欧州 おうしゅう のための憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく
スペイン語 ご :
Tratado por el que se establece una Constitución para Europa
チェコ語 ご :
Smlouva o Ústavě pro Evropu
デンマーク語 ご :
Traktat om en forfatning for Europa
ドイツ語 ご :
Vertrag über eine Verfassung für Europa
エストニア語 ご :
Euroopa põhiseaduse leping
ギリシア語 ご :
Συνθήκη γ がんま ι いおた α あるふぁ τ たう η いーた θέσπιση Συντάγματος της Ευρώπης
英語 えいご :
Treaty establishing a Constitution for Europe
フランス語 ふらんすご :
Traité établissant une Constitution pour l'Europe
アイルランド語 ご :
Conradh ag bunú Bunreachta don Eoraip
イタリア語 ご :
Trattato che adotta una Costituzione per l'Europa
ラトビア語 ご :
Līgums par Konstitūciju Eiropai
リトアニア語 ご :
Sutartis dėl Konstitucijos Europai
ハンガリー語 ご :
Szerződés európai alkotmány létrehozásáról
マルタ語 ご :
Trattat Li Jistabbilixxi kostituzzjoni għall-Ewropa
オランダ語 ご :
Verdrag tot vaststelling van een Grondwet voor Europa
ポーランド語 ご :
Traktat ustanawiający Konstytucję dla Europy
ポルトガル語 ご :
Tratado que estabelece uma Constituição para a Europa
スロバキア語 ご :
Zmluva o ústave pre európu
スロベニア語 ご :
Pogodba o Ustavi za Evropo
フィンランド語 ご :
Sopimus Euroopan perustuslaista
スウェーデン語 ご :
Fördrag om upprättande av en konstitution för Europa
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の英語 えいご 版 ばん (左 ひだり )とスペイン語 ご 版 ばん (右 みぎ )
通称 つうしょう ・略称 りゃくしょう
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 、2004年 ねん ローマ条約 じょうやく 署名 しょめい
2004年 ねん 10月 がつ 29日 にち 署名 しょめい 場所 ばしょ
ローマ 発効 はっこう
未 み 発効 はっこう 主 おも な内容 ないよう
欧州 おうしゅう 連合 れんごう の設立 せつりつ および運営 うんえい 、域内 いきない における基本 きほん 権 けん の規定 きてい 関連 かんれん 条約 じょうやく
ローマ条約 じょうやく 、マーストリヒト条約 じょうやく 、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう 、リスボン条約 じょうやく
ウィキソース原文 げんぶん テンプレートを表示 ひょうじ
欧州 おうしゅう のための憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく (おうしゅうのためのけんぽうをせいていするじょうやく、英語 えいご :Treaty establishing a Constitution for Europe(TCE)、通称 つうしょう :欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう または憲法 けんぽう 条約 じょうやく )は、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の統合 とうごう 憲法 けんぽう を制定 せいてい することを目的 もくてき とした未 み 批准 ひじゅん の国際 こくさい 条約 じょうやく である。この条約 じょうやく は、既存 きそん の欧州 おうしゅう 連合 れんごう 条約 じょうやく を単一 たんいつ の文書 ぶんしょ に置 お き換 か え、基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう に法的 ほうてき 効力 こうりょく を与 あた え、従来 じゅうらい は加盟 かめい 国 こく 間 あいだ の全会 ぜんかい 一致 いっち で決定 けってい されていた政策 せいさく 分野 ぶんや にも特定 とくてい 多数決 たすうけつ を拡大 かくだい するものであった。
この条約 じょうやく は、2004年 ねん 10月 がつ 29日 にち に当時 とうじ の欧州 おうしゅう 連合 れんごう 加盟 かめい 国 こく 25カ国 かこく の代表 だいひょう 者 しゃ によって署名 しょめい された。その後 ご 、18カ国 かこく が批准 ひじゅん し、スペインとルクセンブルクの国民 こくみん 投票 とうひょう でも承認 しょうにん された。しかし、2005年 ねん 5月 がつ と6月 がつ にフランスとオランダの有権者 ゆうけんしゃ がこの文書 ぶんしょ を否決 ひけつ したため、批准 ひじゅん プロセスは終了 しゅうりょう した。
反省 はんせい の期間 きかん を経 へ て、憲法 けんぽう 条約 じょうやく に代 か わるものとしてリスボン条約 じょうやく が制定 せいてい された。この条約 じょうやく には、もともと憲法 けんぽう 条約 じょうやく に盛 も り込 こ まれていた変更 へんこう 点 てん の多 おお くが含 ふく まれていたが、既存 きそん の条約 じょうやく の修正 しゅうせい 案 あん として策定 さくてい された。2007年 ねん 12月13日 にち に調印 ちょういん され、リスボン条約 じょうやく は2009年 ねん 12月1日 にち に発効 はっこう した。
「欧州 おうしゅう の将来 しょうらい に関 かん するコンベンション」議長 ぎちょう ヴァレリー・ジスカール・デスタン
欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう ロマーノ・プローディ
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく はアムステルダム条約 じょうやく とニース条約 じょうやく によって修正 しゅうせい された主要 しゅよう な2つの基本 きほん 条約 じょうやく であるローマ条約 じょうやく (欧州共同体 おうしゅうきょうどうたい 設立 せつりつ 条約 じょうやく )とマーストリヒト条約 じょうやく (欧州 おうしゅう 連合 れんごう 条約 じょうやく )をひとつの条約 じょうやく にまとめるということを原点 げんてん としていた。近年 きんねん のヨーロッパの将来 しょうらい に関 かん する協議 きょうぎ は、欧州統合 おうしゅうとうごう の最終 さいしゅう 的 てき な目標 もくひょう についての議論 ぎろん を求 もと めていたドイツ 外相 がいしょう ヨシュカ・フィッシャー による2000年 ねん のベルリン における演説 えんぜつ により強 つよ く後押 あとお しされたとされている[1] 。
具体 ぐたい 的 てき な作業 さぎょう は2001年 ねん 12月のラーケン宣言 せんげん を受 う けて着手 ちゃくしゅ され、このとき元 もと フランス大統領 だいとうりょう ヴァレリー・ジスカール・デスタン を議長 ぎちょう とする、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 草案 そうあん を作成 さくせい する「欧州 おうしゅう の将来 しょうらい に関 かん するコンベンション」が設置 せっち された。ジスカール・デスタンはコンベンションの参加 さんか 者 しゃ に対 たい して「あなた方 かた が生 う まれ故郷 こきょう において馬 うま に乗 の ったあなたの像 ぞう を建 た てることを望 のぞ むのならば、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の起草 きそう は欠 か かすことができないことである」と呼 よ びかけたが、このジスカール・デスタンの発言 はつげん はのちに自 みずか らの出身 しゅっしん 国 こく で草案 そうあん に対 たい する不 ふ 支持 しじ が明確 めいかく となったさいに失笑 しっしょう を招 まね くものとなった。そして2003年 ねん 7月 がつ に「欧州 おうしゅう のための憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく 案 あん 」は発表 はっぴょう された。
その後 ご 欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう ロマーノ・プローディ は諸国 しょこく の統合 とうごう の深化 しんか やより明快 めいかい な機構 きこう モデルを盛 も り込 こ んだ欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 案 あん について支持 しじ を表明 ひょうめい し、条約 じょうやく を「ペネロペ・プロジェクト」と表現 ひょうげん した[2] 。
イタリア の議長 ぎちょう 国 こく 任期 にんき 中 ちゅう における政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ で長期 ちょうき にわたった議論 ぎろん ののち、特定 とくてい 多数決 たすうけつ 方式 ほうしき の枠組 わくぐ みについて対立 たいりつ が起 お きたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 最終 さいしゅう 草案 そうあん が2004年 ねん 6月 がつ に取 と りまとめられた。
2004年 ねん 10月 がつ 29日 にち 、加盟 かめい 25か国 こく の代表 だいひょう 者 しゃ 53名 めい はローマ において欧州 おうしゅう のための憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく に署名 しょめい した。多 おお くは元首 げんしゅ が指名 しめい した首相 しゅしょう や外相 がいしょう などの特命 とくめい 全権 ぜんけん 大使 たいし が出席 しゅっせき したが、共和 きょうわ 制 せい の加盟 かめい 国 こく は元首 げんしゅ である大統領 だいとうりょう が署名 しょめい した。
加盟 かめい 国 こく および加盟 かめい 候補 こうほ 国 こく における批准 ひじゅん の状況 じょうきょう 承認 しょうにん - 加盟 かめい 条約 じょうやく の規定 きてい による
承認 しょうにん - 議会 ぎかい における手続 てつづき による
承認 しょうにん - 国民 こくみん 投票 とうひょう の結果 けっか による
拒否 きょひ - 国民 こくみん 投票 とうひょう の結果 けっか による
国民 こくみん 投票 とうひょう 実施 じっし の無 む 期限 きげん 延期 えんき
国民 こくみん 投票 とうひょう 実施 じっし の予定 よてい なし
憲法 けんぽう の規定 きてい および最高裁判所 さいこうさいばんしょ の過去 かこ の判決 はんけつ で実施 じっし が義務 ぎむ となっているアイルランド を除 のぞ くほかのほぼすべての加盟 かめい 国 こく は、政権 せいけん の支持 しじ を受 う けて議会 ぎかい または高度 こうど な政治 せいじ 手続 てつづき により欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を批准 ひじゅん し、また欧州 おうしゅう 議会 ぎかい も圧倒的 あっとうてき 多数 たすう で承認 しょうにん するはずであった。実際 じっさい に議会 ぎかい での手続 てつづき で欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を承認 しょうにん した加盟 かめい 国 こく の数 かず は多数 たすう を占 し めていた。ところが欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の発効 はっこう にはすべての加盟 かめい 国 こく における批准 ひじゅん 承認 しょうにん が必要 ひつよう とされていた。
最初 さいしょ に国民 こくみん 投票 とうひょう で市民 しみん の意見 いけん を示 しめ そうとしたのはスペインであった。スペインでの国民 こくみん 投票 とうひょう は、投票 とうひょう 率 りつ は43%にとどまったものの、およそ77%が賛成 さんせい して批准 ひじゅん が承認 しょうにん された。
しかしイギリス では首相 しゅしょう のトニー・ブレア が2004年 ねん 4月 がつ 20日 はつか に、予想 よそう されていなかった国民 こくみん 投票 とうひょう の実施 じっし を約束 やくそく した。これは条約 じょうやく に反対 はんたい する保守党 ほしゅとう と賛成 さんせい の自由民主党 じゆうみんしゅとう がともに国民 こくみん 投票 とうひょう 実施 じっし に賛成 さんせい しており、この両 りょう 党 とう は貴族 きぞく 院 いん において多数 たすう を占 し めていた。そのため貴族 きぞく 院 いん は総 そう 選挙 せんきょ 後 ご まで批准 ひじゅん 手続 てつづき を遅 おく らせることができたのである。もしそうなれば労働党 ろうどうとう は国民 こくみん 投票 とうひょう 実施 じっし に反対 はんたい する唯一 ゆいいつ の政党 せいとう という不利 ふり な立場 たちば で総 そう 選挙 せんきょ を迎 むか えるということになりかねなかった。イギリスが国民 こくみん 投票 とうひょう を実施 じっし することを決 き めたことはフランス大統領 だいとうりょう ジャック・シラク に対 たい する圧力 あつりょく となり、シラクもまたフランスで国民 こくみん 投票 とうひょう の実施 じっし を決断 けつだん することとなった。
2004年 ねん 10月 がつ 29日 にち 、ローマにおいて欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 調印 ちょういん 式 しき が行 おこな われたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の発効 はっこう にはすべての加盟 かめい 国 こく による批准 ひじゅん が必要 ひつよう とされた。批准 ひじゅん 手続 てつづき は加盟 かめい 国 こく ごとに、法 ほう 習慣 しゅうかん や憲法 けんぽう 上 じょう の取 と り決 き め、政治 せいじ 過程 かてい などによって異 こと なる形式 けいしき を有 ゆう している。いくつかの加盟 かめい 国 こく では議会 ぎかい や国民 こくみん 投票 とうひょう が承認 しょうにん すれば元首 げんしゅ も欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 承認 しょうにん を求 もと められることになる。しかしドイツでは、議会 ぎかい が批准 ひじゅん を承認 しょうにん しても、国民 こくみん 投票 とうひょう を実施 じっし せずに批准 ひじゅん の手続 てつづき を行 おこな うということに対 たい して裁判所 さいばんしょ が審議 しんぎ していたため、連邦 れんぽう 大統領 だいとうりょう はただちに批准 ひじゅん を承認 しょうにん することはしなかった。スロバキア でも憲法 けんぽう 裁判所 さいばんしょ の要求 ようきゅう を受 う けて、大統領 だいとうりょう が条約 じょうやく を承認 しょうにん するということが保留 ほりゅう されていた。
2005年 ねん 1月 がつ 12日 にち 、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は法的 ほうてき 効力 こうりょく を持 も たないものの欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく について審議 しんぎ し、賛成 さんせい 500、反対 はんたい 137、棄権 きけん 40で承認 しょうにん した[3] 。
リトアニア 、ハンガリー 、スロベニア 、イタリア、ギリシャ 、スロバキア 、オーストリア 、ドイツ、ラトビア 、キプロス 、マルタ 、ベルギー 、エストニア 、フィンランド と当時 とうじ 加盟 かめい を予定 よてい していたブルガリアとルーマニアは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 批准 ひじゅん の議会 ぎかい での手続 てつづき を完了 かんりょう させていた。
