熊谷くまがい喜一郎きいちろう (内務ないむ官僚かんりょう)

熊谷くまがい喜一郎きいちろう

熊谷くまがい 喜一郎きいちろう（くまがい きいちろう、1866年ねん5月26日にち（慶應けいおう2年ねん4月がつ12日にち） - 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）10月がつ9日にち）は、日本にっぽんの内務ないむ官僚かんりょう。樺太からふと庁ちょう民政みんせい長官ちょうかん、官選かんせん県知事けんちじ。

経歴けいれき

熊谷くまがい禎ただし蔵ぞうの長男ちょうなんとして江戸えどで生うまれる。1892年ねん、帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがくを卒業そつぎょう。同年どうねん7月がつ、内務省ないむしょう試補しほとなり社寺しゃじ局きょくに配属はいぞくされた。

1893年ねん11月、北海道庁ほっかいどうちょう参事官さんじかんに就任しゅうにん。以後いご、内務ないむ書記官しょきかん、拓殖つげ務つとむ省しょう書記官しょきかん、農のう商務省しょうむしょう・陸軍りくぐん省しょう・内務省ないむしょうの各かく参事官さんじかん、兼けん台湾たいわん総督そうとく府ふ事務じむ官かんなどを歴任れきにん。1905年ねん8月がつ、樺太からふと民政みんせい署しょが設置せっちされると民政みんせい長官ちょうかんに就任しゅうにん。1907年ねん4月がつ、樺太からふと民政みんせい署しょが樺太からふと庁ちょうに改編かいへんされ、引ひき続つづき民政みんせい長官ちょうかんを務つとめた。

樺太からふと庁ちょうでは長官ちょうかんの楠瀬くすのせ幸彦さちひこと不仲ふなかになり、第だい1次じ西園寺さいおんじ内閣ないかくの内務ないむ大臣だいじんである原はら敬たかしは1908年ねん4月がつ24日にちに両りょう名なを更迭こうてつし、熊谷くまがいは同年どうねん6月がつ12日にち付づけで山梨やまなし県知事けんちじに就任しゅうにんした。県民けんみんから「蛸入道たこにゅうどう」の異名いみょうをもらった。山梨やまなし県政けんせいにおいては明治めいじ40年ねんの大だい水害すいがいからの復興ふっこうに尽力じんりょくした。1912年ねん（明治めいじ45年ねん）3月がつ27日にちから4月がつ4日にちには皇太子こうたいし嘉よしみ仁じん親王しんのう（大正天皇たいしょうてんのう）の山梨やまなし県けん行啓ぎょうけいが行おこなわれている。熊谷くまがいは3月がつ9日にちに上京じょうきょうして皇太子こうたいし行啓ぎょうけいの内示ないじを受うけている。同年どうねん12月がつ14日にちには江戸えど時代じだいの甲府こうふ藩はん主おもで大老たいろう格かく柳沢やなぎさわ吉保よしやすに対たいして贈おく従したがえ三さん位いの策さく命いのちにあたり、策さく命いのち使しをつとめる。

1913年ねん6月がつ、山梨やまなし県知事けんちじを休職きゅうしょく。1914年ねん4月がつ、石川いしかわ県知事けんちじに就任しゅうにん。1915年ねん4月がつ、石川いしかわ県知事けんちじを辞じし退官たいかんした。

家族かぞく

• 父ちち・熊谷くまがい禎ただし蔵ぞう ‐ 山口やまぐち県けん出身しゅっしん、東京とうきょう府ふ平民へいみん
• 弟おとうと・田中たなか鉄てつ二郎じろう (1868年生ねんせい) ‐ 弁護士べんごし、弁理べんり士し、特許とっきょ局きょく次長じちょう。山口やまぐち県けん・田中たなか耕こう資しの養子ようし。東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく法律ほうりつ学科がっか卒そつ。地方裁判所ちほうさいばんしょ検事けんじ、商業しょうぎょう高校こうこう講師こうしを経へて弁護士べんごし・弁理べんり士しとなり、特許とっきょ局きょくに転てんず。妻つまのヒサ（華族かぞく女学校じょがっこう出身しゅっしん）は山口やまぐち出身しゅっしんの陸軍りくぐん少将しょうしょう・守まもり永えい薫かおるの三さん女じょ。相あい婿むこに大多和おおたわ新しん輔。
• 妻つま・ヨシ ‐ 東京銀行とうきょうぎんこう元もと支配人しはいにん・草刈くさかり隆一りゅういちの長女ちょうじょ。
• 長男ちょうなん・熊谷くまがい禎一ていいち
• 二男じなん・草刈くさかり甲かぶと二に ‐ 三菱銀行みつびしぎんこう常務じょうむ、野間のま奉公ほうこう会かい監事かんじ。東大とうだい法科ほうか卒そつ。旧制きゅうせい静岡しずおか高校こうこうでは野間のま省一しょういちの一いち年ねん先輩せんぱいで、銀行ぎんこう員いん時代じだいには講談社こうだんしゃを担当たんとうしていた。

栄典えいてん

• 1906年ねん（明治めいじ39年ねん）4月がつ1日にち - 勲くん三さん等とう旭日きょくじつ中ちゅう綬章じゅしょう
• 1910年ねん（明治めいじ43年ねん）12月10日にち - 従したがえ四よん位い

著書ちょしょ

• 述じゅつ『要塞ようさい地帯ちたい法ほう講義こうぎ』憲兵けんぺい練習れんしゅう所しょ、1900年ねん。

参考さんこう文献ぶんけん

• 三富みとみ史蹟しせき保存ほぞん会かい『三富みとみ開拓かいたく誌し』1929年ねん。
• 『昭和しょうわ物故ぶっこ人名じんめい録ろく 昭和しょうわ元年がんねん-54年ねん』日外にちがいアソシエーツ、1983年ねん。
• 歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『新編しんぺん日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1991年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。
• 小畑おばた茂雄しげお「明治めいじ45年ねん3～4月がつ皇太子こうたいし（大正天皇たいしょうてんのう）山梨やまなし行啓ぎょうけいについて（1）」『山梨やまなし県立けんりつ博物館はくぶつかん 研究けんきゅう紀要きよう 第だい8集しゅう』山梨やまなし県立けんりつ博物館はくぶつかん、2014年ねん
• 伊藤いとう之の雄ゆう『原はら敬たかし 下か 外交がいこうと政治せいじの理想りそう』講談社こうだんしゃ選書せんしょメチエ、2014年ねん