(Translated by https://www.hiragana.jp/)
柳永二郎 - Wikipedia コンテンツにスキップ

柳やなぎ永二郎えいじろう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
やなぎ えいじろう
柳やなぎ 永二郎えいじろう
柳 永二郎
映画えいが『本日ほんじつ休診きゅうしん』での柳やなぎ
本名ほんみょう 永井ながい 武たけし
生年月日せいねんがっぴ (1895-09-16) 1895年ねん9月16日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ (1984-04-24) 1984年ねん4月がつ24日にち（88歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・兵庫ひょうご県けん
職業しょくぎょう 俳優はいゆう
ジャンル 映画えいが・テレビドラマ・舞台ぶたい
活動かつどう期間きかん 1913年ねん - 1984年ねん
テンプレートを表示ひょうじ

柳やなぎ 永二郎えいじろう（やなぎ えいじろう、1895年ねん9月16日にち - 1984年ねん4月がつ24日にち）は、大正たいしょう - 昭和しょうわ期きの俳優はいゆう。新劇しんげき畑はたけから、新派しんぱに転てんじて活躍かつやく。

生涯しょうがい

[編集へんしゅう]

兵庫ひょうご県けん生うまれ。本名ほんみょうは永井ながい武たけし。郁いく文ぶん館かん中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょう。

1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）（18歳さい）、有ゆう楽座らくざのお伽とぎ芝居しばいに入はいった。同どう劇場げきじょうに出演しゅつえんする新劇しんげき諸しょ劇団げきだんの舞台ぶたいを見み、また、端役はやくを勤つとめた。

新劇しんげきの劇団げきだんを転々てんてんとしたのち、1919年ねん、新派しんぱの井上いのうえ正夫まさお一座いちざに入はいり翌年よくねん幹部かんぶに昇進しょうしんしたが、解散かいさんとなり、河合かわい武雄たけおに拾ひろわれた。以降いこう、離合りごう集散しゅうさんする新派しんぱの世界せかいで、男役おとこやくとして次第しだいに頭角とうかくを現あらわした。劇界げきかいの先輩せんぱい格かくには、上山うえやま草人そうじん、東儀とうき鉄笛てってき、伊庭いば孝たかし、島村しまむら抱月ほうげつ、井上いのうえ正夫まさお、真山まやま青果せいか、伊井いい蓉峰ようほう、喜多村きたむら緑郎ろくろうらが、ほぼ同どう世代せだいには、花柳はなやぎ章太郎しょうたろう、伊い志井しい寛ひろし、大矢おおや市次郎いちじろう、初代しょだい水谷みずたに八重子やえこらがいた。

1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）（26歳さい）、花柳はなやぎ章太郎しょうたろうらと試演しえんのための『新劇しんげき座ざ』を結成けっせいし、1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）まで、14回かい公演こうえんした。1933年ねん、伊い志井しい寛ひろしと月刊げっかん雑誌ざっし『演劇えんげき新派しんぱ』を創刊そうかんし、物資ぶっし払底ふっていの1940年ねんまで刊行かんこうを続つづけた。

1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）（44歳さい）、花柳はなやぎ章太郎しょうたろう・伊い志井しい寛ひろし・大矢おおや市次郎いちじろうとともに『本流ほんりゅう新派しんぱ』を離はなれ、川口かわぐち松太郎まつたろう・大江おおえ良太郎りょうたろうをも同人どうじんとして、劇団げきだん『新生しんせい新派しんぱ』を旗揚はたあげした。喜多村きたむら緑郎ろくろうものちに加入かにゅうした。

戦後せんごの1949年ねん（54歳さい）、新生しんせい新派しんぱを離はなれ、伊い志井しい寛ひろしと『新作しんさく座ざ』を作つくったが、一いち公演こうえんのみで潰つぶれた。以降いこうは1940年ねんから始はじめていた映画えいが出演しゅつえんを増ふやした。長谷川はせがわ一夫かずおに招まねかれて東宝とうほう歌舞伎かぶきに出演しゅつえんした。テレビドラマにも多おおく出演しゅつえん。時折ときおりは新派しんぱに呼よばれ客演きゃくえんした。映画えいが・テレビの双方そうほうで、時代じだい劇げきでは上皇じょうこうから悪徳あくとく商人しょうにんまで様々さまざまな役柄やくがらを演えんじている。現代げんだい劇げきでも、海軍かいぐん大将たいしょう役やくなど印象深いんしょうぶかい役やくが多おおい。