25加盟 かめい 国 こく と2加盟 かめい 予定 よてい 国 こく のなかで10か国 こく が欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく についての国民 こくみん 投票 とうひょう 実施 じっし を表明 ひょうめい していた。そのうちいくつかは、国民 こくみん 投票 とうひょう の結果 けっか に法的 ほうてき 拘束 こうそく 力 りょく を持 も たせるとする一方 いっぽう で、オランダなどの一部 いちぶ の国 くに ではあくまでも諮問 しもん 的 てき なものとするとしていた。このうち5か国 こく での国民 こくみん 投票 とうひょう が実施 じっし され、スペイン、ルクセンブルク、ルーマニアでは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 批准 ひじゅん が支持 しじ されたが、フランスとオランダでは批准 ひじゅん が拒否 きょひ された。オランダの国民 こくみん 投票 とうひょう は法的 ほうてき 効力 こうりょく を持 も たないものであったが、政府 せいふ は投票 とうひょう 結果 けっか を受 う けて欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を批准 ひじゅん しないと表明 ひょうめい した。
フランスでの国民 こくみん 投票 とうひょう を受 う けて、一部 いちぶ の加盟 かめい 国 こく が国民 こくみん 投票 とうひょう の中止 ちゅうし または延期 えんき を決 き め、イギリスでは外相 がいしょう ジャック・ストロー がフランスとオランダでの結果 けっか を受 う けて国民 こくみん 投票 とうひょう を実施 じっし することに「意味 いみ がない」と発言 はつげん した[4] 。他方 たほう で国民 こくみん 投票 とうひょう の手続 てつづき を進 すす めた国 くに もあり、ルクセンブルクでは2005年 ねん 7月 がつ 10日 とおか に実施 じっし して僅差 きんさ ではあったが批准 ひじゅん 賛成 さんせい という結果 けっか となった[5] 。
2005年 ねん 9月 がつ 15日 にち 、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい 議員 ぎいん ヨハネス・フォッゲンフーバー (オーストリア緑 みどり の党 とう )とアンドリュー・ダフ (イギリス自由民主党 じゆうみんしゅとう )は次 つぎ のような行動 こうどう 計画 けいかく 案 あん を提示 ていじ した。
2006年 ねん 末 まつ までに賛否 さんぴ が分 わ かれていない項目 こうもく (人権 じんけん 憲章 けんしょう 、ヨーロッパ規模 きぼ での市民 しみん 投票 とうひょう 、「議会 ぎかい なしでの法 ほう を認 みと めない」原則 げんそく )のみを盛 も り込 こ んでいる大幅 おおはば 削減 さくげん した条約 じょうやく の起草 きそう 。
2009年 ねん 末 まつ までに欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく コンベンションによる「支持 しじ されている社会 しゃかい 制度 せいど 」と共通 きょうつう 外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく についての新 あら たな欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく のとりまとめ
2009年 ねん の欧州 おうしゅう 議会 ぎかい 議員 ぎいん 選挙 せんきょ と欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく のヨーロッパ規模 きぼ での市民 しみん 投票 とうひょう の同時 どうじ 実施 じっし
2議員 ぎいん の提案 ていあん は欧州 おうしゅう 議会 ぎかい において賛同 さんどう されず、2006年 ねん 1月 がつ 19日 にち には「熟慮 じゅくりょ 期間 きかん 」中 ちゅう に反対 はんたい とする国民 こくみん 投票 とうひょう の結果 けっか に加盟 かめい 国 こく が従 したが うということについて意見 いけん を保留 ほりゅう するという決議 けつぎ が賛成 さんせい 385票 ひょう 、反対 はんたい 125票 ひょう で採択 さいたく された。
2007年 ねん 、加盟 かめい 国 こく は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を断念 だんねん し既存 きそん の基本 きほん 条約 じょうやく を修正 しゅうせい することで合意 ごうい した。2007年 ねん 6月 がつ の欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の会合 かいごう で各国 かっこく 首脳 しゅのう は政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ に既存 きそん の条約 じょうやく (ローマ条約 じょうやく およびマーストリヒト条約 じょうやく )を修正 しゅうせい する新 しん 条約 じょうやく についての協議 きょうぎ を求 もと めることとなった。新 しん 条約 じょうやく は2007年 ねん 末 まつ に協議 きょうぎ が終了 しゅうりょう し、リスボン において署名 しょめい された。署名 しょめい 後 ご 、「改革 かいかく 条約 じょうやく 」と位置 いち づけられる新 しん 条約 じょうやく 「リスボン条約 じょうやく 」は各国 かっこく において批准 ひじゅん の手続 てつづき が進 すす められている。
各国 かっこく での批准 ひじゅん 手続 てつづき の結果 けっか [ 編集 へんしゅう ]
フランスとオランダで拒否 きょひ されたことにより欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の将来 しょうらい や発効 はっこう はきわめて不透明 ふとうめい なものとなった。欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 構想 こうそう に対 たい する進退 しんたい が揺 ゆ らぎ、停滞 ていたい 状態 じょうたい となった。しかしながら欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の発効 はっこう なしで27か国 こく にまで拡大 かくだい しても欧州 おうしゅう 連合 れんごう は機能 きのう しつづけており、その観点 かんてん からするとニース条約 じょうやく での改革 かいかく の重要 じゅうよう 性 せい が際立 きわだ っている。フランスとオランダでの結果 けっか にかかわらずルクセンブルクではかねてより計画 けいかく されていた国民 こくみん 投票 とうひょう が実施 じっし されたが、賛成 さんせい 票 ひょう が上回 うわまわ ったもののその差 さ が予想 よそう に反 はん してわずかであるという結果 けっか になった。その後 ご イギリスなどほかの国 くに では国民 こくみん 投票 とうひょう の実施 じっし を中止 ちゅうし することになった。フランスとオランダで拒絶 きょぜつ されるという事態 じたい を受 う けて、そのような政治 せいじ 的 てき 状況 じょうきょう で欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく に対 たい して国民 こくみん 投票 とうひょう で支持 しじ を確保 かくほ できるかということについて日増 ひま しに不安 ふあん が増大 ぞうだい していったのである。
フランスでは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 拒否 きょひ がジャック・シラクにとって屈辱 くつじょく であるとされた。欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく はシャルル・パスクワ やフィリップ・ド・ヴィリエ といった国家 こっか 主権 しゅけん を擁護 ようご しようとする右派 うは や、社会党 しゃかいとう のローラン・ファビウス 、共産党 きょうさんとう 、革命 かくめい 的 てき 共産 きょうさん 主義 しゅぎ 者 しゃ 同盟 どうめい 、労働 ろうどう 者 しゃ の闘争 とうそう 党 とう などが集 あつ まった反 はん グローバリゼーション運動 うんどう から反対 はんたい された。社会党 しゃかいとう は全 ぜん 党員 とういん による内部 ないぶ での投票 とうひょう で賛成 さんせい することを表明 ひょうめい していたが、一部 いちぶ の支持 しじ 者 しゃ が第 だい 一 いち 書記 しょき のフランソワ・オランド ではなくローラン・ファビウスと行動 こうどう をともにした。
イギリス首相 しゅしょう トニー・ブレアは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を支持 しじ し、イギリスでの国民 こくみん 投票 とうひょう で批准 ひじゅん を呼 よ びかけようと動 うご こうとしていた。ところがフランスとオランダでの批准 ひじゅん 拒否 きょひ の結果 けっか を受 う けてブレアは2006年 ねん 2月 がつ にオックスフォ おっくすふぉ ード大学 どだいがく での演説 えんぜつ で次 つぎ のように述 の べている。
われわれは
塔 とう のてっぺんにある
部屋 へや の
中 なか に
閉 と じこもってしまい、
議論 ぎろん されてきたことを
一般 いっぱん 市民 しみん は
誰 だれ も
理解 りかい することができなくなってしまっていました。ですが
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく は「ヨーロッパを
市民 しみん に
近 ちか づける」という
合言葉 あいことば で
進 すす められてきたものであることをみなさんに
伝 つた えたいのです。(
中略 ちゅうりゃく )フランスでの
投票 とうひょう 結果 けっか が
明 あき らかになった
日 ひ の
晩 ばん 、
私 わたし は
友人 ゆうじん とイタリアにいました。そして
誰 だれ かがやけになってこういったのです。「いったい
彼 かれ らはどうしたというんだ?」と。この「
彼 かれ ら」というのは 'non' に
投票 とうひょう した
人 ひと たちのことです。そこで
私 わたし はこう
答 こた えたのです。「ひょっとしたら『
私 わたし たちがどうかしているのか?』ということなのかもしれない」ここでの「
私 わたし たち」というのはヨーロッパの
首脳 しゅのう のことです。
— トニー・ブレア。翻訳 ほんやく は引用 いんよう 者 しゃ による[7]
改革 かいかく 条約 じょうやく が発効 はっこう に失敗 しっぱい した欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう の打開 だかい 策 さく として提示 ていじ された2007年 ねん 6月 がつ の時点 じてん で、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、エストニア、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、ルーマニア、スロベニアが議会 ぎかい や国民 こくみん 投票 とうひょう などの手続 てつづき を済 す ませて欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の批准 ひじゅん を完了 かんりょう していた。フィンランド、ドイツ、スロバキアは議会 ぎかい での批准 ひじゅん 手続 てつづき を完了 かんりょう させていた。これら以外 いがい の加盟 かめい 国 こく はフランスとオランダでの拒否 きょひ を受 う けて批准 ひじゅん 手続 てつづき を凍結 とうけつ していた。最終 さいしゅう 的 てき には18か国 こく が批准 ひじゅん 書 しょ 寄託 きたく または国内 こくない での批准 ひじゅん 手続 てつづき を完了 かんりょう させ、7か国 こく が批准 ひじゅん 手続 てつづき の無 む 期限 きげん 延期 えんき 、2か国 こく が批准 ひじゅん 拒否 きょひ という結果 けっか になった。
修正 しゅうせい の模索 もさく [ 編集 へんしゅう ]
フランスとオランダでの欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 否決 ひけつ は、両国 りょうこく が欧州 おうしゅう 連合 れんごう でも中心 ちゅうしん 的 てき な役割 やくわり を果 は たしていると考 かんが えられていたことから、ヨーロッパ中 ちゅう に動揺 どうよう をもたらした。両国 りょうこく で市民 しみん の支持 しじ を得 え ることに失敗 しっぱい したことにより欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく は再 さい 検討 けんとう を余儀 よぎ なくされた。
再 さい 検討 けんとう の結果 けっか 、4つの考 かんが え方 かた が提示 ていじ された。ひとつめとして、事態 じたい の収拾 しゅうしゅう のために当面 とうめん は何 なに もしないというもので、これにはイギリスとドイツが賛成 さんせい した。次 つぎ に、反対 はんたい 勢力 せいりょく に欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく をそのまま、あるいはほぼ変 か わらない形 かたち で受 う け入 い れるよう説得 せっとく を試 こころ みるというもので、当時 とうじ 議長 ぎちょう 国 こく だったオーストリアがこの案 あん に意欲 いよく を示 しめ していたがこの案 あん は非 ひ 現実 げんじつ 的 てき であるとされた。3つめとして欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を受 う け入 い れやすいように全面 ぜんめん 的 てき に書 か き直 なお す案 あん が挙 あ げられたが、1からやり直 なお そうと考 かんが える国 くに はなかった。最後 さいご に、フランス大統領 だいとうりょう ジャック・シラクはドイツ連邦 れんぽう 首相 しゅしょう アンゲラ・メルケル に「ばらばらにする」、つまり欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を消化 しょうか しやすいものにし手続 てつづき で賛否 さんぴ が分 わ かれにくくなるような形 かたち にすることを提案 ていあん したが、メルケルはドイツが議長 ぎちょう 国 こく となる2007年 ねん まで待 ま ったほうが良 よ いと判断 はんだん した。2006年 ねん 6月 がつ にイタリア首相 しゅしょう に戻 もど っていたロマーノ・プローディは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が大幅 おおはば に改訂 かいてい されるだろうが、一方 いっぽう で翌年 よくねん のフランス大統領 だいとうりょう 選挙 せんきょ が終 お わるまでは保留 ほりゅう するべきだと述 の べた。
アマート・グループ は2007年 ねん 6月 がつ 4日 にち に現行 げんこう のマーストリヒト条約 じょうやく の差 さ し替 か え、現行 げんこう のローマ条約 じょうやく の修正 しゅうせい 、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう の法的 ほうてき 拘束 こうそく 力 りょく の付与 ふよ を提案 ていあん した。2007年 ねん 6月 がつ の欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい では欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう の将来 しょうらい について協議 きょうぎ され、議長 ぎちょう 国 こく ドイツは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく に替 か えて改革 かいかく 条約 じょうやく の採択 さいたく を提案 ていあん した。
既存 きそん の基本 きほん 条約 じょうやく と欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の関係 かんけい
欧州 おうしゅう のための憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく は前文 ぜんぶん 、4つの部 ぶ 、附属 ふぞく 議定 ぎてい 書 しょ からなる。
前文 ぜんぶん
前文 ぜんぶん は「ヨーロッパの文化 ぶんか 的 てき 、宗教 しゅうきょう 的 てき 、人道的 じんどうてき 継承 けいしょう 物 ぶつ 」に言及 げんきゅう して「ヨーロッパの市民 しみん がますます緊密 きんみつ に結合 けつごう し、共通 きょうつう の運命 うんめい を想像 そうぞう することを決意 けつい する(一部 いちぶ 略 りゃく )」とうたっている。この前文 ぜんぶん ではポーランド、イタリア、アイルランドなどのキリスト教 きりすときょう に厳格 げんかく な加盟 かめい 国 こく からは「神 かみ 」についての明確 めいかく な言及 げんきゅう が求 もと められていたが、実際 じっさい には盛 も り込 こ まれなかった。
第 だい I部 ぶ 連合 れんごう の定義 ていぎ と目的 もくてき
