るい に給電 きゅうでん している。小型 こがた のプロペラ機 き では主 しゅ 電源 でんげん を直流 ちょくりゅう 28 Vとしており、ジェットエンジンを積 つ んだリージョナル機 き でも同様 どうよう のものがある。高 こう 圧 あつ 空気 くうき によるスターターを持 も つエンジンでも、発電 はつでん 機 き を始動 しどう 用 よう モーターとして使用 しよう できるものがある[ 16] 。電気 でんき 系統 けいとう は多重 たじゅう 化 か されている。危険 きけん 防止 ぼうし や燃料 ねんりょう 節約 せつやく や装置 そうち の劣化 れっか 防止 ぼうし といった経済 けいざい 的 てき 理由 りゆう に加 くわ えて騒音 そうおん を避 さ けるの意味 いみ からも、機体 きたい が地上 ちじょう で停止 ていし している間 あいだ はできるだけ推進 すいしん エンジンを停止 ていし するようになっている。機内 きない で必要 ひつよう な電力 でんりょく は主 しゅ たるエンジンが停止 ていし してもAPUによって必要 ひつよう 最小限 さいしょうげん の電力 でんりょく が供給 きょうきゅう 可能 かのう であるが、APUもまた主 しゅ エンジンと同様 どうよう の理由 りゆう によって停止 ていし される傾向 けいこう があり、空港 くうこう 施設 しせつ から太 ふと いケーブルを接続 せつぞく されて電力 でんりょく 供給 きょうきゅう を受 う けるGPUと呼 よ ばれる方法 ほうほう が用 もち いられる。GPUのケーブル接続 せつぞく 部 ぶ には短 みじか い端子 たんし が1本 ほん あり、GPU電力 でんりょく 線 せん の端子 たんし が奥 おく まで進 すす んで接続 せつぞく が安定 あんてい した後 のち でこの端子 たんし により機体 きたい 内 ない のグランド・パワー・リレーが電力 でんりょく 系統 けいとう を切 き り替 か えることで、端子 たんし 部 ぶ でのスパークを避 さ けるようになっている。多重 たじゅう 化 か された電気 でんき 系統 けいとう には、それぞれにサーキット・ブレーカー 、逆 ぎゃく 潮流 ちょうりゅう 防止 ぼうし 装置 そうち (発電 はつでん 機 き への電力 でんりょく 流入 りゅうにゅう を検出 けんしゅつ し阻止 そし する)、フューズ が付 つ いており、故障 こしょう に備 そな えて主 しゅ エンジンとAPUの発電 はつでん 機 き とGPUという電源 でんげん からの入力 にゅうりょく を、それぞれ任意 にんい の電力 でんりょく 系統 けいとう に切 き り替 か えられるようになっている[ 17] 。
オイルポンプと油圧 ゆあつ 系統 けいとう
主 おも にエンジン補 ほ 機 き のオイルポンプ (Hydraulic Pump) により3,000 psi (20.7 MPa )ほどに加圧 かあつ された駆動 くどう 油 ゆ はアキュムレータ (Accumulator、蓄圧 ちくあつ 器 き )[ 注 ちゅう 57] を持 も つ油圧 ゆあつ 配管 はいかん (Pressure line) を通 つう じて機内 きない の各部 かくぶ の油圧 ゆあつ 駆動 くどう を必要 ひつよう とする装置 そうち へと送 おく られ、切 き り替 か え弁 べん (Selector valve) や供給 きょうきゅう 開閉 かいへい 弁 べん (Supply shut-off valve) の操作 そうさ によってアクチュエータ(Actuator、作動 さどう 筒 とう )を押 お し動 うご かす。圧力 あつりょく の下 さ がった油 あぶら はフィルタを経由 けいゆ してリザーバタンク(作動 さどう 油 ゆ タンク、Hydraulic oil reservoir)へと戻 もど されて、オイルポンプへ供給 きょうきゅう される。リザーバタンクはオイルポンプへの供給 きょうきゅう がスムースになるように2–3気圧 きあつ ほどの空気圧 くうきあつ が掛 か けられている。油圧 ゆあつ 配管 はいかん の要所 ようしょ にチェックバルブ(Check valve、逆流 ぎゃくりゅう 防止 ぼうし 弁 べん )と呼 よ ばれる片方向 かたほうこう だけ流 なが す弁 べん が備 そな えられ、通常 つうじょう は油圧 ゆあつ 配管 はいかん 内 ない の圧力 あつりょく は調 しらべ 圧 あつ 器 き (Pressure regulator) によって一定 いってい の圧力 あつりょく に維持 いじ されるが、不具合 ふぐあい によって配管 はいかん 内 ない の圧力 あつりょく が規定 きてい 圧 あつ を越 こ えると、逃 に がし弁 べん (Relief valve) から作動 さどう 油 ゆ を逃 に がす仕組 しく みになっている。油圧 ゆあつ の配管 はいかん は複数 ふくすう の系統 けいとう に分 わ かれていて、複数 ふくすう のエンジンごとに備 そな わる油圧 ゆあつ ポンプの他 ほか に、交流 こうりゅう モーター駆動 くどう や高 こう 圧 あつ 空気 くうき 系統 けいとう によって駆動 くどう される油圧 ゆあつ ポンプなどの多数 たすう のポンプによって加圧 かあつ されるなど、冗長 じょうちょう 性 せい を得 え るために多重 たじゅう 化 か されている[ 21] [ 8] 。作動 さどう 油 ゆ は一般 いっぱん に燐酸 りんさん エステル系 けい の合成 ごうせい 油 ゆ が使用 しよう され、薄 うす い紫色 むらさきいろ に着色 ちゃくしょく されている[ 9] 。
圧縮 あっしゅく 空気 くうき 系統 けいとう
圧縮 あっしゅく 空気 くうき 系統 けいとう はニューマチック・システム (Pneumatic system) とも呼 よ ばれ、エンジン圧縮 あっしゅく 機 き から抽気した高 こう 圧 あつ 高温 こうおん の空気 くうき やAPUから生 う み出 だ された圧縮 あっしゅく 空気 くうき は、複数 ふくすう のマニホールドに集 あつ められ、配管 はいかん によって与 あずか 圧 あつ 空調 くうちょう 装置 そうち や空気圧 くうきあつ 駆動 くどう 式 しき の油圧 ゆあつ ポンプといった機体 きたい 各部 かくぶ の装置 そうち へ分配 ぶんぱい される[ 注 ちゅう 58] 。エンジンからの抽気は推進 すいしん 力 りょく を減 へ らして燃費 ねんぴ の悪化 あっか を招 まね くため、21世紀 せいき 現在 げんざい では従来 じゅうらい よりも抽気量 りょう を減 へ らすように務 つと めており、機内 きない 空調 くうちょう 与 あずか 圧 あつ 系 けい や防除 ぼうじょ 氷 ごおり 系 けい では発電 はつでん 機 き による電力 でんりょく の使用 しよう によって賄 まかな われる傾向 けいこう がある[ 14] [ 注 ちゅう 59] 。
燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 系統 けいとう
燃料 ねんりょう タンク内 ない では上空 じょうくう を飛行 ひこう 中 ちゅう は機外 きがい 温度 おんど がマイナス30 - 50 ℃にもなるため、何 なに も対策 たいさく を講 こう じなければ燃料 ねんりょう 内 ない にわずかに含 ふく まれる水 みず が析出 せきしゅつ して氷 こおり となり、燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 系統 けいとう 内 ない の狭 せま 部 ぶ を詰 つ まらせる恐 おそ れがある。これを防 ふせ ぐために燃料 ねんりょう タンク内 ない にはエンジン圧縮 あっしゅく 機 き の高 こう 圧 あつ 段 だん からの抽気による温風 おんぷう 等 とう を通 とお すパイプがあり、概 おおむ ね10 ℃程度 ていど より冷 ひ えないように保温 ほおん されている。
燃料 ねんりょう タンク内 ない には気化 きか した燃料 ねんりょう ガスが含 ふく まれるため、小 ちい さな火花 ひばな も生 しょう じないように配慮 はいりょ される。落雷 らくらい を受 う けた場合 ばあい でも、翼 つばさ の構造 こうぞう 全体 ぜんたい に良好 りょうこう な導電性 どうでんせい を持 も たせて等 とう 電位 でんい とすることでアーク放電 ほうでん の発生 はっせい を避 さ けるように設計 せっけい されている。内部 ないぶ 点検 てんけん 用 よう のマンホールも周辺 しゅうへん 部 ぶ と導 しるべ 電 でん され、内面 ないめん に出 で るボルト類 るい の先端 せんたん にも金属 きんぞく 製 せい のドーム[ 注 ちゅう 60] が取 と り付 つ けられる[ 2] 。
タンク内 ない には隅 すみ の4箇所 かしょ ほどに静 しずか 電 でん 容量 ようりょう 型 がた の油 あぶら 量 りょう 計 けい が備 そな えられることが多 おお い[ 注 ちゅう 61] [ 13] 。
各 かく 燃料 ねんりょう タンクからは燃料 ねんりょう ポンプ によって圧力 あつりょく が加 くわ えられ、燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 管 かん やフィルタ、多数 たすう のバルブを経由 けいゆ して主 しゅ エンジンとAPUに供給 きょうきゅう される。翼 つばさ 内 ない タンクの燃料 ねんりょう はそれぞれ近 ちか くの主 しゅ エンジンの燃料 ねんりょう ポンプや翼 つばさ 内 ない 底部 ていぶ 付近 ふきん のブーストポンプによってエンジンへ供給 きょうきゅう することが標準 ひょうじゅん 的 てき である。中央 ちゅうおう 翼 つばさ 内 ない や尾翼 びよく 内 ない の燃料 ねんりょう や、不 ふ 均等 きんとう に消費 しょうひ された翼 つばさ 内 ない 燃料 ねんりょう などは、各 かく タンクのブーストポンプによってクロスフィード・マニホールドを経由 けいゆ して必要 ひつよう なエンジンに供給 きょうきゅう され、必要 ひつよう ならば、タンク間 あいだ での移送 いそう や、空中 くうちゅう 投棄 とうき のためのベントサージ・タンクへの移動 いどう に使用 しよう される。各 かく タンクへの入口 いりくち には遮断 しゃだん 弁 べん が備 そな わり、手動 しゅどう 操作 そうさ に加 くわ えて所定 しょてい のレベルに達 たっ すると閉鎖 へいさ されるようになっている。空港 くうこう における地上 ちじょう 施設 しせつ からの給油 きゅうゆ 方式 ほうしき では、地下 ちか の送 おく 油 あぶら 管 かん を経由 けいゆ して主翼 しゅよく 下面 かめん の給油 きゅうゆ 口 こう に丈夫 じょうぶ なホースを幾 いく 本 ほん か接続 せつぞく し、50 psi (344.7 kPa)の圧 あつ で数 すう 十 じゅう 分 ふん という短時間 たんじかん の内 うち に大量 たいりょう に加圧 かあつ 給油 きゅうゆ されるため、急激 きゅうげき な給油 きゅうゆ 停止 ていし はウォーターハンマー 現象 げんしょう を起 お こして危険 きけん となる。このため燃料 ねんりょう の流 なが れの変更 へんこう は緩 ゆる やかに行 おこな われる様 よう に、給油 きゅうゆ 車両 しゃりょう 側 がわ でコントロールされている。
APU
APU(Auxiliary Power Unit、補助 ほじょ 動力 どうりょく 装置 そうち )は主 おも に機 き が地上 ちじょう に駐 ちゅう 機 き している間 あいだ の動力 どうりょく 源 げん として使用 しよう される。ジェット旅客機 りょかくき のAPUは小型 こがた のガスタービン・エンジンであり、大型 おおがた 旅客機 りょかくき では尾 お 部 ぶ のテールコーン(テイル・ブームとも呼 よ ばれる)内 ない に防火 ぼうか 壁 かべ と共 とも に備 そな えられることが多 おお いが、主 しゅ 脚 あし 格納 かくのう 部 ぶ に持 も つ機体 きたい もある。また火災 かさい に備 そな えて消火 しょうか システムが備 そな わっている。小型 こがた 旅客機 りょかくき ではピストン・エンジン式 しき (=レシプロ式 しき )のAPUを持 も つものもあるが、ジェット式 しき と同様 どうよう に機上 きじょう のバッテリーで起動 きどう させて主 しゅ たるエンジンの燃料 ねんりょう を共用 きょうよう することで運転 うんてん される。レシプロ機 き のAPUは電力 でんりょく を供給 きょうきゅう し、ジェット機 じぇっとき では電力 でんりょく と圧縮 あっしゅく 空気 くうき 動力 どうりょく を供給 きょうきゅう する。旅客機 りょかくき は空港 くうこう のエプロンで駐 ちゅう 機 き している間 あいだ は、推進 すいしん 力 りょく となるエンジンを停止 ていし して無駄 むだ な燃料 ねんりょう 消費 しょうひ や疲労 ひろう を抑 おさ え、付近 ふきん の人 ひと や物 ぶつ を捲 ま き込 こ んだり吹 ふ き飛 と ばしたりする事故 じこ を避 さ けることが一般 いっぱん 的 てき である。乗客 じょうきゃく の乗降 じょうこう 時 じ や機内 きない 清掃 せいそう などでは機内 きない 照明 しょうめい や空調 くうちょう が必要 ひつよう であり、燃料 ねんりょう 給油 きゅうゆ 作業 さぎょう や装置 そうち 類 るい の点検 てんけん 整備 せいび 、次 つぎ の飛行 ひこう 経路 けいろ 設定 せってい などでも電力 でんりょく は必要 ひつよう である。以後 いご はガスタービン式 しき のAPUについて説明 せつめい する。推進 すいしん 用 よう エンジンが停止 ていし している間 あいだ は、空港 くうこう からのGPUと呼 よ ばれる電源 でんげん 線 せん で電力 でんりょく 供給 きょうきゅう を受 う ける他 ほか にも、APUを動 うご かして発電 はつでん 機 き を回 まわ すことで電力 でんりょく を得 え ることが可能 かのう になっており、また、乗客 じょうきゃく の搭乗 とうじょう が済 す んでエプロンから離 はな れる時点 じてん ではAPUから圧縮 あっしゅく 空気 くうき が作 つく られるので、GPUの接続 せつぞく を切 き ってから推進 すいしん 用 よう のジェットエンジンの始動 しどう にも活用 かつよう されている。地上 ちじょう のGPUから電力 でんりょく を受 う ける事 こと でAPUを全 まった く使 つか わず済 す ますことも可能 かのう であり、その場合 ばあい の停止 ていし した推進 すいしん 用 よう ジェットエンジンの始動 しどう は地上 ちじょう の専用 せんよう 車 しゃ からの高 こう 圧 あつ 空気 くうき によって始動 しどう されることも行 おこな われる。APUは緊急 きんきゅう 時 じ には飛行 ひこう 中 ちゅう でも使用 しよう が可能 かのう である。非 ひ 常用 じょうよう 電源 でんげん としてバッテリーも搭載 とうさい されている。ジェット式 しき のAPUは、同軸 どうじく 軸 じく 流 りゅう 式 しき (シングルスプール軸 じく 流 りゅう 式 しき )、同軸 どうじく 遠心 えんしん 式 しき (シングルスプール遠心 えんしん 式 しき )、2軸 じく 式 しき (ダブルスプール式 しき )、フリータービン式 しき (バリアブルロード・インレットベーン型 がた )の3形式 けいしき が用 もち いられており、このうち2軸 じく 式 しき では低圧 ていあつ 圧縮 あっしゅく 機 き が軸 じく 流 りゅう 式 しき で高 こう 圧 あつ 圧縮 あっしゅく 機 き が遠心 えんしん 式 しき となっており、機内 きない 供給 きょうきゅう 用 よう の空気 くうき 圧縮 あっしゅく 機 き はガス・ジェネレータ側 がわ とは別 べつ にフリータービンによって駆動 くどう され、空気 くうき 取 と り入 い れ口 こう も別 べつ に備 そな える。APUの起動 きどう と定常 ていじょう 運転 うんてん 、停止 ていし に関 かか わるすべての制御 せいぎょ は自動 じどう 化 か されており、異常 いじょう 燃焼 ねんしょう や回転 かいてん 異常 いじょう 、滑 すべり 油 ゆ の異常 いじょう 、空気 くうき 取 と り入 い れ口 こう の異常 いじょう 、APUの火災 かさい 、空気 くうき 動力 どうりょく 源 げん 配管 はいかん の破損 はそん 、蓄電池 ちくでんち の異常 いじょう 、コントロール信号 しんごう の喪失 そうしつ などを検知 けんち すると、設定 せってい に応 おう じて自動 じどう 停止 ていし や警告 けいこく 灯 とう の点灯 てんとう による手動 しゅどう 停止 ていし が行 おこな われる。