春 にして君 を離 れ
Absent in the Spring | ||
---|---|---|
メアリ・ウェストマコット (アガサ・クリスティの | ||
1944 | ||
Collins | ||
イギリス | ||
| ||
ハードカバー( | ||
ページ |
160ページ( | |
ウィキポータル | ||
|
『
解説
[アガサ・クリスティがメアリ・ウェストマコット (Mary Westmacott)
タイトルはウィリアム・シェイクスピアの『ソネット
あらすじ
[1930
おもな登場 人物
[- ジョーン・スカダモア (Joan Scudamore)
主人公 で、本 作 は彼女 の視点 で彼女 の思索 を辿 りながら語 られる。生 まれも育 ちも現在 の住 まいも、クレイミンスターという田舎町 。父 は海軍 の将官 。ロドニーとは恋愛 結婚 で、ジョーンは現在 もロドニーが自分 を深 く愛 していると信 じている。夫 と長 く離 れたのは今回 の旅行 が初 めて。また、子供 の幸福 を何 よりも考 えてきたと自負 しており、夫 や子供 のことは誰 よりも知 っていると考 えている。
- ロドニー
- ジョーンの
夫 。クレイミンスターで弁護士 事務所 を開業 し、世間 からは成功 していると見 なされている。 弁護士 事務所 はもともとジョーンの伯父 が経営 しており、司法 試験 に合格 したばかりのロドニーを共同 経営 者 として迎 え入 れた。その頃 のロドニーは弁護士 は向 いていないと考 え、農場 経営 を夢見 ていたが、ジョーンが説 き伏 せて弁護士 事務所 入 りを納得 させた。ジョーンはこのことでよいことをしたと考 えている。本 作 のエピローグはロドニーの視点 で語 られ、ジョーンが考 えた「真実 」の真相 が語 られる。
- ブランチ・ハガード
- ジョーンの
旧友 。本 作 はイラク[注釈 6]の鉄道 宿泊 所 でジョーンとブランチが偶然 再会 するところから始 まる。ジョーンはバグダッドからロンドンへの帰路 、ブランチは現在 の夫 (鉄道 技師 のドノヴァン氏 )が住 むバグダッドへ行 く途上 であった。 - ジョーンとは
聖 アン女学院 の同級生 。かつてはジョーン自身 も含 めた生徒 たちの憧 れの的 であったが、その後 はさまざまな恋愛 事件 を引 き起 こした。イラクでの再会 時 はすっかり老 け込 み、さらに彼女 が語 る奔放 な人生 の話 から、ジョーンは彼女 の零落 を憐 れむ。 - バーバラとはジョーンの
娘 と知 らず面識 があり、バーバラについての彼女 の見方 と、バグダッドの社交 界 の噂 をジョーンに語 る。また、過去 の離婚 裁判 を通 じて、ロドニーとも面識 がある。ブランチの言葉 は、ジョーンが思索 する糸口 になる。
- バーバラ(バブズ)
- ジョーンの
末 っ子 で次女 。夫 のウィリアム・レイは、イラクの土木 事業 局 で有力 な地位 についており、赤 ん坊 のモプシーがいる。ジョーンのバグダッド行 きは彼女 の急病 を見舞 うためで、回復 期 の病人 と頼 りにならない婿 で混乱 した家庭 を采配 し、万事 ゆくりなく手当 を行 ったと考 えている。
- トニー
- ジョーンの
初子 で長男 。農 科 大学 を卒業 、ローデシアでオレンジ農園 を経営 し、現地 で家庭 を築 いた。
- エイヴラル
- ジョーンの
長女 。冷 ややかなまでに理知的 な性格 。かつては妻 のある年上 の男性 と(ジョーンの見 るところでは気 まぐれで)激 しい恋愛 に落 ち「両親 に少 なからず気 を揉 ませた」。現在 は株式 ブローカーと結婚 してロンドンで暮 らしている。
- レスリー・シャーストン
- クレイミンスターの
銀行 家 チャールズ・エドワード・シャーストンの妻 。1930年 に病死 し、物語 の現在 時点 では故人 。ジョーンは「悲惨 で気 の毒 な一生 」と考 えている。 - シャーストン