第 だい I部 ぶ では欧州 おうしゅう 連合 れんごう の原則 げんそく について規定 きてい している。つまり連合 れんごう の定義 ていぎ と目的 もくてき 、権限 けんげん 、民主 みんしゅ 主義 しゅぎ 、政治 せいじ 機構 きこう 、財政 ざいせい についての原則 げんそく がうたわれている。また近隣 きんりん との関係 かんけい や連合 れんごう の加盟 かめい 国 こく についても定 さだ めがある。ただ第 だい I部 ぶ ですべてが説明 せつめい されているものではなく、このあとに続 つづ く部 ぶ の総論 そうろん を示 しめ しているものである。また第 だい I部 ぶ では連合 れんごう のシンボル について定 さだ めている。すなわち欧州 おうしゅう 連合 れんごう の旗 はた (青地 あおじ に12個 こ の金色 きんいろ に輝 かがや く星 ほし )、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の歌 うた (ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 「歓喜 かんき の歌 うた 」)、ヨーロッパ・デー (5月 がつ 9日 にち )、通貨 つうか ユーロ 、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の標語 ひょうご In varietate concordia (多様 たよう 性 せい における統一 とういつ )をうたっている。
第 だい II部 ぶ 基本 きほん 権 けん および連合 れんごう における市民 しみん 権 けん
第 だい II部 ぶ では欧州 おうしゅう 連合 れんごう の市民 しみん としての基本 きほん 権 けん について定 さだ めている。1999年 ねん から2000年 ねん にかけてローマン・ヘルツォーク を議長 ぎちょう とするコンベンションの下 した で欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう が作成 さくせい されていたが、従来 じゅうらい 基本 きほん 条約 じょうやく として扱 あつか われていなかったこの憲章 けんしょう も欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の一部 いちぶ として統合 とうごう することになった。欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう は欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に沿 そ った形 かたち のものとなっており、基本 きほん 権 けん の定義 ていぎ のほとんどは欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に由来 ゆらい するものである。
第 だい III部 ぶ 連合 れんごう の政策 せいさく と機能 きのう
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく でも第 だい III部 ぶ はもっとも分量 ぶんりょう があるものになっている。第 だい III部 ぶ は従来 じゅうらい のローマ条約 じょうやく の規定 きてい に替 か わるものであり、内容 ないよう 面 めん の修正 しゅうせい のほかに既存 きそん の条文 じょうぶん の整理 せいり を行 おこな って条約 じょうやく が見通 みとお しやすくなるよう調整 ちょうせい ・構築 こうちく されている。また第 だい III部 ぶ は第 だい I部 ぶ で示 しめ された原理 げんり の過程 かてい や詳細 しょうさい を規定 きてい している。つまり第 だい III部 ぶ は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の通常 つうじょう の業務 ぎょうむ における基本 きほん 的 てき な規定 きてい がまとめられている。
第 だい IV部 ぶ 一般 いっぱん ・最終 さいしゅう 規定 きてい
第 だい IV部 ぶ は正文 せいぶん や改正 かいせい 手続 てつづき などの最終 さいしゅう 規定 きてい がうたわれている。
附属 ふぞく 議定 ぎてい 書 しょ
附属 ふぞく 議定 ぎてい 書 しょ は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の一部 いちぶ として扱 あつか われる。
協議 きょうぎ の段階 だんかい において欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 前文 ぜんぶん の第 だい 1文目 あやめ は次 つぎ の言葉 ことば が用 もち いられていた。
われわれが
持 も つ
憲法 けんぽう は(…)
民主 みんしゅ 主義 しゅぎ と
呼 よ ばれるものである。なぜなら
国家 こっか は
少数 しょうすう の
国民 こくみん ではなく
大 だい 多数 たすう に
合 あ わせるものだからである。
— ペリクレス 、トゥキディデス 『戦史 せんし 』第 だい 2巻 かん 37
しかし戦史 せんし での文脈 ぶんみゃく が曖昧 あいまい であるため、この言葉 ことば を用 もち いることに意見 いけん が分 わ かれた。結局 けっきょく 政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ において欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の最終 さいしゅう 草案 そうあん からこの言葉 ことば は削除 さくじょ された。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく のそもそもの目的 もくてき は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の機構 きこう 体制 たいせい を改 あらた めるということにある。加 くわ えて2004年 ねん の東方 とうほう 拡大 かくだい 後 ご も欧州 おうしゅう 連合 れんごう の行動 こうどう 能力 のうりょく の維持 いじ のために連合 れんごう 内部 ないぶ での協力 きょうりょく 体制 たいせい を強化 きょうか することや個々 ここ の加盟 かめい 国 こく の拒否 きょひ 権 けん 発動 はつどう を減 へ らすことや、民主 みんしゅ 的 てき な関与 かんよ を深 ふか めるために欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の権限 けんげん を高 たか めることも目的 もくてき となっている。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 第 だい I-1条 じょう によると、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の正当 せいとう 性 せい はヨーロッパの市民 しみん と加盟 かめい 国 こく から賦与 ふよ されるものである。このことを示 しめ すのが欧州 おうしゅう 議会 ぎかい と欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の並存 へいそん である。すなわち欧州 おうしゅう 議会 ぎかい が市民 しみん による直接 ちょくせつ 選挙 せんきょ で選出 せんしゅつ されるのに対 たい して、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい は加盟 かめい 国 こく 政府 せいふ によって構成 こうせい されるという形 かたち で表 あらわ されているのである。欧州 おうしゅう 連合 れんごう の政策 せいさく 執行 しっこう 機関 きかん は超 ちょう 国家 こっか 的 てき な権限 けんげん を与 あた えられている欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい であり、その委員 いいん は欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい が任命 にんめい し、委員 いいん 会 かい の人事 じんじ に対 たい して欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の承認 しょうにん を要 よう する。
欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく において最 もっと も権限 けんげん が強化 きょうか された機関 きかん のひとつである。第 だい I-20条 じょう 第 だい 1項 こう では欧州 おうしゅう 議会 ぎかい について、「欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい とともに立法 りっぽう を行 おこな い、財政 ざいせい についての権限 けんげん を行使 こうし する」としている。立法 りっぽう 過程 かてい において欧州 おうしゅう 議会 ぎかい と欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい が同等 どうとう の権限 けんげん を持 も つことになる共同 きょうどう 決定 けってい 手続 てつづき が新 あら たに「正式 せいしき な立法 りっぽう 手続 てつづき 」とされ、従来 じゅうらい 35の政策 せいさく 分野 ぶんや についてしか用 もち いられなかったのが92分野 ぶんや において用 もち いられることになった。とりわけ共通 きょうつう 農業 のうぎょう 政策 せいさく と警察 けいさつ ・刑事 けいじ 司法 しほう 協力 きょうりょく 分野 ぶんや においては欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の扱 あつか う権限 けんげん が高 たか められた。ただしその一方 いっぽう で共通 きょうつう 外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく 分野 ぶんや については欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい が排他 はいた 的 てき に扱 あつか うということに変更 へんこう が加 くわ えられていない。
財政 ざいせい に関 かん しては、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は新 あら たな権限 けんげん を与 あた えられた。従来 じゅうらい は共通 きょうつう 農業 のうぎょう 政策 せいさく 以外 いがい のすべての歳出 さいしゅつ についての権限 けんげん が与 あた えられていたが、予算 よさん 全体 ぜんたい の46%を占 し める農業 のうぎょう 部門 ぶもん においても欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の関与 かんよ が認 みと められるようになった。これによって欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の支出 ししゅつ すべてについて決定 けってい 権 けん を握 にぎ ることになったのである。しかしながら依然 いぜん として予算 よさん 総額 そうがく を独自 どくじ に増額 ぞうがく したり欧州 おうしゅう 連合 れんごう としてのあらたな税 ぜい を導入 どうにゅう したりすることはできない。これは歳入 さいにゅう についての権限 けんげん が欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい に付与 ふよ されているためである。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では加盟 かめい 国 こく ごとの欧州 おうしゅう 議会 ぎかい 議員 ぎいん の人数 にんずう の割当 わりあて に関 かん する規則 きそく について、欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい で決定 けってい することとしている。議席 ぎせき 配分 はいぶん は逓減 ていげん 比例 ひれい の原則 げんそく によって決 き められており、人口 じんこう の多 おお い国 くに ではその人口 じんこう 1人 にん 当 あ たりの欧州 おうしゅう 議会 ぎかい 議員 ぎいん 数 すう が人口 じんこう の小 ちい さい国 くに のそれよりも少 すく なくなっている。全体 ぜんたい の定数 ていすう については、2009年 ねん の選挙 せんきょ で選出 せんしゅつ された欧州 おうしゅう 議会 ぎかい においては750を下回 したまわ るようにしなければならないと定 さだ められた。
欧州 おうしゅう 議会 ぎかい における採決 さいけつ 方法 ほうほう は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく においても変更 へんこう がなされなかった。立法 りっぽう 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう の選任 せんにん などの通常 つうじょう の採択 さいたく には投票 とうひょう 数 すう の絶対 ぜったい 過半数 かはんすう 、立法 りっぽう についての第 だい 2読会 どっかい では選任 せんにん された議員 ぎいん の絶対 ぜったい 過半数 かはんすう 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい に対 たい する不信任 ふしんにん 決議 けつぎ などの一部 いちぶ の例外 れいがい では3分 ぶん の2以上 いじょう の多数 たすう がそれぞれ必要 ひつよう となる。
欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい および議長 ぎちょう [ 編集 へんしゅう ]
加盟 かめい 各国 かっこく の国家 こっか 元首 げんしゅ または政府 せいふ の長 なが で構成 こうせい され、年 とし 4回 かい の定期 ていき 会合 かいごう を開 ひら く欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は欧州統合 おうしゅうとうごう を推進 すいしん する重要 じゅうよう な役割 やくわり を持 も つとされる機関 きかん である。しかしながらこれまで欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は加盟 かめい 国 こく の閣僚 かくりょう で構成 こうせい される欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい とは異 こと なり、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 内 ない の基本 きほん 条約 じょうやく 上 じょう の機関 きかん ではなかった。そこで欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい を正式 せいしき に欧州 おうしゅう 連合 れんごう の機関 きかん とすることを定 さだ めていた。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では、欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の「推進 すいしん 力 りょく 」を与 あた え「政治 せいじ 的 てき 方向 ほうこう 性 せい と優先 ゆうせん 順位 じゅんい 」を定 さだ めるが立法 りっぽう 的 てき な機能 きのう は有 ゆう さないとしている。欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の使命 しめい は連合 れんごう の構造 こうぞう 調整 ちょうせい や、新規 しんき 加盟 かめい 、連合 れんごう における新 あら たな役割 やくわり についての基本 きほん 的 てき な決定 けってい を行 おこな うことである。また欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう を指名 しめい する。欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は原則 げんそく として「全員 ぜんいん 一致 いっち 」で決定 けってい を行 おこな う。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく における重要 じゅうよう な変更 へんこう 点 てん は常任 じょうにん の欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい 議長 ぎちょう を設置 せっち することである。議長 ぎちょう は欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の特定 とくてい 多数決 たすうけつ で選任 せんにん され、任期 にんき は2年 ねん 半 はん (再任 さいにん 可能 かのう )というものであり、従来 じゅうらい の議長 ぎちょう 国 こく 首脳 しゅのう が半年 はんとし ごとの輪番 りんばん 制 せい で担 にな っていたものを改 あらた めることになった。