起動 きどう はAPU制御 せいぎょ 装置 そうち へのDC電流 でんりゅう の供給 きょうきゅう によって始 はじ まり、APUへの燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 系 けい を開 ひら き空気 くうき 取 と り入 い れ口 こう ・排出 はいしゅつ 口 こう を開 ひら く。次 つぎ にスタータ・モーターによって駆動 くどう され回転 かいてん を始 はじ める。定常 ていじょう 回転 かいてん 数 すう の10 %ほどに達 たっ したところで滑 すべり 油圧 ゆあつ 力 りょく が正常 せいじょう ならばイグニッションを作動 さどう させ燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ を開始 かいし する。燃料 ねんりょう への点火 てんか と回転 かいてん 数 すう の上昇 じょうしょう を確認 かくにん する。回転 かいてん 数 すう が50 %に達 たっ すればスタータ・モータを切 き り離 はな す。回転 かいてん 数 すう が95 %になれば電力 でんりょく の発電 はつでん と圧縮 あっしゅく 空気 くうき の供給 きょうきゅう が可能 かのう となり、イグニッションは切 き られて、やがて定常 ていじょう 運転 うんてん に移行 いこう する。APUが定常 ていじょう 運転 うんてん に移行 いこう すると自動的 じどうてき に主 しゅ 燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう 系 けい の特定 とくてい の燃料 ねんりょう ポンプが作動 さどう して、主翼 しゅよく 付近 ふきん のAPU用 よう のDCモータ式 しき 燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう ポンプは停止 ていし される。APUの停止 ていし は燃料 ねんりょう 供給 きょうきゅう を遮断 しゃだん して回転 かいてん 数 すう が50 %になれば空気 くうき 取 と り入 い れ口 こう ・排出 はいしゅつ 口 こう が閉 と じられる。APUから供給 きょうきゅう される圧縮 あっしゅく 空気 くうき 用 よう のダクトは機体 きたい を貫 つらぬ き、これが破損 はそん すると与 あずか 圧 あつ 装置 そうち や機体 きたい 構造 こうぞう に影響 えいきょう するため、ダクトに沿 そ って多数 たすう の温度 おんど 検知 けんち 器 き が配 はい され、漏洩 ろうえい を検知 けんち する。APUの燃料 ねんりょう はジェットエンジンと共用 きょうよう しており、APU用 よう 燃料 ねんりょう 配管 はいかん 系 けい は胴体 どうたい 部 ぶ 後半 こうはん を貫 つらぬ いていて、万一 まんいち の燃料 ねんりょう 漏 も れに備 そな えて、この配管 はいかん はシュラウドと呼 よ ばれる管内 かんない に収 おさ められシュラウド・ドレインによって機外 きがい へ投棄 とうき される。APUは空港 くうこう などに駐 ちゅう 機 き している間 あいだ など、操縦 そうじゅう 席 せき で監視 かんし されない状態 じょうたい でも運転 うんてん されるため、異常 いじょう 事態 じたい に備 そな えて機体 きたい 下部 かぶ の車輪 しゃりん 格納 かくのう 室 しつ 壁面 へきめん などに地上 ちじょう 用 よう 操作 そうさ パネルが備 そな わり、非常 ひじょう 停止 ていし と消火 しょうか 剤 ざい の噴射 ふんしゃ 操作 そうさ が行 おこな える[ 13] 。
機内 きない 通話 つうわ システム
機内 きない での音声 おんせい 通話 つうわ や客席 きゃくせき への案内 あんない 放送 ほうそう 用 よう に機内 きない 通話 つうわ システムが備 そな わっている。乗務 じょうむ 員 いん 同士 どうし でのインタホンでの通話 つうわ や機外 きがい との無線 むせん 交信 こうしん のためのヘッドセットは差込 さしこみ 口 こう が共通 きょうつう 化 か されている。フライト・インタホンは操縦 そうじゅう 士 し と客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん との会話 かいわ 回線 かいせん や無線 むせん 機 き との接続 せつぞく に用 もち いられ、各 かく 配線 はいせん はオーディオ・セレクト・パネルで接続 せつぞく が切 き り替 か えられる。サービス・インタホンは客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん 同士 どうし や操縦 そうじゅう 室 しつ と客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん 、操縦 そうじゅう 室 しつ と地上 ちじょう 整備 せいび 員 いん との会話 かいわ に用 もち いられる。メンテナンス・インタホンは機体 きたい 各所 かくしょ に差込 さしこみ 口 こう だけが設 もう けられており、主 おも に地上 ちじょう での整備 せいび の時 とき に作業 さぎょう 者 しゃ などがヘッドセットのプラグを差 さ し込 こ むことで使用 しよう される。メンテナンス・インタホンは地上 ちじょう ではサービス・インタホンと接続 せつぞく 可能 かのう になっている機種 きしゅ が多 おお い。拡声 かくせい 放送 ほうそう システムは客室 きゃくしつ へ機内 きない 放送 ほうそう を行 おこな うシステムである。乗降 じょうこう 時 じ などでは音楽 おんがく が放送 ほうそう され、客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん からの安全 あんぜん 説明 せつめい や案内 あんない にも使用 しよう される。操縦 そうじゅう 士 し からの放送 ほうそう が優先 ゆうせん され、次 つぎ に客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん からの放送 ほうそう となり、音楽 おんがく 放送 ほうそう はこれらの信号 しんごう がない時 とき に放送 ほうそう 可能 かのう となる[ 16] 。
民間 みんかん 航空機 こうくうき の非 ひ 常用 じょうよう 設備 せつび は規定 きてい によって細 こま かな点 てん まで定 さだ められている[ 注 ちゅう 62] 。
非常口 ひじょうぐち
乗客 じょうきゃく 用 よう 非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう の数 かず は乗客 じょうきゃく 定員 ていいん 数 すう とそれぞれの非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう の大 おお きさで規定 きてい されている。乗客 じょうきゃく 定員 ていいん 44名 めい 以上 いじょう では乗務 じょうむ 員 いん を含 ふく めた最大 さいだい 定員 ていいん の全員 ぜんいん が90秒 びょう 以内 いない で安全 あんぜん に脱出 だっしゅつ できることが実際 じっさい のテストで証明 しょうめい される必要 ひつよう がある。
非常口 ひじょうぐち の内側 うちがわ には開 ひら いた時 とき に展 てん 張 はり する救命 きゅうめい いかだ兼用 けんよう の緊急 きんきゅう 脱出 だっしゅつ スライド (スライド・シュート)が備 そな わっており、飛行 ひこう 中 ちゅう はドアの開放 かいほう と同時 どうじ に自動的 じどうてき に展 てん 張 はり するように設定 せってい されている[ 注 ちゅう 63] 。離陸 りりく 時 じ に機内 きない アナウンスされる「乗務 じょうむ 員 いん はドアモードをオートマチックに変更 へんこう してください」がこの操作 そうさ を意味 いみ している。
緊急 きんきゅう 時 じ に機内 きない の照明 しょうめい が消 き えた場合 ばあい には床 ゆか の通路 つうろ に埋 う め込 こ まれた誘導 ゆうどう 灯 とう が点灯 てんとう する[ 17] 。
酸素 さんそ マスク
高空 こうくう で機体 きたい の与 あずか 圧 あつ が失 うしな われる[ 注 ちゅう 64] と機内 きない は減圧 げんあつ する。乗客 じょうきゃく のための酸素 さんそ マスクは座席 ざせき の上部 じょうぶ から自動的 じどうてき に降 お りてくるようになっている[ 注 ちゅう 65] 。乗員 じょういん 用 よう には携帯 けいたい できるように小型 こがた ボンベ式 しき [ 注 ちゅう 66] や化学 かがく 式 しき の酸素 さんそ マスクが用意 ようい されている。客室 きゃくしつ 用 よう は主 おも に酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち (または酸素 さんそ ボンベ)[ 注 ちゅう 67] と減圧 げんあつ 装置 そうち や配管 はいかん 、これらの手動 しゅどう や自動 じどう 式 しき の制御 せいぎょ 装置 そうち が必要 ひつよう である。旅客機 りょかくき では減圧 げんあつ 時 じ には酸素 さんそ レベルの十分 じゅうぶん な高度 こうど まで緊急 きんきゅう 降下 こうか することになっており、それほど長 なが い時間 じかん 、酸素 さんそ マスクが必要 ひつよう になる事態 じたい は想定 そうてい されていない。酸素 さんそ 吸入 きゅうにゅう 装置 そうち と接続 せつぞく 口 こう の総数 そうすう は座席 ざせき 数 すう より10 %以上 いじょう 多 おお くなければならない[ 8] 。
ライフジャケット
保 ほ 命 いのち 装具 そうぐ として乗客 じょうきゃく 用 よう のライフジャケットが座席 ざせき の下 した に用意 ようい されている。
緊急 きんきゅう 脱出 だっしゅつ 装置 そうち /救命 きゅうめい いかだ/救命 きゅうめい 装備 そうび 品 ひん
シューターなどと呼 よ ばれる脱出 だっしゅつ 用 よう の滑 すべ り台 だい が客室 きゃくしつ すべてのドアの内側 うちがわ に格納 かくのう されていて、緊急 きんきゅう 時 じ にはドアを開 あ けると同時 どうじ にガスが注入 ちゅうにゅう されて展 てん 張 はり して使用 しよう 可能 かのう な状態 じょうたい になるよう設計 せっけい されている。大型 おおがた 機 き のシューターはそのまま救命 きゅうめい いかだとしても機能 きのう するものが多 おお く、小型 こがた 機 き ではシューターとは別 べつ に救命 きゅうめい いかだを備 そな えるものが多 おお い[ 14] 。
温度 おんど 感知 かんち 器 き ・煙 けむり 感知 かんち 器 き
機内 きない の要所 ようしょ に温度 おんど 感知 かんち 器 き と煙 けむり 感知 かんち 器 き が取 と り付 つ けられており、操縦 そうじゅう 席 せき に警報 けいほう が伝 つた えられる。
消火 しょうか 器 き ・消火 しょうか システム
操縦 そうじゅう 席 せき やギャレーには携帯 けいたい 式 しき の消火 しょうか 器 き が置 お かれ、エンジン、APU、脚 あし 格納 かくのう 室 しつ 、貨物 かもつ 室 しつ にはそれぞれの専用 せんよう 消火 しょうか システムが備 そな えられている[ 17] 。
エンジン消火 しょうか システム
エンジン火災 かさい に備 そな えて、フレオン 粉 こな といったエンジン用 よう 消火 しょうか 材 ざい が2本 ほん ほどの与 あずか 圧 あつ 容器 ようき に詰 つ められ、操縦 そうじゅう 席 せき からの操作 そうさ で0.5–2秒 びょう ほどが2回 かい 程度 ていど エンジン内 ない 上部 じょうぶ から噴射 ふんしゃ できるようになっている。
コックピット・ボイス・レコーダー/デジタル・フライト・データ・レコーダー
通称 つうしょう 「ブラックボックス 」。コックピット・ボイス・レコーダー (CVR) は操縦 そうじゅう 室 しつ 内 ない の音声 おんせい を30分 ふん から2時 じ 間 あいだ ほど常時 じょうじ 上書 うわが きしている。デジタル・フライト・データ・レコーダー (DFDR) はデジタル信号 しんごう で飛行 ひこう データや操作 そうさ を25から数 すう 百 ひゃく 時 じ 間 あいだ ほど記録 きろく している。共 とも に目立 めだ つようにオレンジ色 しょく に塗 ぬ られた頑丈 がんじょう な箱 はこ に収 おさ められ火炎 かえん や衝撃 しょうげき から内部 ないぶ の記録 きろく を守 まも っている。事故 じこ 時 じ でも比較的 ひかくてき 、残 のこ る事 こと の多 おお い、機体 きたい 後部 こうぶ のギャレーやトイレの天井 てんじょう 付近 ふきん に置 お かれる。事故 じこ 時 じ には発見 はっけん を容易 ようい にするために、内蔵 ないぞう 電池 でんち によって自 みずか ら電波 でんぱ を発 はっ するようになっている。
非 ひ 常用 じょうよう 発電 はつでん 機 き
2発 はつ 機 き や3発 はつ 機 き では非常 ひじょう 用 よう に風車 かざぐるま を使 つか った発電 はつでん 機 き を備 そな えるものがある。通常 つうじょう は機内 きない に格納 かくのう されているが、エンジン停止 ていし などで電源 でんげん 供給 きょうきゅう に支障 ししょう がある場合 ばあい には、機体 きたい 下部 かぶ に下 お りてきて機外 きがい の風 かぜ を風車 かざぐるま が受 う けることによって発電 はつでん を行 おこな う。これによって操縦 そうじゅう 用 よう 油圧 ゆあつ 系統 けいとう のための駆動 くどう 力 りょく のような最低限 さいていげん の電源 でんげん を確保 かくほ する[ 16] 。[ 注 ちゅう 68] [ 9] [ 14]
防除 ぼうじょ 氷 ごおり 装置 そうち
主翼 しゅよく 前 ぜん 縁 えん やエンジンのエアインレット先端 せんたん 部 ぶ 、機内 きない 換気 かんき 用 よう 空気 くうき 取 と り入 い れ口 こう 、操縦 そうじゅう 室 しつ 窓 まど ガラス、ピトー管 かん 、排水 はいすい 用 よう ドレーンマスト[ 注 ちゅう 69] にはすべての機体 きたい で、多 おお くの機体 きたい は尾翼 びよく にも防除 ぼうじょ 氷 ごおり 装置 そうち が備 そな わっている。それぞれには電気 でんき ヒーターかエンジン抽気による方法 ほうほう のいずれかによって加熱 かねつ され[ 注 ちゅう 70] 、空中 くうちゅう の水分 すいぶん がこれらの機体 きたい 外面 がいめん に氷 こおり となって張 は り付 つ くことで安全 あんぜん な飛行 ひこう の妨 さまた げとなることを防 ふせ ぐ。作動 さどう 時 じ の強度 きょうど が選択 せんたく できたり外気 がいき 温度 おんど で自動的 じどうてき に作動 さどう するものや、一定 いってい 時間 じかん ごとにサイクル動作 どうさ するものなど、場所 ばしょ や機種 きしゅ によってそれぞれ多様 たよう なものがある。機体 きたい が地上 ちじょう にある間 あいだ はランディング・ギア・スイッチの働 はたら きで、あまり高温 こうおん とならないように効 き きが弱 よわ くされる[ 17] 。
放電 ほうでん 装置 そうち
飛行 ひこう 中 ちゅう の機体 きたい に溜 た まる静電気 せいでんき を逃 に がすために、主翼 しゅよく や尾翼 びよく の動 どう 翼 つばさ 後 ご 端 はし 部 ぶ や脚 あし に「スタティック・ディスチャージャ」と呼 よ ばれる放電 ほうでん 用 よう の短 みじか い索 さく や棒 ぼう が幾 いく つか後 うし ろ向 む きに付 つ けられ、ここから静電気 せいでんき を放電 ほうでん している[ 注 ちゅう 71] 。
ボンディング
機体 きたい 全体 ぜんたい を金属 きんぞく のような良導体 りょうどうたい とすることで、落雷 らくらい 時 じ や静電気 せいでんき による被害 ひがい を最小限 さいしょうげん にできる。多数 たすう のリベットで緊密 きんみつ に繋 つな がれたアルミ合金 ごうきん の構造 こうぞう 部材 ぶざい を除 のぞ けば、多 おお くの金属 きんぞく 部品 ぶひん 同士 どうし が潤滑 じゅんかつ グリースや樹脂 じゅし 製 せい の滑 すべり 面 めん などで円滑 えんかつ な動 うご きを与 あた えられと同時 どうじ に電気 でんき 的 てき には絶縁 ぜつえん されるため、「ボンディング」と呼 よ ばれるワイヤ接続 せつぞく によって導電性 どうでんせい を保 たも つようにしている。また、同 おな じ理由 りゆう で、複 ふく 合 ごう 材 ざい など非金属 ひきんぞく 製 せい の材質 ざいしつ 部分 ぶぶん では、導 しるべ 電 でん 塗装 とそう などを行 おこな って等 とう 電位 でんい を保 たも つ工夫 くふう をしている[ 17] 。