1966年ねん、紫綬褒章しじゅほうしょうを受うけた。1970年ねん、勲くん四よん等とう旭日きょくじつ小しょう綬章じゅしょうを受うけた。

1973年ねん（78歳さい）、当時とうじ新派しんぱの大御所おおごしょ男性だんせい俳優はいゆうが立たて続つづけに急逝きゅうせいし後進こうしん育成いくせいもままならない状態じょうたいになってしまい、同時どうじに初代しょだい水谷みずたに八重子やえこの相手あいて役やくに相応ふさわしい年齢ねんれいの役者やくしゃが不在ふざいとなり、縁えん深ふかい柳やなぎへぜひとも新派しんぱへと戻もどって来きて欲ほしいと水谷みずたにや川口かわぐち松太郎まつたろうなど新派しんぱ関係かんけい者しゃから懇願こんがんされ客員きゃくいん的てきな形かたちで復帰ふっきした。1978年ねん3月がつに約やく30年ねんぶりに、『婦ふ系図けいず、湯島天神ゆしまてんじんの場ば』の早瀬はやせ主税ちからを82歳さいで演えんじたが、関係かんけい者しゃの危惧きぐをはねのけるものであったという。1982年ねんの『女優じょゆう』が最後さいごの舞台ぶたいとなった。

1984年ねん4月がつ24日にち、急性きゅうせい心不全しんふぜんにより死去しきょ。88歳さい没ぼつ。

戦前せんぜんから新派しんぱ資料しりょうを熱心ねっしんに収集しゅうしゅう、その歴史れきしを編纂へんさんした著書ちょしょ類るいは、近代きんだい演劇えんげき史しの重要じゅうような文献ぶんけんとなっている。

出演しゅつえん作品さくひん

[編集へんしゅう]

映画えいが

[編集へんしゅう]