これにより欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の活動 かつどう の効果 こうか が向上 こうじょう することになる。従来 じゅうらい の「半年 はんとし 間 あいだ の議長 ぎちょう 」制 せい は議長 ぎちょう の交替 こうたい ごとに政治 せいじ 方針 ほうしん の重心 じゅうしん や考 かんが え方 かた が変化 へんか することが起 お こるために不都合 ふつごう であり、また他方 たほう で欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい 議長 ぎちょう は自国 じこく の首脳 しゅのう としての役割 やくわり を同時 どうじ にこなすために二 に 重 じゅう の負担 ふたん となっていた。常任 じょうにん 議長 ぎちょう のもとでは任期 にんき が延長 えんちょう されたことにより、欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の会合 かいごう に向 む けた各国 かっこく 首脳 しゅのう 間 あいだ での効率 こうりつ 的 てき かつ継続 けいぞく 的 てき な調整 ちょうせい を行 おこな うことができるようなる。さらに常任 じょうにん 議長 ぎちょう は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の主要 しゅよう な機関 きかん のひとつとしての欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の「顔 かお 」となり、国際 こくさい 紛争 ふんそう や重要 じゅうよう な内部 ないぶ 決定 けってい などにあたって、メディアや市民 しみん に対 たい して欧州 おうしゅう 連合 れんごう としての行動 こうどう についての説明 せつめい を行 おこな う役割 やくわり を担 にな うことが期待 きたい された。
ところが欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい および議長 ぎちょう は日常 にちじょう 的 てき な政策 せいさく や立法 りっぽう 過程 かてい に介入 かいにゅう することはできない。これらは欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい 、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい がそれぞれ扱 あつか うものである。この点 てん については欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の起草 きそう 段階 だんかい で、全 ぜん 加盟 かめい 国 こく 首脳 しゅのう が背後 はいご にいる欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい 議長 ぎちょう と欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう とが競合 きょうごう するという批判 ひはん がなされていた。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい (単 たん に理事 りじ 会 かい とも)は加盟 かめい 国 こく の閣僚 かくりょう で構成 こうせい され、閣僚 かくりょう はそれぞれの担当 たんとう 政策 せいさく 分野 ぶんや ごとの理事 りじ 会 かい において協議 きょうぎ を行 おこな う。このため非公式 ひこうしき ではあるが「閣僚 かくりょう 理事 りじ 会 かい 」とも呼 よ ばれる。理事 りじ 会 かい の主 しゅ たる使命 しめい は欧州 おうしゅう 議会 ぎかい と同 おな じく立法 りっぽう を行 おこな うことである。原則 げんそく として欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の発言 はつげん 権 けん が小 ちい さい、あるいはまったくない場合 ばあい には欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい では全会 ぜんかい 一致 いっち での採決 さいけつ を要 よう し、共同 きょうどう 決定 けってい 手続 てつづき においては欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい では多数決 たすうけつ が用 もち いられる。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では後者 こうしゃ の方法 ほうほう を通常 つうじょう の立法 りっぽう 手続 てつづき となるため理事 りじ 会 かい では特定 とくてい 多数決 たすうけつ 方式 ほうしき による採択 さいたく が用 もち いられるが、一部 いちぶ の例外 れいがい 的 てき な事案 じあん においては個別 こべつ の加盟 かめい 国 こく に拒否 きょひ 権 けん が認 みと められる。また安全 あんぜん 保障 ほしょう ・防衛 ぼうえい 政策 せいさく や税制 ぜいせい についての事案 じあん では全会 ぜんかい 一致 いっち での採択 さいたく を要 よう する。
欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい と異 こと なり、欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい においては半年 はんとし ごとに議長 ぎちょう 国 こく が交替 こうたい する輪番 りんばん 制 せい が維持 いじ される。一方 いっぽう で新設 しんせつ される外務 がいむ 理事 りじ 会 かい は任期 にんき 5年 ねん の連合 れんごう 外相 がいしょう が議長 ぎちょう を務 つと める。
特定 とくてい 多数決 たすうけつ [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく で大 おお きく変更 へんこう されたのは欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい における採決 さいけつ 法 ほう である。いわゆる「特定 とくてい 多数決 たすうけつ 方式 ほうしき 」において各国 かっこく の意思 いし がより反映 はんえい されるようになり、従来 じゅうらい に比 くら べて少数 しょうすう 派 は の意見 いけん が重視 じゅうし されるようになった。ニース条約 じょうやく で定 さだ められた票数 ひょうすう 配分 はいぶん は恣意 しい 的 てき なものであり、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では廃止 はいし されることになった。ニース条約 じょうやく の下 した での特定 とくてい 多数決 たすうけつ 方式 ほうしき では
加盟 かめい 国 こく の半数 はんすう 以上 いじょう
全 ぜん 345票 ひょう 中 ちゅう 255票 ひょう 以上 いじょう
賛成 さんせい に票 ひょう を投 とう じた国 くに の人口 じんこう の合計 ごうけい が欧州 おうしゅう 連合 れんごう の域内 いきない 人口 じんこう の62%以上 いじょう
のすべてを満 み たして可決 かけつ とされていたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく ではいわゆる「二 に 重 じゅう の多数決 たすうけつ 」の原則 げんそく により
加盟 かめい 国 こく の55%以上 いじょう
賛成 さんせい に票 ひょう を投 とう じた国 くに の人口 じんこう の合計 ごうけい が欧州 おうしゅう 連合 れんごう の域内 いきない 人口 じんこう の65%以上 いじょう
の両方 りょうほう を満 み たして可決 かけつ となる。
ニース条約 じょうやく では可決 かけつ のための要件 ようけん が3つとなっていたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく ではそれが支持 しじ 国 こく 数 すう と人口 じんこう の割合 わりあい の2つとなった。これについてはまず、二 に 重 じゅう の多数決 たすうけつ は欧州 おうしゅう 連合 れんごう が市民 しみん と加盟 かめい 国 こく という「二 に 重 じゅう の性格 せいかく "Doppelcharakter "」(ヨシュカ・フィッシャー )によるものとされている。次 つぎ に可決 かけつ 阻止 そし 少数 しょうすう の要件 ようけん が難 なん 化 か したことにより意思 いし 決定 けってい が容易 ようい になった。3つめとして力 ちから 関係 かんけい に変動 へんどう を与 あた え、大国 たいこく と小国 しょうこく は中間 ちゅうかん 的 てき な規模 きぼ の国 くに が不利 ふり となるような影響 えいきょう 力 りょく を持 も つようになった。規模 きぼ の点 てん で不利 ふり となる国 くに はオーストリアからスペインの間 あいだ に位置 いち づけられる国 くに で、とくにスペインとポーランドはニース条約 じょうやく の下 した での票 ひょう の割当 わりあて 数 すう は大 おお きな影響 えいきょう 力 りょく を持 も っていたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく によって両国 りょうこく は反対 はんたい を押 お し通 とお すことが困難 こんなん となった。つまり2007年 ねん 1月 がつ の時点 じてん で事案 じあん を否決 ひけつ しようとすれば反対 はんたい が91票 ひょう 以上 いじょう となればよかったものが(スペインとポーランドであわせて54票 ひょう を持 も っていた)、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の規定 きてい では自 みずか らと自 みずか らに同調 どうちょう する国 くに で計 けい 13か国 こく を集 あつ めるか、自 みずか らを含 ふく めて同調 どうちょう する国 くに の人口 じんこう がおよそ1億 おく 7500万 まん 人 にん としなければならなくなる(スペインとポーランド両国 りょうこく の人口 じんこう の合計 ごうけい はおよそ8200万 まん 人 にん )。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の特定 とくてい 多数決 たすうけつ 方式 ほうしき は政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ の場 ば において主要 しゅよう な議題 ぎだい となっていた。2004年 ねん のスペイン総 そう 選挙 せんきょ でホセ・マリア・アスナール 政権 せいけん が敗 やぶ れて親 おや 欧州 おうしゅう 連合 れんごう 派 は のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ が首相 しゅしょう に就 つ いたことで、この議論 ぎろん は合意 ごうい にこぎつけることができた。
外務 がいむ 理事 りじ 会 かい ・連合 れんごう 外相 がいしょう [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく による変更 へんこう では外務 がいむ 理事 りじ 会 かい と連合 れんごう 外相 がいしょう 職 しょく が新設 しんせつ される。従来 じゅうらい 加盟 かめい 国 こく の外相 がいしょう は総務 そうむ ・対外 たいがい 関係 かんけい 理事 りじ 会 かい において連合 れんごう の全般 ぜんぱん 的 てき な事案 じあん や外交 がいこう 政策 せいさく について協議 きょうぎ してきたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の第 だい I-24条 じょう では「総務 そうむ 理事 りじ 会 かい 」と「外務 がいむ 理事 りじ 会 かい 」に分 わ けることを定 さだ めた。
総務 そうむ 理事 りじ 会 かい の議長 ぎちょう は従来 じゅうらい と同 おな じく議長 ぎちょう 国 こく の閣僚 かくりょう が半年 はんとし 後 ご との輪番 りんばん 制 せい で務 つと めることになっているが、外務 がいむ 理事 りじ 会 かい の議長 ぎちょう は新設 しんせつ される連合 れんごう 外相 がいしょう が務 つと めることになる。連合 れんごう 外相 がいしょう は任期 にんき を5年 ねん とし、欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい における特定 とくてい 多数決 たすうけつ で任命 にんめい される。
この変更 へんこう により、従来 じゅうらい 行 おこな われてきた欧州 おうしゅう 連合 れんごう の外交 がいこう についての調整 ちょうせい という問題 もんだい が解消 かいしょう される。少 すく なくとも相手 あいて に通告 つうこく するということをせずに独断 どくだん 的 てき な決定 けってい を行 おこな うということが頻繁 ひんぱん にあったため、これまで政府 せいふ 間 あいだ での調整 ちょうせい 不足 ふそく がたびたび起 お こっていた。また欧州 おうしゅう 連合 れんごう というひとつの組織 そしき の中 なか で共通 きょうつう 外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく 上級 じょうきゅう 代表 だいひょう 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 対外 たいがい 関係 かんけい 担当 たんとう 委員 いいん 、総務 そうむ ・対外 たいがい 関係 かんけい 理事 りじ 会 かい 議長 ぎちょう という3つの役職 やくしょく が並立 へいりつ し、それぞれに外交 がいこう 政策 せいさく についての権限 けんげん や発言 はつげん 権 けん があるということが状況 じょうきょう をよりわかりにくいものとしていた。
連合 れんごう 外相 がいしょう は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の外交 がいこう 政策 せいさく における機構 きこう 間 あいだ の対立 たいりつ を取 と り除 のぞ くために、これら3つの役職 やくしょく を統合 とうごう して新設 しんせつ されることになる。さらに連合 れんごう 外相 がいしょう は外務 がいむ 理事 りじ 会 かい の議長 ぎちょう 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の副 ふく 委員 いいん 長 ちょう ・対外 たいがい 関係 かんけい 担当 たんとう 委員 いいん も兼 か ねることになる。この兼務 けんむ 体制 たいせい により欧州 おうしゅう 連合 れんごう の外交 がいこう 政策 せいさく における難 むずか しい調整 ちょうせい を牽引 けんいん することができるとされている。
さらに第 だい III-296条 じょう 第 だい 3項 こう では欧州 おうしゅう 対外 たいがい 活動 かつどう 局 きょく の設置 せっち が定 さだ められており、欧州 おうしゅう 対外 たいがい 活動 かつどう 局 きょく は連合 れんごう 外相 がいしょう の下 した に置 お かれ、加盟 かめい 国 こく の外務 がいむ 担当 たんとう 機関 きかん の権能 けんのう を奪 うば わないかぎりにおいて協力 きょうりょく して任務 にんむ にあたる。欧州 おうしゅう 対外 たいがい 活動 かつどう 局 きょく は職員 しょくいん と組織 そしき の面 めん において既存 きそん の欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の対外 たいがい 関係 かんけい 機関 きかん よりも充実 じゅうじつ したものとなるが、細部 さいぶ の運営 うんえい にあたっては欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の決議 けつぎ に委 ゆだ ねられている。
欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい および委員 いいん 長 ちょう [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい は従来 じゅうらい と同 おな じく、調整 ちょうせい 、執行 しっこう 、運営 うんえい についての機能 きのう を実行 じっこう する。また例外 れいがい 的 てき な事案 じあん を除 のぞ いては、連合 れんごう の立法 りっぽう 行為 こうい は欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の提案 ていあん に基 もと づいてのみ採択 さいたく される。ただし発議 はつぎ 権 けん の例外 れいがい は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく において削減 さくげん されているため、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の機能 きのう は強化 きょうか されることになる。