テイル・スキッド
離着陸 りちゃくりく 時 じ に機首 きしゅ の引 ひ き起 お こしが過大 かだい になり、後部 こうぶ 胴体 どうたい 尾 お 部 ぶ が滑走 かっそう 路 ろ に接触 せっしょく することで生 しょう じる衝撃 しょうげき 緩和 かんわ のためにテイル・スキッドと呼 よ ばれる緩衝 かんしょう 装置 そうち をまれに備 そな える機体 きたい がある。また、新 あたら しい機体 きたい では尾 お 部 ぶ の接触 せっしょく を最小限 さいしょうげん にするために、尾 お 部 ぶ にセンサーを備 そな えて滑走 かっそう 路 ろ との距離 きょり を測 はか り、操縦 そうじゅう 士 し が過剰 かじょう に引 ひ き起 お こそうと操縦 そうじゅう 桿を引 ひ いても一定 いってい 以上 いじょう は引 ひ き起 お こせないように電子 でんし 的 てき に調整 ちょうせい する「電子 でんし テイル・スキッド」と呼 よ ばれる装置 そうち が備 そな わるものもある[ 5] 。
以下 いか では大型 おおがた 旅客機 りょかくき での一般 いっぱん 的 てき な通信 つうしん ・航法 こうほう 装置 そうち 類 るい について説明 せつめい する。
通信 つうしん ・航法 こうほう 装置 そうち 類 るい の多 おお くが、機首 きしゅ 近 ちか くなどに設 もう けられた電子 でんし 機械 きかい 室 しつ に収 おさ められており、エンジンやAPUによって発電 はつでん され、交流 こうりゅう ・直流 ちょくりゅう 変換 へんかん 器 き で変換 へんかん された直流 ちょくりゅう 電力 でんりょく が供給 きょうきゅう される。それらの電力 でんりょく が失 うしな われた場合 ばあい でも、すぐ近 ちか くに収 おさ められた非 ひ 常用 じょうよう バッテリーによってしばらくは使用 しよう 可能 かのう になっている[ 16] 。
機体 きたい のアンテナ例 れい (B-777) 1.気象 きしょう レーダー送受 そうじゅ 信用 しんよう SHF帯 たい 2.ローカライザーVHF受信 じゅしん 用 よう 3.グライドスロープキャプチャ受信 じゅしん 用 よう UHF帯 たい 4.TCAS送受 そうじゅ 信用 しんよう UHF帯 たい 5.DME送受 そうじゅ 信用 しんよう SHF帯 たい 6.GPS受信 じゅしん 用 よう UHF帯 たい 7.VHF通信 つうしん 送受 そうじゅ 信用 しんよう 8.CBB用 よう Ku帯 たい 9.方向 ほうこう 探知 たんち 機 き 受信 じゅしん 用 よう LF帯 たい ,HF帯 たい 10.SATCOM送受 そうじゅ 信用 しんよう UHF帯 たい 11.HF通信 つうしん 送受 そうじゅ 信用 しんよう 12.VOR受信 じゅしん 用 よう VHF帯 たい 13.グライドスロープトラック受信 じゅしん 用 よう UHF帯 たい 14.ATCトランスポンダ 15.電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい 送信 そうしん 用 よう EHF帯 たい 16.電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい 受信 じゅしん 用 よう EHF帯 たい 17.マーカービーコン受信 じゅしん 用 よう LF帯 たい ,MF帯 たい
機首 きしゅ のレドーム内 ない には気象 きしょう レーダーの他 ほか に2本 ほん ずつのローカライザ用 よう とグライドスロープ用 よう のアンテナが収 おさ められている[ 9] [ 注 ちゅう 72] 。胴体 どうたい 上部 じょうぶ には、ATCトランスポンダ用 よう とADR用 よう のアンテナが2本 ほん ずつと、垂直 すいちょく 尾翼 びよく にはVORとテレビ受信 じゅしん 、HF通信 つうしん のそれぞれのアンテナが1つずつ付 つ いている。胴体 どうたい 底面 ていめん には別 べつ のATCトランスポンダ用 よう とDME用 よう がそれぞれ2本 ほん と、電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい 送信 そうしん 用 よう と電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい 受信 じゅしん 用 よう で1対 つい と、マーカー、VHF通信 つうしん 用 よう に1本 ほん ずつ付 つ いている。VHF通信 つうしん 用 よう アンテナは左右 さゆう に1組 くみ 付 つ けられる機種 きしゅ もある。垂直 すいちょく 尾翼 びよく の外 そと 板 ばん 中央 ちゅうおう を基部 きぶ より絶縁 ぜつえん することで、上 うえ 半分 はんぶん をHF、またはVOR用 よう アンテナとして使用 しよう する機体 きたい が多 おお い[ 4] 。
気象 きしょう レーダー
機首 きしゅ 部分 ぶぶん に気象 きしょう レーダー を搭載 とうさい している。航空機 こうくうき 用 よう のレーダーはCバンド (5.4 GHz) やXバンド (9.4 GHz) を使用 しよう するが、気象 きしょう レーダーではXバンドの9,345 MHzと9,375 MHz[ 22] を使用 しよう しており[ 17] [ 16] 、出力 しゅつりょく 60 kW程度 ていど のペンシルビームで5マイクロ秒 びょう のパルス波 は を4秒間 びょうかん で前方 ぜんぽう 180度 ど を掃引 そういん する。気象 きしょう レーダーでは前方 ぜんぽう の空中 くうちゅう に漂 ただよ う水滴 すいてき や氷 こおり 晶 あきら からの反射 はんしゃ 波 は を捕 と らえることで雨 あめ や雲 くも の位置 いち を知 し る。探知 たんち 距離 きょり は200 - 300 nm 程度 ていど である。また、ペンシルビームとは別 べつ に、スイッチの切 き り替 か えでコセカント・スクエア・パターンと呼 よ ばれる地上 ちじょう に向 む けて掃引 そういん する機能 きのう も備 そな え、この「マップ・モード」によって地上 ちじょう の地形 ちけい が判別 はんべつ できる。このレーダーは左右 さゆう 方向 ほうこう に首 くび 振 ぶ りしているだけであり、縦 たて 方向 ほうこう は通常 つうじょう は1 - 2度 ど 程度 ていど の下向 したむ きに設定 せってい されているが、操縦 そうじゅう 席 せき のノブ操作 そうさ でティルトモーターにより角度 かくど を変更 へんこう できる。また、機体 きたい のロール運動 うんどう によって掃引 そういん 角度 かくど が変 か わらないように、ロールモーターが自動的 じどうてき にロールを補正 ほせい する。21世紀 せいき 現在 げんざい ではデジタル処理 しょり によって反射 はんしゃ パルス波 は の周波数 しゅうはすう 変異 へんい を高 こう 精度 せいど で測 はか れるドップラー式 しき レーダーが使用 しよう されるようになり、PPI表示 ひょうじ 面 めん もカラー化 か されて水滴 すいてき や氷 こおり の移動 いどう まで判 わか るようになっている[ 16] 。
主 おも に音声 おんせい による交信 こうしん を行 おこな うための通信 つうしん 機 き がいくつか搭載 とうさい されている。一般 いっぱん には短 みじか い波長 はちょう の電波 でんぱ の方 ほう が十分 じゅうぶん 近 ちか い場合 ばあい には明瞭 めいりょう な会話 かいわ が行 おこな えるが、到達 とうたつ 距離 きょり が短 みじか くなる傾向 けいこう がある。長 なが い波長 はちょう の電波 でんぱ は遠距離 えんきょり まで届 とど く。これらには周波数 しゅうはすう 帯 たい が定 さだ められており、おのおの規定 きてい 方式 ほうしき の電波 でんぱ が使用 しよう される。航空 こうくう 無線 むせん で使用 しよう される単 たん 信 しん 式 しき のすべての音声 おんせい 通信 つうしん システムは「サイドトーンシステム」と呼 よ ばれる送信 そうしん 動作 どうさ を確認 かくにん する仕組 しく みを備 そな えている。これは送信 そうしん 機 き の発信 はっしん 電波 でんぱ を送信 そうしん 時 じ にも受信 じゅしん 機 き で受信 じゅしん しておき、操縦 そうじゅう 士 し は自 みずか らの発話 はつわ 音声 おんせい をヘッドフォンで聞 き くことで電波 でんぱ がほとんど正 ただ しく発信 はっしん されていることを確認 かくにん するものである[ 23] 。
VHF
VHF(超 ちょう 短波 たんぱ )は比較的 ひかくてき 明瞭 めいりょう な交信 こうしん が行 おこな えるが、到達 とうたつ 範囲 はんい は見通 みとお し距離 きょり 内 ない であるため、高 こう 高度 こうど でも400 kmほどである。飛行場 ひこうじょう 付近 ふきん の管制 かんせい や陸上 りくじょう 航空 こうくう 路 ろ での管制 かんせい に使用 しよう されることが多 おお い。
HF
HF(短波 たんぱ )はVHFより遠 とお くまで届 とど き、地平線 ちへいせん を越 こ えて到達 とうたつ するので、洋上 ようじょう 飛行 ひこう を行 おこな う機体 きたい にはHF通信 つうしん 機 き を2台 だい 搭載 とうさい することが義務付 ぎむづ けられている。海上 かいじょう 航空 こうくう 路 ろ の管制 かんせい に使用 しよう されることが多 おお い。各国 かっこく ごとの航空 こうくう 路 ろ 管制 かんせい に使用 しよう されている電波 でんぱ 帯域 たいいき が異 こと なるので、2 - 30 MHzまでの1 kHzごとの28,000チャンネルが送受信 そうじゅしん できる通信 つうしん 機 き が搭載 とうさい されている。電波 でんぱ 帯域 たいいき の有効 ゆうこう 利用 りよう を図 はか るために単 たん 側 がわ 波 なみ 帯 たい (SSB) 通信 つうしん 方式 ほうしき が採用 さいよう されている。
セルコール・システム
管制 かんせい や航空 こうくう 会社 かいしゃ などで使用 しよう される音声 おんせい による交信 こうしん 電波 でんぱ 帯 たい は複数 ふくすう あり、それぞれでは複数 ふくすう の航空機 こうくうき が地上 ちじょう との交信 こうしん に共有 きょうゆう しているので、自 じ 機 き が呼 よ び出 だ されるのを常 つね に機上 きじょう の乗務 じょうむ 員 いん が受信 じゅしん しモニターし続 つづ けるのは、大 おお きな負担 ふたん であり疲労 ひろう の原因 げんいん にもなるため得策 とくさく ではない。ほとんどすべての旅客機 りょかくき では、セルコール・システム(自動 じどう 呼 よ び出 だ し装置 そうち 、SELCAL)と呼 よ ばれる自 じ 機 き が呼 よ び出 だ しを受 う けた時 とき だけ音 おと と光 ひかり で呼 よ び出 だ しを知 し らせる装置 そうち によってクルーの負担 ふたん が軽減 けいげん されている。
セルコール・システムでは、"A"から"S"までの16個 こ の記号 きごう を4桁 けた 組 く み合 あ わせた独自 どくじ の符合 ふごう がセルコール・システムを備 そな えた個別 こべつ の航空機 こうくうき に与 あた えられている。この4桁 けた の符号 ふごう から10,920機 き が区別 くべつ できるようになっている。地上 ちじょう のセルコール呼 よ び出 だ し装置 そうち は、"A"から"S"までの16個 こ の記号 きごう に対応 たいおう して異 こと なる可聴 かちょう 音 おん (312.6 - 1,479.1 Hz)を発生 はっせい するトーン発生 はっせい 器 き を備 そな えており、特定 とくてい の1機 き を呼 よ び出 だ すには4桁 けた の符号 ふごう を装置 そうち で選択 せんたく してからトーン送信 そうしん ボタンを押 お すと、最初 さいしょ に2桁 けた 分 ぶん のトーンが同時 どうじ に重 かさ なって1秒間 びょうかん 送信 そうしん され、0.2秒間 びょうかん の無音 むおん の後 のち に残 のこ りの2桁 けた 分 ぶん のトーンが同時 どうじ に送信 そうしん される。音声 おんせい 通信 つうしん であるため機上 きじょう でも受信 じゅしん 状態 じょうたい にあれば「ピーポー」と聞 き こえるが、人間 にんげん には音 おと から符号 ふごう は判別 はんべつ できない。機上 きじょう ではこのトーンを解読 かいどく するデコーダーが備 そな わっており、飛行 ひこう 中 ちゅう はこの装置 そうち を使用 しよう することでデコーダーに設定 せってい した自 じ 機 き の符号 ふごう を受信 じゅしん したときだけチャイム音 おん と光 ひかり の点滅 てんめつ で操縦 そうじゅう 席 せき の乗務 じょうむ 員 いん に呼 よ び出 だ しを知 し らせる。管制 かんせい 機関 きかん や航空 こうくう 会社 かいしゃ では、これに対応 たいおう した装置 そうち を使 つか って個別 こべつ の航空機 こうくうき を呼 よ び出 だ すが、地上 ちじょう では常時 じょうじ 、担当 たんとう 者 しゃ が受信 じゅしん 機 き で空中 くうちゅう からの送信 そうしん に耳 みみ を澄 す ませている。
衛星 えいせい 通信 つうしん
多 おお くの旅客機 りょかくき には1.5 - 1.6 GHz帯 たい を使用 しよう したACARS衛星 えいせい 通信 つうしん システムが搭載 とうさい されており、航空 こうくう 衛星 えいせい かインマルサット衛星 えいせい を経由 けいゆ して、音声 おんせい 通話 つうわ 用 よう に地上 ちじょう の公衆 こうしゅう 電話 でんわ 網 もう と、デ で ータ通信 たつうしん 用 よう にデータリンク網 もう に接続 せつぞく されている。ACARS(Aircraft Communication Addressing and Reporting System) は衛星 えいせい 通信 つうしん とVHF通信 つうしん を利用 りよう した民間 みんかん 航空 こうくう 会社 かいしゃ 共通 きょうつう のほぼ全 ぜん 地球 ちきゅう をカバーする比較的 ひかくてき 低速 ていそく のデジタル情報 じょうほう ネットワークである。地上 ちじょう の航空 こうくう 会社 かいしゃ からは、到着 とうちゃく 空港 くうこう のノータムや駐 ちゅう 機 き ターミナル情報 じょうほう 、上層 じょうそう 風 ふう 予想 よそう などを送 おく り、航空機 こうくうき からは離着陸 りちゃくりく 時刻 じこく や位置 いち 、残存 ざんそん 燃料 ねんりょう 、フライトプラン(飛行 ひこう 計画 けいかく )の変更 へんこう 要求 ようきゅう 、到着 とうちゃく 予定 よてい 時刻 じこく 、エンジン・パラメータ、故障 こしょう 報告 ほうこく などが送 おく られる。これらは基本 きほん 的 てき に衛星 えいせい 通信 つうしん を利用 りよう した文字 もじ による定型 ていけい のデジタルデータであり、音声 おんせい 通信 つうしん は別 べつ の無線 むせん になるが、文字 もじ による報告 ほうこく は行 おこな える[ 16] 。
ADF(自動 じどう 方向 ほうこう 探知 たんち 機 き 、Automatic Direction Finder)
ADFは、ループアンテナと垂直 すいちょく ポールアンテナを組 く み合 あ わせてアンテナ感度 かんど を360度 ど 全 ちょん 周 あまね の内 うち の特定 とくてい 方向 ほうこう にだけ大 おお きくしたアンテナ部 ぶ を用 もち いる。受信 じゅしん 電波 でんぱ の強度 きょうど が最大 さいだい となる方向 ほうこう が地上 ちじょう 無線 むせん 局 きょく の方向 ほうこう となる。
VOR(超 ちょう 短波 たんぱ 全 ぜん 方位 ほうい 式 しき 無線 むせん 標識 ひょうしき 、VHF Omni-direction Range)
DME(距離 きょり 測定 そくてい 装置 そうち 、Distance Measuring Equipment)
TACAN
ILS(計器 けいき 着陸 ちゃくりく 装置 そうち 、Instrument Landing System)
MLS(マイクロ波 は 着陸 ちゃくりく 装置 そうち 、Microwave Landing System)