テレビドラマ

[編集へんしゅう]
  • ウロコ座ざ（KR）
    • 第だい52-54話わ「国定くにさだ忠治ただはる」（1957年ねん）
    • 第だい68-69話わ「女おんな書生しょせい」（1957年ねん）
    • 第だい70話わ「江戸えど子この死し」（1957年ねん）
    • 第だい83-85話わ「水みず滸伝」（1958年ねん）
    • 第だい95-96話わ「ひとり相撲すもう」（1958年ねん）
    • 第だい107-108話わ「お源みなもとのたましい」（1958年ねん）
  • 東芝とうしば日曜にちよう劇場げきじょう（TBS）
    • 第だい42話わ「慶喜よしのぶ命いのち乞」（1957年ねん）
    • 第だい69話わ「西郷さいごうと豚ぶた姫ひめ」（1958年ねん） - 西郷さいごう隆盛たかもり
    • 第だい86話わ「荒あら壽ひさし」（1958年ねん）
    • 第だい92話わ「海うみの星ほし」（1958年ねん）
    • 第だい316話わ「やさしき夜よるの物語ものがたり」（1962年ねん）
    • 第だい353話わ「他人たにんの娘むすめ」（1963年ねん）
    • 第だい387話わ「奥おく能登のとの塗師ぬりし」（1964年ねん）
    • 第だい408話わ「女おんなさまざま」（1964年ねん）
    • 第だい484話わ「かみなり」（1966年ねん）
  • お好このみ日曜にちよう座ざ（NHK）
    • 交代こうたい期き（1957年ねん）
    • 孟はじめ姜きょう女おんな（1958年ねん）
    • 獅子しし（1958年ねん）
    • はるあき（1958年ねん）
    • 軍配ぐんばい（1959年ねん）
    • 最後さいごの橋はし（1959年ねん） - 太田おおた
    • 残菊ざんぎく物語ものがたり（1959年ねん）
    • 目めざまし時計とけい（1959年ねん） - 梅沢うめざわ虎雄とらお
    • 西郷さいごうと豚ぶた姫ひめ（1959年ねん）
    • 恋文こいぶみ（1960年ねん）
  • おかあさん 第だい15話わ「信号しんごう機き」（1958年ねん、TBS）
  • テレビ劇場げきじょう（NHK）
    • 春はるの雷かみなり（1959年ねん）
    • さむさ橋きょう（1959年ねん）
    • 怒濤どとうの中なかのうた声ごえ（1959年ねん）
    • 冬ふゆの海辺うみべ（1960年ねん）
    • 帰かえらざる門出かどで（1960年ねん）
    • 道みちを聞きく女おんな（1962年ねん）
    • 歩あるくときはひとり（1964年ねん）
  • ヤシカゴールデン劇場げきじょう 芽めをふく葦あし（1959年ねん、NTV）
  • NECサンデー劇場げきじょう（NET）
    • 君きみ死しにたもうことなかれ（1959年ねん）
    • 落日らくじつ（1959年ねん）
    • 横綱よこづな以上いじょう（1960年ねん）
    • 金かねの簪かんざし（1960年ねん）
    • 大砲たいほうと撫子なでしこ（1960年ねん）
    • 訪問ほうもん客きゃく（1960年ねん）
    • 焔ほのおの象ぞう（1960年ねん） - 由利ゆり雁かり市し
    • 流氷りゅうひょうの町まち（1960年ねん）
    • 錯乱さくらん（1960年ねん）
    • 夕ゆうやけ雲くも（1960年ねん）
    • 傷痕きずあと（1960年ねん）
    • 青あお眉まゆ抄しょう（1961年ねん）
    • 面影おもかげ（1961年ねん）
    • 片棒かたぼう担かつぎ（1961年ねん）
    • 五ご十じゅう五ご回かい目めの誕生たんじょう日び（1961年ねん）
    • 惜別せきべつ（1961年ねん）
  • ここに人ひとあり（NTV）
    • 第だい120話わ「ツケ打うちさん」（1959年ねん）
    • 第だい135話わ「片隅かたすみに生いきる」（1960年ねん）
    • 第だい149話わ「曲師きょくし」（1960年ねん）
    • 第だい165話わ「村むらのよろず苦情くじょう処理しょり係がかり」（1961年ねん）
  • 現代げんだい人間にんげん模様もよう 第だい38話わ「鮨ずしにぎり職人しょくにん」（1960年ねん、NHK）
  • 女おんなの四季しき（NET）
    • 第だい10話わ「新しん日本橋にほんばし」（1960年ねん）
    • 第だい22話わ「花嫁はなよめ衣装いしょう」（1960年ねん）
  • 剣豪けんごう秘伝ひでん 第だい27話わ「改心かいしん流りゅう車しゃの太刀たち」（1960年ねん、NET）
  • テレビ指定してい席せき（NHK）
    • 七なな人にんの紳士しんし（1961年ねん）
    • 黒衣くろご（1961年ねん）
    • 汚よごれた小ちいさな手て（1962年ねん）
    • 城砦じょうさい（1965年ねん）
  • 浪曲ろうきょくドラマ 一いち心太ところてん助すけ（1961年ねん、NHK）
  • 舞踊ぶようホール（NHK）
    • 雪ゆきの炎ほのお（1962年ねん）
    • 地獄変じごくへん（1962年ねん）
  • 夫婦ふうふ百ひゃく景けい（NTV）
    • 第だい198話わ「三さん人にんの妻つま」（1962年ねん）
    • 第だい247話わ「色即是空しきそくぜくう」（1963年ねん）
    • 第だい285話わ「定年ていねん以後いご」（1963年ねん）
    • 第だい371話わ「夫婦ふうふハンコ」（1966年ねん）
  • 文芸ぶんげいアワー 田舎いなか教師きょうし（1962年ねん、NTV）
  • 黒くろの組曲くみきょく 第だい30話わ「支払しはらいすぎた縁談えんだん」（1962年ねん、NHK）
  • 文芸ぶんげい劇場げきじょう（NHK）
    • 第だい53話わ「黒白くろしろ」（1962年ねん） - 真田さなだ信之のぶゆき
    • 第だい54話わ「ならしば」（1962年ねん） - 今井いまい宗久そうきゅう
    • 第だい63話わ「大炊おおい介かい始末しまつ」（1963年ねん）
    • 第だい68話わ「夢ゆめ喰くらう虫むし」（1963年ねん）
    • 第だい76話わ「総会そうかい屋や錦城きんじょう」（1963年ねん） - 大村おおむら頭取とうどり
  • 近鉄きんてつ金曜きんよう劇場げきじょう やきもの師し（1963年ねん、TBS）
  • 判決はんけつ 第だい24話わ「納沙布岬のさっぷみさき」（1963年ねん、NET）
  • 講談こうだんドラマ（NHK）
    • 利休りきゅう割腹かっぷく（1963年ねん）
    • 伊達だて騒動そうどう（1963年ねん）
  • ポーラ名作めいさく劇場げきじょう 第だい36話わ「困こまった客きゃく」（1963年ねん、NHK） - 水野みずの正夫まさお
  • 台所だいどころ太平たいへい記き（1963年ねん - 1964年ねん、NTV）
  • NHK大河たいがドラマ（NHK）
  • 風雪ふうせつ（NHK）
    • 壮士そうし芝居しばい（1965年ねん） - 吉川よしかわ
    • 平民へいみん宰相さいしょう原はら敬たかし（1965年ねん） - 原はら敬たかし
  • 史劇しげきにっぽん 怒濤どとう日本にっぽん史し 第だい2話わ「大化たいか改新かいしん」（1966年ねん、MBS）
  • 三さん匹ひきの侍さむらい 第だい5シリーズ 第だい1話わ「われらお尋たずね者もの」（1967年ねん、CX） - 坂部さかべ将すすむ監かん
  • マイティジャック（1968年ねん、フジテレビ） - 矢吹やぶき郷之ごうの助すけ
  • 人形にんぎょう佐さ七なな捕物とりもの帳ちょう（1971年ねん、NET） - 淡路あわじ屋や五ご兵衛ひょうえ
  • おらんだ左近さこん事件じけん帖じょう 第だい22話わ（1972年ねん、フジテレビ）
  • 鬼平おにへい犯科はんか帳ちょう 第だい2シリーズ 第だい26話わ「はさみ撃うち」（1972年ねん、NET / 東宝とうほう） - 猿さる皮がわの小しょう兵衛ひょうえ
  • 霧きりの旗はた（1972年ねん、NHK） - 高坂こうさか良平りょうへい
  • 若わかさま侍さむらい捕物とりもの手帖てちょう 第だい8話わ「細腕ほそうでの殺ころし屋や」（1973年ねん、KTV） - 越前屋えちぜんや
  • 日本にっぽんの戦後せんご 第だい2話わ「サンルームの二に時じ間あいだ」（1977年ねん、NHK） - 美濃部みのべ達吉たつきち

