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皇帝こうていわしと、小麦こむぎけんえられたハーケンクロイツに「」とかれた、ナチス・ドイツ食料しょくりょう農業のうぎょうしょうのロゴ
1937ねん12月13にちゴスラー農業のうぎょうコミュニティーの会議かいぎで、「」とかれたロゴのまえ挨拶あいさつするリヒャルト・ヴァルター・ダレ
併合へいごうしたポーランドへの初期しょきのドイツの植民しょくみん植民しょくみんのスローガンは「ライヒへ帰郷ききょうせよ」(de:Heim ins Reich)。

(ちとつち、ドイツ: Blut und Boden英語えいご: Blood and Soil)は、民族みんぞく主義しゅぎてきイデオロギーの1つで、文化ぶんかてき継承けいしょう意味いみする民族みんぞくの「」と、祖国そこく意味いみする「」の2つの要素ようそ焦点しょうてんてる。民衆みんしゅうと、かれらがたがや土地とち関係かんけい祝福しゅくふくし、地方ちほう生活せいかつ美徳びとくとしてたか評価ひょうかする。

起源きげん

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」という標語ひょうご自体じたいドイツ社会しゃかい民主党みんしゅとうアウグスト・ヴィニヒ主張しゅちょうしたのがはじまりであり、人種じんしゅ差別さべつ主義しゅぎナショナル・ロマンティシズム支持しじする部分ぶぶんがあった。地方ちほう主義しゅぎ文学ぶんがくされ、いくつかの社会しゃかいてき批判ひはんけた[1]。このロマンチックな執着しゅうちゃくは、ナチス台頭たいとう以前いぜん普及ふきゅうした[2]

ナチスの使用しよう

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ナチス・ドイツ台頭たいとうどう時期じきに、リヒャルト・ヴァルター・ダレがこの用語ようご普及ふきゅうさせた。1930ねんかれは「基礎きそとしたあたらしい貴族きぞく」(Neuadel aus Blut und Boden)とばれるほんいて、体系たいけいてき優生ゆうせいがく政策せいさく提案ていあんし、国家こっかをむしばんでいるすべての問題もんだいへの万能ばんのうやくとて、血統けっとうろんじた[3]。ダレは国家こっか社会しゃかい主義しゅぎドイツ労働ろうどうしゃとう(ナチス)影響えいきょうりょくのあるメンバーで、都市とし以外いがいのドイツ全体ぜんたいとう支持しじ拡大かくだいすることおおきな貢献こうけんをした著名ちょめい人種じんしゅ理論りろんであった。ナチスは勢力せいりょく拡大かくだい先立さきだって、支持しじそう都市としから田舎いなかにも転換てんかんする必要ひつようがあった[4]

1933ねんライヒ世襲せしゅう農地のうちほう(de:Reichserbhofgesetz)は「」の思想しそう採用さいようし、その目的もくてき以下いかのようにしるしている。「農耕のうこう共同きょうどうたいを、ドイツ民衆みんしゅうみなもととして保全ほぜんする」(Das Bauerntum als Blutquelle des deutschen Volkes erhalten)。選定せんていされた土地とちが、ちちから年長ねんちょう継承けいしょうされた土地とち宣言せんげんされて、抵当ていとうれたり譲渡じょうとすることはできず、ナチスが農民のうみん差別さべつするためにそこの農民のうみんのみが「農場のうじょう農民のうみん」(Bauen)とばれた[5]農村のうそん歩兵ほへい供給きょうきゅうもとであり、産業さんぎょう都市としの「民族みんぞくのカオス」とはことなりドイツ民族みんぞく共同きょうどうたい(de:Volksgemeinschaft)ともみなされていた[6]

カール・シュミットは、抽象ちゅうしょうてきぜん世界せかいなか民族みんぞくへの忠誠ちゅうせいしんしんもとめられるために、民衆みんしゅうかれらの「」にたいして適切てきせつほう開発かいはつすべき、と主張しゅちょうした[7]

影響えいきょう

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独立どくりつスロバキアヴォイテフ・トゥカ首相しゅしょうは「」に共感きょうかんした。

1943ねん日本にっぽん厚生省こうせいしょう作成さくせいした「大和やまと民族みんぞく中核ちゅうかくとする世界せかい政策せいさく検討けんとう」は、ナチスの国家こっか社会しゃかい主義しゅぎ用語ようご概念がいねんからの引用いんよう影響えいきょう多数たすうられる[8]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Pierre Aycoberry The Nazi Question, p8 Pantheon Books New York 1981
  2. ^ Robert Cecil, The Myth of the Master Race: Alfred Rosenberg and Nazi Ideology p165 ISBN 0-396-06577-5
  3. ^ Barbara Miller Lane, Leila J. Rupp, Nazi Ideology Before 1933: A Documentation p. 110-1 ISBN 0-292-75512-0
  4. ^ Richard Grunberger, The 12-Year Reich, p 151, ISBN 0-03-076435-1
  5. ^ en:Richard Grunberger, The 12-Year Reich, p 156-7, ISBN 0-03-076435-1
  6. ^ Robert Cecil, The Myth of the Master Race: Alfred Rosenberg and Nazi Ideology p166 ISBN 0-396-06577-5
  7. ^ en:Claudia Koonz, The Nazi Conscience, p 60 ISBN 0-674-01172-4
  8. ^ en:John W. Dower, War Without Mercy: Race & Power in the Pacific War p265 ISBN 0-394-50030-X

外部がいぶリンク

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