MLSはマイクロ波 なみ 帯 たい を使用 しよう した着陸 ちゃくりく 侵入 しんにゅう 誘導 ゆうどう 装置 そうち である。同種 どうしゅ の着陸 ちゃくりく 侵入 しんにゅう 誘導 ゆうどう 装置 そうち としてはすでに普及 ふきゅう しているVHF帯 たい を使用 しよう したILSがあるが、ILSでは地形 ちけい の影響 えいきょう を受 う けて精度 せいど が保 たも てないことやVHF放送 ほうそう 電波 でんぱ の干渉 かんしょう を受 う けること、侵入 しんにゅう 路 ろ が1本 ほん しか持 も てないことなどによって、より精度 せいど の高 たか い新 あら たな着陸 ちゃくりく 支援 しえん システムが求 もと められ、今後 こんご はILSからMLSへと移行 いこう される空港 くうこう 施設 しせつ の1つとして国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か された。ILSでも大 おお きな問題 もんだい はなく世界中 せかいじゅう の空港 くうこう で使用 しよう されており、MLS施設 しせつ の経済 けいざい 的 てき 負担 ふたん やMLSへの移行 いこう において両 りょう 施設 しせつ を維持 いじ する必要 ひつよう もあり、あまり導入 どうにゅう は進 すす んでいない[ 23] 。
GPS
GPSでは現在 げんざい 位置 いち と時刻 じこく 情報 じょうほう を得 え ることができ、IRSの位置 いち 情報 じょうほう の補正 ほせい とFMSの時刻 じこく 情報 じょうほう の補正 ほせい に使用 しよう される[ 16] 。
21世紀 せいき 現在 げんざい では、従来 じゅうらい の3軸 じく の回転 かいてん 変位 へんい と2方向 ほうこう (または3方向 ほうこう )の直線 ちょくせん 加速度 かそくど を計測 けいそく するセンサ部 ぶ を備 そな えたINS(Inertial Navigation System、慣性 かんせい 航法 こうほう 装置 そうち )はIRS(Inertial Reference System、慣性 かんせい 基準 きじゅん 装置 そうち )に置 お き換 か わっている。
内部 ないぶ に可動 かどう 部 ぶ を持 も っていた従来 じゅうらい 型 がた のINS[ 注 ちゅう 73] とは異 こと なり、IRSは可動 かどう 部 ぶ を持 も たず、3軸 じく の回転 かいてん 変位 へんい と3方向 ほうこう の直線 ちょくせん 加速度 かそくど を計測 けいそく するセンサを乗 の せたプラットフォームが機体 きたい 軸 じく 方向 ほうこう に合 あ わせて正確 せいかく に固定 こてい されていて[ 17] [ 注 ちゅう 74] 、空間 くうかん 座標 ざひょう の変換 へんかん はデジタル演算 えんざん によって行 おこな われる。出発 しゅっぱつ 時 じ には基準 きじゅん となる緯度 いど と経度 けいど が飛行 ひこう 管理 かんり 装置 そうち (FMS)のデータから読 よ み込 こ まれて設定 せってい される。また、静止 せいし 状態 じょうたい で重力 じゅうりょく 加速度 かそくど を受 う けない方向 ほうこう が水平面 すいへいめん 方向 ほうこう でありレベル調整 ちょうせい は自動的 じどうてき に行 おこな われる。15分間 ふんかん 停止 ていし している間 あいだ に地球 ちきゅう 自転 じてん 率 りつ が東西 とうざい 軸 じく ジャイロ(イースト・ジャイロ)で受感されない方向 ほうこう から地球 ちきゅう 自転 じてん 軸 じく での北 きた が自動 じどう 設定 せってい される。回転 かいてん 変位 へんい 量 りょう は、地球 ちきゅう 自転 じてん 率 りつ [ 注 ちゅう 75] や移動 いどう 率 りつ [ 注 ちゅう 76] を修正 しゅうせい する必要 ひつよう がある。直線 ちょくせん 加速度 かそくど もコリオリの力 ちから や重力 じゅうりょく 変化 へんか を補正 ほせい する必要 ひつよう がある。機体 きたい の姿勢 しせい 方向 ほうこう を補正 ほせい し続 つづ けながら補正 ほせい された直線 ちょくせん 加速度 かそくど を積分 せきぶん することで速度 そくど が求 もと められる。速度 そくど と移動 いどう 方向 ほうこう から移動 いどう 量 りょう を知 し り、常 つね に自 みずか らの座標 ざひょう を得 え ることができる。
GPSによる航法 こうほう 支援 しえん が得 え られるようになり、位置 いち データと時刻 じこく が修正 しゅうせい されるが、航空機 こうくうき はGPSのデータが得 え られなくなっても良 よ いように、INSやIRSは必要 ひつよう な装置 そうち となっており、磁気 じき コンパスも搭載 とうさい される[ 注 ちゅう 77] 。回転 かいてん 変位 へんい の検出 けんしゅつ には半導体 はんどうたい レーザーと光 ひかり ファイバを組 く み合 あ わせた光 ひかり ファイバ・リングレーザー・ジャイロ が用 もち いられる。
気圧 きあつ 高度 こうど 計 けい (Pressure Altimeter):気圧 きあつ の変化 へんか によって海面 かいめん からの高度 こうど を知 し る。機外 きがい の気圧 きあつ 情報 じょうほう はCADCが統括 とうかつ してEFIS等 とう に提供 ていきょう する。
電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい (Low Range Radio Altimeter):4.2 - 4.4 GHzの電波 でんぱ を送信 そうしん し地面 じめん からの反射 はんしゃ 波 は の遅 おく れを計 はか ることで、2,500フィート以下 いか の高度 こうど なら2 %以内 いない の精度 せいど で対地 たいち 高度 こうど を計測 けいそく する[ 注 ちゅう 78] [ 17] 。EFISの高度 こうど 指示 しじ 計 けい だけでなくGPWS(対地 たいち 接近 せっきん 警報 けいほう 装置 そうち )やAFCS(自動 じどう 操縦 そうじゅう 装置 そうち )への情報 じょうほう を提供 ていきょう する。滑走 かっそう 路 ろ に静止 せいし している状態 じょうたい を0フィートとなるように調整 ちょうせい され、アンテナと送受信 そうじゅしん 機 き の間 あいだ のケーブル長 ちょう や脚 あし 部 ぶ の長 なが さなどを含 ふく めた送受信 そうじゅしん 機 き と地面 じめん との距離 きょり は、40、57、80フィートのいずれかと定 さだ められており、送受信 そうじゅしん 機 き のプログラム・ピンで設定 せってい される[ 16] 。
AFCS(自動 じどう 操縦 そうじゅう 装置 そうち 、Automatic Flight Control System、Auto-pilot)は[ 注 ちゅう 79] 、飛行 ひこう 姿勢 しせい の安定 あんてい 化 か と、飛行 ひこう 高度 こうど と方向 ほうこう の変更 へんこう 、航法 こうほう 誘導 ゆうどう を自動的 じどうてき に行 おこな う装置 そうち システムである。これら主要 しゅよう な3機能 きのう はAFCS内 ない で互 たが いに連携 れんけい して働 はたら いて、現実 げんじつ の機体 きたい 制御 せいぎょ 出力 しゅつりょく では一体 いったい のものとなるが、個別 こべつ に分解 ぶんかい して以下 いか に示 しめ す[ 24] [ 9] [ 注 ちゅう 80] 。
飛行 ひこう 姿勢 しせい の安定 あんてい 化 か
機体 きたい が外力 がいりょく を受 う けることでロール、ピッチ、ヨーの各 かく 方向 ほうこう に対 たい して揺 ゆ れが発生 はっせい する。この揺 ゆ れを最小限 さいしょうげん に抑 おさ える。また、推力 すいりょく の不 ふ 均衡 きんこう やダッチロールといった内的 ないてき 要因 よういん に対 たい する是正 ぜせい もこの機能 きのう が担 にな う[ 注 ちゅう 81] 。
飛行 ひこう 高度 こうど と方向 ほうこう の変更 へんこう
操縦 そうじゅう 士 し や航法 こうほう 装置 そうち の指令 しれい に従 したが って、機体 きたい を上昇 じょうしょう ・下降 かこう ・旋回 せんかい させる。旋回 せんかい 時 じ にはヨー制御 せいぎょ だけでなく釣合 つりあい 旋回 せんかい と呼 よ ばれるロール制御 せいぎょ も同時 どうじ に要求 ようきゅう される。
航法 こうほう 誘導 ゆうどう
電波 でんぱ や慣性 かんせい 運動 うんどう の変異 へんい を測 はか るセンサーなどで飛行 ひこう 方向 ほうこう や位置 いち 、それらの変位 へんい 量 りょう 等 とう を知 し り、設定 せってい 値 ち と照合 しょうごう しながら自 みずか ら判断 はんだん して誘導 ゆうどう を行 おこな う。
大型 おおがた 旅客機 りょかくき のAFCSには一般 いっぱん 的 てき に、Gyroモード、Turn-Knobモード、HDG SELモード、ALT Holdモード、GAモード、VOR/LOCモード、ILSモード、INSモード、FMSモード、LANDモードがある。
Gyroモード(Attitude Hold Mode、姿勢 しせい 保持 ほじ モード)では、ロール角 かく を中立 ちゅうりつ に戻 もど す以外 いがい はピッチ角 かく と機体 きたい の方位 ほうい をモード設定 せってい 時 じ のまま保 たも つように働 はたら く。Turn-Knobモード(Attitude Control Mode、姿勢 しせい 制御 せいぎょ モード)ではターン・ノブとピッチ・ノブの設定 せってい 値 ち になるようにそれぞれロール角 かく とピッチ角 かく が変更 へんこう ・維持 いじ されることで機体 きたい の姿勢 しせい が変更 へんこう され維持 いじ される。HDG SELモード(Heading Select Mode、機首 きしゅ 方向 ほうこう 設定 せってい モード)では、あらかじめ水平 すいへい 位置 いち 指示 しじ 計 けい でHDGノブで変更 へんこう すべき方位 ほうい を設定 せってい してからHDG SELモードスイッチを入 い れることで、設定 せってい 方向 ほうこう へ旋回 せんかい し、水平 すいへい 飛行 ひこう 状態 じょうたい を維持 いじ する。ALT Holdモード(Attitude Hold Mode、高度 こうど 保持 ほじ モード)では、同 おな じ高度 こうど を維持 いじ する。GAモード(着陸 ちゃくりく 復 ふく 行 ぎょう モード)は着陸 ちゃくりく 復 ふく 行 ぎょう を行 おこな うモードである。
以降 いこう は航法 こうほう 情報 じょうほう に基 もと づいた誘導 ゆうどう に従 したが った飛行 ひこう を行 おこな うモードである。VOR/LOCモードでは、あらかじめ水平 すいへい 位置 いち 指示 しじ 計 けい のHDGノブで変更 へんこう すべき方位 ほうい を設定 せってい しておき、VOR局 きょく が受信 じゅしん できたらVOR/LOCモードスイッチを入 い れることで、設定 せってい した角度 かくど でVOR局 きょく へ飛行 ひこう できるまで直進 ちょくしん してから設定 せってい 方向 ほうこう へ旋回 せんかい しVOR局 きょく へ向 むか って飛行 ひこう を維持 いじ する。VOR局 きょく を越 こ えても方位 ほうい を保 たも つ。ILSモードでは、あらかじめ水平 すいへい 位置 いち 指示 しじ 計 けい のHDGノブで変更 へんこう すべき方位 ほうい を設定 せってい しておき、ILS信号 しんごう が受信 じゅしん できたらILSモードスイッチを入 い れることで、ローカライザ・ビームを受信 じゅしん して自動的 じどうてき に誘導 ゆうどう され滑走 かっそう 路 ろ 方向 ほうこう へ近 ちか づく。やがてグライドスロープ・ビームによる誘導 ゆうどう に従 したが って自動的 じどうてき に降下 こうか する。飛行 ひこう 士 し は200フィートなどの一定 いってい 高度 こうど まで降下 こうか すると、AFCSを停止 ていし して手動 しゅどう 操縦 そうじゅう を行 おこな う。INSモードは慣性 かんせい 誘導 ゆうどう 装置 そうち による誘導 ゆうどう である。FMSモードは飛行 ひこう 管理 かんり コンピュータであるFMSを使用 しよう した誘導 ゆうどう である。LANDモード(自動 じどう 着陸 ちゃくりく モード)は自動 じどう 着陸 ちゃくりく を行 おこな う。
フライト・ディレクタ (Flight Director) は、設定 せってい した飛行 ひこう 姿勢 しせい を保 たも つのに必要 ひつよう なロール軸 じく とピッチ軸 じく の操縦 そうじゅう 操作 そうさ を姿勢 しせい 指示 しじ 計 けい (Attitude Director Indivcator; ADI) に表示 ひょうじ するシステムである[ 16] 。
オートスロットル・システムはエンジン出力 しゅつりょく を自動的 じどうてき に制御 せいぎょ し、機 き 速 そく を一定 いってい に保 たも つ装置 そうち である。主 おも に離着陸 りちゃくりく 時 じ に用 もち いられる。AFCSが手動 しゅどう モードでも、オートスロットル・システムを有効 ゆうこう にできる。
オートスロットル・システムは、操作 そうさ パネルからの速度 そくど 設定 せってい 情報 じょうほう や、ピトー管 かん による対 たい 気 き 速度 そくど センサー入力 にゅうりょく 、電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい からの入力 にゅうりょく 、ピッチ角度 かくど 補正 ほせい した前後 ぜんご 加速度 かそくど 入力 にゅうりょく を得 え て、エンジン出力 しゅつりょく を制御 せいぎょ する。
オートスロットルによるスロットルレバーの操作 そうさ はサーボモーターで行 おこな われる。サーボモーター駆動 くどう 軸 じく とスロットルレバーは摩擦 まさつ クラッチで接続 せつぞく され、一定 いってい 以上 いじょう の力 ちから で滑 すべ るようになっている。これにより、スロットルレバーを一定 いってい 以上 いじょう の力 ちから で操作 そうさ することで一時 いちじ 的 てき にエンジン出力 しゅつりょく 制御 せいぎょ を手動 しゅどう で上書 うわが きでき、レバーから手 て を離 はな せばオートスロットルがレバー位置 いち の制御 せいぎょ を取 と り戻 もど す。スロットルレバーにはオートスロットルを無効 むこう 状態 じょうたい に切 き り替 か えるスイッチが備 そな わっている。
AFCSが自動 じどう 着陸 ちゃくりく モードにあれば、高度 こうど 計 けい が設定 せってい 値 ち 以下 いか になるとエンジン出力 しゅつりょく を自動的 じどうてき に下 さ げて減速 げんそく 動作 どうさ を行 おこな う[ 16] 。
ATC(Air Traffic Control) システムは、機上 きじょう のATCトランスポンダと地上 ちじょう の2次 じ レーダーとから構成 こうせい される。厳密 げんみつ には航法 こうほう 装置 そうち ではなく、地上 ちじょう の管制 かんせい 官 かん に滞空 たいくう 中 ちゅう の航空機 こうくうき の情報 じょうほう を機械 きかい が自動的 じどうてき に知 し らせることで管制 かんせい 業務 ぎょうむ を支援 しえん して安全 あんぜん 性 せい を高 たか めるものである[ 23] 。
CADC(Central Air Data Computer) は 機体 きたい 周囲 しゅうい の気圧 きあつ や温度 おんど を測 はか る多数 たすう のセンサ類 るい (ピトー管 かん 、静 せい 圧 あつ 孔 あな センサ、客室 きゃくしつ 差 さ 圧 あつ 計 けい 、客室 きゃくしつ 圧 あつ センサ、全 ぜん 温度 おんど センサ)からの情報 じょうほう を一括 いっかつ して受 う け取 と り、統合 とうごう 処理 しょり を行 おこな い、気圧 きあつ 高度 こうど 計 けい やIAS/MACH計 けい (Indicated Air Speed / Mach、指示 しじ 対 たい 気 き 速度 そくど とマッハ数 すう )、TAS/SAT計 けい (True Air Speed / Static Air Temperature、真 ま 対 たい 気 き 速度 そくど と静 しず 温度 おんど )やオートスロットル・システム等 とう のセンサ情報 じょうほう を必要 ひつよう とするシステムに情報 じょうほう を提供 ていきょう する。電力 でんりょく 喪失 そうしつ などCADCの機能 きのう 停止 ていし 時 じ に備 そな えて、ダイヤフラム式 しき の気圧 きあつ 高度 こうど 計 けい と指示 しじ 対 たい 気 き 速度 そくど 計 けい が操縦 そうじゅう 席 せき のパネルに備 そな わっている[ 16] 。