委員 いいん 会 かい の任命 にんめい 手続 てつづき については大 おお きな変更 へんこう がなされていない。委員 いいん 会 かい の任期 にんき は5年 ねん で、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい 議員 ぎいん 選挙 せんきょ のあとに欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい は新 あら たな欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう を指名 しめい し、その委員 いいん 長 ちょう 案 あん を欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は承認 しょうにん または拒否 きょひ のいずれかを採択 さいたく しなければならない。欧州 おうしゅう 議会 ぎかい が新 しん 委員 いいん 長 ちょう 案 あん を否決 ひけつ した場合 ばあい は、欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい が改 あらた めて新 しん 委員 いいん 長 ちょう 候補 こうほ を提示 ていじ することになるが、それにあたって欧州 おうしゅう 議会 ぎかい が独自 どくじ に候補 こうほ を指名 しめい することはできない。欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の承認 しょうにん をうけたのち、新 しん 委員 いいん 長 ちょう は各 かく 加盟 かめい 国 こく から出 だ された意見 いけん を考慮 こうりょ して委員 いいん 会 かい の構成 こうせい 員 いん を指名 しめい する。最終 さいしゅう 的 てき には委員 いいん 会 かい 全体 ぜんたい として欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の承認 しょうにん を受 う けて新 しん 委員 いいん 会 かい の発足 ほっそく となる。任期 にんき 中 ちゅう に委員 いいん 長 ちょう は個別 こべつ の委員 いいん を解任 かいにん することができるが、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は不信任 ふしんにん 決議 けつぎ でもって委員 いいん 会 かい 全体 ぜんたい を総 そう 辞職 じしょく させるという方法 ほうほう しか持 も っていない。
欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい に関連 かんれん して欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく で大 おお きく変更 へんこう されたのは委員 いいん の数 かず の削減 さくげん である。従来 じゅうらい の制度 せいど においては各 かく 加盟 かめい 国 こく から1名 めい ずつを欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の委員 いいん としており、2007年 ねん の拡大 かくだい で委員 いいん の数 かず は27にまで増加 ぞうか した。ニース条約 じょうやく において各国 かっこく 首脳 しゅのう は加盟 かめい 国 こく 数 すう が25を超 こ えたときには、もはや各国 かっこく から委員 いいん を出 だ す必要 ひつよう はないということで合意 ごうい していたが、その代替 だいたい となる具体 ぐたい 的 てき な制度 せいど が定 さだ められていなかった。欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では輪番 りんばん 制 せい を原則 げんそく とし、委員 いいん の数 かず は加盟 かめい 国 こく 数 すう の3分 ぶん の2とすることが規定 きてい された。
とりわけ規模 きぼ の小 ちい さい国 くに にとって委員 いいん 会 かい の規模 きぼ を縮小 しゅくしょう するということは非常 ひじょう に重大 じゅうだい であった。欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい における多数決 たすうけつ についての制度 せいど についでこの委員 いいん 会 かい の削減 さくげん は政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ で大 おお きな争点 そうてん となった。そのため委員 いいん 数 すう の削減 さくげん を実施 じっし するのは2014年 ねん 以降 いこう とすることで妥結 だけつ され、それまでは従来 じゅうらい どおり各 かく 加盟 かめい 国 こく から1名 めい ずつ委員 いいん を出 だ すことになった。また輪番 りんばん 制 せい の原則 げんそく についてどのように実施 じっし するかということは政府 せいふ 間 あいだ 協議 きょうぎ で明確 めいかく にすることができず、その後 ご の欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい の決定 けってい に委 ゆだ ねることとなった。輪番 りんばん 制 せい の原則 げんそく について定 さだ められたのは、加盟 かめい 国 こく は委員 いいん の選出 せんしゅつ にあたっては「完全 かんぜん に平等 びょうどう なものとして」扱 あつか われるが、「将来 しょうらい における歴代 れきだい の委員 いいん 会 かい は連合 れんごう 加盟 かめい 国 こく の人口 じんこう 統計 とうけい 的 てき かつ地理 ちり 的 てき な幅 はば を満足 まんぞく させるように構成 こうせい されるものとする」、ということにとどまった。この条文 じょうぶん は国 くに の規模 きぼ の大小 だいしょう 、北方 ほっぽう ・南方 みなかた 、富裕 ふゆう ・貧困 ひんこん といった均衡 きんこう がとられていなければならないと解釈 かいしゃく されている。
内容 ないよう 面 めん での変更 へんこう [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では機構 きこう 改革 かいかく のほかに、新 あら たに欧州 おうしゅう 連合 れんごう の権限 けんげん について整備 せいび したり加盟 かめい 国 こく 間 あいだ での協力 きょうりょく 関係 かんけい のありかたを構造 こうぞう 化 か したりすることが企図 きと されている。以下 いか はそれらの中 なか でも重要 じゅうよう な変更 へんこう となるものである。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう は原則 げんそく として基本 きほん 条約 じょうやく に明文化 めいぶんか されている権限 けんげん しか有 ゆう さないものとされている(個別 こべつ 授権原則 げんそく )。従来 じゅうらい の基本 きほん 条約 じょうやく では、そのような権限 けんげん は特定 とくてい の条文 じょうぶん においてではなく条約 じょうやく 全体 ぜんたい で記述 きじゅつ されていた。このため条約 じょうやく の解釈 かいしゃく が困難 こんなん なものになっており、また詳細 しょうさい な連合 れんごう の権限 けんげん の範囲 はんい が不 ふ 明確 めいかく であった。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく ではドイツ連邦 れんぽう 共和 きょうわ 国 こく 基本 きほん 法 ほう にならい、連合 れんごう の権限 けんげん を体系 たいけい 化 か した「権限 けんげん の類型 るいけい 」を盛 も り込 こ むことでこの問題 もんだい が解決 かいけつ した。第 だい I-12条 じょう では権限 けんげん を排他 はいた 的 てき 、共有 きょうゆう 的 てき 、支援 しえん 的 てき なものに区分 くぶん している。まず排他 はいた 的 てき 権限 けんげん とは、連合 れんごう だけが単独 たんどく で権限 けんげん を持 も つものである。つぎに共有 きょうゆう 的 てき 権限 けんげん とは連合 れんごう が権限 けんげん を持 も つものの、加盟 かめい 国 こく がその根拠 こんきょ となる法 ほう を採択 さいたく するものであって連合 れんごう では法 ほう を作成 さくせい し得 え ないものである。最後 さいご に支援 しえん 的 てき 権限 けんげん とは連合 れんごう が加盟 かめい 国 こく の行動 こうどう を支援 しえん 、調整 ちょうせい 、補完 ほかん するための権限 けんげん で、連合 れんごう がそのための立法 りっぽう を行 おこな わないものである。このほか国家 こっか 間 あいだ の経済 けいざい ・雇用 こよう 政策 せいさく や外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく の分野 ぶんや について言及 げんきゅう されており、連合 れんごう は欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい における全会 ぜんかい 一致 いっち での採択 さいたく でもってのみ指針 ししん を策定 さくてい することができるとされている。
第 だい I-13条 じょう から17条 じょう では、連合 れんごう が政策 せいさく 分野 ぶんや ごとにどのような権限 けんげん を持 も つのかということについてまとめて列挙 れっきょ されている。排他 はいた 的 てき 権限 けんげん の中 なか には通商 つうしょう 政策 せいさく と関税 かんぜい 同盟 どうめい が挙 あ げられ、つぎに共有 きょうゆう 的 てき 権限 けんげん では域内 いきない 市場 いちば 、農業 のうぎょう 、エネルギー 、運輸 うんゆ 、環境 かんきょう 、消費 しょうひ 者 しゃ 保護 ほご を対象 たいしょう としている。最後 さいご に支援 しえん についての領域 りょういき には保健 ほけん 、産業 さんぎょう 、教育 きょういく 、防災 ぼうさい が含 ふく まれている。
連合 れんごう の目的 もくてき と価値 かち [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では欧州 おうしゅう 連合 れんごう が総体 そうたい として義務 ぎむ 的 てき に行 おこな う活動 かつどう のための「連合 れんごう の目的 もくてき と価値 かち 」が第 だい I-2条 じょう において以下 いか のように定義 ていぎ されている。
(日本語 にほんご 仮 かり 訳 やく )連合 れんごう は、個人 こじん の尊厳 そんげん 、自由 じゆう 、民主 みんしゅ 主義 しゅぎ 、平等 びょうどう 、法 ほう の支配 しはい 、少数 しょうすう 者 しゃ とされる人々 ひとびと の権利 けんり を含 ふく む人権 じんけん の尊重 そんちょう を基礎 きそ として成 な り立 た つものとする。これらの価値 かち は、多元 たげん 主義 しゅぎ 、非 ひ 差別 さべつ 、寛容 かんよう 、正義 まさよし 、社会 しゃかい 連帯 れんたい 、男女 だんじょ 同権 どうけん を特色 とくしょく とする社会 しゃかい にある加盟 かめい 国 こく すべてに共通 きょうつう するものである。
第 だい I-3条 じょう では連合 れんごう の目的 もくてき がうたわれており、その中 なか には平和 へいわ の推進 すいしん 、自由 じゆう で歪曲 わいきょく のない競争 きょうそう がなされる単一 たんいつ 市場 いちば の創設 そうせつ 、経済 けいざい 成長 せいちょう 、価格 かかく 安定 あんてい 性 せい 、社会 しゃかい 的 てき 市場 いちば 経済 けいざい 、環境 かんきょう 保護 ほご 、社会 しゃかい 正義 まさよし 、文化 ぶんか の多様 たよう 性 せい 、世界 せかい 規模 きぼ での貧困 ひんこん の撲滅 ぼくめつ 、国際 こくさい 法 ほう の発展 はってん が挙 あ げられている。
補完 ほかん 性 せい 原則 げんそく [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の第 だい I-12条 じょう において規定 きてい された補完 ほかん 性 せい 原則 げんそく と比例 ひれい 原則 げんそく はすでにマーストリヒト条約 じょうやく においてうたわれていた。補完 ほかん 性 せい 原則 げんそく とは、加盟 かめい 国 こく の行動 こうどう 目標 もくひょう が中央 ちゅうおう の次元 じげん および地域 ちいき ・地方 ちほう の次元 じげん のいずれにおいても十分 じゅうぶん に達成 たっせい できないもので、連合 れんごう の次元 じげん においてならばよりよく達成 たっせい できるものである場合 ばあい に限 かぎ って連合 れんごう が行動 こうどう することができるというものである。つまり連合 れんごう は地方 ちほう 政府 せいふ や加盟 かめい 国 こく の中央 ちゅうおう 政府 せいふ といった下位 かい の次元 じげん で適切 てきせつ に実施 じっし できないが、欧州 おうしゅう 連合 れんごう としてならば十分 じゅうぶん に実行 じっこう することができるというような場合 ばあい にのみ、加盟 かめい 国 こく の任務 にんむ を実行 じっこう することができるのである。このときの「十分 じゅうぶん 」というものは個別 こべつ の事案 じあん ごとに欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ が判断 はんだん する。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく で変更 へんこう された点 てん については補完 ほかん 性 せい および比例 ひれい 原則 げんそく の適用 てきよう に関 かん する議定 ぎてい 書 しょ において詳細 しょうさい が記述 きじゅつ されている。補完 ほかん 性 せい の確保 かくほ のために、とりわけ加盟 かめい 国 こく の国内 こくない 議会 ぎかい の権限 けんげん が強化 きょうか された。欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい が法案 ほうあん を提出 ていしゅつ してから6週間 しゅうかん 以内 いない に国内 こくない 議会 ぎかい はその法案 ほうあん に対 たい して反対 はんたい する理由 りゆう を述 の べることができる。一院制 いちいんせい 議会 ぎかい においては2票 ひょう が、二院 にいん 制 せい 議会 ぎかい においては各 かく 院 いん に1票 ひょう ずつが割 わ り当 あ てられ、全体 ぜんたい の3分 ぶん の1以上 いじょう が反対 はんたい とした場合 ばあい 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい は法案 ほうあん を再 さい 検討 けんとう しなければならない。欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい は国内 こくない 議会 ぎかい による反対 はんたい を拒否 きょひ することができるが、その場合 ばあい は理由 りゆう を挙 あ げなければならない。
最終 さいしゅう 的 てき に補完 ほかん 性 せい 原則 げんそく を確保 かくほ する役割 やくわり を担 にな うのは、従来 じゅうらい と同 おな じく欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ である。加盟 かめい 国 こく あるいは地域 ちいき 委員 いいん 会 かい は欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ に対 たい して訴訟 そしょう を提起 ていき することができるが、国内 こくない 議会 ぎかい は自 みずか らが提訴 ていそ することはできず、加盟 かめい 国 こく 政府 せいふ を通 とお した形 かたち で欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ に訴 うった えることになる。
強化 きょうか された協力 きょうりょく [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では第 だい I-44条 じょう において「強化 きょうか された協力 きょうりょく 」が新 あら たに制度 せいど 化 か された。この制度 せいど 化 か は、ある行動 こうどう 計画 けいかく が欧州 おうしゅう 連合 れんごう 全体 ぜんたい として実施 じっし することができない場合 ばあい における複数 ふくすう の一部 いちぶ 加盟 かめい 国 こく での統合 とうごう の措置 そち と解釈 かいしゃく されている。
強化 きょうか された協力 きょうりょく のモデルとなっているのはシェンゲン協定 きょうてい と経済 けいざい 通貨 つうか 統合 とうごう であり、これらはほかの欧州 おうしゅう 連合 れんごう の統合 とうごう 過程 かてい に先駆 さきが けて一部 いちぶ の加盟 かめい 国 こく ですでに実施 じっし されているものである。欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく でははじめて、必要 ひつよう な場合 ばあい において欧州 おうしゅう 連合 れんごう の統一 とういつ された法令 ほうれい や基本 きほん 法 ほう の枠組 わくぐ みにおいて実行 じっこう にずれが出 で るような統合 とうごう についての手続 てつづき が規定 きてい された。加盟 かめい 国 こく の3分 ぶん の1が集 あつ まった場合 ばあい において、その参加 さんか 国 こく は自 みずか らのみに有効 ゆうこう な法令 ほうれい を定 さだ め、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の機関 きかん を利用 りよう することができるようになった。また強化 きょうか された協力 きょうりょく の新 あたら しい特殊 とくしゅ 形態 けいたい として第 だい I-41条 じょう 第 だい 6項 こう に規定 きてい されている、共通 きょうつう 外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく の枠組 わくぐ み内 ない における、恒久 こうきゅう 的 てき な構造 こうぞう 化 か された協力 きょうりょく がある。