著書ちょしょ

[編集へんしゅう]
  • 『新派しんぱ五ご十じゅう年ねん興行こうぎょう年表ねんぴょう』（双そう雅みやび房ぼう、1937年ねん）（編著へんちょ）
  • 『新派しんぱの六ろく十じゅう年ねん』（河出かわで書房しょぼう、1948年ねん）
  • 『絵え番ばん附ふ・新派しんぱ劇談げきだん』（青蛙あおがえる房ぼう ＜青蛙あおがえる選書せんしょ＞、1966年ねん）
  • 『木戸きど哀楽あいらく 新派しんぱ九きゅう十じゅう年ねんの歩あゆみ』（読売新聞社よみうりしんぶんしゃ、1977年ねん）
  • 『伊井いい蓉峰ようほう年代ねんだい記き』（国立こくりつ劇場げきじょう調査ちょうさ養成ようせい部ぶ芸能げいのう調査ちょうさ室しつ ＜演芸えんげい資料しりょう選書せんしょ＞、1985年ねん）

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c 東宝とうほう特撮とくさつ映画えいが全ぜん史し 1983, pp. 535–537, 「主要しゅよう特撮とくさつ作品さくひん配役はいやくリスト」

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 柳やなぎ永二郎えいじろう：『木戸きど哀楽あいらく 新派しんぱ九きゅう十じゅう年ねんの歩あゆみ』（読売新聞社よみうりしんぶんしゃ、1977年ねん）
  • 尾崎おざき秀樹ひできほか編へん：『新潮しんちょう日本人にっぽんじん名めい辞典じてん』（新潮社しんちょうしゃ、1991年ねん）ISBN 9784107302106
  • 早稲田大学わせだだいがく演劇えんげき博物館はくぶつかん編へん：『演劇えんげき百科ひゃっか大だい事典じてん5』（平凡社へいぼんしゃ、1961年ねん）
  • 『東宝とうほう特撮とくさつ映画えいが全ぜん史し』監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき、東宝とうほう出版しゅっぱん事業じぎょう室しつ、1983年ねん12月がつ10日とおか。ISBN 4-924609-00-5。 

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=柳やなぎ永二郎えいじろう&oldid=101281323」から取得しゅとく