EFIS(Electric Flight Instrument System、電子 でんし 式 しき 飛行 ひこう 計器 けいき システム)は、航法 こうほう 装置 そうち 類 るい やEICAS等 とう の情報 じょうほう を主 おも にFMSを経由 けいゆ して、操縦 そうじゅう 席 せき の計器 けいき パネルに表示 ひょうじ するシステムであり、操縦 そうじゅう 士 し の負担 ふたん 軽減 けいげん や視認 しにん 性 せい 向上 こうじょう のために操縦 そうじゅう に必須 ひっす な計器 けいき を大 おお きく常時 じょうじ 表示 ひょうじ し、他 た の表示 ひょうじ を随時 ずいじ 切 き り替 か えるようになっている。21世紀 せいき からはカラー液晶 えきしょう による複数 ふくすう 面 めん 表示 ひょうじ が採用 さいよう され、Primary Flight Display (PFD) と、Navigation Display (ND) の主要 しゅよう な2つの画面 がめん をそれぞれの操縦 そうじゅう 者 しゃ ごとに座席 ざせき 正面 しょうめん に備 そな える形式 けいしき になっている[ 16] [ 注 ちゅう 82] 。
エンジン計器 けいき ・乗員 じょういん 警告 けいこく システム (EICAS:Engine Indication and Crew Alerting System)は、EFISによって実現 じつげん したエンジン計器 けいき 類 るい の表示 ひょうじ システムで、エンジンや燃料 ねんりょう 系統 けいとう など航空 こうくう 機関 きかん 士 し が担当 たんとう していた監視 かんし 業務 ぎょうむ を自動 じどう 化 か し、降着 こうちゃく 装置 そうち や任意 にんい の機器 きき 情報 じょうほう の表示 ひょうじ を行 おこな う。加 くわ えて各 かく 機器 きき の異常 いじょう 発生 はっせい 時 じ には故障 こしょう 箇所 かしょ を自動的 じどうてき に特定 とくてい し表示 ひょうじ 、警告 けいこく する機能 きのう も有 ゆう する[ 8] [ 16] 。
エアバス では同 どう 機能 きのう の装置 そうち を電子 でんし 式 しき 集中 しゅうちゅう 化 か 航空機 こうくうき モニター (ECAM、イーカム)と呼 よ んでいる。
FMS(Flight Management System、飛行 ひこう 管理 かんり システム)は、機上 きじょう に搭載 とうさい された飛行 ひこう に関 かか わる多数 たすう のコンピュータ群 ぐん と飛行 ひこう 状態 じょうたい センサ群 ぐん 、航法 こうほう センサ群 ぐん 、エンジン・センサ群 ぐん 、燃料 ねんりょう センサ群 ぐん など多数 たすう のサブシステムから構成 こうせい され、これらを統括 とうかつ 制御 せいぎょ するFMC(Flight Management Computer、フライト・マネジメント・コンピュータ)が中心 ちゅうしん となって、主 おも に航法 こうほう 、性能 せいのう ・経済 けいざい 性 せい 管理 かんり 、誘導 ゆうどう といった飛行 ひこう 全般 ぜんぱん の機能 きのう を司 つかさど り、操縦 そうじゅう 席 せき のEFISを経由 けいゆ することでこれらのサブ・システムと操縦 そうじゅう 士 し との仲立 なかだ ちとなる。
航法 こうほう 支援 しえん
水平面 すいへいめん 航法 こうほう データの算出 さんしゅつ
VHF航法 こうほう 無線 むせん 局 きょく の自動 じどう 選 せん 局 きょく
EFISで飛行 ひこう 経路 けいろ 等 とう の表示 ひょうじ
性能 せいのう ・経済 けいざい 性 せい 支援 しえん
垂直 すいちょく 面 めん 航法 こうほう データの算出 さんしゅつ
最適 さいてき 推力 すいりょく 制御 せいぎょ
誘導 ゆうどう 支援 しえん
性能 せいのう 情報 じょうほう と航法 こうほう 情報 じょうほう からピッチとロールに関 かん する指令 しれい をFCC/AFCS(飛行 ひこう 制御 せいぎょ コンピュータ/自動 じどう 操縦 そうじゅう 装置 そうち )へ送 おく る
FMSには出発 しゅっぱつ 前 まえ にウェイポイント を含 ふく むフライトプランとそれに関 かか わる無線 むせん 局 きょく や空港 くうこう の基礎 きそ データが読 よ み込 こ まれており、操縦 そうじゅう 士 し はいつでもCDUの操作 そうさ によってEFISのNDにマップモード等 とう で呼 よ び出 だ せ、ウェイポイント情報 じょうほう を元 もと に自動 じどう 操縦 そうじゅう によって飛行 ひこう することも可能 かのう である[ 16] 。VOR/DME局 きょく の自動 じどう 選 せん 局 きょく とADF/ILS/VOR/DMEの情報 じょうほう に基 もと づいてINSを修正 しゅうせい することも行 おこな う[ 17] 。
主 おも に飛行 ひこう を終 お えた後 のち の整備 せいび 性 せい 向上 こうじょう のために、幾 いく つかの自動 じどう 記録 きろく システムが搭載 とうさい されている。これらは一般 いっぱん に機上 きじょう 整備 せいび システム (Onboard Maintenance System; OMS ) と呼 よ ばれ、機種 きしゅ やメーカーによって個別 こべつ のサブシステムから構成 こうせい される。
サブシステムの1つは、飛行 ひこう 性能 せいのう モニター・システム (Airplane Condition Monitor System; ACMS ) であり、米 べい ボーイング社 しゃ でもB-747初期 しょき 型 がた などの古 ふる い機種 きしゅ や他社 たしゃ では、飛行 ひこう 記録 きろく 集積 しゅうせき システム (Aircraft Integrated Data System; AIDS ) と呼 よ ばれているものであり、もう1つは中央 ちゅうおう 整備 せいび コンピュータ・システム (Central Maintenance Computer System; CMCS ) などと呼 よ ばれるものである。
ACMS
ACMSは基本 きほん 的 てき にDMU(Data Management Unit) とデータ記録 きろく より構成 こうせい され、新 あたら しい機種 きしゅ ではこれに液晶 えきしょう ディスプレイやキーボード、トラックボールが加 くわ わってさらに操作性 そうさせいわる が向上 こうじょう しているものがある[ 注 ちゅう 83] 。データ監視 かんし とレポート作成 さくせい 、データ記録 きろく を行 おこな う。
CMCS
CMCSは不具合 ふぐあい 情報 じょうほう やエンジンパラメータ、飛行 ひこう パラメータ、操縦 そうじゅう パラメータなどの情報 じょうほう をデジタルレコーダによって記録 きろく しておき目的 もくてき 地 ち で交換 こうかん されたり、飛行 ひこう 中 ちゅう にACARSによって送信 そうしん されたりして、これらの情報 じょうほう は機体 きたい の整備 せいび 部門 ぶもん に回 まわ される[ 16] [ 注 ちゅう 84] 。
21世紀 せいき 現在 げんざい 生産 せいさん されている大型 おおがた 旅客機 りょかくき には、さまざまな異常 いじょう を乗員 じょういん に知 し らせるために多 おお くの警報 けいほう システムが備 そな わっている。
警報 けいほう システムは機能 きのう から3種 しゅ に分類 ぶんるい される。
飛行 ひこう 状態 じょうたい が異常 いじょう となった事 こと を知 し らせる
スイッチやレバーなどが正 ただ しい位置 いち にないなど、誤操作 ごそうさ を知 し らせる
制御 せいぎょ システムのいずれかが正常 せいじょう に作動 さどう しない、機内 きない 環境 かんきょう に異常 いじょう があるなどを知 し らせる
機内 きない の警報 けいほう システムは主 しゅ 警報 けいほう システムにまとめられており、それぞれ個別 こべつ の警報 けいほう システムの赤 あか やオレンジの警報 けいほう 灯 とう のいずれか1つでも点灯 てんとう すれば[ 注 ちゅう 85] 、乗務 じょうむ 員 いん から最 もっと も目 め につきやすい位置 いち にある赤 あか またはオレンジの主 しゅ 警報 けいほう 灯 とう が点灯 てんとう して、乗務 じょうむ 員 いん は個別 こべつ の警告 けいこく 灯 とう を確認 かくにん するように促 うなが す。
警報 けいほう はランプの点灯 てんとう に同期 どうき してブザーやチャイム、ホーン音 おん 、音声 おんせい メッセージといった音 おと でも伝 つた えられ、機械 きかい 的 てき なものではフラッグで示 しめ すものもある。警報 けいほう を伝 つた える手段 しゅだん や調子 ちょうし には、人間 にんげん 工学 こうがく に基 もと づき危険 きけん 度 ど に応 おう じた工夫 くふう が加 くわ えられている。
以下 いか に個別 こべつ の警報 けいほう システムを示 しめ す。
操縦 そうじゅう 等 とう に関 かん するもの
離陸 りりく 警報 けいほう システム(Take-off warning system)
離陸 りりく 時 じ にフラップ、水平 すいへい 安定 あんてい 板 ばん 、スポイラーなどの角度 かくど や位置 いち が正 ただ しくないと、ブーブーブーという断続 だんぞく 警報 けいほう 音 おん で操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
着陸 ちゃくりく 警報 けいほう システム(Landing warning system)
ブーという持続 じぞく 警報 けいほう 音 おん を発 はっ する。
着陸 ちゃくりく 装置 そうち 警報 けいほう システム(Landing gear warning system)
着陸 ちゃくりく 装置 そうち が正 ただ しい脚下 きゃっか げ位置 いち になっていないのに着陸 ちゃくりく 操作 そうさ を行 おこな うと、赤色 あかいろ 警報 けいほう 灯 とう が点灯 てんとう し操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
自動 じどう 操縦 そうじゅう システム開放 かいほう 警報 けいほう システム(Auto-pilot disengage warning system)
操縦 そうじゅう 士 し が意図 いと したか予期 よき せずに行 おこな われたかにかかわらず自動 じどう 操縦 そうじゅう システムが自動 じどう 操縦 そうじゅう モードから外 はず れた場合 ばあい に、ワゥワゥワゥという警報 けいほう 音 おん と共 とも に警告 けいこく 灯 とう を点滅 てんめつ させて知 し らせる。
最大 さいだい 運用 うんよう 速度 そくど 警報 けいほう システム(Max air-speed warning system)
運用 うんよう 限界 げんかい 速度 そくど (Operation limitation speed) を越 こ えると、カタカタと音 おと を鳴 な らして操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
失速 しっそく 警報 けいほう システム(Stall warning system)
失速 しっそく 速度 そくど 手前 てまえ で7 - 10 %ほどの余裕 よゆう しかなくなると、操縦 そうじゅう 桿をガタガタと揺 ゆ らせて失速 しっそく の危険 きけん を操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
ウインドシア警報 けいほう システム(Wind-shear warning system)
ウインドシア警報 けいほう システムはB-747やDC-10より後 のち のすべての大型 おおがた 旅客機 りょかくき に備 そな わっており、離着陸 りちゃくりく 時 じ にウインドシア を受 う けると危険 きけん であるため、気象 きしょう レーダー等 とう の情報 じょうほう を分析 ぶんせき して飛行 ひこう 前方 ぜんぽう でウインドシアが発生 はっせい する危険 きけん 性 せい が高 たか い場合 ばあい に警告 けいこく 灯 とう と警報 けいほう メッセージを発 はっ して機首 きしゅ 上 あ げを指示 しじ する。離着陸 りちゃくりく 時 じ には低速 ていそく で高度 こうど も低 ひく いため過剰 かじょう な機首 きしゅ 上 あ げは失速 しっそく を招 まね く。失速 しっそく を避 さ けるために新 あたら しい機種 きしゅ では失速 しっそく を招 まね かない機首 きしゅ 上 あ げ角 かく や機首 きしゅ 上 あ げ余裕 よゆう 度 ど を示 しめ すようになっている。
高度 こうど 警報 けいほう システム(Altitude warning system)
選択 せんたく した高度 こうど に近 ちか づきつある時 とき 、または、選択 せんたく した高度 こうど から外 はず れてゆく時 とき に、ドミソの和音 わおん による警報 けいほう 音 おん を発 はっ し、警告 けいこく 灯 とう を点灯 てんとう 、または点滅 てんめつ させて操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
低 てい 高度 こうど 警報 けいほう システム(Decision height aural warning system)
着陸 ちゃくりく 侵入 しんにゅう 中 ちゅう に着陸 ちゃくりく 続行 ぞっこう か着陸 ちゃくりく 復 ふく 行 ぎょう かの決心 けっしん を求 もと める高度 こうど であるデシジョンハイト(着陸 ちゃくりく 決心 けっしん 高度 こうど )に達 たっ すると、ドミソの和音 わおん による警報 けいほう 音 おん を3度 ど 鳴 な らして、デシジョンハイト灯 とう を点灯 てんとう させて操縦 そうじゅう 士 し に知 し らせる。
TCAS
TCAS(衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 装置 そうち 、Traffic alert and Collision Avoidance System)と呼 よ ばれる装置 そうち によって空中 くうちゅう 衝突 しょうとつ の危険 きけん 性 せい が最小 さいしょう 化 か されている[ 16] 。
GPWS
GPWS(対地 たいち 接近 せっきん 警報 けいほう 装置 そうち 、Ground Proximity Warning System、TPWS; Terrain Proximity Warning System)は、地上 ちじょう からの高度 こうど を監視 かんし して危険 きけん なほど近 ちか づいた時 とき に警報 けいほう を発 はっ する装置 そうち である。電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい とCADC、グライドスロープ受信 じゅしん 機 き 、脚 あし センサ、フラップ角度 かくど センサ、フラップ・オーバーライド・スイッチからの入力 にゅうりょく を受 う けて、操縦 そうじゅう 席 せき へスピーカーとライトによる9種類 しゅるい の警報 けいほう を発 はっ する。多 おお くの旅客機 りょかくき が搭載 とうさい している[ 23] 。
機内 きない 環境 かんきょう に関 かん するもの
火災 かさい 警報 けいほう システム(Fire warning system)
エンジン火災 かさい 、APU火災 かさい 、脚 あし 格納 かくのう 室 しつ 加熱 かねつ 、貨物 かもつ 室 しつ の発煙 はつえん などを検知 けんち して大 おお きなベル音 おん と場所 ばしょ を示 しめ すランプで知 し らせる。
客室 きゃくしつ 与 あずか 圧 あつ 異常 いじょう 警報 けいほう システム(Cabin altitude warning system)
客室 きゃくしつ の与 あずか 圧 あつ が高度 こうど 1万 まん フィート以上 いじょう に相当 そうとう する低 ひく い圧力 あつりょく まで低下 ていか すると断続 だんぞく 的 てき な警報 けいほう 音 おん で知 し らせる。
ドア警報 けいほう システム(Door warning system)