従来 じゅうらい の基本 きほん 条約 じょうやく 体制 たいせい において、国際 こくさい 法人 ほうじん 格 かく を有 ゆう していたのは欧州共同体 おうしゅうきょうどうたい であって、欧州 おうしゅう 連合 れんごう には法人 ほうじん 格 かく がなかった。そのため欧州共同体 おうしゅうきょうどうたい は授権された範囲 はんい 内 ない で法的 ほうてき 拘束 こうそく 力 りょく を持 も つ決定 けってい を行 おこな うことができるが、欧州 おうしゅう 連合 れんごう はあくまでも「統括 とうかつ 機関 きかん 」としてしか活動 かつどう することができなかった。とくに外交 がいこう 政策 せいさく において国際 こくさい 法人 ほうじん 格 かく がなかったために欧州 おうしゅう 連合 れんごう は独立 どくりつ した機関 きかん として行動 こうどう することができず、ただ加盟 かめい 国 こく の集合 しゅうごう 体 たい というものに過 す ぎなかった。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では欧州 おうしゅう 連合 れんごう に法人 ほうじん 格 かく が付与 ふよ されることになっている。これにより欧州 おうしゅう 連合 れんごう は国際 こくさい 法 ほう の主体 しゅたい として、外務 がいむ 理事 りじ 会 かい の全会 ぜんかい 一致 いっち での決議 けつぎ がなされた上 うえ で国際 こくさい 条約 じょうやく や協定 きょうてい に署名 しょめい し、また欧州 おうしゅう 対外 たいがい 関係 かんけい 局 きょく を通 つう じて他国 たこく との外交 がいこう 関係 かんけい を構築 こうちく したり、欧州 おうしゅう 評議 ひょうぎ 会 かい や国際 こくさい 連合 れんごう といった国際 こくさい 機関 きかん に正式 せいしき な参加 さんか 者 しゃ として加入 かにゅう したりすることができるようになる。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう と欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく への加入 かにゅう [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく で第 だい II部 ぶ として組 く み込 こ まれることになる欧州 おうしゅう 連合 れんごう 基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう において大 おお きな変更 へんこう がなされることになる。基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう は2000年 ねん のニース欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい において採択 さいたく 、公布 こうふ されたものだが、憲章 けんしょう 自体 じたい は法的 ほうてき 効力 こうりょく を持 も つものではなかった。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく によって基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう は欧州 おうしゅう 連合 れんごう 全体 ぜんたい において拘束 こうそく 力 りょく を持 も つものとなる。基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう の内容 ないよう は人権 じんけん と基本 きほん 的 てき 自由 じゆう の保護 ほご のための条約 じょうやく (欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく )にならい、一部 いちぶ は発展 はってん させたものとなっており、ドイツ基本 きほん 法 ほう のように基本 きほん 権 けん を類型 るいけい 化 か したようなものに近 ちか くなっている。ただし第 だい II-113条 じょう では「有利 ゆうり 性 せい 原則 げんそく 」について規定 きてい されており、基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう は基本 きほん 権 けん の障害 しょうがい となることがあってはならないとしている。つまり基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう と加盟 かめい 国 こく の憲法 けんぽう のようなほかの基本 きほん 権 けん 類型 るいけい を定 さだ めたものとが競合 きょうごう する場合 ばあい 、原則 げんそく としてそのいずれかのうちでより有利 ゆうり な規定 きてい が適用 てきよう されることになる。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 第 だい I-9条 じょう 第 だい 2項 こう では欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく への欧州 おうしゅう 連合 れんごう の加入 かにゅう が企図 きと されている。欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく の加入 かにゅう については、とりわけ欧州 おうしゅう 評議 ひょうぎ 会 かい の考 かんが え方 かた に関連 かんれん して連合 れんごう の政治 せいじ 的 てき 価値 かち の定義 ていぎ に言及 げんきゅう した1961年 ねん のビルケルバッハ報告 ほうこく 以来 いらい 数 すう 十 じゅう 年 ねん にわたって議論 ぎろん されてきたが、その間 あいだ 欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に加入 かにゅう することはなかった。もっとも欧州 おうしゅう 連合 れんごう が欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に加入 かにゅう するには、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく によって付与 ふよ されることになる独自 どくじ の法人 ほうじん 格 かく が必要 ひつよう である。
また欧州 おうしゅう 連合 れんごう が人権 じんけん 条約 じょうやく に加入 かにゅう するには、人権 じんけん 条約 じょうやく の第 だい 59条 じょう 第 だい 1項 こう の欧州 おうしゅう 評議 ひょうぎ 会 かい の加盟 かめい 国 こく にのみ開放 かいほう されているという規定 きてい を修正 しゅうせい する必要 ひつよう がある。この修正 しゅうせい は人権 じんけん 条約 じょうやく の第 だい 14議定 ぎてい 書 しょ でなされることになっているが、ロシア が批准 ひじゅん を完了 かんりょう していないために議定 ぎてい 書 しょ はいまだ発効 はっこう していない。
結局 けっきょく のところ欧州 おうしゅう 連合 れんごう が欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に加入 かにゅう しようとするには特別 とくべつ な国際 こくさい 条約 じょうやく についての協議 きょうぎ がなされなければならず、またそのためには欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい において加盟 かめい 国 こく が全会 ぜんかい 一致 いっち で批准 ひじゅん を決議 けつぎ しなければならない。最終 さいしゅう 的 てき に欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が発効 はっこう してもそれぞれの加盟 かめい 国 こく が具体 ぐたい 的 てき な加入 かにゅう 条件 じょうけん に反対 はんたい することができるため、加盟 かめい 国 こく は欧州 おうしゅう 連合 れんごう が欧州 おうしゅう 人権 じんけん 条約 じょうやく に加入 かにゅう することについての拒否 きょひ 権 けん を持 も つことになる。
市民 しみん による請願 せいがん [ 編集 へんしゅう ]
直接 ちょくせつ 民主 みんしゅ 的 てき な要素 ようそ の追加 ついか 点 てん として、第 だい I-47条 じょう 第 だい 4項 こう においてヨーロッパ規模 きぼ での市民 しみん の請願 せいがん についての規定 きてい が導入 どうにゅう された。これにより欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい に対 たい して特定 とくてい の問題 もんだい について適切 てきせつ な法案 ほうあん を提出 ていしゅつ するよう求 もと めることができるようになる。請願 せいがん を提出 ていしゅつ するには100万 まん 人 にん の署名 しょめい が必要 ひつよう である(国 くに の数 かず についての要件 ようけん は事後 じご に法令 ほうれい を制定 せいてい する)。市民 しみん の請願 せいがん が提出 ていしゅつ された場合 ばあい 、欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい は自 みずか らの権限 けんげん の範囲 はんい 内 ない において行動 こうどう することができる。ただし欧州 おうしゅう 連合 れんごう の枠組 わくぐ みを越 こ えた権限 けんげん の拡張 かくちょう は認 みと められない。
任意 にんい 脱退 だったい ・加盟 かめい 要件 ようけん [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 第 だい I-60条 じょう では加盟 かめい 国 こく の任意 にんい の脱退 だったい について規定 きてい され、これにより従来 じゅうらい は明文化 めいぶんか されていなかった脱退 だったい が可能 かのう かどうかについてのあいまいな状態 じょうたい が解決 かいけつ されることになった。
加 くわ えて欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では厳格 げんかく な加盟 かめい 基準 きじゅん による要件 ようけん が盛 も り込 こ まれた。第 だい I-58条 じょう によると将来 しょうらい において加盟 かめい を希望 きぼう する国 くに は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の価値 かち (民主 みんしゅ 主義 しゅぎ 、人権 じんけん 、法 ほう の支配 しはい など)を「尊重 そんちょう し、その価値 かち をともに実現 じつげん させていくことを確約 かくやく 」しなければならない。これに対 たい してニース条約 じょうやく による修正 しゅうせい がなされたマーストリヒト条約 じょうやく の第 だい 49条 じょう によると、「(欧州 おうしゅう 連合 れんごう の)原理 げんり を尊重 そんちょう するどのような国 くに 」ならば加盟 かめい を申請 しんせい することができるとされている。つまり原理 げんり の推進 すいしん についての明確 めいかく な義務 ぎむ が含 ふく まれていないのである。
連合 れんごう 強制 きょうせい [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では、ある加盟 かめい 国 こく においてその国 くに の政治 せいじ が連合 れんごう の価値 かち (民主 みんしゅ 主義 しゅぎ 、法 ほう の支配 しはい 、人権 じんけん など)に合致 がっち しないという場合 ばあい についての規定 きてい が新設 しんせつ されている。第 だい I-59条 じょう では当事 とうじ 国 こく 以外 いがい のすべての加盟 かめい 国 こく と欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の3分 ぶん の2による採択 さいたく により、当事 とうじ 国 こく の投票 とうひょう 資格 しかく を停止 ていし することができると定 さだ めている。
ドイツ基本 きほん 法 ほう の連邦 れんぽう 強制 きょうせい (Bundeszwang ) にちなんで、この手続 てつづき は俗 ぞく に「連合 れんごう 強制 きょうせい 」 (Unionzwang ) と呼 よ ばれることがある。ところがこの比喩 ひゆ 的 てき 表現 ひょうげん は誤解 ごかい を招 まね きかねないものである。ドイツの連邦 れんぽう 強制 きょうせい は連邦 れんぽう のために連邦 れんぽう 州 しゅう に対 たい する権限 けんげん を与 あた えるものであるが(とりわけ連邦 れんぽう 州 しゅう の官庁 かんちょう に対 たい する命令 めいれい 権 けん がある)、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の「連合 れんごう 強制 きょうせい 」では新 あら たな権限 けんげん を付与 ふよ するというものではなく、ただ加盟 かめい 国 こく の既存 きそん の権限 けんげん を停止 ていし するというものである。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく でのさまざまな変更 へんこう のなかでも特筆 とくひつ されるのは連合 れんごう のシンボル である。欧州 おうしゅう 連合 れんごう のシンボル(欧州 おうしゅう 旗 はた 、欧州 おうしゅう の歌 うた 、ヨーロッパ・デー 、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の標語 ひょうご 、通貨 つうか ユーロ )について第 だい I-8条 じょう で規定 きてい され、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の基本 きほん 条約 じょうやく において初 はじ めて正式 せいしき に明記 めいき されることになった。さらに欧州 おうしゅう 連合 れんごう の法 ほう についての概念 がいねん も改 あらた められ、規則 きそく や指令 しれい といった特殊 とくしゅ な表現 ひょうげん に替 か えて欧州 おうしゅう 法 ほう や欧州 おうしゅう 枠組 わくぐみ 法 ほう といったものが用 もち いられることになった。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく はさまざまな政治 せいじ 的 てき 立場 たちば との間 あいだ で衝突 しょうとつ しており、とくに加盟 かめい 国 こく の市民 しみん の間 あいだ では批判 ひはん が増加 ぞうか していた。批判 ひはん にはさまざまな要素 ようそ が含 ふく まれており、正当 せいとう 性 せい から条約 じょうやく の名称 めいしょう といったものまで多岐 たき にわたっている。
長大 ちょうだい ・複雑 ふくざつ [ 編集 へんしゅう ]
批判 ひはん の中 なか には欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が現行 げんこう の国内 こくない 憲法 けんぽう と比較 ひかく して長大 ちょうだい で複雑 ふくざつ であるということを強調 きょうちょう するものがある。例 れい を挙 あ げると、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 憲法 けんぽう が4600語 ご であるのに対 たい して欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく は附属 ふぞく の宣言 せんげん 書 しょ や議定 ぎてい 書 しょ を含 ふく めて16万 まん 語 ご にも及 およ んでいる。さらに条文 じょうぶん もきわめて複雑 ふくざつ で、そのために欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の内容 ないよう を解説 かいせつ するための本 ほん が出版 しゅっぱん されているほどである[8] [9] [10] 。
これに対 たい して欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく を支持 しじ する立場 たちば からは、新 しん 条約 じょうやく は廃止 はいし されることになる従来 じゅうらい の基本 きほん 条約 じょうやく よりも短 みじか くなると反論 はんろん している。
批准 ひじゅん 手続 てつづき に対 たい する批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
「欧州 おうしゅう の将来 しょうらい に関 かん するコンベンション」に対 たい して、通常 つうじょう の民主 みんしゅ 的 てき な国家 こっか とは異 こと なり、参加 さんか 者 しゃ が選挙 せんきょ で選 えら ばれたり承認 しょうにん されていたりしていない点 てん について批判 ひはん がある。コンベンションには見 み かけだけの透明 とうめい 性 せい しかないというものである。公 おおやけ の会議 かいぎ であるにもかかわらず何 なん らかの決定 けってい も行 おこな っておらず、また議事 ぎじ の記録 きろく も残 のこ されていない。ルクセンブルク首相 しゅしょう ジャン=クロード・ユンケル は「コンベンションは壮大 そうだい な民主 みんしゅ 主義 しゅぎ ショーと宣伝 せんでん されることになるだろう。私 わたし はコンベンションよりも暗 くら い暗室 あんしつ は見 み たことがない」と述 の べている[11] 。
