古沢ふるさわ滋しげる

日本にっぽんの政治せいじ家か 古沢ふるさわ滋しげる ふるさわ しげる
生年月日せいねんがっぴ	1847年ねん12月18日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1911-12-24) 1911年ねん12月24日にち（64歳さい没ぼつ）
前ぜん職しょく	鉄道てつどう会議かいぎ議員ぎいん
称号しょうごう	正せい三さん位い 勲くん二に等とう瑞宝章ずいほうしょう 従したがえ三さん位い 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう 正せい四よん位い 勲くん四よん等とう瑞宝章ずいほうしょう 従したがえ四よん位い
親族しんぞく	兄あに・井原いはら昂のぼる(島根しまね県知事けんちじ) 娘むすめ婿むこ・田寺たでら俊信としのぶ(石川いしかわ県知事けんちじ) 甥おい・田中たなか遜へりくだ(衆議院しゅうぎいん議員ぎいん)
貴族きぞく院いん議員ぎいん
在任ざいにん期間きかん	1904年ねん8月がつ22日にち - 1911年ねん12月24日にち
官選かんせん 第だい7代だい 山口やまぐち県知事けんちじ
在任ざいにん期間きかん	1899年ねん1月がつ13日にち - 1902年ねん2月がつ8日にち
官選かんせん 第だい11代だい 石川いしかわ県知事けんちじ
在任ざいにん期間きかん	1896年ねん12月26日にち - 1898年ねん7月がつ16日にち
官選かんせん 第だい3代だい 奈良なら県知事けんちじ
在任ざいにん期間きかん	1894年ねん1月がつ20日はつか - 1896年ねん12月26日にち

民みん撰せん議院ぎいん設立せつりつ建白けんぱく書しょ序文じょぶん（筆頭ひっとうに古沢ふるさわの署名しょめいがある）

古沢ふるさわ滋しげるの撰文せんぶんによる日にち清しん戦役せんえき戦捷せんしょう紀き念ねん碑ひ（大和やまと神社じんじゃ）

古沢ふるさわ 滋しげる（ふるさわ しげる、1847年ねん12月18日にち（弘ひろし化か4年ねん11月11日にち）- 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）12月24日にち）は、幕末ばくまつの土佐とさ藩士はんし・土佐とさ勤王きんのう党とう員いん、民みん撰せん議院ぎいん設立せつりつ建白けんぱく書しょの起草きそう者しゃ。明治めいじ期きの官僚かんりょう、政治せいじ家か。自由じゆう民権みんけん運動うんどう家いえ、県知事けんちじ、貴族きぞく院いん議員ぎいん、錦鶏きんけい間あいだ祗候しこう。『自由じゆう新聞しんぶん』主筆しゅひつ。前ぜん名な・古沢ふるさわ迂まが郎ろう（うろう）、号ごう・介かい堂どう。従したがえ三さん位い勲くん二に等とう。

来歴らいれき

土佐とさ藩はん家老がろう深ふか尾家おいえ家臣かしん・古沢ふるさわ南洋なんようの二男じなんとして生うまれる。父ちちや実兄じっけい・井原いはら昂のぼるとともに土佐とさ勤王きんのう党とうに加入かにゅうし、上洛じょうらくして尊王そんのう攘夷じょうい運動うんどうに加くわわるが、帰郷ききょう時じに投獄とうごくされた。

明治維新めいじいしん後ごの明治めいじ2年ねん（1869年ねん）、石巻いしのまき県けんに出仕しゅっし。明治めいじ3年ねん2月がつ（1870年ねん3月がつ）、大蔵省おおくらしょうに転てんじ十じゅう等とう出仕しゅっしとなる。同年どうねん7月がつ、イギリスへ留学りゅうがくのため派遣はけんされ政治せいじ経済けいざい学がくを学まなぶ。1873年ねん12月に帰国きこく。1874年ねん、板垣いたがき退助たいすけの依頼いらいで民みん撰せん議院ぎいん設立せつりつ建白けんぱく書しょの起草きそうに携たずさわり、自由じゆう民権みんけん運動うんどうに加くわわる。

1875年ねん8月がつ、元老げんろう院いん権けん大だい書記官しょきかんに就任しゅうにん。以後いご、二に等とう法制ほうせい官かん、法制ほうせい局きょく権けん大だい書記官しょきかん、地方ちほう官かん会議かいぎ御用ごよう掛かけなどを務つとめ、1880年ねん4月がつに退官たいかんした。その後ご、『大阪おおさか日報にっぽう』社長しゃちょうとなり、1882年ねんに『日本にっぽん立憲りっけん政党せいとう新聞しんぶん』主幹しゅかん、さらに『自由じゆう新聞しんぶん』主筆しゅひつを務つとめた。

