ハーリ・クィン

ハーリ・クィン（Harley Quin）は、イギリスの推理すいり作家さっかアガサ・クリスティの推理すいり小説しょうせつに登場とうじょうする主人公しゅじんこう。ハーレー・クイン、ハーレ・クインとも。

クリスティの描えがいた探偵たんていの中なかで最もっとも謎なぞめいた探偵たんてい役やくであり、職業しょくぎょう、経歴けいれきなどは一切いっさい不明ふめい。サタースウェイト氏しという人物じんぶつが語かたり手てとなる。14作品さくひん（全すべて短編たんぺん）に登場とうじょうする。

クィンは恋愛れんあいがらみの事件じけんが起おこる場所ばしょに現あらわれ、その場ばにいるサタースウェイトにヒントを与あたえ解決かいけつへと導みちびかせる。事件じけんが終おわると、クィンはサタースウェイトの前まえから忽然こつぜんと姿すがたを消けす。

「ハーリ・クィン」は「ハーレクィン」（コメディア・デラルテのアルレッキーノ）に由来ゆらいしており、その登場とうじょうがいつも突然とつぜんであってギリシア悲劇ひげき・喜劇きげきのデウス・エクス・マキーナを意識いしきしたと推測すいそくされること、また物語ものがたりの舞台ぶたいが非常ひじょうに狭せまいことから、当初とうしょから舞台ぶたい的てき・演劇えんげき的てき・類型るいけい的てきに作つくられたと見みられている。

ちなみに、踊おどりが上手じょうずである。

登場とうじょう作品さくひん

※すべて短編たんぺんである。

• 謎なぞのクィン氏し
  • クィン氏し登場とうじょう
  • 窓まどガラスに映うつる影かげ
  • 〈鈴すずと道化どうけ服ふく〉亭ちん奇聞きぶん
  • 空そらのしるし
  • クルピエの真情しんじょう
  • 海うみから来きた男おとこ
  • 闇やみの声こえ
  • ヘレンの顔かお
  • 死しんだ道化どうけ役者やくしゃ
  • 翼つばさの折おれた鳥とり
  • 世界せかいの果はて
  • 道化師どうけしの小径しょうけい
• 愛あいの探偵たんていたち
  • 愛あいの探偵たんていたち
• マン島とうの黄金おうごん
  • クィン氏しのティー・セット

関連かんれん事項じこう

• エンリコ・カルーソー:19世紀せいき末まつから20世紀せいき初頭しょとうにかけて活躍かつやくした著名ちょめいなテノール歌手かしゅ。「ヘレンの顔かお」では「ワイングラスに向むかって歌うたうと、共鳴きょうめいで粉々こなごなに砕くだけた」という逸話いつわが紹介しょうかいされ、トリックに利用りようされている。