国民 こくみん 投票 とうひょう の実施 じっし と議会 ぎかい での批准 ひじゅん 採択 さいたく の時間 じかん に差 さ があることにより、最 もっと も都合 つごう の良 よ い時期 じき に批准 ひじゅん することが可能 かのう である。これはすなわち国民 こくみん 投票 とうひょう の結果 けっか を欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 支持 しじ 側 がわ の都合 つごう に合 あ わせて操作 そうさ することができるということを意味 いみ する。また国民 こくみん 投票 とうひょう で先 さき に結果 けっか を出 だ しておくことで議会 ぎかい に対 たい して圧力 あつりょく をかけることができる。例 れい を挙 あ げると、世論 せろん 調査 ちょうさ や試験 しけん 投票 とうひょう で賛成 さんせい が多 おお かったことを受 う けて早 はや い時期 じき に国民 こくみん 投票 とうひょう を実施 じっし したスペインや、直前 ちょくぜん のドイツの議会 ぎかい における批准 ひじゅん 手続 てつづき の結果 けっか を「必要 ひつよう 推進 すいしん 力 りょく (poussée nécessaire)」として臨 のぞ んだフランスの国民 こくみん 投票 とうひょう などがある。
ドイツでは国民 こくみん 投票 とうひょう を実施 じっし せず早期 そうき に批准 ひじゅん したことにより、批准 ひじゅん への影響 えいきょう を及 およ ぼしかねないような欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく への批判 ひはん の形成 けいせい や本格 ほんかく 的 てき な議論 ぎろん が阻止 そし された。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の賛成 さんせい 派 は と反対 はんたい 派 は とのあいだで資金 しきん 面 めん での後援 こうえん やメディアでの露出 ろしゅつ に大 おお きな差 さ があったが、このことはすべての加盟 かめい 国 こく において批判 ひはん の対象 たいしょう にはなっていなかった。フランスでは賛成 さんせい 派 は がメディアにおいて明 あき らかに多 おお くの放送 ほうそう 時間 じかん を得 え ていた。またドイツでは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の内容 ないよう についての公開 こうかい 討論 とうろん 会 かい がほとんど行 おこな われていなかった。
憲法 けんぽう という名称 めいしょう に対 たい する批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 、ユーロ、移動 いどう の自由 じゆう (シェンゲン協定 きょうてい )、国家 こっか の権限 けんげん 削減 さくげん に対 たい しての反対 はんたい を複数 ふくすう の言語 げんご で表 あらわ している
法 ほう の中 なか でも最高 さいこう 位 い のもので「啓蒙 けいもう という意味 いみ における社会 しゃかい 契約 けいやく 」である「憲法 けんぽう 」という名称 めいしょう を用 もち いることにより、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく がニース条約 じょうやく といったこれまでの基本 きほん 条約 じょうやく の流 なが れをくむものではなく、新 あたら しいものであるということを示唆 しさ している。条約 じょうやく であればその構成 こうせい 概念 がいねん は目的 もくてき のための手段 しゅだん (いわば目的 もくてき 規範 きはん )となるが、憲法 けんぽう という名称 めいしょう を用 もち いると定義 ていぎ 上 じょう 、その構成 こうせい 概念 がいねん が自己 じこ 目的 もくてき となる(いわば価値 かち 共同 きょうどう 体 たい 。公共 こうきょう 性 せい に基 もと づく社会 しゃかい )。ところが欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では欧州 おうしゅう 連合 れんごう の内部 ないぶ における公共 こうきょう 性 せい (ヨーロッパのアイデンティティ)ではなく、市場 いちば や通貨 つうか 圏 けん といった目的 もくてき を定義 ていぎ するものとなっている。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく について批判 ひはん する論拠 ろんきょ は欧州 おうしゅう 連合 れんごう の民主 みんしゅ 性 せい についての構造 こうぞう にあり、ギュンター・フェアホイゲン は「欧州 おうしゅう 連合 れんごう がわれわれに参加 さんか を求 もと めるならば、それは民主 みんしゅ 的 てき に不十分 ふじゅうぶん だといわなければならないだろう」と述 の べている。民主 みんしゅ 的 てき に不十分 ふじゅうぶん であるというものの具体 ぐたい 例 れい には以下 いか のようなものがある。
欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の権限 けんげん が相対 そうたい 的 てき に制限 せいげん されている
欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は法案 ほうあん を提出 ていしゅつ することができない。
欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は行政 ぎょうせい 機関 きかん の構成 こうせい 員 いん (欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい 委員 いいん )を選出 せんしゅつ できず、機関 きかん 全体 ぜんたい を承認 しょうにん または拒否 きょひ し、あるいは不信任 ふしんにん を表明 ひょうめい することしかできない。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の透明 とうめい 性 せい の低 ひく さ
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の会合 かいごう の大 だい 多数 たすう は非公開 ひこうかい で行 おこな われており、ただ議論 ぎろん をせず投票 とうひょう で採決 さいけつ を行 おこな うような大 だい 規模 きぼ な会合 かいごう においてはブリュッセルの議場 ぎじょう からモニター越 ご しに様子 ようす を見 み ることができるのみである。
採択 さいたく についての欧州 おうしゅう 連合 れんごう 理事 りじ 会 かい の文書 ぶんしょ は内部 ないぶ で厳重 げんじゅう に保管 ほかん されている。
他方 たほう でこの批判 ひはん は「条約 じょうやく 」と「憲法 けんぽう 」という概念 がいねん についての(それぞれの言語 げんご において)主観 しゅかん 的 てき に知覚 ちかく される言語 げんご 表現 ひょうげん の内容 ないよう 、つまり内包 ないほう 的 てき 意味 いみ と外延 がいえん 的 てき 意味 いみ によるものである。マーストリヒト条約 じょうやく やその後 ご の基本 きほん 条約 じょうやく は法律 ほうりつ 的 てき な意味 いみ において、字義 じぎ とは異 こと なり、欧州 おうしゅう 連合 れんごう の憲法 けんぽう である。そのために欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ や法律 ほうりつ 家 か は「ヨーロッパの憲法 けんぽう 的 てき 条約 じょうやく 」と表現 ひょうげん する。どのような名称 めいしょう (「憲法 けんぽう 」や「基本 きほん 法 ほう 」といった名称 めいしょう のものや、あるいはイギリスのように不文法 ふぶんほう や名称 めいしょう がないような「議会 ぎかい 制定 せいてい 法 ほう や慣習 かんしゅう 法 ほう 」)であろうが、どのような機関 きかん (国家 こっか 、団体 だんたい 、国際 こくさい ・超 ちょう 国家 こっか 機関 きかん など)に適用 てきよう されていようが、そのようなものには関係 かんけい なく法学 ほうがく 的 てき な視点 してん からすれば憲法 けんぽう は歴史 れきし 的 てき に法 ほう 秩序 ちつじょ における最初 さいしょ の法 ほう 、つまり法 ほう を策定 さくてい する過程 かてい において最初 さいしょ の段階 だんかい であることにほかならない。
本 ほん 条約 じょうやく で「憲法 けんぽう を制定 せいてい する条約 じょうやく 」という表現 ひょうげん が使 つか われている理由 りゆう には以下 いか のようなものが挙 あ げられる。
本 ほん 条約 じょうやく により従来 じゅうらい のすべての基本 きほん 条約 じょうやく と置 お き換 か える。
欧州 おうしゅう 連合 れんごう 規則 きそく を採択 さいたく するための要件 ようけん を大幅 おおはば に削減 さくげん し、本 ほん 条約 じょうやく が第 だい 1次 じ 法 ほう となる。
「憲法 けんぽう 」という名称 めいしょう は、従来 じゅうらい は明 あき らかに国民 こくみん 国家 こっか が独占 どくせん してきた経済 けいざい 的 てき ・戦略 せんりゃく 的 てき 利益 りえき を条約 じょうやく の目的 もくてき とし、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご (あるいはそれ以前 いぜん )の平和 へいわ 主義 しゅぎ 者 しゃ 、国際 こくさい 主義 しゅぎ 者 しゃ 、左派 さは 、世界 せかい 市民 しみん などによって展開 てんかい された統合 とうごう ヨーロッパの理念 りねん を次第 しだい に実現 じつげん しようとする、未来 みらい に向 む けた努力 どりょく を示唆 しさ している。
広 ひろ く言 い われる「ヨーロッパのアイデンティティ」の「欠如 けつじょ 」というものは、「憲法 けんぽう 」において欠 か かせない部分 ぶぶん を定義 ていぎ すれば不足 ふそく というものではない。「多様 たよう 性 せい における統一 とういつ 」という多元 たげん 主義 しゅぎ のアプローチはまさに、「アイデンティティ」の観念 かんねん の明記 めいき をあきらめた欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が指向 しこう するものを示 しめ している。必要 ひつよう な価値 かち 観念 かんねん の調整 ちょうせい を強制 きょうせい し、他 た の存在 そんざい としての物質 ぶっしつ 的 てき な価値 かち 秩序 ちつじょ の相違 そうい を除去 じょきょ しなければならないアイデンティティの概念 がいねん に対 たい して、社会 しゃかい 的 てき 制御 せいぎょ 装置 そうち である組織 そしき 体制 たいせい の統制 とうせい を制限 せいげん するような憲法 けんぽう 概念 がいねん が定 さだ められなければならない。
法学 ほうがく 上 じょう 厳密 げんみつ に見 み ると「条約 じょうやく 」であろうが「憲法 けんぽう 」であろうが、加盟 かめい 国 こく の国内 こくない 法 ほう に対 たい する欧州 おうしゅう 連合 れんごう の法令 ほうれい の合法 ごうほう 性 せい が変 か わることはまったくない。
条約 じょうやく の内容 ないよう に対 たい する批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の内容 ないよう に対 たい してはさまざまな組織 そしき 、団体 だんたい 、政治 せいじ 家 か が激 はげ しく批判 ひはん している。
左翼 さよく 団体 だんたい からの批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
批判 ひはん でも多 おお くを占 し めるのが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく は社会 しゃかい の利益 りえき や民主 みんしゅ 主義 しゅぎ に反 はん し、軍事 ぐんじ 化 か を進 すす めるというものである。
また基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう における社会 しゃかい 権 けん はただ単 たん に一般 いっぱん 的 てき な原則 げんそく とみなされているものに過 す ぎない、つまり発効 はっこう しても裁判 さいばん で主張 しゅちょう できたり法的 ほうてき な拘束 こうそく 力 りょく を持 も っていたりするようなものではないため、基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう 自体 じたい やそのあとの部 ぶ で具体 ぐたい 的 てき に規定 きてい されている。最 さい 重要 じゅうよう である労働 ろうどう 者 しゃ の権利 けんり は実際 じっさい には域内 いきない における国境 こっきょう を越 こ えて行使 こうし できるようなものではない。確 たし かに第 だい III部 ぶ 第 だい 3章 しょう 第 だい 2節 せつ (社会 しゃかい 政策 せいさく )の第 だい III-210条 じょう 第 だい 1項 こう には以下 いか のように規定 きてい されている。
(d) 雇用 こよう 契約 けいやく が終了 しゅうりょう した労働 ろうどう 者 しゃ の保護 ほご
(f) 共同 きょうどう 決定 けってい を含 ふく む労使 ろうし の利益 りえき の代表 だいひょう と集団 しゅうだん 的 てき 防衛 ぼうえい
しかし同 どう 条 じょう の第 だい 6項 こう において、同 どう 条 じょう は賃金 ちんぎん 、団結 だんけつ 権 けん 、ストライキ権 けん 、ロックアウト権 けん については適用 てきよう しないとしている。第 だい 1項 こう の (d) と (f) は規則 きそく や指令 しれい 、あるいは欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ の判断 はんだん によって初 はじ めて有効 ゆうこう となり、第 だい III-211条 じょう 、212条 じょう で連合 れんごう 全体 ぜんたい として対応 たいおう することになる。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では、意思 いし 決定 けってい や法案 ほうあん 作成 さくせい について欧州 おうしゅう 議会 ぎかい と欧州 おうしゅう 理事 りじ 会 かい や欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の間 あいだ での権限 けんげん の関係 かんけい が変更 へんこう されておらず、民主 みんしゅ 的 てき 参加 さんか の機会 きかい や連合 れんごう における確固 かっこ とした権力 けんりょく 分立 ぶんりつ の導入 どうにゅう が軽視 けいし されている。
第 だい III-304条 じょう では、欧州 おうしゅう 議会 ぎかい は連合 れんごう の軍事 ぐんじ 行動 こうどう について質問 しつもん を行 おこな うことを認 みと めているが、決定 けってい を行 おこな うことはできない。このことから、外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 分野 ぶんや における欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の位置 いち づけにより連合 れんごう の軍事 ぐんじ 化 か が進 すす められているということが第 だい 3の批判 ひはん となっている。
ニース条約 じょうやく では欧州 おうしゅう 連合 れんごう の基金 ききん を軍事 ぐんじ 目的 もくてき で使用 しよう することを明確 めいかく に禁止 きんし していたが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では連合 れんごう の軍事 ぐんじ 的 てき 選択 せんたく 権 けん が財政 ざいせい の面 めん においても保障 ほしょう されている。
第 だい I-6条 じょう では、連合 れんごう の法律 ほうりつ は加盟 かめい 国内 こくない の法律 ほうりつ に優先 ゆうせん するということが定 さだ められている。ドイツ基本 きほん 法 ほう では侵略 しんりゃく 戦争 せんそう を禁止 きんし し、そのような行為 こうい は処罰 しょばつ される。欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう では第 だい I-41条 じょう において連合 れんごう の軍事 ぐんじ 的 てき な統制 とうせい についてうたい、軍事 ぐんじ 機関 きかん (「防衛 ぼうえい 能力 のうりょく 、研究 けんきゅう 、調達 ちょうたつ 、軍備 ぐんび の分野 ぶんや における発展 はってん のための機関 きかん :欧州 おうしゅう 防衛 ぼうえい 機関 きかん 」)と中核 ちゅうかく ヨーロッパの概念 がいねん (「常設 じょうせつ の制度 せいど 的 てき 協力 きょうりょく 」)を持 も つ適切 てきせつ な機構 きこう の構築 こうちく を定 さだ めている。さらに軍事 ぐんじ 力 りょく の向上 こうじょう についての加盟 かめい 国 こく の義務 ぎむ (第 だい I-41条 じょう 第 だい 3項 こう )と連合 れんごう の軍事 ぐんじ 的 てき 使命 しめい の拡張 かくちょう 、軍事 ぐんじ 行動 こうどう の要件 ようけん 緩和 かんわ (個別 こべつ の加盟 かめい 国 こく および連合 れんごう の防衛 ぼうえい にとどまらず、原材料 げんざいりょう や軍事 ぐんじ 市場 いちば といった権益 けんえき が絡 から むものも対象 たいしょう とする)に対 たい して批判 ひはん されている。