与 あずか 圧 あつ 部分 ぶぶん のドアにロックが掛 か かっていないとオレンジ色 しょく の警報 けいほう 表示 ひょうじ 版 ばん が点灯 てんとう する[ 9] 。
^ 経済 けいざい 的 てき で安全 あんぜん な範囲 はんい での飛行 ひこう とは、ある程度 ていど 以上 いじょう の飛行 ひこう 回数 かいすう を越 こ えれば、主 おも に繰 く り返 かえ し疲労 ひろう による強度 きょうど 部材 ぶざい の強度 きょうど 低下 ていか が機体 きたい 各部 かくぶ に多数 たすう 、発生 はっせい してしまい、それでも安全 あんぜん に飛行 ひこう するためには点検 てんけん 保守 ほしゅ の手間 てま や時間 じかん 、費用 ひよう がかさむので新 あら たに機体 きたい を購入 こうにゅう する方 ほう が良 よ いという限界 げんかい の前 まえ を指 さ す。
^ 旅客機 りょかくき には日本 にっぽん の「耐 たい 空 そら 性 せい 審査 しんさ 要領 ようりょう 」で「制限 せいげん 荷重 かじゅう 倍率 ばいりつ 」が+2.5から-1.0までが設定 せってい され、これに安全 あんぜん 倍率 ばいりつ の1.5を乗 じょう じた強度 きょうど が機体 きたい 全体 ぜんたい に求 もと められている。世界 せかい 的 てき にも同様 どうよう である。
^ 構造 こうぞう 部材 ぶざい の強度 きょうど を示 しめ す尺度 しゃくど の1つに破壊 はかい 靱性(はかいじんせい、Fracture toughness)と呼 よ び、Kc (Critical stress intensity factor) で表 あらわ す。例 たと えば航空機 こうくうき 用 よう の強度 きょうど 部材 ぶざい として多用 たよう されるアルミニウム合金 ごうきん に、"2024-T3"と"7075-T6"があり、それぞれのKc は約 やく 450 kg/mm
2
m
m
{\displaystyle ^{2}{\sqrt {mm}}}
と約 やく 250 kg/mm
2
m
m
{\displaystyle ^{2}{\sqrt {mm}}}
であり2024-T3の方 ほう が7075-T6よりも大 おお きな荷重 かじゅう を受 う けないとクラックの進行 しんこう が急速 きゅうそく に進 すす むことがないといえる。これが2024-T3が外 そと 板 ばん に採用 さいよう される理由 りゆう の1つである。
^ 長年 ながねん 飛行 ひこう している機体 きたい では、客室 きゃくしつ ドア部 ぶ の機体 きたい 外面 がいめん の隅 すみ にパッチを当 あ てた跡 あと を見 み ることができる。
^ 旅客機 りょかくき に限 かぎ らず航空機 こうくうき は、軽量 けいりょう な構造 こうぞう 部材 ぶざい で十分 じゅうぶん な強度 きょうど が得 え られるように設計 せっけい されているが金属 きんぞく 疲労 ひろう のような小 ちい さな機体 きたい 構造 こうぞう の部分 ぶぶん 的 てき 破壊 はかい が全体 ぜんたい に波及 はきゅう することで空中 くうちゅう でバラバラになる重大 じゅうだい 事故 じこ が起 お きないように、小 ちい さな破壊 はかい 箇所 かしょ が拡大 かくだい することなく周囲 しゅうい の部材 ぶざい で負荷 ふか を分散 ぶんさん して負担 ふたん するように考慮 こうりょ されている。こういった、1つのトラブルだけでは致命 ちめい 的 てき な問題 もんだい とならないようにする設計 せっけい は「フェイルセーフ」設計 せっけい と呼 よ ばれ、構造 こうぞう 設計 せっけい だけに限 かぎ らず、航空機 こうくうき 全体 ぜんたい で採用 さいよう されている設計 せっけい 思想 しそう である。フェイルセーフによる構造 こうぞう 設計 せっけい では、負荷 ふか を分散 ぶんさん して受 う け持 も つリダンダント構造 こうぞう 、常時 じょうじ 2つ以上 いじょう の部材 ぶざい が負荷 ふか を受 う け持 も つ二 に 重 じゅう 構造 こうぞう 設計 せっけい 、1つの部材 ぶざい の破壊 はかい された時 とき に負荷 ふか を受 う け持 も つバックアップ設計 せっけい 、主 しゅ 構造 こうぞう が破壊 はかい されても周囲 しゅうい の補強 ほきょう 材 ざい が負荷 ふか を分担 ぶんたん するロード・ドロップ設計 せっけい 、などがある。
^ 同 おな じ航空機 こうくうき でも現代 げんだい の戦闘 せんとう 機 き では、外 そと 板 ばん が機体 きたい を支 ささ えるモノコック構造 こうぞう (Monocoque structure、はりがら構造 こうぞう )やセミモノコック構造 こうぞう (Semi-monocoque structure、半 はん はりがら構造 こうぞう )は採 と らず、機体 きたい 内部 ないぶ の強靭 きょうじん な金属 きんぞく フレームによって機体 きたい を支 ささ えるロンジロン構造 こうぞう (Longeron structure) が採用 さいよう されている。軍用 ぐんよう 輸送 ゆそう 機 き の多 おお くが旅客機 りょかくき 同様 どうよう にセミモノコック構造 こうぞう を採用 さいよう している。
^ トラス構造 こうぞう は「フレーム構造 こうぞう 」とも呼 よ ばれ、モノコック構造 こうぞう (Truss structure)は「応力 おうりょく 外皮 がいひ 構造 こうぞう 」や「張 ちょう 殻 から 構造 こうぞう 」とも呼 よ ばれる。
^ 旧 きゅう ソビエト製 せい の航空機 こうくうき では点 てん 溶接 ようせつ を採用 さいよう したものもあったが、今 いま でも世界 せかい 的 てき には一般 いっぱん 的 てき ではない。
^ DC-10とB-727の後部 こうぶ 圧力 あつりょく 隔壁 かくへき は、前部 ぜんぶ 圧力 あつりょく 隔壁 かくへき と同様 どうよう に平面 へいめん 状 じょう になっている。
^ 与 あずか 圧 あつ が失 うしな われる事態 じたい で、機内 きない の空気 くうき が与 あずか 圧 あつ 室 しつ の後部 こうぶ などへ吹 ふ き出 だ す場合 ばあい でも、主要 しゅよう な機能 きのう が失 うしな われずに安全 あんぜん に着陸 ちゃくりく できるように設計 せっけい されている。与 あずか 圧 あつ 喪失 そうしつ 時 じ と同様 どうよう に、ジェット・エンジンのローターが破損 はそん してそれが飛散 ひさん する「ローター・バースト」時 じ にも安全 あんぜん に着陸 ちゃくりく できるように、ローター・ディスクから前後 ぜんご 3度 ど の角度 かくど 内 ない とファン・ブレードの前後 ぜんご 15度 ど の角度 かくど 内 ない には重要 じゅうよう な装置 そうち を置 お かないようにしており、そこを通 とお るコントロール・ケーブル類 るい の破損 はそん も考慮 こうりょ している。
^ 翼 つばさ の形状 けいじょう は、時代 じだい と共 とも に層 そう 流 りゅう 翼 つばさ 型 がた からピーキー翼 つばさ 型 がた 、スーパークリティカル翼 つばさ 型 がた へと進 すす んだ。
^ ジェット機 じぇっとき の速度 そくど 領域 りょういき では、フィレットによる渦 うず の発生 はっせい 抑止 よくし の効果 こうか は無 な いとする考 かんが えもある。
^ 「フィレット」はエンジンナセルやスパッツと同様 どうよう に「フェアリング」と呼 よ ばれることもある。
^ 航続 こうぞく 距離 きょり の長 なが い機体 きたい では、翼 つばさ 端 はし 部 ぶ にウイングレットやウイングフィン、ウイングチップと呼 よ ばれる小 しょう 翼 つばさ が付 つ くことが多 おお くなっている。これらの小 しょう 翼 つばさ によって翼 つばさ 端 はし に生 しょう じる渦 うず (翼 つばさ 端 はし 渦 うず )を減 へ らし誘導 ゆうどう 抵抗 ていこう を減 へ らしている。主翼 しゅよく が長 なが く、先 さき へ行 い くほど細 ほそ く(縦横 じゅうおう 比 ひ が大 おお きく)されるのも誘導 ゆうどう 抵抗 ていこう を減 へ らすためである。誘導 ゆうどう 抵抗 ていこう はさまざまな姿勢 しせい での飛行 ひこう 中 ちゅう の全 ぜん 抵抗 ていこう の内 うち の40 %前後 ぜんご になるため、縦横 じゅうおう 比 ひ を大 おお きくすることが経済 けいざい 的 てき にも重要 じゅうよう である。
^ 翼 つばさ は上下 じょうげ にたわむことを前提 ぜんてい として設計 せっけい され、円筒 えんとう 形 がた の胴体 どうたい 部 ぶ は気圧 きあつ の変化 へんか に応 おう じて膨張 ぼうちょう と収縮 しゅうしゅく を繰 く り返 かえ すことを前提 ぜんてい に設計 せっけい されている。柔軟 じゅうなん な翼 つばさ と変形 へんけい の少 すく ない胴体 どうたい という互 たが いに異 こと なる動 うご きをする2種類 しゅるい の金属 きんぞく 製 せい の構造 こうぞう 材 ざい を結合 けつごう することは、航空機 こうくうき 設計 せっけい において長年 ながねん のあいだ大 おお きな課題 かだい である。コンピュータによる構造 こうぞう 計算 けいさん が行 おこな えるようになってから初 はじ めて、現在 げんざい のような厚 あつ みのある中央 ちゅうおう 翼 つばさ 構造 こうぞう で強度 きょうど が保 たも たれたが、それ以前 いぜん は力学 りきがく 的 てき な変形 へんけい の影響 えいきょう が互 たが いに及 およ ぼし合 あ わないないように、翼 つばさ は胴体 どうたい 部分 ぶぶん にいくつかの大 おお きなヒンジで結合 けつごう されていた。
^ エンジン位置 いち は、その他 た にも燃料 ねんりょう 系統 けいとう の配管 はいかん 位置 いち による安全 あんぜん 性 せい やエンジン停止 ていし 時 じ の推力 すいりょく バランス変化 へんか の影響 えいきょう 、ジェット後 ご 流 りゅう の翼 つばさ 面 めん への影響 えいきょう などが考慮 こうりょ される。
^ エンジンの信頼 しんらい 性 せい が向上 こうじょう したため3つのエンジンを持 も った旅客機 りょかくき は姿 すがた を消 け して、2発 はつ 機 き と4発 はつ 機 き の2形式 けいしき だけになっており、21世紀 せいき 初頭 しょとう 現在 げんざい では経済 けいざい 性 せい の面 めん で優 すぐ れる2発 はつ 機 き が増 ふ える傾向 けいこう がある。
^ 主翼 しゅよく の翼 つばさ 面 めん 荷重 かじゅう に応 おう じて翼 つばさ の揚 あげ 抗 こう 比 ひ が変化 へんか し、最適 さいてき な迎 むかい 角 かく を取 と れる高度 こうど も変 か わってゆく。実際 じっさい の運航 うんこう では燃料 ねんりょう 消費 しょうひ によって軽 かる くなった機体 きたい と主翼 しゅよく の翼 つばさ 面 めん 荷重 におも の減少 げんしょう に応 おう じて、最小 さいしょう の燃料 ねんりょう 消費 しょうひ となるように巡航 じゅんこう 高度 こうど を少 すこ しずつ上 あ げながら飛 と んでいる。
^ 大型 おおがた 旅客機 りょかくき では、変動 へんどう する重心 じゅうしん の許容 きょよう 範囲 はんい は、客室 きゃくしつ の長 なが さの4 % 程度 ていど になっている。
^ 主翼 しゅよく には前 ぜん 縁 えん や後 こう 縁 えん に多数 たすう の動 どう 翼 つばさ があるので、主翼 しゅよく の構造 こうぞう 部材 ぶざい は中央 ちゅうおう を貫 つらぬ くことになり、その箱 はこ 状 じょう 構造 こうぞう の内部 ないぶ を燃料 ねんりょう タンクとして利用 りよう している。主翼 しゅよく 内 ない に燃料 ねんりょう タンクを持 も つと、エンジンに近 ちか いために危険 きけん な燃料 ねんりょう 配管 はいかん が短 みじか く作 つく れ、飛行 ひこう 中 ちゅう は揚力 ようりょく を生 う み出 だ す主翼 しゅよく がそのまま燃料 ねんりょう タンクの荷重 かじゅう を受 う けるため都合 つごう が良 よ いが、燃料 ねんりょう 給油 きゅうゆ 後 ご に地上 ちじょう で駐 ちゅう 機 き している間 あいだ はエンジンと燃料 ねんりょう タンクの荷重 かじゅう による翼 つばさ への疲労 ひろう が増 ま す。内部 ないぶ の燃料 ねんりょう が機体 きたい の動静 どうせい に応 おう じて揺 ゆ れ動 うご くと飛行 ひこう が不安定 ふあんてい となるため、大 おお きなタンク内 ない には仕切 しき りが付 つ けられている。タンク内 ない の底部 ていぶ にはサンプと呼 よ ばれる水 みず 抜 ぬ きが備 そな わり、燃料 ねんりょう に混 ま じって入 はい り込 こ む水 みず を適時 てきじ 排出 はいしゅつ する。サンプ部分 ぶぶん には特 とく に水 みず に対 たい する防 ぼう 錆 さび 処理 しょり が施 ほどこ される。各 かく タンクは2 %以上 いじょう の余 よ 積 せき を持 も ち、また万 まん が一 いち タンクに許容 きょよう 量 りょう 以上 いじょう に加圧 かあつ 給油 きゅうゆ が行 おこな われてもタンクや機体 きたい が破壊 はかい されずに燃料 ねんりょう が排出 はいしゅつ される構造 こうぞう になっている。
^ エアバス社 しゃ のA380では中央 ちゅうおう 翼 つばさ 内 ない はセンター・タンクになっていない。A380の燃料 ねんりょう タンクすべてを満 み たすことはできず、上限 じょうげん は約 やく 31万 まん リットルである。
^ 中央 ちゅうおう 翼 つばさ 内 ない にセンター・タンクを持 も つ機体 きたい では、主 しゅ 脚 あし はセンター・タンクのすぐ後部 こうぶ に格納 かくのう するレイアウトが採用 さいよう されている。
^ 米国 べいこく などでは脚 あし は陸上 りくじょう 用 よう のタイヤ、水上 すいじょう 用 よう のフロート、雪上 せつじょう 用 よう のスキッドのいずれであってもすべてを"Landing Gear"(着陸 ちゃくりく 装置 そうち )と呼 よ ぶことが多 おお いが、日本 にっぽん では降着 こうちゃく 装置 そうち と呼 よ ぶこともあり、航空 こうくう 法 ほう では降着 こうちゃく 装置 そうち と着陸 ちゃくりく 装置 そうち の両方 りょうほう が用語 ようご が使 つか われている。
^ エアバスA380 は主 しゅ 脚 あし だけで4本 ほん の柱 はしら に合計 ごうけい 20輪 りん のタイヤを持 も っている。
^ 主 しゅ 脚 あし に6本 ほん もタイヤを持 も つとボギーが長 なが くなり、前輪 ぜんりん で大 おお きな操 みさお 向 こう 角 かく を取 と ると主 おも 脚 あし タイヤに不 ふ 均一 きんいつ な横 よこ 方向 ほうこう の力 ちから が掛 か かり、横滑 よこすべ りを強要 きょうよう されるようになる。ボーイング社 しゃ のB-747の胴体 どうたい 側 がわ 主 しゅ 脚 あし 2本 ほん は前 ぜん 脚 あし 操 みさお 向 こう 装置 そうち と連動 れんどう した主 しゅ 脚 あし 操 みさお 向 こう 装置 そうち と呼 よ ばれるタイヤの向 む きを変 か える油圧 ゆあつ 式 しき の装置 そうち が備 そな わっている。B-777では、それぞれの主 しゅ 脚 あし 6本 ほん のタイヤの内 うち 、後 うし ろの2輪 りん に油圧 ゆあつ 式 しき の主 しゅ 脚 あし 操 みさお 向 こう 装置 そうち 装置 そうち が備 そな わり、前 ぜん 脚 あし の操 みさお 向 こう 角度 かくど が10度 ど 以上 いじょう になるとこの2輪 りん のタイヤだけ向 む きを変 か えるようになっている。
^ ストレッチ・アクリル板 ばん はアクリル板 ばん を加熱 かねつ した状態 じょうたい で、縦横 じゅうおう それぞれ1.7倍 ばい 程度 ていど に引 ひ き伸 の ばしたものであり、樹脂 じゅし の分子 ぶんし 配列 はいれつ を整列 せいれつ させることで割 わ れにくくしている。
^ ボーイング社 しゃ のB-737、B-767、B-777では操縦 そうじゅう 席 せき 側面 そくめん の窓 まど が横 よこ にスライドして開 ひら く。窓 まど が開 ひら かない機体 きたい では別 べつ に天井 てんじょう などに非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう が備 そな わっている。