1886年ねん2月がつ、外務がいむ書記官しょきかんとなる。以後いご、外務省がいむしょう総務そうむ局きょく報告ほうこく課長かちょう、内務省ないむしょう参事官さんじかん、農のう商務しょうむ書記官しょきかん、同どう参事官さんじかん、逓信ていしん省しょう郵務ゆうむ局長きょくちょう、兼けん郵便ゆうびん為替かわせ貯金ちょきん局長きょくちょう、兼けん東京とうきょう郵便ゆうびん電信でんしん学がく校長こうちょう、鉄道てつどう会議かいぎ議員ぎいんなどを歴任れきにん。

奈良なら国立こくりつ博物館はくぶつかん

1894年ねん1月がつ、奈良なら県知事けんちじに就任しゅうにん。県けん庁舎ちょうしゃの新築しんちくを実現じつげんした。その他た、帝国ていこく奈良なら博物館はくぶつかん評議ひょうぎ員いん、兼けん同どう博物館はくぶつかん長ちょうを務つとめた。1896年ねん12月、石川いしかわ県知事けんちじへ転任てんにん。1898年ねん7月がつ、同どう県知事けんちじを退任たいにん。1899年ねん1月がつ、山口やまぐち県知事けんちじとなる。産業さんぎょう振興しんこうのため、道路どうろ改修かいしゅうと教育きょういくの充実じゅうじつを推進すいしんした。1902年ねん2月がつに山口やまぐち県知事けんちじを休職きゅうしょくとなる。

1904年ねん8月がつ22日にち、貴族きぞく院いん勅みことのり選せん議員ぎいんに任にんじられ、死去しきょするまで在任ざいにん。1904年ねん9月がつ17日にち、錦鶏きんけい間あいだ祗候しこうを仰おおせ付つけられた。その他た、教科きょうか用よう図書としょ調査ちょうさ委員いいん会かい委員いいん、維新いしん史料しりょう編纂へんさん会かい委員いいんなどを務つとめた。

栄典えいてん・授章じゅしょう・授賞じゅしょう

位階いかい

• 1890年ねん（明治めいじ23年ねん）12月8日にち - 従したがえ四よん位い
• 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）10月30日にち - 正せい四よん位い
• 1905年ねん（明治めいじ38年ねん）5月1日にち - 従したがえ三さん位い
• 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）12月23日にち - 正せい三さん位い

勲章くんしょう等とう

• 1893年ねん（明治めいじ26年ねん）6月29日にち - 勲くん四よん等とう瑞宝章ずいほうしょう
• 1898年ねん（明治めいじ31年ねん）6月28日にち - 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう
• 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）12月23日にち - 勲くん二に等とう瑞宝章ずいほうしょう

石碑せきひ

奈良なら県知事けんちじとして在任ざいにん中ちゅうの1896年ねん1月がつ30日にち、奈良なら県けんの大和やまと神社じんじゃに『日にち清しん戦役せんえき戦捷せんしょう紀き念ねん碑ひ』を建立こんりゅうした。朝あさ和かず村むらの村民そんみんの求もとめに応おうじて撰文せんぶんしたもので、全文ぜんぶんが簡潔かんけつな漢文かんぶんで記しるされている。

明治めいじ二に十じゅう七なな年ねん清人きよひと負ふ盟めい。八はち月がつ、

皇帝こうてい發はつ詔みことのり伐き清きよし。二に十じゅう八年三月清王割臺灣及遼東之地、納金のうきん乞和。十じゅう月がつ、臺灣たいわん平たいら師し還かえ。是ぜ役やく、吾われ大和やまと朝ちょう和かず村むら、壮丁そうてい從軍じゅうぐん者しゃ五ご十じゅう四よん人にん。此旹村民そんみん相しょう謀はかりごと、立たて碑いしぶみ勒五十じゅう四よん人にん姓名せいめい。傳つて乎不朽ふきゅう。予よ喜き其所以ゆえん、炳耀無む前まえ之の偉えら蹟あと、激励げきれい尚武しょうぶ義勇ぎゆう之の心こころ也爲記き。