第 だい III-376条 じょう では欧州 おうしゅう 司法 しほう 裁判所 さいばんしょ は連合 れんごう の軍事 ぐんじ 行動 こうどう について管轄 かんかつ しないということが定 さだ められている。
さらに第 だい III-177条 じょう で規定 きてい されている開放 かいほう 的 てき な自由 じゆう 競争 きょうそう 市場 いちば 経済 けいざい の原則 げんそく についても、新 しん 自由 じゆう 主義 しゅぎ 的 てき な経済 けいざい 政策 せいさく に委 ゆだ ねるものだという批判 ひはん がある。開放 かいほう 的 てき 自由 じゆう 競争 きょうそう 市場 いちば 経済 けいざい 政策 せいさく や第 だい I-3条 じょう 第 だい 3項 こう にある経済 けいざい 成長 せいちょう は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の目的 もくてき として受 う け止 と められている。そのため欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく は社会 しゃかい 福祉 ふくし 、環境 かんきょう 保護 ほご 、労働 ろうどう 政策 せいさく と激 はげ しく競合 きょうごう するということができる。しかしながらこれについては欧州共同体 おうしゅうきょうどうたい の時代 じだい から経済 けいざい を通 つう じて加盟 かめい 国 こく の統合 とうごう が図 はか られてきており、第 だい III-177条 じょう は従来 じゅうらい の条約 じょうやく を書 か き写 うつ したものに過 す ぎないという反論 はんろん が可能 かのう である。
域内 いきない 市場 いちば におけるサービスに関 かん する指令 しれい [12] や生産 せいさん ・販売 はんばい 国法 こくほう 適用 てきよう 原則 げんそく といった規定 きてい は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく に根拠 こんきょ を求 もと めることができるが、このような規定 きてい は賃金 ちんぎん 、社会 しゃかい 保障 ほしょう 、品質 ひんしつ 管理 かんり 、労働 ろうどう 安全 あんぜん 衛生 えいせい の面 めん でも競争 きょうそう を引 ひ き起 お こすことになる。そのうえこれらの基準 きじゅん を満 み たす企業 きぎょう は競争 きょうそう に持 も ちこたえられなくなり、その結果 けっか として自由 じゆう 市場 いちば は競争 きょうそう の歪 ゆが みをもたらすことになる。つまりある国 くに においてその国 くに の労働 ろうどう 者 しゃ は低 てい 賃金 ちんぎん ・高 こう 物価 ぶっか についていけず、企業 きぎょう の対応 たいおう もままならずさらなる失業 しつぎょう につながっていき、ついには賃金 ちんぎん 、品質 ひんしつ 水準 すいじゅん 、社会 しゃかい 水準 すいじゅん が連合 れんごう 内 ない での最低 さいてい のところにまで低下 ていか していくことになるというものである。
また財産 ざいさん 権 けん に対 たい する公共 こうきょう の福祉 ふくし による制限 せいげん に相当 そうとう する規定 きてい がないことも批判 ひはん されている。これについて欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の賛成 さんせい 派 は は、第 だい II-77条 じょう 第 だい 1項 こう と第 だい I-3条 じょう 第 だい 3項 こう はともに連合 れんごう の社会 しゃかい 的 てき 目標 もくひょう をうたっており、これらの規定 きてい から制限 せいげん を導 みちび き出 だ すことができるという意見 いけん を持 も っている。
リベラル派 は 団体 だんたい からの批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
リベラル派 は 団体 だんたい からは欧州 おうしゅう 議会 ぎかい の権限 けんげん が不足 ふそく しているという点 てん からの批判 ひはん がなされている。
またリベラル派 は の観点 かんてん からは、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく において市民 しみん 権 けん が制限 せいげん されているという批判 ひはん がなされる。確 たし かに子供 こども の権利 けんり については触 ふ れられているが、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく では保護 ほご の対象 たいしょう としてしか挙 あ げられていない。若者 わかもの (あるいは子供 こども )の政治 せいじ 参加 さんか を認 みと めていないというものである。
リベラル派 は の一部 いちぶ には欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が長大 ちょうだい すぎることについて批判 ひはん しているものがいる。いわゆる「規制 きせい の狂乱 きょうらん 」という批判 ひはん が認 みと められなかったのである。憲法 けんぽう というものは枠組 わくぐ みだけを提示 ていじ するべきで、細部 さいぶ すべてにまで定 さだ める必要 ひつよう はないという考 かんが え方 かた によるものである。
一方 いっぽう でリベラル派 は の意見 いけん による「開放 かいほう 的 てき な自由 じゆう 競争 きょうそう 市場 いちば 」については、社会 しゃかい 的 てき な要請 ようせい により抑 おさ えられている。
保守 ほしゅ ・教会 きょうかい 派 は からの批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
保守 ほしゅ 派 は からは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく にキリスト教 きりすときょう の根底 こんてい 的 てき 要素 ようそ についての言及 げんきゅう がないことについての批判 ひはん が大 おお きくなっていた。この批判 ひはん はバチカン だけでなく、ポーランドなどカトリックの多 おお くの地域 ちいき から出 だ された。またローマ=カトリック教会 きょうかい のほかにドイツ福音 ふくいん 教会 きょうかい も欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく で神 かみ について言及 げんきゅう するよう求 もと めた。ドイツ福音 ふくいん 教会 きょうかい は、欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく において「神 かみ に対 たい する責任 せきにん とユダヤ=キリストの伝統 でんとう の意義 いぎ について明確 めいかく に示 しめ す」という立場 たちば を変 か えることはなかった[13] 。ところがドイツ連邦 れんぽう 首相 しゅしょう アンゲラ・メルケルは欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく において神 かみ についての言及 げんきゅう がなされるという見込 みこ みはないと述 の べている。
さらに、保守 ほしゅ 的 てき な欧州 おうしゅう 懐疑 かいぎ 派 は からは国民 こくみん 国家 こっか の主権 しゅけん 性 せい やトルコ などの新規 しんき 加盟 かめい について疑問 ぎもん が呈 てい され、地域 ちいき の慣習 かんしゅう が失 うしな われるのではないかと危惧 きぐ する見方 みかた が出 だ されている。また基本 きほん 権 けん 憲章 けんしょう に対 たい して保守 ほしゅ 派 は 団体 だんたい から批判 ひはん が出 だ されている。第 だい II-75条 じょう にある労働 ろうどう の自由 じゆう について、キリスト教 きりすときょう 社会 しゃかい 同盟 どうめい 系 けい の団体 だんたい が東 ひがし ドイツ の名残 なごり だと評 ひょう している。
欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく に対 たい して批判 ひはん 的 てき な立場 たちば をとっているとして知 し られている人物 じんぶつ には、哲学 てつがく 者 しゃ ジャン・ボードリヤール 、キリスト教 きょう 社会 しゃかい 同盟 どうめい 所属 しょぞく 議員 ぎいん ペーター・ガウヴァイラー 、左翼 さよく 党 とう 議員 ぎいん 団長 だんちょう オスカー・ラフォンテーヌ 、チェコ大統領 だいとうりょう ヴァーツラフ・クラウス がいる。
政党 せいとう ・市民 しみん 団体 だんたい からの批判 ひはん [ 編集 へんしゅう ]
左翼 さよく 党 とう は欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく について新 しん 自由 じゆう 主義 しゅぎ 的 てき で軍事 ぐんじ 拡張 かくちょう を義務 ぎむ としている条約 じょうやく であるとみなしている。
市民 しみん 運動 うんどう 団体 だんたい "Mehr Demokratie"(直訳 ちょくやく :もっと民主 みんしゅ 主義 しゅぎ を)は批准 ひじゅん 手続 てつづき について民主 みんしゅ 的 てき ではなく、また投票 とうひょう 結果 けっか が操作 そうさ されやすいと非難 ひなん し、また欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく の権力 けんりょく 分立 ぶんりつ が不十分 ふじゅうぶん で、外交 がいこう ・安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく の分野 ぶんや において民主 みんしゅ 的 てき な土台 どだい がなく、政策 せいさく 決定 けってい の大 だい 部分 ぶぶん が固定 こてい 化 か されていると批判 ひはん している。
非 ひ 政府 せいふ 組織 そしき ATTAC が反対 はんたい したおもな理由 りゆう には、軍事 ぐんじ 拡張 かくちょう を推 お し進 すす める性格 せいかく 、新 しん 自由 じゆう 主義 しゅぎ 、経済 けいざい 的 てき なものも含 ふく めたヨーロッパの利益 りえき の実現 じつげん のための対外 たいがい 派兵 はへい と民主 みんしゅ 的 てき 原則 げんそく の欠 か ける駐留 ちゅうりゅう の可能 かのう 性 せい が挙 あ げられる。
^ 第 だい IV-447条 じょう において、条約 じょうやく の発効 はっこう のためにはイタリア政府 せいふ に批准 ひじゅん 書 しょ が寄託 きたく されることが求 もと められている。いずれの締結 ていけつ 国 こく も必要 ひつよう とされる機関 きかん (議会 ぎかい および国家 こっか 元首 げんしゅ )すべてにおける国内 こくない での批准 ひじゅん 過程 かてい が完了 かんりょう したのち、批准 ひじゅん 書 しょ を寄託 きたく することになる。ここにおける国 くに の順番 じゅんばん は批准 ひじゅん 書 しょ の寄託 きたく 順 じゅん とし、2以上 いじょう の国 くに が同日 どうじつ に寄託 きたく したときは国名 こくめい のアルファベット順 じゅん とする。
^ オーランド諸島 しょとう はフィンランドの自治領 じちりょう である。欧州 おうしゅう 連合 れんごう の領域 りょういき に含 ふく まれているが一部 いちぶ 分野 ぶんや で例外 れいがい が規定 きてい されている。オーランド議会 ぎかい の承認 しょうにん は条約 じょうやく の当事 とうじ 者 しゃ ではないが、第 だい IV-440条 じょう 第 だい 5項 こう において条約 じょうやく は例外 れいがい 規定 きてい を有 ゆう するものの欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく が適用 てきよう される。そのためラーグティングによる批准 ひじゅん は条約 じょうやく 発効 はっこう に必要 ひつよう ではないが、同 どう 条 じょう の規定 きてい の適用 てきよう のためにはラーグティングによる承認 しょうにん が必要 ひつよう となる。
小林 こばやし 勝 まさる 、村田 むらた 雅 まさ 威 たけし 、細井 ほそい 雅夫 まさお 訳 やく 『欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく 』御茶 おちゃ の水 みず 書房 しょぼう 、2005年 ねん 7月 がつ 。ISBN 978-4275003850 。
福田 ふくだ 耕治 こうじ ほか『欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく とEU統合 とうごう の行方 ゆくえ 』早稲田大学 わせだだいがく 出版 しゅっぱん 部 ぶ 〈早稲田大学 わせだだいがく 現代 げんだい 政治 せいじ 経済 けいざい 研究所 けんきゅうじょ 研究 けんきゅう 叢書 そうしょ 〉、2006年 ねん 10月 がつ 。ISBN 978-4657068163 。
中村 なかむら 民雄 たみお 『欧州 おうしゅう 憲法 けんぽう 条約 じょうやく -解説 かいせつ 及 およ び翻訳 ほんやく - 』 第 だい 56号 ごう (委託 いたく 調査 ちょうさ 報告 ほうこく 書 しょ )〈衆 しゅう 憲 けん 資 し 〉、2002年 ねん 9月 がつ 。https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/shukenshi056.pdf/$File/shukenshi056.pdf 。
Klaus Beckmann, Jürgen Dieringer, Ulrich Hufeld, ed (Französisch, Deutsch). Eine Verfassung für Europa (2. Auflage ed.). Mohr Siebeck. ISBN 978-3161485428
Göler, Daniel (Deutsch). Die neue europäische Verfassungsdebatte. Entwicklungsstand und Optionen für den Konvent . Europa Union Verlag. ISBN 978-3771306137
Cordula A. Janowski, Marcus Höreth, Ludger Kühnhardt (Deutsch). Die europäische Verfassung . Nomos. ISBN 978-3832910778
Kolja Naumann (Deutsch). Eine religiöse Referenz in einem Europäischen Verfassungsvertrag (1. Auflage ed.). Mohr Siebeck. ISBN 978-3161497049
Carolin Rüger (Deutsch). Aus der Traum? Der lange Weg zur EU-Verfassung (1. Auflage ed.). Tectum Verlag. ISBN 978-3828889668
Jürgen Schwarze, ed (Deutsch). Der Verfassungsentwurf des Europäischen Konvents . Nomos. ISBN 978-3832906856
(Deutsch) Die Europäische Verfassung in der Analyse . Bertelsmann Stiftung. ISBN 978-3892047278
(Deutsch) Ungleichzeitigkeit und europäisches Verfassungsrecht (1. Auflage ed.). Nomos. ISBN 978-3832905118 . http://www.thym.de/daniel/ungleichzeitigkeit/index.html
(Deutsch) Eine Verfassung für ein Europa mit 25 Mitgliedstaaten: Vielfalt und Einheit zugleich . Nomos. ISBN 978-3832915193
(Deutsch) Das Menschenbild des homo europaeus. Menschenbildaspekte im Vertrag über eine Verfassung für Europa . Peter-Lang-Verlag. ISBN 978-3631557310
Christoph Vedder, Wolff Heintschel von Heinegg, ed (Deutsch). Europäischer Verfassungsvertrag (1. Auflage ed.). Nomos. ISBN 978-3832910907