^ 機軸 きじく に対 たい して前方 ぜんぽう 15度 ど 以上 いじょう の角度 かくど を持 も った窓 まど のすべてについては、巡航 じゅんこう 速度 そくど で4ポンド (1.8 kg)の鳥 とり が衝突 しょうとつ しても突 つ き破 やぶ れない強度 きょうど が要求 ようきゅう される。
^ 高空 こうくう を飛行 ひこう 中 ちゅう に客室 きゃくしつ のドアが開 ひら いたり失 うしな われると空気 くうき と共 とも に固定 こてい されていないものが機外 きがい に放出 ほうしゅつ され、同時 どうじ に与 あずか 圧 あつ が短時間 たんじかん で失 うしな われされるために乗員 じょういん や乗客 じょうきゃく が失神 しっしん や障害 しょうがい を受 う ける可能 かのう 性 せい が高 たか い。
^ 非常時 ひじょうじ には搭乗 とうじょう 者 しゃ 全員 ぜんいん が90秒 びょう 以内 いない に機外 きがい へ安全 あんぜん に脱出 だっしゅつ できるよう義務付 ぎむづ けられている。外部 がいぶ から開 ひら くことができるドアには、ドアの周囲 しゅうい を外面 がいめん の色 いろ と反対 はんたい の色 いろ で塗装 とそう することが義務付 ぎむづ けられている。
^ 非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 用 よう のドアに関 かん しては、大 おお きさと取 と り付 つ け位置 いち 、一定 いってい 時間 じかん 内 ない で脱出 だっしゅつ 可能 かのう な人数 にんずう などが厳格 げんかく に規定 きてい されており、これが機種 きしゅ ごとでの営業 えいぎょう 運航 うんこう 可能 かのう な最大 さいだい 乗客 じょうきゃく 数 すう の上限 じょうげん となることが多 おお い。ギャレー用 よう の荷物 にもつ の搬入 はんにゅう 出 で のためにサービスドアという名称 めいしょう のドアも設 もう けられることがあるが、客室 きゃくしつ フロアのものは乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく 用 よう のドアと同様 どうよう に機体 きたい の左右 さゆう 対称 たいしょう に備 そな えられたまったく同 おな じ構造 こうぞう であり、緊急 きんきゅう 時 じ には非常 ひじょう 用 よう の脱出 だっしゅつ 口 こう となる。
^ 1970年代 ねんだい の第 だい 3世代 せだい ジェット旅客機 りょかくき からは、客室 きゃくしつ のドアは非常 ひじょう 脱出 だっしゅつ 口 こう としての機能 きのう が求 もと められるようになり、左右 さゆう 対称 たいしょう に多 おお くのドアが備 そな えられるようになっている。
^ エアバス A380 では全 ぜん 2階 かい 建 だ てになったことで胴体 どうたい の断面 だんめん 形状 けいじょう が縦長 たてなが になり、そのまま先頭 せんとう 部 ぶ の1階 かい と2階 かい の中間 ちゅうかん の高 たか さに操縦 そうじゅう 室 しつ を設 もう けることで良好 りょうこう な視界 しかい を確保 かくほ できた。
^ 過去 かこ には航空 こうくう 機関 きかん 士 し 席 せき が操縦 そうじゅう 室 しつ の右 みぎ 後方 こうほう にあったが、21世紀 せいき 現在 げんざい では左側 ひだりがわ の機長 きちょう と右側 みぎがわ の副 ふく 操縦 そうじゅう 士 し の2名 めい で操縦 そうじゅう するのが一般 いっぱん 的 てき になっている。
^ 操縦 そうじゅう 士 し 達 たち は飛行 ひこう 中 ちゅう は最低 さいてい でも1人 ひとり が操縦 そうじゅう 席 せき で操縦 そうじゅう を担当 たんとう するように求 もと められており、2人 ふたり の操縦 そうじゅう 士 し のいずれかがトイレなどで席 せき を離 はな れる場合 ばあい には、操縦 そうじゅう 席 せき に残 のこ る者 もの はそのたびに酸素 さんそ マスクを装着 そうちゃく するよう義務付 ぎむづ けられている。操縦 そうじゅう 席 せき で交代 こうたい で食 た べる食事 しょくじ も食中毒 しょくちゅうどく の危険 きけん 性 せい を最小限 さいしょうげん にするため、異 こと なるメニューを摂 と ることが義務 ぎむ となっている。
^ 乗務 じょうむ 員 いん 用 よう 休憩 きゅうけい 室 しつ の機内 きない 位置 いち については、長距離 ちょうきょり 路線 ろせん 用 よう の大型 おおがた 旅客機 りょかくき を製造 せいぞう している航空機 こうくうき メーカーによって思想 しそう が異 こと なる。エアバス社 しゃ では床下 ゆかした 貨物 かもつ 室 しつ への出入 でい り口 ぐち と共 とも にUL3コンテナを左右 さゆう 2個 こ つなげた休息 きゅうそく 専用 せんよう のコンパートメント・モジュールや乗客 じょうきゃく 用 よう 設備 せつび を開発 かいはつ して必要 ひつよう に応 おう じて1個 いっこ 以上 いじょう を搭載 とうさい するとしているのに対 たい して、幅広 はばひろ い胴体 どうたい のB-777を持 も つボーイング社 しゃ では、貨物 かもつ 料金 りょうきん 収入 しゅうにゅう を減 へ らさずに済 す む屋根裏 やねうら の空間 くうかん を利用 りよう した乗務 じょうむ 員 いん 休憩 きゅうけい 室 しつ を設 もう けている。例 たと えばA340-500と-600では大 おお きめのコンパートメント・モジュールを積 つ み込 こ めるようになっており、実際 じっさい にルフトハンザ航空 こうくう のA340-600では客室 きゃくしつ 床下 ゆかした の貨物 かもつ 室 しつ には乗務 じょうむ 員 いん 用 よう 休憩 きゅうけい モジュールとその手前 てまえ には乗客 じょうきゃく 用 よう 洗面 せんめん 所 しょ モジュールが搭載 とうさい されている。ただしエアバス社 しゃ でもA380では客室 きゃくしつ と同 おな じフロアに乗務 じょうむ 員 いん 用 よう 休憩 きゅうけい 室 しつ が設 もう けられている。
^ 乗客 じょうきゃく 用 よう の座席 ざせき は、耐 たい 空 そら 性 せい 審査 しんさ の規定 きてい によって、乗客 じょうきゃく 1人 にん が体重 たいじゅう 77 kgとして想定 そうてい した場合 ばあい に、機体 きたい が10度 ど の横滑 よこすべ り状態 じょうたい で前方 ぜんぽう 方向 ほうこう に対 たい する16 Gまでの加重 かじゅう と、30度 ど の横滑 よこすべ り状態 じょうたい で同 おな じく14 Gまでの加重 かじゅう に瞬間 しゅんかん 的 てき に耐 た えることが求 もと められる。
^ 機内 きない エンタテイメント・サービス・システムも提供 ていきょう 番組 ばんぐみ 数 すう が増 ふ えると配線 はいせん 数 すう が膨大 ぼうだい となるため、客室 きゃくしつ への配線 はいせん などをまとめるための共通 きょうつう 規格 きかく がある。"ARINC 429"が古 ふる い規格 きかく であり、"ARINC 629"が新 あたら しい規格 きかく である。
^ 日本 にっぽん の旅客機 りょかくき では、NTTによる「機内 きない 公衆 こうしゅう 電話 でんわ 」として下 くだ り900 MHz / 上 のぼ り940 MHzのSSB方式 ほうしき 1チャンネルの無線 むせん 電話機 でんわき が搭載 とうさい されており、日本 にっぽん 国内 こくない 6ヶ所 かしょ の地上 ちじょう 局 きょく を経由 けいゆ して通話 つうわ が可能 かのう になっている。
^ 化粧 けしょう 室 しつ を男性 だんせい 用 よう と女性 じょせい 用 よう に分 わ ける場合 ばあい もある。
^ LD-3コンテナは米国 べいこく 航空 こうくう 輸送 ゆそう 協会 きょうかい (ATA) の規定 きてい であり、世界 せかい 的 てき な標準 ひょうじゅん となった。
^ 従来 じゅうらい は、火災 かさい 検知 けんち 器 き と消火 しょうか 装置 そうち と言 い うC級 きゅう と、通気 つうき を制限 せいげん して火災 かさい を閉 と じ込 こ めるだけのD級 きゅう という2つが耐 たい 空 そら 性 せい 基準 きじゅん の耐火 たいか 性 せい 規定 きてい に存在 そんざい していたが、1998年 ねん からはD級 きゅう が廃止 はいし されてC級 きゅう だけになった。
^ 旅客機 りょかくき 用 よう タイヤは例 たと えば4発 はつ ジェット機 じぇっとき では着陸 ちゃくりく 時 じ には最大 さいだい 400 km/hの速度 そくど に耐 た える必要 ひつよう があり、これは静的 せいてき 荷重 かじゅう で22トン、動的 どうてき 荷重 におも では32トンになる。
^ ジャンボジェット機 じぇっとき のタイヤでも直径 ちょっけい 1.3 m、幅 はば 50 cmに過 す ぎない。
^ トレッドの溝 みぞ は、一般 いっぱん に4 - 6本 ほん の直線 ちょくせん 的 てき な溝 みぞ が付 つ けられている。
^ 21世紀 せいき 現在 げんざい の航空機 こうくうき 用 よう タイヤのすべてはナイロンを内蔵 ないぞう している。このナイロンを使用 しよう したタイヤは、格納庫 かくのうこ などに数日 すうじつ 駐 ちゅう 機 き することで機体 きたい の静 せい 荷重 かじゅう を底面 ていめん となっていた特定 とくてい 個所 かしょ で受 う け続 つづ け、ナイロン・フラット・スポットと呼 よ ばれる変形 へんけい を起 お こす。この変形 へんけい は滑走 かっそう 中 ちゅう に振動 しんどう を起 お こすので乗員 じょういん 乗客 じょうきゃく に不安 ふあん や不快 ふかい を招 まね く。寒中 かんちゅう で内圧 ないあつ が低下 ていか した状態 じょうたい ではより激 はげ しくなり、25 - 50 %もの変形 へんけい となる。飛行 ひこう 前 まえ であっても機体 きたい をわずかに移動 いどう させ、スポット面 めん を上 うえ になるようにすれば1時 じ 間 あいだ ほどで修正 しゅうせい される。長期 ちょうき の駐 ちゅう 機 き では2日 にち ごとに少 すこ し移動 いどう させるなどの配慮 はいりょ が求 もと められる。
^ 少数 しょうすう 派 は ではあるが、ボーイング社 しゃ のB-727のように前輪 ぜんりん にもブレーキを備 そな えるものがある。ブレーキ・ペダルの踏 ふ み込 こ みによって最初 さいしょ に主 しゅ 脚 あし のブレーキが働 はたら き、ペダルをさらに踏 ふ み込 こ むことで押 お し下 さ げの後半 こうはん から前輪 ぜんりん ブレーキが働 はたら き始 はじ める。
^ 今日 きょう では自動車 じどうしゃ でも一般 いっぱん 的 てき になっているアンチスキッド装置 そうち (ABS) も、元々 もともと は航空機 こうくうき の着陸 ちゃくりく 時 じ に安全 あんぜん に短 みじか い距離 きょり で機体 きたい を停止 ていし させるために開発 かいはつ された技術 ぎじゅつ である。
^ 小型 こがた 機 き では衝突 しょうとつ 防止 ぼうし 灯 とう が赤色 あかいろ になる。
^ 与 あずか 圧 あつ は、従来 じゅうらい は最大 さいだい 高度 こうど 2,400 m相当 そうとう で機内 きない 気圧 きあつ が維持 いじ されていたが、A380やB-787では高度 こうど 1,500 mに相当 そうとう する、より地上 ちじょう に近 ちか い圧力 あつりょく を維持 いじ するようになっている。
^ 機内 きない を常 つね に1気圧 きあつ に保 たも つと、膨張 ぼうちょう 収縮 しゅうしゅく を前提 ぜんてい としたセミモノコック構造 こうぞう の金属 きんぞく 疲労 ひろう を大 おお きくして機体 きたい 寿命 じゅみょう を縮 ちぢ めるため、人 ひと に影響 えいきょう のない程度 ていど まで減圧 げんあつ を許容 きょよう している。
^ 昔 むかし のレシプロエンジン機 き では、空調 くうちょう 用 よう の圧縮 あっしゅく 機 き を搭載 とうさい していた。
^ B-787では電動 でんどう 圧縮 あっしゅく 機 き を備 そな え、翼 つばさ の防除 ぼうじょ 氷 ごおり は電熱 でんねつ 式 しき になっている。
^ ジェットエンジンは、ファンの回転 かいてん 軸 じく より歯車 はぐるま によってエンジンコア外 がい に回転 かいてん 力 りょく を取 と り出 だ し 、発電 はつでん 機 はた や燃料 ねんりょう ポンプ 、オイルポンプ といった補 ほ 機 き 類 るい が一体 いったい となったAGB(Accessary Gear Box、補 ほ 機 き 駆動 くどう 用 よう ギアボックス)を駆動 くどう している。エンジンの回転 かいてん 数 すう は一定 いってい ではないため、定 じょう 速 そく 駆動 くどう 装置 そうち (Constant Speed Drive, CSD ) によって回転 かいてん 数 すう が一定 いってい になるよう調整 ちょうせい された後 のち 、交流 こうりゅう 式 しき 発電 はつでん 機 き に回転 かいてん が伝 つた えられる。
^ 例 たと えばB-747型 がた 機 き の4つの発電 はつでん 機 き はそれぞれが60 kVAを発電 はつでん することで150 - 200 kVAの最大 さいだい 消費 しょうひ 電力 でんりょく に対応 たいおう する。地上 ちじょう で一般 いっぱん 的 てき な50 / 60 Hzより高 たか い周波数 しゅうはすう の400 Hzにすることによって、電圧 でんあつ 変換 へんかん 用 よう トランスのコアを小 ちい さく軽量 けいりょう 化 か できるためである。発電 はつでん 機 き は通常 つうじょう 、並列 へいれつ 運転 うんてん されて支障 ししょう が無 な い限 かぎ りすべてが単一 たんいつ の電力 でんりょく 母線 ぼせん に接続 せつぞく される。異常 いじょう がある交流 こうりゅう 式 しき 発電 はつでん 機 き は電力 でんりょく 母線 ぼせん から切 き り離 はな される。それぞれの発電 はつでん 機 き は互 たが いの有効 ゆうこう 出力 しゅつりょく と無効 むこう 出力 しゅつりょく が等 ひと しくなるように、位相 いそう と負荷 ふか が制御 せいぎょ される。
^ エンジンの回転 かいてん 軸 じく からギヤで駆動 くどう される交流 こうりゅう 式 しき 発電 はつでん 機 き では周波数 しゅうはすう 変動 へんどう が生 しょう じるために、1930年代 ねんだい からのCSD(定 じょう 速 そく 駆動 くどう 装置 そうち )や、1970年代 ねんだい 以降 いこう にはCSDと発電 はつでん 機 き が一体 いったい になったIDGが導入 どうにゅう されたこともあり、また1970年代 ねんだい 以降 いこう には発電 はつでん 機 き は自由 じゆう に回転 かいてん させておいて半導体 はんどうたい 素子 そし によって一定 いってい 周波数 しゅうはすう を作 つく るVSCF(可 か 変速 へんそく ・定 てい 周波 しゅうは )も一部 いちぶ で導入 どうにゅう されることもあったが、1990年 ねん 以降 いこう は、変動 へんどう する交流 こうりゅう 周波数 しゅうはすう をそのまま主 しゅ 電源 でんげん として電力 でんりょく 消費 しょうひ は大 おお きいが周波数 しゅうはすう の変動 へんどう に影響 えいきょう を受 う けない機器 きき だけを接続 せつぞく する方式 ほうしき が増 ふ える傾向 けいこう がある。
^ オイルポンプは必要 ひつよう に応 おう じて送 おく り出 だ す量 りょう が調整 ちょうせい できる可変 かへん 吐出 としゅつ 量 りょう 型 がた であり、また、大型 おおがた 機 き では長大 ちょうだい な油圧 ゆあつ 配管 はいかん そのものがアキュムレータの働 はたら きをするため、アキュムレータを持 も たないことがある。例 たと えば駐 ちゅう 機 き 中 ちゅう の脚 あし のブレーキ・システムのように、ポンプを停止 ていし した状態 じょうたい でも、アキュムレータによって油圧 ゆあつ システムは加圧 かあつ 状態 じょうたい が維持 いじ できるようになっている。
^ 圧縮 あっしゅく 空気 くうき 系統 けいとう は基本 きほん 的 てき に完全 かんぜん な多重 たじゅう 化 か はされていないが、いずれか系統 けいとう の一部 いちぶ が機能 きのう を失 うしな ってもマニホールド間 あいだ のアイソレーション・バルブで連絡 れんらく することで影響 えいきょう の極小 きょくしょう 化 か を図 はか るなど、できるだけ飛行 ひこう に支障 ししょう が出 で ないように工夫 くふう されている。