明治めいじ二に十じゅう九きゅう年ねん一いち月がつ三さん十じゅう日にち

奈良なら縣知事けんちじ　從したがえ四よん位い勲くん四よん等とう　古澤ふるさわ滋しげる撰せん

（意訳いやく）明治めいじ二に十じゅう七なな年ねん（一いち八はち九きゅう四よん）清国きよくにの人ひとは盟約めいやくに背そむいた。八はち月がつ、明治天皇めいじてんのうは詔みことのり（みことのり）を煥発かんぱつあらせられて清国きよくにを征伐せいばつした。翌よく二に十じゅう八はち年ねん三さん月がつ、清国きよくにの王おうは台湾たいわんと遼東りゃおとん半島はんとうを日本にっぽんに割譲かつじょうし賠償金ばいしょうきんを納おさめて和わを乞こうた。十じゅう月がつ、台湾たいわんを平定へいていして兵へいが帰還きかんした。この戦役せんえきで、わが大和やまと（奈良なら）の朝あさ和かず村むらからは若人わこうど五ご十じゅう四よん名めいが従軍じゅうぐんした。この時とき、村民そんみんらは相談そうだんし石碑せきひを建立こんりゅうして五ご十じゅう四よん名めいの姓名せいめいを勒（きざ）み、このことを永世えいせいに伝つたえようと考かんがえた。私わたし（古澤ふるさわ滋しげる）はその趣意しゅいに賛同さんどうした。それは、国威こくいを輝かがやかした無上むじょうの偉業いぎょうとして、武たけを尚なお（とうと）び義勇ぎゆうの心しんを激励げきれいしたいからである。その為ために記しるす。

明治めいじ二に十じゅう九きゅう年ねん一いち月がつ三さん十じゅう日にち

奈良なら県知事けんちじ　従したがえ四よん位い勲くん四よん等とう　古澤ふるさわ滋しげる撰せん

1945年ねんの大だい東亜とうあ戦争せんそう終戦しゅうせん後ご、GHQによる神道しんとう指令しれいにより忠魂碑ちゅうこんひ、戦勝せんしょう記念きねん碑ひ等とうの撤去てっきょ・破壊はかいが命めいぜられたが、歴史れきし的てきに貴重きちょうな石碑せきひであるため破壊はかいするに忍しのびず、横倒よこだおしにして土どを被かぶせ隠かくされた。現在げんざいは元通もとどおりに修復しゅうふくされ案内あんない板ばんも整備せいびされている。

著作ちょさく

著書ちょしょ

• 『近時きんじ宇内うだい大勢おおぜい一いち斑むら 第だい1-3編へん』宕西書院しょいん、1906年ねん
• 『介かい堂どう存そん稿こう』山下やました巍たかし八郎はちろう、1933年ねん

訳書やくしょ

• ヘンリー・ジョフラ『経済けいざい要よう説せつ』大蔵省おおくらしょう、1877年ねん

親族しんぞく

• 父ちち：古沢ふるさわ南洋なんよう（土佐とさ藩はん家老がろう深尾ふかお家かの家臣かしん）
  • 兄あに：井原いはら昻（島根しまね県知事けんちじ）
    • 甥おい（兄あにの次男じなん）：田中たなか遜へりくだ（衆議院しゅうぎいん議員ぎいん）- 田中たなか光ひかり顕あきら伯爵はくしゃくの養子ようしとなる
      • 甥おいの子こ：田中たなか光ひかり常つね - フリーカメラマン
  • 本人ほんにん：古沢ふるさわ滋しげる
    • 娘むすめ：田寺たでら尚子しょうこ
    • 娘むすめ婿むこ：田寺たでら俊信としのぶ（内務ないむ官僚かんりょう）

参考さんこう文献ぶんけん

• 上田うえだ正ただし昭あきら他た『日本人にっぽんじん名めい大だい辞典じてん』講談社こうだんしゃ、2001年ねん。
• 『朝ちょう日にち日本にっぽん歴史れきし人物じんぶつ事典じてん』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1994年ねん。
• 歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『新編しんぺん日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1991年ねん。
• 衆議院しゅうぎいん・参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど百ひゃく年ねん史し - 貴族きぞく院いん・参議院さんぎいん議員ぎいん名鑑めいかん』1990年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。
• 内閣ないかく「従したがえ三さん位い勲くん三さん等とう古沢ふるさわ滋しげる」明治めいじ44年ねん。アジア歴史れきし資料しりょうセンター レファレンスコード: A10112720000

外部がいぶリンク

• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 古沢ふるさわ滋しげる｜近代きんだい日本人にっぽんじんの肖像しょうぞう
• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 憲政けんせい資料しりょう室しつ 古沢ふるさわ滋しげる関係かんけい文書ぶんしょ

公職こうしょく
先代せんだい 栗野くりの慎一郎しんいちろう	東京とうきょう郵便ゆうびん電信でんしん学がく校長こうちょう 1891年ねん	次代じだい 光妙寺こうみょうじ三郎さぶろう