氏 は横領 事件 を起 こし、服役 した。シャーストン氏 の弁護 に当 たったのがロドニーであり、2人 の幼子 を抱 えたレスリーの相談 相手 となった。親族 から2人 の子供 を引 き取 るという申 し出 があったが、レスリーはこれを拒 んだ。これは「前科 者 の子 」という不名誉 を負 わせる選択 であり、また子供 たちに父親 が刑務所 に入 っていたという事実 を教 えているという点 も、ジョーンからすれば信 じがたい点 である。 - レスリーは
園芸 農家 として身 を立 て、たくましく生活 基盤 を築 いた。その「勇気 」についてはジョーンも認 めるところである。
- ホーエンバッハ・サルム
公爵 夫人 (サーシャ) 物語 の終盤 で登場 。砂漠 の中 のレストハウスでの立往生 から解放 され、鉄道 の旅 を再開 させたジョーンが、アレッポからイスタンブールまで、トールス急行 で一等 寝台 車 の相部屋 となった客 。ロシア出身 の公爵 夫人 で、多言 語 を操 るコスモポリタン。ジョーンはレストハウスでの「回心 」を打 ち明 けた。しかし、同行 の旅 の最後 の頃 には、生 まれながらの貴族 と田舎 弁護士 の妻 という階級 差 を感 じさせる彼女 をジョーンは疎 ましく思 うようになった。
日本語 版 書誌
[- 『
春 にして君 を離 れ』中村 妙子 訳 (早川書房 、ハヤカワNV文庫 、1973年 )- (
早川書房 、ハヤカワ文庫 ・クリスティー文庫 、2004年 )
- (
- 『オリエントより
愛 をこめて』白鳥 さよ訳 (日本 メール・オーダー、1984年 )
舞台
[SUNDAY | |
---|---|
ワームホールプロジェクト | |
2018 | |
オリジナル | |
ジャンル | ミュージカル |
キャッチコピーは「
キャスト(舞台 )
[- ジョーン:
高野 菜々 - レスリー:
森 彩香 - ブランチ:
宮崎 祥子 - ギルビー:
井田 安 寿 - バーバラ:
平田 薫 - エイブラル:
北村 祥子 - ゲッコー:
広田 勇二 - ロドニー:
安中 淳也 - チャールズ:
新木 啓介 - ウィリアム:
上田 亮 - トニー:
大須賀 勇 登
スタッフ(舞台 )
[脚本 ・演出 ・振付 :ワームホールプロジェクト音楽 :高田 浩 、金子 浩 介 美術 :伊藤 雅子 衣装 :原 まさみ- ヘアメイク:
川村 和枝 照明 :渡邊 雄太 音響 :小幡 亨 歌唱 指導 :桑原 英明 製作 著作 ・主催 :ヒューマンデザイン
公演 データ
[12月15 |
15:30 |
---|---|
12月16 |
11:00 / 15:30 |
12月21 |
18:30 |
12月22 |
11:00 / 15:30 |
12月23 |
11:00 |
12月24 |
15:30 |
脚注
[注釈
[- ^
早川書房 は「ロマンチック・サスペンス」と紹介 している[3]。 - ^ 11
章 でサーシャは、ナチスが台頭 していること、「来年 か再来年 には」戦争 が近 づいていることを語 っている。ジョーンは「ドイツに何 度 も行 ったことのある友 だち」から「ナチズムもそうそう悪 いとばかり言 えない」という話 を聞 いており、戦争 が迫 っているということは考 えられない様子 である。 - ^ イラクはイギリスの
勢力 圏 (イギリス委任 統治 領 メソポタミア→イラク王国 )であった。 - ^
作中 では「テル・アブ・ハミド」。国境 近 くにあるトルコ鉄道 の終着駅 。ジョーンのいるレストハウスと駅 の間 に国境 の鉄条 網 があり、駅 はトルコ領内 にある。状況 としてはヌサイビン駅 (Nusaybin railway station) が似 ている(タウルス急行 参照 )。 - ^ レストハウスにはインド
人 の管理人 、アラブ人 少年 の使用人 とコックがいる。 - ^ バグダッドから
前夜 に汽車 で到着 した。ここで自動車 に乗 り換 え、トルコ側 の鉄道 駅 まで行 く。
出典
[関連 項目
[- en:The Power-House - ジョーンが
携 えていた小説
外部 リンク
[- Absent in the Spring at the official Agatha Christie website
- SUNDAY -
音楽 座 ミュージカル