^ B-787では、ゼネラル・エレクトリック社 しゃ のGEnxエンジンとロールスロイス社 しゃ のトレント1000エンジンの両方 りょうほう でニューマチック用 よう の高 こう 圧 あつ 空気 くうき の抽気システムと圧縮 あっしゅく 空気 くうき 式 しき の始動 しどう タービンを廃止 はいし して、代 か わりに電動 でんどう スターターを兼 か ねた発電 はつでん 機 き を強力 きょうりょく にして、従来 じゅうらい は抽気した高温 こうおん 高 だか 圧 あつ の空気 くうき を供給 きょうきゅう していた機内 きない 与 あずか 圧 あつ の空調 くうちょう システムや主翼 しゅよく 前 ぜん 縁 えん などの着 ちゃく 氷 ごおり 防止 ぼうし システムへは、電動 でんどう ポンプや電気 でんき ヒーターによって対応 たいおう している。
^ 鋭角 えいかく な突起 とっき 先 さき 端 はし を丸 まる くすることで電荷 でんか の集中 しゅうちゅう を避 さ ける。
^ 燃料 ねんりょう の残留 ざんりゅう を正確 せいかく に知 し ることは、経済 けいざい 的 てき な飛行 ひこう を行 おこな うためだけでなく、滞空 たいくう 可能 かのう な時間 じかん の限界 げんかい を知 し ることで安全 あんぜん 確保 かくほ にも重要 じゅうよう である。多 おお くの大型 おおがた 航空機 こうくうき では、機体 きたい の傾 かたむ きなどを考慮 こうりょ して、1つのタンク内 ない での複数 ふくすう 箇所 かしょ の静 せい 電 でん 容量 ようりょう センサーによる残 ざん 油 あぶら 面 めん の高 たか さからコンピュータでできるだけ正確 せいかく な残 ざん 油 あぶら 量 りょう を計測 けいそく している。幾 いく つかの新 あたら しい機体 きたい ではタンク内 ない の燃料 ねんりょう 密度 みつど を測 はか るセンサーを備 そな えるものもある。
^ 日本 にっぽん では民間 みんかん 航空機 こうくうき の非 ひ 常用 じょうよう 設備 せつび は「耐 たい 空 そら 性 せい 審査 しんさ 要領 ようりょう 」で規定 きてい されている
^ 客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん はドアモードの変更 へんこう 時 じ には、シューターがドア開口 かいこう 部下 ぶか 縁 えん にラッチでつながれてドアを開 あ けばシューターが膨 ふく らんで素早 すばや く避難 ひなん できるようにするか、又 また は、地上 ちじょう で降 くだ 機 き する時点 じてん では、つながれたものを外 はず してドアが開 ひら いても膨張 ぼうちょう しないようにしている。
^ 与 あずか 圧 あつ が失 うしな われる事態 じたい とは、おおむね14,000フィート以上 いじょう の高度 こうど での気圧 きあつ を意味 いみ している。これに相当 そうとう する気圧 きあつ より機内 きない が低 ひく くなるとダイヤフラム式 しき のアネロイド・スイッチが接続 せつぞく されて、自動的 じどうてき に乗客 じょうきゃく 用 よう 緊急 きんきゅう 酸素 さんそ 装置 そうち のドア開放 かいほう 機構 きこう が作動 さどう し、ビニールチューブにぶら下 さ がったマスクが座席 ざせき の頭上 ずじょう 部分 ぶぶん から落 お ちてくる。乗務 じょうむ 員 いん の操作 そうさ でも同様 どうよう に起動 きどう できる。乗客 じょうきゃく 用 よう のものは概 おおむ ね固体 こたい 式 しき の酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち であるが、この状態 じょうたい でもまだ酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち は酸素 さんそ を発生 はっせい していない。幾 いく つかのマスクごとが1組 くみ となって1つの酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち を共有 きょうゆう しており、いずれか1つでもチューブが引 ひ かれることで化学 かがく 反応 はんのう が始 はじ まる。高 こう 圧 あつ 式 しき や液体 えきたい 式 しき のものでは床下 ゆかした などに集中 しゅうちゅう 式 しき のボンベが置 お かれ、配管 はいかん によって頭上 ずじょう に導 みちび かれている。この形式 けいしき では1つ1つのマスクが各々 おのおの 小型 こがた のバルブを開放 かいほう するためのピンに接続 せつぞく されており、引 ひ かれたマスクからのみ、酸素 さんそ が供給 きょうきゅう される。
^ 乗客 じょうきゃく 用 よう の酸素 さんそ マスクにはリザーバと呼 よ ばれる袋 ふくろ が付 つ いていて、酸素 さんそ を一時 いちじ 的 てき に蓄 たくわ えることで細 こま かな調節 ちょうせつ を省 はぶ いて細 ほそ い管 かん から連続 れんぞく 的 てき に供給 きょうきゅう している。
^ 乗員 じょういん 用 よう の酸素 さんそ ボンベは酸素 さんそ を示 しめ す緑色 みどりいろ に塗 ぬ られ機体 きたい の長 ちょう 軸 じく に直角 ちょっかく にボンベの端 はし を向 む けて設置 せっち するなどが規定 きてい されている。
^ 客室 きゃくしつ 用 よう の緊急 きんきゅう 用 よう 酸素 さんそ には化学 かがく 式 しき 酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち が使用 しよう されることが多 おお い。これは塩素 えんそ 酸 さん ナトリウムや塩素 えんそ 酸 さん カリウムの粉末 ふんまつ を金属 きんぞく 容器 ようき に詰 つ めておき、内部 ないぶ の電気 でんき ヒータや電気 でんき 雷管 らいかん で点火 てんか することで徐々 じょじょ に酸素 さんそ と塩化 えんか ナトリウムや塩化 えんか カリウムに化学 かがく 反応 はんのう が進 すす む仕組 しく みになっている。一度 いちど 反応 はんのう を開始 かいし すれば容器 ようき は高温 こうおん となって停止 ていし もできないが、薬剤 やくざい は(一応 いちおう 十 じゅう 年 ねん 程度 ていど の保証 ほしょう 期間 きかん が設定 せってい されているが)実質 じっしつ 的 てき には半永久 はんえいきゅう 的 てき に安定 あんてい した品質 ひんしつ が保 たも たれるために、打撃 だげき 信管 しんかん も用 もち いることで動作 どうさ に確実 かくじつ 性 せい がある。ポータブル用 よう 酸素 さんそ 発生 はっせい 装置 そうち としても用 もち いられる。他 ほか にも極 ごく 低温 ていおん を保 たも つボンベごと飛行 ひこう ごとに交換 こうかん する液体 えきたい 酸素 さんそ 式 しき のものもある。
^ B-777やA321では飛行 ひこう 時 じ の風圧 ふうあつ を利用 りよう する「ラム・エア・タービン」(Ram Ait Turbine; RAT ) が主 しゅ 脚 あし ドアの右 みぎ 後方 こうほう に備 そな わっており、非常時 ひじょうじ には機外 きがい に展開 てんかい されて交流 こうりゅう 電力 でんりょく と油圧 ゆあつ を飛行 ひこう に必要 ひつよう な機器 きき に限 かぎ って供給 きょうきゅう する。B-767では油圧 ゆあつ によって発電 はつでん する「ハイドロ・ドリブン・ジェネレータ」(Hydrau Driven Generator; HDG ) を備 そな え、非常時 ひじょうじ には交流 こうりゅう と直流 ちょくりゅう を供給 きょうきゅう する。
^ 洗面 せんめん 所 しょ 手洗水 てあらいみず と調理 ちょうり 用 よう 排水 はいすい はドレーンマストによって機外 きがい に排出 はいしゅつ される。胴体 どうたい 部 ぶ の燃料 ねんりょう タンクと機内 きない の燃料 ねんりょう 配管 はいかん すべてには万 まん 一 いち の漏洩 ろうえい 時 じ でも機体 きたい 内 ない に滞留 たいりゅう しないよう二 に 重 じゅう 壁 かべ や二 に 重 じゅう 鞘 さや で覆 おお われているが、漏 も れた燃料 ねんりょう を機外 きがい に捨 す てるドレーンマストには凍結 とうけつ 防止 ぼうし 対策 たいさく は行 おこな われていない。
^ 小型 こがた のレシプロエンジン機 き では、燃焼 ねんしょう ヒーター式 しき と呼 よ ばれる翼 つばさ 内 ない で燃料 ねんりょう を燃 も やし前 ぜん 縁 えん 部 ぶ に導 みちび く方式 ほうしき もある。前 ぜん 縁 えん 部 ぶ にデサイア・ブーツと呼 よ ばれるゴム製 せい の覆 おお いを取 と り付 つ けておいて、圧搾 あっさく 空気 くうき を吹 ふ き込 こ むことで膨張 ぼうちょう ・収縮 しゅうしゅく を起 お こすことで防除 ぼうじょ 氷 ごおり を行 おこな うものもある。いずれも21世紀 せいき 現在 げんざい ではあまり用 もち いられない。
^ 機体 きたい に溜 た まった静電気 せいでんき はコロナ放電 ほうでん を起 お こして通信 つうしん 妨害 ぼうがい となるため、スタティック・ディスチャージャから常 つね に空中 くうちゅう に少 すこ しずつ放電 ほうでん する必要 ひつよう がある。
^ レドームは主 おも に強化 きょうか プラスチックのハニカム構造 こうぞう のものが使 つか われている。
^ 従来 じゅうらい のINSでは、センサ類 るい が3軸 じく 方向 ほうこう で自由 じゆう に回転 かいてん するジンバル上 じょう に固定 こてい されていて、地平 ちへい 面 めん に垂直 すいちょく な方向 ほうこう 、または地球 ちきゅう の南北 なんぼく 方向 ほうこう のいずれか一方向 いちほうこう に常 つね に向 む きを合 あ わせておくために、機 き の移動 いどう に合 あ わせて連続 れんぞく 的 てき に修正 しゅうせい されていた。
^ センサを乗 の せたプラットフォームを機体 きたい に固定 こてい する「ストラップダウン方式 ほうしき 」は、B-767から採用 さいよう が始 はじ まった。
^ 地球 ちきゅう は常 つね に1時 じ 間 あいだ 当 あ たり約 やく 15度 ど の角度 かくど で回転 かいてん しており、これを地球 ちきゅう 自転 じてん 率 りつ として補正 ほせい する。
^ 機体 きたい が飛行 ひこう することで地球 ちきゅう 方面 ほうめん を移動 いどう する。その分 ぶん を移動 いどう 率 りつ として補正 ほせい する。
^ 磁気 じき コンパスは微弱 びじゃく な地磁気 ちじき の方向 ほうこう を検知 けんち するため、これを狂 くる わさないように機体 きたい の部品 ぶひん すべては脱 だつ 磁されて組 く み立 た てられる。
^ 電波 でんぱ 高度 こうど 計 けい の計測 けいそく 方式 ほうしき は2種類 しゅるい ある。1つはパルスを下方 かほう へ向 む けて送信 そうしん し反射 はんしゃ 波 は の遅 おく れ時間 じかん を計測 けいそく する「パルス方式 ほうしき 」である。もう1つは三角波 さんかくなみ 発生 はっせい 装置 そうち の出力 しゅつりょく で周波数 しゅうはすう を変調 へんちょう し、周波数 しゅうはすう を変 か えながら下方 かほう へ向 む けて送信 そうしん し継続 けいぞく 的 てき に反射 はんしゃ 波 は と送信 そうしん 中 ちゅう の信号 しんごう との周波数 しゅうはすう のずれを計測 けいそく すること反射 はんしゃ 波 は の遅 おく れを知 し り距離 きょり とする「FM方式 ほうしき 」である。
^ 小型 こがた 飛行機 ひこうき のオートパイロットだけを備 そな えるが、大型 おおがた 旅客機 りょかくき ではオートパイロットにフライト・ディレクタが組 く み込 こ まれたAFCS全体 ぜんたい がオートパイロットと呼 よ ばれる。
^ 21世紀 せいき 現在 げんざい では新 あら たに製造 せいぞう されるすべての大型 おおがた 旅客機 りょかくき がフライ・バイ・ワイヤ (Fly-by-wire; FBW) 方式 ほうしき による操縦 そうじゅう システムを採用 さいよう している。FBW以前 いぜん の操縦 そうじゅう システムでは、操縦 そうじゅう 桿やペダルの操作 そうさ 量 りょう をケーブルやロッドといった機械 きかい 的 てき ・物理 ぶつり 的 てき な動 うご きとして油圧 ゆあつ 作動 さどう 機構 きこう に伝 つた え、油圧 ゆあつ によって操縦 そうじゅう 翼 つばさ 面 めん を動 うご かしていた。FBW方式 ほうしき では操縦 そうじゅう 桿やペダルの変位 へんい 量 りょう はセンサーによって電気 でんき 信号 しんごう に変 か えられ、ケーブルやロッドに代 か わって電線 でんせん によって伝 つた えられ、電気 でんき 制御 せいぎょ によって油圧 ゆあつ システムが操縦 そうじゅう 翼 つばさ 面 めん を動 うご かす。ほとんどのFBW方式 ほうしき では、操縦 そうじゅう 士 し の操作 そうさ が電気 でんき 信号 しんごう に変 か えられた後 のち 、コンピュータによる一定 いってい の「制御 せいぎょ 側 がわ 」を受 う けて、操縦 そうじゅう 翼 つばさ 面 めん への制御 せいぎょ 指令 しれい となる。制御 せいぎょ 側 がわ は、例 たと えば高速 こうそく 飛行 ひこう 時 じ と低速 ていそく 飛行 ひこう 時 じ では同 おな じ操作 そうさ 量 りょう でも舵 かじ 角 かく を変 か えたり、ロール時 じ やピッチ時 じ に手 て を離 はな せば当 あ て舵 かじ を必要 ひつよう とせずにそのロールやピッチを維持 いじ するなどがある。フライ・バイ・ワイヤーに限 かぎ らず油圧 ゆあつ 動力 どうりょく などの機械 きかい 力 りょく によって操縦 そうじゅう 翼 つばさ 面 めん を制御 せいぎょ する場合 ばあい には、操舵 そうだ の感覚 かんかく を操縦 そうじゅう 士 し にフィードバックさせるためのバックドライブ制御 せいぎょ と呼 よ ばれる人工 じんこう 感覚 かんかく システムが備 そな わるのが普通 ふつう である。フライ・バイ・ワイヤーの電線 でんせん の代 か わりに光 ひかり ケーブルを使 つか ったフライ・バイ・ライトも開発 かいはつ 途上 とじょう である。
^ 左右 さゆう 推力 すいりょく の不 ふ 均衡 きんこう 是正 ぜせい や前後 ぜんご 重量 じゅうりょう の偏 かたよ り是正 ぜせい のような調整 ちょうせい はトリム (Trim) と呼 よ ばれる。
^ EFISのPFDは従来 じゅうらい のEDAI(電子 でんし 式 しき 姿勢 しせい 指令 しれい 指示 しじ 器 き )が、NDは従来 じゅうらい のEHSI(電子 でんし 式 しき 水平 すいへい 位置 いち 指示 しじ 器 き )がそれぞれ置 お き換 か わったものであり、画面 がめん が大 おお きく見 み やすくなったのに加 くわ えて新 あら たな情報 じょうほう も表示 ひょうじ できるようになり、不要 ふよう ならば情報 じょうほう 表示 ひょうじ を行 おこな わないこともできる。
^ B-777ではDMUとMOによるデータ記録 きろく 装置 そうち に加 くわ えて液晶 えきしょう ディスプレイ、キーボード、トラックボールが備 そな わっている。
^ エンジン停止 ていし のような重大 じゅうだい なトラブル発生 はっせい 時 じ には音声 おんせい 通話 つうわ で報告 ほうこく がなされ、搭載 とうさい 機器 きき の軽微 けいび な不調 ふちょう は飛行 ひこう 中 ちゅう のACARSによる送信 そうしん では送 おく られない、また不調 ふちょう となった箇所 かしょ の整備 せいび 能力 のうりょく が到着 とうちゃく 地 ち に備 そな わっているとは限 かぎ らないため、飛行 ひこう 性能 せいのう モニター・システムの活用 かつよう で目的 もくてき 地 ち ですぐに修理 しゅうり や整備 せいび 等 とう が行 おこな えることはそれほどないとされる。
^ 機上 きじょう の装置 そうち 類 るい の作動 さどう 状態 じょうたい を示 しめ す動作 どうさ 状態 じょうたい 表示 ひょうじ 灯 とう は、総称 そうしょう してアナンシエイター (Annunciator) と呼 よ ばれ、単 たん なる動作 どうさ 中 ちゅう は「青 あお 」、正常 せいじょう 時 じ は「緑 みどり 」、故障 こしょう や異常 いじょう 時 じ には「オレンジ」に点灯 てんとう する。